ハルヒと親父 @ wiki内検索 / 「保健室へ行こう6」で検索した結果

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  • 保健室へ行こう6
    保健室へ行こう5から  「3年は、もう授業もないのに、毎日、ご苦労だな」 「これがないと一日が始まんないし、終わんないの」 「何も保健室で、しなくていいと思わないか?」 「何よ、嫌なの?」 「いいや。給料貰ってデートまでしてバチが当たらないか、少し怖いだけだ」 「もし、そんなものが来たら、返り討ちにしてあげるわよ」 「……ハルヒ、幸せか?」 「当たり前でしょ」 「卒業したら、ここでこうしてるのも、当たり前じゃなくなる。まあ、元々あまり『当たり前』じゃないんだけどな」 「そうね。そのかわり、あんたが仕事から帰って来て、朝、出掛けるまでずっと一緒よ」 「おまえの親がよく許したと思うよ。感謝してる」 「あ、あたしだって感謝はしてるわよ。……その、あんたにも。あんたと思えない早業でうちの親、説得しちゃったし。それに……事のはじめで言えば、あんたがあたしを……よくOK...
  • 保健室へ行こう5
    ...どね。 保健室へ行こう6
  • 保健室へ行こうエピローグ
    保健室へ行こう6から  「ふ、ふぁふぁははは」 「ハルヒ、嬉しいのは分かるが、悪の首領笑いはよせ」 「これが笑わずに居られる? 卒業で学校とはおさらば、あんたとは生徒と教師の関係は解消、あんたの訳の分からない自主規制も消滅、はれて恋人同士、しかも新婚初夜よ! 溜まりまくったあんたが、どんな野獣に変わるか、それ考えると笑いが止まらないわ」 「どうやったら、おまえの破天荒な期待に添えるか分からんが、最初だし、熟れ切ったカップルがマンネリを打破するのにやるようなハードな展開は多分ないぞ」 「え、そうなの?」 「どんな想像で未知の領域を埋めてるんだ、おまえは。大航海時代のオランダの地図職人か? セックスなんてのはな、好きな者同士、相手に合わせてやれば、普通に十分気持ちいいもんなんだ。でなきゃ人類なんてとっくに滅んでる」  ● ● ●  「ち、ち、ちょっと、キョン...
  • 保健室へ行こう5(キョン視点)
    ...、わっふる 保健室へ行こう6
  • 保健室へ行こう3
    保健室へ行こう2から 「おまえ、ずっとそれ着て授業受けてるのか?」 「わるい?」 「悪くはないが、洗濯とかどうしてるんだ?」 「そんなことしちゃ《意味ない》じゃない!」 「やれやれ。そんなことじゃないかと思った自分がちょっと嫌だな。ほら、これ」 「何よ?」 「洗い替え用の白衣だ。あ、ちゃんと一度、袖を通してあるからな。これなら《意味ある》だろ?」 「うー」 「どした?」 「こんなことも気付かなかった自分に腹立ててんの!」 「今着てるやつ、よこせ。洗ってくるから」 「ダメ! あたしが言い出しっぺなんだから、あたしが洗濯するの! あんたの情けは受けないわ! ……洗い替え用の白衣は、ありがたく頂戴するけど」 「それじゃ、洗濯してきたのを持って来い。袖を通してやるから」 「……バカにしてんでしょ?」 「いいや」 「めんどくさい女だと思ってんでしょ?」 「あ...
  • 保健室へ行こう2
    保健室へ行こうから 「どうだった?」 「ん? ああ、教頭か? 大変うらやましい、私もあと20も若ければ、と言ってた」 「20も引いたら、あたしなんてマイナスになるわよ。……じゃなくて!」 「クビか? 大変優秀な生徒なんで、なんとか穏便に済ませたい、協力してくれ、って話だったなあ」 「さすが、お・と・なは、言うことが違うわね」 「とりあえず進学はさせます、ってことで手を打ってきた」 「あんた、何、人の未来を勝手に決めてんのよ!」 「そんなことができるか。『結局、本人のやる気ですから』っていうオチだ」 「タヌキ。悪人」 「大人だって、教頭先生だって、夢を見る権利はある」 「極悪人。とにかく、あたしは大学なんて行かないからね!」 「好きにすりゃいい。……ああ、あとハルヒが保健室に篭城してるんで、本来なら保健室登校しそうな連中が怖がって、真面目に授業を受けているとお...
  • 保健室へ行こう4
    保健室へ行こう3から 「ねえ、キョン」 「ん、なんだ、ハルヒ?」 「あたしたちってさ、週に5日しか会わないわね」 「学校のある日だけだからな」 「……で、明日、あんた暇?」 「仕事のない日は、たいてい暇だが」 「学校の外で会う分は、生徒でも教師でもないわよね」 「どうだろうなあ……。痴漢しても、教師は教師って書かれるしな」 「ほう、あたしに痴漢しようっての?」 「もののたとえだ。……淫行には、なるかもな」 「なによ、それ?」 「年端の行かない、物心の付いてない青少年を悪い大人がそそのかして、いけないことをすること、らしい。ほら」 「……最高裁判例によると、 (1)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為 (2)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認め...
  • 保健室へ行こう
     「先生、生理痛がひどくて」 「クスリ飲んで寝てなさい」 「……」 「なんだ?」 「……あんた、だれ?」 「保健室の先生(正式名称:養護教諭)だが」 「なんで男がそんなのやってんのよ!?」 「失礼な。まだまだ少ないとはいえ、少しずつ増えつつある全国の男性養護教諭に謝れ」 「高校生といえば多感な時期よ。それを何? 恋愛の悩みとか性の悩みとか、と、とにかく相談しにくいじゃないの!」 「ここは男女共学だろ。女性の養護教諭に男子高校生がそういう相談をするのも、うれしはずかしいだろ。同じだ」 「全然違うわよ! こうなったら、あんたを追い出すまで、保健室登校するからね! 覚悟しなさい!」 「保健室登校ってのは、そういうんじゃないんだが。まあ、別に構わんぞ。そういう生徒の胸の内を聞くのも仕事だ」 「む、胸の内って!……く、覚えてなさい、明日は今日みたいには行かないわよ!」 「お...
