ろりしょたばとるろわいある@ うぃき内検索 / 「◆3k3x1UI5IA」で検索した結果
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◆3k3x1UI5IA
◆sUD0pkyYlo(元◆3k3x1UI5IA) 氏 氏が手がけた作品 025 『悪』の誇り、『悪』の覚悟 057 カマイタチと悪戯な春風 069 変わらぬ微笑み 073 それはきっと唯一の方法 082 世の中捨てたものじゃないから 086 「ごめんなさい」 101 ギャグとシリアスの狭間で (前編/後編) 103 不思議の国のアリスゲーム 109 出会いはいつも最悪で 113 君と共に弾幕を (前編/後編) 119 混沌の学び舎にて (1)/(2)/(3)/(4)/(5) 131 それぞれの限界、それぞれの転向 (前編/後編) 137 その名は『N(エヌ)』 (前編/後編) 141 真実は煙に紛れて (1)/(2)/(3)/(4) 142 原点 145 明暗 148 MOTHER/2発の銃弾/金糸雀の逆襲 149 優しさでは辛過ぎるから (前編/後編) 160 リリス乱舞/斬、そし... -
121~150
...れの転向 (前編) ◆3k3x1UI5IA G-6/シェルター前、F-5/道路 レックス、雛苺、ベルフラウ=マルティーニ それぞれの限界、それぞれの転向 (後編) ◆3k3x1UI5IA G-6/シェルター前、F-5/道路 レックス、雛苺、ベルフラウ=マルティーニ 132 his sin, his crossroads(前編) ◆M42qaoJlNA C-4/森、D-3/学校の裏山、B-6/市街地外れ グリーン、リリス、野比のび太、野原ひまわり、摂津のきり丸 his sin, his crossroads(後編) ◆M42qaoJlNA C-4/森、D-3/学校の裏山、B-6/市街地外れ グリーン、リリス、野比のび太、野原ひまわり、摂津のきり丸 133 海の見える街 ◆aAwQuafMA2 A-6/ビル・最上階のバー グレーテル 134 人はいつでも間違うもの 大切なのはそれから... -
091~120
...スの狭間で(前編) ◆3k3x1UI5IA B-3/廃病院・1F廊下、B-3/廃病院・2F廊下 ビュティ、イヴ、ブルー、吉永双葉 ギャグとシリアスの狭間で(後編) ◆3k3x1UI5IA B-3/廃病院・1F廊下、B-3/廃病院・2F廊下 ビュティ、イヴ、ブルー、吉永双葉 102 気まぐれな楽園 ◆CFbj666Xrw F-3/城の食堂 レミリア・スカーレット、アルルゥ、プレセア・コンバティール 103 不思議の国のアリスゲーム ◆3k3x1UI5IA G-5/シェルター西側の平原 真紅、雛苺 本スレ8 104 ETERNAL BLAZE ◆NaLUIfYx.g B-5/谷底の空き地 高町なのは、ヴィータ、才賀勝 105 救いの棟は紅く染まりて ◆IEYD9V7.46 B-3/廃病院・1F廊下、廃病院・2F廊下 シャナ、犬上小太郎、吉永双葉、ブルー、イヴ、ビュティ 救いの棟... -
061~090
...9 変わらぬ微笑み ◆3k3x1UI5IA D-3/森の中の小さな空き地、森の中 タバサ、蒼星石、イシドロ 070 禁忌『エキストラバージン』 ◆CFbj666Xrw G-1,F-2,H-1/道路,桜の木の下,戦場跡,ちょっと良い家 ゴン、リルル、ククリ、ネス、ヴィクトリア、フランドール 禁忌『エキストラバージン』(後半部) 本スレ6 NO. タイトル 作者 場所 登場人物 071 選ぶのは一つだけ ◆2kGkudiwr6 F-6/橋 レン、八神はやて 072 全力で悪戯を ◆IEYD9V7.46 B-7/路上、A-7/人目につかない建物の間 キルア、八神太一、磯野カツオ 073 それはきっと唯一の方法 ◆3k3x1UI5IA B-5/山頂付近、B-5/谷底の空き地 ニケ、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、リリス、高町なのは、ヴィータ、才賀勝 それはきっと唯一の... -
【真昼】~【夕方】
...スの狭間で(前編) ◆3k3x1UI5IA B-3/廃病院・1F廊下、B-3/廃病院・2F廊下 ビュティ、イヴ、ブルー、吉永双葉 ギャグとシリアスの狭間で(後編) B-3/廃病院・1F廊下、B-3/廃病院・2F廊下 ビュティ、イヴ、ブルー、吉永双葉 103 不思議の国のアリスゲーム ◆3k3x1UI5IA G-5/シェルター西側の平原 真紅、雛苺 105 救いの棟は紅く染まりて ◆IEYD9V7.46 B-3/廃病院・1F廊下、廃病院・2F廊下 シャナ、犬上小太郎、吉永双葉、ブルー、イヴ、ビュティ 救いの棟は紅く染まりて(後半部) 113 君と共に弾幕を(前編) ◆3k3x1UI5IA G-1/市街地の路上 フランドール、ヴィクトリア、福富しんべヱ 君と共に弾幕を(後編) G-1/路上、G-2/穴の北側の平原 フランドール、ヴィクトリア、福富しんべヱ 114 はやての... -
【朝】~【昼】
...誇り、『悪』の覚悟 ◆3k3x1UI5IA E-5/森の湖畔(イエローが服を干していた現場) ジャイアン、メロ 026 ワロトバの森 ~ダエジーの野望~ ◆gMrrx6WqIM B-6/街入り口 ニケ、高町なのは 027 「弱者の強み」 ◆uOOKVmx.oM F-5/道路と森の境(中央付近) ベルカナ=ライザナーザ、明石薫 028 ビジネスチャンス ◆3WUQYMLsJY A-5/路上岸より 摂津のきり丸 029 Unlimted magic circuit ◆2kGkudiwr6 D-7/森の湖畔 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、金糸雀 030 新たなる誓い ◆7kTdl.CDMY B-2/森の中 吉永双葉 031 「怖くて仕方がない」 ◆uOOKVmx.oM C-8/路地 藤木茂 032 「VS ぶりぶりざえもん」 ◆aAwQuafMA2 B-6/路上 グリーン、野原... -
