ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「二人でドライブ」で検索した結果

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  • 二人でドライブ
     居間でごろごろしながら携帯でネットを見ていると、母さんが声をかけて来た。 「ハル、午後、3時間くらい時間ある?」 「いいわよ。車でしょ? 買い出し?」 「悪いわね。キョン君はいいの?」 「それくらい離れて暮らした方が愛も深まるってもんよ!」 「あの……3時間だけでいいのよ」  最近、車の免許を取った。キョンと一緒にだけどね。  母さんも免許は持っているけれど、運転は得意でないらしい(大抵の事は何でもこなすのに、めずらしいこともあるもんだ)。  親父は、居れば居るでうっとうしいくらい構ってくるけど、普段は滅多に家にいることがないから、あたしが小さい頃を除けば、うちには車は無い期間が長かった。  で、免許取得と同時に、新車がやってきた訳。 「どうせ3分も経たないうちに、ぶつけてぺしゃんこになるんだから、紙製でいいぞ、紙で」 と親父はまた馬鹿な事を言ってたけれど、も...
  • 二人は何故レスリングなんかしてたのか?
    二人でドライブより 親 父 強くなりたい? そりゃまた、あまりに少年マンガ的な決意だな、カカロット。 キョン いや、ベジータに勝てるまで強くなくてもいいんですが。 親 父 ぶっちゃけて言うとな、キョン、人間は訓練で強くなったりしない。毎日、砂を叩いてこぶしを固くすることはできるだろう。経験から間合いをつかむコツを会得するかもしれん。だが、どれだけやっても、捨てるほど安い拳銃一丁持ったガキにかなわんし、複数人に襲われたらひとたまりも無い。まして誰かに襲われて、自分以外の者を守ったりなどできん。 キョン ……だからです。 親 父 ん? キョン 俺たちが何かそういう場面に出くわした時、ハルヒは俺を守って戦わなくちゃならなくなる。うまく言えませんが、俺があいつの足手まといになりたくない、というか。 親 父 なるほど。そういうバカップルな決意だったか。……いいだろ...
  • そのとき親父書きは何を思ったか(その13)?
    ...えました。 二人でドライブ  こういうのを書くのはすごく好きなんですが、こういうのを受け入れてくれるハルヒスレの人たちも好きです。個別キャラ・スレなのに、いいのか、おい、と思ってないわけじゃないんですよ。 二人は何故レスリングなんかしてたのか?  元のタイトルは「キョンの特訓」(笑)。とりあえず体当たりから始まって、タックル、バックドロップまで教えてもらうという話でしたが、あんなことになった三沢氏のこともあって、その部分をカットすると、こうなりました。  涼宮ハルヒの格闘では、「危ないことはするな」と言ってたのは、キョンの方だったんですが。 新落語シリーズ「松山鏡」  ちょっとだけ解説を(笑)。  「松山鏡」という落語は、「庶民は鏡なんて見た事がない、したがって自分の顔を自分では知らない」というのを前提にしてます(落語でも、領主様は和歌でトリセツを書...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ...まった翌朝の涼宮家 二人でドライブ 同じ夢の中 6月の桜 デカンショ ハルヒのピアノ 7月30日プロレス記念日 クレイマークレイマー 長門有希の空腹 長門有希の満腹 銀行強盗 夏仕舞い ハルヒと親父の格闘 For piano four hands 親父のびおろん 親父とRPG やつは大変なものを盗んで行きました 通り魔 先延ばしの詩(うた) 冷蔵庫のあかり オヤジのバスケ 化粧 親父抜きの大晦日 Sweet Pain 師走の親父 通り魔2 雪洞の親父 しもやけ オヤジ野球 ホワイトデー ちかんにあった 朝食の情景 親父の臨終 ハルヒと親父シリーズ以外:主としてハルキョンもの +異年齢シリーズ 異年齢シリーズ ハルヒ>キョン   ハルヒ先輩 ハルヒ先輩2 ハルヒ先輩3 ハルヒ先輩4   ハルヒ先輩5 ハルヒ先輩6 ハルヒ先輩7 ハルヒ先輩8 ハルヒ<キョン  ...
  • 二人でベンチに
    ハルヒ 今日、とても仲の良さそうなおじいさんとおばあさんを見かけたの。 母 そうなの。 ハルヒ 公園のベンチでね、小一時間ぐらい座っていたわ。あまり話してる様子はないけど、「ねえ?」とか「ああ」とか「そうだね」とか、相槌みたいなことばかりね、それでもちゃんと気持ちが伝わってる感じ。 母 ええ、すてきね。長い時間を共にされたからかしら。 ハルヒ 母さんたちは、よくしゃべってるわね。 母 そうね。 ハルヒ お互いのことを、知れば知るほど、分かりあうほど、話さなくなるものなの? 母 お父さんなんか、わざと分かりにくくするために、しゃべってるところがあるわね。 ハルヒ そうよ!まったく、あの親父ときたら! 母 でも、お父さんが「かくしたいもの」なんて一目瞭然よ。 ハルヒ 何? 母 「照れ」よ。 ハルヒ なーんだ。そのくせ、クサイせりふは平気で吐くわ...
  • 二人は暮らし始めました 4日目
    「ハルヒ、いつもネットで何見てるんだ?」 「内緒」 「おいおい。『一緒に暮らす以上お互い隠し事はなし』っていったのは、おまえだぞ。といっても、俺の方は、すでに隠すような余地は何もないわけだが。『あたしと住むんだから、この手のものは必要ないわね』って随分捨てられたし(谷口すまんな)。で、今は何見てるんだ?」 「プライバシー」 「けんもほろろ、かよ。んなこと言われると、余計に見たくなるんだよ。えーい、実力行使!」 「あー、後悔するわよ」 「誰だ、このマヌケ面? って、俺かよ! というか、ライブカメラな現在の俺かよ! どこで撮ってるんだ?」 「そんなの、アングルでわかるでしょ」 「って、パソコンのディスプレイのすぐ上に乗ってるじゃないか。なんで、気付かなかった、おれ?」 「灯台下暗しってとこね」 「いや、まて。高校時代もか。部室でも、おまえ……」 「ふっ。ご想像にお任せする...
