第101創作猟兵大隊司令部内検索 / 「テストページ」で検索した結果

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    ↓最終巻(10巻)が先日出たよ、無事に。https //www.alphapolis.co.jp/book/detail/1044386/4311 - 名無しさん 2017-12-23 21 58 34 ルーントルーパーズって結局どうなったの? 単行本9冊で打ち切り? しばらく続巻ないと思ったら去年夏頃続けざまに2冊出て少し驚いたが - 名無しさん 2017-10-25 18 39 38 >こじまさん おひさです。IDとPWを再申請したので、気付いたら対応して下さいな。 - 流刑者 2016-12-28 22 19 34 掲示板とチャットが停止していたので、したらば掲示板をレンタルしました - こじま 2015-06-26 01 07 57 ルーントルーパー、なろうから撤退するんだって。 - 名無しさん 2015-03-13 22 00 54 久し振りに幾つかの作品...
  • 兵器等データ
    兵器等データ 第1危機即応連隊 中部方面総監直轄の独立多目的連隊で、2002年7月に発足した。 駐屯地は京都府舞鶴市にある。 在外邦人救出や原子力発電所警備、転地防衛・警備などが主な任務である。 本部管理中隊の下、ヘリや各種車両で迅速に行動する普通科(機械化歩兵)大隊と、機甲中隊や航空中隊などから成る混成機動大隊で構成されている。 隊員は全国各部隊からの志願者からの選抜で、総勢1040名である。 輸送艦 LSD-4005「たんご」 「おおすみ」型輸送艦をさらに発展させた強襲揚陸艦で、完全武装の陸上自衛隊員1000名以上を車両や装備ごと輸送できる。 2隻のLCAC(ホバークラフト揚陸艇)を搭載している他、多数のヘリを収容可能な格納庫と飛行甲板も備えている。 作戦指揮室を中心とした指揮通信設備を大幅に充実させており、有事の際には洋上司令部としての行動が可能。 ...
  • 興国のイージス0
    プロローグ  思えば、その船は数奇な運命を辿っていた。  生まれは呉の海軍工廠、あの戦艦『大和』と同じ出生地であり悪くない。建造された当時はワシントン・ロンドン条約の影響で、排水量一万トンクラスの軽巡洋艦サイズであった。  試験艦『飛鳥』。  砲も、魚雷も、艦橋もあったが、船首に菊の紋はない。軽巡洋艦サイズであって、軽巡洋艦ではない。定数外の試験艦という船種は、駆逐艦クラスと同じ扱いしか受けなかった。  試験艦というからには、その任務は試験である。任務は新型鋼鉄の使用や電気溶接など建造時から始まり、後の翔鶴級空母などに使われるバルパスバウや、最上級軽/重巡洋艦に予定されていた砲の換装試験、さらに島風級駆逐艦用の高温高圧ボイラーの予備実験、61センチ酸素魚雷の発射テストなど、各種試験に流用された飛鳥は、ドイツがポーランドへ侵攻し、世界情勢がにわかに殺気立ちはじ...
  • バルカン・スタビライズ8
    第8話  人間の行為を引き起こす主要なもの、しばしば唯一の動機は恐怖である。やみくもの、無分別な、時々まったく根拠の無い、しかし真実の、深い恐怖。  そう語る旧ユーゴ出身の作家がいた。ニナは脇腹を押さえながら、目の前に横たわるポロシャツ姿の男は、まさにその筆頭だなと思った。男は数秒前まで生きてマカロフ・ピストルを引きつった表情で撃った。弾は幸い防弾チョッキで防げたが、いかにライフル弾を食い止めるタイプの防弾チョッキでも、並の防弾チョッキなら貫通するほどの威力を持つマスロフ弾の衝撃を全てを吸収することは無かった。 「大丈夫ですか」と母親が尋ね、「ええ…」とだけ答えた。  スコーピオンを握る手の震えが止まらなかった。今まで何人もの敵対者を殺めておきながら、 いまさら殺人への罪悪感を感じる自分が怖かった。  堪らずもう一方の手で、その手を包む。  無神...
  • リンク
    サヴァの飛行場 当サイトでバルカン・スタビライズと独立観測航空隊を執筆しているサヴァのホームページ。 民間航空企業に所属するアブロ・ランカスターが活躍する小説「ランカスター出撃す」シリーズを連載中です。 戦国自衛隊・非公式サイト Duke弓道さんによる「戦国自衛隊」シリーズのファンサイト。 作品について解説やファンが集まる掲示板などがあります。 補充憲兵の営舎 SFファンタジーFPSゲームを製作中のMP2000さんのブログ。 制作の進行状況の発表や、その解説についてされています。 フランカー@アキモトの軍事基地(?) 自作小説・イラストを公開しているフランカー@アキモトさんのホームページ。 フランカーシリーズなどの戦闘機が活躍するSF小説「赤い瞳、白き翼 -ALICE-」を連載中です。 ロニキスの部屋 フリーゲーム・創作物全般のレビューを掲...
  • 鉄血竜戦記0
    序章 船出  深夜の闇の中に無数の光がきらめき、軍艦の起伏に富んだシルエットを幾多も浮かび上がらせている。  京都府舞鶴の海上自衛隊基地では、旗艦を務める輸送艦「たんご」を先頭に、試験艦「しゅり」、イージス護衛艦「くろひめ」、汎用護衛艦「かすみづき」、補給艦「さろま」から成る計5隻の艦隊が、夜を徹しての出航準備を行っていた。   「しゅり」艦長兼艦隊副司令の安達原康行一等海佐は桟橋の一角に立ち、乗組員が艦と桟橋とを往き来して物資の搬入作業をしているのを不快そうに見ていた。部下達の手際は、決して彼を苛立たせるほど悪いものではなかったし、自分が着ている白い半袖制服に目立つ汚れが付いたわけでもなかった。 (行きたくない)  これが安達原の本音であった。  21世紀に何の根拠もなくバラ色の未来を描いていた人間の夢は、その最初の年である2001年に早くも無残に打ち砕かれた。  宗...
