新生人工言語論内検索 / 「表意文字の思い出」で検索した結果

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  • 表意文字の思い出
    表意文字を作ったことがありますが、大変でした。 基本字で2000字強作りましたが、覚えるのも作るのも面倒でした。 フォント作りが難しいのも欠点です。2000字もフォントを作ったら、それだけで何ヶ月もかかると思います。 学習においても漢字と同じで時間が取られます。それに、辞書作るときもどの字から載せていいか迷います。 ところで、言語には「読み・書き・喋り・聞き」という4つの技能があります。 以下では、これら4つの観点で、表意文字と表音文字を比べてみましょう。 まず読み。 アルファベットより漢字のほうが難しいです。文字数が多いので。 つまり、表意のほうが表音より読みづらいです。 ただ、一度覚えてしまえば文書を速読しやすいという利点があります。 次に書き。 皆さんも子どのもの頃は漢字の書き取りで苦労したと思います。 表意文字は書きが難しいですよね。...
  • 回顧録
    ...単語を作ってみる 表意文字の思い出 英英と英和、どっちを先に作るべき? 最小対語の処理法 人工言語で感情を起こせる? ピクトグラム 人名について 語の音が卑語に似た場合 高級語の命名法 人工言語は簡単か 自然物以外の高級語 ゼロから語彙を作るには 人工言語の素質と経験 エスペラントとアルカ エスペラントの声 言語に優劣の差ってあるの? 人工言語とRPGツクール
  • 黎明期(3)
    ところで、表音文字と表意文字では概して表意文字のほうが人工言語に与える背景が広範で深淵なようである。言い換えれば人工文字に与える影響が大きい。ハングルの血の歴史や神代文字の民族意識を見ても頷けることだが、なぜ表意文字のほうが人工文字に大きな影響を与えると示唆されるのであろうか。こう書くと西洋の血の歴史を気が滅入るほどご指摘いただきそうだが、それは無論踏まえての上である。 背景が後半で深淵という仮説の原因は民族性の違いでもないし、東西文化の違いでもない。表意文字は表音文字に比べて文字の象徴性が強い。また、文字数が多く字形が複雑で習得が難しい。これらが大きく関わっている。 ハングルが起こった理由を思い出してほしい。そもそも漢字が難しくなかったらハングルの必要性は無かった。中国が20程度からなる表音文字を用いていて、朝鮮語と似たような音韻体系を持っていたら、ハングルは決して生まれ...
  • 文字
    文字 漢字のような表意文字と、アルファベットのような表音文字があります。 音と表意のどちらも長短があります。 表音のほうが言うまでもなく学習が便利です。 また、PCを使った入力も楽です。表意だとキーボードのキーが足りないので、どうしても入力ソフトを作るか使うはめになります。日本語もIMEを使いますよね。 表音の場合、26字以内ならアルファベットで打てますし、アルファベットで転写もできます。 表音は辞書を作成する際にも楽ですし、使う際も楽です。 表意だと部首や画数など、字の性質ごとに分類しなければならないし、辞書を引くときもその分類に沿って引かなければなりません。 漢和辞典はまず部首索引などを見なければなりませんが、表音の場合、読みさえ知っていればすぐに目的のページへ指を進められます。 ただ、表意は覚えてしまえば速読がしやすく、一文字当たりの情報量が多いため、...
  • ピクトグラム
    ピクトグラムとは絵文字のことで、表意文字より意味合いが若干広いです。 一般に漢字は表文字ですが、落石注意の標識は表意文字ではなくピクトグラムです。 ピクトグラムという点で人工言語を見ると、地球語やLoCoSなどが挙げられます。 LoCoSの場合、基本的に文字は左から右に進みますが、副詞は動詞の「上」に来ます。形容詞は名詞の「下」に来ます。つまり、文字の位置によって品詞が決まります。 この発想は非常に面白いです。ただ、こういう構成の文が自然言語に無いということを考えると、これは人間の自然な認知に背くと考えられます。 文あるいは句をひとつのまとまったゲシュタルトとして認知しづらいのが問題です。 一方、この問題を解決しているのが地球語で、重ね文字という方法を使っています。 文字を重ねて新たな単語を作ります。漢字と同じく象形・会意・指示をきちんと表すことが可能です。 漢...
  • 黎明期(2)
    今度は目を西洋に向けてみる。西洋を支配してきた文字はアルファベットである。表意文字である漢字が政治的・社会的・経済的・思想的・宗教的な影響を東洋に与え、人工文字へ至らしめたのと同じく、表音文字であるアルファベットは西洋の人工文字に影響を与えた。表音か表意かという違いが西洋の人工文字の運命を大きく左右することになる。ではまず自然言語に使われる表音文字アルファベットとはどのようなものであるか。 そもそもアルファベットはフェニキア文字に遡ることができる。更に原初は表音文字でなく表意文字であった。それは象形文字であり、牛の頭や家などを指していた。やがて表音文字として使われるようになり、長い年月を経て現在のアルファベットに至る。フェニキア文字には子音しかなく、母音を加えたのはギリシャ人である。現在最も広範に使われるラテンアルファベットの祖語は音韻と照らし合わせるとこのギリシャ文字であると考え...