  • SOS団がカラオケへ行く
     いと気高きSOS団団長が、自ら団員の「福利厚生」に頭をしぼって考えつかれたのが、本日のSOS団主催第一回超慰安カラオケ大会だ。 「組織のパフォーマンスには、何よりメンバーのモチベーションが大事だしね! この機会に、団長自らが各団員とデュエットして、士気を鼓舞するのよ!」  団長自らが、って、この女ノリノリである。 1.みくる&団長  「恋のバカンス」—ハモリとと踊り  萌え効果倍増、朝比奈さんが調子はずれでなく歌い切る、ハモる。二人の踊りも完璧。練習したんじゃないか、と思うぐらい。歌い終えて、ハイタッチで喜びあう二人。こんなに息があっているのをみるのははじめて。いつもは一方的に朝比奈さんがいじられているのだが。練習したのかと尋ねると息を切らせながらも、答えない。反則な笑顔でまたハモる。「禁則事項です♪」 2.長門&団長  「God knows」ーいつかの再現、長...
  • ラブひげ危機一髪(二人は暮らし始めました)
    「なんだ、また古泉から小荷物か。今度はどこの強壮剤だ?……『ラブひげ危機一発』?」 「あんた、なにしてんの?」 「ハルヒ、いや、古泉からまた怪しげな小荷物がとどいてな。中身をたしかめようと開けたところだ」 「今度はどこの精力剤?」 「いや、どうも、そうじゃないらしい。『ラブひげ危機一発』ってなんだ?」 「あんた、「黒ひげ危機一発」も知らないの?」 「それは知ってる。ナイフを順番に刺していって、『当たり』の場所に刺すと黒ひげが飛びだすゲームだろ」 「黒ひげがが飛びだしたら、そいつの負けだから、むしろ『はずれ』ね」 「こいつは、そのアレンジ版か?」 「そうね。簡単に言うと、『黒ひげ危機一発』に『王様ゲーム』を足しこんだみたいなものね。まあ、試しにやれば、どういうものか、察しの悪いあんたにも分かるでしょ」 「おう、やってみるか。……ハルヒ、突き刺すナイフになんか書いてあるぞ」...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その3
    親父が来る その2から   ……この親父、家族愛に訴えてまで、娘を怖がらせようとしている。しかし怖がらせたところで、この親父に何の見返りがあるというのか。ある意味なけなしの父娘の絆をまた損なうだけじゃないのか。  それにしても、こいつもまたダブル・バインドだ。まともに受け取れば冗談にして茶化すことができるし、相手にしなければ親の死に冷淡な態度を非難できる。いずれを選んでも、向こうに負ける余地はない。  おれはハルヒの反応を見ようと後ろを振り返った。 「ふう。で、その不幸の手紙は何人に出せばいいの?」 おい、ハルヒ。いきなり《肝心なことは聞いてない》攻撃か? 「バカ娘、そうじゃない。死を回避する方法はないんだ」 そうだ、そういう設定だろ。 「人間いつかは死ぬわよ!」 一般論!! 「だからいつ死んでもいいように、今日の今この時を一生懸命生きるの! キョン、あたし何か...
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  • 嫁いだ日
    オヤジ 行っちまったか。 ハルヒ母 ええ。 オヤジ 騒がしい奴らだったな。 ハルヒ母 いなくなるとさびしくなりますね。 オヤジ 自分たちの住処を見つけて、越していっただけだぞ、母さん。 ハルヒ母 ええ。私たちもそうして一人立ちしたのよ。 オヤジ 今のあいつらよりは、歳くってたけどな。 ハルヒ母 今ごろになって、お父さんの気持ちが少し分かった気がするの。 オヤジ どの気持ちだ? ハルヒ母 「惜しくってたまらん。美人に育ちすぎたぞ」って。 オヤジ そんなこと言ったのか、おれ。 ハルヒ母 ええ。 オヤジ 馬鹿オヤジ、ここに極まれリ、だな。 ハルヒ母 そういうところも好きですよ。 オヤジ あいつらが出ていったら、犬でも飼おうかと思ったんだけどな。 ハルヒ母 そうなの? オヤジ だが、やめた。こんな気持ちは一度でたくさんだ。 ハルヒ...
  • 親父抜きの大晦日その後
    親父抜きの大晦日から   「……ハルヒ」 「何よ?」 「……風呂のおかげで、生き返った」 「たいがいにしなさいよね。本当に死んだらどうすんの!?」 「ああ、すまん」 「あんたは助けに駆けつけたつもりだろうけど、そうなったのは全部あのバカ親父のせいだけど、力つきたあんたを発見するあたしの身にもなりなさい!」 「すまん。あやまる」 「わかったら、さっさと着替えなさい! 風邪引くわよ!」 「ハル、パジャマ、出してあげた?」 「出したわよ」 「サイズはどうかしら?」 「一寸の狂いも無く、ぴったりよ」 「これ、親父さんのじゃないよな?」 「ぜんっぜん違うわ」 「よかったわ。キョン君がいつ泊まりに来てもいいようにと買っておいたの。さすが、ハルの採寸ね。本当にぴったり」 「採寸って、おまえ、そんなことしたか?」 「覚えてないなら、忘れてよし! いいえ、ぜひ忘れな...
  • バカップル度チェック
    ハルヒ なによ、これ? バカップル度チェック? あ、あんたって奴は…… キョン 試しにやってみるか? ハルヒ そ、そこまで言うなら、いいわ、受けて立ってあげる! キョン いや「そこまで」は言ってないが。 その1 外を歩く時は手を繋いで、または腕を組んで歩く。 ハルヒ あたりまえよね。 キョン あたりまえだな。 その2 向こうだって当然自分のことが好きだ。 ハルヒ ……。 キョン どうした、ハルヒ? ハルヒ どうしよう、あたし、あんたがあたしのことを好きな以上に、あんたのこと好きかもしれない。 キョン バカ言うな。それを言うなら、俺だってな! ハルヒ なによ、こっちにだって! …(略)… その3 どちらがより相手を好きかで言い合いになったことがある。 キョン ハアハア。いまやったな。 ハルヒ ハアハア。初めてじゃない...
