「×」から学んだこと@wiki内検索 / 「用語:作問」で検索した結果

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  • 用語:作問
    「作問」とは  辞書を引くと「試験問題などを作ること」とあり、学校教師や合否判定などをする側の行為に見えます。  しかし算数では、作問は子どもたちが問題を作ることを意味します(それに対し、試験問題を作る行為は、「作題」と書かれることがあります)。  作問|算数用語集にあるとおり、1年からその活動が見られます。  国語の「~を使って短文を作りなさい」に似たところがあります。 かけ算の作問  乗法の意味の理解に関して、作問させる活動を、いろいろな算数教育団体の本から知ることができます(文献 日教組1983、文献 田中2008(*1)、文献 田中2011 板書、文献 木村2012)。  間違いのパターンには大きく分けて2種類があります。一つは、2つの数量を単純に並べ、「かけるといくつになるでしょう」といった形の問題にすることです(「ペアはいくつできるでしょう」のように、直積に基...
  • 用語:倍と積
    「倍と積」とは  かけ算が使われる場面についての、分類法の一つです。  「3cmの4つ分の長さ」は倍、「縦3cm、横4cmの長方形の面積」は積に、それぞれ対応づけられます。式はともに3×4=12となります。  用語 倍と用語 積もご覧ください。 文献 文献 岸本2000では、対象を明確にするため「倍(multiple)に関する小数の乗法を考察の対象とし,積(product)に関する小数の乗法は取り上げない」という断り書きを入れています。 文献 浅田2006では、調査課題の一つで「7×2.4の式で求められる問題を1つ作りましょう」として作問をさせており、そのただし書きで、面積を求める問題は作らないよう指示しています。 文献 小原2007では、文献 Greer 1992の内容を踏まえ、かけ算の式で表せる対象を「値段や重さなど〈乗数と被乗数が区別される文脈〉と,面積などの〈乗数と被乗...
  • 用語:比例
    「比例」とは  2つの数量△と□について、△の値が2倍、3倍、…になれば、それに対応して□の値も2倍、3倍、…になるとき、「□は△に比例する」といいます。  反比例など、他の「~比例」と区別するため、「正比例」とも書かれます。 小学校の学習  今の算数では、5年で、簡単な場合について、比例の関係を学習します。表に数量を当てはめながら、一方が2倍、3倍、…になれば、他方も2倍、3倍、…になるのを確かめていきます。  きちんと学習するのは、6年です。二つの数量の一方がm倍(整数倍に限らず)になれば、対応する他方の数量はm倍となること、商一定であること、y=k×xという形で表されること、グラフは原点を通る直線になることなどを学びます。それまで学習してきたかけ算・割合・比・比例を、比例の関係からまとめることも行います。 文献  国内外の文献によると、「×」を使って比例の式で表...
  • 用語:等分除
    「等分除」とは(*1)  ある数量を等分したときにできる、一つ分の大きさを求めるようなわり算を、「等分除」といいます。これは、わり算が用いられる具体的な場合の一つであり、これと別に「包含除」と呼ばれるわり算もあります。  12個のあめを3人に同じ数ずつ分ける、というのが等分除の例で、これを12÷3=4という式で表します。人数が多くなっても(*2)、みな同じ数だけもらえる、というのに由来して「ニコニコわり算」とも呼ばれます。  かけ算とわり算の関係として、意味づけを図ることもできます。□×3=12の□を求めるのが、等分除です(3×□=12の□を求めるのは、包含除となります)。 英語  「等分除」の英語表現は、partitive divisionとするのが一般的です。sharing divisionとも書かれます。divisionを後ろにつけずに,partition, parti...
  • 用語:連続量
    「連続量」とは  実数と対応づけられる量をいいます。最小単位の決まっていない量、と言い換えることもできます。分離量と連続量を合わせたものが「量」となります。  長さ、時間、重さ、面積など、小数・分数を使って表されるものは、連続量です。ただし測定値は近似値であり、無限小数や無理数で表すわけではないので、分離量とみなされることがあります。 かけ算・わり算と連続量  かける数が連続量(小数)になるかけ算は、5年で学習します。ただし,分離量・連続量といった「量」の区別というよりは,累加のままでは意味づけや計算ができない状況でも,かけ算の式に表して計算ができるようになること(乗法の意味の拡張)を主眼としています.  人数は分離量ですが、平均や人口密度では、「3.4人」ように小数で表すことがあります。求める際のわる数は、整数であってもいろいろな値が考えられます。したがって最小単位がないた...
