リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ まとめサイト Ver.2 @wikiVer.内検索 / 「(26)100 『黒い羊(1)』」で検索した結果
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(26)100 『黒い羊(1)』
< 注 意 書 > 非情に残酷な描写を含みます。お子様には読ませないで下さい。女性もご注意を。 それは『予知されていない出来事』だったようだ。 その『悪魔』が眼前に現われた時…。高橋愛、田中れいなはもとより、『予知能力』を持つ光井愛佳までもが、驚愕の表情を隠せないでいた。 破壊され尽くしたビルの瓦礫が広がる、ここアメリカ、ロサンゼルスの一角。勢ぞろいしたリゾナンターたちの目の前に、巨大な鋼色の翼を持った悪魔が降り立った。 「愛ちゃん、れいな、久しぶり…。やっとアタシのところへ来てくれたのかと思ったけど…、その顔を見るとちょっと違うようだね」 後藤真希。その巨大な翼は彼女の強大な『念動力』の発現イメージであった。 『能力』を発動する時、その精神エネルギーをより効率的に集中する為、具象的な『イメージ』を脳裏に浮...
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スレ別INDEX
... 08.93 P (26)100 『黒い羊(1)』 (26)163 『黒い羊(2)』 (26)207 『The Day Before』 (26)238 『闇の桎梏』 (26)271 (俺シリーズ6) (26)388 『黒い羊(3)』 (26)419 『黒い羊(4)』 (26)445 『復讐と帰還(5) 戦う獣』 (26)530 『闇の桎梏-2-』 (26)552 『コンフィデンス・ゲーム』 (26)614 (俺シリーズ7) (26)637 『ある日の喫茶リゾナント』 (26)709 『闇の桎梏-3-』 (26)723 『闇の桎梏-4-』 (26)749 『たんぽぽ』 (26)794 『復讐と帰還(6) 獣の戦い』 (26)831 『復讐と帰還(7) 少女の戦い』 (26)865 タイトルなし(「雨の降らない星では愛せないだろう?」リゾナント作) ...
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シリーズ作品INDEX
...ク先が開きます (26)100 『黒い羊(1)』 (26)163 『黒い羊(2)』 (26)388 『黒い羊(3)』 (26)419 『黒い羊(4)』 (26)888 『黒い羊(5)』 (26)904 『黒い羊(6)』 少年の瞳 海外から帰国した小春に接触してきたダークネスの能力者、吉澤ひとみ。 不審に思いながら吉澤の指定した場所に向かった小春の目に飛び込んだのは、一匹の子猫。 かつて守ろうとして守れなかった小さな命との再会に胸を震わせる小春に、吉澤は過酷な選択を迫る。 ++をクリックするとリンク先が開きます (29)468 『少年の瞳』 (29)583 『少年の瞳(2)』 (30)482 『少年の瞳(3)』 コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか? 謎の失踪を遂げた対テロリスト用ガイノイドチ...
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(26)163 『黒い羊(2)』
愛の眼が落ち着き無く宙を泳ぐ。本当に後藤は仕留められたのか…? と、その時、愛の耳元で後藤がささやいた。 「遅いよ、愛ちゃん」 愛が弾かれたように振り返ろうとする。しかし、粉々になった身体はそれに付いていくことができない。ギクシャクとした、不自然な動きで振り返ろうとする愛の両眼を、後藤の2本の指がえぐった。 「ぐわあああああ~ッ!!」 のけぞった愛が仰向けに瓦礫の中に倒れこむ。ドシャッ!!と全身の砕けた骨がきしむような音がし、口から鮮血が飛ぶ。 「ガハッ!!」 「愛ちゃん、あんなすごい『チカラ』があるのにねえ…、闘い方がヘタ。だから指2本にもやられちゃうんだよ…」 愛はシュー…、シュー…、と、荒い呼吸を繰り返している。 「…正直、あたしより上なんだよ、キミの『チカラ』は…」 (…れいな!!後藤は!?後藤はどこにいる…!?) ...