  • ラベンダー・バス(二人は暮らし始めました)
     夏の間、部屋に帰ればすぐシャワー、汗をかいたら即シャワー、というパターンを繰り返していたせいか、思えば「ゆっくり湯船につかってくつろいだ」という記憶があまりない。  これは何もシャワーのせいとばかりは言えないだろう。  心・技・体ともに、「ゆっくり湯船につかる」のにまったく不向きな人物と、おれは暮らしているのだから。  まず心。風呂を肉体ばかりか精神をくつろがせ、リフレッシュする場所だとは、どうあっても思えないらしいあいつは、湯船にはられた液体が摂氏40度のお湯だろうが、15度の水だろうがおかまいなしに、真夏の動物園で氷柱をもらった北極クマのように、はしゃぎにはしゃいで、とにかく水をあたりにまき散らしてくれる。  つぎに技。稚戯から一転、あいつがその気になれば、魔法の杖のように指を一振りするだけで、今度はおれの理性が3段式ロケットに乗って宇宙速度で飛び去り、種馬だとかオットセイだ...
  • バカップル度チェック(初心者篇)
    ハルヒ なによ、これ? ば、バカップル度チェックぅ? キョン なんだ、興味あるのか? ハルヒ なっ! ある訳ないでしょ、そんなもん!! キョン そうか。 ハルヒ あ、あんたはどうなのよ!? キョン いや、おれも別に……。 ハルヒ わかったわ!! あんたが、そこまで言うなら、無視するのもかわいそうだから、受けて立ってあげる! キョン いや「そこまで」も何も言ってないが……。 その1 外を歩く時は手を繋いで、または腕を組んで歩く。 ハルヒ て!? うで!? キョン ま、まあ、人それぞれだよな、こういうのは。 ハルヒ ちょっと待ちなさい! ……そうなの? キョン な、なにが? ハルヒ ごまかさないで、ちゃんと言いなさい! キョン だから、何をだよ? ハルヒ つまり、その、手とか! 腕とかよ! キョン 手も腕も、おかげさまで...
  • 7月27日 スイカの日
    ○7月27日 スイカの日  スイカの縦縞模様を綱にたとえ、27を「つ(2)な(7)」(綱)と読む語呂合わせから、記念日に定められました。 ハルヒ バイト?急な話ね。 キョン ああ、なんでも予定してた奴のうち一人が、急な腹痛でダウンしたとかで。この3日間の代打でいいそうだ。 ハルヒ で、なにやるの? キョン スイカ泥棒の番人だ。 ハルヒ はあ? キョン 夜中じゅうスイカ畑を見張って、昼間は眠る。3食昼寝付きで、スイカは食い放題だそうだ。 ハルヒ なによ、そのゆるみきった仕事内容は? キョン 自分で言うのもなんだが、おれにぴったりだろ? ハルヒ ぴったりすぎるわ。……これは、なんかの罠ね。 キョン なんの罠だ。……って、まさか、おまえ? ハルヒ 当然ついて行くわよ。 キョン 待て待て。どこの世界に、スイカ泥棒の番に彼女連れて行く奴がいる? ハルヒ 本当に凶悪なスイカ泥棒がいるなら、...
  • 二人は暮らし始めました 9日目
    「39.2度……。キョン、ごめん」 「熱は出た方がかえって気分はマシなんだ。中途半端なときがいちばんしんどい。だから気にするな」 「ごめん」 「あと人肌で暖めるのがいいのは、雪山で遭難したときだ。俺の方が熱が高いから温まらないし、お前にも風邪がうつるから、もうするな」 「うん、ごめん」 「ネットスーパーで、スポーツドリンクと桃缶とプリンとゼリーの栄養補助食と氷枕と遠赤外線を反射する保温シートを注文してあって午後には届くけど、他に欲しいものない? あと、いつでもおかゆは作る用意はしてあるわ」 「ああ、いまは食べ物は体が受けつけんと思う。ちょっと、眠るから」 「うん」 「熱があるから、何かうわごとを言うかもしれんが気にするな」 「うん。……タオルしぼる水とりかえてくる。ゆっくり寝てて」  二人が付き合い出してない頃、あたしが風邪を引いて、キョンがお見舞いにきて...
  • ハルヒと親父2その後 一周年 その1
    ハルヒと親父2 ー おとまりから 親父 ハルヒ、悪いが、次の土曜の夜、空けておけ。 ハルヒ 悪いがって……、親父、悪い事でもするの? 親父 するか!あとキョンも呼んどけよ。 ハルヒ いったい何なのよ? 親父 1周年だ。 ハルヒ 何が? 親父 おまえらが初エッチしてから。 ハルヒ は? え? って、何で知ってんのよ! 親父 バカ娘、語るに落ちるとはことのことだ。親父を舐めるな。あと言った本人が傷つくようなことを言わせるな。 ハルヒ 勝手にそっちが言ってたんじゃないの! 親父 ああ、そっちじゃない。知り合いの店が1周年なんだ。ほんとは1年前に連れてくはずだったんだが、予定がかち合ったな。 ハルヒ って? あ、母さんが前に言ってたような。あたしが生まれたとき、お祝いもらった? 親父 ああ。今はその娘が継いでるんだがな。 ハルヒ わかったわ。空けとく。 親父 いい心がけだ。そういう娘には...
  • ハルキョンのともコレ
    ハルヒ キョン、どうしよう!? 《あたし達》、離婚するかも!? キョン やれやれ。どれ、貸してみろ。 ハルヒ いけそう? キョン とりあえず各個撃破だ。ひとりずつ機嫌を取るぞ。《ハルヒ》の大好物は? ハルヒ まだ、わかんない。 キョン わかってるうちで、一番の好物は? アイスか。とりあえずアイスをやるぞ。 ハルヒ うん。《キョン》の方は? キョン 同じだ。大好物が分かってたら、それをくれてやれ。 ハルヒ ちょっと嫌。 キョン なんで? なんだ、これ? 大好物:女の子、って? こんなのはじめて見たぞ。 どうやって調達すりゃいいんだ? ハルヒ ……。 キョン まあ、いい。すき焼きでもやっとこう。 ハルヒ あ、吐いてる……。 キョン 「ハルヒと合いません。別れようかと思います」。ああ、もう! か・ん・が・ え・な・お・せ。「わかりました。もう一度、話し合います」、だと。 ハルヒ うまくいくかな?...