  • 用語:基準量
    「基準量」とは  「基準量」は、「かけられる数」とほぼ同じ意味で使われています。  違いもあります。かけられる数を使った場合、「かけられる数(被乗数)×かける数(乗数)=答え(積)」といった、かけ算の式の構文に焦点が当てられますが、基準量という言葉からは、かけ算を含む2項演算における被演算数の一つ(かけ算に限れば、因数の一つで、もう一つと区別するためのもの)という印象を受けます。  また、「かけられる数(被乗数)」の対となる言葉は、「かける数(乗数)」ですが、基準量については、これに相対する言葉は一意に定まりません。そもそも、「基準量」という言葉の認知度・普及度が、被乗数ほかよりも高いことはありません。  しかしそれらは、この言葉の欠陥となっておらず、逆にあいまいさや多様性により、教師向けの用語として、かけ算の意味の指導に利用されているように見えます。 文献  学習指導要領...
  • 用語:×
    「×」とは  当Wikiでは基本的に、「×」を乗算記号として用いています。  「バツ・ペケ・不正解」の意味で書いていることも、あるかもしれません。  用法や文字のバリエーションについては、× - Wikipediaにまとめられています。 文献 文献 遠山1978収録の「6×4,4×6論争にひそむ意味」では、「式の6×4にはバツがつけられ」(114頁)として、不正解であることをあらわしています。不正解の意味での「×」は、見られません。 文献 森2009収録の「次元を異にする3種の乗法」には、「式は×に答えは○にされた」(66頁)とあります。なお、乗算記号と不正解の記号とで、字形が微妙に違っている(乗算記号のほうがやや小さめ)ほか、出現頻度は乗算記号のほうが多いです。 中学校に上がれば、「×」が使われなくなっていきますが、平成23年度の全国学力・学習状況調査(東日本大震災の影響等に...
  • 用語:積
    「積」とは  かけ算の答えを「積」といいます。  ただし、「答え」と「積」を、同一視(あるいは取り替え)できない場合もあります。例えば、「3×5」というかけ算の式で考えるときは、15はその積ですし、答えと言っても、差し支えありません。ですが「さらが 5まい あります。1さらに りんごが 3こずつ のって います。りんごは ぜんぶで 何こ あるでしょう。」のような文章題だと、答えは「15こ」であり、「積は15個」とは言いません。  それと別に、かけ算が使われる場面で、「倍」と相対する概念として、「積」と書かれることもあります。 外部リンク 「×」から学んだこと・2012年秋冬モデル(Q 「積」と「答え」は,同じものですか?) 倍指向と積指向の整理 倍の乗法,積の乗法
  • 用語:倍
    「倍」とは  助数詞の一つです。例えば「3cmの4つ分の長さ」は、「3cmの4倍」と簡潔に書くことができます。  「~倍」は、無次元量とみなされます。したがって上の例を、単位も入れてかけ算の式にするとき、「3cm×4」と書く(「3cm×4倍」とはしない)のが自然です。  かけ算が使われる場面で、「積」と相対する概念として、「倍」と書かれることもあります。このときは助数詞ではなく、名詞となります。また「倍」だけで「2倍」の意味にもなりますが、算数ではあまり見られません。 外部リンク 倍指向と積指向の整理 倍の乗法,積の乗法
  • 用語:累加
    「累加」とは  同じ数をいくつか、足し合わせるような計算を、「累加」といいます。「同数累加」とも書かれます。  3+3+3+3+3=15という式がその例です。これを「3が5つ」とみて、3×5=15というかけ算の式(*1)につなげていきます。  足される数(かけ算だと、かけられる数)は小数や分数であっても、足す個数(かける数)が整数であれば、累加で計算できます。「6缶×4パック」も、6缶+6缶+6缶+6缶=24缶と書くことができます。 批判  累加に基づいたかけ算の意味づけでは、かける数が1や0、また小数や分数になったとき、計算ができないことが指摘されています。  これに対し、かける数が1や0のときは、次の2つの指導法が知られています。 意味に基づく理解:かける数が1や0に場面をもとに、□×1=□、□×0=0を得ます。 計算の決まりに基づく理解:「かけられる数を固定し、か...
