邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ

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jyakiganmatome

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ジュルノ=ジュバァーナ・Ⅵ

  「もし――オレがァ 戦場で死んだならァ、
   オレの墓に 名前はいらねェ。
   ただ一人の男が生き……、
   戦い、死んでいったとォ、刻んで欲しいだけさァ」

 「父上。よく歌ってるけど、それ何なの?」

  「勇気の出るおまじないさ。
   傭兵部隊に行って、こいつを知らない者はいない」

 「オレも覚えたい!」

  「ジュルノはまだ早い。
   ライフルのひとつもキマる年頃になったら教えてやる」

 「つまんないの!
  じゃあ月岡教えてよ!」

  「親父が駄目ということを、オレがよしとは云えねえな。
   頑張って銃弾を運べ、伝令に駆け回れ。
   これは戦うより危険な仕事だ。
   ジュリオだって、きっとその度胸を認めてくれるさ」

 「そうかなあ……」

  「そうさ」


 今にも砲弾に潰されそうな浅い塹壕がこの談笑の舞台だった。
 ジュルノが戦場に飛び込んで、ちょうど3ヶ月経つ日の出来事。
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