番外編
...ーLSロワ大戦・厨 ◆3k3x1UI5IA ヘンゼル、グレーテル、永沢、ジュジュ、剛田武、フランドール、ゴン、ニア Ex002 蚊帳の外、奇妙な協力関係 ◆0gyFSm2QyM クロノ、ユーノ、すずか、シグナム、シャマル、ザフィーラ(リリカルなのは)八雲紫、博麗霊夢、霧雨魔理沙、十六夜咲夜、魂魄妖夢(東方project) Ex003 紳士は少年がお好き ◆o.lVkW7N.A クロノ(リリカルなのは)バンコラン(パタリロ) Ex004 禁忌『スク水バージン』 ◆tF8w7KK0cU 三宮紫穂 Ex005 11スレ埋めネタ 水銀燈(ローゼンメイデン) Ex006 12スレ埋めネタ 魔理沙(東方project) Ex007 14スレ埋めネタ 知恵留美子(ひぐらしのなく頃に) Ex008 16スレ埋めネタ エルルゥ(うたわれるもの)、ザフィーラ(リリカルなのはより友情出演) -
スーパーLSロワ大戦・厨
スーパーLSロワ大戦・厨 ◆3k3x1UI5IA ◆JZARTt62K2 【これまでのあらすじ】 丈の拡声器の呼びかけに正義の心持つ者たちが応えて、対主催派の一大グループを大結成! 真の愛と友情を知ったリリスは己の命と引き換えに首輪の秘密を明かし、レンは首輪の解除に成功。 しんのすけの機転によってジェダの居場所も判明し、あとは対主催派が合流して突入するのみ! という状況で……事態は最悪の局面を迎えていた。 「誰だったかしら、兄様。『人がゴミのようだ!』と言ったのは?」 「ムスカ大佐じゃなかったかな、姉様」 「彼はこの光景を見たのかしら? 怯える無力な人々、圧倒的な力の感覚――」 「彼らは贅沢なんだ、姉様」 色々と見覚えがあるような、でも突っ込んだら負けのような巨大ロボット・ぱにぽにX(エックス)。 同じく、某金色のMSによく似てるようで別... -
000~030
...誇り、『悪』の覚悟 ◆3k3x1UI5IA E-5/森の湖畔(イエローが服を干していた現場) ジャイアン、メロ 026 ワロトバの森 ~ダエジーの野望~ ◆gMrrx6WqIM B-6/街入り口 ニケ、高町なのは 027 「弱者の強み」 ◆uOOKVmx.oM F-5/道路と森の境(中央付近) ベルカナ=ライザナーザ、明石薫 028 ビジネスチャンス ◆3WUQYMLsJY A-5/路上岸より 摂津のきり丸 029 Unlimted magic circuit ◆2kGkudiwr6 D-7/森の湖畔 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、金糸雀 本スレ4 NO. タイトル 作者 場所 登場人物 030 新たなる誓い ◆7kTdl.CDMY B-2/森の中 吉永双葉 031~060へ -
031~060
...イタチと悪戯な春風 ◆3k3x1UI5IA C-4/神社 ネギ・スプリングフィールド、江戸川コナン、三宮紫穂 058 地獄巡り ◆CFbj666Xrw F-3、F-5、E-5/城、森、他 城戸丈、イエロー・デ・トキワグローブ、ベルカナ=ライザナーザ、アルルゥ、ヘンゼル、プレセア・コンバティール、メロ、明石薫、猪名寺乱太郎 059 銀髪翠眼の導き手 ◆IEYD9V7.46 A-4/南東の平原 インデックス 060 being ◆NaLUIfYx.g A-2/右下端 シャナ、犬上小太郎 061~090へ -
書き手紹介
...ア メロ リリス 元◆3k3x1UI5IA ◆Xdenpo/R4U 27 020,059,066,072,092,105,114,129,135,144,165,170,173,180,184,187,195,196,200,206,211,214,220,232,243,279,281 シャナ トマ 双葉 ヴィクトリア 元◆IEYD9V7.46 ◆CFbj666Xrw 21 004,046,051,058,070,090,094,102,112,123,130,140,146,158,171,182,227,233,238,240,258 レミリア アルルゥ ◆o.lVkW7N.A 19 035,047,053,062,084,096,110,120,134,147,155,166,169,174,181,204,230,250,Ex003 イエロー 野上葵 ベルカナ メロ リル... -
原点
原点 ◆3k3x1UI5IA ……その薄暗く、粉っぽい、殺風景な倉庫の中に、それらは無造作に転がっていた。 何の変哲もない、ごくごくありふれた、数本の金属バット。 少年は、しばし動きを止める。 彼らしからぬ、何かを惜しむような、懐かしむような、微妙な表情。 「……思い出すね、姉様。『僕たち』の、『私たち』の『始まり』を」 ガラガラと音を立てて扉を開き、少年は体育倉庫に足を踏み入れる。 あたりにはハードルやら、跳び箱やら、ボールの入った籠やらが散在しているが、それらには目もくれず。 少年――名簿の上では『ヘンゼル』として登録されている――は、そしてそっと金属バットを拾い上げる。 ずしり、とした手ごたえ。冷たい手触り。 『あの時』と変わらぬ、金属の棒。 『あの時』から月日が流れ、『彼ら』は多くのものを失った。 涙を忘れた。恐怖を忘れた。過去を忘れた。... -
混沌の学び屋にて(5)
