桃源の白虎観内検索 / 「行雲流水の心」で検索した結果

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  • 行雲流水の心
    ... ここに,「行雲流水の心」の記事としては(本格的な)始めの導入部が置かれたことを期待したい.もっとも,戦闘機好きの一部のファンからは文句を言われそうだが. 4.ラピッドファイア 音楽を聞きながら,台所で洗い物をしようとした経験はないだろうか? 実際やってみると,大体は蛇口から出る水の音によって,聞こうと思っていた音楽がかき消され,腑に落ちない思いをしたことが多い.私もそうしようとして腑に落ちない思いをした一 人である.この原因は一体何によるものであろうか?私の考えの順番はこうである. 蛇口から出る水は運動エネルギーを持っている ↓ 水の運動エネルギーが空気を震わし,振動させる ↓ 空気の振動は「音波」というエネルギーに変換され空気中を伝わってゆく 問題はこの後だ.聞こうと思っていた音楽をかき消すほど,水の運動エネルギ...
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    ...関する情報 行雲流水の心 →流体力学について 始まりの雌狼 →ラテン語について RES GESTAE →「気象予報士」勉学記 竜の礎 →DDON冒険記 コメントフォーム →何か一言どうぞ リンク →様々な場所へのジャンプ台です HOME →トップへ戻ります
  • 更新履歴
    .../24 —更新:「行雲流水の心」を更新しました. ▼15/12/14 —更新:「リンク」に,管理人のブログ(主に内容は物理学関連)を追加しました. ▼15/12/13 —掲載:【ルカーン記】:【燃え盛る火の章】—2— ▼15/12/04 近日,【ルカーン記】および【fansmagoriA】真・再始動! —更新:窮キョウ幻想説,【ルカーン記】―「付録」 ▼15/10/28 ―掲載:快的夢幻談,【人流】―プロローグ四話 ▼15/09/23 近日,【ルカーン記】および【fansmagoriA】再始動! ▼15/05/29 ―「リンク」を更新しました. ▼15/05/05 ―編集:【ルカーン記】に「序説」として【たまには昔の話をしようか】を挿入しました. ▼15/05/04 ―掲載:【ルカーン記】:【燃え盛る...
  • 【オペラグラスの向こうから】EX:3
    3. 「誰なんだ?その『さすらいのギャンブラー』って」 手紙に書いてあった一文を見て,ロックはエドガーに訊いた.エドガーは, 「さぁな.俺にも分からない.ひとまずこのアウザーの屋敷に入って詳しく事情を聞くのが一番だろう」 と答えた.そういった経緯でアウザーの屋敷へ訪ねた私たちだったけれど,最近疲れ気味な私のことを思ってくれたのか,ロックから, 「情報収集は俺とエドガーに任せておいてくれ.その間,サロンに行って精神を落ち着かせるといい」 と言われ,私は彼の言う通りにした. サロンには,ロックが仕入れてきた情報通り,沢山の絵画があらゆる壁にかけてあった.その沢山の壁のなかに,ひときわ色鮮やかに描かれた,ある女性の人物画があった.他にもいっぱいの人物を描いた絵画があったけれど,私はふと目に止まった,ある女性の人物画の前にしばらく立ち止まらざるを得なくなったのだ.題名は「水を...
  • 【水の章】
    1.ロンカ王国水没 2.幻想復興 NEXT
  • 【いやしの水の章】
    NEXT
  • 【ルカーン記】
    §まえがき §目次    序説 …【たまには昔の話をしようか】    光の部…【恵みの大地の章】       …【燃え盛る火の章】       …【いやしの水の章】       …【ささやく風の章】    闇の部…【風の章】       …【火の章】       …【水の章】       …【土の章】    無の部…【吾輩は人間ではない.名前はもうある】       …【残された問題】       …【幻想異変】 §あとがき §付録 戻る
  • 【アナタの心を射ます】
    1.心癒すぶどうジュース お父さま. 私,今日とてもいい話を聞けました. 夢を持って,願いを叶えようとするファンタジールの人たちって,本当に素敵だと思います. 私も今ではファンタジールのひとですが・・・,私自身の「夢」がなんなのかは,まだ分からないんです. でも,今日聞けたお話では,それよりも大事なことを教わった気がします. … … … 此処はポルトポルト宮殿街,パエリオキッチンにて.流離の冒険者カイクスフスは,ぶどうジュースを飲んでいた.今飲んでいるので,三杯目だ.彼のライフは,狩人.誰を守る為でもなく,自らの誇りを示す為でもなく,ただひたすら己の気の向くままにモンスターを狩るだけ.更に彼は,人との距離をとるのが苦手だった.それは,過去に在った辛い出来事に由来しているのかもしれない.遠距離から対象を射るのを好むのも,きっとカイクスフスなりのこだわりがあるのだろ...
  • 【君のところへ行きたい】(後編)
    第八幕【ケイオスウェイブ】 ―イプセンの古城,壁画の間にて デッシュ 「これが4つの鏡,か・・・」 (デッシュ,大地の鏡,猛火の鏡,水面の鏡,突風の鏡をよく見て) デッシュ 「この4枚の鏡をそれぞれの祠に捧げるとテラへの道が開くっつーわけか.よっ,と」 (デッシュ,4枚の鏡を取る.すると,背後から何者かが襲ってくる) 「4枚の鏡を奪う者よ・・・我が剣雨に耐えてみせよ!」 デッシュ 「なんだなんだあ?さてはおめー,火のカオス,マリリスか!」 マリリス 「いかにも・・・」 デッシュ 「上等だぜ!その剣雨とやらぁ,見せてくれよ!」 (天井から,デッシュめがけて幾本の剣が降ってくる) 「危ない!」 デッシュ 「お前は?!」 「オイラはコスモキャニオンのナナキ.戦士セトの息子だ!」 ...