  • 鉄血竜戦記4
    第4章 出動  「たんご」の会議室では、上級幹部の誰もが息を殺してテレビモニターのビデオ映像に見入っていた。  広大な密林、見知らぬ動物の影、そして巨大な飛行生物の大群。  彼らの常識では理解できない全ての事柄が、そこにあった。わずか5分間足らずの無編集無修正の映像だったが、すでに10回以上も繰り返し流されていた。 「もういいだろう。消してくれ」  梨林に言われ、安達原がリモコンを操作してテレビとビデオデッキのスイッチを切った。  将校達は緊張から解放されると、すぐに重苦しい沈黙に包まれた。誰一人として意見を述べようとする者はいなかった。 「これはもう、考えられるのはただ1つです」  手元のお冷やを飲み干してから立ち上がり、安達原は口を開いた。 「時空間転移、つまりタイムスリップです」 「タイムスリップ……」 「そ、そんなエ……SFのようなことが本当に起きるのか...
  • バルカン・スタビライズ7
    第7話  野戦指令所で補給を受けたOH-1は二機のナイト・コブラを従え、戦闘態勢を取った。 ナイト・コブラをある程度はなれた森の中の開けた場所に待機させると、 OH-1は森の木々の僅か上を疾駆した。2、3度確実に梢が機体の腹を擦る感覚が伝わった。 「機長、上げて上げて!、テストでも演習でもこんなに低く飛んだことはないですよ!」  ガンナーの高岩ニ尉がたまらず悲鳴を上げた。 「ガタガタ騒ぐな、気が散る! フルアームドで飛ぶのは久しぶりなんだ!」  機長の茂住三佐が怒鳴り返す。OH-1は19連装ロケット弾ポッド二個に、XATM-6多目的誘導弾4発、91式対空誘導弾2発のの重装備だった。もはやそれは観測ヘリではなく攻撃ヘリの部類にはいるものだった。 「騒ぐ暇があったら敵を探せ」 「ECM感あり! げ!?、シルカがいますよ」 「...
  • 興国のイージス1
    飛鳥就航編 1941年 9月初旬  東京駅で汽車を降りた成瀬健次郎は、しばらく立ち止まって迎えを待った。ふと、空を仰く。彼にとっては、久しぶりやって来たの祖国の地であり、新しい門出の日でもあった。 「社長、こちらでしたか」  人ごみの中からひょろりと背の高い男が、声を掛けて来た。まだ残暑が残るためか、背広を脱いで肩に掛けている。あまり“社長”を迎える格好ではないが、成瀬はたいして気にした様子をみせなず「おう!」と片手を上げて応じた。 「馬場君か、久しぶりだな。フランクフルター・ツァイトゥングから連絡を受けたときは驚いたぞ」 「間に合いましたか。バルバロッサが始まった時は心配しました」 「シベリア鉄道の最後の客さ。君のくれた旅券が役に立ったよ」  互いに握手をかわし、駅の出入り口へ向け成瀬と馬場は歩いた。 「X-ディは恐らく1...
  • 気晴らしに書いた小説部屋
    やあ (´・ω・`) ようこそ、とんでも戦国ハウスへ。 この清酒はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。 うん、「また」なんだ。済まない。 仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。 でも、このページを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない 「期待感」みたいなものを感じてくれたと思う。 殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい そう思って、このページを作ったんだ。 じゃあ、注文を聞こうか。 注意:まず最初に一言。     個人的にかなり手抜きだし、チートしまくり予定なので色々勘弁。 気晴らしに書いた現実から戦国 第一話 気晴らしに書いた現実から戦国 第二話 気晴らしに書いた現実から戦国 第三話 気晴らしに書いた現実から戦国 第四話 気晴らしに書いた現実から戦国 第五話 気晴らしに書い...
  • プロローグ
    プロローグ  思えば、その船は数奇な運命を辿っていた。  生まれは呉の海軍工廠、あの戦艦『大和』と同じ出生地であり悪くない。建造された当時はワシントン・ロンドン条約の影響で、排水量一万トンクラスの軽巡洋艦サイズであった。  試験艦『飛鳥』。  砲も、魚雷も、艦橋もあったが、船首に菊の紋はない。軽巡洋艦サイズであって、軽巡洋艦ではない。定数外の試験艦という船種は、駆逐艦クラスと同じ扱いしか受けなかった。  試験艦というからには、その任務は試験である。任務は新型鋼鉄の使用や電気溶接など建造時から始まり、後の翔鶴級空母などに使われるバルパスバウや、最上級軽/重巡洋艦に予定されていた砲の換装試験、さらに島風級駆逐艦用の高温高圧ボイラーの予備実験、61センチ酸素魚雷の発射テストなど、各種試験に流用された飛鳥は、ドイツがポーランドへ侵攻し、世界情勢がにわかに殺気立ちはじめ...
