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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ まとめサイト Ver.2 @wikiVer.内検索 / 「スレ別INDEX」で検索した結果

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    第25話 2009/03/24(火) 01 30 07.53 0 ~ 2009/04/14(火) 02 13 43.46 0 第26話 2009/04/14(火) 00 05 45.70 0 ~ 2009/05/08(金) 07 10 08.93 P 第27話 2009/05/07(木) 23 09 52.81 P ~ 2009/05/22(金) 20 01 45.79 O 第28話 2009/05/22(金) 22 39 59.60 0 ~ 2009/06/13(土) 00 24 08.08 0 第29話 2009/06/13(土) 08 33 52.25 0 ~ 2009/07/09(木) 12 48 59.88 0 第30話 2009/07/09(木) 09 25 44.92 0 ~ 2009/08/02(日) 17 49 40.51 0 第31話 2009/08/02(日) 14 ...
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    絶対解ける問題(未完) 「俺」(未完) 四字熟語 BLUE PROMISES 蒼の共鳴 復讐と帰還(RとR) 黒い羊 少年の瞳 コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか? Air on G 闇の桎梏・光の抗争(「海上の孤島」シリーズ) 雨 “未来”への反逆者たち 闘え!リゾナンター ヴァリアントハンター外伝 Have a good day! 「声」 「motor」 モーニング戦隊リゾナンターR(未完) SINNERS かなしみ戦隊リゾナンターミラクルズ (※各作品解説は用語wiki「シリーズ作品解説」の項より転載) 絶対解ける問題(未完)  起動中僅かに許された思考の中で“A”は考える。  私は誰なのか? 何のために生まれたのか?  ミッション遂行の最中に錯綜する記憶。  その引きの強さと緊迫した展開でスレ住人を魅了し続ける長編シリーズ。 ++...
  • (32)608 『Tender “INJURY” and “HEALING”』
    「なんやガキさん、もう帰るんか?」 隣の席に置いていたカバンを手に取った新垣里沙は、その声に至ってあっさりとした答えを返した。 「だってもう閉店でしょ?」 カウンターの向こう側の声の主―高橋愛は、里沙の素っ気ないその言葉に少し淋しそうな顔を見せる。 「それはそやけど…もう少しゆっくりしていってくれてもいいのに」 「そうもいかないよ。片付けの邪魔になるし、わたしも明日早いし」 「そっか…」 心底残念そうな顔をする愛に対し、里沙は複雑な思いを抱かざるをえなかった。 ――高橋愛と田中れいなの監視及びその状況報告―― 与えられているその“任務”を果たすために里沙が“潜入”してから、半月ほどが経過した。 数度の定期連絡は行ったが、はっきり言ってまだ報告すべき実のある内容はほとんどない。 “組織”はそのことに対して何...
  • (30)059 『Wavered two “MIND”』
    「『変数』…とでも言うしかないわね」 「『変数』?どういうことやねん」 「さぁ。ともかくあの子たちに関する“未来”は無限に拡散するわ。とても追いきれないレベルで」 「“神”にもお手上げなことがあるんやな」 「………用件はそれだけ?」 「いや、一応こっからが本題や―――」     *    *    * 「愛ちゃん―――」 「うん」 周囲を包み込むような奇妙な圧迫感に、高橋愛と田中れいなは足を止めた。 複数の街灯に照らされた街並みは、遅い時間とはいえ満月夜であることと相まって十分に明るい。 歩くのに支障をきたしたり、不安に襲われるような暗さでは少なくともなかった。 だが――何故かこの先へ歩を進めるのが躊躇われた。 まるで街灯や月の光が照らしきれずに残った暗闇が膨れ上がり、その...
  • (25)733 『Peace & Acting』
    【問題編】 「道重さん、治癒しても無駄です。新垣さんは・・・もう死んでる」 いつもと変わらぬ喫茶リゾナントの昼下がり。 そこに顔を揃えているのもいつもの9人。 きれいに清掃された落ち着きのある店内。 窓から差し込む午後の柔らかな陽の光。 店主の高橋愛が花瓶に活けた笹の葉。 テーブルの上に食べ散らかされたバナナの皮・・・ そこにあるのはいつもとほとんど変わらない光景。 そう、たった一つを除いては。 それは、朱に染まり喫茶リゾナントの床に倒れ臥す新垣里沙。 そして・・・ 「新垣さんを殺した犯人は・・・この中にいる」     *   *   * 「この中に犯人が!?」「嘘デス!」「何でそんなことが言えると?」 騒然とする皆の視線は、自然とその衝撃的な台詞を口にした久住...
  • (38)071 「ナインスマイル」~(39)851 「しょうがない 夢追い人」
    (38)071 「ナインスマイル」 2009/12/11(金) 09 27 48.97 0 (39)125 「レインボーピンク」 2009/12/14(月) 21 50 14.02 0 (39)170 「すき焼き」 2009/12/15(火) 21 54 55.10 0 (39)233 「Intro」 2009/12/16(水) 22 46 00.38 0 (39)316 「INDIGO BLUE LOVE」 2009/12/17(木) 21 42 15.50 0 (39)370 「HELP!」 2009/12/18(金) 22 01 36.66 0 (39)506 「「すっごい仲間」」 2009/12/21(月) 11 46 18.89 0 (39)557 「すべては愛の力」 2009/12/22(火) 10 33 37.75 0 (39)602 「HOW DO YOU LIKE JAP...
  • (35)176 『Interlude -Call you KOHARU-』
    机の上に広げられた数々のメモを二人で睨んでいたら、 微かな物音が聞こえたような気がして、あたしは思わず顔を上げた。 向かい側に座る愛ちゃんは気にする風でもなく、変わらずにメモにペンを走らせている。 「ね、愛ちゃん、今」 「ん?」 「裏口から誰か出てったみたいだけど」 本人は音を立てないように静かに出て行ったみたいだったけど、 他のメンバーが寝静まった静かな深夜の今なら、小さな物音すら大きく聞こえる。 愛ちゃんは一気にメモの中身を仕上げるように手を動かしたあと、 「みっつぃやろ、間違いなく」 そう言いながら大きく伸びをした。 「え? みっつぃが?  ってか、愛ちゃん聞こえてたの?」 「んまぁ、あー誰か出てったなーくらいは思ったけど」 腕のストレッチなんかしながらのんびりと答える愛ちゃんに、 ...