  • 用語:面積
    「面積」とは  図形の大きさ・広さをあらわす量のことです。  「3」のように、単位に「(平方)」がつくのが特徴的です。(100=1a(アール)、100a=1ha(ヘクタール)のように、平方のつかない面積の単位も、小学校で学習します。)  連続的な2つの数量のかけ算を、模式的に表すのにも利用されます。 学習指導要領に基づく、面積の学習  面積の概念は、第1学年から現れます。とはいえ、「長さ,面積,体積を直接比べること」となっており、直接比較などによるものであって、数値化はしません。  第4学年が最も重要です。そこには「面積について単位と測定の意味を理解し、面積を計算によって求めることができるようにする」「正方形及び長方形の面積の求め方を考えること」とあります。また学習指導要領解説には「(長方形の面積)=(縦)×(横)(もしくは(横)×(縦))」という公式も書かれています。正方...
  • 用語:直積
    「直積」とは  集合AおよびBに対し、{(x,y)|x∈A, y∈B}をその直積集合といい、通常A×Bで表します。このように集合どうしを「かけ算」する考え方を、直積と呼びます。  デカルト積ともいいます。英和辞書によると、デカルトという人物名はDescartesと綴りますが、その形容詞形はCartesianです(*1)。デカルト積の英語表現は、Cartesian productとなります。  有限集合のみを対象とし、集合Xの要素数を|X|と表記すると、|A×B|=|A|×|B|という関係が成り立ちます。この式の右辺は、整数どうしのかけ算です。|A×B|=|B×A|は常に成立しますが、集合としては一般にA×B≠B×Aです。 文献 文献 中島1968bでは、74頁にアレイ図、また77頁に格子点を用いた直積の図表現があり、アレイと直積との関係を述べています。 外部リンク アレイ図(...
  • 用語:3用法
    「3用法」とは  比や割合に関する単純な演算(1回のかけ算またはわり算で答えを求められるもの)についての3種類の式や求め方を、「3用法」と言います。 比の3用法 比の第一用法とは、a、bが分かっているとき、bに対するaの比、a:b=a÷b=a/bを求めることを言います。 比の第二用法とは、比と、比の後項から、比の前項を求めることを言います。上に書いたa、bの関係のもとでa=b×(a/b)を計算することになります。 比の第三用法とは、比と、比の前項から、比の後項を求めることを言います。上に書いたa、bの関係のもとでb=a÷(a/b)を計算することになります。 これらは文献 武藤2010 179-180頁によります。「a/b」は原文では分数表記されていました。 割合の3用法  小学校学習指導要領解説算数編には、「用法」という言葉こそ現れないものの、166-167頁に記載があり...
  • 用語:交換法則
    「交換法則」とは  かけ算だと3×5=5×3、a×b=b×a、□×△=△×□などと書かれる等式です。  かけ算以外については、交換法則 - Wikipediaをご覧ください。 小学校で学習する、かけ算の交換法則  以下の頁番号は文献 算数解説2008からです。 第2学年で、内容の取扱いとして「乗数が1ずつ増えるときの積の増え方や交換法則を取り扱うものとする」(86頁)が書かれています。87頁には「乗法についての交換法則」が2回、また88頁には「「乗数と被乗数を交換しても積は同じになる」という計算の性質」ともあります。 第3学年で、内容の取扱いとして「交換法則,結合法則や分配法則を取り扱うものとする」(106頁)が書かれています。108頁にも「乗法の交換法則」とあります。 第4学年で、「交換法則,結合法則,分配法則についてまとめること」(160頁)が書かれています。乗法の交換...