  • 興国のイージス5
    帝都防空1942・前編 「・・・正面上、黒点一つ」  副機長の声で、佐上宗太中尉は顔を上げた。 「いや、二つだ」  佐上中尉もそれを見とめる。 遥か遠方に見える黒点は二つに増えていた。 「例の補給船のかな?」 「ここまで来て送り狼はごめんです」 「一応防空態勢にしよう。銃座は配置に付いてくれ、通信何か言ってきてないか?」 「今来ました。マ・イ・ド・ド・ウ・モ」 「マイドドウモ?」  副長が訝しげな声で言った。たしかに無電では聞き慣れない言葉だ。 「まいどどうも、ね。彼ららしい言い方だ」  黒点に見えていた機影は、徐々にその姿を成していき一度佐上たちの左右をパスすると反転して両隣に付いた。それは機首の尖がった日本海軍では見慣れない機体だった。日の丸も付いてはいない。それどころか国籍を示すマーク...
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  • 興国のイージス4
    激闘! マレー沖海戦  12月7日  この日、今だかつて無い航空攻撃が行われた。言わずと知れたハワイ作戦である。日本の空母戦力を結集し、作戦参加機は第一波第二波あわせて360機にのぼる攻撃により、アメリカ軍は戦艦アリゾナ撃沈以下17隻の艦艇に損害、航空機231機を損失し、4000人近い戦死者を出した。  日本側も攻撃により、29機の作戦機を失い、特殊潜航艇に至っては全艇未帰還という結果をもたらしていた。 「日本の布告通牒が遅れたようです」  飛鳥のヤクト・ヒュッテで、馬場が言った。  いつも余裕を持った表情ではない。めずらしく少し憂鬱そうな顔だった。 「まずいかなぁ」  と成瀬社長も溜息をつく。 「良くはないでしょう。まぁ、宣戦布告は戦争の常識なんていうのは一部の偏見でしかありませんが、これでアメリカ世論を敵に回した事は確かです。彼らは...
  • 独立観測航空隊外伝0
    前編  有川祐二とデネブ・ローブの乗るTa152E改は、大陸での偵察任務を終えて飛鳥島への帰途に就いていた。機体の調子は快調そのものであった。  飛行場への着陸コースに入るべく雲の下へ降下した時、彼らの視界に1機の飛行機が飛び込んできた。  空軍のB-25ミッチェル双発爆撃機だった。魔導師か空の魔獣による攻撃を受けたらしく、機体に空いた穴からは火炎と黒煙が噴き出していた。コクピットや銃座には、深手を負ったり死んだりした搭乗員の姿が確認できた。飛んでいるのが不思議なほどのダメージであった。  Ta152に気付いた血まみれのパイロットが、通信機のインカムに向かって何かをわめき散らしていた。助けを求めているのか罵っているのかは判らなかったが、その声を有川らに届けるはずのアンテナは根元からもぎ取られていた。パラシュートで脱出しようにも、ハッチや天蓋のフレームが歪んでいて不可能のようで...
  • 独立観測航空隊3-1
    外伝Ⅲ 加速する羽根 前編  精密な機械を駆使することは、きみをけっして乾燥無味な技術者にはしなかった。現代技術のあまりにも急速な進歩に恐れをいだく人々は、目的と手段を混同しているようにぼくには思われる。  単に物質上の財宝をのみ希求している者は、何一つ生活に価するものをつかみえないのは事実だが、機械はそれ自身がけっして目的ではない。飛行機も目的ではなく一個の道具なのだ。  鋤のように、一個の道具なのだ。 『飛行機』(サン・テグジュぺリ) 「レシプロなんか必要ないんだ」  バー『ギムレット』の一番奥のボックス席で一人、ワイルドターキーを飲んでいた有川に、男はそう告げた。今夜のギムレットは、そこそこ客の入りがあったが、暗く厭世的な空気を醸す有川の周りにはいつも空いている。  「そうだろ?」と男は続けた。 「君はパイロットだな?」 ...
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    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 「Wiki」創設者のPC 競売に - auone.jp ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) アイプラ攻略Wiki|アイドリープライド - AppMedia(アップメディア) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキン...
  • バルカン・スタビライズ9
    第9話 キャタピラの音がいよいよ近付いてくると、機動化学科中隊施設科小隊の小坂小隊長はMAGIC(迫撃砲兼擲弾投射即応砲)チームと01式軽対戦車誘導弾チームに攻撃用意の指示を出した。 「十両のデルタ隊形でくるそうだ」 「デルタか、待ち伏せや突発的な戦闘に対応出来る、米軍がベトナムでも使っていた方法だ」  空挺の古川小隊長は斥候を出し、敵戦力の把握に徹していた。戦闘は砲弾が飛び交うだけではない、情報による戦闘もある。いかに味方の情報を漏らさず、敵の情報を集めるか、それらは戦局を左右する大きな要因だった。とくに今彼らが行おうとしている伏撃は、いかに多くの情報を集めたかによって成功確率が変化する。こまめに敵の戦力、行動、変化を把握し、それに合わせて味方の配置し、手順とタイミングを決める。 「戦車の後に装甲車が続いてくる、随伴歩兵もいる。奇襲をかける...
  • バルカン・スタビライズ6
    第6話 土岐は相手のナイフが首に掛る寸前、肘打ち食らわして避けた。首からヒンヤリとした鮮血が垂れるのがわかる。気管や頚動脈まで達していなかったのが幸いだった。  振り返ろうとする間に、またしても敵が突っ込んできた。 今度はナイフを腰で構え文字通り突っ込んでくる。一瞬早く土岐が脇にかわした。そのまま相手の右腕を掴み、ナイフを叩き落とそうとする。 相手の力が意外に強くてナイフは握られたままだった。顎に一撃食らわせ、相手が怯んだ隙にこちらもバヨネットを掴み態勢を立て直す。  2、3度鍔迫り合いをした。相手のナイフはこっちのバヨネットと似たり寄ったりの長さだった。煙幕で相手の顔が見えなかったが、ニヤニヤ笑っている気がした。 突き出されたナイフをバヨネットの柄でかわし、そのまま反撃に出る。相手もそれを予想していたらしく、あっさりかわされた。  土岐は劣勢だと感じた。なにしろ自分が築...
