異界会内検索 / 「ふきだまりな話1」で検索した結果
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ふきだまりな話1
ふきだまりな話1:「それ吹け、やれ突け」―好色見世物について― 見世物というものをご存知であろうか。 即席のボロ小屋の中の粗末な舞台で、驚異、悪趣味、低俗、そして、いかがわしい世界を繰り広げる大衆芸能の一つである。「祭り」があると、ふと現れ、終わると同時にふと消えるそれは一つの異界の入り口だった。 昔は、「祭り」といえば跳梁跋扈していたということだが、その内容面の問題や娯楽の多様化からか、次第に上演機会を失っていった。「人間ポンプ」で知られた昭和見世物界のスター安田里美も鬼籍に入り、最早、歴史的遺物となった感すらあるものである。 ところで、見世物最盛期の江戸時代には性的な見世物が多くあった。 女相撲という今でいうキャッツファイトのようなものから、女体に蛇をからませ、時には鼻の穴から通すなどの荒業も見せた蛇女、フタナリ少女を晒し者にする因果物まで、その悪趣味さの度合いも様... -
ふきだまりな話3
ふきだまりな話3:異界映画寸感 前掲の拙文にあるようにこの夏は『姑獲鳥の夏』、『妖怪大戦争』と異界映画が二作封切られた。色々な縁と偶然もあり、結局二つとも観てしまったので、ちょっと詳しく書いてみたい。故に以下はネタバレである。 今回の話題の二作は異界映画であるとともに、実はエロス映画であったことをまず言っておかねばならない。『姑獲鳥の夏』は、もうすでに原作を読まれた方にとって、この指摘はある程度予想の範疇かとは思うのだが、後者もエロス映画とは奇異に思われる方もあるのではなかろうか。しかし、事実そうであり、さらには『妖怪大戦争』の方がエロス度は上だったのだ。 前者は、文庫版600ページ余りを2時間で見せようというのだから、原作を大胆に切り刻んでいくしかない。故に、話の無駄な所、つまり冗長性を犠牲にしているのだ。そして、それは、物語の雰囲気を作り出す詩想の源泉であることは... -
ふきだまりな話2
ふきだまりな話2:桃源郷としての映画 今年の夏の映画は「異界」で熱い! まずは『姑獲鳥の夏』である。ご存知京極夏彦の同名の「妖怪小説」の映画化である。映像化不可能と言われた(「見え」についての自己言及的な不可能性についての話だもんねぇ)目眩く異形の世界が目の前に!監督はあの『帝都物語』の実相寺昭雄!・・・・・・不安だ。 そして『妖怪大戦争』!水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきという当代きっての妖怪フリークたちがブレーンとなって作った、これまた『姑獲鳥の夏』とは別の意味で映画化不可能といわれた映画である。美少年・神木隆之介が主人公となり、妖怪たちを率いて、魔人・加藤保憲(『帝都物語』の悪玉)操る機怪軍団と全面戦争を行うという、今時ありえないほどの大時代的なストーリー。上記の四人と大極宮のメンバー、大沢在昌もワキとして登場する、どう見ても彼らのオナニー映画のにおいがプンプンする怪... -
ふきだまりな話4
ふきだまりな話4:ラテンアメリカ文学におバカなエロがあったよ! インカ帝国の偉大なる祖はマンコ・カパックという名前だそうです。 屑屋です。 ホイヘ・ルイス・ボルヘスやガルシア・マルケス、カルロス・フェンテスなどラテンアメリカ文学といえば、マジックリアリズムと一時期もてはやされたように、土着の異界的世界と日常が渾然一体となった不可思議な文学が繰り広げられることが有名です。 しかし、有名だろうとなんだろうと、私のようなほとんど本を読まない人間にとって、彼らの作品は読むのがはっきり言ってつらい。ボルヘスの短編も内容が濃すぎて、いい加減つらいが、マルケスの『百年の孤独』など長編を読むなど狂気の沙汰です。 しかし、読まず嫌いはいかんな、ということで、マルケスの短編『エレンディラ』(1988.筑摩書房)を読んでみると、奇妙でおかしく、しかも、異界会の品位を下げている... -
ふきだまりな話5