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(26)904 『黒い羊(6)』
「逃がしたか…。まあ、とりあえず命拾いはしたわな…、お互いに」 愛はつぶやくと、里沙の元へと駆け寄る。 「ガキさん、大丈夫か!?」 「うん…、もう大丈夫。さゆのおかげだよ…ありがと」 服には電撃によるひどい焼け焦げが残ってはいたが、身体の火傷はほとんどさゆみの『治癒』の『能力』で回復したらしい里沙は、愛に手を引かれて立ち上がる。 「…勝ったね、愛ちゃん…」 「…どうかの…?まだこれからやったからな…」 そんな会話をする二人に、愛佳の号泣が聞こえて来る。 「あれぇ?ミッツィー、どうしたの?」 「…あ…、新垣さん…!ごめんなさい…!愛佳の『予知』がもっとしっかりしてれば…新垣さんもそんな目にあわなかったのに…」 「そんなことないよー、愛佳の『予知』のおかげでみんな助かったんじゃん!あたしだってほら、さゆのおかげでもう全然大丈夫だよ?」 ...
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(26)888 『黒い羊(5)』
その夜、愛は一人、自分の『大量破壊兵器』としての、過去の殺戮の記憶と対峙していた。 そして、愛を除くリゾナンター8人は、再び絵里とさゆみの部屋に集合していた。 れいなが口を開く。 「愛佳…。あんビジョンの話やけど、ほんまに『予知』はされてなかったとかいな?」 「わかりません…。みんながすごく驚いてた事ぐらいしか…」 「でも、愛ちゃんは『光』の力を使ってた…。あの力は今までは封印されてたもの…」 里沙が言うと、絵里が言葉を継いだ。 「今は愛ちゃんはあの力を使えるようになった…。それはあのビジョンを見たからだよね…? …そうだとしたら、あのビジョンの中のあたしたちは…、愛佳の『予知』を見てるって事?」 「…それじゃ、あたしたちみんなあの『未来』へ向かっているの? …あの『未来』は避けられないのかな…?」 「みんな大丈夫ダ、道重。ワタシたちが...
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(26)388 『黒い羊(3)』
「みんなを集めなきゃ…。このままじゃ…」 愛がふらふらと立ち上がる。 「みんなに… “見せる”んですか…?」 愛佳が訊く。 「…うん…。見せた方がいい…、よね?」 「…わかりません… 愛佳は… もう2度と見たくありません…」 「わかった…。あーしが見せるよ… 愛佳は一緒にいて…」 愛はメンバーをさゆみと絵里のツインルームに集めた。みなが思い思いにベッドの上やソファに座る。 愛佳は部屋の端の小さな椅子に座り、虚ろな眼差しでじっと床の一点を見ていた。 理由もわからずに集められたメンバーたちだったが、蒼ざめた愛の表情と、凍りついてしまったような愛佳の様子に、あきらかな異常を感じ取り、皆押し黙ったまま愛の言葉を待っていた。 「…みんな…、落ち着いて聞いて…」 静まりかえった部屋に、震えを帯びた愛の声が響く。 「愛佳...
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(26)419 『黒い羊(4)』
コツコツと、里沙の部屋のドアをノックする音がする。 ドアを開けると、そこには愛とれいなが立っていた。二人とも、たった数時間しかたっていないにもかかわらず、少し痩せたようにも見えた。 「里沙ちゃん…、頼みがあるんや…」 「なに…?愛ちゃん…」 「あーしを、昔の…、『i914』と呼ばれていた頃の…、あーしに会わせて欲しいんや」 「…!? …どういう事…?」 「あーしは…、あの『ビジョン』の中で…、『光』の『能力』を使ってた…。あれは、あーしが…、大量破壊兵器…、『i914と呼ばれていた頃の『力』…」 「愛ちゃん…!そんな言い方はやめて…!」 「でも、今はあの『力』が欲しい…。みんなを守る為に!」 「それに…、あーしのなかにいる『あの子』も、そろそろ救ってあげなくちゃいかんと思うんや…」 「里沙ちゃん、誤解せんで?あーし...
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(30)269 『唯、蒼空を希う(ただ、そうくうをこいねがう)(五言絶句)』
春 ○ 小 ● 住 ○ 久 ● 靄 ● 娃 ○ 居 ○ 遠 ● 待 ● 依 ○ 不 ● 如 ○ 空 ○ 幻 ● 穏 ● 冥 ○ 乾 ◎ 影 ● 安 ◎ 闇 ● <詩題> 唯希蒼空 <韻目> 「寒」韻 <中国語読み> jiu(3) yuan(3) ru(2) ming(2) an(4) zhu(4) ju(1) bu(4) wen(3) an(1) xiao(3) wa(2) yi(1) huan(4) ying(3) chun(1) ai(3) dai(4) kong(1) gan(1) ※( )内数字は現代中国語の四声であるので 平仄とは必ずしも一致していません <書き下し> 久遠(きゅうえん) 冥...