  • 【Under The Blue Moon】
    序章.ある者による独白 『彼は,唐突に声を失った. 原因は今のところ分からない. ただ,彼はひとつの強い意志を心に 抱いていた. その意志は,声にこそ出せなかった. しかしひとびとは彼の主張に畏怖した. 彼の弁論術,行動学は,とても力強く, そして,評価されなかった…. 気高き意志をもつ者は,環境によって 不当な扱いを受けることがある. 彼がその一例だった.当時の社会は, 動乱の時期にあり,混沌としていたのだ. 彼が生きた時代は,残念ながら対応は良くなく, 真実の意味すらも見出されなかった. ただただ時のもくずとなって人類の歴史に 刻みこまれることはなかったのである. 彼の功績が語り継がれるようになったのは, 数世紀程の時間を要したという. まるで,死後にノーベル賞を受けても 申し分のない,近代以前の科学者のように. 彼の名は,ラム・サルーインと...
  • 【ブルームーンの下で】
    序/1 最近の水橋流人は,川をじっくり観察することを毎日の楽しみの一つとしていた.流人がよく見る川は厳密に言うと川ではなく農業用水路であり,だからおおよそ綺麗とは言えないものだったが,それは彼にとって瑣末なことに過ぎなかった.流人は川そのものにではなく,川がつくる流れや波に興味があったのだ. 今自分が見ている水の流れや波は,一体どのようにして説明することができるのだろう.そんなことを流人は思った.また,こうも思った.今自分が見ている川の流れや波は,私がどのような心を持っていても,ありのままで在ってくれる.流人,そう在る水のことをなんて美しいのだろうと思った.彼はそれまで見つめていた川面の一点から一度目を離すと,皮ジャケットのポケットから双眼鏡を取り出した.カモが二羽,川の下流へ泳いで行くのを見たいと思ったのだ. 水橋流人は,元々自然を愛していた.物理学者として,また時には詩人として...
  • 【夢追い人へ】(8)
    VIII. 私の小話を最後まで聞いてくれて,どうもありがとう.どうだった?がっかりはしなかったわよね.少なくとも,後ろ向きになる話ではなかったと思う.この話を聞いて,あなたが前向きな気持ちになってくれたらなによりの幸いだわ.「夢」や「希望」を持てたのなら,もういうことはないくらい素晴らしいこと. え?結局彼はその後どうなったのかって?それは,私をこう喋らせている本人に聞いてみて.あるいは,彼がその本人かもしれないわね.私は,夢のなかでしかあなたがたに会えないけれど,夢はいつでも持っていて欲しいと願っているわ.そしてそれを実現させることを,心から祈っている.だから,私のように一度でも人生を諦めようと実行には移さないように…. あなたと出会えた素敵な夜のことを私は決して忘れないから. たとえ,私の名前を言ったとしても,あなたが夢を持っている限り,私は消えずにあなたの心に生...
  • 【天外理想郷】(9)
    BACK NEXT 120. 肉体と精神は,切っても切り離せないものなのだろうか.または,簡単に遊離できるものなのだろうか.いずれにせよ,今の「私」という意識の集合体は,血の海に倒れている誰か―それは既に「クスフス」ではない―と,その誰かに向かって声を上げているオルテガと,記憶士の少年―彼こそが「クスフス」なのだ―を俯瞰している.もしこの意識の集合体なるものに「心」と名付けるのなら・・・.アンセーヌ,君は私について来てくれるかい? 骨蛮竜に刺され,意識が遠退いて行った後のこと.私は,暗闇を知覚した.黒ではない.本当に色のない,真っ暗闇だ.そして身体が剥奪されたにも関わらずに,胸に当たる場所に痛みを知覚した.今までバケツの水のなかをフヨフヨと漂っていた雑巾が,きつく絞られるみたいに.私はそこで思った. 「ああ,アンセーヌが心から離れていったのだな」と. 悲しみは光...
  • 実技編
    人間の心には,運命も,将来のわかれも隠されている ―――アエネーイス第十歌501行 はじめに あなたが勝った ―――アエネーイス第十二歌934行 RES GESTAE(準備編)へ戻る
  • 少年時代に帰ろう
    ▼ドラゴンクエスト ダイの大冒険 ▼MOTHER2 【あの頃はオールディーズ】 ▼とびだせ どうぶつの森 【パプリコ村生活日誌】 ▼ファンタジーライフ リンク! 【アナタの心を射ます】―カイクスフス編 【いつまでも穏やかに】―サピエンタ編 【情熱の刃】―スカーレット編
  • 【世界年譜序文-大海嘯-】
    光の氾濫によって その超文明が滅亡してより 数百年後 混沌とした地上に 天界の者たちは 新たなる救済者を遣わした 地上人は その救済者を見るなり こう言ったという 「おおあの方こそが 我らをお救いすると言われる天冥士様だ!」 しかし 天冥士とは本来地上に在する14の国の中のなかでも 古代語で「隠国」を意味する 「カシュカ」王朝に住む人のことを差した 天界とは 全く関係のない天冥士呼ばわりされたその救済者は 地上人の前に姿を現すとこう言ったのだ 「我は天冥士にあらず・・・ 寧ろそれに相対する立場の土陽士なり・・・ そなたらは一度経験しているはずだ 無の力による浄化を そなたらは また 同じくクリスタルの力に甘んじて愚行を繰り返すか?それとも 限りある生を この星と共に慎ましく生きるか?」と 多く...