ふきだまりな話5:コントの国の人の思ひ出 menocchio氏がこちらで狂気=異界という示唆深いテーマで書かれているが、それで思い出すのは、所謂「コントの国の人」(リリー・フランキー)のことである。 「コントの国の人」とは何か分からない人も多いだろうが、この話をすればおいおい分かるだろう。 私は今まで「コントの国の人」に結構会ってきたように思えるが、その中でも思い出深い人は二人ほどいる。時系列順でいくと、まず、運転免許を取るために教習所に行っていた時のこと。 技能教習の順番待ちの時だったろうか、待合室の窓際のベンチに虚ろに座っていた時、たまたま隣に座った女性と話をする機会を持った。 はじめは差しさわりのない、「技能教習、どこまで進みましたか?」、だとか、「運転難しいっすね」とかいかにも教習生の話題をしていた。次にどうやら彼女は私と同じ国文学を専攻していた... -
ふきだまりな話6
ふきだまりな話6:女護ヶ島に行こう! 「屑屋先生,無知な僕に教えてくださーい!」 とmenocchio氏がこちらで「女護ヶ島」の話題を私にふってきました。 (今は書き換えられているけども) これは彼の技の一つで、本当は知っているのにヨゴレ役は全部私に押し付けようという魂胆なんでしょうが(笑)、引き受けますよ、ええ、引き受けますとも! さて、「女護ヶ島」といえば、今や聞いて股間を熱くする人は随分と少なくなってしまった死語ではないかと思うが、要は「女だらけの島で行けば誰でもヤらせてくれる島」というのが基本の定義ではないかと思う。 まぁ、何とも男のロマンな島である。男のための桃源郷。正に異界という訳で(?)異界会で取り上げる必要はある! というエクスキューズはさておき、実は「女護ヶ島」が現在の形となるまで長い歴史があったのはご存知だろうか。 ... -
屑小屋
前口上 好きな言葉は「一期は夢よ ただ狂え」(『閑吟集』)、屑屋です。 異界会の真髄はこちらなどを参照されるとして ここは箸休め程度のコンテンツで御座います。 低俗上等、手抜き上等!で参りますのでよしなに。 GAUDIA 2005.11.6まで有効 ただいまこちらで小生の愛する、軽妙なグロテスクな異界を見せてくれるアニメ作家シュヴァンクマイエルの上映会してます。 ご近所の方はお誘いあわせのご覧あれ。(万一、精神的被害を蒙ったとしても当方責任持ちませんのでよろしく) <追記> この展示にmenocchio氏が潜入してくれたようなのでここ参照 cool siteシュヴァンクマイエルの食卓 2005.11.11 ガンダム展 2005.12.03 京都異界案内1 2005.12.04 京都異界案内2 2005.12.18 大(Oh!)水木しげる展 20... -
すいか
すいか DVD(日本テレビ,連続ドラマ) 脚本:木皿泉・山田あかね 出演:小林聡美・ともさかりえ・市川実日子・高橋克実・金子貴俊・小泉今日子・もたいまさこ・白石加代子・浅丘ルリ子 「すいか」というドラマをご存知でしょうか。数年前に日テレで放送されたのですが,視聴率は低かったので知らない人も多いかもしれません。 僕はこのドラマが好きで,もう一度観たいとずっと思っていたのですが,このたび随分と迷った挙句,夏の思い出にと思い切ってDVDを買いました(インターネット書店で「すいか」というDVDを検索すると「大人向けの商品」も出てきますが,僕が買ったのはそれではありませんよ)。ドラマのDVDを買うなんて初めてです。 このドラマ,上記のような豪華というより濃いキャスティング(ほかに片桐はいり・篠井英介とかも出ています。濃いでしょう?)も魅力ながら,実は稀にみる「異界的」ドラマな... -
活動日記/2005年10月02日/季節はずれの
#blognavi なんとmenocchio氏も『すいか』フィリア?! 俺も好きで、脚本集持ってるのよ。 DVDは迷った挙句買わなかったけど(高いから)。 「もう、帰ってちょうだい!」っていう 無愛想な『泥舟』のもたいまさこ演じる ママとか好きだったけど 変な人たちばかりの変な話だったよね。 てな訳で『すいか』記事楽しみにしてますよ。 カテゴリ [屑屋] - trackback- 2005年10月02日 22 08 33 #blognavi -
ダ・ヴィンチの洞窟