  • (35)740 モーニング戦隊リゾナンターR 第2話 「HAND MADE CITY の世界」
    光の道を抜けてたどり着いた場所、そこは建物が崩壊し、砂埃が風に舞う街。 自分を見つめる強い視線を察知した愛。 事情を尋ねようとするが逃げられてしまった。 愛を見ていた人間、若い女は半壊したビルにの陰に隠れる。  掲示板の役割を果している壁に自分の顔写真入りの載った手配書が見つけた女は、溜息を吐きながらそれを剥がす。 「何で逃げるのかと思ったら、あんたお尋ね者やったんか」 「近寄らないで」 「私は聞きたいだけや。 この世界がどうなっているのかを」 「この世界は一度は崩壊した。 でも今何とか歩き出そうともがいている。リゾナンターが先頭に立って」 「リゾナンター? それは一体」 「リゾナンター、それは共鳴という絆で結ばれた仲間たち。そして私はその絆を裏切った女、新垣里沙」 子供のリュックを奪った男。物陰に隠れて中身を地面にぶちまける。 破れ...
  • (37)185 『Have a good day!9~夜空、彩る~』
    ――――PM 8 21 アニマルステージ アスレチックフィールド はいはーい、こちらリンリンでーす! 私たち9人は今、動物園内のアスレチック広場にある巨大滑り台の上に来ていまーす! ひと気もないし明かりもないしで、ちょっと怖いかもでーす! えっ?なんでそんな所にいるのかって? いい質問だ、ボブ。 それはね・・・花火を見るためなのだっ! 「どうやぁガキぃ!まだなんか文句あんのかぁー?」 「言葉遣い、わるっ!・・・アハハ。まあ、たまにはいいんじゃない?こういうのも」 今日は富士京DEZUNIE動物公園半年に一度の花火day。 よそのお客さんもこちらの予想以上にそれを楽しみにしていたようで、 私たちが動き始めた時にはもう花火を見るのにいい場所が残っていなかった。 それなら、と愛ちゃんがみんなを連れてきてくれたの...
  • (35)739 モーニング戦隊リゾナンターR 第1話 「旅の始まり」
    いつものように仲間と街をパトロールしていたモーニング戦隊リゾナンターのリーダー高橋愛。 突如空間が歪み正体不明の敵が出現する―戦獣、ヴァリアント、AK-B40型ロボ。 未知の敵に戸惑いながら撃退していく愛だったが、仲間を見失ってしまった。 いつしか自分が閉ざされた空間に居ることに気づいた愛、そして謎の声が心の中に直接響く。 あまりにも多くの世界が生まれてしまった所為でこの世界の力が弱まっている。 壊さなければ、あなたの力で。そしてこの世界を救うのです。 あなたはその為にこの世界に生まれてきた。 全てを破壊し、全てを闇に帰す者、i914。 あなたがこの世界を救うのです。 「私がi914 ? 私にはちゃんとした名前が…。   私には名前があって、仲間がいた筈なのに、思い出せない。」 取り戻すのです、貴女自身を。 他の世界を巡っ...
  • (35)824 モーニング戦隊リゾナンターR 第4話 「水守の世界」
    愛が運ばれたのは小さな湖だった。 「高橋さん、帰ってこられたんですか」  湖水に落ちた愛に声をかけてきたた少女はどうやらリゾナンターの一人らしい。 「HAND MADE CITY」で新垣里沙に出会ったが、他のリゾナンターに関する情報が皆無に等しい愛は、この世界の愛に 成りすまし少女から情報を得ようとする。 「高橋サン、お帰りナサイ」 どこか覚束ない日本語で自分の名を呼ぶ声が。 二人の会話から愛佳とリンリンという名前を知った愛。、 愛佳は夢で啓示を受けた水守の力を発動出来る様になる為、この湖に修行に来ているらしい。 彼女達のリーダーである高橋愛は、数日前何処かへ旅立ったこともリンリンの口から聞かされた。 この世界の愛が、他の世界を破壊するために旅立ったのではないか、顔を曇らせる愛。 ずぶ濡れの愛に着替えを提供するというリンリンに附いて行く...
  • (36)789 『Pandora Box』
    身を寄せ合って、夢や希望を語り合った。恐れや不安も吐き出した。 右も左もわかんない半人前の頃から、同い年の彼女とはいつも一緒にいて、たくさんの話をしてきた。 二人でいなきゃ何もできなかったあたしたちは、おもちゃの箱に言葉を吹き込んだ。 立派な戦士になるために、強さも弱さも全部からっぽの箱の中に詰め込んで、 もう、弱音は吐かないって、もっと強くなるんだって決めた。 簡単に壊れそうな安っぽい鎖と錠を外す鍵は彼女が持って、箱はあたしが持っている。 いつか、大人になったとき、誰の手も借りないで生きられるようになったとき、 この箱を二人で開けてみようと、小指と小指をあわせて約束したあの日。 目には見えなくても、ちっぽけな弱気と力強い希望が、未来の自分たちを励ましてくれるんだって信じてた。 今。箱はまだこの手にある。 古びた鎖は少し引っ張...