  • 興国のイージス2
    マレー上陸作戦・前編 「陸軍としては、南方進出の先遣としてマレー半島のシンゴラ、パタニ、タペーほか、英国領コタバルへの上陸を敢行したい」  サイゴン南遣艦隊司令部で開かれた会談で陸軍第25軍山下奉文中将の主張は、海軍南遣艦隊司令官、小沢治三郎中将の眉を顰めた。 「コタバル沿岸には、機雷が施設されている可能性があり、また飛行場からの航空機の出撃などを考えますと海軍はコタバル上陸には反対です」 「今後の南方進出のためには、コタバルの確保は必須です!」 「しかし、機雷が施設されていた場合、我々に多大な損害を出す可能性があり、海軍は上陸作戦に反対です」  両軍の間に確執があるにせよ海軍も無碍に陸軍の要請を断わっているわけではない。海軍の懸念は、シンガポールに停泊する戦艦プリンス・オブ・ウェールズを旗艦とした英国東方艦隊にあった。戦艦2、軽巡3、駆逐...
  • バルカン・スタビライズ1
    第1話   世界で唯一ロータリーエンジンを搭載するマツダのRX-7は首都高が荒川を渡る頃、浦安のテーマパーク帰りの集団に巻き込まれていた。  運転席の男は腕時計で、時間を確認するとカーナビの画面を位置情報から民放に切り替えた。  六時台のトップニュースはすべて同じ、久しぶりのバルカン発のニュースは3週間経った今でもセンセーショナルに報じられていた。 「まぁ、国際貢献ってとこですかね。常任理事国への道も近づくし」  ハンドルを握る川島一尉は助手席の上司に問い掛ける。 「じゃあ、何で歩兵はおろか戦車まで持ち出しているドイツが、常任理事国になれないんだ」 「知りませんよ。そんなこと」 「結局、これがシリビアンコントロールなのさ、軍がよくても政府が馬鹿なら意味が無い」  萩原三佐の答えは辛辣だった。脊髄反射のような即断即決がモットーの三佐は、この手のわずらわしい話しが嫌いだった。  結局、渋滞を向...
  • 新たなる帝國2
    第二幕 氷室 「……なんだと?」 『ですから、我々は異世界に飛ばされてしまったと言ってるんです。いやー、科学者として、このような体験をするとは非常に幸運で貴重ですよ』  暢気な口調で言う氷室に呆れ果ててしまい、何も言えなくなる。  こいつは性格がかなり破綻しているが、嘘を言うような男ではない。  信じたくは無いが、今聞かされた現実離れしたことは真実だろう。 (だが……)  となると事態は確実に深刻なはず。なのに、何故ここまで楽天的でいられるのか不思議でならない。  いや、待て。こいつは、殆どただ知識欲の赴くままに生きているだけだ。今回のことも興味深い出来事が起こったために、その事への探究心で頭が一杯なのだ。  故に暗くなったり、悲観的になるような暇など皆無なのだ。そうに決まっている。 『で、閣下はどうするんです? こっちは適当にもう動...
  • バルカン・スタビライズ13
    第13話  全てが黎明に照らされる朝、川島は全てのものが遠くに感じた。まるで脳みそだけ先に帰国したような気分だった。目を擦るためだった腕が、顎にあたってしまう。頭痛はないのだが、身体が感覚が薄く意識レベルと判断力ががた落ちになっているのが直にわかる。  こりゃ、午前中の仕事は、第二小隊の小沢に指揮を代わってもらわないとな・・・  中隊のつめるプレハブのドアを開くと、中にいた各小隊長達がこちらを向いた。 「酷い匂いですよ。川島一尉」 「ああ、わかってる。デスクを確認したら、ひとッ風呂いってくる」  自分の席に座り、昨夜のうちに提出された報告書などの書類に目を通す。 「補給はまだダメか? いいかげん捕獲武器の講習を考えなきゃな・・・」 「なに言ってるんですか」  対面する席の小沢ニ尉が顔を上げた。 「捕獲武器だけじゃありません、今日のうち...
  • ランカスター出撃す
    ランカスター出撃す1-1 {  レトロチックな四発プロペラ機が雲海の下を抜け、眼下に見なれた岐阜市街の街並みが見えてくると操縦幹を握る機長の七宗泰造はほっと胸をなで下ろした。今日も無事に帰ることが出来た。 「鷲尾そろそろ、タワーに繋いでくれ」 「了解」  コクピットの背後、一段下(というよりコクピットの部分が盛り上がっている)の航法無線室で無線士兼副操縦士の鷲尾亮は無線のチャンネルを捻り、岐阜飛行場の管制に繋いだ。 「こちら617便。ギフ・タワー応答せよ」 「ギフ・タワー。お帰り617。うちの機が出てきているが気にしないでくれ。風は西から2ノット」 「617便了解、急いで降下する。チャンネルはこのまま」  鷲尾が、無線と繋がったヘッドセットを傾けた。 「だそうだ、七宗。さっさと、降りろとよ」 ...
  • ランカスター出撃す1-1
    ランカスター出撃す1-1 {  レトロチックな四発プロペラ機が雲海の下を抜け、眼下に見なれた岐阜市街の街並みが見えてくると操縦幹を握る機長の七宗泰造はほっと胸をなで下ろした。今日も無事に帰ることが出来た。 「鷲尾そろそろ、タワーに繋いでくれ」 「了解」  コクピットの背後、一段下(というよりコクピットの部分が盛り上がっている)の航法無線室で無線士兼副操縦士の鷲尾亮は無線のチャンネルを捻り、岐阜飛行場の管制に繋いだ。 「こちら617便。ギフ・タワー応答せよ」 「ギフ・タワー。お帰り617。うちの機が出てきているが気にしないでくれ。風は西から2ノット」 「617便了解、急いで降下する。チャンネルはこのまま」  鷲尾が、無線と繋がったヘッドセットを傾けた。 「だそうだ、七宗。さっさと、降りろとよ」 ...