  • 受験当日の二人
    「ちょっとキョン、受験票は持ったの? ハンカチは? おやつは500円までよ!」 「こらこら、何を言ってる? おちつけって」 「落ち着いてなんかいられないわよ。ああもう! 代わりにあたしが受けるから、その受験票よこしなさい!」 「替え玉かよ! というか、おまえも一緒に受けるんだろうが」 「あたしがその気になれば、二人分くらいの働きは軽くこなすわよ!答案二枚がえしよ!」 「なあ、ハルヒ。出来の悪い生徒が心配なのはよーく分かる。だったら俺を信じなくたっていい。自分を信じろ。おまえが俺にしてくれたことを思い出せ。日本中のどの受験生だって、俺くらいみっちり勉強を見てもらった奴はいないぞ。俺が保証する」 「あ、あんたがそういうんなら、その、分かったわよ」 「ハルヒ、手を出せ」 「え?」 「手だよ、手」 「うん」 「ほら」 「なにこれ? 氷砂糖?」 「まあ頭のガソリンだ。脳関門...
  • 二人は暮らし始めました 10日目
    ハルヒ うちは女二人に男一人よ。 キョン 俺のところは、男女二人づつだな。 ハルヒ うちではトイレの便座は、普通降ろしてあるわ。 キョン おれのところは、上げてある。 ハルヒ あんたん家は、なんで便座を上げてるの? キョン 知らん。父親に対する、わずかばかりの敬意の表現じゃないか。 ハルヒ 妹ちゃんは、あんたと結構歳が離れてるわよね。上げたままだと、小さい頃危なくなかったの? キョン ああ、トイレトレーニング用の奴があるだろ。あれ取り付けるには、便座を上げとかないといけなかった。その名残かもしれんな。……しかし、これは今決めなきゃならない問題なのか? ハルヒ 甘いわね、キョン。新婚、同棲に関わらず、男と女が暮らし始めたとき、もめごとの種になる第3位が、この「トイレの便座は上げたまま(男性優位)それとも降ろしたまま(女性優位)」問題よ。事は生物の根幹に関わること、しかもはっきり口するのが憚ら...
  • 親父の英会話 Lesson 3
    親父の英会話 Lesson 2から 知る英語 オヤジ 日本人が英語だと、やたらと口にしたがるが、絶対に使っちゃいかんフレーズがある。 キョン なんですか? オヤジ これだ。 I don t know. 知りません/わかりません。  知ったかぶりするより、知らないと素直に表明するのが美徳だと考えてる連中もいる。逆にこういったらバカに見られるから慎めとか、いろいろ言う奴がいる。 が、おれに言わせると、この言葉は、相手と社会と世界に対して完全クローズのポーズを決めこむ事に等しい。ひきこもりイングリッシュだ。 オヤジ 人間、わからないことがあるのは当たり前だ。まして異文化に入った最初のうちは、分からん事だらけだろう。だから、I don t know.ってフレーズは必ず、しかも頻繁にアタマに浮かぶ。そんなときはこう置き換えろ。 What? なんだ?  ここからバリエ...
  • 辞書シリーズ/国語辞典:よばい
    「キョン、あんた、『よばい』って知ってる?」 知っているが、まだしたことはないな。 「うぐっ。聞いてないことまで答えなくていいのよ!」 何をそんなにワタワタしてるんだ、ハルヒ? 「うっさい! あんた、『よばい』って聞いて、やらしいこと想像したでしょ!?」 それはお前の方だ、と十人いれば十人答えると思うが。 「分かってないようだから特別に教えてあげるわ。団員の風紀粛正は団長の役目だから」 といって、ハルヒはノートに文字を書いて、俺に見せた。 「これがあんたが想像してる『よばい』よ。夜の暗闇に乗じて男が女の寝所へ忍び込んでいやらしいことをすること」 そこには「夜に這う」と書いて「夜這い」と書いてあった。 「で、こっちが本来の『よばい』よ」 今度は、ハルヒは「呼ばひ」と書いた。 「よばう(呼ばふ)、つまり動詞「よぶ(呼)」の未然形に、反...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その3
    その2から  バカップル的ひきこもり生活も10日を越えると、さながらル・マン24時間耐久レース(あるいは1万円で1ヶ月生活)の様相を呈してきた。  本家のバイオスフィア実験−水も空気も出入りしない人工閉鎖系で、植物や家畜を持ちこみ、究極のショート・レンジリサイクルを行いつつ人がどこまで生きていけるかという過酷な実験も、予想外の、しかしシステム的な要因による慢性的な酸素不足、収穫不足、家畜の全滅に加えて、実験期間後半には、メンバー間のいさかいが耐えなかったという。  おれたち二人の間でも、いつものように、いさかいは耐えなかったが、これもおそらく谷口あたりに言わせれば、痴話ケンカの域にも達しない「いちゃつき」と判定されるレベルであり、ここに国木田、阪中を加えても、満場一致にして判定は覆らなかったであろう。  おっとハルヒが呼んでいる。後世に書き残し、何かの教訓にしてもらおうとい...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その1
     夕食後のコーヒーを楽しみながら、いつものように、どうでもいいことを話していると、ハルヒがふと、思い出した、といった顔をしてみせた。 「そういえば、こないだは花火見にでかけちゃて、あんたの怪談を聞かずじまいだったわね」 「別におれの方は、聞かせたくなるような怖い話はないぞ。だいたいおまえを怖がらすメリットがない」  むしろデメリットの方が激しくあるんじゃないだろうか。怖がっておれに抱きついてくるタイプじゃないし(ああ、そんなゆるいツンデレなら、世界は幾度も危機に陥ったりせん)、むしろパニックに陥って手当たり次第(おれを含めた)周囲のものに攻撃をし出すことの方を危惧するぞ。 「このあたしを震えあがらせるようなやつを希望するわ」 「だからおれの話を聞けって!」 「団長に二言なし!どっからでもかかってらっしゃい!」 「聞く耳なしだろ!……やれやれ。その言葉、後悔するなよ」 ...