  • 用語:包含除
    「包含除」とは(*1)  ある数量が、もう一方の数量のいくつ分であるかを求めるようなわり算を、「包含除」といいます。これは、わり算が用いられる具体的な場合の一つであり、これと別に「等分除」と呼ばれるわり算もあります。  12個のあめを1人に3個ずつ分ける、というのが包含除の例で、これを12÷3=4という式で表します。あめの数が多いとき、何人に分けられるかがわからない、というのに由来して「ドキドキわり算」とも呼ばれます。  かけ算とわり算の関係として、意味づけを図ることもできます。3×□=12の□を求めるのが、包含除です(□×3=12の□を求めるのは、等分除となります)。 英語  「包含除」の英語表現は、quotative divisionとするのが一般的です(例えば、Division (mathematics) - Wikipedia英語版)。  しかし文献によっては、qu...
  • 用語:複比例
    「複比例」とは  複数の比例・反比例を組み合わせた関係を総称して「複比例」といいます。  例えば、3つの数量△、○、□について、 ○の値を固定し、△の値が2倍、3倍、…になれば、それに対応して□の値も2倍、3倍、…になる とともに △の値を固定し、○の値が2倍、3倍、…になれば、それに対応して□の値も2倍、3倍、…になる とき、「□は△と○に複比例する」と言うことができます。  比例の式は,y=ax(小学校では例えばy=k×x)となるのに対して、複比例の式は例えばz=axyと表せます。その定数a(複比例定数)を1とした、z=xyという式は、xとyという2つの異なる量をもとに,新たな次元の量を導出するための基本式となります. 学校の学習  小学校では,数量関係のゴールの一つが「比例」ということもあって,複比例まで教えることは皆無です.長方形の面積は、複比例の一種と見...
  • 用語:分離量
    「分離量」とは  自然数と対応づけられる量をいいます。最小単位の決まっている量、と言い換えることもできます。分離量と連続量を合わせたものが「量」となります。  個数や人数など、整数を使って表されるものは、分離量です。長さ、時間、重さ、面積などは、連続量ですが、その測定値は近似値であり、無限小数や無理数で表すわけではないので、分離量とみなすことができます。  分離量は「離散量」と書かれることもあります。算数教育の文書では「分離量」と書かれることが多いです。 かけ算・わり算と分離量  2年で学習するかけ算は、「分離量×分離量」です。3年では、値を整数に限った、連続量を含むかけ算が出てきます(*1)。かける数が連続量(小数)になるかけ算は、5年で学習します。  2つの連続量の積は一般に、連続量ですが、2つの連続量の商は、分離量になる可能性もあります。13リットルの醤油を3リットル...
  • 用語:形式不易の原理
    「形式不易の原理」とは  自然数で成り立つ性質・法則が、より広い範囲でも成り立つよう、数や演算を構成することをいいます。 小学校での学習  4年で、交換法則・結合法則・分配法則を、□や△や○といった記号の式で表すとき、それぞれの記号に入る値には、制限があります。例えば、かけ算を含む場合、かける数は整数に限られます。  5年で、小数の乗法を学習したら、4年で学習した3つの法則の式に立ち返って、成り立つことを確認します。分数の乗法(6年)も、同様です。  それと別に、演算決定を行う際の根拠にも、形式不易の原理が利用されることがあります。それは、小数や分数を含む文章題で見られます。「1mが80円のテープを2.3m買ったときの代金は、何円になりますか」という問題に対して、「2m買った」だったら、80×2と立式できます。問題文は「2.3m買った」なので、80×2.3とします。  この...