  • (29)274 タイトルなし(ホゼナンター吠える)
    いつも思ってたよ。 いつも思ってたんだ。 俺達の仲間は、お前らみたいな連中が登場してくるアニメや特撮映画の中じゃ、いっつもやられてきた。 こっちが何かしたってお前らにはちっとも敵いやしねえ。 俺達の仲間が何十人がかりでぶつかってったって、お前らたった一人の指先で簡単に捻られちまう。 そして情けない格好を全国に披露しているところに正義のヒーローがご到着。 お前らと一戦交えるってわけさ。 まあアレだ。 俺達は正義のヒーローの引き立て役、いわばかませ犬って奴さ。 いやよ、それはそれで構わないんだ。 まあTVや映画にありがちの演出ってやつだからさ。 そこんとこは俺だってわきまえてるさ。 絵空事の上のことだって。 でもな、いい加減頭に来るぜ。 俺だって自分の仕事にプライドを持って、やってるんだからな。 だからよ、一度言ってみたかった...
  • (30)133 『マルシェの秘密』
    「おう、コンコン。何やってんだよ」 突然背後から聞こえた大きな声に、紺野あさ美は慌ててマウスを操作してウィンドウを閉じた。 「吉澤さんですか。もう、驚かさないでくださいよ」 冷静を装うあさ美の表情を楽しげな顔で覗き込みながら、吉澤ひとみは軽くその肩を叩いて笑う。 「なんだなんだ、また秘密の研究ってヤツ?今度は何企んでんだ?」 「人聞きが悪いですよ吉澤さん。私は組織に言われた研究をしてるだけです」 内心冷や汗をかきながら、あさ美は涼しい顔で吉澤の言葉を受け流した。 「ふーん、どんな?」 「それこそ秘密ですよ」 「何だよ、誰にも言わねーって。オレ、こう見えて口は堅いんだぜ?」 「別に吉澤さんのことを信用してないわけじゃないですよ。ただ、言えないだけです」 「ちぇ、相変わらず秘密主義だなー。オレとコンコンの仲じゃねぇか」 「ダメな...
  • (33)456 『秋桜-Mother and I-』
    薄紅の秋桜が秋の日の何気ない陽溜りに揺れている。 「これはお前なんだよ」と祖母は仕切りに言っていた。 寝込みがちになった祖母がひとつ咳をするが、いつまでも笑顔を浮かべて。 庭先で見つめていた幼い私は、その意味が判っていなかったが 握り締めていた手が日に日に弱っていたのは知っていた。 だがあの日。自分が進む道を決めたあの日。 優しく、そして暖かい祖母の手が自分の手からスルリと抜けたあの瞬間。 家が業火で燃え尽き、自身の居場所が無くなったあの時。 母からの手紙をポケットに捻じり込み、鼻を啜り涙を乱暴に拭い、祖母を土に埋めたあの感情。 忘れない。忘れるものか。 この日を、この時を、この瞬間を、この感情を―――決して。  闇夜の中、業火に覆われた軒下で薄紅の秋桜が揺れていた。 線路は続く。何処までも列車は走る。 がたごと...
  • (36)178 「かなしみ戦隊リゾナンターミラクルズ」~(36)777 「YAH!愛したい!」
    (36)178 「かなしみ戦隊リゾナンターミラクルズ」 (36)295 「TOP!」 2009/11/09(月) 19 15 47.19 0 (36)324 「HEY!未来」 2009/11/10(火) 21 29 42.76 0 (36)354 「春の歌」 2009/11/11(水) 22 25 38.41 O (36)386 「青空がいつまでも続くような未来であれ!」 2009/11/12(木) 21 32 04.61 O (36)434 「声」 2009/11/13(金) 21 35 23.60 O (36)508 「レモン色とミルクティ」 2009/11/16(月) 06 18 03.06 O (36)543 「強気で行こうぜ!」 2009/11/17(火) 07 36 12.54 0 (36)576 「SHIP! TO THE FUTURE」 2009/11/18(水) 06 ...
  • (30)516 『おにんぎょさん』
    「ヒィ-ッ、誰か!!助けてくれぇ!!」 私のかわいいお人形さん。 もう、そんなに逃げ回らないでよ。 「おにんぎょさん♪ おっにんぎょっさん♪  わ・た・し・の・か・わ・い・い・お・に・ん・ぎょ・さ・ん・は・ど・こ・か・し・ら♪」 もういじわるなんだから。 ここは広くて探すのが大変なんだよね。 かくれんぼみたいで楽しいんだけどさ。 「ここかな~?」 ある部屋の扉を開けたが…いない。 「いないなあ。 どこだろう?」 部屋の外に出たら、何かが視界の隅っこを横切った。 追っかけて回廊に出たら、柱の影にうずくまるお人形がいた。 「おにんぎょさん、見っけ~!!」 「ぎゃあぁぁっ!!」 おにんぎょさんったら私を見たとたん、走って逃げ出しちゃった。 失礼しちゃう。何か傷つくなあ。まるで私...
  • (28)571 『Departure to the “FUTURE”』
    その日が――本当の意味での始まりとなった。 彼女らが“未来”へと向かう旅路の―――    *    *    * 「愛ちゃん、これ掛けとくの忘れよらん?」 生地のまとまり具合を確認していた高橋愛は、カウンター越しに聞こえたその声に顔を上げた。 そこにあったのは田中れいなの悪戯っぽい表情と、その横でヒラヒラ振られる『CLOSED』の札。 「あっ……」 思わず口元に持っていった愛の手は薄力粉で白く染められており、勢いその顔にも白粉化粧が施される。 その様子を見て、体を折り曲げながらひとしきり手を叩いて笑った後、れいなは『CLOSED』の札をドアの表に掛けに行った。 その背中に向かって「ごめんねー」と声をかけ、愛は手を洗い顔を拭う。 生地の仕上がりは上々だった。 「明日は店休日やのに何作っ...