混沌の学び屋にて(5) ◆3k3x1UI5IA 【5:そして、天秤を動かしうる少女たち】 灰原哀は、ふと歩みを止めて、顔を上げた。 彼女の肩を借りる格好で階段を降りていた古手梨花は、不審そうに隣の少女の顔を伺う。 「みぃ、どうかしたのですか?」 「今、遠くで知り合いの声がしたような気がしたんだけど……気のせい、かな」 既に哀の両手は手錠に繋がれてはいない。 泣いて泣いて泣きまくって、ようやく涙が引いたところで梨花から鍵を渡され、自分で外し。 そして騒ぎを聞きつけて誰かが来るのを恐れ、2人は移動を開始したのだ。 目的地は、1階の保健室。 梨花は「こんなの大したことないのです」と強がっていたが、それでも打ち身と疲労はかなりのもの。 おまけに、怪しげな坊主の撒いた薬で、身体に力が入らない様子。 哀が傍らで支えていたが、あまり早くは歩けない。 ち... -
混沌の学び舎にて(5)
混沌の学び舎にて(5) ◆3k3x1UI5IA 【5:そして、天秤を動かしうる少女たち】 灰原哀は、ふと歩みを止めて、顔を上げた。 彼女の肩を借りる格好で階段を降りていた古手梨花は、不審そうに隣の少女の顔を伺う。 「みぃ、どうかしたのですか?」 「今、遠くで知り合いの声がしたような気がしたんだけど……気のせい、かな」 既に哀の両手は手錠に繋がれてはいない。 泣いて泣いて泣きまくって、ようやく涙が引いたところで梨花から鍵を渡され、自分で外し。 そして騒ぎを聞きつけて誰かが来るのを恐れ、2人は移動を開始したのだ。 目的地は、1階の保健室。 梨花は「こんなの大したことないのです」と強がっていたが、それでも打ち身と疲労はかなりのもの。 おまけに、怪しげな坊主の撒いた薬で、身体に力が入らない様子。 哀が傍らで支えていたが、あまり早くは歩けない。 ち... -
それはきっと唯一の方法(後半)
それはきっと唯一の方法(後編) ◆3k3x1UI5IA 「……遅い! どれだけ時間がかかっている、高町なのは!」 山頂にて。 待ちくたびれたエヴァンジェリンが、なのはの荷物を漁るのにも飽きて、大声を上げる。これでもう3度目だ。 その叫びに、隣に転がっているニケ(相変わらず「ぬのハンカチ」で縛られたまま)が、のんびりと呟く。 「確かに遅いな……これはひょっとして、こっちから迎えにいかなきゃならないかもしれないぞ」 「好戦的な参加者に遭遇した、とでも? まあ、その可能性もありえなくもないが、『翔』のカードがあれば、逃げるのは簡単なはず……」 「いや、そうじゃなくて。もしかしたら『小』じゃなく『大』の方で、紙が無くて動けずにいr……」 ドガッ! あまりに下品すぎる想像に、エヴァンジェリンの足が制裁を加える。 ニケの頬をグリグリと踵... -
真実は煙に紛れて(2)
真実は煙に紛れて~(2) 彼女たちの悪夢 ◆3k3x1UI5IA 真実はいつもひとつ! と探偵は言う。 けれど、人の目に映る「事実」は、それぞれに違う。 たったひとつの「真実」に、誰も辿り着けないこともある。 そんな「真実」に、いったいどれほどの価値があるのだろう? どれほどの意味があるのだろう? 予め警告しておく。 ここから先、各登場人物が見て、聞いて、体験したものは、それぞれ大きく異なっている。 そのどれが正しいのかは、ひとまず置いておくとして―― もしも当事者を並べて直接尋ねることができたとすれば、彼らは揃って隣の者の言葉を遮り、こう言うだろう。 「いや、僕/俺/私が見たことが本当だ!」と。 それほどまでに、「自分で見たこと」というのはインパクトが強い。 「自分の体験」というものは、何にも勝る説得力を持つ――。 ... -
混沌の学び屋にて(2)
混沌の学び屋にて(2) ◆3k3x1UI5IA 【2:カナリアの叫び】 ローゼンメイデン第二ドール、金糸雀の本来の武器は「バイオリン」である。 正確には、バイオリンから放たれる「旋律」。 姉妹である真紅が「薔薇の花弁」に、水銀燈が「羽根」に力を乗せるように、金糸雀は「音」に力を乗せる。 だから。 金糸雀は、ちょっとだけ思ってしまったのだ。 この、「音を操る機械」を上手く使えば、ひょっとしたら変則的な形で力を振るえるのではないか? と。 冷静に考えれば、それは無理だと分かるだろう。 金糸雀が力を乗せられるのは愛用の楽器で奏でた音だけで、歌声でそんなことをした経験はない。 もしもそんなことが出来るなら、ここまでこんな苦労はしていない。 大体、「拡声器を手に歌ったらヒトが死にました」なんてことになれば、それは完全にギャグかカオスだ。 けれども、そんな冷静な判... -
混沌の学び舎にて(2)
混沌の学び舎にて(2) ◆3k3x1UI5IA 【2:カナリアの叫び】 ローゼンメイデン第二ドール、金糸雀の本来の武器は「バイオリン」である。 正確には、バイオリンから放たれる「旋律」。 姉妹である真紅が「薔薇の花弁」に、水銀燈が「羽根」に力を乗せるように、金糸雀は「音」に力を乗せる。 だから。 金糸雀は、ちょっとだけ思ってしまったのだ。 この、「音を操る機械」を上手く使えば、ひょっとしたら変則的な形で力を振るえるのではないか? と。 冷静に考えれば、それは無理だと分かるだろう。 金糸雀が力を乗せられるのは愛用の楽器で奏でた音だけで、歌声でそんなことをした経験はない。 もしもそんなことが出来るなら、ここまでこんな苦労はしていない。 大体、「拡声器を手に歌ったらヒトが死にました」なんてことになれば、それは完全にギャグかカオスだ。 けれども、そんな冷静な判... -
混沌の学び舎にて(1)
