動物妖怪名録内検索 / 「狐」で検索した結果
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狐
狐 赤坂小太郎/阿部の清明/飯山狐/井内源二郎/一杯もりの長七/因州狐/姥狐/うりう谷のおよね狐/裏山の狐/遠藤の尾白/御出狐/お梅/お梅狐/お菊狐/小倉狐/お小町狐/オコン狐/おさいざん狐/おさかべ狐/おサトさん/おさみ狐/お小夜/おさん狐/おさん狐(鳥取県三朝町)/お三狐/お三狐/お三門真の昼狐→お三狐/お三子狐/おしも狐/おしも狐(兵庫県)/小女郎狐/オジョロ狐/オジョンコ/尾白/お袖狐/オダイブ様/オタジョウ様/お辰狐/お種狐/おたねさん/オッコシこざえもん/越辺の久兵衛/おでん狐/乙姫狐/乙姫様→乙姫狐/おとら狐/おとら狐(孫娘)/踊り提灯→竹次郎/おとん狐→おとん女郎/おとん女郎/御花狐/おはま女郎/おはる狐/オハン狐/おまん狐/お万狐/おまんさん/おみつ女郎/おもと狐/お山の権坊/おヨシさん/折矢様/負われ狐/加茂の狐→オダイブ様/ 隠れ笠の金丸/勘三郎狐/管長狐/...
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飯山狐
飯山狐 いいやまぎつね 種別 狐 別名 住所 島根県出雲市平田町 特徴 久多美村と桧山村との境に飯山という山があり、村境を越えるためにはこの山の人里離れた道を通らねばならず、ここに付近の住民を騙す狐がいた。▼平田町の古平田の古平田寺の住職・宗庵は狐退治を思い立ち、頭巾をかぶって飯山を通った。すると狐が綺麗な娘に化けて色々と言い寄ってきたので、宗庵は「おまえは上手に化けているが、それは何によって幾種類に化けられるか」と尋ねた。変化を見破られた狐は玉を取り出し「これで七変化できます」と答えた。宗庵が己の頭巾を示し、「この頭巾では八変化もできるのだよ」と言うと、狐は玉と頭巾の交換をもちかけてきた。頭巾を得た狐は上手に化けたつもりで村へ行ったが、実際は頭巾をかぶった狐の姿であったため子供に囃したてられ、漸く騙されていたことを悟った。玉を取り返すべく夜な夜な寺を訪れたが、戸が閉まって...
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万太郎狐
万太郎狐 まんたろうぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県姫路市名古山町 特徴 天文3年6月8日、岡寺と西光寺の僧が名古山の辺りを通ると、急に笠が宙に巻き上げられた。万太郎狐の仕業だという。 ▽天文10年2月20日、御薗野村の農頭の女房ら4人の女がこの道を通った時にわかに天候が変わって雨が降り始めた。雨宿りに駆け込んだ大家の男女から饗応を受け、4人はその家で眠りに就く。夜になってふと目を覚ませば、周囲の人間は残らず狐の姿になっていた。それぞれ名古の万太郎狐、黒天狗、翠髪、釣狐という名で、4人に白銀の簪と玳瑁の爪櫛を贈った。女たちが再び路上で目覚めたとき傍に置かれていたのは、4、5寸ばかりの苧殻4本と枯葉の蔦4枚だったという。 ▽おもと狐という女房がいる。 資料 『播陽うつつ物語』赤松了益
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与三狐
与三狐 よさぎつね 種別 狐 別名 住所 島根県松江市馬潟町 特徴 昔、八幡(やわた)の村に与三という若者が母親と二人で暮らしていた。与三は心優しい正直者で、年老いた母の面倒もよく見ていた。地下(じげ)うちの若い衆の集まりにも顔を出し、皆と仲良く付き合っていた。秋の収穫も済んだ頃、若い衆は宴を開くことを決め、与三が松江に御馳走を買いに行くことになった。翌日、与三は松江へ出かけて様々なものを買い込み、それらを包んだ風呂敷を背負って八幡への帰路に就いた。荷物が重く休み休み歩いていたため、村へ着く前に日が暮れてしまい、与三は足元ばかりを見て歩き続けた。八幡(はちまん)峠(だわ)の坂へ差し掛かった時、この辺りには狐が出るという話を思い出した与三は急に心細くなってきた。それでも村までもうすぐだと懸命に歩いたが、下を向いていたので前にいた侍にぶつかってしまった。与三は必死で謝ったが、侍...