  • SS(二次創作)「ハルヒと親父」シリーズの物置
    ... 保健室へ行こう5 保健室へ行こう6 +「二人は暮らし始めました」シリーズ 二人は暮らし始めました   1日目  2日目  3日目  4日目  5日目  6日目  7日目   8日目  9日目  10日目 二人は暮らし始めましたー外伝   ハルキョン温泉旅行 その1  その2  その3  その4(最終回)   二人はひきこもりました その1  その2  その3 二人は暮らし始めましたー場外  親父が来る その1 親父が来る その2 二人は暮らし始めましたー短編  ラブひげ危機一髪 ラベンダー・バス  留守番 わるいゆめ +辞書シリーズ 辞書シリーズ 国語辞典:よばい 漢和辞典:虹 英和辞典:I love you. 和英辞典:ただいま/おかえり 新語辞典:バカップル 古語辞典:モノ/コト +新落語シリーズ 新落語シリーズ ...
  • 親父書きがSSを読む その1/お姫様抱っこで保健室に
    (その1)お姫様抱っこで保健室に  親父書きが数えたところ、ハルヒスレSSまとめwikiには、キョンがハルヒをお姫様抱っこで保健室に連れて行く場面がある、あるいは誰かがそのことに言及しているSSが17 件ありました。  このなかで、親父書きが選ぶベスト・ワンは、涼宮ハルヒの負傷 (10-330)です。  このシーンを扱った最初期のSSであり、後世に与えた影響は少なくないと、勝手に想像します(「お姫様抱っこで保健室に」というシチュエーションは、ストック・シチュエーション化してますが、誰もが知っている/利用できるシチュエーションだからこそ、粋ないかす書きこなしが出てくるものです)。  この作品のすばらしさは、ハルヒとキョンの感情描写です。感情描写がうまいというよりもーーー言い換えるとどのように(How)感情描写されているかよりも、何故(why)そこでその人物のそうし...
  • 閲覧回数上位SS
    今日の閲覧回数ベスト20 留守番(二人は暮らし始めました) あるSS書きの個人的七つ道具の使い方ータロット篇 ハルキョン家を探す その3 閲覧累積回数ベスト100 あるSS書きの個人的七つ道具ー魔道具篇 (21591) あるSS書きの個人的七つ道具ー表(タブロー)篇 (17105) ハルヒと親父1 (17040) できちゃった その6(最終回) (15946) ハルキョン家を探す その3 (15228) ハルキョン家を探す その2 (14788) ハルキョン家を探す その5 (14426) ハルヒと親父2 ー おとまり (14120) あるSS書きの七つ道具 (13762) 夏休みの工作 (13497) あるSS書きの個人的七つ道具の使い方ータロット篇 (12724) あるSS書きの個人的七つ道具の使い方(事例編) (12199) ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 そ...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー6
    お立ち寄りいただいた方々のための足跡帳バックナンバー6 ([+]をクリックで展開、[-]をクリックで畳込み) -2009-05-16〜2009-06-07の分 2009-05-16〜2009-06-30の分(別ページ) -2009-07-01〜2009-07-31の分 2009-07-01〜2009-07-31の分(別ページ) -2009-08-01〜2009-08-31の分 2009-08-01〜2009-08-31の分(別ページ) -2009-09-01〜2009-09-30の分 2009-09-01〜2009-09-31の分(別ページ) -2009-10-01〜2009-10-31の分 2009-10-01〜2009-10-31の分(別ページ) -2009-11-01〜2009-11-15の分 ...
  • よくあるデートの誘い方
    古泉 デートの誘い方……ですか? キョン ……まあ、有り体に言えばそうだ。 古泉 なるほど。では場所を移しませんか? 長門さん、僕たち二人は、お茶菓子の買い出しに出たと、涼宮さんにお伝えください。デートうんぬんはご内密に願います。 長門 わかった。 古泉 あなたが《普通》に、というのはNGワードでしたか、《真面目》に誘えば、十中十は了解が得られると思いますが。 キョン 真面目にか。 古泉 いつもはふざけているとか、そういうことではありません。ただお二方とも、うやむやにするのに慣れていらっしゃるので。 キョン ……まあな。 古泉 あえてひとつ付け加えるなら、企画には具体性があったほうがよろしいかと。例えば、ただ『飲みに行かないか』よりも『外人しか来ない秘密のバーに行ってライム入りのコロナビールをストローで飲みながらSMショーを見よう』といった方が、...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー4
    お立ち寄りいただいた方々のための足跡帳バックナンバー3 ([+]をクリックで展開、[-]をクリックで畳込み) -2009-05-16〜2009-06-07の分 2009-05-16〜2009-06-30の分(別ページ) -2009-07-01〜2009-07-31の分 2009-07-01〜2009-07-31の分(別ページ) -2009-08-01〜2009-08-31の分 2009-08-01〜2009-08-31の分(別ページ) -2009-09-01〜2009-09-14の分 スポンサーから一言、脱稿。現在、絶賛反省中。ああ、事件ものなんて手を出すんじゃなかった……。 -- 親父書き (2009-09-01 19 16 12) 某所に1日限りの、私にとっては「夏のご褒美」となるコンテンツ発見。ああ、夏の疲れがいやされ...