  • 文字論
    普遍文字時代にはヒエログリフや漢字を始め、表意文字やその他ピクトグラムがもてはやされた。母語によって読みが異なろうとも同じものを表しているので異言語話者の間でも伝わる共通の書字として捉えられたからである。しかし漢字などの自然文字が理想的な手段ではないことが明らかになると、今度は真正文字を自分達で作り出した。その集大成は恐らくウィルキンズのものであろう。 しかし実用面で考えればあまりに合理的で論理的すぎる彼の案は使い勝手が悪く、実効性が無かった。漢字が煩雑で無駄が多く複雑だが、その反面少し崩しても意味が伝わる。それゆえ草書なども可能である。ところがそのような性質は余剰なのでそういった余剰を切り取ってしまえば最も便利なものができるではないかと考えるものがいる。だがその選択ではウィルキンズと同じ道を辿る。彼らはひとつ重要なことを見落としている。漢字の煩雑さはある意味バッファであり、ある意...
  • 音について
    音について 音素 まず、音素を選びましょう。 文字や文法から作る人もいますが、音から作るとやりやすいです。 表音文字を使う場合、音が決まらないと単語が作れません。 表意文字の場合、音が決まらないと文字に名前を付けられず、文字リストの管理が難しくなります。 なので、音素から選びましょう。 音素の選択ですが、まず子音と母音に分けるべきでしょう。 子音のほうが多いのが一般的です。音素数は20前後が一般的です。 ロトカス語のように音素が非常に少ない言語は一見学習しやすそうなイメージがありますが、こういう言語は単語が長くになりがちで、実用に不向きです。 なお、中国語のような声調言語の場合、音素数は一般に少なくなります。 ではどの音素を選ぶかですが、人間がよく使う音素を選ぶといいでしょう。 例えばp, t, k という音はよく使われる音です。逆に日本語のラ行とか、...
  • 黎明期(1)
    人工言語は言語の一種であるから音韻・文法・語彙・文字・非言語を持っている。ただ自然言語に文字を欠くものがあるように、これらの要素が全て揃っているとは限らない。これらの要素を全て持っていれば申し分ないが、実際には一部を欠くことがある。 現在使われている自然言語のうち「音韻はないが文法はある」などといったものは考えられないが、人工言語の場合どの要素が欠けてもよい。たとえば話すことを一切考慮せず、文字と語彙と文法しか決めない言語も考えられる。このような言語は決して絵空事ではない。文字と語彙と文法だけを決め、単語に音価を当てない。音価がなければ音韻を定める必要もない。では読むときはどう読めばいいのか。読み手のそれぞれの母語で読めばよい。この手の人工言語は4世紀も前から存在していた。そしてそれは必ず表意文字か語意を表す数字を持っていた。音韻がない以上、表音文字にはできないからである。 ...
  • まとめ
    まとめ 実用を目的とする場合… 風土 地球のどこかを参照するか、自作すると深みが増す。 文化 こちらも借り物でよいが、自作すると深みが増す。 音素 類型論などを参考に、p, t, k など人間がよく使う音を選ぶ。 アクセント 拘束だと覚えやすくなる反面、同音異義語を区別できない。 逆に、自由だと同音異義語を区別できる反面、拘束より覚えにくくなる。一長一短。 声調 音節数を最小限に節約できるかわりに、外来語の音訳がしづらくなる。 音節構造 CV(子音+母音)だけでは少なく、特に外来語などの音訳に困るので、CVCを中心に考えるとよい。 文字 一長一短であるが、特に「話す」を考慮した場合、表音文字のほうが断然よい。 なお、表音・表意に関わらず、スペーシング(語と語の間に空白を入れる)があるとより分かりや...
  • 普遍言語へ至る背景
    原初の人工言語は暗号で、約4000年前に遡ることができる。暗号としての用途は国家規模から個人の日記に至るまで、広く使われてきた。また暗号ではなく言語改革として人工文字が作られることもあった。その場合しばしば文字は歴史的背景を背負うこととなった。神代文字のように現代でも民族意識を背景に論じられているものもある。それを考えると文字という要素は人工言語において最も長く論じられてきたものといえる。 では文字以外に視点を向けてみるとどうなるか。そもそも人工言語は自然言語と同じく言語の一種であるから、音韻や語彙や文法を持ったものが本来的である。そういう視点で人工言語を見ると最古の人工言語は12世紀に見ることができる。尤もこれは現存している文献から見たものにすぎないため、人類の歴史ではそれより前に人工言語が作られていた可能性が十分考えられる。 最古の人工言語と目されているのはビンゲンのヒ...
  • 普及型
    人工言語類型のひとつ。普及を目的とする。 20世紀までの人工言語において最も一般的な類型。エスペラントはこれに含まれる。 普及の段階は以下のとおり。 1 地球上の人間にあまねく広める 2 英語のような国際語にする 3 英語などが通じない相手に、補助として使う。すなわち国際補助語にする 4 広域集団に広める 5 小集団に広める このうち1は非現実的で、通常は2か3を目標とする。 言語の普及は政治力・経済力・戦力・人口に依存するため、実際は5しか実現しない。 5以外を目標とする普及型は失敗する。 なお、体制や宗教が人工言語を普及させた場合、かなり広域に広めることができ、4が実現する。 ヘブライ語、ハングル(文字のみ)などがこの例である。
  • レトルト人工言語
    「小説やゲームやマンガに臨場感を与えるために人工言語や架空言語を作りたい。でも、言語学や語学の知識がないと作れないの?」 ――そんなことはありません!専門知識がなくても言語を作ることはできます。ここではその実例を紹介します。 『Final Fantasy X 』アルベド語 これは日本語を改造したものです。「オヤジ」は「トタギ」といいます。ア行→タ行、ヤ行→タ行、ザ行→ガ行にしているだけです。 仮名を規則的に入れ替えているだけで、最も簡単な人工言語です。 単語も文法も文字も音も全部日本語ですから短い時間で作れます。 発音も完全に日本語ですし、労力は最小限で済みます。 『Tales of Eternia 』メルニクス語 メルニクス語はメルディというキャラクターの言葉で、英語を改造したものです。 アルファベットのAからZまでの26文字に、それぞれ仮名1文字を充てていま...