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勘三郎狐
勘三郎狐 かんざぶろうぎつね 種別 狐 別名 住所 岡山県倉敷市真備町薗村 特徴 この狐に化かされて馬糞の団子を食べたり、野壺の風呂に入って糞まみれになった者が何人もいたという。ある夜、正蓮寺の和尚が池のそばを通りかかると、水際で2匹の狐が話をしていた。1匹は頭にアオミドロを載せて「正蓮寺の和尚に似とるか」と尋ねている。何度やっても化けられないのを怪しむ狐をからかってやろうと、和尚は「勘三郎、見とるぞ」と声をかけた。狐は逃げ去ったが、数日後にまた同じ場所で話をしていた。今度は「明日の晩、マガミの医者に化けて正蓮寺に碁打ちに行って、この前の仕返しをしてやろうと思う」と話していた。翌日、和尚は訪ねて来た医者を相手に碁を打っていたが、突然、隠しておいた棒を振り上げて力一杯医者を叩いた。医者は本物で、和尚は勘三郎の罠にかかっていたのだった。 資料 『おかやま伝説紀行』立石憲利
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広谷狐
広谷狐 ひろたにぎつね 種別 狐 別名 住所 岡山県総社市山手村 特徴 山手村から倉敷に越す峠(水別峠)はかつて広谷峠と呼ばれており、そこに人をよく騙す狐がいた。広谷狐は峠の東山腹にある狐岩という大岩を棲み処にしていた。あるとき、山手の吉兵衛という男が倉敷へ出かけた帰り、日暮れに峠を越えていた。すると、灯りの点った一軒家があり、家の前に立っていた美しい女が吉兵衛に茶を勧めた。勧められるままに吉兵衛は茶を飲み、風呂に入った。暫くして、村の衆に声をかけられて気付くと、そこは風呂ではなく池の中で、広谷狐に化かされていたと分かったという。また、総社の魚屋が荷を背負って峠を通った時、急に荷が重たくなった直後、魚がすっかりなくなっていたこともあったという。 ▽度重なる広谷狐の悪戯に困った村人は、児島の瑜加大権現を勧請して、分霊を峠の西の山に東の狐岩を睨むように置いて祭った。同じ頃に塩飽...
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山崎狐
山崎狐 やまさきぎつね、やまざきぎつね? 種別 狐 別名 住所 岡山県苫田郡奥津町羽出上分 特徴 山崎という所にいる狐で、人によく憑いたという。異常な行動をとるようになったので、法印さんに拝んでもらったところ狐が落ちて元に戻った話は多いという。 資料 『民話の里 鏡野町伝説紀行』立石憲利、片田知宏
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おさみ狐
おさみ狐 おさみぎつね 種別 狐 別名 住所 長崎県壱岐郡 特徴 化けの皮を使って人を欺くのが得意な狐。あるとき山伏が「おれは稲荷大明神である」とおさみ狐を騙して化けの皮を奪い去った。おさみ狐は狸に化けの皮を借りて庄屋に化け、山伏の元を訪れる。山伏を欺いて一度は化けの皮を取り戻したが、再び稲荷大明神に化けた山伏に化けの皮を奪われ、以降は野良犬のように盗み食いをして暮らした。 資料 『日本昔話大成』
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さんこう狐
さんこう狐 さんこうぎつね 種別 狐 別名 住所 青森県下北郡佐井村 特徴 青森県下北郡佐井村でいう化け狐。よく人を騙したという。 ▽あるとき、法事があって伝次郎という寺の長老が隣村へ行った帰り、月夜の晩におはなさんという顔見知りの若い女に出会った。伝次郎はこのあたりにさんこうが出没することを知っていたので、どうして尻尾が見えるのか、と女に尋ねてみた。女ははじめ否定していたが、やがて自分がさんこうであると認め、何故正体が分かったのかと訊いた。伝次郎は「ほんじょうさんから借りてきた帽子を被っていたので、その力でどんなものでも明白にわかる」と嘘を言った。さんこうはそれを真に受けて、自分の持っている宝物の玉とただの帽子を交換した。玉を得た伝次郎は暗くとも遠方がはっきりと見えるようになったという。一方さんこうは帽子を被って魚屋を騙そうとしたが、その姿は黒い帽子を被った狐そのものだっ...