  • 親父書きがSSを読む
    親父書きがSSを読む その1:お姫様抱っこで保健室に
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー5
    お立ち寄りいただいた方々のための足跡帳バックナンバー5 ([+]をクリックで展開、[-]をクリックで畳込み) -2009-05-16〜2009-06-07の分 2009-05-16〜2009-06-30の分(別ページ) -2009-07-01〜2009-07-31の分 2009-07-01〜2009-07-31の分(別ページ) -2009-08-01〜2009-08-31の分 2009-08-01〜2009-08-31の分(別ページ) -2009-09-01〜2009-09-30の分 2009-09-01〜2009-09-31の分(別ページ) -2009-10-01〜2009-10-15の分 恐らく最速(28日)で、閲覧回数ベスト100に「親父さんと谷口くん4」が上がってきました。世評(?)の高かった夏の自転車です...
  • 8月18日 北海道清酒の日
    8月18日 北海道清酒の日  「いっ(1)ぱい(8)」(一杯)の語呂合わせから、毎月18日は北海道清酒の日です。  北海道清酒のシンボルとして「いっぺい君」という熊のキャラクターもあります。  また、日本全国の清酒の日は10月1日です。  たいへんお酒の好きな夫婦がおりました。  亭主も女房も、酒に酔わないという日はないほどでした。  二人の親たちも、また友人や近所の者も、見るに見かねて小言を並べ注意をするのですが、いっこうになおりません。  ある日のこと、亭主は外で酒をのみ、べろんべろんによっぱらって、家に帰ってきました。  女房は女房で、亭主のいない間にと、さかんに飲んでおりました。 「ハルヒ、帰ったぞ」  亭主は、ふらつく足をふんばって、玄関に立つと、女房は、酒瓶を持ったまま出てきて 「こんなに遅くまで、どこ言ってたのよ、バカキョン!」 と...
  • 涼宮ハルヒの正夢
     「い、息ができないじゃないの、このエロキョン!!」  狭い教室に(物理的な意味で)大反響を引き起すゴージャスかつラウドネスな寝言だった。少なくとも、うとうとしかけてた俺が一気に過覚醒しちまうぐらいには、な。 「……で、できなくても、いいけどぉ。むにゃむにゃ」  はた迷惑な誰かさんの夢の内容については、あえて触れず、想像するのも止めておく。だから推測も無用だ。背景色でのリクエストも受け付けない。5組の連中にならって、肩をすくめてやり過ごしてくれ。以上だ。  が、次の寝言&寝アクション(俺を後ろに引き倒す)は、事なかれ主義者として事態をスルーしようとしてた俺の中の、なんというか名付け難いメーターの針を振り切れさせた。 「早く起きなさい、って言ってんのよ、あたしは!!」 「うお!痛ーっ。……ハ、ハルヒ!! 起きるのは、お・ま・え・だ!!」 「んが?」 「……目が、覚めた、か?」...
  • 司書はある朝、魔女になる
    司書はなにゆえ魔女になる?から  ある日の放課後。  いつものようにSOS団部室(本当は文芸部部室)の前まで来ると、ひょっとすると文芸部の方に入りたくてやってきたような、文学少女オーラを放つ小さな女子生徒が、その人外魔境と化している(とうわさされる)部屋の中へ、入ろうか入るまいかと逡巡(しゅんじゅう)を続けていた。 「もしかして、長門に用か? 多分、中にいると思うから入っても構わないぞ」 とおれが声をかけると、すがるような助けを求めるような目でこっちを見た。やれやれ。  おれはドアを開け、そいつが中にいるのを確認して言った。 「長門、図書委員がまた来てるぞ」 「そう」 と言って長門は本を閉じて立ち上がり、おれは長門とすれ違うように部室の中に入った。  二、三言だろうか、この距離でも聞き取れないような小さな声で、図書委員と言葉を交わした長門は、 「図書室へ行って...
  • ツンデレエンザ
    「ちょっと、キョン、大丈夫なの? 39度ぉ!? だったら電話なんかしてないで寝てなさい! かけたのは、確かにあたしだけど。 とにかく! あったかくして寝てなさい。帰りに寄るから」  来るな、うつる、とか言ってた気がするけど、インフルエンザで寝こんでるような気合の足りない雑用係の妄言なんて聞くに値しないわよね、うん。キョン、待ってなさい!あんたの風邪なんか、あたしがいっぱつで治したげるわ!! 「インフルエンザは風邪ではない」 って、有希? いつからいたの。 「さっき」 そう。でもあたし、インフルエンザなんて言ったかしら? 「言っていない。でも現在、流行中」 そうね。うちのクラスも10人以上休んでるんじゃないかしら。 「学級閉鎖の可能性が高い」 そうなの? あいつがいないと退屈だし、いっそ休みの方がいいかも……って、キョンのことなんか考えてないし、しゃべってないわよ! ...
  • 8月2日 パンツの日
    ○8月2日 パンツの日  奈良の下着メーカー磯貝布帛工業(イソカイ)が自社ブランド「シルビー802」の商品名にちなんで制定しました。  後に、大坂の下着メーカー、オグランも「パン(8)ツ(2)」の語呂合わせから、この日を記念日にしました。 オヤジ 今日はパンツの日だな。 キョン そうですか。知りませんでした。 オヤジ かといって、どうしようもないがな。 キョン そうですね。贈るとか飾るとか、なんかそういうのでもないと。 オヤジ キョン、お前はパンツを贈る癖とか飾る癖があるのか? キョン いや、ないです。 オヤジ なんだ、つまらん。行動を喚起しない記念日なんぞ、なんのネタにもなりゃしないな。 キョン ちなみに、「パンツを贈る癖」から、どういう展開があったんですか? オヤジ 知りたいか? キョン そう聞かれて、知りたかったことも、断れたことも、ない気がするんですが。 オヤジ そう...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その1
    「あー、やっとあんたも、ゼリーとプリンの日々にお別れできるわね」  とはいうものの、おれはゼリー生活に少しだけ未練があった。ゼリーだけであれだけの種類のものが作れるのも驚異だが、そのすべてが極ウマだったのだ。栄養なんかのことは、味付け以上に考えてあったんだろう。それ以外のものを口にしてないのに、2キロ太ったぐらいだからな。 「あんたのおなかの具合もよくなったことだし、買い出しに行くわよ!」  買い出し、は少々大げさでも、ハルヒはずっと付き添っていたせいで、おれが熱を出してからの買い物はすべてネットスーパーで済ませていた。数日ぶりに買い物に《出かける》ことになるな。 「おれも行こう。その勢いだと、おまえだけだと持ちきれんほど買っちまうだろう」 「あんたは病み上がりなんだし、……うーん、まあ、そこまでいうなら、お供に連れて行かないこともないわ」  いや、単なる買い物だ。それ以上のご...