  • 新たなる帝國30
    第三十幕 鮮血のクリスマスイヴ  帝國暦二一年一二月二四日  インビンシブル大帝國  帝都ノーブルラント郊外 第三処刑場 「狙えー……筒ッ! 撃てぇ!!」  バン、バンと乾いた音が響き、目標となった柱に縛り付けられた人々が次々と項垂れる様にして前のめりに崩れていく。  その身体は穴が数多く開き、そこから血をダラダラと流し、地面に血の池を作っている。 「担当のものはあれの処分の後、次のものを配置せよッ!」  一時間ほど前からこのような光景がずっと続いていた。  帝國には全部で九八もの処刑場がある。そのうちの一つがこの場所で、今日この日はここ以外の九七箇所の処刑場でも同じように銃殺やギロチンによる斬首が行われている。  殺されているのは勿論、数ヶ月前に併合した地域の貴族や富豪の特権階級者である。しかし、これが中々に数が多い。  実のとこ...
  • 新たなる帝國33
    第三十三幕 禁断の同盟  大デルフリード帝国は本来ならば正当なるレイジェンス大陸の覇者たる国家である。  しかし、帝位継承の折に当時の宰相ガルフ=ヴァン=ダルフォードが突如謀反、そこから全ての歯車が狂っていった。  傘下にあった諸侯は次々と独立し、大陸に覇を唱えんとして戦乱の世がやってきたのだ。  当時まだ十四の少年でしかなかった崩御した皇帝の嫡男であるダリス=ジュス=デルフリードはそれを止める事などできず、諸侯の台頭を許す事となった。  それからというもの初代皇帝の出生地であり、歴代皇帝の直轄地である大陸南部に一旦退くと同時にその地域で最も大きい港湾都市であるランズベルクに遷都し、ただ只管に耐え忍ぶだけだった。力が十二分に蓄えられるのを、自分に好機が巡ってくるのをじっと待ったのだ。  それによって大陸中央部の領土を失い、ガルフに殆どの古参の臣下が寝返ったものの幸いにも致...
  • 飛鳥 就航ス
    飛鳥 就航ス 1941年 9月初旬  東京駅で汽車を降りた成瀬健次郎は、しばらく立ち止まって迎えを待った。ふと、空を仰く。彼にとっては、久しぶりやって来たの祖国の地であり、新しい門出の日でもあった。 「社長、こちらでしたか」  人ごみの中からひょろりと背の高い男が、声を掛けて来た。まだ残暑が残るためか、背広を脱いで肩に掛けている。あまり“社長”を迎える格好ではないが、成瀬はたいして気にした様子をみせなず「おう!」と片手を上げて応じた。 「馬場君か、久しぶりだな。フランクフルター・ツァイトゥングから連絡を受けたときは驚いたぞ」 「間に合いましたか。バルバロッサが始まった時は心配しました」 「シベリア鉄道の最後の客さ。君のくれた旅券が役に立ったよ」  互いに握手をかわし、駅の出入り口へ向け成瀬と馬場は歩いた。 「X-ディは恐ら...
  • 興国のイージス3
    マレー上陸作戦・後編  マレー作戦の先陣を切るべくコタバル上陸を敢行する陸軍代25軍第18師団第23旅団佗美支隊の指揮官は佗美浩少将だったが、訓示の現れたのは陸軍参謀本部から出向してきたという辻という参謀だった。 「諸君」  演台にあがった辻参謀は、そう語り掛けるように喋り出す。 「私は戦争が好きだ」  彼は、まるで料理のメニューを口にする様に実に自然に言った。 「諸君、私は戦争が好きだ」  彼はもう一度、言った。 「諸君 私は戦争が大好きだ・・・」  三隻の揚陸用貨物船のうち、最も大型である淡路山丸の甲板上が静かに沸き上がる高揚感に包まれ始める。このあたりの盛り上げ方は辻・マジックだろうか。 「殲滅戦が好きだ。電撃戦が好きだ。打撃戦が好きだ。防衛戦が好きだ。包囲戦が好きだ。突破戦が好きだ。退却戦が好きだ。掃...
  • 新たなる帝國17
    第十七幕 掃討状況  真っ暗闇の中、城壁から一定の距離をとりつつ、取り囲むようにして兵を配置して攻囲戦の真っ最中のある国の軍勢。  この軍勢こそ既に事実上滅びたザーブゼネ王国百万の残党の一部。その数およそ八万五千。  しかし、その大軍も本国から送られてくるはずの物資が一月前に急に途絶え、手元にあった物資も殆どを貪り尽くしてしまい、兵の士気も低下の一途を辿っていた。 「一体どういうことだ! 食料も何も全く届かんではないかッ!」  荒々しく鼻息を立てながら天幕の中で喚き散らす髭面の男。  歳は外見だけで判断するなら、もう四十過ぎだろうか。若々しい英気は最早そこには感じられないが、代わりに熟練した勇猛な指揮官というイメージを見るものに与える。 「落ち着いてくだされ、サイゼル公爵閣下」 「そうです。焦っても仕方ありますまい。そのうち届くようになりますで...