混沌の学び舎にて(1) ◆3k3x1UI5IA 【1:ある戦いの終わり】 ――キン! キキン! グギギギギッ! 激しい金属音が、断続的に響く。 嫌な音を立てて、標的を捉え損ねた刃が金網を切り裂く。 戦場をミニサッカー場からプールサイドへと移しながら、2人と1人の死闘はなおも続く。 「あはははははッ!」 「くッ……!」 「このぉッ!」 ヘンゼルが笑い、小狼は唇を噛み、リンクが焦りの声を上げる。 2対1。数の上では、小狼とリンクの方が上だし、2人とも素人ではない。勝機は十分にあるはず。 にも関わらず、なかなか追い詰められない――むしろ逆に押されている理由は、それぞれの武器にあった。 ヘンゼルの武器、処刑鎌の武装練金『バルキリースカート』。 それは4本の腕であり、同時に4本の足だった。 時に敵に牙を剥き、時に大地を蹴り。普通の人間には不可能な動きで... -
混沌の学び屋にて(1)
混沌の学び舎にて(1) ◆3k3x1UI5IA 【1:ある戦いの終わり】 ――キン! キキン! グギギギギッ! 激しい金属音が、断続的に響く。 嫌な音を立てて、標的を捉え損ねた刃が金網を切り裂く。 戦場をミニサッカー場からプールサイドへと移しながら、2人と1人の死闘はなおも続く。 「あはははははッ!」 「くッ……!」 「このぉッ!」 ヘンゼルが笑い、小狼は唇を噛み、リンクが焦りの声を上げる。 2対1。数の上では、小狼とリンクの方が上だし、2人とも素人ではない。勝機は十分にあるはず。 にも関わらず、なかなか追い詰められない――むしろ逆に押されている理由は、それぞれの武器にあった。 ヘンゼルの武器、処刑鎌の武装練金『バルキリースカート』。 それは4本の腕であり、同時に4本の足だった。 時に敵に牙を剥き、時に大地を蹴り。普通の人間には不可能な動きで... -
真実は煙に紛れて(3)
真実は煙に紛れて (3)彼らの幻 ◆3k3x1UI5IA 小狼は、煙に包まれる保健室の中、最愛の少女の姿を見た。 エタノールを振り掛けられ、勢いよく燃え上がる炎。噴き出す煙。 殲滅魔法『斜院征伐』のことも忘れ立ち上がった小狼は、グラリと襲ってきた眩暈に、一瞬顔を押さえる。 (前の毒ガスの効果が残っているのか? にしては――) まだ体調は万全ではない。脱力感は残ってるし、吐き気はまだあるし、腹の傷は動くたびに痛む。 けれど今はそれよりも、一休を叩きのめして火を消さないと―― そう思って周囲を見回した小狼は、唖然とする。 「な……!? 何をやってるんだ、あいつら!」 さっき部屋に入ってきた女の子たち――どうやらリンクの仲間たちらしい――の動きが、おかしい。 梨花と呼ばれた女の子が、見えない『何か』を振り払うように両手を振り... -
君と共に弾幕を(前編)
君と共に弾幕を(前編)◆3k3x1UI5IA 静かな風が開けっ放しの窓から滑り込み、厚いカーテンを音も無く揺らす。 一旦は逸れた日差しが再び彼女の寝顔の上を通り過ぎ、少女は億劫そうに目を開けた。 窓の外には、天頂近くに昇った太陽の姿。 僅かばかりの時間、うたた寝をしていた少女は、ベッドで目を擦る。 「むに……寝ちゃってた、の?」 『――お目覚めですか?』 1人しか居ないガランとした寝室に、『2人目』の声が響く。 フランと呼ばれた少女が目を向けたのは、枕元にあった赤い宝石。 彼女はニッコリ微笑むと、それを手に取る。 「おはよう、レイジングハート。……なんか、全然眠った気がしないわ」 『それは……バリアジャケットを展開したままでしたからでしょう。 フランが眠る前に警告はしたのですが、聞こえてなかったようで。解除するわけにも行きませんでしたし』 ... -
その名は『N(エヌ)』 (前編)
その名は『N(エヌ)』 (前編) ◆3k3x1UI5IA 電気の供給が途絶え、やや薄暗くなった展望室に呼び出し音が響く。 恐らくは階下からの内線電話。主電源とは別系統を持った緊急用回線。 ニアは、考える。 (そう、何故ここで向こうが電話をかける必要があるのでしょうか? それは……!) やはりアクション仮面の犠牲は無駄ではなかった。 ヒーローの命と引き換えに落ち着きを取り戻した彼の頭脳、それが普段通りの鋭い回転を始める。 最初に電源を落とされた時には、まず混乱に乗じた突入・襲撃を懸念した。 しかし、これだけ時間が経っているというのに大きな動きは見えない。 エレベーターは動いていないし、エレベーターシャフト内にも動く者はいない。非常階段にも人影は無い。 支給品などの力で空を飛べる者が居たとしても、展望室まで昇ってくれば流石に目立つだろう... -
混沌の学び屋にて(3)
混沌の学び屋にて(3) ◆3k3x1UI5IA 【3:『魔法使い』】 全てを物陰から観察し、機会を窺っていたメロは、そしてようやく動き出した。 標的をとの距離を十分に開けておいて、階段を駆け上がる。 「オイ、ナンデコッチノガキナンダ? 保健室ニ居ル小坊主ノ方ガ簡単ジャネーカ?」 「殺すだけでいいならな。だが、今あっちを襲えば、保健室の中は一体どうなる?」 頭上のチャチャゼロの問いに、メロは手にした杖をチラリと見る。 現時点でのメロの唯一の攻撃手段、『天罰の杖』。 遠距離から『バギ』を当てて倒し、接近して殴りつける――それが現時点のメロの持つ、ほぼ唯一の戦術だ。 しかし、保健室という閉鎖空間で天罰の杖を使ったりしたら、一体どうなる? 結果は考えるまでもない。 巻き起こる竜巻は薬瓶を棚から叩き落し、真空の刃は包帯や絆創膏を切り刻んでしまう。 つまり、メロ自... -
混沌の学び屋にて(4)