レオナルド・ダ・ヴィンチ展 直筆ノート「レスター手稿」日本初公開 六本木ヒルズ:森アーツセンターギャラリー もはや異界でなくて,ミュージアム・レポートになってるけど…。 ダ・ヴィンチ展に行ってきた。六本木ヒルズ初上陸!なんだか必要以上にビルが高くて,ややこしい構造。道に迷いつつ,おどおどしながら,ようやくのことチケットを買い,エレベーターで52階へ(一人で行ってたら辿りつけなかったね,たぶん)。 平日なのにお客の数がすごい(会社帰りの時間だからか)。『ダ・ヴィンチ・コード』(未読)もヒットしたし,今ダ・ヴィンチはブームなのだろうか。 今回は,ルネサンス最大の「普遍人」(uomo universale)と目されるレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci,1452-1519)の自然学的考察の記録である「レスター手稿」が日本で初公開。これは1505,1... -
書物という異界・番外
書物という異界(番外) 菊池直恵 『鉄子の旅』(小学館) 鉄道好きの人から「こんどのダイヤ改正で寝台特急が4本もなくなっちゃうんですよ!!!」という話を聞いて,ふと前々から気になっていたこのマンガを買って読んでみた。 男の子は小さいころ自動車か電車かどちらかが好きだと言われるけれど,僕は電車が好きだった。今でも割合好きな方かもしれない。 しかしこの本の主役となるのは,並の鉄道好きではない。この本に出てくるのは,「一般の人よりも,かなり,相当,どっぷり深い愛情を持って鉄道に関わる」人たちであり,≪テツ(鉄)≫と呼ばれる。「鉄道にキョーミのない女性マンガ家が,究極の鉄道好き(テツ)に日本全国連れ回される」,その珍道中を描いたのがこのマンガである。 旅の案内人はライターの横見浩彦という方で,日本全国の駅9843駅すべてに下車したツワモノである。この横見氏が毎回,鉄道... -
京都・大阪
9月8日 熊野に行ったときに買って,余ってしまった「青春18きっぷ」を何故か僕が引き受けることになり,それを消化するために京都・大阪へと行ってきました。 日程を決めたのが直前だったため,御用達の「ムーンライトながら」指定席がとれず,1日かけて東海道線で行くことに。7:17品川発の電車に乗れば,大阪は16:14着です。意外と近いなあ。前々日に衆院選と最高裁国民審査の期日前投票を予め済ませて,いざ出発です。 能登川町立図書館 とは言っても,9時間もずっと電車に乗り続けるのは気が滅入るし,せっかくの18きっぷなのだから,と途中下車をしたいと思いました。石山寺とか関ヶ原とか幾つか候補が思いつきましたが,前日に図書館で偶然立ち読みした『世界』(岩波書店)8月号のなかで取り上げられていた図書館に行ってみることにしました。虫賀宗博さんの「自殺したくなったら,図書館に行こう―いのちを育て... -
書物という異界5
書物という異界5:バナナ・パースペクティヴ 『at』1号 (編集パラグラフ/オルター・トレード・ジャパン,太田出版) 香山リカが『いまどきの「常識」』(岩波新書)という本のなかで,「現実には従うしかない」という意見が最近世の中の趨勢になってきているのではないかとし,これに違和感を表明していた。「現実にそぐわない理念は,現実に合わせて変更するしかない」,こういうのを難しくいうと「事実性の優位」という。 こうした考え方は,一歩間違えると無批判な現状追認主義に堕する危険を孕んでおり,それに対しては僕自身も違和感を覚えているが,しかしそうは言っても実際のところ,この世界の「あるべき姿」を模索し,それを現実の社会のなかで実現させていく,というのはどのようにすればできるのだろうか。これは別に革命云々ということではないが,我々が生きていく上で大きな問題であり,また実に困難なことでもある。つ... -
オペラ≪ガリバー≫
オペラ≪ガリバー≫ オペラシアター・こんにゃく座 (改訂版初演) シアタートラム 5月のことだが,こんにゃく座の≪ガリバー≫を観た。 小人国や巨人国,飛島(ラピュタ)などを旅する<ガリバー>が演劇でどう表現されるのか,純粋に興味津々だったが,カメラを使った演出などに感心。 見る視点によって巨人になったり,小人になったりしてしまう<ガリバー>の本質をよく表わしていたと思う。 台本には原民喜による翻案を用いている。原民喜はジョナサン・スウィフト原作の『ガリヴァー旅行記』(1726)を再話し,自身もまた次のような詩を書いている(*1)。 ガリバーの歌 必死で逃げてゆくガリバーにとって 巨大な雲は真紅に灼けただれ その雲の裂け目より 屍体はパラパラと転がり墜つ 轟然と憫然と宇宙は沈黙す されど後より迫まくってくる ヤーフどもの哄笑と脅迫の爪 ... -