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(40)118 『ヴァリアントハンター外伝(11)』
「ってことで、藤本さんはれいなのために最凶の魔術師になった。 計画通り超能力者を殺し回って、実際、超能力者の人口はたったひと月で半数まで減ってる。 最初にれいなを襲ったのは調整が終わったばかりの身体で加減を間違えてもれいなに超能力は効かないってことと、 致命傷にならない程度の重傷を負わせて下手に自分の前へ現れないように、ってことみたい」 「…………。」 「魔術師も含めて虐殺してるのは、魔道協会自体がれいなにとっては危険な存在だし、 そもそも藤本さん自身、子供の頃から仕事の中で魔術師って存在を憎んでたんだろうね。 協力者だった寺田光男も藤本さんが嫌うタイプの人体実験を最初は超能力者以外でも試してたみたいだし、 利用価値が無くなったなら憎み殺すべき魔術師にすぎないってことだったらしいの。 実際、寺田光男だけ拷問じみた殺し方されてるし」 「…...
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(35)824 モーニング戦隊リゾナンターR 第4話 「水守の世界」
愛が運ばれたのは小さな湖だった。 「高橋さん、帰ってこられたんですか」 湖水に落ちた愛に声をかけてきたた少女はどうやらリゾナンターの一人らしい。 「HAND MADE CITY」で新垣里沙に出会ったが、他のリゾナンターに関する情報が皆無に等しい愛は、この世界の愛に 成りすまし少女から情報を得ようとする。 「高橋サン、お帰りナサイ」 どこか覚束ない日本語で自分の名を呼ぶ声が。 二人の会話から愛佳とリンリンという名前を知った愛。、 愛佳は夢で啓示を受けた水守の力を発動出来る様になる為、この湖に修行に来ているらしい。 彼女達のリーダーである高橋愛は、数日前何処かへ旅立ったこともリンリンの口から聞かされた。 この世界の愛が、他の世界を破壊するために旅立ったのではないか、顔を曇らせる愛。 ずぶ濡れの愛に着替えを提供するというリンリンに附いて行く...
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(30)105 『復讐と帰還(10) R-again(前)』
愛は、心で里沙に語りかけた。 里沙は、心で愛の声を聞いた。 ――ガキさん ――里沙ちゃん ――お姉ちゃん ―お姉ちゃん、聞こえる? … ―起きて、お姉ちゃん 精神の深層のさらに下方に存在する、人間のあらゆる感情や、原始的な衝動が生み出される源泉。 人間という存在の最も根深いものの一つ、混沌が支配し、感情と衝動が無秩序に渦巻く領域。 いかなる理性も、常識も通用しない神秘の象徴。 常人なら数秒、経験を積んだダイバーでも数分で精神を破壊される精神の暴風雨が吹き荒れる海。 サイコ・ダイバーはそれを、混沌の海と呼ぶ。 少女の声で眠りから覚めたサイコ・ダイバーは、その混沌の海に漂っている自分を発見した。 「ここは…そうか、愛ちゃんの中に潜って…」 サイコ・ダイバー新垣里沙は、自分の身...
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(36)339 『唯、黎明を待つ』
奈 ● 麗 ● 中 ○ 田 ○ 落 ● 娘 ○ 情 ○ 野 ● 密 ● 孤 ○ 願 ● 馨 ○ 嘉 ○ 歩 ● 響 ● 懐 ○ 招 ◎ 闇 ● 霄 ◎ 昔 ● <詩題> 唯待黎明 <韻目> 「蕭」韻 <中国語読み> tian(2) ye(3) xing(1) hua(2) xi(2) zhong(1) qing(2) yuan(4) xiang(3) xiao(1) li(4) niang(2) gu(1) bu(4) an(4) nai(4) luo(4) mi(4) jia(1) zhao(1) ※( )内数字は現代中国語の四声です <書き下し> 田野の馨 昔を懐かしませ 中情の願 霄...