混沌の学び屋にて(4) ◆3k3x1UI5IA 【4:聖人か狂人かバケモノか】 ――彼は大雑把ながらも、状況を把握していた。 部屋の窓を半分ほど開ければ、風と共に周囲の音が流れ込む。 建物の向こう側に隠れて完全には見えないけれど、それでも音や光は少しは分かる。 星でも落ちてきたかと思うような強烈な閃光や、耳が痛くなるような奇妙な音も、全部伝わってきた。 『勇者の拳』で殴られる前に居た4階の教室もすぐ近くで、しかも今は窓も扉も全てない。 全ての言葉を聞き取るのは無理だが、大声で叫ぶ者でもいれば、断片的に声が届く。 校舎の上の方と、校舎の向こう側の校庭。 これだけの情報があれば、普通ならじっとしていられず、どこかに向けて駆け出していただろう。 けれど。 「あわてない、あわてない。 ……それにしても、この『絆創膏』という奴はよく出来たものですね。 私の肌に合... -
混沌の学び舎にて(3)
混沌の学び舎にて(3) ◆3k3x1UI5IA 【3:『魔法使い』】 全てを物陰から観察し、機会を窺っていたメロは、そしてようやく動き出した。 標的をとの距離を十分に開けておいて、階段を駆け上がる。 「オイ、ナンデコッチノガキナンダ? 保健室ニ居ル小坊主ノ方ガ簡単ジャネーカ?」 「殺すだけでいいならな。だが、今あっちを襲えば、保健室の中は一体どうなる?」 頭上のチャチャゼロの問いに、メロは手にした杖をチラリと見る。 現時点でのメロの唯一の攻撃手段、『天罰の杖』。 遠距離から『バギ』を当てて倒し、接近して殴りつける――それが現時点のメロの持つ、ほぼ唯一の戦術だ。 しかし、保健室という閉鎖空間で天罰の杖を使ったりしたら、一体どうなる? 結果は考えるまでもない。 巻き起こる竜巻は薬瓶を棚から叩き落し、真空の刃は包帯や絆創膏を切り刻んでしまう。 つまり、メロ自... -
ギャグとシリアスの狭間で(前編)
ギャグとシリアスの狭間で ◆3k3x1UI5IA ビュティは悩んでいた。 より正確に言えば――悩んでいたというより、苦しんでいた。 理不尽な事件が次々と発生することには、慣れてしまっている。 不可解な人物が次々と出現することにも、慣れてしまっている。 むしろ普段ボーボボや首領パッチが彼女の前で繰り広げていた世界に比べれば、大人しいくらいだ。 ハジケまくった彼らに振り回される日々の中、もう少し常識を知って欲しいものだと何度溜息をついたことか。 だが……その「大人しさ」、「常識の通じる空気」こそが、今、ビュティを苦しめているモノの正体だった。 「ううっ……キツい。場の空気が、合わないッ……!」 「ビュティさん、大丈夫? 何だか顔色悪いよ?」 「い、いや、気にしないで、ブルーちゃん。こっちの話だから」 「??」 真面目なシー... -
真実は煙に紛れて(4)
真実は煙に紛れて (4)混乱は終らない ◆3k3x1UI5IA 煙が立ち込める保健室に、耳障りな火災報知器のベルが鳴り響く。 どうやら設置されているのは火災報知器だけで、スプリンクラーなどはないらしい。 いったいいつの時代の学校なんだよ――傷の痛みに朦朧としながら、小狼は心の中で愚痴る。 (いや、でも今はそれどころじゃない……! なんとかしないと……!) 部屋の中、立っているのは1人のみ。諸悪の根源、精神操作の能力を持った魔法使い(?)、一休だ。 他の全ての人間が、倒れている。 胸が上下しているということは、まだ息があるようだが……このままでは、全滅する。 今すぐトドメを刺されてもおかしくない。 一休がベルの音に気を取られている隙に、小狼は震える手を伸ばす。 そこにあったのは、一度は取り上げられた武器の山だった。 一休が取り上げ... -
混沌の学び舎にて(4)
混沌の学び舎にて(4) ◆3k3x1UI5IA 【4:聖人か狂人かバケモノか】 ――彼は大雑把ながらも、状況を把握していた。 部屋の窓を半分ほど開ければ、風と共に周囲の音が流れ込む。 建物の向こう側に隠れて完全には見えないけれど、それでも音や光は少しは分かる。 星でも落ちてきたかと思うような強烈な閃光や、耳が痛くなるような奇妙な音も、全部伝わってきた。 『勇者の拳』で殴られる前に居た4階の教室もすぐ近くで、しかも今は窓も扉も全てない。 全ての言葉を聞き取るのは無理だが、大声で叫ぶ者でもいれば、断片的に声が届く。 校舎の上の方と、校舎の向こう側の校庭。 これだけの情報があれば、普通ならじっとしていられず、どこかに向けて駆け出していただろう。 けれど。 「あわてない、あわてない。 ……それにしても、この『絆創膏』という奴はよく出来たものですね。 私の肌に合... -
優しさでは辛過ぎるから(後編)
優しさでは辛過ぎるから ◆3k3x1UI5IA 前編より 「……見事な太刀筋やったが――トドメは刺さなくてええんか? あとオレ、グラサンマンちゃうから。 すっかり定着しちゃってるようやけど、本当はコンマやから。デバイスとやらでもないし」 「本当は、殺したいくらい憎いよ……。 この人が居なければ、光子郎さんは死なずに済んだと思うし……。 でも、憎しみに駆られて命まで奪ったら、きっとそれは私たちの『負け』……。今は、これでいい……」 「それもそうやな……って、名前の方のフォローは無し?! おーいフェイトさーん?! もしもーし?!」 手の中で喚き続けるサングラスを無視して、フェイトはブルーとイヴを眺める。 ブルーの方は……完全に気絶したらしい。意識を失って、倒れている。 両足に叩き込んだ斬撃は深く、おそらくもう自力では歩けまい。両腕もまともに動くま... -
それぞれの限界、それぞれの転向 (前編)
それぞれの限界、それぞれの転向 (前編) ◆3k3x1UI5IA 獣の耳持つ少女を追うか、それともみかの待つ廃墟の街に戻るか―― 相反する二択を迫られたベルフラウ=マルティーニは、結局、どちらも選ばなかった。 否、正確に言えば……「どちらも選べなかった」、と言うべきか。 「我ながら、情けないですわね……!」 髪から水を滴らせながら、ベルフラウは下唇を噛む。 彼女に、もう少し魔力があれば。あるいは、彼女にもう少し体力があれば。 そう思わなくも無かったが、しかし実際問題として無いものは仕方が無い。 北に走り去る獣人の少女を追うだけの体力もなく、また来た道を引き返すための魔力もなく。 ベルフラウに選ぶことができたのは、一時の休息だけだった。 太い丸太を何本も組んで作られた、東西に走る橋の下。 そのままでも隠れられそうな場所であったが、... -