レクイエム
レクイエム La Folle Journée au Japon 「熱狂の日」音楽祭2006 アマデウス・モーツァルト≪レクイエム ニ短調≫K.626 ミヒャエル・ハイドン≪レクイエム ハ短調≫K.I.8 今年はモーツァルトの生誕250周年の年に当るため,GWに東京国際フォーラムで開かれた「熱狂の日」音楽祭は「モーツァルトとその仲間たち」にスポットを当てたものだった。5月3日と5日の二日にわたって,二つのレクイエムを聴いてきた。 ≪レクイエム≫(Requiem)と言えば,今やスーパーの値引きシールのように小説などのタイトルに節操もなく付けられているが,もともとはカトリック教会の死者のためのミサ(Missa pro defunctis)のことを言う。死者のためのミサは,通常のミサと異なり,次に引用するように“Requiem”という歌い出しになっているため,≪レクイエム≫と呼... -
書物という異界2
書物という異界2:とある異界の百科事典 クラフト・エヴィング商會 『すぐそこの遠い場所』(ちくま文庫) 「とある世界についての百科事典」という体をなした小説と言えば,ベオグラード出身の文学者・作家であるミロラド・パヴィチの『ハザール事典』[男性版/女性版](東京創元社)が有名だが,それについてはまたの機会に譲るとして,ここでは日本の作者による,ささやかな事典小説を一つ。作者(ら)はブックデザインにも定評があり(先ごろ創刊された「ちくまプリマー新書」の装丁も手がけている),視覚的にも楽しい一冊である。 読者が手にするのは,『アゾット事典』。それは子どもの頃に祖父から話を聞きながらも読むことの叶わなかった事典である。しかし祖父の亡き後,作者は祖父の書棚の最上段から探し出してきたのであった。 それは「アゾット」(AZOTH)という名の「世界」についての事典である。事典はまず「... -
ハゲレット
ハゲレット 紀伊國屋ホール 原作:ウィリアム・シェイクスピア 監修・翻訳:小田島雄志 脚色:鈴木聡 演出:山田和也 出演:近藤芳正(ハムレット),笹本玲奈(オフェーリア),陰山泰(ホレーシオ),石田圭祐(ポローニアス),鈴木浩介(レアティーズ),久世星佳(ガートルード),ベンガル(クローディアス)ほか タイトルだけで飛びついた。これは見に行かなくては! 若禿げに悩むハムレット王子を近藤芳正が演じる話題の舞台である(ポスターを見ただけで可笑しい)。 ≪ハムレット≫と言えば,シェイクスピア四大悲劇の一つだが,それにこんなふざけたタイトルを冠したのには訳がある。脚色の鈴木聡は,シェイクスピアを高尚な文学作品としてではなく,一つの娯楽作品として解釈しようとしたという。それというのも,この≪ハムレット≫は,それがグローブ座で初演された当時は,労働者から宮... -
トシドンへの道(2)
12月28日 行程 長崎原爆資料館 平和公園 浦上天主堂 如己堂 崇福寺 新地中華街 大浦天主堂 日本二十六聖人殉教地 カステラ屋さん 茂木港 富岡港 本渡市 原爆資料館・平和公園 朝。ものすごく眠かったので,浦上天主堂の朝のお勤め参加は見送った。そもそも一般でも参加可かどうか分からないし。異界会としては朝寝坊で活動開始(今思えば道成寺や那智の旅が信じられない)。駅のロッカーに荷物を預け,浦上方面へ朝ごはんの食べられるところを探しながら歩き始める。ところが店は見つからず断念して,路面電車で松山町まで乗ることに。人生において好機をつかむのは大事なことで,一度機を逃すと朝食をとるのさえなかなかできなくなってしまうものだ。こんなことから人生の歯車が狂うというのもあり得ないことではないのかもしれない…。己が身の決断力のなさを呪いつつ,仕方なく原爆資料館近くのホテルのレストランで,やや高め... -
ヴァーチャル村