  • 管理人
    セレン=アルバザード 新生人工言語論の著者、ならびに人工言語アルカの作者。 日本とフランスの混血児(ほぼ日本人)。国籍も日本。 セレン=アルバザードはアルカでの名前。 略歴 1991年に現在の古アルカに当たるものと出会い、人工言語に携わるようになる。 2001年に現在の制アルカに当たるものを制作しはじめる。 2008年に新生アルカを制作しはじめる。 現在は新生アルカを鋭意制作中。 好きなもの ねこ:家に二匹。最近、犬も飼いたいような……。 絵:世界堂で半日潰せる人。新古典主義が特に。ルーブルで見たアングルの「アンジェリカを救うルッジェーロ」が何とも言えず。 本:ジュンク堂で一日潰せる人。以前は言語学をよく読んでいたが、最近は文字の少ない写真や絵の本をよく買う。 自転車:クロスバイクで埼玉から京都まで行ってみたことがある。意外とお金がか...
  • 普遍言語
    フランシス=ロドウィック。17世紀に人工言語を作成。主な資料は『共通の文字』A Common Writing(1647)など。 ロドウィックで最も取り上げるべきことは語根が名詞からではなく行為から作られるという点である。 to drinkを表す語根記号が根底にあり、その字に付加記号を付けることによって名詞や形容詞などを派生させる。簡単にいえば多くの言語が名詞ありきであるのに対し、ロドウィックは動詞ありきである。たとえば「飲む」をδで表すとし、動作主を¬のような記号で表す。したがってδ=「飲む」であり、δ¬=「飲む人(drinker)」となる。¬以外の記号も存在し、それをδに付けることによって今度は「酔っ払い」や「居酒屋」などを派生することができる。酔っ払いは「δ+性質記号」、居酒屋は「δ+場所記号」で示される。 文字は先験要素も持った後験文字である。飲むという記号がδのよう...
  • 自文化の排他
    特定の文化の影響下で育った者が自文化の影響を完全に排するのは事実上不可能です。 そういう意味で人工言語を完全にアプリオリな形で作るのは不可能です。 赤ん坊が文化を作るわけではないから、どこかしらに自分の人生経験が出てきてしまう。 ただ、それで悲観的になるのは早計で、理性や知識で限りなくアプリオリに作ることはできます。 では具体的にどれくらいの知識がいるか。どれくらい細かく文化を意識するものなのか。 たとえば文字の書記法は文化・風土更には人間の身体の造りから影響を受けています。 日本語はかつて巻物を使っていたのでは右から左に書いていました。右手で書くと、左手で捲ることになる。そうすると右から左に字が進むのが合理的です。 羊皮紙やパピルスを産出する風土では違った書記法が生まれたことでしょう。 時計の周りはなぜ右回りでしょう。日時計の周りに合わせたからです。 同時に...
  • 普遍言語の成果
    ところで16, 7世紀の普遍言語論争時代には様々な普及型言語が作られたが、実際それは役を果たしたのだろうか。比較的成功したのはウィルキンズであろう。彼は存命中からそれなりの大きさのコミュニティを形成していたし、ダルガーノらに比べてより精巧な分類表を作るに至っている。更に自身の死後もその仕事が継承されている。分類や分析を素地とした哲学的言語として隆盛を極めたのはウィルキンズであろう。 しかしそのウィルキンズの文字でさえ書きにくい、読みづらい、覚えづらい、間違えやすいなどの批判が相次いぎ、共通語として日の目を見ることはなかった。 こういう大きな目論見が敗れた結果、悲観的になった社会の関心は薄れていった。更に17世紀の終わりごろはフランス語が西洋に普及したため、個々の土着語による混乱をなくすという目標が減じてしまった。それゆえ共通語に対する意識自体が薄まっていた。ウィルキンズのよ...
  • 架空言語・空想言語
    ●まず架空言語の実例をご覧ください。 人工言語アルカ ウィルキンズのような人文系の百科全書的な人工言語がある一方で、ライプニッツのような理数系のコンピュータ的な人工言語が存在した。いずれにせよ哲学的言語であり、普遍言語である。この区別でも厄介なのにましてもってアダムの言語という神秘主義が加わる。しかも全員がアダムの言語を夢想するというのであれば話は早いのだが、事情は入り組んでいて、人によってはそのような神秘主義を否定していた。人工言語学上の分類としては数学的か百科全書的かといったような言語の構造については注目すべきである。一方アダムの言語が意図されたかどうかは動機にすぎないので、致命的に重要というほどではない。勿論動機を知ることでなぜそのような言語に至ったのかを知ることができ、その意味では重要であることを加えておく。 ところで当時はウィルキンズらのような普及型の人...
  • 使い方
    ○検索方法 サイト内検索ができます。 「人工言語」と引くと、そのキーワードを含んだページが表示されます。とても便利な機能です。 画面左側には常に「メニュー」が表示されています。 「メニュー」の下に、「検索」とありますね。 ここに調べたいキーワードを入れて「検索する」を押してください。 キーワードを含んだページがリストアップされます。 ○リンクについて 文中に下線部の引いた文字が出てくると思います。 文字は青か紫になっています。 それはリンクです。マウスを合わせてクリックすると、そのぺージに移動します。 .