  • (30)269 『唯、蒼空を希う(ただ、そうくうをこいねがう)(五言絶句)』
     春 ○  小 ●  住 ○  久 ●  靄 ●  娃 ○  居 ○  遠 ●  待 ●  依 ○  不 ●  如 ○  空 ○  幻 ●  穏 ●  冥 ○  乾 ◎  影 ●  安 ◎  闇 ● <詩題> 唯希蒼空 <韻目> 「寒」韻 <中国語読み> jiu(3) yuan(3) ru(2) ming(2) an(4) zhu(4) ju(1) bu(4) wen(3) an(1) xiao(3) wa(2) yi(1) huan(4) ying(3) chun(1) ai(3) dai(4) kong(1) gan(1)   ※( )内数字は現代中国語の四声であるので 平仄とは必ずしも一致していません <書き下し> 久遠(きゅうえん) 冥...
  • (32)355 『BLUE PROMISES 番外編 -Key holder-』
    「あ、ガキさんええとこに来た」 「ん?」 リゾナントのドアをくぐったあたしを見つけるなり、愛ちゃんがカウンターから飛び出してくる。 そんな彼女のポケットから出てきたのは、それぞれ「A」と「R」の文字をかたどったキーホルダー。 しかも、色までちゃんと黄色と緑で、愛ちゃんとあたしを示しているのは明らかだった。 「あのな、常連のお客さんが作ってくれたらしくって」 「これを?」 「うん。なんであーしとガキさんの分だけなのかわからんけど…」 「え? 他の子の分はないの?」 「その人は『愛ちゃんとガキさんに』ってくれたんや」 愛ちゃんはあたしの手の中に、Rのキーホルダーをぽとりと落とす。 ちょっと小振りで、どこに着けていてもおかしくなさそう。 「大事にしますって、もしそのお客さんが来たら伝えてね」 手のひらの中で感じる愛...
  • (36)339 『唯、黎明を待つ』
     奈 ●  麗 ●  中 ○  田 ○  落 ●  娘 ○  情 ○  野 ●  密 ●  孤 ○  願 ●  馨 ○  嘉 ○  歩 ●  響 ●  懐 ○  招 ◎  闇 ●  霄 ◎  昔 ● <詩題> 唯待黎明 <韻目> 「蕭」韻 <中国語読み> tian(2) ye(3) xing(1) hua(2) xi(2) zhong(1) qing(2) yuan(4) xiang(3) xiao(1) li(4) niang(2) gu(1) bu(4) an(4) nai(4) luo(4) mi(4) jia(1) zhao(1)   ※( )内数字は現代中国語の四声です <書き下し> 田野の馨 昔を懐かしませ 中情の願 霄...
  • (39)725 『Inner heated “FLAME”』
    「おっ、どーもどーも。わざわざありがとうございます」 白衣の裾をひるがえしながら立ち上がり、小川麻琴は自分の研究室への“来客”をにこやかに招き入れた。 「いやー、“氷の魔女”にご足労いただくなんて恐縮です」 「そんなお為ごかしの挨拶なんかいらねっつってんだよ。とっとと本題に入れ」 無愛想にそう返す“氷の魔女”――藤本美貴に「相変わらず冷たいですねー」と屈託なく笑い返しながら、小川は今しがたまで自分が座っていたデスクに戻る。 「これなんですけど……どっすかね?」 その言葉とともにマウスが操作され、直後にディスプレイに浮かび上がったのは一枚の写真だった。  廃墟らしき建物の一室。  ニヤニヤと品のない笑いを浮かべる数人の男。  そして、その男たちに左右から両腕を押さえ込まれ、顔を上げさせられている一人の女性――― ...
  • (35)534 『A Smile In Recollection』
    「新垣さん、お誕生日――おめでとうございます」 何となく照れながらそう言うわたしに返ってきた新垣里沙の笑顔は――当たり前だけれど――あの日のままだった。 かつて、里沙が自分たちを裏切り続けていたと知ったとき、わたしは突然足元に穴があいたような気持ちになった。 人を信じることの意味がようやく分かりかけてきたわたしを、再び孤独の絶望に引きずり込もうとする、暗く深い穴が。 優しい言葉も、温かい笑顔も、里沙がわたしに向けていたすべては偽りだったのか。 何もかも、わたしたちに近づいて情報を得るためのただの芝居だったのか。 みんなが…小春がいるから自分は孤独じゃないと言っていたのは嘘だったのか――― 絶対に許せないと思った。 …だけど、気がつくとわたしは立ち上がっていた。 「行こう。新垣さんを助けに」 そう言うために。 ...
  • (42)172 『SINNERS~1.一条の光~』
    中国東部の山間部。 人の出入りが厳しく制限されたその深緑の一画に、とある私設団体の所有する土地があった。 なんちゃらドーム何個分、とでも形容したくなるほどの広大な敷地に、大小さまざまな施設が並び建つ。 住居、教育機関、研究所、鍛錬場、処理場・・・・・・施設の名前を挙げ出したらきりがない。 ここは、中国全土から集められた超能力者を育成するための、“D”と呼ばれる組織が所有する区域。 真っ当な生き方をしている者など、ただの一人も存在しない場所だった。 異質な力は、人を遠ざけ人から遠ざかる。 この施設で生活しているのは、すでに帰る場所のない人間たちばかりだ。 孤児となって街を彷徨っていた所を組織の幹部に引き取られたり 組織の存在を知って自ら仲間入りを志願した故郷や両親を持たない者。 時には例外もあったが、ここにいる者は皆なんらかの孤独を...
  • (25)466 『蒼の共鳴-Like a star in the dark-』
    最初の頃はさ、無愛想だし態度悪いし…内心、ちょっとムッとすることもあったよ。 でも、守るべきモノを亡くしてから変わったね、すごく素直で…心が強くなったよ。 自分は役立たずだ、なんて言って暗い目をしていたこともあったね。 あの子のおかげで成長したのが、とても嬉しかったなぁ。 いつも、皆の気持ちを和ませてくれてたよね。 その明るさに、あたしだけじゃなくて皆救われてたよ。 苦手なことを一つ一つ努力して克服していたよね。 一生懸命頑張る姿に、あたしも頑張んないとなって思ったんだよ。 仲間のこと大切に思ってるからこそ、動けなくてうじうじすることもあったよね。 でも、今のキミなら…迷わないで飛び込んでいけるよ、あたしが保証する。 最初は能力使って戦うこと、すごく怖がってたよね。 でも、今は…あの頃じゃ想像も出来ないくらい、頼もし...