  • スモール・トークス
    Small Talk 親しい間柄で、どうでもいい話題について行われる、フレンドリーな会話。要するに本題に入る前の雑談、世間話。これができないと「人間扱い」されず、人と人の会話にならない。(『ユキペディア』より) Talk 1 ハルヒ ねえ、キョン。 キョン ……なんだ、ハルヒ? ハルヒ 「どーでもいい話」だけど。 キョン ああ。 ハルヒ 「いい話」って、おおむね平凡よね。 キョン そうか? まあ、そんな気もしないでもないが。 ハルヒ たとえば、人に親切にすると3倍になって返ってくるとか。 キョン それは、どっちかっていうと「うまい話」じゃないか? ハルヒ そうね。じゃあ、正義は必ず勝つ、とか。 キョン それは、「そうあってほしい話」だろ。 ハルヒ んー、勇気を出して告白したら、相手も自分のことを好きだった、とか。 キョン それが「よ...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その2から  そんなこんなで、出発当日。  ハルヒから電話をもらった俺は、パッケージング・バイ・ハルヒのトランクを、俺の部屋から玄関へと運び、その到着を待っていた。  ほぼ予定時刻に、すでに涼宮家を満載したライト・バン型タクシー(?)が、うちの家の前に到着した。 「いわゆる空港行きの乗り合いタクシーだ。予約している飛行機の便を連絡しとくと、タクシー会社が調整して、ドア・トゥ・ドアで送迎してくれる。今日は、おれたちだけみたいだが」  とハルヒの親父さんが、運転手に代わってそのシステムを説明してくれる。 「それじゃあ、行ってくるから」  と家族に、特に妹に、言い聞かせるように旅立ちの挨拶をする。 「ご迷惑かけないようにね。涼宮さん、お世話になります」 「こちらこそ。無理を言ってすみません」 「いえいえ、うちの馬鹿息子は、本当にハルヒ...
  • ロール・プレイング その3
    ロール・プレイング その2から オヤジ あいつらは? キョン ええ、火に当たって濡れた体を乾かしてます。親父さんそれは? オヤジ ん?ああ、タロットだ。おれたちの世界で言うと、マルセイユ版って奴だ。酒場でやたら絡んでくる奴がいてな、ちょっとした賭けをして巻き上げた。 キョン 大丈夫ですか? 占い師なら、商売あがったりじゃ? オヤジ 残念だが、タロットは占いもカバラも無関係のあとからのこじつけ、って結論が出てる。ダメットって学者が分厚い本を書いててな。今度貸してやる。 キョン は、はい。 オヤジ で、どう思う? キョン 何がです? オヤジ とぼけるな。おまえが気付いてないはずがない。 キョン ……。 オヤジ じゃあ聞くが、さっき斬り方が分かったとか言ってたが、その時「あいつ」の声はしたか? キョン ……親父さん、実は……。 オヤジ ちょっと待て。「実は」ってんなら、おれの方が先に話...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その4
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3から  飛行機は快調に空を飛び、涼宮ハルヒは俺の二の腕に盛大に頭をぶつけて眠っている。 「おい、ハルヒ。起きろ、飯だ、機内食だぞ」 「ん……あ?」 「どっちにしろ寝ちまうんだな」 「"What would you like, beef or fish? 」 「ああ、うん。……キョン、あんた、魚とお肉、どっちがいい?」 「ああ、肉にするか」 「Can I have the fish meal ? He says he d like to have the beef.(わたしは魚料理をちょうだい、彼は肉料理を食べたいそうよ)」 「いまさら驚かんが、英語もできるのか?」 「親父の持論だと、ハロー、プリーズ、サンキュの3つとクレジット・カードがあれば、どこへ行ってもなんとかなるらしいけどね」  ハルヒがト...
  • 留守番(二人は暮らし始めました)
     「……ハルヒ?」  手が隣が居る誰かを探していた。  気が付いて、目が覚める。 「そうか。あいつ、帰ってたっけ」  あの親父さんがインフルエンザだとかで、「タダでさえ体の弱い母さんにうつしたら大変」だからと、親父さんは一室に隔離され、食事を出したり着替えを出し入れしたりをハルヒがやることになった。 「おまえにうつったら意味ないだろ?」 「あたしはそんなマヌケじゃないわ。親父のタミフルひったくって先に飲んでおくから。親父? タミフルなんかに頼らず気合で治させるわ。この暮れの忙しいときに呼び付けるんだから、それぐらい当然よ。それにタミフルの服用は、症状は劇的に改善するけど、治癒についていえば平均で1日だけ治りが早くなるくらいの効果しかないの」  あわれ、親父さん……。  あいつと暮らし始めて、8ヶ月。  のべつまくなし、ほとんどあらゆる時間を一緒に居...