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管長狐
管長狐 かんちょうぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県 特徴 大田の竹川の狐。 資料 『近村めぐり一歩記』芦屋道海
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オジョロ狐
オジョロ狐 おじょろぎつね 種別 狐 別名 住所 愛知県 特徴 犬山地方でいう狐。 資料 『日本妖怪変化語彙』日野巌
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オハン狐
オハン狐 おはんぎつね 種別 狐 別名 住所 広島県倉橋島 特徴 伊予のオコン狐の娘で、人に憑いて家を作ってくれと言ったという。 資料 『日本の憑きもの』石塚尊俊
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おもと狐
おもと狐 おもとぎつね 種別 狐 別名 坊主殺し 住所 兵庫県姫路市名古山町 特徴 万太郎狐の女房。女に化けて僧を誑かすので坊主殺しともいわれた。 資料 『播陽うつつ物語』赤松了益
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乙姫狐
乙姫狐 おとひめぎつね 種別 狐 別名 乙姫様 住所 福島県 特徴 昔、旗引山の麓に乙姫様という神様がいた。乙姫様は天眼通で、訊くと何でも答えてくれたが、その正体を見た者はいなかった。ある時、畑を荒らす狸や狐を捕らえる罠の方から、「助けてくれ、俺が悪かった」という乙姫様の声が聞こえた。罠を仕掛けた者が行くと、大きな白狐が罠にかかって死んでいたという。 資料
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小倉狐
小倉狐 おくらぎつね 種別 狐 別名 住所 長野県南佐久郡佐久穂町 特徴 栄村(佐久穂町)から切原村(佐久市)に通ずる山道に出ることが多く、狐が出た山林のあたりを「小倉林」という。提灯の蝋燭を食べられた、買って帰る途中の食用油を取られた、老女が饅頭をくれたと思い持ち帰ると馬糞だった、肥溜めに浸かっていい風呂だと上機嫌になっていたなど、化かされた話が数多く伝わる。 資料 『長野県史』
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釣狐
釣狐 つりぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県姫路市名古山町 特徴 天文10年2月20日、名古の万太郎狐、黒天狗、翠髪と共に4人の女を化かした。 資料 『播陽うつつ物語』赤松了益
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おでん狐
おでん狐 おでんぎつね 種別 狐 別名 住所 福島県西白河郡表郷村 特徴 谷中辺りにいた狐で、お産の時に医者を呼んだが、その際に渡した金は後で木の葉になったという。 資料 『常民』15号
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鼠狐
鼠狐 ねずみぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県 特徴 山本村の狐。 資料 『近村めぐり一歩記』芦屋道海
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オコン狐
オコン狐 おこんぎつね 種別 狐 別名 住所 愛媛県 特徴 伊予国の名狐。オハンという娘がいる。 資料 『日本の憑きもの』石塚尊俊
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姥狐
姥狐 うばぎつね 種別 狐 別名 住所 静岡県静岡市葵区 特徴 駿府城にいた狐で、これに手拭いを与えると頭に被って舞うが、姿を見せないために手拭いだけが舞うように見えたという。見ている者の手拭いを奪うが、勇猛で真っ直ぐな心の持ち主や聖人君子のものは取らない。また、大久保彦左衛門と争ったともいう。 資料 『駿台雑話』室鳩巣