  • 用語:分配法則
    「分配法則」とは  かけ算だと□×(△+○)=□×△+□×○、(□+△)×○=□×○+△×○などと書かれる等式です。  数学で用いられるものは、分配法則 - Wikipediaをご覧ください。 小学校で学習する、分配法則 九九の表やアレイ図を用いて、「2の段と5の段をたすと、7の段になる」といった形で学習することもあります。この例であれば、「段足し法」とも呼ばれます。学習指導要領およびその解説には、規定はありません。 学習指導要領では、第3学年で学習するものとなっています。 第4学年で、交換法則・結合法則・分配法則について整理します。 外部リンク アレイ図 (a+1)×b=a×b+b
  • 用語:結合法則
    「結合法則」とは  かけ算だと(2×3)×4=2×(3×4)、□×(△×○)=(□×△)×○などと書かれる等式です。  かけ算以外については、結合法則をご覧ください。 小学校で学習する、かけ算の結合法則 乗法の結合法則を学習するのは、第3学年です。 第4学年で、交換法則・結合法則・分配法則について整理します。 算数における結合法則の意義 具体的な場面に適用したとき、2種類の「かける順序」で、1回目の積として得られる数量が異なります。学習指導案(平成18年10月24日、調布市立杉森小学校、指導者 伊藤八重)では「1こ90円のシュークリームが、1はこに3こずつ入っています。2はこ買うと、代金は何円になるでしょう?」という出題を使って授業を実施しています。90×(3×2)=(90×3)×2を導くのですが、この等式の左辺は、シュークリームの総数を求め、単価にそれをかけるというものです。...
  • 用語:アレイ図
    「アレイ図」とは  同一のものを、縦横に規則正しく並べた図を、「アレイ図」といいます。「アレー図」や「ドット図」とも呼ばれます。  「同一のもの」には、●などの丸印がよく使われます。みかんやおはじきといった具体物を使うことも可能です。1辺の長さが1cmの正方形にすれば、長方形・正方形の面積を求めることもできます。  一般に、1つのアレイ図に対してそれを表すかけ算の式は2つ(「縦×横」と「横×縦)、あります。しかし、行数・列数の一方の大きさを固定してもう一方だけを変える場合には、「縦×横」あるいは「横×縦」で統一することもあります。縦の数と横の数の組み合わせによっては、累加に基づき3つ以上のかけ算の式を得ることもできます。 算数に見られる「アレイ図」  文献 算数解説2008 81頁には、「12個のおはじきを工夫して並べる」という活動で、アレイ図が見られます。なお、「アレイ」な...
  • 用語:量の理論
    「量の理論」とは  日常生活や、物理学をはじめとした自然科学で用いられる「量」を、算数・数学でうまく取り扱えるよう、主に数学的な観点で精密化・体系化されたものをいいます。 文献  「量の理論」の文献は、大きく2種類に分かれます。  一つは、数学教育協議会の遠山啓・銀林浩らによるものです(文献 遠山2009-3、文献 銀林1975b)。「内包量」「外延量」などが特徴です。その特徴は、“数は量の抽象”と書かれます。  また別の人々(文献 高木2008、文献 Nagumo 1977、文献 小島1976、文献 田村1978)による、量の理論もあります。そこでは、量を公理的に定義しており、量の演算(とくに、かけ算)で現れる数に着目して、加減乗除などの仕組みを明らかにしています。こちらは“数は量の比”と呼ばれます。  2つをつなぐのが文献 倉賀野1984です。27頁下部にある見取り図に...
  • 用語:1あたり
    「1あたり」とは  かけ算の式を立てる際に、かけられる数として書く数量を、「1あたりの数」または「1あたり量」と呼ぶことがあります。この総称を、「1あたり」といいます。  かける数については、「土台量」「いくつ分」「いくら分」と書かれます。かけ算の言葉の式(ただし教員向け)としては、「内包量×外延量」と書かれることもあり、この内包量もまた、1あたりです。  1あたりの数は「4個/台」、1あたり量は「4g/m」のように書かれます。「個/台」「g/m」はそれぞれ単位で、「/」は「パー(per)」といいます。  数学教育協議会の指導法では、2年のかけ算導入から使用されます。3年の除法でも、等分除の商や、包含除の除数は、パー書きの量となります。学習指導要領に記載され、第5学年で学習する「単位量当たりの大きさ」とも、関連があります。 注意  直積・面積や、倍のかけ算の場合、かけられる...