  • オヤジラジオ その2
    オヤジラジオ その1から オヤジ 周波数不明、発信地不定、一日限りのオヤジ・ラジオだ。 バチカン市国、サン・ピエトロ寺院前広場から絶賛生中継でお送りする。 じゃあ、まず最初のハガキを読むか。匿名希望、西宮市の谷口君からのメッセージ。 「どうしたら、モテるようになりますか?」 って、おまえ、こればっかりだな。もっと人が読まないような難しげな本でも読んだ方が、将来後悔しないぞ。 ああ、モテる方法だったな。とりあえず大枚はたいて、等身大の熊のぬいぐるみを買え。そして毎日そいつを連れて登校するんだ。教師やクラスメイトからは引かれるだろうが、2週間もすれば痛いウワサが行き渡って、周囲の学校から女生徒のみが見物に来るぞ。サインしてやるときに、メアドくらい聞けるだろ。まあ、がんばれ。 じゃあ、最初の曲。我が相棒、長門有希のリクエストで、ムソルグスキー作曲、編曲と演奏はうちの母さんで「禿山の一夜...
  • オヤジラジオ その4
    オヤジラジオ その3から ハルヒ それ、どういうこと? じゃあ、発信機を探しだせても、何にもならないの? キョン そういうことだ。 ハルヒ ちょっと、キョン、どうすんのよ!? キョン ハルヒ、落ち着け。 ハルヒ って、あんたは何でそんなに落ち着いてんのよ!? キョン ハルヒ、これって、いろいろ周囲を巻きこんで多少傍迷惑ではあるが、要するに、お前と親父さんの親子ゲンカだろ。 ハルヒ う、うぐ。た、確かに、そう言えなくもないけど。 キョン だから、だ。俺たちが背負ってるのは世界の破滅でも、誰かの不幸でもない。相手は超常現象でも不条理でもない。いくらか常軌を逸しているが、親父さんの悪知恵と悪戯心に勝てばいいんだろ。 ハルヒ ぶっちゃけ、そうよ!  キョン だったらな、ハルヒ、おれたちは多分、答えの鍵をすでに手にしてると思うぞ。 ハルヒ どういうこと? キョン それも、後でなんで気付かなか...
  • SOS団がカラオケへ行く
     いと気高きSOS団団長が、自ら団員の「福利厚生」に頭をしぼって考えつかれたのが、本日のSOS団主催第一回超慰安カラオケ大会だ。 「組織のパフォーマンスには、何よりメンバーのモチベーションが大事だしね! この機会に、団長自らが各団員とデュエットして、士気を鼓舞するのよ!」  団長自らが、って、この女ノリノリである。 1.みくる&団長  「恋のバカンス」—ハモリとと踊り  萌え効果倍増、朝比奈さんが調子はずれでなく歌い切る、ハモる。二人の踊りも完璧。練習したんじゃないか、と思うぐらい。歌い終えて、ハイタッチで喜びあう二人。こんなに息があっているのをみるのははじめて。いつもは一方的に朝比奈さんがいじられているのだが。練習したのかと尋ねると息を切らせながらも、答えない。反則な笑顔でまたハモる。「禁則事項です♪」 2.長門&団長  「God knows」ーいつかの再現、長...
  • 涼宮ハルヒのリフォーム その2
    涼宮ハルヒのリフォーム その1から  元々は善良な街角の不動産屋であったのが、ひょんなことからSOS団熱に感染してしまい、不思議探索だけでは開き足らず、不思議物件を手に入れ、それをハルヒと俺に貸してくれるという。  ハルヒが断定するところの、その「お化け屋敷」の間取り図をつくるために、俺はハルヒの親父さんとともに、あの不動産屋がある駅へと電車で向かっていた。  「相談があるんだ」 家を出てから数分を待たずに親父さんは言った。 「はい」 なんだろう? 「さぼろう」 「はい?」 いきなりですか? 「大の男が雁首そろえて、かび臭い古屋で巻尺ふりまわしてるってのも、様にならん」 まあ、それはそうかもしれませんが。 「しかし、なんの策もなしに、たださぼるというのは、どうも……」 「しっかり尻に敷かれてるな」 周囲からすると、そう見えるかもしれんが、おれに言わせる...
  • スポンサーから一言 その4
    スポンサーから一言 その3から  「食うもの食ったし、食後の歓談までやった。バカップルにしては上出来だ。オヤジは気をきかせて、ここらで退散する」 「キョン」 とハルヒが言った。 「ああ、そうだな。……親父さん、送ります」 「お前に送られてもなあ。この辺りは、まだ馬賊でも出るのか?肉弾戦だったら、正直、ハルヒの方が役に立つぞ」 おれもそう思う。だが、親父さんの話が、あれで終わりだとは思えなかった。ハルヒも同じだろう。そしてハルヒと親父さんの間には、いつしか結ばれた、互いに弱みを見せないという相互不可侵条約があるらしい。だったら、今ここに居る人間で、その続きを聞くのは俺の役割ってことになる。  親父さんはハルヒの顔を見て、それからおれを見た。 「なるほど。じゃあ、キョン、ついてこい。ハルヒ、こいつを借りてくぞ。馬車がかぼちゃに戻る前には帰す」  部屋を出て、大通...
  • できちゃった その5
    できちゃった その4から 「両親教室? 何だ、それは?」 「実質は父親教室みたいなものらしいんですが。いままで妊婦さん向けの母親教室は、どこの産婦人科でもやってたんですが、それだと父親になる側が、母親になる側と、知識にしろモチベーションにしろギャップが広がってしまうんで、両方が参加する教室を導入しているところが増えているみたいなんです。両親教室への参加が、立ち合い出産の条件になっているところも多くて」 「まあ、何も知らんバカを出産に立ち合わせても、騒ぐだけで役には立たんしな」 「あんたの場合、役に立たないどころか、追いだされたんでしょ?」 「バカ娘、それは正確とは言えん。母さんから『もう大丈夫』サインが出たんで、おとなしく退散したんだ。な、母さん」 「ええ。さすがにわたしもハルヒを生むのに集中したくって」 「ほら、見なさい。キョン、あたしたちは二の轍は踏まないで行く...
