新・UFO入門

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●2007年05月00日:唐沢俊一「新・UFO入門」幻冬舎新書・刊行

 ISBN-13: 978-4344980358
 新書: 211ページ/定価(本体720円+税)

●2007年06月03日:「新・UFO入門」を漫棚氏が自宅で読み、その内容に驚く

 唐沢俊一の新著「新・UFO入門」の中に自分がブログで書いた文章と極度に
 類似した文章があった事が報告される。

●2007年06月04日:漫棚通信ブログ版「これは盗作とちゃうんかいっ」

昨夕、ソファに寝っ転がって、唐沢俊一『新・UFO入門 日本人は、なぜUFOを見なくなったのか』
(2007年幻冬舎新書)を、へらへらと楽しく読んでおりましたところ。
自分がかつてブログに書いた記事と、ネタがかぶってるところもあるなあ。ふーん。
アレ?
(略)
こ、これは、オレが書いた文章と、まるっきりおんなじやんけっっっ!!!
はぁはぁ。待て待て。落ち着け。というわけで風呂に入ってからもう一度、過去の自分の記事と
見比べながら読み直し。

これは似てるというレベルじゃねえぞっっっ!!!
(略)
『新・UFO入門』のどの部分かといいますと、山川惣治とUFOのかかわりを書いた
「第6章 影響を受けた者たち-三島由紀夫と山川惣治」の、「『少年ケニヤ』の原作者もUFOを目撃した」
「UFOから生まれた漫画『太陽の子サンナイン』」の項。133ページから140ページにかけてになります。

ここは、『少年王者』『少年ケニヤ』で有名な絵物語作家、山川惣治が、空飛ぶ円盤を呼ぼうという団体、
CBA(宇宙友好協会)にいれあげてたことを書いた部分。

これに対して、わたしがブログに書いた記事がこれ。
  1. 2005年11月11日「山川惣治と空飛ぶ円盤(1)
  2. 2005年11月12日「山川惣治と空飛ぶ円盤(2)
  3. 2005年11月13日「山川惣治と空飛ぶ円盤(3)


●2007年6月4日、唐沢俊一が裏モノ日記で言及

オノからメールで、サイト『漫棚通信』の運営者さんから『新・UFO入門』の一部が、
当該サイトの文章に酷似しているとの抗議があったとの知らせ。
これにはショック。
山川惣治氏の作品の紹介部分で、まったく思いもよらなかったが、確かにあのサイトは参考にしている。
ストーリィ紹介の部分なので、つい文章に、コピーと取られる類似性を持っていた。
すぐさまその意の無かった旨返信をし、謝罪。
しかしこういうときにメールがなかなか送れぬのは踏んだり蹴ったり。
担当編集にその旨を知らせ、善後策検討。サイトにも大至急、その旨を書いてアップする。
論旨の方にばかり気をとられ、紹介部分の原稿チェックを怠っていたのが原因。
迷惑をかけたことに対してはひたすら陳謝のみ。
向後はこういうことのないように厳につつしまないとと自分を諌めることしばし。

●2007年6月5日、唐沢俊一が「ご報告」を公表

『新・UFO入門』(幻冬舎新書)
※ご報告(6/5)
本書の一部がサイト『漫棚通信』の内容と酷似している、
という指摘がサイト運営者の方からなされました。
悪意または盗用という意はまったくありませんが、
山川惣治『サンナイン』のストーリィ紹介に関し、当サイトの
紹介を大いに参考にさせていただいたことは事実ですし、
ある作品のストーリィを紹介するという性格上、参考にさせて
いただいたサイトとの記述の非常な類似のあることも事実です。
当方の不注意と認識不足の結果であり、まことに申し訳ありません。
当該の章の趣旨は、山川惣治氏の、執筆当時の状況及び心境の
忖度にあり、その前段として『サンナイン』のストーリィ紹介
をしたわけですが、その部分において、『漫棚通信』の記述
より多くのものを得ているということを明示していなかった
ことは大きな手落ちであり、『漫棚通信』主宰者の方に
多大なるご迷惑をおかけしたことに関し、つつしんで
お詫び申し上げます。
読者の皆様には、その点をご了承の上、本書の趣旨を
おくみ取りいただきますよう、お願い申し上げます。
なお、当該の記述部分に関しては増刷以降削除または
上記の内容を付記させていただき、その旨はネット等で
記載する、ということで、主宰者の方に了解をいただくべく
問い合わせさせていただいております。
正式な対応につきましては、その返答を待ってまた
ご報告いたしたいと思います。

●2007年6月6日、産経新聞が報道

「トリビア」生みの親・唐沢俊一さんが“盗作”
「トリビア」ブームの生みの親としても知られる作家、唐沢俊一さん(49)が先月発売した
著書『新・UFO入門』(幻冬舎新書)の一部に、ブログ「漫棚通信」の文章と酷似した記述が
掲載されていることが6日、わかった。

“盗作”を指摘したのは、同ブログの運営者。『新・UFO入門』を読んでいて、
自身が一昨年11月にブログに書いた内容とよく似ていることに気づいた。
これを受け、同ブログ4日付の書き込みで、ほかのUFO関連文献の要約の言い回しや
引用箇所について、6カ所を挙げて類似性が見られると主張。
唐沢さんと出版元の幻冬舎に対し、抗議のメールを送付した。

唐沢さんはいち早く同ブログの運営者にメールで謝罪するとともに、自身の公式サイト上でも報告。
記述の類似について「大いに参考にさせていただいたことは事実」と認めた上で、
「『漫棚通信』の記述より多くのものを得ているということを明示していなかった」として同サイトで謝罪した。
“盗作”との見方については「悪意または盗用という意はまったくありません」と否定した。
今後増刷分の当該記述の扱いについては、現在運営者と協議中という。