  • 用語:サンドイッチ
    「サンドイッチ」とは  かけ算の式を立てる際に、「かけられる数と積の単位を同じにしよう」「同じになっているか確かめよう」とする考え方を、サンドイッチといいます。  「1本の紐を切って、3cmの紐を4本作ります。紐は何cm必要でしょうか。」という文章題に対して、小学校では「3×4=12 答え12cm」として答えを求めます。  しかし式の中に単位を入れると、「3cm×4本=12cm」と書くことができます(*1)。  「=積」は明示されないけれど、積に添える単位を推測できる事例は、日常生活でも目にします。ビールの数量で「1.5kg×4箱」とあれば、総数は「6kg」であり、「6箱」でも「6kg箱」でもないのです。  いずれも、かけられる数と積の単位が同じであり、かける数の単位は無視されます。  実際、かけ算を「かけられる数にかける数が作用して、答えとなる数量を得る」という立場で見るとき...
  • 用語:トランプ配り
    「トランプ配り」とは  「さらが 5まい あります。1さらに りんごが 3こずつ のって います。りんごは ぜんぶで 何こ あるでしょう。」に対して、次のように考えます。  まずお皿を5枚、用意します。次に、りんごを、まず1個ずつ、それぞれのお皿に乗せます。2回目、3回目も同じように配っていけば、「さらが 5まい」で「1さらに りんごが 3こずつ」という状態になります。  皿にりんごを乗せていくと言うより、トランプで、カードを参加者に順に配っていくのを想像するのが、わかりやすいでしょう。  このようにして、5個ずつ3回なので5×3=15も、その文章題に対する正しい答えだとする解き方を、「トランプ配り」といいます。 注意点  トランプ配りは、正解とされる式(上の例では、3個ずつ5枚の皿なので、3×5=15)と比べて、かけられる数・かける数が入れ替わるだけでなく、それぞれの数量...
  • 用語:かけ算の順序
    「かけ算の順序」とは  かけ算の順序論争においては、「決まったかけ算の式だけ(例えば3×5)を正解とするか、それとも、かけられる数・かける数を交換した式(例えば3×5と5×3の両方)をともに正解とするか」を言います。  「掛け算の式の順序」や「掛け算順序固定」(「掛け算順序固定」問題対策本部)など、表記の揺れも見られます。  小学校のかけ算で「順序」というと、上とは異なる使われ方がなされています。  一つは、「計算の順序」です。結合法則(例えば、(2×3)×4=2×(3×4))や乗除先行(例えば、3+2×3≠(3+2)×3)と関連して、指導や出題の事例が見られます。実際、調布市立杉森小学校 平成18年10月24日の学習指導案は、乗法の結合法則の学習で、まとめには「かけ算はかける順番がかわっても、答えは変わらない。」とあります。  もう一つは、九九をどの段から学習するか、という話...
  • 用語:まとめて数える
    「まとめて数える」とは  例えば、●●●●●●●●とあるときに、丸がいくつあるかを数えるときに、●● ●● ●● ●●と区切って「2、4、6、8、全部で8個」と数えることを、「まとめて数える」といいます。  上の例では、2ずつで数えています。5ずつ、10ずつで数えるのも、実用的です。  まとめて数える活動は、かけ算を学習していく際の素地ともなります。 文献 学習指導要領では、第1学年に「具体物をまとめて数えたり等分したりし、それを整理して表す活動」(文献 算数解説2008 65頁)、第2学年に「同じ大きさの集まりにまとめて数えたり、分類して数えたりすること」(同 80頁)が書かれています。 文献 CCSSM 2010 19頁では、「かけ算の基礎として、等しい数のグループを取り扱う」(*1)、「2ずつ数える」(*2)として、2年で学習することとなっています。かけ算は、わり算ととも...
  • 用語:一つ分の大きさ
    「一つ分の大きさ」とは  かけ算の導入における、構成要素の一つです。もう一つの構成要素は「幾つ分」と書かれます。  「一つ分の大きさ」は、「基準量」や「1あたりの数(1あたり量)」と同一視されることもあります。小数の乗法の意味を学習する中で(乗法の意味の拡張)、「基準にする大きさ」へと読み替えられます。 構文と意味  かけ算の式にする際、一つ分の大きさをかけられる数、幾つ分をかける数とします。  「一つ分の大きさ」と「幾つ分」のペアは、ある場合(*1)でかけ算の式とする際の言葉であり、かけ算の「意味」に関わってきます。  それに対し「かけられる数(被乗数)」と「かける数(乗数)」のペアは、他の場面のかけ算の式でも使われます。長方形の面積のように、2つの因数に実質的な区別のない場合でも、「3×5」あるいは「5×3」と表す必要があり、「×」の左に書かれるのがかけられる数、右に書...