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(34)127 『ヴァリアントハンター外伝(6)』
調整が終わった。 彼女は歓喜に打ち震え、哄笑だけで周囲のガラスを粉微塵に変じさせた。 白衣の"ニンゲン"たちの、恐怖に満ちた悲鳴が心地良い。 研究所を警報機の大音響と赤色灯の明滅が蹂躙している。 それすらも、彼女には彼女の"誕生"を祝福する演出に思える。 と、かたわらに人影が音もなく輪郭を現した。 人影が告げた情報を耳にし、彼女は再び哄笑を発する。 彼女の雇用主はどうやら不要な"小細工"をろうしているようだが、 そんなものはもはや知ったことではない。 彼女は彼女の野望のためだけに動く。 人影が恭しく差し出した衣服に身を包み、彼女は研究所の壁に大穴を穿った。 まずは、この新たな肉体の機能を試すことから始めてみよう。 * * * 『説明は後や。とりあえず田中、そこ...
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(40)175 『ヴァリアントハンター外伝(12)』
瞬間移動で次の狙撃ポイントへ着地すると、足元がグラグラ揺れている。 姿勢を低くしつつ窓から外を覗うと、 ほんの数秒前まで自分たちがいたビルの屋上が上階部分ごと巨大な顎に噛み千切られたかのように消失していた。 この揺れはその衝撃の余波によるものだろう。 『チッ、さっきからちょこまかと五月蝿いなぁ……ッ!』 無線機越しに"後藤真希"の声をした"藤本美貴"の苛立ちが伝わってくる。 すでに十回の狙撃を行い、その全弾が敵の障壁の一点に着弾していた。 田中が聞いたさゆみからの情報によれば、"藤本美貴"は自分や絵里を殺さない方針に変えたそうだが、 徐々に攻撃の威力に容赦がなくなっている。 二人が確実に退避しているから――というわけでもなさそうだ。 邪魔をするなら消すという方針に再転換したのか、...
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(36)800 「友達(♀)が気に入っている男からの伝言」~(38)022 「無色透明なままで」
(36)800 「友達(♀)が気に入っている男からの伝言」 2009/11/25(水) 08 45 01.62 0 (36)835 「パープルウインド」 2009/11/26(木) 07 27 55.71 0 (36)861 「女子かしまし物語3」 2009/11/27(金) 07 48 30.63 0 (36)956 「Yes!POCKY GIRLS」 2009/11/30(月) 20 26 13.27 0 (37)015 「卒業旅行~モーニング娘。旅立つ人に贈る唄~」 2009/12/01(火) 22 05 53.43 0 (37)048 「直感~時として恋は~」 2009/12/02(水) 21 53 36.07 0 (37)083 「「すごく好きなのに…ね」」 2009/12/03(木) 21 36 30.55 0 (37)117 「がんばっちゃえ!」 2009/12/04(金) ...
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(30)563 『ヴァリアントハンター外伝(2)』
デザインや製造を国が民間に委託しているものとは比較にならない、 遥かに高度な制御能力と強度を持つ手錠型のリミッターを両手首に嵌められ、 男は制服警官の随伴で連行されていった。 パトカーに乗せられる(と言うより詰め込まれる)際、 れいなに砕かれた四肢の痛みに絶叫を上げていたのは余談である。 ヘロイン中毒と診断された女の方はそのまま麻薬更正施設に直行だ。 経歴を見る限り明らかに男に無理矢理従わされていた形なので、 よほどヘボな弁護士に当たらない限り有罪は免れるだろう。 パトカーに乗り込む警官に敬礼を返し、ひと息ついたところで携帯が着信を告げた。 「もしもし? 出動ですか?」 公用の携帯、しかも番号を知る者がごく限られているとなれば発信者とその用件は液晶の表示を見るまでもなく瞭然だ。 案の定、発信者は予想通りの人物だった。 『うん...
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(31)112 『光の抗争-7-』
◇◆ どんな裏切りも どんな悲しみも どんな苦しみも すべてを忘れることはできなくても 包み込んで癒せる存在でいたい 共鳴者として共に戦い始めた時から 貴女は大切な人だから 大切な仲間だから 貴女が弱っても私が守る、守ってみせるから―――― 「…っは…ここまで来るのに、時間かかったぜ…」 「…意外だね。なんでよっすぃがここに来るの?」 「なんでかは、今もあんたに向けてる銃で分かると思うけど」 息を整えながら後藤に話しかける吉澤。 その手には銃が構えられ、後藤に銃口を向けていた。 そして吉澤は新垣と高橋の方を一回見やると、すぐに後藤の方へと視線を戻した。 「…新垣を、殺ったのか?」 「”まだ”死んではないけど、このまま処置しなければ、死ぬよ」 ...