  • 【天外理想郷】(11)
    BACK NEXT 150. 「『ランキザッシュの丘の上』って,何処にあるんでしょうね」 クスフスが,果てしないウルティマ区画の墓石が並ぶ道を私とともに歩きながら,そう訊いてきた.私は,上方に見える星空を見上げて返した. 「さあね.ただ,何処にあるかではなく,それがなんなのかは分かっている」 クスフスは私の言葉に興味を示したのか,私の方を見上げて早口で,それはなんですかと言った.私はこう打ち明け,そして告げた. 「とあるラブストーリーのタイトルさ,アンセーヌの心の片方を埋められなかった昔の僕よ,クスフス」 星空からクスフスの顔へと目線を移すと,彼は表情を崩していた.それはそうだろう.誰だって,自分の心の狭さや,もっと一般的に言えば,欠点と思っている点について指摘されたら良い思いはしないだろう. 私は,これから過去の自分と共に歩きながら,何処へ行けば良いというのだろう?...
  • 【シルクスの光を浴びて】
    子どもの頃から物語を作るのが好きだった 物語は 想像し創造されやがて一人歩きをする 加速してゆくPhantasmagoria それが今の僕の導き ―共鳴士 今 目の前にあるもの・起こっていることが 信じられなくなった時 僕は幻に身を委ねることにした 果たしてその中にいる僕の存在に価値はあるのか? ―魔幻剣士 例え世界の全てに裏切られようとも 全てを愛すこころ それはやがて世界を救うものとなる 例えどんな絶望の中にあっても 闇の中にさえ一縷の希望を見出すこころ それは全てを照らす光となる ―クルセイダー,ダークナイト,サヴァイヴァー どんなに邪な心を持つ人でも 昔は何も知らない赤ん坊だったんだ 一体何が善で何が悪だと言うんだ 僕はこの手で全てを救ってみせる ―聖者,邪者 盗めぬものなど何もない ...
  • 【天外理想郷】
    NEXT 1. もはや恐れる事はない.今はただ前に進むのみ. 人生の大半を怠惰で過ごしたその男は,残りの人生を自らの理想郷,ユートピアを 探すことに費やした.やっと見つけた,自分のやりたいこと.何のきっかけで その男は旅に出たのか,また何が彼をそうさせたのかは,今はもう誰も知る由も無い. ただあるのは,その男の強い意志だけだ. これからの旅路を,この何処とも知れぬ場所に記録する. 旅の最初は,私の唯一の友人である彼に作ってもらった,異国語で"カモメ"を意味する 魔導ヴィークルを空に飛ばす実験から始まった.私の愛聴曲である"白き鳥よ"を聴きながら, 私はカモメに乗り,幾度か試運転をした後,彼に永遠の別れを告げた. カモメに乗った私は,自由そのものだった.もう二度とあの暗くて狭い場所へと 戻ってや...
  • 【あめのふるまち~ブルメシア~】
    フラットレイ様・・・あなたは今,何処で何をしておられるのですか?私,フライヤ・ク レセントは,いつもいつもあなたのことを想うばかり・・・.あなたが王宮を去ってから 早数年・・・.私のこの耐え難い苦しみが分かりますか?あなたと共に過ごした数ヶ月は 本当に夢のようじゃった・・・.その数ヶ月余りの甘き日々だけを手綱にして今日の日ま で生きている・・・.フラットレイ様,私はもう,あなたを待つことに耐えることが出来 ませぬ・・・. その日も私は,ブルメシア王宮の近衛竜騎士団の部屋にて,物憂げに,雨が降りしきる空 を見上げていた.此処,ブルメシアは,ほぼ一年中雨が降っている青都じゃ.そんな気候 のせいか,城だけではなく城下町ですら,黒みを帯びた青色の建造物が建っている. 陰うつとした祖国を案じ,フラットレイ様はかの国を出て行った. … … … そうして私も...
  • 【Eternal Voyage】(2)
    04:[それは生ある記憶と] 幻獣界を出てしばらく歩くと,マディンが示してくれた通り,祠と思しき洞窟が見えてきた. …幻獣界を出て始めて分かった事だが,少年が持っていた「天界」のイメージとは異なり, 赤焼けた空に,荒廃した大地,一匹たりとも見られない動物達― 心を躍らせ勢い良く出発したというのに,何やら不穏な空気が漂う中,少年は祠に入って行った. ―ふ~ん,中は思ったより明るいじゃないか― 洞窟の中へ2,3歩踏み入ろうとした時, 「ようこそ,『魂の祠』へ」 と,しわ枯れた声と共に,祠の中央に幽霊が現われた. 幽霊は,白装束を身にまとい,顔は見えず,唯一「手」のみを見る事が出来た. その手はひどくしわくちゃだった. 少年が幽霊に注目していると, 「なんだい,そんなに私の手が気になるのかね?」 と早口で言...
  • 【天外理想郷】(3)
    BACK NEXT 30. 「彼女」は,エコール時代に私と一緒に書庫の管理を任されていた唯一の女性(ひと)だった. 私と「彼女」,2人だけの書庫の中での出来事は,年を経る毎に美しい想い出と化していた. 私は書物の大まかな管理を,「彼女」は書庫の鍵を持つのを許され,私と一緒に古文書を 解読する役目があった.書庫という閉じられた空間で,私と「彼女」は,日々書物探求の 旅をしていたのだ.それが,エコール時代の唯一の青春であった. 私を背負う女性の息づかいを聞いている内に,次第にその女性が「彼女」であることが うすうす感じ取れていた私は,どうやってその女性と意思の疎通をはかるか考えた. やがて,私はその女性の背中に指で文字をなぞり,今現在の私の意思を伝えようとした. 「ありがとう.もう私を下ろしてくれても構わないよ」 と. その女性は私が指で文字をな...