  • 用語:基準量が後に示された問題
    「基準量が後に示された問題」とは  かけ算の文章題で、幾つ分にあたる数が先、基準量にあたる数が後ろに書いたものを、「基準量が後に示された問題」といいます。  小学校の授業や学力調査では、数の出現の順序を逆にして、かけ算の式にしたものが正解とされます。出現順に書いたかけ算の式は、「問題に出てくる数を頭の中にいったん収めて,演算の決定に導くように問題の場を組織だてる力が欠けている」「かけ算の意味を正しく理解していない」とみなされます。 教科書の扱い  啓林館の教科書では2005年以前の教科書に記載されており(「おかしのはこが4つあります。1つのはこには,おかしが5こずつはいっています。みんなでなんこになるでしょう。」)、文献 木村2005では「かけられる数とかける数が入れ替わった文章題」としています。  2011年度の東京書籍の教科書 2年下 16頁では、「えんぴつを 1人に 2...
  • 文献:田中2008
    文献情報 田中耕治 教育評価, 岩波書店 (2008). http //www.amazon.co.jp/dp/4000280503 概要  子どもたちをネブミして勉強や発達をあきらめさせる道具から、質的に高い学力を保障し、教育実践への参加を促す装置へと転換しつつある「教育評価」について、その歴史を整理し、新しい考え方における評価の方法などを紹介する。(「はじめに」を参考にして作成) 作問法  158頁に、「4×8=32となるお話をつくってください.そして,そのお話を絵で描いてみましょう」を挙げ、これを「作問法」あるいは「算式法」の一例としています。作問法は、パフォーマンス評価の一種に位置づけられます。  同頁で、採点基準も記されており、とくに正比例型では「4」は一あたり量、「8」はいくつ分となるよう、「乗数と被乗数の意味が区別されているか」が要請されています。これを...
  • 文献:小島2005
    文献情報 小島宏 算数授業つまずきの原因と支援, 教育出版 (2005). http //www.amazon.co.jp/dp/4316801759 かけ算の最難問  46頁に、7×4で答えが求められる問題を3つ作る、という作問の出題があります。「3つ」について、「同じ数の集まりがいくつかある場合」「何個の何倍」「除法逆の乗法」を挙げ、場面や数を違えただけで同じ構造の問題を作った場合には、正答数は1として評価するとしています。複雑な文章題を解けても、この出題で3つとも丸になる子はなかなかいないように思います。 外部リンク どの本のどこを重視するのは人それぞれでいいのではないかと
  • 文献:Brown 1976
    文献情報 Brown, M. and Kuchemann, D. "Is It an Add , Miss? Part 1", Mathematics in School, Vol.5, No.5, pp.15-17 (1976). http //www.jstor.org/stable/30211617 Brown, M. and Kuchemann, D. "Is It an Add , Miss? Part 2", Mathematics in School, Vol.6, No.1, pp.9-10 (1977). http //www.jstor.org/stable/30211887 Brown, M. "Is It an Add , Miss? Part 3", Mathematics in School...
  • 文献:木村2005
    文献情報 木村重夫(編), TOSS向山型算数研究会 向山型算数授業法事典 小学2年, 明治図書出版 (2005). http //www.amazon.co.jp/dp/418569217X 啓林館教科書を用いたかけ算授業  60-79頁は「かけ算①」として、啓林館教科書を用いた授業案を記しています。 「かけられる数」と「かける数」の区別を重視し、最初はそれらを黒板の式に吹き出しに載せ、子どもたちにも書き写させます。 囲みで〈ポイント〉として、「5×8と8×5との区別をする」(69頁),「あとあと,2×8と8×2との区別をするためである」(73頁)と書き、「何このいくつぶん」を徹底しています。 76-77頁では、「おかしのはこが4つあります。1つのはこには,おかしが5こずつはいっています。みんなでなんこになるでしょう。」という教科書からの問題を取り上げ、「かけられる数とか...