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因州狐
因州狐 いんしゅうぎつね 種別 狐 別名 住所 鳥取県 特徴 明治維新以前、江戸通いの飛脚を務めた狐がいて、鳥取から江戸までの往復を2日間で行ったという。ある日、津山街道で百姓が狐の罠を作っていた。そこへ飛脚に化けた因州狐が通りかかり、あまりの熱心さに興味を惹かれて声をかけた。百姓が狐に悪さをされて困っていることを話すと、因州狐は同じ狐の知識を生かして百姓の罠をより完全なものに仕上げてやった。翌朝、罠には首から文箱を下げた大きな狐がかかっていた。これは因州狐だと気付いた村の者達は大いに驚き、代官所へ届けを出す程の騒ぎになった。罠を仕掛けた百姓に祟りなどはなかったが、鳥取と津山の間ではこの狐横死事件が問題となり、いつまでも解決がつかなかったという。 資料 『名古屋新聞』明治42年7月
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三本狐
三本狐 さんぼんぎつね 種別 狐 別名 住所 岡山県備前市 特徴 東備地区一帯を縄張りにした狐の親分で、閑谷の小屋の谷を本拠にして東部を支配していた。古狐で、背中に毛が3本しかなかったのでこの名で呼ばれた。北部を支配する藤四郎と対立し、両親分に属する狐はあちこちで小競り合いを起こして一触即発の状態にあった。あるとき、1匹の年寄り狐の提案によって両者は化け比べで雌雄を決することとなった。まずは藤四郎が先に化けることになり、藤四郎はまず三本狐を山の上で待たせた。幾ら待っていても藤四郎は一向に姿を現さず、三本狐は藤四郎が逃げたものと考えた。三本狐が近くにあった祠に供えてあった油揚げに手を付けると、油揚げは藤四郎に変わった。続いて化ける番が回ってきた三本狐は、殿様の行列に化けて下の道を通ると藤四郎に宣言した。翌日藤四郎が山の上で待っていると、伊部の方から立派な行列がやって来た。藤四...
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お三子狐
お三子狐 おさんこきつね 種別 狐 別名 住所 宮城県 特徴 仙台市、登米郡でいう化け狐。明治の末頃まで、日向の八ノ森にはオサンコという狐が、田圃を隔てた南方の茶臼森にも名前のある狐がいて、この間を通る人がよく騙されたという。 ▽明治43年の『米澤日報』には次のような話がある。仙台お裏林の付近に、九蔵という猟師が住んでいた。ある夜、戸外から九蔵の名を呼ぶ声が聞こえるので不審に思って見ると、1匹の狐が戸の節穴に尾を抜き差ししていた。翌日も同じようにしていたので、九蔵が尾を引っ張ると、狐は尻尾だけを残して逃げてしまった。暫く経ったある夜、また狐がやって来て「九蔵どん九蔵どん、尻尾を返してください」と言う。狐は翌日もやって来たため、九蔵は鉄の棒で打ち殺してしまった。夜が明けてからよく見れば、狐は古くから出没し、人を化かして取り食らっていたお三子狐であったという。 資料 『宮城縣史...
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お種狐
お種狐 おたねぎつね 種別 狐 別名 住所 広島県庄原市川北町 特徴 百年の功を経た女狐で、この地域の狐どもの女親分だという。 ▽仁衛門という男が、仕事をせずに大分限者になるにはどうすればよいかと思案の挙句、裏山に住むお種狐から変化の玉を取り上げれることを思いついた。それから仁衛門は女房が止めるのも聞かずに毎日弁当を提げて山を歩いた。ある日、山路の向こうからやって来る、子を背負った豆腐屋の娘に出会った。よく見れば尻尾が覗いていたので仁衛門はこれが狐の化けたものであると見破り、お前の変化の玉もわしの被っている帽子にはかなわんじゃろう、嘘と思うならついてこい、お前の一番好きな物を食わしてやると言った。「わたしは、鰻のつけあぶりが好きです」と答えたので、仁衛門は狐を鰻屋へ連れて行って腹一杯食わせてやった。「お金はこの次じゃ」と言って仁衛門が帽子を振ると店主は金も得ていないのに礼を...