  • (30)846 『復讐と帰還(11) R-again(後)』
    刹那という言葉がある。 元は時間の最小単位を表す仏教用語で、その長さは諸説あるが、要するにきわめて短い時間の事を指す。 その刹那を、ジュンジュンは体感した。 吉澤の袖口から伸びた刃が、彼女の喉元に突き立てられるまでの間に、夥しい刹那が脳裏を駆け巡った。 それは言葉であり、光景であった。 ―純、私達一族の力は、ただ獣の姿になる事がその本質ではないのだよ。 お父さん― ―私達の力は、命の力だ。地上にある生命が辿ってきた進化の道を、己の命の中から見つけ出すのだ。 どういう事?― ―いずれ分かる時が来る。純、お前ならば、獣人のあたらしい有様を見つけられるだろう。 父の笑顔      白い嵐    獣    屍   屍   屍  屍の向こう         闇色の瞳   恐怖、そして、復讐                ――生き...
  • (30)105 『復讐と帰還(10) R-again(前)』
    愛は、心で里沙に語りかけた。 里沙は、心で愛の声を聞いた。 ――ガキさん ――里沙ちゃん ――お姉ちゃん ―お姉ちゃん、聞こえる? … ―起きて、お姉ちゃん 精神の深層のさらに下方に存在する、人間のあらゆる感情や、原始的な衝動が生み出される源泉。 人間という存在の最も根深いものの一つ、混沌が支配し、感情と衝動が無秩序に渦巻く領域。 いかなる理性も、常識も通用しない神秘の象徴。 常人なら数秒、経験を積んだダイバーでも数分で精神を破壊される精神の暴風雨が吹き荒れる海。 サイコ・ダイバーはそれを、混沌の海と呼ぶ。 少女の声で眠りから覚めたサイコ・ダイバーは、その混沌の海に漂っている自分を発見した。 「ここは…そうか、愛ちゃんの中に潜って…」 サイコ・ダイバー新垣里沙は、自分の身...
  • (36)472 『Innocent wild“BEAST”』
    「いいの?そんな勝手なことして」 微かな不快感を抱きながら、紺野あさ美は、携帯電話から耳を離した白衣の女の背中に声を掛けた。 「あらら、聞かれてたんだ。できれば上の人には黙っててくれると嬉しいな」 振り返った白衣の女は、大仰に肩を竦めながら稚気と愛嬌の覗く笑みを浮かべ、言葉を継ぐ。 「だってさ、あの“獣人族”の生き残りかもしれないんだよ?これが確かめないでいられますかって。同じ研究者ならこの気持ち分かるっしょ?」 「………どうだろうね。まあどちらにしろ別に誰に言う気もないよ。面倒ゴトには関わりたくないから」 「さっすがDr.マルシェさんは話が分かるねー」 あさ美の肩を叩きながら、白衣の女は豪快に笑った。 「そもそも“生き残り”がいるというのは確かな情報なの?」 白衣の女の手の中の携帯電話を一瞥し、あさ美は無表情に...
  • (32)242 『Have a good day!3~in my heart~』
    ――――AM 8 22 メルヘンステージ 「あーもう、大丈夫かなーあの三人は」 ガキさんがこのセリフを言うのはこれで4回目。 絵里の言い出したあの提案が、ガキさんを悩ませているみたいだった。 ごめんねガキさん、絵里がアホで。 心の中で代わりに謝っておく。 「大丈夫ですよ~。もーガキさんは心配しすぎ!」 だけど当の絵里はまったく気にしてない。 むしろ、いいことしたあとみたいな清々しい顔してる。 なんて言うんだっけ、こういうの。 親の心子知らず?うーん・・・ あの時、絵里は自信満々な顔でこう言った。 「休園なんて気にしなければいいんですよ~」 ようするに、こういうことらしい。 小春ちゃんとリンリンがどうしても動物園に行きたいなら、行っちゃえばいい。 女の子二人が忍び込んだくらいじ...
  • (43)122 『SINNERS~4.終幕のその先へ~』
    逃避行が終焉を迎えたことがわかっても、琳は冷静さを失わなかった。 瞬時に自分が今何をすべきなのか考える。 大丈夫。 計画していた通りに振る舞えばいい。 「痛みが二倍ってのは、どんな感じなんだろうなぁ」 「・・・どういうことですか」 粛清部隊のリーダーらしき男が話しかけてくる。 純を攻撃したのもこの男に違いない。 ・・・そう思うと、少し冷静さを欠きそうになった。 「監視の目をかいくぐって外に出るルートは一つしかないってことは知ってたか?  そこに罠が仕掛けられていたってことは?」 「言っている意味がわかりませんが」 「おまえらの通ってきたルートには、一時的な遠隔催眠の発生装置が仕掛けてあったのさ。 “お仕置き”のために、痛覚を通常の倍にする催眠装置がな。まさか、こんなにうまく  引っかかってくれるとは。仕掛けを考案し...
  • (39)131 『あわてんぼうのガキサンタinリゾナント』
    「今年こそはクリスマスは休業や!」 閉店後のカウンターでゆったりとカクテルを飲んでいると、 他でもないこの店のマスターが突然そんなことを叫びだした。 その顔はもう真っ赤。あちゃー、今日はお酒回るのが早いんだね… 「去年はバタバタしてできんかったし、  今年もなーんにもパーティーらしきもんやってないし、  だったらクリスマスくらいはリゾナントでみんなで何かやりたいんやよ!」 拳を握りしめて力説する愛ちゃん。 その気持ちは、あたしも十分に知ってる。けど、けどね… 「でも、喫茶店ってクリスマスが稼ぎ時でしょーが。  稼ぐ稼がない別にしても、ここでのクリスマスを楽しみにしてるお客さんは多いでしょ?」 「んま、そらそうなんやけど…」 あたしは何度もこの言葉で愛ちゃんをなだめてきた。 常連さん。ご新規さん。 い...