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(31)184 『ツキシマ キラリの追憶』
光井愛佳は、喫茶「リゾナント」で、店に置いてあったファッション誌のページを開いていた。 それは、愛佳の年齢からするとやや対象年齢の高い雑誌ではあったが、そこに特集されていたのは、愛佳と同じ、まだ15歳のアイドルだった。 「月島きらり」 記事に曰く。 「年上の女性から見ても憧れるクールビューティー」 「神秘性すら漂わせる美しさ」 「芸能界入りを勧めたのは、今も全面的に活動を支援する美貌の母親」 「家族仲の良い、典型的な“お嬢様"タレント」 「現場では、上品で美しい母親にもファンがいるほど」 等々…。 そして、その「アイドル」であった「月島きらり」が、今度は初の映画に主演するのだと言う。 記事は「月島きらり」のグラビアと、本人のインタビュー、そして主演映画の監督のインタビューで構成されていた。 グラビアペー...
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(39)792 『ヴァリアントハンター外伝(10)』
「うん、うん。大丈夫、怪我の方はたいしたことないから。 それで……あのさ、もしもの話だけど――、いや、なんでもない。 や、ほんとになんでもないから。忘れて。 じゃあ、母さんも父さんも身体に気をつけて」 告げて、携帯の通話を切った。 場所は病院内に設けられた通話可能スペース件、休憩所だ。 時刻は深夜。 本来なら患者が出歩いて良い時間帯ではないが、 両親がほぼ半日の時差がある地域にいることを理由に許可を貰った。 据え置かれた自販機でコーヒーを買い、備えつけのソファに身を沈める。 れいなは紙コップのふちに口をつけて苦い液体を喉に流し込み、息を吐いた。 両親は健在だった。 アレの正体が自分たちの娘であることも、どうやら本人の口から告げられたらしい。 やはり、問えるわけがない。 もしもの話――自分が姉を殺したとしたら悲しいか、...
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(41)138 『暑い夏のリンゴジュース』
こんな暑い日にわざわざ会いに行くのは このリンゴジュースを届ける為だ 決して 会いたくて行くわけじゃない このリンゴジュースを届ける為に 会いに行くだけだ ◇◆ 病院前に止まったバスから降りて、向かう先は彼女がいる病室。 足早に歩いてエレベーターに乗り、目的の階のボタンを押す。扉が開き、すぐに足を進めた。 病室の番号を口ずさみながら、彼女がいるであろう病室の前へとたどり着く。 扉を開ける前に一度だけ深呼吸をする。三日ぶりに会うことになり、少しだけ弾んでいた心を鎮める。 そして、扉を開けた。 「…さゆぅ~?」 「さゆやなくてれいなやけん」 「あ、れーなだぁ~」 うへへと笑うその顔は本当に嬉しそうで、自分もつい微笑んでしまうぐらいだった。 「でも珍しいね、れ...
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(36)398 『ヴァリアントハンター外伝(8)』
目の前で、小さな女の子が泣いていた。 空港だった。 女の子の傍らの床には、彼女の体躯には不釣合いなほど大きく膨らんだリュックが置かれている。 涙を溢れさせた大きな瞳は、やはり自分と同じ遺伝子を引いているのだろう、 泣いていながらそれでもどこか気の強そうな鋭さを持っている。 藤本れいな。 いや、今日からはもう田中れいなか。 美貴はこれから遠方の地へと養子へ出されるまだ三歳の妹を、 自身も泣きそうになるのをこらえながら、なだめるように抱きしめた。 父や母も姉妹の抱擁に混じり、「ごめんね、ごめんね」と呟きながら辛そうに顔を歪めている。 やがて遠慮がちに田中のおじさんが飛行機の搭乗時間が迫っていることを告げ、 れいなは気丈にも涙をぬぐい、笑顔を見せておじさんの手を掴んだ。 まだこんなに小さいのに、この子も自分の置かれた境遇は理解しているのだ。 ...