  • 人工言語の素質と経験
    自分で最初に作ったのは中学生のころでした。10歳のときに携わったので、必然だったかもしれません。 最初は仮名を絵文字に当てはめた暗号でした。まだ人工言語とは言えないですね。 高校のころ感じたことですが、人工言語って自分で思いつく場合、中高生が多い気がします。 中高生は思春期で、急激に言語の能力が上がるころです。ちょうど語学の臨界期を過ぎるころですね。 中高生になってラジオや歌番組にハマった人っていませんか? 私はそうでした。あのころって、妙に言語に耳ざとくなるんです。 おっさんになると歌番組って急激に聞かなくなりますよねw あと、言語に神経質になります。 私の場合―― 「人一倍っておかしくないか?二倍じゃないのか」 「絶対とか全然とか最低って、論理的におかしい。そんなやすやすと最下位のものに遭遇するわけがないし、100%の事態に遭遇するわけない」...
  • 作り方の流れ
    作り方の流れ この流れに沿っていけば、迷わずに言語を作ることができます。 なお、ここで紹介している以外のフローでも、問題はありません。 1 作りたい言語の型を決める みんなに広めたいなら普及型、小説に使うなら演出型、秘密の日記を書きたいなら暗号型など、目的に合った言語作りをしましょう。 そのためにはまず、自分の作りたい言語の型が何かを決めましょう。 「どのタイプがやりたいか自分でもわからないよ」という方のために判定チャートを作りましたので、遊び感覚でお気軽にどうぞ→自分に合った人工言語は? なお、言語を作るときは頭の中で考えるにせよ紙に書くにせよ日本語を使うと思いますが、それで構いません。 英語だと後々広めるときに便利ですが、母語で作成した方がやりやすいです。 また、資料はパソコンで作成しましょう。修正も配布も容易です。 2 音、文字、文法など、...
  • 文法
    文法 文法は言語のシステムの中で最も組み立て感が得られるためか、人気のある分野です。 作成者の多くは文法システムを作るのが好きなようで、未完成の言語でも文法はそれなりにできていたりします。 語順 まず始めに決めるのは語順だと思います。語順はメジャーなものを選んでおけば無難でしょう。 一番世に多いのはSOVで、次に多いのはSVOです。このどちらかを選んでおけば問題ありません。もちろん、VSOでも大丈夫です。 類型論的に見て 文法に関しては皆さん腕をふるいたいところでしょうからあまりうるさいことは言いませんが、いくつか注意点はあります。 まず、類型論的に見て、屈折語や抱合語は避けたほうがいいでしょう。 文中の単語が辞書形でないことが多く、活用語が一々辞書に収録されないからです。 フランス語のJe t aime では aimer を引かねばなりません。t や ...
  • はじめに
    はじめに ここではレトルト人工言語より詳しく、言語を作る方法を紹介しています。 レトルトに比べて人工言語らしさもアップしています。 ただし、本格的に言語を作るなら、もっと深く広い考察が必要です。 まずは簡単な人工言語の作り方について見ていきましょう。 簡単といっても、ここで挙げる手法は今後の人工言語作りに関与することなので重要です。 一番始めに、どのような言語を作るのか的を絞りましょう。 言語は実用するためのものと、研究や遊戯として作るものがあります。 後者の場合はどのようなシステムにしても良いので、作り方の説明は要りません。 好きな文法を当てはめ、現実にない文法を作り、複雑怪奇な文字を作り、人間がまず使用しないような音素を選んで言語を作る。 それもまた一興でしょう。作り方は自由で良いと思います。 また、実用を考えない研究用言語の作成は選択肢...
  • 文化論
    (注)後述の新生人工言語とは文化を定めた言語程度の意味です。 通時論で見たように歴史的にはそれぞれの文化を反映する人工言語というものは無かった。細かく見ればダルガーノのように同じ対象を別の名で命名しわけることもできる言語もあったが、元々異文化を広く表せるように設計されたというわけではない。その原因は西洋人の世界観にある。普遍言語時代にせよ国際語時代にせよ西洋で起こった運動である。確かにこのころ既に西洋人の世界観は地球規模まで広がっていた。西洋とアラブとアフリカしか知らなかったような時代ではない。しかしそれでも文明の中心は西洋にあった上、人工言語の運動が西洋で起こったともなれば、人工言語が西洋中心に作られることは当然であろう。 ところで前述したとおり言語と文化と風土は不可分である。不可分であるといってもイギリスで発生した言語をオーストラリアで使えないという意味ではない。言語は...
  • 言語作成ツール
    ●人工言語制作依頼  人工言語・架空言語の制作依頼を受注しています。  20年以上の経験を持つ人材が、無料でどのような種類の言語も制作致します。こちらのページからご連絡ください。 ●言語作成ツール 言語を作成する際の支援ツールがあります。 この中のいくつかは筆者も使っています。 レトルト人工言語のソフト層ユーザーにはLangMaker。 自作の言語が世界のどの自然言語に似ているかを判断してくれるLanguage Identifier。 これはちょっとお遊び感覚ですが、本来は謎言語を判定するためのものですから、このような使用法はお楽しみということで。 自言語の辞書を作るならPDIC。 英辞郎で有名な辞書ツールです。フォントを自由に設定できるので、自言語の文字を搭載したフォントを表示することができます。 単語はほぼ無限に登録できます。検...