俺たちのバーチャル村 NNNドキュメント 05(制作・高知放送) 2005.10.09(25:25~25:55) テレビのドキュメンタリーをよく観るので,今日はそこから。 高知県本川村(ほんがわむら)。四国の「てっぺん」に位置し,人口は759人,高齢者比率40.3%(平成12年)。この小村が,市町村合併によって昨年(2004年)10月に閉村・消滅した(近隣一町・一村と合併,「いの町」に)。 近年の市町村合併によって,ずいぶん多くの自治体が地図からその姿を消した。それによって市民生活がどう変わったかということは今後,注意深く見ていく必要がある。しかしそれとは別に,慣れ親しんだ名が消えるというのは淋しいことでもある。名前が変わるというのは,一つの終わりでもあるからだ。それは文化が変わるということでもある。 本川村の魅力を残そう,と高知市内の出版会社の社長が「... -
書物という異界9
書物という異界9:異界を旅した航海者の末路 ジョナサン・スウィフト 『ガリヴァー旅行記』(平井正穂訳,岩波文庫) 誰もが知っている『ガリヴァー旅行記』(Gulliver s Travels,1726)は,イギリス人航海者のレミュエル・ガリヴァーが小人国(リリパット国),巨人国(ブロブディンナグ国),飛行島(ラピュータ),馬の国(フウイヌム国)など,奇想天外な国々を巡るという点で,典型的な異界についての物語である。それもそのはず,作者のジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift,1667-1745)は,ヨーロッパ文学に綿々と伝わる「メニッポス的諷刺」の伝統を汲んでこの傑作を書き上げたのだが,有名なバフチーンの分析によれば,「夢や未知の国への旅」がメニッポス的諷刺と呼ばれる諸文学の主要な構成要素となっているのである。 では,そのガリヴァーにとって異界とは何だったのか,少... -
時をかける少女
時をかける少女 監督:細田守 もうすっかり秋になりましたが,≪時をかける少女≫の映画を見てきました。 タイムリープできたらどうするかな…。 誰かさんは,受精の時点から人生をやりなおしたいって言ってたっけ。Y染色体が気に入らないらしい。 -
トシドンへの道
トシドンへの道 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 で,行ってきましたよ。トシドン! レポートは旅人の二人がぼちぼち書いていきます。悪しからず。 旅人 灯籠大臣(十津川警部改め) 主な持ち物:時刻表,腐った豆乳,干涸らびたパン menocchio 主な持ち物:『どちりなきりしたん』,山のような駄菓子の数々 行程 (1)12.27 品川~長崎 (2)12.28 長崎~天草 (3)12.29 天草 (4)12.30 天草~水俣~甑島 (5)12.31 甑島【トシドン】 (6)01.01 甑島~鹿児島~羽田 活動記録に戻る -
東京大薪能 in お台場
東京大薪能 (第8回,主催:世界芸術文化振興協会) (作成中) 前日の新聞広告で知り,急遽駆けつけました。 お台場に行く前に,木場公園にある東京都現代美術館にも寄りました。 「ねむの木のこどもたちとまり子展」です。 能「忠信」 狂言「樋の酒」 半能「鞍馬天狗」 活動記録に戻る -
活動日記/2005年12月03日/最軽量級格闘技
#blognavi K菌-1グランプリ,おもしろかった! 格闘技あまり興味ないけど,こんなにおもしろいとは。 乳酸菌VS大腸菌…。 タモリ倶楽部って,すごいなあ…。 カテゴリ [menocchio] - trackback- 2005年12月03日 01 52 57 #blognavi -
書物という異界7
書物という異界7:民衆の心に堆積した異界の古層 カルロ・ギンズブルグ 『ベナンダンティ 16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼』 (せりか書房,竹山博英・訳) 16世紀の北イタリア・フリウーリ地方の異端審問記録に「ベナンダンティ」と呼ばれる謎の者たちの記録が見出される。彼らは皆「シャツを着て生まれてきたものたち」,つまり羊膜をまとったまま生まれた者で,ある年齢に達すると夜の集会に参加するようになるという。四季の斎日の木曜の夜になると,身体から魂が抜け出し,野原に飛んで行って魔術師・魔女と戦うというのである。 (作成中) -
TDL
