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頭脳戦艦ガル - (2012/11/28 (水) 21:00:10) の編集履歴(バックアップ)
頭脳戦艦ガル
【ずのうせんかんがる】
ジャンル
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スクロール・ロールプレイングゲーム(自称)
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売・開発元
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デービーソフト
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発売日
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1985年12月14日
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分類
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クソゲー判定 実態としては賛否両論ゲー・クソ扱いゲーという意見もある (ここでは、世間一般の通例に従って前者とする)
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ポイント
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超忍耐ゲー 不快BGM つかRPGじゃねぇだろこれ
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概要
戦闘機「ジスタス-21」を操作して、縦方向にスクロールするステージを進みながらショットで敵を撃退していく。
地底・コア・宇宙の3種類に分類されるステージで「パーツ」を集め、最終ステージに現れる宇宙空間制御装置"ドラッグ"を破壊することが目的。
有体に言ってしまえば縦スクロールSTGである。
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まずこのゲームをネタにするサイトが真っ先に書くのが、「RPGじゃねえじゃん」。
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とは言え元々「ロールプレイングゲーム」は、和訳すれば「役柄を演じる遊戯」である。そのため「ストーリーやキャラの設定」があり、「自分がその中の何らかのキャラを受け持つ」ゲームならば全て該当すると言えないこともない。……それでもシューティングゲームというジャンルはとっくに名称・定義共に固まっていたので、素直にそう名乗らせなかった事は誰でも疑問に思うところだろう。
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ならば本作が「役柄を演じるシューティングゲーム」=「宇宙を飛ぶかっこいい戦闘機のパイロットになりきって、SF世界観にどっぷりハマれるような仕掛けや演出が豊富なゲーム」かというと、それらの面で同時代の他のSTGと比べて特に優れたものがあるわけではない。
問題点
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クソゲーの種類としてはムズゲー、或いは作業ゲーと言える。
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最終ステージでラスボスと会うには、1ステージに1つある「パーツ」を100個集める必要がある。しかしステージは全部で30。
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つまり4周しなければエンディングに辿りつけない仕様であり、しかもラスボスは背景と同化して見逃し易い。倒し損ねると最初のステージに戻されてしまう。
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パーツ10個分に相当する隠しアイテムを取れば多少は楽になる。それでも最低3周は必要だが。
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30面に蝶に似た隠しキャラが出てくることがある。攻撃すると大量点を獲得できるが、調子に乗って撃ちまくると所持しているパーツを全部奪われてしまうという恐ろしい罠がある。
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実を言うと個々の場面を抜き出せば、シューティングゲームとしての難度そのものはそこまで高くはない。パワーアップ(唯一のRPGらしい要素)していれば敵に当たってもペナルティはパワーダウンだけで済むルールだし、シューティングゲームとして見ると(前か斜めかどちらかにしか撃てないミサイルがやや使いづらいものの)時代相応の悪くない出来。
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ただ、周回プレイで敵も強くなっているし、前提として100ステージ前後クリアしなきゃいけないし、とにかく忍耐力がいるゲームなのだ。
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しかもコンティニューなし。
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そして多大な苦労の割には文字がスクロールするだけの簡素なエンディング。時代と言ってしまえばそれまでだが、ちょっとはユーザーのことを考えてもバチは当たらなかったのではないだろうか。
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地底・コア・宇宙に分類されるステージ構成にも問題がある。
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まず最初の地底ステージはやや狭く入り組んだ地形をしており、自機のスピードが素で結構速いのもあって壁に激突死しやすい。次のコアステージは両端に一直線の壁があるだけ。宇宙ステージは当然壁なし。敵の攻撃自体は後になるほど激しくなるが、その頃には自機もパワーアップしているのでコア、宇宙では出てくる敵を片っ端から破壊できる。実質最初の地底ステージが一番難しい(周を重ねるとコアや宇宙ステージもそう易々とはいかなくなるが)。
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コアステージのみ「ステージ終盤でミスしても次の面に行く」と言う特性がある。…のは良いのだが、最後のコアステージでこの仕様が発動すると、宇宙ステージに行かずバグコアステージに行ってしまいフリーズする。
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やや敵弾が激しい地帯なので、結構な割合の人が来てしまう。
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不快感の強いBGM。
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ステージBGMはメロディの面白さはあるが20秒でループするうえ、強弱が全くついておらず、それでいて高音の強い音質のため耳障り。
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タイトルBGMはメロディにソ#が使われているのにベースがラ⇒ソと変化する(音が半音でぶつかり合う)ため、不協和音と受け取られ易い。
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一番わからないのはタイトルである。「頭脳戦艦ガル」とは自機でもラスボスでもなく、自機を搭載した戦艦の名前。更に言うなら「頭脳戦艦」とは何だろう?
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古今のRPGネタを収集する「RPG大辞典」スレでは、「RPGと自称しているからRPG」との方針により本作のネタが収録されている。
RPGっぽく紹介しつつ「どう見ても縦シューです」と締める内容である。
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その項目によると「ちなみにタイトルの頭脳戦艦ガルとは主人公のジスタス-21が搭載されている戦艦の名前で、ゲーム中にその姿を見せることはない」とのこと。
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前年公開の映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の影響とも考えられる。奇しくも85年にはファミコンで『マクロス』のシューティングゲームも発売されており、マクロス艦はゲーム中に一切登場しなかったりする共通点も。
評価点
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この頃のシューティングゲームは無限ループが普通だったこともあり、「基本周回プレイにプラス要素としてエンディングが付加されている」とポジティブに見る人もいる。
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スクロール、自機の動きがスムーズ。当たり判定も正確でその辺りの理不尽さはない。また、自機の二連ショットは左右がそれぞれ独立して処理されている(当時は『エグゼドエグゼス』など、二連ショットに見えても実際は一発として処理されているゲームが多かった)。
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但し、逆にそのせいでクリーンヒットさせないと敵がなかなか倒せず、攻略が困難になる状況もある。
本当にクソゲーか?
余談
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デービーソフトは本作発売の1週間前、シューティングゲーム『高機動戦闘メカ ヴォルガードII』を発売している。こちらはマイナーながらも評判は悪くないようだ。
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「クソゲーと言う言葉を初めて作った人」とされているみうらじゅんは、1998年発行の『仰天 B級ゲームの逆襲』にて1番クソだと思ったゲームとして頭脳戦艦ガルを挙げている。
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また、作曲家すぎやまこういち氏が「音楽は無い方がよい」と批判したことも知られている。
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日本でコンピューターRPGのイメージを決定付けた『ドラゴンクエスト』(DQI)の発売は、本作より半年ほど後の86年5月のことである。チュンソフトの中村光一氏が本作がRPGと謳ったせいで「ドラクエがファミコン初のRPGになれなかった」と語ったことが有名(ただし、もしそれが無くとも『ハイドライド・スペシャル?』がDQIの2ヶ月前に発売されていたのだが)。
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同類のシューティングゲームに『キングスナイト』がある。