  • 【ズッカナリアの方程式】
    0.ことのはじまり あらあらまあまあ,なんてこと! 私の夫がズッカナリア病にかかってしまいました. 風の便りでは,この病,治すのにはカイをみつけないといけないそう. 浜辺に行き着いた貝を拾っても,夫はうんともすんとも.いったいどうすれば…? 1.カイ曲線 「どれ,わしにそのカイを見せてごらんなさい」 とある老人が言いました.腰が曲がり杖をつき,ひげを伸ばした,典型的な老人でした. 老人は,夫人の細く美しい指先からカイを受け取るとこう言ったのです. 「ふむ.美しい曲面であるぞよ」 夫人にとっては意外な言葉でした. 「曲面,ですって?!」 夫人は驚き,思わず声を大きく出してしまいました.そして思ったのです. ≪そういえば夫は最近,キョクリツがどうのこうのと言ってましたわ…≫ あごに手をあて,一生懸命に愛する夫のことを思い出そうとする夫人に老人は言いま...
  • 【天外理想郷】(10)
    BACK NEXT 135. 私は,アンセーヌからの手紙を何回も読み直しながら,東の国は南部の大沼地の高台に上った.オルテガ特製のカモメのエンジンをふかす.相も変わらず,雷の魔導を原動力にしているせいか,私の体まで痺れてしまいそうになるではないか. カモメに乗り,離陸した.次の目的地は,クスフスが教えてくれた.天空の食卓国だ.「天空」というからには,きっとかなり空高い場所にあると思うが・・・. 「その通りです」 私の心の片方を埋めるバナナリアンの一人がそう言った. 「あなたは,ただエンジンをふかしているだけでは目的地へは辿り着けません.かの国へ行くには,『サーマル』と呼ばれる上昇気流に乗ることが大事です」 なるほど・・・.私はカモメの翼を浮かせるサーマルを体感し,空高く舞い上がった. それにしても・・・アンセーヌの手紙にあった,「ランキザッシュの丘の...
  • 【人流】
    人は子どもから大人になるまで,沢山の人と会うだろう. その中で,人はどう変わってゆくのか―――. その一例を,これから挙げることにしよう. プロローグ 1.ラテン語のあと …ゆっくりと,落ち着いてからものを考えようとしました.コトハはいつもとちがう気持ちに気付いたのです.リュートはどうしてあのとき自分だけに優しくしてくれたのでしょうか?コトハは考えます.まるで,100mを全力で走った後のようでした.もうすでに,コトハの心は… 2.真RPG …その日の朝,リュートのスマホにトキからメールが届いていました. 『旅にでよう』 その一言だけ.リュートは淡々と車の準備をし始めました.そして,ホムラにメールを送ります. 『旅に出よう,と』 数分後,ホムラから. 『ラスボス倒したらな』 リュートは,食料を買いに… 3.使者 …白い天使は,微笑みな...
  • 【天外理想郷】(4)
    BACK NEXT 45. 「東の国」と書かれている側の暗がりへ.私達は歩を進めてゆく. 「自分の過去に散々悪口を言っておきながら,まだあなた自身の記憶を辿る旅をするのね」 心の中のアンセーヌは言う.この暗がりの奥へ行くと,一体どんな世界が待っているのだろうか. アンセーヌは私自身の記憶を辿る旅と言ったが,果たしてどうなのだろうか.初めて見たものが 沢山ある世界なのに.私が一歩,また一歩と歩を進める毎に,暗がりは深まってゆく. そこで,アンセーヌは注意を促してくれた. 「待って.そのまま進んでしまってはいけないわ.光を発する魔導具で闇を晴らさなくては」 私はアンセーヌの言う通り,背中に担いでいたカモメから発光装置を取り出し,闇を晴らした. すると,私の足元に極太の線が塗ってある地面が照らし出された.これは・・・所謂「国境」 というものなの...
  • 【夢追い人へ】(4)
    IV. フィガロ城からチョコボに乗って,三人の勇士たち,セリス,エドガー,マッシュは,コーリンゲンという小さな村へと向かっていた.そこでまた新たな仲間の一人と再会できることを信じて・・・. 何気に,マッシュが自分の兄であるエドガーに尋ねた. 「なぁ兄貴.フィガロ城からコーリンゲンまでは,展望台から見た限りでは割と近かった.それなのに,なんでわざわざチョコボに乗って行くことにしたんだ?」 兄・エドガーが返す. 「崩壊してしまったこの世界のことだ,どんな魔物がいるのか分からないのに徒歩で行くのはあまりにも危険すぎるだろう?実際,お前とセリスがモブリズの村で追い払ったっていうフンババだって,崩壊した後に現れた魔物だって言うじゃないか.それに・・・」 エドガーは先頭をきってチョコボを駆けるセリスに目線を移し,彼女に聞こえないような,そんな小さな声で 「恋するレディを見ると誰で...
  • 【天外理想郷】用語集
    注・・・五十音順です. アームメモリー 腕に直接埋め込む,魔導通信機.これを身に付けるには,魔導の力が必要である.その代わり,身に付けた者同士ならばいつでもどこでも通信し合える. 悪魔 西の国に住みつき,古代魔法ペタグラの発動に精を注いでいる者たち.ハウスの動力炉を管理してもいるようだ. アンセーヌ=ファブリーナ 「影を抱く女」の異名を取る,見目麗しい女性.クスフスとはエコール時代からの恋仲で,彼と共にエコールの書庫で書物を研鑽することを許された.ある日のこと,書庫の鍵を持った彼女は,書庫を密室にして,そこでクスフスと結ばれる.エコールを卒業した後は,彼女が幼少期からの疑問であった「心の在り処」を追い求めるようになり,鍵士という職業に就いた.クスフスとは,彼のハウスの中で,異界へと通じる洞窟の奥で再会する.クスフスの魔心眼により,今まで自分の心を覆っていた影が取り払...