ときどき頼まれて手伝いをしている仕事の一環で,TDLに行ってきました。およそ7年ぶりです。 行ってみて思ったけど,実はあそこも異界に満ちているのかもしれませんね(僕も含めて異界会の面々には,あまり縁のない場所ではありますが…。あ,失礼!?)。溢れんばかりに空間を充たしている表象の数々は,かつてのメルヘン・寓話・カーニヴァルの記憶をとどめているのでしょう。それがどのような変化を蒙りつつ現在に至ったか,なんて考えると面白そう。国内でも有数の特異な空間である以上,異界として考察に値するでしょう。僕にはそんな能力ないけどね。 次の日は,某航空会社の整備場に行きました。やっぱり社会科見学は面白いなあ。「飛行機がなぜ浮く(飛ぶ)のか」,分かりやすく教えてくれました(m) menocchioの部屋に戻る -
京都異界案内2
京都異界案内2 今回の趣向は斯界の大物・安倍晴明を巡る旅と洒落こもう。 鉄輪の井の紹介で示したように晴明は平安時代における異界のトラブルバスターとして活躍しただけでなく自身、狐から生まれたという出生譚など人間ばなれした本朝随一の大魔術師である。 まずは彼の出生地である大阪阿倍野の安倍晴明神社に行ってみた。 なんか、しょぼ……じゃなかった、閑静な住宅街の狭間にその神社は忽然と現れた。 鬱蒼とした林に囲まれ、えもいわれぬ雰囲気を醸し出している。 境内には晴明が生まれた際、産湯に使ったという井戸があった。 そして散策を続けるうちに、やはり、ここは異界であったことを思い知らされた事態に。 絵馬にする意味が……わからねぇ……っ!(ざわざわ) 「ドッカ~ン」とストレートをくらったような気分になりながら一路、京... -
サボテン・ジャーニー
サボテン・ジャーニー ドラマ(再放送:2006.01) 脚本:荻上直子 出演:小林聡美・田辺誠一・市川実和子・尾美としのり・由紀さおり(ほか) 「すいか」はDVDを友人に貸してしまったので,感想が書けないままになっている。 しかし,である。なんと「サボテン・ジャーニー」の再放送が先月あったのだ。「サボテン・ジャーニー」は,数年前に日本テレビで30分×4回で放送されたドラマで,「すいか」よりも認知度はさらに低いと思われるが,僕のなかでは「すいか」と並ぶ傑作なのである。恐らく,「神はサイコロを振らない」が始まるので,同じ小林聡美が主演のこの作品を再放送したのだろう。日本テレビはあまりドラマの再放送をしない気がしていたが,すばらしい! (作成中) 不眠症のカメラマン・長谷川綾(小林聡美) ナビ男こと観音崎実(田辺誠一) 結婚式から脱走した花嫁・上原美香(市川実和子)... -
ショスタコーヴィチの韜晦
ショスタコーヴィチの韜晦 ショスタコーヴィチの誕生日に寄せて 今年がモーツァルトの生誕250年だということはよく知られているが,今世紀最大の作曲家ショスタコーヴィチの生誕100周年でもあるということはあまり知られていない。こちらの方が数字としてはピッタリなのに,いまいち盛り上がらないのは何故か。納得がいかない。 なぜだろう。 5月の音楽祭ではモーツァルトの着ぐるみが飛び跳ねていたが,ショスタコーヴィチのあの顔の着ぐるみなど想像することもできない。 それを考えると人気の差も分かる気がするが,しかしその人気の差は知名度や,明るさと暗さだけが原因なのだろうか。 ドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)は100年前の9月25日にサンクトペテルブルクに生まれた。その人生はソ連とともに歩んだ人生だった。 それ故,ショスタコーヴィチの音楽にはソ連の歴史がつきまとってく... -
書物という異界8
書物という異界8:チェルノブイリ後の神 スベトラーナ・アレクシェービッチ 『チェルノブイリの祈り 未来の物語』(岩波書店) [随時更新] 今日(2006年4月26日)でチェルノブイリの原発事故からちょうど20年になる。未曾有の惨事は今なお様々なところに禍根を残したままであるが,それのみならず本書の作者によれば,<チェルノブイリ>以後の世界はそれ以前とは全く別の世界になってしまったという。チェルノブイリ,それは一体何をもたらしたのか。 本書はチェルノブイリ原発事故に遭遇した様々な人の生の声を集めたインタビュー集である。事故直後に処理に駆けつけた消防士の妻の声に始まり,「サマショール」と呼ばれるチェルノブイリ30km圏内の立入禁止汚染地域に住む人々の話などが続く。 チェルノブイリは全てを汚染し,破壊し,奪い去ってしまう。事故処理に駆けつけた夫は,高濃度に汚染された... -