  • (42)397 『SINNERS~3.山気が立ちこめる~』
    「はい、これ着て」 そう言って手渡されたのは、煌びやかな蛍光ブルーのチャイナドレス。 スリットは控え目だけど、丈は完全に膝上だ。 伝統衣装というよりは、中華文化を勘違いした外国人などに受けそうな感じである。 「これ・・・私が着るんですか?」 「うん。組織のコンピュータにアクセスして顔写真調べてみたらね、ハワイ支部の幹部の  キムラって人の顔が琳によく似てたの。だから琳はその人に成りすませばいいと思って」 「ハワイ支部の人がチャイナドレス着るんですか」 「着てたよ?こんな地味なのじゃなくて、もっといい感じにいかがわしい赤のチャイナドレス」 この蛍光ブルーが地味と申すか! いちいち突っ込んでいたらきりがない。 琳は、素直にその服に着替えることにした。 こんなものまで用意するということは、純は本気で自分を脱走させようと...
  • (33)235 タイトルなし(未来に降る雨)
    “未来”がよく“視”えない―― いや、“視”えているのかもしれない。 これが“未来”なのかもしれない。 視界がひどく霞んでいる。 何もかもが輪郭を失うくらいに。 これは私の目に滲む涙のせいだろうか。 それとも――― 雨―― まるで体を叩くその一粒一粒が私の生命を削っていくかのような、この雨のせいかもしれない。 ――いや、この雨が削っているのは私の生命だけではない。 この星の生命そのものだ――― ようやく分かった。 一体何が起きたのか。 何が起きようとしているのか――― これが“未来”なのだとしたら。 訪れうる明日なのだとしたら。 私の選ぶべき道は―――         ―interlogue for preservation―
  • (36)243 モーニング戦隊リゾナンターR 第7話 「放つ光」
    モーニング戦隊リゾナンター R 第7話 「放つ光」 カラオケボックスの時間を延長し、特撮の主題歌に打ち興じる里沙。 里沙の特撮ヲタぶりに辟易した愛は逃げ出そうとするが、里沙はそれを許さない。 携帯が鳴ったが、ディスプレイを一瞥すると電源を切ってしまった。 暫くすると里沙は席を立った。 「ハックション! ブラのホックが飛んだから直してくるね」 真剣な表情でカラオケボックスを後にする里沙。 スレート屋根の廃工場にやってきた里沙は袖口にピアノ線を仕込むと工場の中を窺う。 愛はウーロン茶を飲みながら里沙の帰ってくるのを大人しく待っている。 工場の中に入った里沙が目にしたのは、倒れ伏しているリゾナンターの姿。全員の衣服が赤く染まって… 愛は楽曲リストを見ながら、曲目を入力している。 小柄な女はフラフラになりなが...
  • (36)148 モーニング戦隊リゾナンターR 第6話 「新垣里沙の憂鬱な日常」
    光と闇の狭間に出来た空間を走る回廊で正体不明の敵の襲撃を受けた愛は「スパイの憂鬱」の世界に迷い込んでしまった。。 そこは平和で活気のある下町風の商店街。 これまでに訪れた世界との落差に戸惑って立ち尽くしていると一人の女性と出会った。 彼女は「スパイの憂鬱」の世界の新垣里沙。 「HAND MADE CITY」の世界で出会った里沙のことを思い出した愛。 愛の顔を見た里沙は何故か慌てた様子で、カラオケボックスに誘った。 優待券を財布から取り出す際に、中身をぶちまけて取った大袈裟なリアクションや、 財布にびっしりと詰まった各種のカードや割引券を見て、改めてこの世界の里沙が旅の最初に出会った里沙と別人であることを実感する愛。 小物感漂う里沙に失望気味の愛だったが、個室に入ってから告げられた言葉で驚かされることになる。 「で、あんた何処の誰?」 ...
  • (26)552 『コンフィデンス・ゲーム』
    「新垣里沙…だね?」 「………そうだけど…何か用?」 私の視線の先、街灯の薄明かりに照らされて立っているのは小柄な一人の女。 どこかで見たことがあるような気もするが、よくは思い出せない。 「何の用かくらい察しはついてるよね?たとえわたしが誰なのか思い出せなかったとしても」 私の表情から内心を読み取ったのか、女はシニカルな笑みを浮かべた。 その笑みに対し、私も苦笑とともに言葉を返す。 「“組織からの脱走者”を連れ戻しに…というより始末しにきた人…かな?」 「覚悟はできてたみたいだね」 少しずつ、記憶の隅から何かが浮き上がってくるような感覚を覚えながら、私は変わらず笑みを浮かべる女の顔を改めて注視する。 「まだ思い出せない?同じ能力の仲間なのにつれないね」 肩を竦めるようにしながら言った女のその言葉...
  • (33)883 『蒼の共鳴第二部-巡り会い、前夜-』
    ひゅ、と短い呼吸を繰り返しながら久住小春は迫り来る“ピアノ線”をかいくぐっていく。 普通の人間から見れば何の変哲もないピアノ線でしかないが、小春の瞳はそれに纏わり付く薄い緑の光を捕らえていた。 意思をもった生き物のように、うねりながら小春を、そしてもう一人の少女を追い込むかのようにピアノ線は空中に閃く。 軽く息を吸い込んだタイミングで、小春は常人の目では視認不可能な加速を伴いながら地を駆ける。 小春の視界に映る、ピアノ線を操る主。 小春の驚異的な加速を見ても、一切顔色を変えることなく。 淡々とピアノ線を繰り続けるその姿に、小春は迷うことなく両腕を突き出し力を生み出す。 赤い鮮やかな光が、その姿を現すよりも先に。 小春の動きはそこで完全に停止した。 いつの間にか、腕に緩く巻き付いていたピアノ線。 自分の力を持ってすれ...