  • 新たなる帝國23
    第二十三幕 侵攻開始 『ザー…ザザッ……に移動中の敵を確認。重装騎兵、軽装騎兵など多数。歩兵は若干名を確認。第三戦車中隊は至急急行の後、これを殲滅されたし』 『了解。第三中隊全軍突撃!』  無線からの報告を受けると、キュラキュラと履帯の音を鳴らしながら、指示された現場に急行する。  既に辺りでは砲撃音が五月蝿く鳴り響いてもいるため、履帯の音や戦車のエンジン音はあまり気にならない。ただ、森の中を進むのは戦車では辛いところだ。まぁ、そんなに深くはないのでなんとかなるが。  周囲を警戒しつつ、そのまま先を進んでいくと報告どおりに敵を発見する。  ――その瞬間ニヤリと笑う。  敵もこちらに気が付いたらしく、慌てた様子で馬の向きを変えようとしたり、歩兵は剣を構えたりする。だが、もう遅い。  哀れな彼等に容赦なく機銃を掃射し、その身体をズタズタに引き裂く。...
  • 鋼鉄の戦神4
    第4話  日本国家保安省管轄 三沢人民空軍基地姉沼通信所  姉沼と小川原湖に挟まれた一帯に設置されているこの基地は、CIAから "Security Hill" と呼ばれており、米国の軍事衛星の追跡、軍事衛星通信の傍受などを行っている。  これは、アメリカを盟主とした西側アングロ・サクソン諸国の世界的通信傍受ネットワーク“エシュロン”に対抗するため、旧ソ連時代にGRUが、そして現在は情報保全の責任を有する機関ФАПСИ(FAPSI 連邦政府通信情報局)が引き継いだ“敵データ統合記録システム(SOUD)”と呼ばれる同種の傍受網に、日本が参加した際に作られたものである。  その後、このシステムは冷戦崩壊後は“エシュロン”への対抗策として、また国家保安省が昨今発達してきたインターネットへの監視のために新部署を設置したことで、さらに重要度を増していた。 ...
  • バルカン・スタビライズ11
    第11話  ゲリラ部隊の追撃を振り切った高鷲は、民家の屋根裏部屋に潜みながら奪った無線機からの声に耳を傾けていた。スラブ系の言語なのでまったくなにを言っているのか、落ちついて聞けばわからないでもなかったが、7割は意味がわからなかった。  何か警告している感じだった。しかし、具体的な固有名詞が出てこないので、何を警告しているのかわからない、本当は自分の無線を通じて本部の翻訳家に通訳してもらいたいところだが、長時間無線の回線を開く事は、電波で自分の位置を露見する危険がある。  ともかく本隊と合流しなくてはと、腰を上げようとすると無線から耳を離そうとした。 「アスタロージナ・・・、グヴォジーカ・・・ジヴェーイ」  高レベルの暗号回線のため聞き取りにくいが、辛うじて意味のわかる単語が漏れる。  滝の様に血の気が引いて高鷲の顔が青ざめた。 「グヴォジー...
  • バルカン・スタビライズ10
    第10話  航空自衛隊は第203飛行隊のF-15J要撃戦闘機を中心に、輸送機やその他の連絡機を含め40機ほどが、イタリア空軍からペスカラ空軍基地の一部を借りて駐機されていた。  航空開発部に所属する安原高志二佐は航空自衛隊が使用しているハンガーからエプロンを見渡していた。アドリア海の風が吹くエプロンには実に様々に作戦用航空機が並んでいる。まったく壮観な光景だなと思った。何しろ、この空軍基地にいるのは自衛隊だけではない、ヨーロッパの部隊も入っている。  セルビアスポンサーに対応する最前線基地となったため、各国の飛行隊がペスカラ基地へ集まりイタリア軍はこの基地に急遽滑走路を増やしエプロンの拡張工事を行った。哨戒飛行にでるイギリス軍のトーネードF.3戦闘機が二機編隊を組んで暗闇の中を離陸していくのが見える。残念ながら噂のユーロ・ファイター・タイフーン戦闘機は、まだどの国も派遣してい...
  • 新たなる帝國25
    第二十五幕 早期終結  辺りに立ち込める黒煙と硝煙の香り。  それがこの場を生者と死者のみの存在しか許さない戦場であるという事を否応無しに実感させる。  榴弾の雨により焼け野原のようになっている大地を全力で疾走する戦車群にそれに追随する兵員輸送車両。  例によって、戦車には跨乗歩兵がべったりと張り付いている。  空を見上げれば、獰猛な鋼鉄の悪魔たちがその爪と牙をいつでも敵に喰い込ませられる様に悠々と翼を広げて飛んでいる。  それらをじっと見詰めるのは物言わぬ屍となった地べたに這い蹲る敵だけだった。  最早、ベルンネストは落ちた。  ベルンネスト王国 王都ロバールブルグ近郊  第一機甲軍団 第一機甲師団  一式指揮車両内部 「全ては終わり、後に残るは虚しさだけ、か」 「それがこの世界の軍事制度の脆さを如実に表しているのです...
  • ランカスター出撃す1-3
    ランカスター出撃す1-3  暗礁回廊でミラージュⅢ戦闘機と遭遇したランカスターは、数度の威嚇を受けながら機首方位を少し変えただけで、そのまま飛行を続けていた。 「また来ますよ!」  木下が何度目かの叫び声を上げ、ミラージュⅢがまた頭上のすぐ上を高速で通過する。そのたびにランカスターは分解するかのような衝撃に晒された。 「まったく、スクランブルで上がった時にアウノウンと誤認された連中の気分がわかったよ。すこしは手加減してやればよかった」  上部銃座に座る佐倉は両手を頭の後ろで組んだ。 「ねぇ、機長。もしかしてわざと相手の神経を逆立てようとしてません?」 「ん、さぁ…」  柳瀬の問いに七宗は生返事で答えた。爆音はすぐに静かになる。ミラージュは再びループしながら、背後に付こうといてきた。 「柳瀬、マップと位置データを...