  • 言語に優劣の差ってあるの?
    故千野栄一は言語に優劣は無いと強く主張していました。 彼は学問的というよりも主観的・感情的に主張していた節があります。 一般的な言語学者と同じく、私は言語に優劣はないと考えます。優劣の基準が決められないからです。 たとえば合理的か非合理的かということに話を限定したとしましょう。それなら確かに合理的なほうが優れているように見えます。 「見る」という動詞が異様に長い語形だったら大変だし、逆に短すぎても聞き取れないでしょう。バランスの取れた簡潔さが良いわけです。 そういう意味ではバランスの取れた合理的な言語というのは存在するのでしょう。 名詞に性別があることでフランス語はその煩雑さに見合うだけの特別な情報を伝えているとは思えません。 名詞の性別は労力に対して情報量が見合っていないのです。その点で非合理的といえ、劣っているといえるでしょう。 実際人工言語を作る人は名詞に...
  • エスペラントとアルカ
    エスペラントとアルカの両方をやってみることを勧めます。とりわけ言語の作成者に強く勧めます。エスペラントとアルカは人工言語学的に対極にあるからです。 両極端を学ぶことで、あらゆる種類の人工言語に対して順応しやすくなると考えています。作成者はもちろん、学習者にとっても有益です。 エスペラントとアルカをちょっと比べてみましょう。 エスペラント アルカ 文字 アルファベット(字上符あり)28字 幻字(独自のもの)25字 音韻 母音5・子音23 母音5・子音20 曲用or活用 有 無 数 有 無 その他―― 音節構造:ともに開閉両方有・子音連続有 語順:ともにSVO。但し修飾はエスペラントは前置、アルカは後置 1字が1音韻に対応している点では同じ。 チャ行などの音が1文字になっている点がエスペラントでは特徴的。 共通点もあれば差異もありといったところですかね。 エスペ...
  • 作り方
    人工言語の作り方を紹介しています。 はじめに 音について 文字 文法 語彙 作り方の流れ 自分に合った人工言語は? 言語作成ツール まとめ .
  • 人工言語学
    学問としての人工言語を論じています。非情に専門性の高い表現が出てきます。語調は論文体で統一しています。 人工言語の定義 人工言語と言語学 人工言語の類義語 人為性による人工言語の分類 先験と後験による分類 目的による分類 比較言語学的分類 類型的分類 黎明期(1) 黎明期(2) 黎明期(3) 普遍言語へ至る背景 普遍言語 架空言語・空想言語 普遍言語の成果 国際語・国際補助語 グローバル社会の人工言語 音韻論・音声 形態論・統語論 意味論 文字論 文化論 .
  • 英英と英和、どっちを先に作るべき?
    辞書を作るとき、いわゆる英和か英英のどちらを先に作るかという問題があります。 ですが、始めは異言語で定義したほうが良いと思います。まだ出来上がっていない人工言語をその人工言語で定義するのは極めて困難ですから。 辞書は大抵言語を作りながら作ります。でないとまず作者も覚えきれません。なので、定義言語をその人工言語にするのは後回しにするほうが良いと思います。 ただ、定義言語を自然言語にすると、人工言語との間で意味のずれが起こります。それについてどう対処すべきでしょうか。 例えば私たちの場合、日本語か英語で辞書を書くでしょう。 そうすると、どうやって日本語や英語の影響に侵されないようにするか考える必要が出てくるわけです。 日本語なら日本人の身になって、日本語と人工言語の違いを書くのがいいと思います。 手がlasという語だとすると、日本語の「手」はときに「腕」にもなるので、...
  • 人名について
    人名は固有名詞で、これも扱いにくい分野です。 地名以上にアイデンティティを示すので、扱いも慎重にならざるをえません。 特に普及型だと名前については困るでしょう。 ある人の名前がその人工言語では偶々悪い意味の言葉だったりしたら困ります。 「健太」という名前の人がいて、ある人工言語でkentaは「バカ」という意味だとしたら、凄く嫌な感じじゃないですか。 だから普及語では特にその点に気を付けたいんですが、実際それを言い始めると、いつまでたっても始まりません。 少なくとも悪い意味の語は作れなくなってしまいます。 人名に関しては本人の名前をそのまま尊重するのがいいでしょう。 ただ、相手の母語の音韻体系と同一ではないので、自言語の音韻体系に置き換える必要があります。 置き換えた結果、人工言語で悪い意味を表わす名前になってしまった場合、その人工言語での新たな名前...
  • 類型的分類
    フンボルトらの分類によると言語は類型によって膠着語・屈折語・孤立語・抱合語に分けることができる。ただし、言語はふつう綺麗に分類されることはない。英語は屈折語といわれるが、"Mary loves John."における格表示は孤立語的手段で表される。「完全な~語」というものはおよそ稀で、ある部分では膠着語だがある部分では屈折語といったように組み合わせられるのが通常である。それでもこの分類は有用で、ある言語が最も強く持つ性質が屈折語であれば、少し膠着語要素が混じっていても屈折語と分類してよい。人工言語についても同様で、これらの類型的分類が存在する。また自然言語と同じく複数の性質を同時に持つ。 エスペラント以降の人工言語は自然言語に比べ、膠着語を好み、抱合語や屈折語を選ばない傾向にある。エスペラントは西洋語からできているが、英語やフランス語やラテン語に比べると膠着の度合...