ルナシー
映画≪ルナシー≫ チェコのアニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルの新作映画≪ルナシー≫を観てきました。屑屋先生はもう観ましたか? この「哲学的ホラー」を観に行くのはかなりの覚悟が必要だった。だいたいタイトルからしてただでは済まされない感じだ。 舞台は精神病院。これは精神病院の対立する二つの在り方をめぐる物語である。 つまり一方には完全なる自由,放蕩(libertin)がある。これは侯爵(もちろんサド侯爵に着想を得ている)の立場に代表される。そしてもう一方には管理・処罰,抑圧,操作がある。この二つの在り方が対立している。 恐ろしいことに,ふつう狂気とは「正常」との対比で語られるのだが,ここには正常/狂気の区別がない。何が正常か分からなくなるし,そもそも正常なんてあるのかも分からなくなる。 そして正常/狂気の区別のないところでは,「健全な人たち」と狂者を隔てる精... -
夏至祭り
夏至祭り 気分が天候に左右されやすい。晴れの日はウキウキし,雨が降れば沈鬱になる。一年のうちで冬は鬱屈としているが,春が来れば心にも花が咲く。自分って単純だなあと思う。 そんなわけで毎年夏至が待ち遠しい。もっとも昼間の長い日なのだ,これが祭りをせずにいられようか。あまり詳しくはないが,陰陽でいえば,夏至とは陰が最も衰え,陽が最も長じる時(間違ってたら訂正してください)。単純なのかもしれないが,それも全て理なのだ。 今年は夏至の週の日曜に,何人かで目黒に行った。JR目黒駅に13:00集合。集まったのはTan,To,Re,Fuの4人。後から来る人も合わせれば今日は6人が参加。久しぶりの顔も多いので,なんだかうれしい。 目黒不動尊へ向けて歩き出す。途中,果物屋で西瓜を見かけた。食べたかったが機を逸した。今から思い返しても悔やまれてならない。 不動尊に到着。異界に興味があるとは思え... -
亀も空を飛ぶ
映画「亀も空を飛ぶ」 イラン・イラク合作(2004) バフマン・ゴバディ[監督・脚本・制作] 岩波ホール(11月中旬まで),順次全国公開 これがこの世界のもう一つの姿なのだろうか。 舞台はイラク北部・クルディスタン地方の小村。 時,2003年,イラク戦争開戦前夜。 主人公,サテライトという渾名の孤児の少年。利発な彼は村の便利屋で,子どもたちを束ねて地雷除去などの仕事をし(除去した地雷はお金になるのだ),逞しく生活している。 村の大人たちは,アメリカ軍の動向を知るために,サテライトに衛星放送を受信するためのパラボラアンテナを買いに行かせる。だがアンテナを設置したのはいいが,英語のテレビが分からない。どうすれば戦争の情報を手に入れられるのか…。 一方,サテライトたちの前に現れた難民の兄妹。小さな子どもを背に負う少女と両腕のない少年。サテライトはこの難民の娘に淡い恋... -
芝居『贋作・罪と罰』
NODA・MAP公演『贋作・罪と罰』 Bunkamuraシアターコクーン にて観劇 menocchio氏を伴って2006年1月6日に観劇。 ドストエフスキーの『罪と罰』をベースに、幕末日本を舞台に江戸開成所に学ぶ優秀な女塾生、三条英(松たか子)を主人公とし、理想・理念のための殺人・犠牲の是非をテーマに進行していく戯曲。 階段とスロープで囲まれた四角い舞台には後部にも客席が設けられており、側面に存する中二階と併せ、舞台をぐるりと客席が囲む形となっていた。 役者は基本的に袖には引っ込まず舞台の周囲に置いた椅子に腰掛けて出番まで待機し、木槌で板を叩いて効果音を出したりする。役者にとっては気が休まるときがなく、緊張感を保って舞台に向かうことを要求される形となる。また、ポールや椅子により空間を表現した抽象的舞台美術も興味深いものだったけれど、これらはここで語るべきことでも... -
書物という異界1