  • (42)240 『SINNERS~2.守りたい気持ち、ふたつ~』
    約束通り、純はその日から毎晩琳の元へとやって来た。 「もう足跡は残さないから大丈夫」と、余裕たっぷりな笑みを浮かべて。 この数日、二人はいろいろな話をした。 子供の頃夢中になった遊びの話。 生まれ育った故郷の名物。 好きな食べ物嫌いな食べ物。 一つ一つはどうということもない話題なのに、それらが積み重なっていくことで 二人の間柄はどんどん親密なものになっていった。 「・・・おっと、もうこんな時間だ。じゃあね、琳。また明日」 そろそろ、とでもいう風に純が立ち上がる。 彼女はいつもこんな感じだ。 看守のいない時間にふらりとやって来て、小一時間ほど居座り、雑談のネタを振る。 何を考えているかわからない彼女の態度に琳は最初こそ戸惑いを見せたが、 今では自分から話題を提供するほどまでにこの状況に順応してしまった。 ...
  • (36)800 「友達(♀)が気に入っている男からの伝言」~(38)022 「無色透明なままで」
    (36)800 「友達(♀)が気に入っている男からの伝言」 2009/11/25(水) 08 45 01.62 0 (36)835 「パープルウインド」 2009/11/26(木) 07 27 55.71 0 (36)861 「女子かしまし物語3」 2009/11/27(金) 07 48 30.63 0 (36)956 「Yes!POCKY GIRLS」 2009/11/30(月) 20 26 13.27 0 (37)015 「卒業旅行~モーニング娘。旅立つ人に贈る唄~」 2009/12/01(火) 22 05 53.43 0 (37)048 「直感~時として恋は~」 2009/12/02(水) 21 53 36.07 0 (37)083 「「すごく好きなのに…ね」」 2009/12/03(木) 21 36 30.55 0 (37)117 「がんばっちゃえ!」 2009/12/04(金) ...
  • (36)52 『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-5 』
    第14話 : Will to live 国立バイオテクノロジー研究所は、Tukuba-Mountainの中腹、意外なほど人里から離れた森の中にあった。 全面ガラス張りの、モダンな6階建ての円形の建物は、冬の日差しを浴びてキラキラと輝いている。 捜し求めていた「父」はもう目前のはずだった。 しかし、研究所に程近い丘の上に立った、対テロリスト用ガイノイドチーム『pepper』のリーダー・アイは、周囲の森の中に潜む武装装甲ロボット・AK-B40群の存在を感知し、鋭い眼差しでその方向を見つめていた。 「しつこいね…。まだ懲りないのかな」 アイがつぶやく。 「アイちゃん、かなりいるの?」 里沙が問いかける。 「ん…。20体前後だね…。全然問題ないよ」 「サユ、都倉博士に連絡して」 アイは振り返ると、サユミに指示をする。 ...
  • (39)589 『Empty Recollection's Imagination』
    「お誕生日おめでとー絵里ー」 ベッドの上でぼんやりと窓の外を眺めていたわたしは、少し鼻にかかったお馴染みのその声がする方に首を回した。 明るい青空に慣れていた目はすぐには声の主の姿をはっきりと捉えることができず、わたしはパチパチと瞬きを繰り返す。 「おやおや?そんなに瞬きしちゃうくらい今日のさゆみちゃんもかわいいですか?」 「そういう台詞が許されるのは10代までだよさゆ」 ようやく病室の明るさに慣れた目に、ささやかな花束とケーキが入っているらしき箱を手にした、わたしのたった一人の親友の姿が映る。 「あー、絵里冷めてるー。かわいさは年齢には捉われないんだよ。だから今日また一つオバちゃんになった絵里も自信を持っていいよ」 「ムーカーつーくー」 地団太を踏む――ベッドの上だからほんとに踏んでいるわけじゃないけど――わたしに、さゆはもう...
  • (25)425 タイトルなし(「SONGS」リゾナント作)
    生きるのが下手 笑うのが下手 恋愛も下手 付き合いも下手 一体何なんだろう、俺って …ハァ、疲れたなぁ カウンター席に肘をつきながら、俺はすっかり暗くなった窓の外をぼんやり見つめていた―― ――お客様?お客様?」 声を掛けられ、ハッとする。いつの間にか突っ伏して眠っていたようだ。注文を取ってから、品物が来るまでの僅かな時間だというのに 「お待たせ致しました、カプチーノとレアチーズケーキでございます」 目の前に置かれたカプチーノの表面には、スマイルマークのラテアート。こんな些細な心配りにも癒される これを、この可愛いマスターが淹れてくれているのだから、尚のこと癒される 「なんだか元気ないですよ~、どうかなさったんですか?」 若干訛ったアクセントのその問いに、俺は堰を切ったように話し出す ...
  • (31)031 『Have a good day!2~カメは主張する~』
    ――――AM 7 46 正門前 亀井絵里は大人なんです。 遊園地に来たくらいで、はしゃいだりしないんです。 だから小春みたいに突然歌い出したりはしないし、 ジュンジュンリンリンみたいに「プリティ!」「セクシー!」とかいって跳び回ったりもしない。 もちろんガキさんみたいに得意げにオススメコースを語ったりすることも、 その話に目をキラッキラッさせて聞き入ることもしません、れいなじゃあるまいし。 絵里は愛ちゃんみたく落ち着いて・・・あ、ダメだ。あの人、なんか一人でアヒャアヒャ言ってる。 とにかく、絵里は大人なんですハタチなんです成人女性なんです! 別に、最前列を見に行ったさゆとみっつぃーについていけばよかったとか思ってるわけじゃないの! か、勘違いしないでよね!話し相手がいなくて寂しくなっちゃったとかじゃないんだからね! ...