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福吉狐
福吉狐 ふくよしぎつね、ふくきちぎつね? 種別 狐 別名 住所 兵庫県姫路市 特徴 資料 『近村めぐり一歩記』芦屋道海
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玄狐稲荷
玄狐稲荷 げんこいなり 種別 狐 別名 住所 北海道渡島松前郡松前町 特徴 松前志摩守道広は前右大臣花山院常雅の娘初姫を娶ることになり、明和8年11月2日に輿入れした。初姫は日頃から京都九条の稲荷を深く尊崇しており、彼女が蝦夷地へ赴く際には、稲荷神が道中守護のために俗人の目には見えないながらも多数の狐を付き添わせた。しかし、輿入れ後間もなく初姫は病死してしまった。 天明8年、南部の山伏大昌院は、不漁続きに心を痛めていた志摩守に箱館で百日の修行を命じられた。大昌院は厳冬期にも関わらず弁天浜の海中に飛び込んで経文を読誦する苦行を始めた。その夜から弁天堂の下には黒狐が籠るようになった。満願前夜の99日目の夜、黒狐は大昌院に「お前に頼みたいことがあってこの堂に籠り、99日の間、その機会を窺っていたのである」と語り始めた。黒狐は初姫について京都九条から来た狐の1匹で、初姫逝去後は他...
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三吉狐
三吉狐 さんきちぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県加西郡飯盛野 特徴 機織りを見せて化かしたという。 資料 『非常民の民俗文化』赤松啓介
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お万狐
お万狐 おまんぎつね 種別 狐 別名 住所 福島県相馬郡鹿島町 特徴 桜田山に住むという。ある時、ばあさんの留守中にお万狐がばあさんに化けて貰いに来た。しかし、家の者がばあさんの手を掴むとザラザラしていたので、正体を見破られてしまった。狐を問い詰めると生まれたばかりの子供に食べさせたいのだと言ったので、ありったけの飯でお握りを作ってやると、狐はお礼を言って出て行ったという。 資料 『伝承文芸』通巻2号
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お辰狐
お辰狐 おたつぎつね 種別 狐 別名 住所 岡山県山陽町 特徴 梅手折の峠に棲んでいた人を騙す古狐で、魚や油揚げ、祭りの土産物を奪ったり、風呂だといって池に入らせる、牡丹餅だといって馬糞を食わせるなどの悪戯で村人を困らせていたため、以前若衆を誑かして金を巻き上げた旅芸人の名に因んでお辰狐と呼ばれるようになった。 ▽あるとき、峠を越える旅人がお辰狐に騙されて池で溺れ死ぬという事件が起きた。村人たちがこの件について相談していると旅の僧が通りかかり、お辰狐の調伏を買って出た。若衆が狐の住む岩に案内すると、僧はそこで錫杖を立て経を唱え始めた。すると僧に後光が差し、岩穴から狐が這い出して気絶した。畜生でありながら人を騙すのみならず命まで奪ってしまった、観音の慈悲によって命だけは助けてやるから早々に立ち去れと僧が言い渡すと、狐は立ち上がってどこかへ消えてしまった。若衆が旅僧を村に案内し...