書物という異界1:三途の川を溯ったらどうなるか しりあがり寿 『真夜中の弥次さん喜多さん』(マガジンハウス) 鬼才の漫画家しりあがり寿が,おなじみ『東海道中膝栗毛』の弥次さん喜多さんを使って,全く新しい世界を切り開いた。この続編ともいえる『弥次喜多in DEEP』(エンターブレイン)は朝日新聞社の第5回手塚治虫文化賞のマンガ優秀賞を受賞。 春うららかなお江戸日本橋,仲睦まじく愛し合っている恋仲の弥次さんと喜多さんだが,実は喜多さん薬物中毒。そこで弥次さんは,喜多さんに薬をやめてもらい,二人が幸せになれるようにとお伊勢参りを提案する。ここから東海道を進む二人の長い旅が始まる。 とは言っても,ふつうの道中ではない。それは夢と現,リアルと幻想が絡まり合い入れ替わる,魂の道行きなのである。幻想世界が現実世界に流れ込み,飲み込んでしまう。 しりあがりは,意図的に現実世界と幻... -
カボチャ浄土
「空想観光カボチャドキヤ」展 ブックギャラリー・ポポタム (12月18日まで,月・火定休) カボチャドキヤ民主主義人民共和国という国があるのをご存知だろうか。 変テコな名前だが架空の国ではない,この国は北九州・門司に実在するという。 そして共和国の総書記を務めるのが<トーナス・カボチャラダムス>という,16世紀フランスの高名な占星術師=医師によく似た名を持つ,何やら妖しげな人物である。同時に氏は画家でもあり,カボチャドキヤ国立美術館(繰り返し言うが門司に実在)の館長も兼務されている。 そんな氏が「カボチャドキヤ」の名所を描いたエッチング30点の展覧会が,西池袋の絵本の店「ポポタム」で開催中である。静かな住宅地にある,懐かしいたくさんの絵本とサドや団鬼六の本が同居する不思議な店だ(…なぜ)。 北九州市立美術館分館で行われた「トーナス・カボチャラダムスのゆかいな王国展... -
山陰幽世紀行1
山陰幽世紀行1 タイトルの「幽世」は「かくりよ」と読みます。 「この世」という意味の「顕世(うつしよ)」の対義語で「あの世」という意味です(挨拶) 「1月に山陰に行くなんて大風邪をひきに行くようなものだ! おバカ!このピンポコナマズ!」 と親から叱咤激励を受けながらも思いつきで山陰に行くことにしました。 私的には「ピンポコナマズ」って何だろうと思いましたが、とにかく1日目の島根編にお付合いください。 さて、異界会的には島根と言えばこれを外すことはできませんでしょう。 それは出雲大社! 出雲大社といえば旧暦の十月に全国の神様が全員出雲に集まります。 故にこの月のことを出雲以外の神社では神様が留守にするので「神無月」と呼び、対して出雲だけは「神有月」となります。(↓神の集まるところ) なぜ出雲に、なんのために神様が集... -
シュヴァンクマイエル展
GAUDIA 造形と映像の魔術師・シュヴァンクマイエル展;幻想の古都プラハから 神奈川県立近代美術館 葉山 (11月6日まで。12日から新潟市新津美術館) 屑屋先生ご推薦の「シュヴァンクマイエル展」に行ってきましたよ。葉山は以前から友だちと合宿をしたりしていたところなので,久しぶりに訪れた葉山の穏やかな風景は懐かしさを呼び起こしました。この日はお天気にも恵まれて,雲ひとつない青空を鳶が旋回しており,海の向こうには富士山もくっきり見えました。申し分ない休日の遠足です。 さて今は,東欧のアニメーション・ブームとのこと(あまり知りませんが)。今回,神奈川県立近代美術館(葉山館)で開催されているのは,現代チェコを代表する映像作家のヤン・シュヴァンクマイエルと妻であるエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの絵画・オブジェ・スケッチ・コラージュ・映画の展覧会。土日には映画祭も... -
「好色一代男」
オペラ「好色一代男」 オペラシアター・こんにゃく座 2005.09.23 世田谷パブリックシアター 原作:井原西鶴 台本・演出:山元清多 作曲:萩京子 知人のいる劇団で,周囲でも何人かファンがいるので,気になっていましたが初めて観に行きました。そもそも音楽劇とかオペラ自体が初めてだったのですが(能は除く),とっても楽しかったです。シロウト目からですが,セットもすごかったし,音楽も良かったなあ。劇のつくりも面白かったです。誰か一人の役者が主人公(世之介)を演じるのではなく,世之介の羽織を次々と手渡しながら,何人もの役者さんが世之介を演じるというのが,新鮮に見えました(劇の構造上そうなっているのか…?)。しかし演劇というのはエネルギーの要るものなのですね…。 桟敷席というので,世田谷パブリックシアターのどこに桟敷席が…と思って行ってみたらビックリ,客席の最前列,舞台か... - @wiki全体から「ふきだまりな話1」で調べる