  • 【人流】登場人物
    【人流】:登場人物紹介 水橋 流人(みずはし りゅうと) 主人公は,地方の総合大学に通う理系の三流の大学生.年齢は20才.男.物理を学んでいる.周りから真面目だと思われていて,気難しいところもあるため,できる友達が限られてくる.もともと旧帝大を目指していたため,ゼミの中でも成績はいい方である.そのため,あまり出来の良くない学生に頼られる.理論物理か電波物理(実験系)を専攻したがっている.どれも興味があるといった感じである. 主な性格 基本的に素直である.人の言葉をそのまま受け入れたり,激しく疑ったりする.天然な一方,一度だまされると極端に人を疑ったりする.ギャグシーンでは,ボケ担当.1人称は「俺」.彼の通う地方大学は,彼の故郷から遠く離れている.妹が一人いる.また彼はものすごく責任感が強い.人がしたがらないことを喜んでやる時がある.また,ありきたりなことは大嫌いで...
  • 【魔人かく語りきIV】―暗ノ雲(中)―
    頭蓋骨の内側に,あらゆる感覚の元となる電気信号を跳ね返す"鏡"のようなものが あったとしよう.自分が感じるものは全てその鏡によって跳ね返されるもの,つまり 紛いものだとしたら.自分の感じるものは全て紛いもの・・・.鏡によって跳ね返された 電気信号は,閉じた感覚器官を作り,永久に反射を繰り返す. その鏡によって跳ね返される電気信号こそがフーリエの宿敵であり,この私が語ってきた 物語の終着点となるものだ. 不意に背後から気配がしたので振り向くと,14番目の世界で最初に出会ったエクスデスが 立っていた.次元城で倒したはずのエクスデスが何故此処にいるのだ.私は尋ねてみた. 奴が此処にいる理由を. 「私は無を超えしもの,エクスヴォイド・・・.貴様,感覚反射に陥っているな? 私が此処に来たのは他でもない,貴様を断罪するためよ」 ディリ...
  • 【魔人かく語りき~外伝~II】
    ―遭遇― 此処,無の世界に辿り着いてすぐのことだった. 黒竜にも似た紫じみた黒色の竜と初めて出会った. それが骨蛮竜とのファーストコンタクトだった.彼らは簡単な作りの武具を帯び, 造形師達からは蛮族と忌み嫌われていた.そして度々ガイアとテラの郊外から邦畿の白砂宮を 襲撃してくるのだ. その様子を今日も私の住む白砂宮の展望室から例の6人の男達と彼ら骨蛮竜との戦いを 眺めていた.6人の男達―ドルガン,ガラフ,ゼザ,ケルガー,アレクサンダー,そして 漂流者ギルガメッシュ―は,5番目の幻想からエクスデスによって飛ばされ, この世界に閉じ込められた戦士達だ.どういった経緯で五番目の幻想という限られた世界から やって来たのは全くの不明だ.それは多分,この物語の観測者が知っている事だろう. 何故彼らは戦い続けるのか.いや,そもそも何故骨蛮竜は郊外から襲ってくるの...
  • 【第α部】
    αのはなし いにしえの時,私はその星にはまだいませんでした.その星は熱く,周りの星々を引き付けてはぶつかっていたのです. それにしても不思議ですね.どうして直接触れてもいないのに遠くから周りの星々を動かすことができるのでしょうか?とても離れているのに.まるで,その星があまりにも魅力的で,周りの星々たちを虜にさせて誘っているかのようです. どうして引き付けることができるのかは,後で詳しく説明しましょう. 宇宙は不思議でいっぱいです.夜空に星々や銀河を見る時,とても幻想的な風景に酔うことでしょう.私もそうですよ.ブラックホールに膨張宇宙,そしてダークマター….これらの単語を聞いただけでワクワクする方がいらっしゃるはずです.それだけ,宇宙は老若男女に問わず親しみ易いものなのでしょう. さて,少しだけ宇宙についておはなしをしました.これからおはなしをする物語には,かけ...
  • 【Sweet tweet for you】
    1.甘いため息 双魚宮の半ば頃,二人の冒険家がナルシェの宿屋にて見つめ合っていた.一方は男で,一方は女だ. 世界が緑を取り戻してもう何年にもなるだろうか.年中雪で覆われた都市国家であるここナルシェも,大分活気が戻って来た.多くの人は,一攫千金の夢とロマンを求めて坑道ののなかへ入り,昔そうであったように岩を掘り始めた.ナルシェの街道には,蒸気機関がいくつも並び,人々の生活の基盤となっている. 暖炉にくべられた薪が炎を浴び真っ黒になりパチパチと音を立てやがて崩れた. 「ルーローショコラみたい」 そんな薪に横目をやった女は,そう呟いた.男は,彼女の一言にすぐ興味を抱き反応する. 「ルーローショコラ?なんだそれ?新しいお宝か?」 女は彼の方に目線を素早く移し言う. 「ふふっ,あなたったら.簡単に言えば,チョコレートのロールケーキのことよ」 男は女と同じように微笑み,...