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裏山の狐
裏山の狐 うらやまのきつね 種別 狐 別名 住所 三重県員弁町上笠田 特徴 裏山の狐と呼ばれていた狐は性質も大変おとなしく、村人にも馴れていて人に出会っても驚かなかった。そればかりか、災害や変事の前にはよく騒いで報せてくれたため、村人はこの狐に出会うと安心して山を歩けたという。 資料 『民間伝承』9巻4号
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お菊狐
お菊狐 おきくぎつね 種別 狐 別名 住所 愛知県 特徴 夫婦の狐で、漁師や魚屋から魚を巻き上げていた。喜左衛門という頓知が利く男の所に綺麗な娘が魚を買いに来たが、それが狐だと見抜いた男は、逆に狐を騙して捕えた。その後、仏壇の阿弥陀に化けた狐をさらに騙し、最後は千石船に乗せて連れて行かせたという。 資料 『みなみ』47号
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おとら狐
おとら狐 おとらぎつね 種別 狐 別名 住所 愛知県 特徴 白または雉子猫色の狐で、主に病人に憑くが、稀に健康な人に憑く場合もある。憑かれた者は左目から目脂を出し、左足の痛みを訴える。行者によって憑き物落としをしてもらうが、どうしても離れないときには遠州磐田郡水窪町山住神社から山住さん(お犬さま)を迎えれば必ず離れるという。 ▽天正3年の長篠合戦の際、長篠城の鎮守稲荷に住んでいた狐は城の天守から戦の見物をしていたが、鉄砲の流れ弾に当たって左目を失明した。それ以前に左足を負傷していたため、片目片足となってしまった。合戦の後、長篠城は廃され、稲荷の末社も打ち捨てられてしまった。この仕打ちに激怒した狐は、城の近くに住む万兵衛という分限者の娘おとらに取り憑き、以後も次々と近所のものに憑いて、おとら狐と呼ばれるようになった。おとら狐は長篠の合戦の話を好んだが、他にも様々な身の上話を人...
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太郎太夫狐
太郎太夫狐 たろうだゆうぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県 特徴 神村の狐。白狐だという。 資料 『近村めぐり一歩記』芦屋道海
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大法主狐
大法主狐 だいほうしゅぎつね? 種別 狐 別名 住所 兵庫県姫路市朝日山 特徴 朝日山の狐。 資料 『近村めぐり一歩記』芦屋道海
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小女郎狐
小女郎狐 おじょろうぎつね 種別 狐 別名 住所 京都府宮津市 特徴 ある百姓が夕方、大根を積んだ小舟で帰っていると、若い女が現れ舟に乗せてくれと頼んできた。百姓はこれを小女郎狐だと思い、舟に乗せるやいなや荒縄で縛り上げた。そして青松葉を燃やして女を投げ込んだが、小女郎狐はとっくに逃げていて、女は大根になっていたという。 資料 『季刊民話』1号
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お袖狐
お袖狐 おそでぎつね 種別 狐 別名 住所 愛媛県松山市八股 特徴 『日本妖怪変化語彙』に「松山市八股の狐」として挙げられている。→お袖狸の誤植? 資料 『日本妖怪変化語彙』日野巌
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はら斑狐
はら斑狐 はらまだらぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県 特徴 黒岡山の狐。 資料 『近村めぐり一歩記』芦屋道海
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御花狐
御花狐 おはなぎつね 種別 狐 別名 住所 滋賀県長浜市 特徴 東本願寺別院奥の大木に棲む狐で、時々女中に化けて揚物を買いに行ったという。 資料 『民俗と歴史』8巻3号
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負われ狐
負われ狐 おわれぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県上郡町? 特徴 永正8年9月8日、英賀城の郎士得野兵庫が岩之郷宝林寺近くの墓場を歩いていると、目の前に美女が現れた。兵庫は女にぜひ背負ってくれと頼まれる。背負ってみると女は米2俵程の重さで、怪しんで切りつけると消え失せてしまった。兵庫は後ろ向きに倒れ、女と思って斬ったものを見れば松の木だった。以来、この刀はきもの切と呼ばれたという。この女の正体が苫編の山の主黒ひげ天ぐの娘で、数百歳の古狐であるおはれ(おわれ)狐だったという。 資料 『播陽うつつ物語』赤松了益
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御出狐