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(36)817 『ヴァリアントハンター外伝(9)』
中澤の直後に入って来た医師の診断で特に異常がないことを確認されてから、 れいなは改めてこの1ヶ月で激変したという世間の情勢を教えてもらうことになった。 「まずお前らが病院に担ぎ込まれた直後や。 "後藤真希"と外見的特徴が一致する人物によってエヴォリューションが襲撃された」 エヴォリューション。 日本におけるユニオンの本部とも呼べる施設だ。 「いや、襲撃っちゅー言葉は適切やないかもしれんな。 アイツは建物そのものにはたいした損壊も与えず、 ただ内部にいる特定の人間のみをほぼ全員"凍死"させた。 被害者は心臓の血液温度を一瞬で氷点下まで引き下げられ、 心臓と、それに伴う脳細胞の壊死で苦しむ間もない即死やったそうや」 不特定多数の人間の心臓のみを、それも外部から凍らせて死に至らし...
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(36)904 タイトルなし(m411)
m411は、れいなの渾身の攻撃を受けて崩れ落ちる。 「はは、ダークネスの最終兵器とやらも大したことなかったと」 誰がどう見てもボロボロな体で強がるれいな。 仲間たちはそんなれいなの姿を見て呆れ、同時に安堵の気持ちが湧いてくるのを感じた。 よかった、これで全部終わったんだ。 明日からはまた、みんなで笑って平和に過ごせる日々が帰ってくる。 もう戦わなくていい、誰も傷つかなくていいんだ。 そう思った、矢先。 「油断してはいけない、リゾナントブルー!」 闘いに敗れし科学者の悲痛な叫びが辺りを貫く。 気づいたときにはもう遅い。 細く小さなれいなの体は、すでに中空に舞っていた。 「フフフ、ならば教えてあげますよ!組織のすべてを背負った、この私の真の力をね!」 科学者の口から語られるm411の秘められた...
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(41)145 『超能力戦隊(サイコフォース)リゾナンター・伝播』
満月の夜。繁華街から離れた路地裏。 夜の喧騒や、人の灯りから離れていた、暗い通りだった。 ごく普通のOLである女性が、ほろ酔い気分で歩いている。 ある三流会社で事務を務めている彼女は、今日は何故か気分が優れなかった。 いつもの日々。いつもの日常ではあったが、苦手な酒が良く入った。 二桁まで飲み干し、閉店だと店員に起されなければあのまま深い眠りについていただろう。 一人で飲んでいたため、隣には身体を支えてくれる同僚すら居ない。 その内、女性は体勢を崩し、路上にも関わらず倒れこみそうになった。 そんな姿でさえも、辺りから見る者は誰も居ない。微かに酒の匂いを漂わせながら思う。 普段は仲良くやっているつもりでも、同じ人間でも断絶というのは必ずある。 寂しく思っていても、誰にも相手にされない事に胸が痛んだ。 溢れそうになる両眼のものを強引...
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(40)310 『パニックデパート』
初売りと言うには少し遅いが、そのデパートは福袋目当ての買い物客で賑わっていた。 リゾナンターの新垣里沙と亀井絵里も、福袋を求めて長い行列の後尾に並んでいた。 里沙の視界を黒い影が横切る。 目を凝らしてみると、黒覆面に黒い全身タイツを着た十数人の男達が行列の先頭付近にいる。 あの男達はダークネスの戦闘員!!ということは奴らを指揮するために幹部級の能力者もいる筈。 持ち前の鋭い洞察力で状況を判断した里沙は周囲を見回した。 この雑踏の中で戦闘員達を指揮するには、位置関係を把握しやすい高い場所。 今自分たちがいる1階の特別催事会場を見回せるとしたら・・・いた。 エスカレーターで2階に上がった辺りに、明らかに場違いな黒いドレスを着た女の姿が。 本来なら迷惑な筈なのに誰もが触れないのは、彼女が醸し出す闇のオーラに魅せられたのか、 それとも新春早々痛い...