  • (30)720 『Have a good day!1~はっぴーでらっきーなサンデー~』
    ――――AM 7 37 正門前 すっごい人。 それがこの場所に着いて最初の感想だった。 きっと小春だけじゃなく、みんなもおんなじ気持ちだったと思う。 開門と同時に入場しようってことになったから早めに出てきたのに、先客が何百人もいたんだもん。 前に撮影で来た時はこんなに人はいなかった。 あ。ひょっとして、あの時の順調な撮影はスタッフさんの人知れぬ苦労とかがあってこそなのかも。 今度一緒になったら差し入れでもしてあげようかな。 ここは、富士京DEZUNIE動物公園。 「いろんなテーマパークのいいとこどりをしたみたい」って評判の、国内有数の大型遊園地だ。 小春たち9人は、その遊園地の開門を待つ入場列の中にいた。 はじめこそ予想以上の人の多さに圧倒されたけど、そんなことでテンション下がるほど うちらはヤワじゃない...
  • (33)945 『坂道自転車』
    秋の日は早い。 その速さと競うように進む二人乗りの自転車。 「もうすぐ本格的なレッスンが始まるっちゃね」 「ええそうなんですよね。 始まっちゃうとリゾナントにも中々来れなくなっちゃいますけど」 「リゾナントも寂、いや静かになって万々歳たい」 「ま、私一人がいなくたって十分賑やかでしょうけどね」 「そんなことはないっちゃ」 「田中さん…」 「確かにジュンジュンやリンリンも賑やかかもしれん。  絵里やさゆにしても、決して静かとは言えないっちゃ。  ただ小春の声の甲高さややかましさは別格やけん。」 小春と呼ばれた少女は適わないなあというように苦笑いを浮かべる。 「それにしても小春が本格的にモデルの勉強を始めるって言い出すなんて、どげんしたと。 もしかしたら大地震の前触れじゃなかと」 「最初は事務所の勧めで一日だけの体験レッス...
  • (25)695 『絶対解ける問題 X=『G』』
    20090305 22 40 S区ラボ~拷問室 「グオオオオォォォォォン!」 電撃に晒され、苦しむ一匹のパンダ 「そろそろ白状して下さいよぉ、刃千吏の総本山の場所。パンダさん死んじゃいますよ?」 笑顔を浮かべながら電撃のコントローラーを握る白衣の女・・・Dr.マルシェ 「・・・断ワル」 モニターに映るマルシェを睨みつける鎖に繋がれた少女・・・銭淋 「殺さない、とか思ってるんじゃないですか?でもざ~んねん。  パンダさんの遺伝子取得と解析は済んだから用済みなんです」 更に電撃のボリュームを上げるマルシェ 「クッ、クワァァァァァァァァァァン!!!」 悲鳴に似た声を上げ、崩れ落ちるパンダ。徐々に人間の女の身体に戻っていく 「あぁ、もう限界みたいですねぇ・・・李純さん」 パンダから人間に戻った少女、李純の身体がビクンビクンと痙攣...
  • (35)814 『motor noise』
    私は感情というものが備わっていなかった。当たり前だ、私はサイボーグA。 「あなたの使命は組織に尽くすことのみ。それ以外には教えることはないわ」 そう私の生みの親は教えてくれた。 一番最初に教わったことは人の壊し方であった。全身の急所を知り、如何にしてそれを確実に破壊するか… それから組織による思想教育、格闘術、殺人術、機器の扱い方を学んだ。 私のコロンは硝煙の香りであった。もちろん人前に出るときはマナーとして別のものを付けていたが… そしてあらゆる経験を経て、私は幹部の一員として、「Def Diva.」の一員になった。 機械仕掛けの私の体は痛みを感じない。涙なんて出てこない。 デジタルな心臓は規則正しいリズムを刻み、心は揺れることなんてありえない。 命乞いをされても私にはなんでそんなことをするのかが理解できなかった。 命のあるものは...
  • (26)207 『The Day Before』
    最近組織が騒がしい 理由は明らかで、リゾナンターとか言う対抗組織が力を付けてきて、何かにつけて 障害になるようになったからだ。 ───リゾナンター。 アタシが前にいた組織の、生き残りを中心に新しく生まれた能力者部隊。 率いているのはあの高橋愛──i914。 組織が騒がしかろうがなんだろうが指令も出てない以上アタシには関係ないことで、 i914の他にどんなやつがいるのかよく知らないし、まぁお呼びが掛かったらちょっと ご面相を拝みに行ってみるかね。 そんな事を考えながらアジト内をぶらぶらしてたら何か結界が張ってある。 それはほんとに微かな結界で、アタシじゃなかったらまず気付かなかったろう。 でもそんな結界だから破るのも簡単で、知らずに通ったら破ったことにも気が付かない。 とすると、これは侵入者を防ぐとかそういうのじゃなく...
  • (41)145 『超能力戦隊(サイコフォース)リゾナンター・伝播』
    満月の夜。繁華街から離れた路地裏。 夜の喧騒や、人の灯りから離れていた、暗い通りだった。 ごく普通のOLである女性が、ほろ酔い気分で歩いている。 ある三流会社で事務を務めている彼女は、今日は何故か気分が優れなかった。 いつもの日々。いつもの日常ではあったが、苦手な酒が良く入った。 二桁まで飲み干し、閉店だと店員に起されなければあのまま深い眠りについていただろう。 一人で飲んでいたため、隣には身体を支えてくれる同僚すら居ない。 その内、女性は体勢を崩し、路上にも関わらず倒れこみそうになった。 そんな姿でさえも、辺りから見る者は誰も居ない。微かに酒の匂いを漂わせながら思う。 普段は仲良くやっているつもりでも、同じ人間でも断絶というのは必ずある。 寂しく思っていても、誰にも相手にされない事に胸が痛んだ。 溢れそうになる両眼のものを強引...
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