  • 【フーリエレポートΩ】
    僕とディリクレが生み出したタイムアタックと思考の鍵は時としてリアルとファンタジーの 間を掻き乱すものになる.要するに軍は,それを軍事利用できないかと考えたのだろう. 研究室の一角に設けられた子ども部屋の中で,僕とクラスメイトの5人は,そこからの脱出の 計画を練っていた.僕が新しく生み出したタイムアタックで,研究所内の全ての人間の 思考を狂わせ,その隙に脱出する計画だ. だけど,それこそがガーランドの仕組んだ罠であり,研究の大幅な促進に繋がるものとなって しまう.新しく生み出したタイムアタックは,いよいよリアルとファンタジーの間を越え, その場にいた全ての人間全てに「歪み」を生じさせた.だけど,その場にいた人間というのは, 研究所の実際の人間のコピーだった.コピーは瞬く間に「歪み」によって狂いだし,その コピー固有の心理により次々と人外の姿となっていった.モンスター?...
  • 【天外理想郷】(6)
    BACK NEXT 75. 私がオルテガと彼の飛空挺を仲間に加えるや否や,彼は子どものようにはしゃいで,次に行く ところはなんていう場所だ?,と言うものだから,私は彼を落ち着かせ言った. あまり調子に乗ってはいけない.オルテガ,君にはまだやるべきことがあるだろ?,と. オルテガのやるべきこと.いくら仲間の活動源を提供していたとしても,ピアノ・フォルテ市 のエネルギー源を盗んでいたことは立派な悪事だ.彼を共鳴士たちのところまで連れて行き, 謝らせに行かなければならない. オルテガ.君の飛空挺で一気にメトロノームタワーへ飛翔できるか? 彼は,メトロノームタワー,と聞いて申し訳なさそうにすごみながら,足元のステップを踏み, その真横にあるレバーを引き続けた.すると私と私の心の中のアンセーヌと記憶士の少年を乗 せたオルテガの飛空挺"ファ...
  • 【嘆きの天使】
    1. 「なぁ,ロック.出会ったばかりの俺たちだ.まずはお互いのことを話してみないか?」 エドガーは俺に向かい,それまで座っていた玉座から立ち上がると,そう言ってきた.陽光が,俺たちがいる王の間に差し,部屋中に散乱するホコリのせいでカーペットまで光の道筋が映える.こういうのを,チンダル現象と呼ぶんだ.王の間には,俺とエドガー―フィガロ国の若き王―しかいない.エドガー.エドガー・ロニ・フィガロ.大丈夫だ,今日会う予定のひとのリストには,このフィガロ王しかいない.だから安心して,時間を密にして過ごせる. 俺は答えた. 「そうだな,折角知り合えた・・・というか,これから俺は『リターナー』の一員になるんだ.色々知っておかなくてはいけないことがお互いあるのは確かだな」 エドガーは人差し指を立てると,こう言った. 「ロックよ,そんなに緊張しなくていいんだ.どんなことでもいいから話して...
  • 【夢追い人へ】(7)
    VII. 真っ暗闇のなか.誰かの声が聞こえる.声の質からして,狂気と怒りに満ちた者によるのだと僕は思った.僕は,その声をよく聴いてみた. 「みんな壊れてしまえ.全てはいずれ壊れゆく」 なるほど.確かにそうだ.僕はもっと聴いてみた. 「なぜ滅ぶとわかりきっているのにまたつくる? 死ぬとわかっていて なぜ生きようとする? 死ねば全て無になってしまうのに」 そう言われてみれば.確かに,そうだ.お金をいくら稼いだって,あの世まで持って行けない.そもそも「あの世」があるのかどうかもわかっていないのに.なぜひとは生きるのだろう? 狂気と怒りに満ちた声は,まるで僕を死へと,虚無の闇へと誘っているかのようだった.身体に漆黒で絶対零度に近い物体を巻かれたようだ.その物体は,ゴムみたいにかたちを変え,どんどん僕の身体をとりまいてはキツく縛った.そして一瞬,闇の視界にポッカリと顔...
  • 【砂漠の光】
    01:[夢の竪琴~前~] 「ねぇ,ギルバート!ダムシアンにはどうやって行くの?」 「村の外に置いてあるホバー船に乗ればあっという間さ」 そうやって,私達の一大決心である駆け落ちが始まった.ギルバートは不思議そうに私の顔を 窺う.大丈夫,心配しなくていいのよ,これは二人で決めたことなんだから. ホバー船のエンジンが音を立て始め,やがて動き出した.…私達の運命と共に.不意に私の彼, ギルバートが竪琴を取り出して,美しい旋律を奏で始めた.さっきから何も喋らない私を不安 そうに思って,励ましてくれようとしているの?ありがとう,ギルバート…私,あなたのそう いうところが大好きよ. 何も喋らないのはこういう何気ない静かな雰囲気が好きなだけ.だから大丈夫,ギルバート… .私のせいで,そんなに不安そうな顔をしないで….私とあなたの旅は始まったばかりじゃな ...
  • 【妖星乱舞】
    第一楽章 なよなよした新参者なんかほっといちゃってさぁ,ボクちんと一緒に破壊を 楽しんじゃおうよ!14番目の世界の真実?それは14番目の「戦い」の真実でしょうが! なんというミスプリ!・・・・・・・・・・・・ツマンナーイ!!! 14番目の戦い・・・それは誰と誰が戦う世界なのか!誰にも分かりはしない!そして カオスに召喚されたボクちんは破壊を楽しむだけ・・・ああ,満たされてゆくー! 一応説明しておきますけど,14番目の戦いの物語は,知られざる物語・・・とかいうのを 完全に無視していますからネ?だから此処にはデスペラードカオスなんて余計な 存在なんていない!せめてボクちんと同じ世界から召喚されるオモチャがもう一人いれば もっと壊しがいがあったのに~.オマケに前作と同じく6番目の幻想の物語をパクリ やがって・・・.ボクちんの可愛いお人形を守るのは,悪い子でもオイ...