真実は煙に紛れて(1)
真実は煙に紛れて (1)発火点 ◆3k3x1UI5IA 真実はいつもひとつ! と探偵は言う。けれど、本当にそうだろうか? * * * 「それでは、武器を捨てて頂きましょうか」 ――梨花たちにとって、状況は最悪だった。 いったい何をされたのか、抵抗もできずに倒れているリンク。 同じく、縛られてもいないのに立ち上がれないらしい、見知らぬ少年。 よく見ればリンクの太腿には傷があり、もう1人の少年も腹部を血に染めている。 少年たちは荷物を持っておらず、よく見れば彼らの手の届かないところに集めて積み上げられている。 部屋の中からは刺激臭の混じった煙が廊下に向かって溢れ出し、場の異様さを引き立てている。 そして、場を支配しているのは、恐るべき変態男。 勇者の拳の直撃を受け、4階から叩き落... -
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」 ◆3k3x1UI5IA 森の中、軽快なエンジン音が響く。 疾走するスケボー。その上にいるのは、チャチャゼロを頭上に乗せたメロであった。 「コイツを手に入れられたのは、まあまあの収穫だったな。移動が楽になる」 「ケケケッ。結局1人モ殺セナカッタケドナ」 「あれは相手が悪過ぎだ。もう少し殺る気のない奴も集まると思ったんだがな」 プレセアに襲われたイエローたちが、その場に放置するしかなかったエンジン付きスケートボード。 その後メロたちは、プレセアとヘンゼルの激闘が遠ざかったのを待ち、回収していたのだ。 殺害数を稼げなかった分、便利な道具の1つでも手に入れなければ、割りに合わないというものだ。 「デ、ドコニ向カッテンダヨ?」 「他にアテもないし、もう一度橋の所に戻ってみようと思う。 呼びかけていたバカは居なくなったが... -
不思議の国のアリスゲーム
不思議の国のアリスゲーム ◆3k3x1UI5IA 生きることとは、戦うこと―― それが、誇り高きローゼンメイデン第五ドール、真紅の信念だった。 人生とはこれすなわち戦いそのもの。 困難にめげず、危険を恐れず、自らの力で切り開いていくもの。 それは、人形の姿を与えられ、究極の少女アリスを目指す薔薇乙女でも同じことだ。 アリスゲームを進めることに疑問を抱くようになった今でも、その強い信念は変わらない。 だからこの、ジェダによって強制された、この殺し合いのゲームの場においても―― 真紅は、戦うことを選んだ。 戦うことで、まだ存在しない道を切り開こうとした。 一応、理由らしきものはあったのだ。 「優勝者に与えられる『願い』の権利を使い、水銀燈を含めた姉妹全員での平和な日々を実現させる」 ――けれども、そんなものは、後付けの口実でしかなかったの... -
君と共に弾幕を(後編)
君と共に弾幕を(後編)◆3k3x1UI5IA 初弾は、直進する4つの光球だった。 フランドールも使った、基本的な攻撃魔法『ディバイン・シューター』。フランドールの時より、数が少ない。 空中に跳んで避けながら、フランドールはイアホンを耳に差す。 ランダム選曲設定されていたi-Podから、どこか身体に馴染む曲が流れだす。 表示された曲名は、『U.N.オーウェンは彼女なのか?』。 テンションが上がる。自信が漲る。フランドールの顔に、笑みが浮かぶ。 大きく弧を描いて戻ってきた弾丸を楽々と避けながら、楽しそうに笑う。 「この程度? これじゃ物足りないわ♪」 「……反応が遅い。次、『ディバイン・バスター』、早くして」 『発動の遅延は貴女の側の適性不足に由来するものと思われます。私に責任を求めるのは筋違いです』 険悪な会話を交わしつつ、それでも仮面の怪人の手にした杖か... -
カマイタチと悪戯な春風
カマイタチと悪戯な春風◆3k3x1UI5IA氏 ――この俺、江戸川コナンこと工藤進一が、迂闊にも忘れていた事が2つあった。 1つは、事件が起きるに相応しい『場』とでも呼ぶべき空間が存在する、ということ。 古い洋館や豪華客船、山奥のペンションに走行中の新幹線。 環境こそ様々だが、事件が起こるよりも前に「なんか嫌な場所だな」と感じられることがたまにある。 探偵のカン、とでも言うのかな。何か共通する「ひっかかり」を感じる時があるんだ。 そして、今いるこの場所――地図の上ではC-4エリア、森に半分囲まれたこの神社の境内は。 冷静になってみれば明らかに、その種の「いかにも事件が起きそうな場所」だったんだ。 俺たちがあのリリスとかいう奴に出くわしちまったのも、こんな怪しげな場所に留まってたせいじゃないか? 自分でも論理的とは言えない考えだとは思うが、しかしかなり本気でそう感じ... -
変わらぬ微笑み
変わらぬ微笑み ◆3k3x1UI5IA 「へっへっへ……どーやらコッチには気付いていねーみてーだな」 森の藪の中、少年は三流の小悪党丸出しの笑いを浮かべた。 最初に転送された塔から降りて、森の中を彷徨うこと小一時間。 誰にも見つからないよう、そして誰の姿も見落とさないよう、細心の注意を払った甲斐があったというものだ。 イシドロは藪の中から慎重に、その2人の姿を窺い見る。 鬱蒼と繁る森の中、数本の倒木によって出来たちょっとした空き地―― そこに、その『女の子』と『男の子』は居た。少なくとも、イシドロは初見でそう認識した。 『女の子』の方は、かなり小柄で幼いようだ。短い金髪に緑のリボンをつけ、マントを身に纏って。 倒れた木の幹に腰掛け、何かを手の平に載せてブツブツと呟いている。 『男の子』の方は……こっちは「小柄」なんていうレベルではない。その姿はまるで... -