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(32)572 『スパイの憂鬱11 狂乱のリゾナント(前編)』
美少女達が集うと評判の喫茶店『リゾナント』。 温かな雰囲気の漂う店内で、ただ一人どす黒いオーラを放つ少女が居た。 少女の名は新垣里沙、職業、スパイ(未だ成果なし)、20歳。 里沙は今不幸せだった。とてつもないという程ではないが、 間違いなくこの喫茶店内に集う人間の中で一番不幸という言葉が似合うくらいには不幸だった。 里沙が落ち込む理由は非常に単純なものだった。 数ヶ月ぶりに会えた大切な人が、大した言葉を交わす間もなく再び仕事だと行ってアジトを出ていったのだ。 その人が出ていった後には、バナナを心底憎む悪の超能力組織のボスだとか、 電波(神に昇格)な予知能力者だとか、存在自体がギラギラしすぎて直視可能時間5分の超能力者などなど。 とてもじゃないが、自分から進んで会いたい人間は皆無だった。 …わざわざ顔を見に戻らなくとも、里沙の都合や意...
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(34)206 『motor fivers 前編』
荒涼とした大地。砂嵐が吹き荒れたこの地では、青い空など遠い昔にしか見た覚えがない。 地面にはヒビがはしり、見えるのはところどころにある四角い家々と井戸だけ。荒れ果てた街にその女は立っていた。 今から一時間前、ダークネス本部では幹部を集めての会議が極秘に行われた 報告をするのは諜報部部長の吉澤である 「・・・ということより、これまで我々と協力関係にあった組織が裏切ろうとしていることが判明しました。これは確実な情報となっています!」 その組織は麻薬や武器の売買で利益を得ており、ダークネスはその組織をボディガードとして働き、組織の活動が明るみに出ることや組織に敵対する組織を潰していった。月々組織から一定の金額を徴収することによって、ダークネスは利益を得ていた。 もともと裏の世界では知らないものはいない組織であるダークネスとつながっている組織を襲お...
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(39)758 (ヴァリアントハンター外伝リゾナント作2)
辺り一帯の建物は最早、原型を留めてはいなかった。 崩れ落ちたビルの残骸、分断された道路。 生命の気配など一切感じられないその一帯に、たった一つだけ無傷の建物があった。 エヴォリューション。 全国に存在するヴァリアントハンターを統括するユニオンの本拠地であり、 所属人員は千人を超える地上地下合わせて53階にもなる高層ビルである。。 一人、また一人。 エヴォリューションを目指して歩く人間がいた。 その手には、鈍く輝く武器。 ただならぬ殺気をその身から迸らせた彼らこそ、異形を狩る者“ヴァリアント・ハンター”である。 エヴォリューション前にある広場には、既に多くのヴァリアントハンターが集結していた。 その数、およそ千人。 ハンター資格を得たばかりの新人から、ユニオン創立時よりハンターとして活動してきたベテラン、 ギル...
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(26)207 『The Day Before』
最近組織が騒がしい 理由は明らかで、リゾナンターとか言う対抗組織が力を付けてきて、何かにつけて 障害になるようになったからだ。 ───リゾナンター。 アタシが前にいた組織の、生き残りを中心に新しく生まれた能力者部隊。 率いているのはあの高橋愛──i914。 組織が騒がしかろうがなんだろうが指令も出てない以上アタシには関係ないことで、 i914の他にどんなやつがいるのかよく知らないし、まぁお呼びが掛かったらちょっと ご面相を拝みに行ってみるかね。 そんな事を考えながらアジト内をぶらぶらしてたら何か結界が張ってある。 それはほんとに微かな結界で、アタシじゃなかったらまず気付かなかったろう。 でもそんな結界だから破るのも簡単で、知らずに通ったら破ったことにも気が付かない。 とすると、これは侵入者を防ぐとかそういうのじゃなく...
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(33)274 『Have a good day!5~逃げろ、にげろ、ニゲロ!!!~』
――――AM 8 09 アニマルステージ 動物園は思いのほか静かだった。 臨時休園ってくらいだから、何かトラブルでもあったんじゃないかと思ってたんだけど。 今のところ、飼育員一人見かけない。 こういう場所って、休みの日は誰も来ないもんなの? なんだか軽い胸騒ぎを覚える。 「いや~ラッキーですねー誰とも会わなくて。やっぱあれですよ。 動物園の人だってたまには家族サービスしなきゃって思って」 「サボっちゃったデスカ!お仕事ブン投げて!」 どうも、この状況をおかしいと感じてるのは私だけみたいだ。 小春は相変わらずヘラヘラして、リンリンは小春の発言をまともに受け取ってる。 それともあれか?疑問を感じてる私のほうがおかしいのか!? いやいや、そんなわけねーだろ。 とにかくメンバーがこれなんだから、私だけでもしっかりせね...