御出狐 おいでぎつね 種別 狐 別名 住所 東京都 特徴 昔、江戸角田川の真崎稲荷にいた狐。茶屋の者が揚豆腐を持って「おいでおいで」と呼べば縁の下から出て来た。寛政4年頃、故郷の陸奥国松前へ帰った。帰郷に際して茶屋の娘に取り憑き、「これまで世話になったゆえ、その礼を言う為に娘に取り憑いた。国許へ帰るので暇乞いをしたい。何か形見に書き遺そう」と語った。店の主が出した扇に「月は露露は草葉に宿りけり夫れこそ爰よ宮城野の原」と書き、程なくして娘から離れて去ったという。 資料 『其昔語』
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お小町狐
お小町狐 おこまちぎつね 種別 狐 別名 住所 特徴 資料 『橘窓自語』橋本経亮
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二郎太郎狐
二郎太郎狐 じろうたろうぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県加西郡 特徴 未詳。 資料 『竹叟夜話』永良竹叟
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権三郎狐
権三郎狐 ごんざぶろうぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県加西郡田原 特徴 二本差しの武士に化けるのが得意だという。 資料 『非常民の民俗文化』赤松啓介
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おはる狐
おはる狐 おはるきつね 種別 狐 別名 住所 福井県坂井郡 特徴 人を化かして坊主頭にする、女に化けて人間と結婚した、法事や祝儀の時に椀を貸してくれる、出産に医者を呼んで金を渡したなど様々な話が伝わる。 資料 『南越民俗』通巻1号
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おしも狐
おしも狐 おしもぎつね 種別 狐 別名 住所 三重県員弁町笠田村 特徴 宇野の宮の下に穴を掘って棲んでいる女狐で、よく人を化かした。村人は家族が化かされて行方不明になるとオコワを作って住処の穴に行き、「オシモ、お前は何百年と村に住んでいながら、人を化かすのなら考えがあるぞ。何某を出すならば、このオコワを供えるし、出さにゃ出さんでよい」という旨の話をして、オコワを持って帰る。そしてイモチオクリ(虫送り)に使う鉦太鼓を叩き、松明を持って村内を捜せば、行方不明になった者が見つかったという。無事に帰宅した後、家族の誰かが改めてオシモにオコワを供えるという。 資料 『民間伝承』9巻4号
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小よし狐
小よし狐 こよしぎつね? 種別 狐 別名 住所 兵庫県加西郡 特徴 未詳。 資料 『竹叟夜話』永良竹叟
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お梅狐
お梅狐 おうめぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県加西郡善坊 特徴 娘に化けるのを得意としていたという。 資料 『非常民の民俗文化』赤松啓介
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またら狐
またら狐 またら(まだら?)ぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県揖保郡男上村 特徴 嘉吉の頃、赤松家の家人橋本源五郎という者に鉄輪を与えた。この鉄輪は男上村の農長源左衛門に伝えられ、不吉の際には踊りだすことから「おどり鉄輪」と呼ばれたという。 資料 『播陽うつつ物語』赤松了益
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半まだら狐
半まだら狐 はんまだらぎつね 種別 狐 別名 住所 兵庫県 特徴 又鶴の狐。 資料 『近村めぐり一歩記』芦屋道海
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おさん狐(2)
おさん狐 おさんぎつね 種別 狐 別名 住所 鳥取県三朝町大谷 特徴 昔あるところに喜助という人がいた。喜助は貧乏であったため冬になっても糯米を買う金がなく、おさん狐を使って金儲けをしようと企んだ。奥の山へ行き「おーい、おさん、出てこーい」と呼ぶと、やがて狐が女に化けて出てきた。何の用かと問う狐に、喜助は人に嫁を世話してやることになったので嫁役を引き受けて欲しいと言う。祝言の夜が済んで朝になったら逃げてもよいと聞くと、狐はそれぐらいの時間ならと承諾した。喜助は次に嫁探しを頼まれていた家に行くと、嫁は見つかったが金が必要だと言って五円をせしめた。祝言の日、喜助はその家におさん狐を連れて行くと、自分は帰って寝てしまった。翌日、嫁が狐だと知った家の者が文句を言いに来たが、喜助は以前から高熱で伏せっていたと偽り場をやり過ごした。嫁に採らせた山ゴンボと蕗の根を薬の煎じかすだと言って見...
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