優しさでは辛過ぎるから(前編)
優しさでは辛過ぎるから ◆3k3x1UI5IA ザク、ザク、ザク。 工場からそう遠く無い場所、森のすぐそばで、小気味の良い音がリズミカルに刻まれる。 少女がバトルピックを振るう度に、地面が少しずつ掘り起こされ、穴が広がっていく。 午後の日差しの中、重労働のせいか額に汗が浮かぶ。けれども彼女は腕を止める素振りを見せない。 「フェイトさん、私も手伝いましょうか? いえ――手伝わせて」 「…………」 おずおずと、もう1人の金髪の少女が協力を申し出る。 つるはしを手にしたフェイトの沈黙を肯定と受け取って、イヴの髪が大きく変化する。 腕を広げるように左右に伸ばし、そのそれぞれの先端に、パワーショベルを模したような大きなアーム。 ちょっとした重機にも等しい2本の腕が加わることで、穴を掘る速度が一気に広がる。 これなら、目的とするサイズの穴が出来るまで、そう時間はかか... -
『悪』の誇り、『悪』の覚悟
『悪』の誇り、『悪』の覚悟 ◆3k3x1UI5IA 「おっれはジャイア~ン、ガキ大将~♪」 木々の隙間から朝の日差し差し込む森の中、調子外れの歌が響き渡る。 ……いや、普段の彼の歌声を知る者なら、ちょっと首を傾げただろう。 音程が狂っているのは相変わらず。ただ、なんだか妙に声量が小さい。 いつもの溢れるような自信が、無い。 「……ふぅ。しかしなんでこのオレ様が『殺し合い』なんてしなきゃならんのだ。 それも、あんな奴に無理やり押し付けられて。あとでぶん殴ってやるぞ!」 剛田武。通称ジャイアン。言わずと知れたガキ大将である。 彼は黒いランドセルを左手に、装飾のついた杖を右手に持って振り回しながら、森の中を歩いていたが…… 歌声が途絶えると共に、その歩みもまた、止まってしまっていた。 ケンカは強く、ご町内では好き放題していた彼だった... -
出会いはいつも最悪で
出会いはいつも最悪で ◆3k3x1UI5IA ――穏やかな風が、湖の上を吹き渡ってキラキラと小さな波を立てる。 音も無く、白い雲が流れる。 澄んだ青い空。穏やかな日差し。 柔かな、沈黙。 「…………」 静かな湖畔で、少年は膝を抱え、ぼんやりと湖を眺める。 立ちつくす少女も、ぼんやりと湖を眺める。 言葉もなく、待つ。帰ってこない仲間を、待つ。 …………仲間。 そう、『彼女』は、仲間だった。少年と少女の、仲間だった。 会ってから何時間も経ってない。会話だって、ろくに交わしていない。 出会いは最悪。初対面の印象も最悪。 問答無用で攻撃してきた『彼女』を、これも問答無用でKOして取り押さえた間柄。 いい思い出なんて、1つもなくって。 けれど間違いなく、『彼女』は仲間だった。待ち続ける2人にとっては、仲間だった。 「おい、ジーニアス。いつまで... -
それはきっと唯一の方法
それはきっと唯一の方法 ◆3k3x1UI5IA ……どこか遠くで太鼓が鳴っている。 森を抜け、山道を歩き始めていた少女は呟いた。 「……獲物か」 足元は歩きにくいハイヒール。身にまとうは背中の開いたパーティドレス。 自分でも踏みかねない長い裾(実際、既に3回ほど踏んだ)は、今はまとめて縛って持ち上げている。 これが正装必須の夜会の場なら、即座につまみ出されそうな無作法な装い。 けれど、今ヴィータが居るのは、「殺し合い」のリングの中なのだ。少女は暗い炎を宿した瞳で天を仰ぐ。 『1人目』は、失敗だった。 思ったよりも腕が立つ相手だったせいもある。予想外の『武器』に意表を突かれたせいもある。 だが、一番の理由は、きっとヴィータ自身の迷いのせい。 あいつの質問に答えたりせず、そのまま炎の剣を振りぬいていれば、命を奪えただろうに。 ... -
世の中捨てたものじゃないから
世の中捨てたものじゃないから ◆3k3x1UI5IA 時間が容赦なく体力を奪っていく。 茂みの中、トマは泣きながら食事を続けていた。 「死に、たくないッ……! 死にたくないですッ、勇者さんッ……!」 彼の周りに散らばるのは、豆腐やもずく、の入っていた空き箱。 彼に支給された「ハズレセット」の、一部だった。 それが焼け石に水なのは分かっている。 浸水する船の中、小さな柄杓1本で水を掻き出すようなものだということは分かっている。 食事によって補える体力が、毒によって奪われる体力より遥かに少ないことは嫌というほど分かっている。 自分の体力の限界も分からない。いつになったら終わりが来てしまうのか、見当もつかない。 それでも、一分一秒でも長く生きるために。 来るかもしれない幸運を待つために。 トマは、泣きながら食事を続ける。 『豆腐セッ... -
明暗
明暗 ◆3k3x1UI5IA 「これが『マジカルアンバーミサイル』……ってただの火炎瓶やん!」 「そ、ただの火炎瓶。まあ下手に捻られても困るけどね、こんなもの」 『『ただの火炎瓶』とは酷いですね~。 これでも技術と知識と適当なカンに裏打ちされた、れっきとした……』 「はいはいルビーは黙ってて。進む話も進まなくなるでしょうが」 時刻は昼過ぎ。場所は相変わらず薄暗いシェルターの広間の中。 八神はやてとアリサ・バニングスは、それぞれの荷物を床に並べ持ち物の確認をしていた。 2人の支給品と、その解説書。会話には(頼まれもしないのに)ルビーも加わり、役に立たない考察を加える。 一応、これからシェルター内の探索をしようという話になっていたが、所持品のチェックはしておいて損はない。 それに…… 「それにしても……起きひんな」 「変身前に診た感じじゃ、今は寝てるだけなん... -
MOTHER/2発の銃弾/金糸雀の逆襲