  • 文献:中原2000
    文献情報 中原忠男 算数・数学科重要用語300の基礎知識, 明治図書出版 (2000). http //www.amazon.co.jp/dp/4185007183 外部リンク 算数・数学科重要用語300の基礎知識 Vergnaudと銀林氏の「かけ算の意味」
  • 文献:武藤2010
    文献情報 武藤徹, 三浦基弘(編著) 算数・数学用語辞典, 東京堂出版 (2010). http //www.amazon.co.jp/dp/4490107803 外部リンク 確率「1つ分」「1あたり」
  • 質問・回答集
    外部リンク 「×」から学んだこと 14.02 「×」から学んだこと 13.04新着情報 出題 用語 かけ算の意味・式の意味 教育 教育の外 文献 自分のこと トランプ配り 「×」から学んだこと・2012年秋冬モデル 2012年に「×」から学んだこと tから学んだこと2 tから学んだこと 「倍」と「積」から学んだこと その後「×」から学んだこと・毒編 その後「×」から学んだこと 「×」から学んだこと
  • 文献:日数教2009
    文献情報 日本数学教育学会出版部 算数教育指導用語辞典, 第四版, 教育出版 (2009). http //www.amazon.co.jp/dp/431680264X 版について  手持ちの本の奥付は次のようになっています。 昭和59年8月1日 初版 第1刷発行 平成4年7月1日 新訂版 第1刷発行 平成16年6月18日 第3版 第1刷発行 平成21年1月25日 第4版 第1刷発行 平成23年1月27日 第4版 第4刷発行  第四版は平成20年の学習指導要領改訂に基づいている(*1)ことが、「第四版刊行にあたって」で記されています。 外部リンク 書籍,論文,Webの情報 まとめ
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    このWikiについて  「かけ算の順序論争」を通じて知った情報、考えたことを、Wikiを使って整理しています。  管理者のみ編集可能です。暖かく見守ってくださいませ。 「かけ算の順序論争」の見解  見解に移動しました。 当面の予定  まずは「文献」「用語」を充実させます。  そして論争に関するQ Aも整備していく予定です。 外部リンク わさっき「×」から学んだこと 13.04(Q Aです。140項目ほどあります) 算数教育に関わる各団体は,かけ算の順序についてどのような見解を出していますか? かけ算の式と言葉の順序 メモ □×△と△×□,答えは同じだけど,意味は違う(2013年版) 算数教育・資料集 「×」から学ぶこと(世の中の事例が中心です) 管理者について  takehikomといいます。はてな・Twitterとも、このIDです。管理者紹介もご覧くださ...
  • 文献:中島1968b
    文献情報 中島健三 乗法の意味についての論争と問題点についての考察, 日本数学教育会誌, Vol.50, No.6, pp.74-77 (1968). http //ci.nii.ac.jp/naid/110003849391 乗法の意味の理解の糸口に  この文献は、「直積」「アレイ」「累加」「拡張」などの重要な用語を簡潔に解説しているほか、海外事情や数学教育の現代化運動を踏まえて、日本のかけ算の指導の考え方を明快に示しています。そこで書かれている拡張の考え方は、文献 日数教2011 74-75頁の、まとめとなる記述にも引き継がれています。  当時の状況を把握するとともに、現在の指導と比較するのに最適な文献であり、小学校のかけ算に関心のある多くの人に読まれることを希望しています。 外部リンク 乗法の意味についての論争と問題点についての考察 1968年の「被乗数×乗数」
  • 文献:Vergnaud 1983
    文献情報 Vergnaud, G. "Multiplicative Structures", Acquisition of mathematics concepts and processes, Academic Press, pp.127-174 (1983). http //www.amazon.co.jp/dp/012444220X 乗法の構造  前半はPreliminary Analysisとして、著者の経験に基づく3つの乗法の構造、具体的には(a) isomorphism of measures、(b) product of measures、(c) multiple proportionの考え方や問題例が詳しく述べられています。(a)の中で、スカラー関係に基づく乗法(用語 倍)と、関数関係に基づく乗法が書かれています。(b)は面積や直積に関するも...
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