唐沢さんは、いわゆる「トンデモ本」と呼ばれる、荒唐無稽な学説などを唱える書籍を
品評する会「と学会」のメンバーで、サブカルチャーやオタク文化などをテーマに執筆活動を展開。
今年4月からは、朝日新聞書評委員を担当している。

[ニュース速報]にスレが立つ



●どのぐらい「新UFO・入門」の文章が「漫棚通信」と酷似しているかの比較



その後

  • 唐沢俊一は事件を幻冬舎の法務関係に丸投げして、満棚さんとの交渉をすすめる。
  • その事件の推移を満棚さんはblogに書いていたが、幻冬舎が「この件についてネットに書く事を禁止する、そうでない場合はこの件に関して無かったこととし、加えて契約違反として訴える」みたいな要求をされる。
  • しかし唐沢俊一のサイトには唐沢側からの都合のいい事件のあらましが書き込まれており、完全に唐沢側から情報をコントロールしたいという意図が見え隠れする。
  • 満棚さんはこの件に関してつっぱねる。
  • その後、「新UFO・入門」の該当部分が削除された第二版がいつの間にか出版されていた。満棚さんは書店で見かけた後に、幻冬舎から連絡があったという。
  • 訂正のあった第二版には「盗作があったこと」などは一切言及無し。
  • 唐沢・幻冬舎と満棚さんの間でこの件は膠着状態でストップ。
  • 2ちゃんねるなどでも、6月から始まった事件はややトーンダウン。ただし、このことがキッカケで始まった「唐沢俊入りの雑学って異常に間違い多くないか?」という話題は盛り上がっていた。
  • 盗作が発覚した直後、推理小説家の藤岡真氏も怒り狂った文章を書いていたが、とりあえず表面的にだけど謝罪したということで、それらを削除。
  • 12月中旬、この唐沢俊一のパクリ事件は「でも雑学の間違い多いよね」というトーンで終結しつつあった。
  • しかし、12月後半、唐沢俊一は「社会派くんがいく!」の単行本に爆弾&燃料を仕掛けていた。


「社会派くんがゆく!復活編」より「新・UFO入門」事件顛末記


さて、なんだかんだ人のことを突っついているうちに自分が突かれることになってしまった「新・UFO入門」事件である。
ひとえに自身の至らなさを反省する次第・・・・・・などと殊勝に言うのはこの本のキャラには合わないのでやめておくが、 とにかく、引用ミスとはいえ多くの方々に迷惑をかけたことは事実である。そこに関してはまったく言い訳の仕様もない。
ただし、事実関係のみを述べさせてもらえば、無断引用であるという苦情がメールされてすぐ、私はその事実を認めて返信メールを出し、 サイトに謝罪文を掲載し、かつ版元と相談の上、当該の出版物の版元在庫の破棄、慰謝料を支払う用意のあること、 などを相手先に報告している。このような場合に示せる謝意と誠意は尽くしたはずだ、と思っている。
話がややこしくなったのは、相手サイトの運営者氏が、謝罪交渉のやりとりのすべてをブログで公開することを主張し、 担当編集からのメールなどもすべて公開する、と一方的に宣言してからである。
版元と担当弁護士が、それは交渉を継続するのに差し支えがあるからやめてほしいと頼んでも、まったくそれに従う様子を見せなかった。
これでは、残念ながら、相手先に、こちらと通常の法的交渉をする意思がないと判断するしかない。
私信に類する担当編集からのメールまで公開されては、別件で法的な問題(今度はこちらが被害者となる)が生じないとも限らない。
正直、困り果てた。

このままでは交渉が継続できない。担当者から、そのような行為を続けた場合は法的措置をとる可能性もある、と指摘したところ、 先方は、これは恫喝である、とまたまたブログで主張。さらに通常の、このような場合の謝罪のレベルを大きく超えた範囲の要求までしてきた。
これを認めると、今後、単純な引用ミスをおかしただけの同業者が、これを前例として相手に過大な謝罪を要求されるという事態を招きかねない。
私自身の反省や意識だけでどうこうという問題をすでに超えてしまったのである。ついに、こちらの法務担当の、 これは通常の法的交渉をする気が相手にないという判断をもって、交渉を決裂させるに至った次第である。
・・・・・・まあ、これが私のほうからの解釈に過ぎない、ということは理解している。

世の中の大部分の人間は、自分が取って心地よい解釈のほうを選ぶだろうから、私の言をとってくだされば幸甚、 でなければ残念、そのいちいちに個別に意見を述べようとは思わない。また、それほどのヒマもない (いちいち意見を述べるヒマな同業者も何人かいたようだけれど)。
世間というのはそんなものであるから、別にどうとも思わない。ただ、いくつかの発言が、私の人格を貶めるのに、 「社会派くんがゆく!」の中の私の言説を引用していたのに苦笑した。世の中には素直な人間が多いものである。
大丈夫だろうか、そんなに素直で。


この文章で多くの人が「商業出版で一方的に嘘の情報をまぜた、自分が被害者である」という確認するのが困難なガセ情報を流したことに憤慨する。
そして、複数の唐沢俊一を批判するサイトが立ち上がり、ここまでの経過&ガセ雑学をデータベース化したWikiが誕生する事となった。
そして今に続く、唐沢俊一追及が始まった。
実は2007年6月に発覚したパクリ事件は12月には終結しつつあった話なのだ。
しかし終結しそうな処へ、唐沢俊一自らが大量の燃料を投入して、それが10年も延焼し続けることとなったのだ。

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最終更新:2017年06月04日 16:46