  • 8月1日記念日の応酬
    ハルヒ 今日は、肺の日よ!日本呼吸器学会が1999(平成11)年に制定して、2000(平成12)年から実施してるわ。 キョン はいはい、「は(8)い(1)」(肺)の語呂合せ、ね。 ハルヒ 同様の理由で麻雀の日よ! 全国麻雀業組合総連合会が、健全な娯楽としての麻雀をPRする為に制定したわ。 キョン はいはい、「パ(8)イ(1)」(牌)の語呂合せ。同様の理由だな。 ハルヒ ほとんど同じだけど、パイの日よ!大阪麻雀連合会が制定したけど、以下省略で流していくわよ! キョン これも、「パ(8)イ(1)」(牌)の同じ語呂合せ、だろ。同じ日に同じ語呂合わせで、なんで一緒にやらないんだ? ハルヒ 知らないわよ! キョン そりゃそうだ。 ハルヒ ガンガン行くわよ。今日は、パインの日よ! 沖縄県・農林水産省などが制定したわ。 キョン もちろん「パ(8)イ(1)ン」の語呂合せ、だよな。 ハルヒ そして、今日は、...
  • ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その6
    ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その5から 「ところでキョン君、鹿撃ちにいかないか?」  次の日の朝。  俺たちが宿泊したコテージのベランダにでかいダイニング・テーブルを引っ張り出して、4人で朝食をとった後、コーヒーを飲みつつ、親父さんは、その気楽な格好のように、気楽に言った。 「今、なんと?」 「こんな小島に、鹿なんてでかいものが生きていける生態系がないでしょうが」  と突っ込むハルヒ。 「ではキョン君、カジキマグロを釣りに行かないか?」 「それはどこの港町ラハイナよ!」  と突っ込むハルヒ。 「ではハルヒ、キョン君はもう食ったのか?」 「ぶっ!ごほごほ」  と咳きこむ俺。 「このエロオヤジ!どうしてあたしに聞くのよ!こっちに先に来くのが筋ってもんでしょ!」  いや、それも筋が違うぞ、ハルヒ。それにその話題を引きずり戦線を拡大すると、このSSが...
  • 歴史改変阻止シリーズ
    ミッション1:男女混浴の禁止を阻止せよ ミッション2:「2ちゃんねる」開設を阻止せよ ミッション3:スーパーマンの登場を阻止せよ ミッション1:男女混浴の禁止を阻止せよ ハルヒ:キョン!ねえ、キョン! キョン:なんだ、ハルヒ。朝っぱらから。 ハルヒ:歴史を変えにいくわよ。さっさとタイム・マシンを用意して。 キョン:お、おまえ、本編の設定および俺たちの見せられない苦労を足蹴にして、なんて ことを。だいたい、歴史のどこをどう変えようってんだ? ハルヒ:これよ、これ! まったくもって許しがたいわ。  1900年5月24日 銭湯などでの12歳以上の男女混浴を禁止。 キョン:待て。お前、よく読んだのか?  ハルヒ:何がよ。混浴が禁止なのよ。そんなの容認できないわ。だってあたしたちはとっくに12歳以上なのよ! キョン:いや、だから、待てって。ちゃんと銭湯な...
  • 親父の英会話 Lesson 1
    オヤジ 英会話だあ、キョン? お前も特訓でそこそこ読み書きできるようになったろ。あとはカンとフィーリングと根性だ。あと、ハルヒにまかせとけば、ずっと喋ってるぞ。 キョン いや、向こうへ行くのに、それじゃあんまりかと思って。 極小の英会話 オヤジ まあ、あんまりだけどな。うーん、いいか、キョン。極端な話、無人島では言葉はいらん。逆に言えば、どうしても言葉が必要になるのは、つまるところ自分一人ではダメで、誰か(がちゃんと存在して、そいつ)に何か頼みたいときだ。だから、英語圏のガキはまず最初に「Please」と「Thank you」を学ぶ。 何か欲しい時は、指差して「This one, please.(これ、ほしい)」だ。これさえ知っときゃ、最低限なんとかなる。現にパック旅行できてる連中なんか、プリーズとハウマッチしか言わん。あとは金にモノをいわせるんだ。 キョン 極論ですが、なるほど。 ...
  • クレイマークレイマー
     いつもは、静かでこじゃれたレストランなのに、怒鳴り声をまき散らしてる馬鹿一人のおかげで、散々な事になってる。  料理もいつもの通りおいしいし、連れに若干の問題があったけど、それを帳消しにするだけのものがあったわ。  まったく、それなのに、ね。料理人まで呼びつけて、意味のわかんないこと、わめいてる。 「なんなのよ、あれ? 連れの女の人だっているのに」 「大方、出掛けに娘につれないことでも言われたか、ネコに飯を食わせるのを忘れたんだろ。あいつらを怒らせると、後が怖い」 「その『あいつら』の中に、あたしも入ってるのかしら?」 「キョン、おまえさんを男にしてやろう。いや、変な意味じゃないぞ。あれを解決して来い」 「行かなくていいわよ、キョン。親父が見本を見せれば?」 今日のディナーはキョンと、あと余計な馬鹿親父と。まあ、親父のおごりだっていうし、この店は気に入ってるしね。 「ご...
  • できちゃった その6(最終回)
    できちゃった その5から 1:  「嫁が臨月だってのに、ダンナを海外に引っ張ってくバカがどこにいんのよ!」 「しかも、それが妊婦の親父だった日には、笑うしかないな」 「笑い事じゃない!! あんた、初孫のことどう思ってんの?」 「目に入れるほど可愛い。だが、おまえのデカ腹ごとじゃどうせ入らん。頑張れ、ハルヒ」 「このクソ親父! そんなにデカくないんだからね!」 「前にも言ったが、いい男は待つってことを知ってるんだ」 「で、肝心のキョンはどこ?」 「あいつ、残業。いい奴だよな」 「母さん、こいつ、やっちゃっていい? 2プラス、1マイナスでおつりがくるわ」 「お父さん……」 「といってもな。何故だか先方がキョンを気に入ってる。キョンもやる気になってる。なんだかサラリーマンみたいだろ、高校生バイトなのに。少々うますぎる話なんでな、俺もついてくつもりなんだが」 「当...