  • 明日のお弁当
    明日のお弁当 ーーー重要なのは、何を食べるかではなく、誰と食べるかである (セネカ) 「ハルヒ、明日は弁当作って来なくていいぞ」  え、今日の、何か失敗してた? キョンの嫌いなものでも入ってた? おいしそうに食べてるように見えたんだけど。 「そうじゃない。おまえの分も必要ないって言ったんだ。ちょっと食べさせたいものがあってな」 って、あんたがお弁当作ってくるってこと? 大丈夫なの? 「ああ。何度か挑戦してたんだが、夕べようやく成功したんだ。ちょっと期待していいぞ」 というか、あんたそんなに朝早くに起きられるの? 「そっちかよ。まあ、大丈夫だと思うが、心配ならモーニング・コールでもしてくれ」 んー、そうね。もっと確実な方法があるわ。 「いや、待て。言うな」 なによ、言わせなさい! 「言ったら最後、その通りにしちまうだろうが!」 言わなくても、いつでもあたし...
  • 同窓会の日にて
    ●同窓会の日   懐かしい再会と感動の場である同窓会により多くの人々に参加してもらおうと、ウェブ同窓会「この指とまれ!」などを運営する「株式会社ゆびとま」が制定。日付は月初め、月末を除き連休になる確率の高いことから毎月第3土曜日に。  「同窓会の日にわざわざ同窓会しようなんて、誰の発案かしら。世の中、似たような事を考える似たようなアタマばっかりなんだから、結局お店が取れなくて、学校で同窓会をやる羽目になるのよ」 「そ、そうだな」 「ちょっと、なに、笑ってんのよ?」 「いや、ちょっとした、思い出し笑いだ」 「気持ち悪いわね」 といいながら、口の形だけ「いーだ」とやってみせる。  この坂をまた登るのかと思うと、当時も思ったある記憶がよみがえって来た。そう、それだけの話だ。  たとえば……あの日、「普通の人間」と一刀両断されたクラスメイトたちは、こいつが同窓会に来...
  • 自転を逆に回して
     ひょんなことから小金が入った。  悪銭身に付かずというわけで、俺たちは小さな戦闘機を買うことにした。  そして今日が処女飛行という訳だ。  小さくても複座(2人乗り)で、ワープは出来ないが、音速なら超えることができる。 「まったく、生きてるうちにこんなものが買えるなんてな」 「あんた、年寄りくさいわよ、キョン」 「しょうがないだろ。実際、年寄りなんだから」 「あたしが言ってるのはね、あんたは昔からかわんないってこと」 「そういうおまえは変わったか。以前なら人に操縦カンを任せるなんてなかったろ?」 「いらいらするほど分かりが悪いのも、相変わらずね。あんたがハンドル握るなら話は別よ。あたしがあんたの運転に文句言ったことなんてあった?」 「他の文句を言うのに忙しいのかと思ってた」 「バカキョン」  旧式といっても、21世紀の軍需品だ。操縦桿を握ってる時間より...
  • あるSS書きの個人的七つ道具ー魔道具篇
    1 マインドマップ 2 ルルスのアルス・マキナ 3 タロット 4 ロジェのシソーラス 5 時空計算尺ガリバー 6 猿の手(Monkey's Paw) 7 Dramatica(ストーリー作成・分析ソフト) 1 マインドマップ  本式(マインドマップ(R))にはいろいろちゃんとしたやり方があるようだが、個人的には、ひとりブレインストーミングの道具。アイデアやプロットやキャラクター設定を膨らませていくのに使える。  大きめの紙の真ん中にメインとなるアイデアなどを書いて、枝を生やして思いついたものをどんどん追加していく。手書きで十分だが、フリーソフトなどもある。  一覧性と追記が容易なところがミソか。   国語力世界一のフィンランドの小学生は、これでお話をつくる練習をするようだ(誰が?なにを?なんのために?といった枝を最初から生やしておいて、そこから広げさせるらしい)。...
  • 長門有希の満腹
    長門有希の空腹から  「長門、立ち入ったことを聞くようで悪いが、こづかいというか仕送りみたいなものは、どういうことになってるんだ?こないだ、その、生活費が足りないとか言ってただろ?」 「必要な生活資金が定期的に銀行口座等に振り込まれる訳ではない。それでは継続的な経済システムへの介入となり、際限のない支出が行われれば広範囲に影響を及ぼす恐れがある」 確かに額にもよるだろうが、偽札を刷り続けるよりは、まずいことが起こりそうだ。 「私がつくられた際に、設けられた基金からの利子及び配当収入で必要な資金はまかなわれている。しかし、2007年 8月17日 サブプライムローン問題を発端とした株価急落以降、生じた世界的な信用収縮(クレジット・クランチ)の影響を受け、収入は激減した。基金は分散されていたが、世界規模のシステミック・リスクには対応できなかった」  まさか、こんな身近に、そんな...
  • 新落語シリーズ「松山鏡」
     越後の国は松山(まつのやま)村に、キョンという、へんな名前の、まことに素朴で孝行者がおったそうでございます。  さて、その評判が領主にも聞こえ、褒美を与えようという話になりました。  「松山村のキョン、ならびに村役人一同、ばっちり付き添ってるねっ!」 領主役はいうまでもなく鶴屋さんでありまして。 「ははあ、一同、付き添いましてございます」 「キョン、面(おもて)をちょいと、上げてくれないかなー」 「はい」 「なるほど、なるほど。キョン、って顔してるねえ。なんでも、めがっさ親孝行なんだってねえ?」 「いえ、両親とも、十分な孝行をしないうちに、亡くなりました。何分、貧乏暮らし故、うまい酒を飲ませたことを、うまい魚を食べさせたこともありません」 「ふーん、随分早いうちに親を亡くしたんだねえ。で、それ以来、墓参りを欠かせたことがないって言うじゃないかぁ! まったく領...
  • ハルキョン家を探す その2
     涼宮家の魅惑の夕食が終わり(今夜は和食、とっても大変そうな懐石風だった)、ハルヒがガリガリ引いたばかりの豆で入れたコーヒーを飲み、今度は俺たちがなんだか皿の上に乗せられているような心持ちだった。人生で起こることは、すべて皿の上でも起こる、と言ったのはだれだったか。 「うん、おもしろい」  ハルヒの親父さんが発した一声はこれだった。 「ひさびさに早く帰って来たら、夕食は魅惑の懐石料理で、その上願ってもないスペシャル・ゲストがいて、バカ娘までしおらしい、と来る。俺は今日のを最後の晩餐にしてもいいくらいの心持ちだよ、母さん」 「なんですか、お父さん」 「キョン君のふとんを敷いてやってくれ。今日は寝ずに語り明かそうな、なっ、キョン君」 「すみません。その前に、お話が」 「おお、何だろう? 俺の向かいにはキョン君がいて、その左隣にはうちのバカ娘。母さんはどこにすわるんだ?...