  • 独立観測航空隊3-2
    外伝Ⅲ 加速する羽根 後編  南部戦区。  この忌々しい丘も今日で見納めだと、第553戦車連隊の戦車兵はほくそえんだ。  彼の属する帝國陸軍第13軍団第112装甲師団は、ここ2週間補給線を整えるためこの丘を越える事が出来なかったのだ。それが帝國軍兵士達のフラストレーションを酷く溜めていた。それには理由がある。丘の向こうには、敵軍の防衛線があった。それは実質的な最終防衛ラインと言ってもよい。ここを越えればこの戦争は終わる、帝國の勝利という最高のカタチで。  あと一歩で・・・、という焦燥があった。  しかし、二週間待った代わりに、今回の戦闘では空軍にも増援が送られ、強力な地上支援が受けられる。さらに上空からの広域の地上敵を監視する大型偵察機も実戦で始めて使われるらしい。  ハッチから身を乗り出し、後方を見遣る。陸続と続く戦車の群れ、100両以上の戦車とその倍に匹敵するその他...
  • 鉄血竜戦記3
    第3章 探索  10月1日の朝が来た。派遣艦隊は、洋上に停止していた。  8時から旗艦「たんご」の会議室で、梨林司令が召集した会議が始まった。各艦の艦長や艦隊幕僚のみならず、陸自第1危機即応連隊の幹部や空自航空業務支援小隊の指揮官らも出席していた。  各艦にはテレビ電話会議システムが備わっているが、このような状況では主要幹部全員が直接話し合った方がいいと、梨林が判断したのである。 「それでは副司令、頼む」 「はっ」  梨林に呼ばれて安達原一佐が立ち上がった。 「諸官らも御存知の通り、昨日1415時に始まった通信不能とレーダー失探は、現在も終息の兆しを見せていない。さらに夜間には、星座の類が全て識別できないことが判明した。日中の天測も、太陽の位置が本来とかなり違っており、ほとんど頼りにならぬ状況である。ジャイロコンパスに至っては、もはや気休めにしか使えなくなっている。そし...
  • ランカスター出撃す1-2
    ランカスター出撃す1-2  高度3000メートルで水平飛行に移ったランカスターは、いったん進路を南へ取り中部国際空港、通称セントリアの管制空域へ連絡をいれた。 「セントリア・タワー、こちら『Wind Carrier』617便。聞こえますか?」 「こちらセントリア・タワー。感度良好です」 「九州方面の天候はどうですか?」 「提出されたフライトプランなら問題ありません。ただ、航路中四国沖での緊急時の着陸先が高知空港となっていますが、天候悪化でクローズ(閉鎖)する可能性が高いのでお気を付けて」 「了解」  七宗は無線を一旦切ると「まずいなぁ」と漏らした。高知空港が閉鎖されるということは、それより北の空港も駄目になるだろうから、ランカスターがダイバードできる空港はかなり限定される。 「行くしかないだろ。コイツが現役だった頃と同じ...
  • バルカン・スタビライズ12
    第12話 「モスクワ放送が取られたか・・・」  耳に入れていたラジオのイヤホンを外しながらチッと舌打ちをした。噂によれば、民間のエコー・モスクワがまだ公正な放送をしているらしい。人波をかき分けてロシア共和国庁舎へ向う。そこが、この騒動の爆心地だ。  別にゴルバチョフやエリツィンのインタビューをするつもりはない。どうだい、フリーには無理なことだった。新聞を飾れるような映りの良い写真と、気を引きそうなタイトルになる記事のネタがあればいい。  路上にバリゲードが張られている。バリゲードの向こうには、クーデター政府が構成した国家非常事態委員会が差し向けた戦車隊がいた。まったく・・・、とんでもない騒ぎになったものだ。  しばらく、エンジンを暖気する音が聞こえた気がした。 「まずいわね」  後ずさりしようとした瞬間、ドーン!ととんでもない音が響き渡った。空気の波動...
  • バルカン・スタビライズ0
    プロローグ  ロシア陸軍ヴラチーミル・イワノビッチ・ゾーロトフ中尉は七人の部下を連れ、サラエボ郊外の空港のエプロンで自分達のお客を乗せた便を待っていた。予定時刻より1時間ばかり過ぎていた。  バルカン半島が再び戦渦に飲み込まれ、昨日まで最前線にいたヴラチーミルにとっては、ささやかな休暇だった。  まわりには自分達と同じ客を待つ各国のSFOR(平和安定化部隊)の部隊があたりをうろついていた。 自国からの来客者はその国の部隊が受け持つ、最近出来たこの地でのルールだった。という事は、自分達はロシア人の来客を待っているということだ。 いまこんなところにくる観光客はいない、くるのは厄介なジャーナリストばかりだ。 資本主義化したとはいえ、こんなところに特派員を派遣する通信社が出来ていることは正直驚きだった。  エプロンの一部から声が上り、 首を回してそちらを見ると旅客機...