  • 【オペラグラスの向こうから】
    1. ゾゾの町で一番高い建物の最上階の奥に,ティナはいた.彼女は幻獣ラムウに守られて, 静かに眠っていた.私たち・・・ロック,私,エドガー,マッシュは,ラムウから20年前 の「幻獣狩り」という悲惨な出来事を聞かされ,そしてラムウ自身が,魔石と化して私た ちに力を貸してくれたのだった. 魔導研究所に行けばティナは助かるかもしれないというのね・・・.魔導研究所・・・か.シドは元気にしているのかしら?裏切られても,シドの心配をしているとは・・・私はどれだけシドに依存しているというのだろう.帝国からリターナーに寝返った私が,再度そこへ足を踏み入れることになろうとは・・・.おかしなものだ・・・. ナルシェからやって来た皆と,ゾゾの建物から降りる時,交わしていた会話の中で・・・ 「私が帝国に行くわ.ガストラ帝国内部でのことに詳しいから」 帝国潜入をいち早く買っ...
  • 【天外理想郷】(5)
    BACK NEXT 60. 今日もピアノ・フォルテ市は静寂を刻みつつある. ピアノ・フォルテの心臓部で視た,物質泉と生命泉両方を兼ね揃えた何者かについて, 私達3人はその日も街の人々に訊いてみるなどして情報収集をしていた.今までに会った, 物質泉と生命泉を兼ね揃えた存在と言えば,北の国は儀羅の国で出会ったミュレーゴ達くらい だが・・・. 私は情報収集の定番である酒場に来ていた.記憶士の少年には少し外で待ってもらうように 言ったので,私は難なく中へ通された.酒場の中は,大勢の人達でごった返していて,更に 沢山の種族が分け隔てなく楽しんでいた.ミュレーゴ達もいた.私は,彼らの傍へより, バリナビーチを飲みながらじっと彼らの話を聞いていた. 彼らの話では,生体改造に成功したミュレーゴのこと,飛空挺は素晴らしいものだとか, そんな話を聞けた.更に話を...
  • 【魔人かく語りき】
    ―遠雷― 13度目の戦いが終わったというのに,カオスよ,何故また私を召喚したのだ? そもそもお前はコスモスの戦士たちに敗れたのではなかったのか. 私はあの時,空に鳴り響く雷鳴にすっかり気をとられていて, 何故今自分が戦っているのかという単純な事に気付けずにいたのだ. カオスに召喚された場所はいつもの混沌の果てではなく此処秩序の聖域だった. 更に彼は,この幾度となく繰り返されて来た戦いの化身とも言える風貌ではなく, 金髪で白い衣を羽織った人間に近い存在であった.他の者は去り, また他の者は自らの命を絶った.世界の真実を知る為に,だと? 例え自分の置かれた道が闇に染まっていようとも, 命は粗末にするものではない.私は教わった筈なのだ,亡き父にな・・・. 更にその者は,私は妻の力によって此処に来た,と言った. その場に残っていたのは既に私一人だけだっ...
  • 【Believe Me】
    1. オペラ劇場での珍騒動の後,飛空艇・ブラックジャック号に乗り込んでセッツァーとの賭けに勝った私たちは,早速南大陸に渡り帝都ベクタに向かうことになった.そして,ロックの計らいで,ベクタより離れた場所に着陸することにした. …時刻は夜に入ったばかりだ.私は一人,ブラックジャック号の甲板に出て,肘掛けにもたれ,眼下の景色をボーッと見下ろしていた.プロペラの規則正しい音と,身に打ちつける風がただただ心地よく感じられた.・・・・・・・・・何故だろう?プロペラの音はともかく,身に打ちつける程の風が心地よいだなんて・・・.・・・もしかして,過去の私を吹き飛ばしてくれるように感じたから?それとも,自分が育った故郷・ベクタに運んでくれると感じたから・・・?・・・ああ,一時の感情にいちいち理由をつけたがるなんて,なんて私はリクツっぽいのだろう. …と,あれこれ考えている内に,ロックが甲...
  • 【オペラグラスの向こうから】EX:2
    2. 私,セリスと,エドガー,そしてマッシュの先導をきって,ロックは世界地図を片手に,それもとりわけ北西部を偶に見ながら,私たち三人の歩くペースに合わせて同じく歩いていた.彼・・・ロックの「仲間のペースに合わせて歩く」ということは・・・私一人が勝手に思っていることだけなのかもしれないけど・・・普通の人には見られない,彼だけの特長だと思っている.実際そう思い始めたのは,城下町サウスフィガロを脱出し,フィガロ城へと続く洞窟の中でのこと.その洞窟の中に入り,松明を持ったロックの後ろについて,私は歩いていた. サウスフィガロの地下室で手枷による痛みに必死になって耐えていたところで,彼は自分が着ていたジャケットを私にかけてくれた.そのジャケットは,黒を基調とした,襟が高く半袖のもので,かけてくれた時は一瞬だけど,男の人特有のにおいがした.ジャケットの肩から二の腕にまでに相当する部分は,左...