  • 二人でベンチに
    ハルヒ 今日、とても仲の良さそうなおじいさんとおばあさんを見かけたの。 母 そうなの。 ハルヒ 公園のベンチでね、小一時間ぐらい座っていたわ。あまり話してる様子はないけど、「ねえ?」とか「ああ」とか「そうだね」とか、相槌みたいなことばかりね、それでもちゃんと気持ちが伝わってる感じ。 母 ええ、すてきね。長い時間を共にされたからかしら。 ハルヒ 母さんたちは、よくしゃべってるわね。 母 そうね。 ハルヒ お互いのことを、知れば知るほど、分かりあうほど、話さなくなるものなの? 母 お父さんなんか、わざと分かりにくくするために、しゃべってるところがあるわね。 ハルヒ そうよ!まったく、あの親父ときたら! 母 でも、お父さんが「かくしたいもの」なんて一目瞭然よ。 ハルヒ 何? 母 「照れ」よ。 ハルヒ なーんだ。そのくせ、クサイせりふは平気で吐くわ...
  • 涼宮オヤジの20冊
    ホメロス『オデュッセイア』 エリック・ホッファー『波止場日記』 ホメロス『オデュッセイア』  ホメロスは世界で最初の、しかも最高の文学者だ。ここで神話と文学は分かれる。  古代ギリシアの悲劇も叙事詩も、ともに神の血を引く人間たちの姿が英雄的に描かれる。  だが、『オデッセイア』は違う。この主人公は、どんな英雄も、巨人も、精霊も、神をも向こうに回すが、その終始違わぬその望みは、愛するものがいる故郷へ、我が家へ帰り着くことだけだ。なにしろ戦争に駆り出されたくなくて、アホの振りをしたくらいだ。  多くの神に愛され守られていたトロイアは、この男オデッセウスの知謀なしには、決して攻略されなかっただろう。そのせいで神の恨みを買ったこいつは、10年間の戦争の後、さらに10年、世界中の海を彷徨い、恐ろしい一つ目の巨人や歌声で魅了し船という船を難破させるセイレーンなんかに遭遇する羽目になる...
  • 涼宮ハルヒの格闘2
    「10人がかりよ、どうする?」 「どうするも何も、俺たち狙いだろ、どうみても?」 「正確に言うと、あたし狙いだけどね。倒した覚えのあるのが何人か混じってるわ」 「ストリートファイトはやめとけ。と、いつも言ってるだろ」 「ふりかかった火の粉を払っただけよ」 「いや、その前に火をつけて回ったりしなかったか? 比喩で聞いてんだが」 「よくわからないけど、そういうこともあったかもしれないわね」 「やれやれ」 「ほら、『あっちの男は使えねえ』『狙いは女の方だけだ』『取り囲んで、足を止めさえすりゃ勝ちだ』とか、いろいろ言ってるわよ」 「ご期待に添えるかどうか」 「何言ってんの。日頃の特訓の成果を見せる日がとうとう来たのよ。喜びなさい、キョン」 「特訓って、お前の家の庭に穴掘って埋めるアレだろ?」 「そうよ、アレよ」 「まあ、待て。とりあえず話し合いからやるぞ」 「どうぞ」 ...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-二人はひきこもりました その1
    ハルヒ なにベンツのマーク(スリーポインテッドスター)描いて欲情してるの? キョン してない。これは俺たちの生活時間を示した円グラフだ。 ハルヒ ふんふん。こっちが睡眠ね。たっぷり8時間、ちょうど一日の三分の一眠っている訳ね。 キョン 生活習慣を改めた結果だ。ちょっと眠りすぎてる気もするがな。 ハルヒ 睡眠は大事だわ。睡眠時間が7時間を切ると・・・ キョン そのネタは前にやった。で、こっちが学校へ行ったり、買い物に出たり、外に出かけてる社会生活の時間だ。これも合わせると、全部でおよそ8時間になる。 ハルヒ 残りの三分の一は何? キョン あー、うっほん。ハルヒ、こっちへ来い。 ハルヒ 何よ?別にいいけど。……えへへへ。 キョン 何故しがみつく? ハルヒ だきついてんのよ! キョン そうか。で、俺に触るとデレ・スイッチが入るんだな。ツン回路が切れるというか。 ハルヒ 条件反射みたいなものね。く...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その3
    その2から  一泊二日の宿の予約を済ませ、互いにたっぷりと睡眠をむさぼった数日後、俺たちはその、やたらと交通の不便なところにある温泉旅館に向けて出発した。  乗り継ぎの面倒さにも関わらず、ハルヒは終始上機嫌で、 「やっぱり人間寝ないとダメねえ、キョン!」 などと勝ち誇ったように語ってみせる。 「見なさい、いいえ、触れてみなさい、このみずみずしい張りとつやの肌!」 「どれどれ」 「ど、どこさわってんのよ!! 時と場所をわきまえなさい!」 「グーで殴るな。ほっぺただろ!」 「あたしが無抵抗なのをいい事に、人のほっぺを『たこやき』にしたわね」 「抵抗どころか、おもいっきり反撃してるだろ! あと知らない奴には絵でもないと伝えにくいぞ、このいたずら」 「あんたがやったんでしょうが!」  長い旅のはずだったが、くだらない話をする時間というのは、なんでこうも短く感じ...