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(27)126 『ヴァリアントハンター Ver.Ai Takahashi』
「ガアアアアアアアアア!!!」 低く濁った咆吼が辺り一帯に木霊する。 その咆吼を上げているのは、2メートルを軽く超える異形の者。 赤黒い肌の色、異常発達した筋肉、血走った双眸…常人であれば、この姿を見た時点で腰を抜かすだろう。 異形の者が吠える度に、その全身から吹き出すのは青白い光だった。 その光は大気を切り裂く空気の刃と化し、常人の目では視認不可能な速度で“標的”へと放たれる。 黒い服に身を包んだ小柄な女性は、目に見えぬ刃を紙一重で回避した。 その動きは、まるで風に靡く柳の如く。 一切の無駄を感じさせない回避を見せながら、女性は両手に持った拳銃を構えて発砲した。 放たれた弾丸は、異形の者の全身を覆う淡く輝く“障壁”へと命中する。 刹那、弾丸は破砕し―――鮮やかな黄色の閃光が障壁へと炸裂した。 「…そろそろ終わり...
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(25)602 『復讐と帰還(4) おもいで』
「そんなの関係ないだろ!」 久住小春の怒声が喫茶リゾナントの窓ガラスを震わせた。 胸ぐらを掴む手に力がこもる。 ジュンジュンは怒りに震える小春の瞳を、真っ直ぐに見つめ返していた。 「新垣さんがスパイだったから何だっていうんだよ!」 「じゃあニーガキをここに置いておけというのか」 「当たり前だ!」 「ここにいたらニーガキは殺されるぞ」 「え?」 「ニーガキはダークネスのスパイだった。ニーガキは一人でたたかっていたんだぞ」 「どういうことよ」 「日本語がウマク言えない。 …ダークネスのスパイはニーガキだった、この意味が分からないのかと言ってるんだ」 それでもなんとか、といった様子でジュンジュンが言葉を続ける。 「もしニーガキ以外の人間がスパイとして私達のところに送り込まれていたら、どうなっていたと思う? ニー...
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(40)215 『ヴァリアントハンター外伝(13)』
田中れいなの作戦は巧く運んだらしい。 目の前のヴァリアントは突然頭を抱え、人間のものとは思えない咆哮を上げた。 そして本能のまま超能力を周囲に放ち始める。 彼女が吼えるだけで、地面のアスファルトに亀裂が走る。 ――やっぱ、元通りなんて都合が良すぎるか。 心のどこかで「藤本美貴を引き剥がせば後藤真希が戻ってくるのではないか」などと 淡い期待を抱いていた自分に苛立ち、愛は舌を打って建物の陰から身を乗り出した。 死んだ人間は二度と戻って来ない。 そんな現実は、とっくの昔に理解している。 なら目の前のアレは"後藤真希"などではない、排除すべき"ヴァリアント"だ。 愛銃・ツヴァイハンダーを両手に携え、駆け抜けながら敵の身体を穿つ。 だが頭部を狙ったはずの銃弾は一発は外れ、もう一発も敵の胸部にめり込むに留ま...
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(17)447 『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-2 』
第6話 : One for all all for one ここは、入り口のドアに「本日休業」の札が掛けられた喫茶店「リゾナント」の中。 リーダーの愛が、珍しく里沙を除き全員集合したリゾナンター達を前にしていた。 「どうしても全員なんですかぁ~? 小春、これから仕事なんだけど~」 小春が不機嫌そうに言う。 「今回の任務はリゾナンターの総力、全員でいきます。」愛が答える。 「日本の誇るロボット工学の権威、阿久悠博士が、警察庁、科学技術局の手により拘束されています。」「その所在を突き止め、我々の手で奪還します!」 「えええええ~!!」 メンバー全員が一斉にどよめく。 「ほえ~?それって、警察庁の総本山を敵にまわすって事ですか~?」 「でも、そもそもそれって誘拐だと思うの…。」 「ミッションインポッシボーてやっちゃね!まともに考えたら無理ったい!」 「無理...
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