  • 人工言語事典
    言語学では人工言語を扱うことがないため、言語学の術語(用語)は必ずしも人工言語用に適していません。 そこで、独自に人工言語事典を作りました。 「副詞」や「時制」などといった基本的な術語は言語学のものを使っています。 コンセプトとしては、「特に問題なければ言語学のものを使い、適宜オリジナルの術語を設ける」というスタンスです。 副詞など、言語学にあるものはここで言語学的な解説しても仕方ないので、人工言語における副詞の記述を施しました。 副詞とはそもそも何かということについては専門書やウィキペディアなどをご参考にされるとよいかと思われます。 また、純粋な術語だけでなく、語形を長くしないで効率をよくする方法というような読み物も項として扱いました。 そのため、辞典ではなく事典としました。人工言語事典の記事は「だ・である体」です。 説明中で用いている言語は主に日...
  • 人工文化と人工風土
    人工文化と人工風土 前項を読んだ方は、こう思っているんじゃないでしょうか。 「言語には文化と風土が必要なのだから、人工言語には人工文化と人工風土が必要といいたいのか?」 それは違います。別に文化を作らなくてもOKです。 前項のエスペラントの問題は、たんにあれが普及型だから起こるものです。 演出型などであれば、特定の文化を参照したって批判は受けませんよね。 小説で使う言語であって世界語にするつもりがないのですから、別に西洋文化を参照しても問題はありません。 (もしそれでも批判を受けるとしたら、「小説の舞台が異世界なのに、なんでヨーロッパを真似るんだ」という類のものだと思います) もし言語作者が文化と風土を設定しなかった場合、自動的に作者の住んでいる場所や知っている場所の文化や風土が設定されます。 まぁ、そりゃそうですよね。僕らが何も知らずにいきなり人工言語を作...
  • 音韻論・音声
    人工言語学で音声学を立てる必要性はない。調音・音響・聴覚音声学ともに自然言語学のそれと共通するからである。というのも結局のところ人工言語も人間が話すものだからである。尤も架空言語などの演出型において異星人の言語を考察する場合は現在の調音音声学は役に立たない。彼らの口腔や鼻腔や舌といった調音器官が人間とは異なるためである。たとえば唇がなければ両唇音は出せないし、口蓋が物凄く長ければ硬口蓋・軟口蓋といった程度の大雑把な分け方では不十分であろう。舌が2枚あればそり舌音を出しながら歯茎閉鎖音を作ることも可能である。しかし異星人の調音器官のパターンなどいくらでも考えられるためひとつずつ考察していてはきりがない。その上、結局異星人の調音器官を持たない我々がその言語を使うことはできないのだから極めて実践的ではない。 余談だが、テレビなどのバラエティで火星語なり金星語なりを喋る男(なぜか男。霊媒的...
  • 国際語・国際補助語
    しかし19世紀になっても哲学的言語は死滅したわけではない。往年の力は失っているものの、夢想者は後を絶たない。ジャック=ド=ヴィスムは19世紀初頭に音楽的要素を帯びた言語を作る。アルファベットを21字使って21の音を表す。そしてこれは五線譜の上に書かれる。 21音でどうやって21概念以上を作るのかというと、和音を用いる。 Cのような3和音(ドミソ)からなるコードでも21の3乗分の組み合わせがある(重複は除く)ため、相当数表現できることになる。確かに自然言語で賄っている単語の数くらいは用意に賄えるだろう。 こういった音楽言語は他にもあり、むしろフランソワ=スードルのソレソ或いはソルレソルのほうが有名だろう。これは1827年に考案され、1855年のパリ万博で1万フランの賞金を得ている。 ソトス=オチャンド『普遍言語の計画案』(1855)も17世紀の亡霊で、経験主義な分類によって概...
  • 人工言語のこれから
    人工言語のこれから 2008年にアメリカが経済的に大打撃を受けました。 もしこれを期にアメリカが潰れれば、歴史は非情にも英語を切り捨てます。 英語はゆっくりと現在のフランス語の地位に落ち着いていくでしょう。 代わりに中国語が共通語になるでしょうか?しばらくはなりません。 中国はかつての植民地時代に植民地を持たなかったので、英語やフランス語ほど世界に広まっていないためです。 従って、共通語のない時代に戻ります。(アメリカが潰れたらの話ですよ) そうなれば、人工言語は返り咲きます。常に栄枯盛衰の繰り返しです。 今度は「ヨーロッパ+アジア」すなわち「ユーラシア」の共通語が求められるでしょう。 アメリカ人はもともとヨーロッパ人ですから、ヨーロッパに含めています。 しかしこれが前途多難です。 アジアとヨーロッパは文化があまりにも異なるからです。 カトリック...
  • 比較言語学的分類
    英語は印欧語族ゲルマン語派に属する。同じ語派にはドイツ語、オランダ語のほか、ゴート語などが含まれる。これらは互いに同系或いは姉妹語と呼ばれる。姉妹語であるかどうかの判断は比較言語学の分析に基づき、主たる資料は文献に残された文字である。利用可能な文献の量と質によって比較言語学の分析の性能が左右される。印欧語は文献量が豊富であるために系統が比較的明瞭であるが、日本語や韓国語(朝鮮語)のように系統が不明なものは数多い。日本語は奈良時代以前の文献が古く、その前は中国の文献で間接的に知るより他はない。 人工言語学で比較言語学の分析を行う場合、流用の程度を尺度として使って推し量る。ある人工言語Lの持つ統語論・音韻論・文字・形態論・語彙を主な分析対象とする。自然言語NとLを比較した結果、類似していればしているほど、流用の程度は高い。流用の程度が高い場合、NはLの参照言語であるといえる。 ...