  • 親父さんと谷口くんエピローグ
    親父さんと谷口くん5から オヤジ 母さん、ちょっと頼みがあるんだが。 ハル母 なんですか、お父さん。 オヤジ 今から、谷口ってのが戦勝報告にくるらしい。まえにハルキョンも連れて、初デートを覗きにいった奴がいたろ? もう3ヶ月経つが、うまくいってるんでお礼方々伺いたいんだと。 ハル母 礼儀正しい方ですね。ハルヒと中学から同級の人でしたね。 オヤジ うーん。やっぱりうちのバカ娘は育て方を間違えたか? ハル母 あれでも、外ではちゃんとしてるみたいですよ。 オヤジ 粗暴なのは親父限定か。あ、それでな。男女別々に話を聞こうと思うんだが。 ハル母 そうなの? じゃあ、彼女さんにはお茶の用意を手伝ってもらいます。 オヤジ 頼む。親父の道楽に付き合わせてすまんな。 ハル母 ふふ、何をいまさら。それに楽しいことじゃないと私も付き合わないわ。 谷口 おじゃまします! 彼女 あの、失礼しま...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その1
    ハルヒ なにベンツのマーク(スリーポインテッドスター)描いて欲情してるの? キョン してない。これは俺たちの生活時間を示した円グラフだ。 ハルヒ ふんふん。こっちが睡眠ね。たっぷり8時間、ちょうど一日の三分の一眠っている訳ね。 キョン 生活習慣を改めた結果だ。ちょっと眠りすぎてる気もするがな。 ハルヒ 睡眠は大事だわ。睡眠時間が7時間を切ると・・・ キョン そのネタは前にやった。で、こっちが学校へ行ったり、買い物に出たり、外に出かけてる社会生活の時間だ。これも合わせると、全部でおよそ8時間になる。 ハルヒ 残りの三分の一は何? キョン あー、うっほん。ハルヒ、こっちへ来い。 ハルヒ 何よ?別にいいけど。……えへへへ。 キョン 何故しがみつく? ハルヒ だきついてんのよ! キョン そうか。で、俺に触るとデレ・スイッチが入るんだな。ツン回路が切れるというか。 ハルヒ 条件反射みたいなものね。く...
  • かなしいうた
    母さん ハル、考えごと? ハルヒ うん。 母さん 昨日はキョン君とデートだったんでしょ? ハルヒ デートじゃないわ。二人で出掛けて、街の中歩いたり、買い物したり、帰りにちょっとカラオケに行っただけよ。 母さん それにしては、浮かない顔ね。かといって悩んでるわけでもなさそうだし。 ハルヒ だから、まさに「考えごと」よ。 母さん そうなの? ハルヒ キョンってあんまり歌がうまくないの。音痴って訳じゃないけど、淡々としすぎてるというか、情感がこもってないっていうか。ついでにレパートリーもそんなに多くなくって、いつも決まって歌う曲があるの。それを、いつものように、昨日も歌ったんだけどね。 母さん ええ、それで? ハルヒ ううん、昨日はそれだけ。何かあったのはさっきよ。めったに聞かないラジオをつけたら、昨日、キョンが歌った歌が流れてきたの。本物のが。曲も歌詞も自分で書く人みたいね。ものすごく悲しい歌...
  • ハルヒ先輩9
    ハルヒ先輩8から  「ちょっと、キョン。こっち向きなさい」 「なんだ、ハルヒ?」 「ネクタイ、曲がってる」 「ああ、すまん」 「はあ。この先、思いやられるわね」 「返す言葉もないが……って、ハルヒ、にやけてる」 「そう、喜びが心の奥底から、ふつふつとね」 「公道で人の袖を握るのはいい。だけど肩で笑うの、やめろよな」 「幸せ過ぎて、いけないことの一つや二つ、故意にやってしまいそうね」 「思いっきり確信犯だぞ」 「キョン、言葉は正確に使いなさい。確信犯というのはね、自分では義賊と思ってる犯罪者のことをいうのよ。あたしの場合は愉快犯よ!」 「どっちでもいいが、あんまり遊んでると式に遅れそうだぞ」 「構わないから待たせておきなさい」 「いや、どっちかっていうとおれは構うぞ。卒業式くらい平穏にすまそうな、ハルヒ」 「いいわ。で、その後は、あんたと二人で夜の卒業式...
  • 彼と彼女と彼女のメール
    To:キョン  4月に入って1週間も経ったわ。なのにキョン、あんたから一通もメールがないって、どういうこと!?   あたしだって入学式だの単位登録だの、その他で忙しいかったわよ!  このアホキョン、なんとか言いなさい!! To:ハルヒ  すまん  大学が始まって早々事故っちまった。  相手も俺も大した怪我じゃないから心配すんな。 To:キョン  ちょっと事故ってどう言うこと?相手って、誰かに怪我させたの?人身事故じゃないの?なんで、そんな大事なことを。 To:ハルヒ  相手は同じ大学の学生だ。怪我も、もう大丈夫だから。 To:キョン  そう。無事なら無事で、それでいいわ。  それより、G.W.には帰ってくるんでしょうね? To:ハルヒ  ああ。 To:キョン  わかったわ。詳しくはその...
  • 二人は暮らし始めました 5日目
    「さあ、キョン! 今朝のメニューは、手羽先餃子に、焼き塩シャケ、蟹かまのマリネに、卵豆腐、さつま芋の味噌汁、納豆、豆乳、ブルーベリー、あと常備菜からは昆布の佃煮とじゃこの佃煮、漬物は3種類。あとご飯はもちろん食べ放題よ!」  ちょっと待て。いや、本当は待たなくていいし、うまそうなんですぐに食べたいんだが、待ってくれ。ハルヒ、朝からこんなに食うのか? 「引っ越ししたばかりで、昨日まではパンとか適当なもので済ませて来たけど、やっぱり日本人は朝食よ! 朝から食えるだけ食って、一日を戦い切る企業戦士よ!」  いや、俺たち、学生だしな。 「なによ、食べないの?」  くう。……食ってから考えるか。 「あー、おいしかった。キョンはどう?」 「ああ、めちゃくちゃうまかったぞ」 「そうね。食いつきが全然ちがってたわ」 「……すまん、ハルヒ。うまいものをたらふく食って幸せに浸っている...