  • 雪洞の親父
     「あ、キョンか? 親父だ。しくじっちまった。ああ、俺の方はピンピンしてるが、バカが一人、足首をひねってな。おれの見立てじゃ骨まではいってない。今夜は腫れるだろうが、周りは雪だらけで冷やすものには事欠かん。今か? スキー板ででっかい雪胴を掘った。その中にいる。雪は断熱性も遮音性も抜群だからな、中は静かなもんだ。天井もちゃんと滑らかにしたし、壁の下には溝を掘ったから、溶けた雪が垂れて来て悩まされる心配もない。で、用件だ。ついさっき、母さんの携帯にGPSのデータを送った。だが、おれのカンだと、2、3日、低気圧が居座りそうだ。となると、母さんの能力は半減だ。すまんがサポートしてやってくれ。バカと話すか?」 「早く貸しなさい! ……キョン? 親父が大げさなこと言ってたけど、あたしは全然平気だから、あんたはつまんない心配はしないように。この通り、ピンピンしてるわ。この歳で親父とビバークするとは思わ...
  • 自転を逆に回して
     ひょんなことから小金が入った。  悪銭身に付かずというわけで、俺たちは小さな戦闘機を買うことにした。  そして今日が処女飛行という訳だ。  小さくても複座(2人乗り)で、ワープは出来ないが、音速なら超えることができる。 「まったく、生きてるうちにこんなものが買えるなんてな」 「あんた、年寄りくさいわよ、キョン」 「しょうがないだろ。実際、年寄りなんだから」 「あたしが言ってるのはね、あんたは昔からかわんないってこと」 「そういうおまえは変わったか。以前なら人に操縦カンを任せるなんてなかったろ?」 「いらいらするほど分かりが悪いのも、相変わらずね。あんたがハンドル握るなら話は別よ。あたしがあんたの運転に文句言ったことなんてあった?」 「他の文句を言うのに忙しいのかと思ってた」 「バカキョン」  旧式といっても、21世紀の軍需品だ。操縦桿を握ってる時間より...
  • やつは大変なものを盗んで行きました
    オヤジ 母さん、あれは何だ? 母さん ハルですか? キョン君とケンカしたんですよ。 オヤジ ふーん、ケンカするのか、あいつら。 母さん そりゃもう、しょっちゅう。 オヤジ 相手を「甘噛み」するのは、ケンカと言わんぞ。 母さん じゃあ、じゃれ合いかしら? それとも、ちちく……。 オヤジ ごほん、けほん。 母さん お父さん、風邪ですか? オヤジ 引いたことないんだけどな。……なんとかとバカ親父は風邪を引かないらしい。 母さん 今年は新型だそうですから。……あら、慰めにいくの? オヤジ そうじゃない。バカ娘が抱きつぶしてるクッションを救出に、な。 母さん がんばってね。 オヤジ やい、こら、そこの娘。 ハルヒ ……なんか用? オヤジ 頭の中はシンプルなのに、外に出てくるまでがややこしいんだよな。ったく。 ハルヒ 用がないなら、どっか行って。あんたを相手する無駄な力はないの。 オヤジ 泣...
  • ハルヒ先輩8
    ハルヒ先輩7から  こんな晴れ上がった日に、何だってんだ!?   《ハルヒちゃん、事故、○○総合病院》  3時限目の真っ最中、窓からさし込む日航の明るさと暖かさに、目覚めてはまどろみ、夢と現実の間を行ったり来たりしていた俺に、携帯が震えてメールがあったことを伝えた。家からだった。  電報みたいな文面を読み終える前に、おれはカバンを引っ掴み廊下に飛び出していた。  「ハルヒ!!」  病院の受付に、つかみかかるような勢いで尋ねて、教えてもらった病室に飛びこんだ。 「はいはい、手も足も首もついてるわ。お願いだから、泣かないで」  いつもの顔、やれやれといった声。……気付かなかった。手の甲で目をこすると、確かに濡れていた。 「ハルヒ、無事?」 「無事じゃないわね。足は捻挫ですんだけど、利き腕が折れたみたい。ほら、できたてのギブス。ああ、なんでこうなっ...
  • 二人は暮らし始めました-外伝-ハルキョン温泉旅行 その4
    その3から  大浴場には、結局おれ達以外、誰も入ってこなかった。何故かというなら、決まってる。部屋ぜんぶに専用露天風呂があるからだ。  では何故大浴場があるのか? それも決まってる。旅先でケンカするカップルは、決まって一定の割合でいるからだ。部屋に居づらくなっても大浴場がある。混浴ならいっそ、新しいパートナーだってみつかるかもしれないと思うのは穿ちすぎか。とにかく人手のピークは、あれやこれやがあった後、ずっと遅い時間なんだろう。 「ちょっと、キョン! 温泉がうれしいのは分かるけど、あんた、はしゃぎすぎよ!」  悔しいが今は涙を飲もう。はしゃいだのは温泉だから、混浴だからじゃないぞ。だが今は何を言っても負け惜しみだ。反論にすらならない。 「まあ、懲りるって事を知らないあんただから、いつでも再戦は受けて立つわ。でも、おなかがすいたから、早くて夕食の後よ」  ああ、部屋...
  • 掲示板/足跡帳バックナンバー3
    お立ち寄りいただいた方々のための足跡帳バックナンバー3 ([+]をクリックで展開、[-]をクリックで畳込み) -2009-05-16〜2009-06-07の分 2009-05-16〜2009-06-30の分(別ページ) -2009-07-01〜2009-07-31の分 2009-07-01〜2009-07-31の分(別ページ) -2009-08-01〜2009-08-31の分 久しぶりに「一人旅に必要な事」シリーズを読み返したのですが、「できちゃった」シリーズを読んだ後だと、違った魅力が見えたように思います。2つの世界を俯瞰してみると、世界が違っても困難があっても繋がる二人に、1つの世界では見えなかったものを見ることができて、どちらもよりしっかりしっとりと感じられました。 -- nov (2009-08-01 01 31 07) >novさ...
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