  • 人工文化による警鐘
    ほとんどの人工言語作成者は人工言語だけを作っています。 ですが、言語というのは文化のひとつです。よく言語文化と言われるので横並びと考えられがちですが、その民族の絵画や建築技術などと同じく文化のひとつです。 文化は言語を包みます。風土と並んで言語の土台となります。 『エスペラントの話』三宅(昭51 大学書林)のp13によれば、「人間種族の平和と幸福とをもたらすためには、公平な共通語を持たなければならない」とあります。 ですがザメンホフは語彙の源泉に西洋語を選びました。文化は事実上西洋のものを拝借しています。 これは本当に公平でしょうか。公平でないとどういうことが話者間で定められなくなるのか、ちょっと言語の作成者に聞いてみましょう。 1 貴方の言語で太陽は何色ですか? 2 貴方の言語で虹は何色ですか? 3 貴方の言語で牛と米を表わす単純語はいくつありますか? ...
  • 人工言語は簡単か
    結論からいうと、人工言語は意外に難しいです。構造自体が簡単でも学習が難しいからです。 言語が簡単というのは、文法システムや音韻システムの面だけではありません。 人工言語にもコロケーションや語法があり、結局は個々に覚えねばなりません。 語学というのは要するに壮大な慣れです。 検定でも3級くらいなら言語の仕組みを掴みやすい人は簡単に取れます。 でもそれ以上は反復練習の賜物なので、良い教材を集中して複数回繰り返す作業に落ち着きます。 人工言語をやっていて思ったのは、教材が少ないということです。全て自作ですからね。 CDブックも自作ですし、DVD映画作成は絶望的ですし、その上辞書や小説や歌謡曲まで作るというのは大変過ぎます。 英語などの自然言語に比べて圧倒的に教材となる資料が少ないのが難点です。また、留学先が存在しないこともネックです。 つまり、言語そのも...
  • 新語の補充と普及
    新語の補充と普及について。 結論を先に言いますと、これに関しては人工言語は面白いくらい自然言語と同じです。 私も人工言語を作った当初はこの点でかなり気張りました。なにせ人工言語は計画言語ですから、作った後の行方まできちんと計画しなければと……。 ですが案ずるより産むが易しといいますか、できてみるとこれが意外と自然言語のように振舞うものなのです。 まず、新語の補充ですが、これは造語法をきちんと作っておけば問題ないです。作者だけしか理解できないシステムでなく、話者なら自然と造語できるようなシステムです。 具体例をいうと、エスペラントなどはこのシステムを持っています。 また、そのシステムの具体的な内容ですが、語根を中心とした派生語か複合語を利用するのが一番理解しやすいです。 要するに日本語や中国語やドイツ語の類であって、英語のように高級語はラテン語やギリシャ語から取るというの...
  • エスペラントの声
    人工言語で最も文献が豊富なのはエスペラントですが、流石に声の出し方までは決めていないようです。 諸本にはエスペラントはイタリア語のような響きと書いてあります。 CDブックが一般化するまで、エスペラントの実演を聞くのはラジオなどを除いて難しかったのではないでしょうか。 小林司(2006)『4時間で覚える地球語エスペラント』白水社 これにはエスペラントの実演がCDで収録されています。便利な世の中になりました。 吹き込んでいるのは2人ですが、名前からして少なくとも片方は日系人か外国人妻のようです。 エスペラントは発声法まで指示しなかったので、CDは白人ボイスです。 イタリア語か復刻ラテン語を聞いているようです。吹込みが日本人なら日本人ボイスになると思います。 CDの発音を聞く限り、強弱アクセントです。弱い部分はシュワー化しています。 この吹き込み者は偶に清濁...
  • 演出型のこれから
    演出型のこれから 演出型は物語の架空言語として登場し、物語に不思議さやリアリティを添えます。 異世界人が独自の言語で話していたほうが異世界っぽいですし、リアリティを感じます。異世界なのに英語が通じるのはおかしいわけです。 アリスのような児童文学ではご都合主義でもいいわけですが、リアルなファンタジーを考えていくと、どうしてもそこに住む人々の文化や言語が必要になってきます。 とはいえ、ほとんどの読者は細かい設定を気にしません。物語の根幹はストーリーにあるので、話が面白いほうが大事です。 それゆえ21世紀になった今でも、演出型人工言語のほとんどは手軽に作れるアポステリオリ言語です。 一方、お話よりも異世界そのものに興味があるという人もいます。 その人たちにとってはエルフ語が古ケルト語から作られているのがとても気になります。異世界にケルト人がいるはずがないと考えるからで...
  • ゼロから語彙を作るには
    人工言語の語彙は始めは空集合です。空っぽの語彙に語をたくさん入れていかねばなりません。つまりゼロから語彙を作り、膨らませていくわけです。 しかしその方法は言語の型によって異なります。方法によってその作業にかかる労力は劇的に変化します。 後験語の場合、自然言語を参考に語彙を作ります。ゼロから作るといってもほぼ流用になるため、一番手っ取り早く作ることができます。 エスペラントが好例です。ザメンホフはラテン語などの西洋語を参考にして、エスペラントに合うように語形を変えました。 たとえば名詞はoで終わらねばならないので、それに合うように語形を変えたりといった調整作業です。 どちらかというとこの型の場合、ゼロから作るといっても実際は調整に近いです。 もっとも、手軽=稚拙ということにはなりません。エスペラントは普及型なので馴染みのある言語を参考にするのは理に適っています。 ...