  • 資本戦隊キャピタル・ファイブ
    オヤジ 娘。 ハルヒ 何よ、オヤジ。 オヤジ シナリオだ。 ハルヒ シナリオって何の? オヤジ 映画だ。また撮るんだろ? ハルヒ はあ? オヤジ おまえら5人だから、とりあえず戦隊ものにしといた。 ハルヒ しといたって、こら、こんなもの押し付けんな!! 資本戦隊キャピタル・ファイブ キャピタル・レッド……リーダー、でもスパイ キャピタル・ブルー……クールな一匹狼 キャピタル・イエロー……調子がよい太鼓持ち、二重スパイ キャピタル・ブラック……「イエス、ユー・キャン」が口癖 キャピタル・グリーン……葉緑素を体内に持ち、菜食主義を地でいく半植物人間、エコロジスト、青臭い言動が持ち味 ゴールド司令官……戦隊をあずかる。必殺技ゴールド・ラッシュ。 カツマー長官……キャピタリズムを体現した初の女性長官。爆弾発言が得意。愛読書はミルトン・フリードマン『資本主義と自由』。 カツマー長官 ...
  • オヤジサンタ
     コンコンと部屋の窓ガラスを叩く音がして、何か赤いものが外を横切った。 「よお、キョン。今日は冷えるな。しかし、あまり時間がない。急いでくれ」 「親父さん、これはいったい?」 「見て分からんか? サンタだ」 「いや、それは、わかるんですが」 「おれもこの歳でやるとは思わなかった。老後の楽しみに取っておこうと思ってたんだが、この御時世に人手不足らしい。誰か首相に教えてやれ」 「おれも行くんですか?」 「そうだ。オチも考えてあるから心配するな。一通り配り終えたら、おまえさんにストッキングをかぶせて、バカ娘の部屋に窓から放り込む。悪く思わんでくれ」  自分の「行く末」の方は無視して、おれは今聞いておかないと、この先きっと質問する機会が永遠に失われるであろう事項について尋ねた。 「このトナカイとそり、宙に浮いてるように見えるんですが?」 「だからサンタだ。原理はいまいち分からん...
  • アーカイブ
     「はい、これ」 後ろの席から回って来たのは、MDディスクだった。 「あんたんち、再生も録音もできたわよね」 「ああ、ラジカセがある。で、これは、なんだ?」 「聞けば分かるわ」 「そりゃわかるだろう。で、何なんだ?」 「んもう。人に聞くばっかりじゃなくて、自分で手足と頭を使って、ちょっとは考えなさい。……まあ、あんたがここで言ってもいいっていうんなら、いいわ。言って上げましょう」 「ちょっと待て!」  そういうものなのか、これは? 「は? あんた、なんだと思ったの?」  くっ、はめやがったな。ちょっとここでは言えないようなことを、ほんの少しは想像したとも。笑うなら笑え。……だがすぐ打ち消したぞ! これは罠だ、とおれの背中がぴりぴりとした…… 「あんたの勘も当てになんないわね。このMDの中身は、え・い・ご。あんたの発音は、まあほかのどの教科も決して良いとは言えない、いい...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その2
    その1から ハルヒ 今日からやっと夏休みよ。これで思う存分いちゃラブできわね! キョン なんだ、その、いたラブって?イタ車みたいなものか? ハルヒ そう、アニメ・キャラをでっかくプリントした続き柄のおそろいを着て、って何でやねん! キョン おお、乗りツッコミ。しかも関西弁だ。 ハルヒ 確かにあれは痛いカップルだったわ。 キョン !実在するのか? ハルヒ あの世界は深いわ、キョン。まだまだこんなもんじゃないわよ。 キョン いや、その話題はストーリーとも関係ないし、なんだか帰って来れない気がするから、やめとけ。 ハルヒ そうね。話を戻すと、夏休みよ!学校に行かなくて済むし、寝る以外のすべての時間を、強い意味でのイチャイチャにつぎこむつもりでいくから覚悟しなさい! キョン なんだ、その「強い意味」って? ハルヒ ハードな内容になるってことだけは言えるわね。 キョン 具体的には? ハルヒ...
  • 二人は暮らし始めましたー場外ー親父が来る その2
    親父が来る その1から  計画なき逃亡をぶち上げたハルヒに、おれは首を振った。  「ハルヒ、ダメだ。前にも言ったろ。恐怖と不安は逃げれば逃げるほど、大きく強くなるって」 「じゃあ、どうすんのよ」 「馴化だ、簡単に言えば、馴れるんだ。詳しいやり方は、今教えてやる。使えるものは3つあるんだが、まずは……ハルヒ、拳をつくってみろ」 「こ、こう」 「シャドウ(・ボクシング)まではいらん。今、鼻をかすめたぞ」 「ごめん」 「ぐっと握って、腕に、二の腕に、肩にありったけの力を入れてみろ。ぶるぶる震えるくらい。……そしたら、ぱっと一度に力を抜く」 「ふう」 「これを全部の手足、胴体でやる。筋弛緩法って奴だ。恐怖や不安と両立しない感情や生理状態があるって話も、前にしたな。怒りや食欲や性欲の満足もそうだが、リラックスってのも恐怖や不安と両立しない。怖がってるときは、体もこわばって...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その6
    涼宮ハルヒのリフォーム その5から  それでも、この大掛かりで、ひょっとするとものすごくばかばかしいかもしれないミッションに、俺も参加しない訳にはいかないようだった。  おれは開けっぱなしの窓から恐る恐る手鏡を出して下を見た。続いて、今度は首を出してノクト・ビジョンをしたまま真下を見た。  さっきまで影にしか見えなかったやつが、こちらを見上げていた。つまり目があった。 「なにしてるんだ、おまえ?」  いや、わかってる。こっちの方こそ、何してるんだってことはな。 「下見」  相手が答えた。 「下見って、何の?」 「一緒に住むこと」 「キョン、今おまえ、女の子と喋ってるみたいに聞こえるんだが、知り合いか」 「長門です」  親父さんにそう答えて、俺はノクト・ビジョンをひっぺがし、長門に言った。 「銃なんか向けてすまなかった。どこか痛めてたり、すりむいてないか?」...