MOTHER/2発の銃弾/金糸雀の逆襲 ◆3k3x1UI5IA 「これで……許すよ」 イエローの裸身に覆い被さったまま、名も知らぬ少年は絞り出すように呟く。 その表情は複雑な感情に歪み、決して少年が綺麗に割り切れたわけではないのだと容易に窺える。 それでも、少年はイエローのことを「許す」ことにしたようだった。 彼はイエローの上で身を起こし、視線を逸らしながら呟く。 「あの子も……自分の仇を討って、とは言わなかったしね。 あの子の『大事なヒト』の仇を討って、とは頼まれたけど」 「大事な……ヒト?」 「ボクもよく分からない。どうも『レッド』って名前らしい。それ以上のことは、聞けなかった」 「!?」 イエローの目が驚きに見開かれる。 「それ以上は聞けなかった」――おそらくそれは、そこまで聞いた所で事切れたということなのだろう。 けれど、問題はそ... -
◆3WUQYMLsJY
◆3WUQYMLsJY 氏 氏が手がけた作品 028 ビジネスチャンス 氏が登場させたキャラ 1回 摂津のきり丸 作品に寄せられた感想 名前 コメント -
◆ou3klRWvAg
◆ou3klRWvAg 氏 氏が手がけた作品 080 「信じてる」 ‐Masked Child‐ 099 運命はこの心次第で決まる 水中追跡行 ~Little Seeker~ 霧中逃避行 ~Panic Hopper~ 氏が登場させたキャラ 1回 イヴ 鈴木みか ビュティ ブルー ベルフラウ=マルティーニ 作品に寄せられた感想 敢えて言いますが、ミスター遅筆。ただし、完成された作品は展開が面白く、心理描写も濃くてとてもすばらしいです。予約期限内に投下されれば言うことなしな凄腕の人。 -- 名無しさん (2007-03-23 18 41 09) 名前 ... -
【Gunslinger Girl】からの出典
【ウィンチェスターM1897】 グレーテルに支給。原作ではトリエラが使用。 全長985mm、重量3.3kg。口径12ゲージ、総弾数5。 ポンプアクション式散弾銃。 民間の他にも軍隊、警察などで使用された。 第一次大戦では塹壕戦の狭い近接戦闘にて凄まじいまでの有効性と残虐性を示し『トレンチガン(塹壕銃)』の異名を得た。 【拳銃(SIG P230)】 トリエラに支給された。 同社のP220が9mm×19弾(9mmルガー、9mmパラベラム)を使用する軍用拳銃として 開発されたものであるのに対し、P230は9mm×17弾(9mmクルツ)を使用する警察用の拳銃として開発された。 全長 169mm 銃身長 92mm 重量 420g 口径 9mm×17 装弾数 7+1発 参考:MEDIAGUN DATABASE http //mg... -
リルル
【名前】リルル 【出展】ドラえもん (映画『のび太と鉄人兵団』) 【声優】山本百合子 (『魔法使いサリー』のサリーちゃん役や『聖闘士星矢』の魔鈴姐さん役など) 【種族】ロボット 【性別、年齢】(外見)女、のび太たちと同年齢程度? 【外見】桃色のロングヘア、碧眼の少女。 与えられた任務の性質から、外見はほとんど人間と見分けがつかないふうになっている。 (※作中で「外国人(?)」とのび太が評しており、顔立ちは東洋系ではないと思われる) 【性格】祖国メカトピアに対し揺るぎない忠誠を誓う、愛国心あふれるロボット。 ロボットのステロタイプ的な「クール」「感情の機微を読み取る能力に欠ける」等の性格を備えているが、本質は真面目でやさしい心を持つ。 【口調】饒舌ではないが、基本は優しくおだやかな喋り方をする。 一人称「わたし」、二人称「あなた」、三人称「~くん」「~さん」 【特... -
◆Gs3iav2u7.
◆Gs3iav2u7.(元◆bmPu6a1eDk) 氏 氏が手がけた作品 048 戦場のドレスコード 061 天丼 ~それは小さなお約束なの~ 091 紅楼夢 126 拝啓、地獄の釜の底から 185 まっくら隧道 197 夜の帳と跳ぶ為の言葉ならびにキャーッ!名無しさんのエッチ! 氏が登場させたキャラ 2回 トマ 李小狼 1回 アリサ・バニングス アルルゥ エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル 鈴木みか 高町なのは ニケ ベルカナ=ライザナーザ 野上葵 南千秋 八神はやて レミリア・スカーレット ヴィータ 作品に寄せられた感想 多分、ギャグのつもりで出した花摘みがパーティー分断のフラグになるとは思っていなかった……ですよね? 描写が丁寧でキャラが深いです。 -- 名無しさん (2007-03-23 18 33 57) タイトルにセンスを感じる。もちろん内容も素晴らし... -
◆NaLUIfYx.g
◆NaLUIfYx.g 氏 氏が手がけた作品 060 being 064 栄光のマウンテンロード 088 正義は必ず 095 一つの決心 100 別れ、そして…… 衝突、そして…… 104 ETERNAL BLAZE 111 Muddy Blood 116 誰にだって勝つ権利はある/難しいのはその行程 124 Do you need a friend? 127 you-destructiv(前編) you-destructiv(後編) 氏が登場させたキャラ 2回 犬上小太郎 シャナ リディア 1回 イシドロ 泉光子郎 一休さん 猪名寺乱太郎 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン イヴ 江戸川コナン 金糸雀 キルア グリーン グレーテル 才賀勝 三宮紫穂 白レン 摂津のきり丸 蒼星石 高町なのは タバサ ニア ネギ・スプリングフィールド 野原ひまわり 灰原哀 フェイト・テスタロ... - @wiki全体から「◆3k3x1UI5IA」で調べる