  • 鋼鉄の戦神5
     第七豊橋丸  200X年1月18日 03:28  第七豊橋丸は東シナ海を全速力で北上する。  速度計は34ノットを示し、エンジンはフル回転していた。 「敵機、さらに加速! 糞、レーダーが……。大尉! レーダーがへそを曲げちまいました!!」  操舵室上部にある戦闘指揮所にいる大尉へ、レーダー担当の曹長が叫ぶ。 「なんてこった、こんなときに!」  この船に配備されたレーダーが、へそ曲がりの気分屋であったことが災いした。  こんな大事なときにまでへそを曲げるなんて!  通信士はすでにブースト圧縮した暗号を本土へ送っていたが……。 「修理を……、いや、まて。もうそろそろ目視で見えるはずだ。よく見張らせろ!」  完全な吹曝しの戦闘指揮所から自身も双眼鏡を使い、暗闇の中からなんとか敵機を見つけようとする。  彼らを覆い隠そうとしていた霧はもう晴れ始めていた。  だが、相手がヘリなら...
  • バルカン・スタビライズ4
    第4話  機動化学科中隊の指揮官、馬瀬ニ佐はバルカン展開部隊の後援スタッフが詰める市ヶ谷の防衛庁ビルの作戦部を出て、玄関ホールで岐阜基地から出向した一等空佐を出迎えた。 「わざわざすみません。蘇原一佐ですね」 「あいさつはいい。本題にはいろう」 「ここではなんですから、食堂へ」  食堂には数人の従業員がいるだけで閑古鳥が鳴いていた。馬瀬と蘇原は奥のテーブル席へ座った。 「目的はアサルト・ドラゴンか」  蘇原一佐はやれやれとした顔だった。 「アドリア海にはもう入ってますね」 「赤城にな。あれはただの武装ヘリじゃない。岐阜基地謹製の虎の子だ」 「ニュートライズ・ヘリは今後の作戦を遂行するのに必要です」  馬瀬はニュートライズ・ヘリという奇妙な言葉を使った。それは航空開発部の新型回転翼機のカテゴリーを表すもっとも簡潔な言葉だった。 ...
  • バルカン・スタビライズ3
    第3話 自衛隊のバルカン展開を支援する六本木の作戦部は、おおよそ一般人が想像するようなものとは違った。映画館のように正面に大きなスクリーンがあり、大学の講義室のように階段状に配置された机に端末が置いてありオペレーター達がひっきりなしに連絡を取り合っているといったモダンなものとは皆無だった。  その部屋には北はハンガリー、東はブルガリア、西はスロベニア、南はアドリア海と今回戦場となったクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア・モンテネグロとの国境地帯までが収まった20メートル四方の巨大なジオラマがあり、それを囲むように数台の端末が並べてあるというお粗末なものだった。 「現在、自衛隊バルカン分遣隊が展開しているのはおもに3箇所、主力部隊である第七師団等から編成されたトゥズラ連隊、もう1箇所は分遣隊司令部が置かれるザダルに第二師団と空挺本隊から編成されたザダル連隊、ザダル...
  • 新たなる帝國24
    第二十四幕 絶対無敵の帝國軍  ベルンネスト王国  王都ロバールブルグ 「ええいッ! 一体どうなっておるのだ?!」  ドンッ、と玉座に座っている白髪の老人が苛立ちを抑えきれぬと言わんばかりに手摺を叩く。  この老人こそがベルンネスト王国の現在の国王、君主だ。そして、現状では彼が苛立つのも無理は無かった。  既に敵国、インビンシブル大帝國の軍勢が国内の奥深くまで入り込み、盛大に暴れているのだ。  地方の領主たちがそれぞれ自慢の手勢で対抗するもあまりにも兵力が少なく、しかもバラバラに戦うものだから戦力の逐次投入になっている有様だった。 「は、はっ、もうしばらくお待ちを……直に連絡があるはずでございます故……」 「もうよい! そんなものどうせ何の役にも立たぬであろうがッ!」  ギリギリと歯軋りをさせ、憤怒の表情でその怒りをぶちまけ続ける。 ...
  • 鉄血竜戦記1
    第1章 航海にて  出航から約12時間が経った午後3時、派遣艦隊は朝鮮半島と目と鼻の先の対馬海峡を通過しようとしていた。だが、九州方面を北上中の熱帯低気圧が、海をひどく荒れさせていた。  艦首を激しくバウンドさせ、ローリングとピッチングを繰り返しながら、押し寄せる荒波と吹きすさぶ烈風を切り裂くように艦隊は進んだ。 「それにしてもひどい時化だなあ」  輸送艦「たんご」の艦橋で、梨林海将補が双眼鏡で外を見ながら言った。  彼が座っている司令席の前の窓にも、まるで機銃弾のように雨粒が降り注いでいる。忙しく動いているワイパーも、遺憾ながら役立っているとは言えなかった。  彼の横では、凶暴なウミガメのマークが描かれた識別帽に作業服姿の岩田艦長が、顔面蒼白になりながら必死で船酔いに堪えていた。 「大丈夫かね? 無理せずに座った方がいい」  梨林は自分の席と反対側に位置する艦長席を...
  • 戦国第三話
    更に数ヶ月の月日が経った。 文字はもう完全に覚えた。練習のための紙と墨の代金が高額だったり、たまに文法で間違えるところはあったりするが問題はない。 おかげで最近は、織田家で事務方の仕事もやらせてもらえるようになった。 それまではたまに信長様に面会して、世界の歴史や産物、地理、そして俺が持っていた本について語らされるのが主な俺の仕事だった。 俺がここに飛ばされ、鞄ごと荷物が没収されて牢に閉じ込められていた時、信長様はその俺の鞄に入っていた書籍を読む機会があった。 読んだ本は、植物図鑑と化学や数学の教科書、簿記の参考書だったらしい。 ただ、植物図鑑は兎も角、化学や数学、簿記で使われているアラビア数字は流石に読めなかったため、書いてある内容が理解できなかったようだ。 但し、本に使われている素材や本にプリントされている写真に強い興味を抱き、ついでにそれらを持っていた俺にも...
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