  • ネーミング・ライツ
     「SOS団の新しい活動を発表するわ」 「おお、すばらしい」 「古泉、まだ何も言っとらんぞ」 「やっぱりわかる、古泉君? この企画のすばらしさが!」 「勝手にやってくれ」 「キョン、話に集中しなさい。あんたは、今回の目玉なんだから」 「外させてもらおう。おれは真ん中より隅っこが好きなんだ」 「SOS団も、ついにネーミング・ライツ事業に乗り出すわよ!」 「ほえー、ネーミング・ライツって何ですか?」 「いい質問ね、みくるちゃん。そういう読者の目線に立った疑問を打ち上げてもらえると、説明的なセリフも自然に流れるってものよ!」 「メタに説明したら、何にもならんだろ。いまはgoogleもウィキペディアもあるんだし、わからん言葉は自分で調べるさ」 「ネーミング・ライツってのはね、日本語で言えば『命名権』のことよ。最近よくいうのは、スポーツ施設や文化施設等の名称に、企業名が入ってい...
  • 親父さんと谷口くん5
    親父さんと谷口くん4から 谷口 親父師匠! 親父 誰かと思えば谷口か。今日は何だか悩んでなさそうだな。 谷口 はい。あれからいろいろ紆余曲折ありましたが、なんとかデートの約束までこぎつけるところまで行きました。 親父 そうか、100人斬りナンパ・エクスポージャまでやったのか。 谷口 はい、断られるのが前提で声をかけるのは、なかなかきついものがありましたが、確かにたかだか断られるだけ、誰も声をかけるなりゲロを吐いたり殴ったりする人はなかったです。  自分が内気だとは思ってませんでしたが、それに気付いて克服することができました。今では鼻からスパゲッティ食べて逆立ちでグランド1周くらいできそうです。 親父 そうか。しかし鼻からパスタはやめておけ。で、今日は? 谷口 はい。ご報告と、最後のアドバイスをいただきに参上つかまつりました。 親父 うむ。まあ、ドタキャンされても泣かないようにな。 ...
  • 留守番(二人は暮らし始めました)
     「……ハルヒ?」  手が隣が居る誰かを探していた。  気が付いて、目が覚める。 「そうか。あいつ、帰ってたっけ」  あの親父さんがインフルエンザだとかで、「タダでさえ体の弱い母さんにうつしたら大変」だからと、親父さんは一室に隔離され、食事を出したり着替えを出し入れしたりをハルヒがやることになった。 「おまえにうつったら意味ないだろ?」 「あたしはそんなマヌケじゃないわ。親父のタミフルひったくって先に飲んでおくから。親父? タミフルなんかに頼らず気合で治させるわ。この暮れの忙しいときに呼び付けるんだから、それぐらい当然よ。それにタミフルの服用は、症状は劇的に改善するけど、治癒についていえば平均で1日だけ治りが早くなるくらいの効果しかないの」  あわれ、親父さん……。  あいつと暮らし始めて、8ヶ月。  のべつまくなし、ほとんどあらゆる時間を一緒に居...
  • ハルヒ先輩5
    ハルヒ先輩4から  「ハルヒ、前から言ってたけど、明日から修学旅行だ。2泊3日だけど、その間会えないから」 「なんで?」 「なんでって、旅行だし、この町離れるから」 「父兄参加はないの?」 「ない!と言うか、父兄じゃないだろ!?」 「保護者扱いにしなさい」 「保護者も同伴しない! っていうか、修学旅行だぞ、同じ高校だったんだし、ハルヒも行っただろ?」 「ううん、行ってない。団体行動に対してモチベーション低かったから」 「いや、学校自体が団体行動の固まりだろ!」 「とにかく連れていきなさい!」 「首にすがりついてゴロゴロしても無理!」 「どうしても?」 「上目使いしても、くらくらするけど、無理。だいたい俺の一存に左右される学校行事なんてないだろ!?」 「じゃあ校長を堕してくる」 「やめろ。本気でできそうだから、やめてくれ」 「じゃあ、土壇場にしか働かな...
  • あるSS書きの個人的七つ道具の使い方ータロット篇
    グレマスの行為項モデル  『民話の形態論(The Morphology of the Folk Tale)』という著作で、プロップは100の妖精の話を、約30の‘機能’で解釈した。ここでいう「機能」は、物語の登場人物が行う行動の基本単位である。  プロップは民話(物語)の登場人物を「彼等が何ものであるか?」ではなく「彼等が何をするか(どんな役割/はたらきを果たすか)」について分類し、つぎの7つの役割を挙げた。 悪者 提供者 支援者 探される人(the sought for person)(と彼女の父親) 送り出す人 ヒーロー 偽ヒーロー  そして物語の中で、これら役割が物語の中でどのような‘機能’を果たすかについて次のように説明する(これは物語の筋でもある)。 1 初期状態 ヒーローの家族のメンバーが紹介される。 2 失踪 家族の一人が家庭から失踪する。 3 制止 制...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その5
    涼宮ハルヒのリフォーム その4から  「で、どうすんの?」 と尋ねるハルヒの眼の中に、往年の某野球マンガにまで遡れるメラメラと燃える炎が見えたのは気のせいか? いずれにしろ、今やこいつの気分は絶好調に高揚し、アドレナリンが分泌され、「オラ、わくわくしてきたぞ」状態になっているのは間違いない。 「マグライト振り回して、相手の侵入経路を調べて回るのが手堅いが、そんなことでもすれば、相手が人間であれ物の怪の類いであれ、間違いなく勘付かれる」 「そうね」  ハルヒは頷いた。 「とっと逃げられて、ほんとに居たのか居なかったのかも、よくわからない、ってのが最悪のケースね」  そういうと思ったぞ。二手に分かれるのはリスクがある。かといって一方から追い込んでも、窓から外に飛ばれでもしたら、それでおしまいだ。  「手、貸そうか?」  後ろから、聞き覚えのありすぎる声。そして予想がつ...
  • @wiki全体から「二人でドライブ」で調べる

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