  • 【天外理想郷】(7)
    BACK NEXT 90. 「ヤントラ」という文字が使われている,とある草原地帯.東の国は北部の大砂海を越 え,更に南部の大沼地を越えた,そのところが私・・・いや,私たちの今の目的地だ. 謎が謎を呼ぶなか,私は自分の頭の中を整理しようと,レース会場にある一つの腰掛け に座った.私の記憶世界であるハウスの動力炉という存在,「悪魔」,「天使」と呼ば れる者たち・・・.それぞれ,オルテガと記憶士の少年から告げられた驚くべき真実を 私は,できることなら今すぐにでもその真実を確かめたかった.しかし,オルテガは, 飛空挺ファンタズマゴリアの修理をしていたし,記憶士の少年は,私の心の中のアンセ ーヌといがみ合い,疲れているらしく,もっと詳しい話を聞くに聞けなかった. "ヤントラフィールド"・・・.それが「とある草原地帯」の名前だった.この草原地帯...
  • 【君のところへ行きたい】(前編)
    バクー 「さあさあ皆さん,お待たせ致しました! 本日はFFIX発売10周年を祝して記念の特別上演会を開きたくと存じます! それでは,会場にらっしゃる皆様も・・・ ロイヤルシートにおられますガーネット女王様も・・・ 今宵,ごゆるりとご鑑賞下さいませ! 第一幕【憂いの王女】 ―コーネリアの街はずれ,森にて 「王女様,旅の支度が只今整いました.今宵,あの夜空に煌く星々も, 我々の旅路を見守ってくれることでしょう」 セーラ 「待って,やはり,私達には駆け落ちをするのは無理なのです・・・. 私はお父様が使わした沢山の男性の求婚を全て断りました・・・」 「その話は以前お聴き致しました・・・が,私めは貴女を窮地から 救ったナイトで御座います.貴女の同伴者になるには申し分ないかと」 セーラ 「ですから,あの男性方と同じ様に・・・貴方のその自...
  • 【つきよみ】
    ―アガルトの村コリオの手記― 01 このアガルトの村の人々―私も含めてだが―はドワーフの血を受け継いでいるらしい. 一度で良いからドワーフが住むと言われる地底へ行ってみたいものだ. 05 黒い翼のおかげで我ら先祖の住む地底へと辿り着く事が出来た. ドワーフたちは独特な挨拶があるようだ.私にも挨拶をさせてもらいたい. ラリホー! 09 ここ地底には地上では見られない魔物がいるようだ. 中には不思議な能力を持つ者がいるようだが・・・. 12 またしてもドワーフたちの力を借りて私は不思議な能力を持つ魔物が棲むと言われる 街にやってきた. 15 ここ幻界の図書館は知識の泉である.なんて素晴らしい場所なんだろう. 現在知られている幻獣の他にも,知られざる幻獣たちに関する本がいくつかあった. 後世の為に,彼らの謎を今紐解こう. ―白羊...
  • 【オフィーリアの死】
    1.クリスマス・イヴの日 ふと窓の外を見やると,雪が降り始めていたことに気付いた.カフェのマスターが私の方を見てから窓に目を移し,こう言った. 「降ってきましたね」 私は,言った. 「これは・・・所謂,『ホワイト・クリスマス』というものですね」 2013年12月24日,クリスマス・イヴ.世間ではクリスマスソングが流れ,なんとなく浮かれ気味なのだろうが,私自身のことを言えば,全くそうではなかった.精神的に不安定すぎるのだ.原因は,分からない.心の好調・不調が,周期を変えて訪れては去って行っていた.どんな時に好調になるのか,または不調になるのか・・・は,さすがに分かっているつもりだ.不調になる時は,主に一日が始まる時(つまり朝)やものを食べる時だ.好調になる時は最近滅多に少なくなったが,強いて言うならば,「ラブストーリー」に触れる時.最近好調になったのが丁度,村上春樹翻訳の「...
  • 【ムーシカ・マーキナエ】
    1. 飛空艇を,未知の鉱物・アダマンタイトで,シドと彼の孫であるミドに強化してもらい,かの船は「4つの心」を持つ者たちを乗せ,更に天高く空へと飛んだ. 突如として地中から天高く空へと浮かび上がった謎の飛空体・・・と呼べば良いのだろうか.誰が言い始めたのか,或いは書き始めたのかは既に忘却の彼方だが,この謎の飛空体・・・「ロンカ遺跡」は,「遺跡」という名は冠しているものの,外観から察するに,今も尚駆動し続けている巨大戦艦のようにも見えるし,空中に浮かぶ巨大都市のようにも見える.ロンカ遺跡の防御システムである,ランチャーとソルカノンを撃破した彼ら・・・バッツ,レナ,ガラフ,ファリスの,「4つの心」をそれぞれ一つずつ持つ4人は,その強化された飛空艇に乗って,かの遺跡の中へ入っていった. 「これがロンカ遺跡ってやつのなかなのか?見たことのない機械でいっぱいだな.それに・・・歯車も...
  • 【夢追い人へ】(3)
    III. その世界は,酷く荒廃していた.かつて各地に点々といくらでもあった緑・・・草木が豊かに生い茂っていた様は,今となっては薄汚れた大地だけを残し或いは枯れた姿と化している.かつてこの世界の大陸の間を敷き詰めるようにあった青・・・冒険者の心を唸らせるような大海原は,今となっては紫みを帯びた黒色の毒水が延々とただ広がっているだけのようだ.こんな世界には,もう生存する生きものの気配など・・・感じられはしない.この世界は,毒水と化した海水に,荒廃した大地に,そして,まるで鉄を溶かした色合いにそっくりな赤焼けた空が覆い被さっているような,そんな世界だ・・・. だが,そんな絶望的な世界の中でも,なんとか生きている生きものがいた.人間だ.彼らは,「あの日」に引き裂かれたこの世界でも,残された町・村の中で生き続けていたのだ.とは言っても,残された人間の中でも色々な人がいることは確かだ.こん...
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