  • 人工言語と言語学
    人工言語は言語学の対象ではない。これは言語学の常識であるとともに暗黙の了解でもある。美しい国語や正しい日本語について論じることがないのと同じで、人工言語について論じることは通常ない。 ただ、それはあくまで現代の言語学においてである。言語学にも潮流やパラダイムがあるので、別に人工言語を論じてはならないという決まりが立てられているわけではない。強いて言語学の中でこれは論じないようにしようと合意を受けたのは言語の起源である。言語の起源は1866年のパリ言語学会で関連記事を掲載しない措置を受けた。だがこのようなことは稀である。(注:周知のとおり、このとき「普遍言語」も拒絶されているが、この皮肉に対する説明は本論の通時論で展開される) 言語に優劣はないというのは現代言語学の常識であるが、この常識は通時的に見ることができる。かつて西洋が世界の中心だった時代は西洋思想がはびこっていたため...
  • 言語の普及
    言語の普及 人工言語を作ったら、ぜひともそれを皆に使ってほしいものです。 人工言語の中には、エスペラントのように共通語になることを目指したものもあります。 確かに、地球上のどこでも同じ言葉が通じれば、とても便利ですよね。 ぜひそうなってほしいものですが、実際に世の中で使用者が多いのは英語と中国語です。 どうしてでしょう?英語や中国語は何か言語的に優れているのでしょうか。そうではありません。 英語が広まったのはかつて大英帝国が強かったこと、20世紀にアメリカが大国だったことによります。 要するに、喧嘩が強くてお金持ちな国の言葉が広がったということです。 人類共通の言葉と聞くと平和をイメージしますが、むしろ暴力が言語の統一を作っているとは皮肉なものです。 中国語が広まったのは経済力というよりはマンパワーです。 このように、言語の普及は経済力・武力・人口に...
  • 形態論・統語論
    歴史的には西洋語を反映していたが、最近は言語学のデータに影響を受けやすくなっている。たとえば普遍言語時代及びそれ以前は屈折が多く、明らかにラテン語を反映している。ただラテン語の屈折の複雑さは西洋人自身が辟易していたこともあって土着語程度の屈折を持った言語や屈折を失ったラテン語などが作られた。百科分類にしたがった哲学的言語は簡素な文法を持ちやすい。 言語差別主義が台頭していたころは膠着語は最も遅れていると考えられていた。中国語の孤立語は原始的な体系と言われていたが、普遍文字にとっての希望であったことから先駆的とも思われており、西洋人はこのアンバランスの理解に苦しんだ。勿論現代ではアンバランスでも何でもなく単なる言語の類型のひとつに過ぎないと分かっているのだが、当時はそう考えられていた。そのせいで膠着は心理的に避けられることがあった。しかし作成における言語差別が減った現代では圧倒的に膠...
  • 自然物以外の高級語
    前回の高級語は具体的な物に限定したので、今回は自然物以外のやや抽象的なものについて言及したいと思います。 自然物以外の高級語とはたとえば学術用語や道具の類のことです。 道具というのはここでは時計、車、洗濯機、医療器具など、人工的に作り出したものを指します。 科学・技術・芸術などの学術用語は抽象的ですが、大雑把に言って道具はそういった知識を応用した具体的なものだといえます。 学術用語や道具の数は極めて多いです。学術用語は勿論として、道具はその物の名称だけでなく、各部品の名前まで必要ですから。 これらを全て命名するのは事実上不可能です。人類が長年の歴史で作り上げてきたものを個人や少人数では命名しきれません。 そこで、日常生活に必要なものから作っていくのが重要になります。 特に日常目にするものを優先し、中でも日常その名称を目にする物を優先すべきです。 たとえば車...
  • 最小対語の処理法
    最小対語:hatとcatのように、1音違えば別の単語になってしまうペアのこと。 最小対語については常に聞き間違えの可能性があるわけですが、その可能性は音によって異なります。 pal と bal は聞き違いやすいですが、pal と nal は相対的に聞き間違えづらいです。 p と n は調音点と調音法が違うからですね。 母音についても口の高低と前奥が近い母音同士は音波が似ているので間違えやすいです。 最小対語を気にする場合、特に聞き違えやすいものを注意するといいと思います。 理論上ありえる最小対語を全て検索して互いに意味が似ないように注意すると、膨大な時間がかかります。 そこで、その言語で聞き違えやすい音だけを焦点化します。 聞き違いやすい音といっても、学習者の母語によって変わります。 作成段階で日本語に合わせてしまうとオリジナリティが失われるので、その言語...
  • 人工言語とは?
    人工言語とは 英語や日本語など、自然とできた言葉のことを、自然言語といいます。 逆に、誰かが意図的に作った言語を人工言語といいます。 「日本語だって日本人が作った言語だから人工言語じゃないの?」という疑問がよくあります。 民族単位で作った言語は人工言語にカウントしません。 「水という単語は「ミズ」と読むようにしよう」というような打ち合わせを、日本人はやったわけではありませんよね。 自然と民族が作っていったものは、除外されます。 どんなものがあるの? 一番有名なのはポーランドの眼科医ザメンホフが作ったエスペラントです。 人工言語は意外と多く存在します。前世紀で既に1000以上の人工言語がありました。 筆者が作っている人工言語アルカもその1つです。 何のために作るの? それは言語によって異なります。目的は様々ですが、いくつかに分類できます。 ...
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