『まりまりもりもり』

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  • 『まりまりもりもり』
    もう、りほりほったら。今日という今日は容赦しないの。 さゆみは、里保の部屋の惨状を前に腕撫していた。 リゾナンターのエース。戦闘面において、そして時にはメンバーの士気を高める場面において。まさに万能の活躍をしている彼 女ではあったが。 部屋の片づけ、この点において他のメンバーの追随を許さないほどに苦手であった。他にもよく遅刻をしたり、歩くのが遅かっ たりと色々と欠点はあるのはさておき。 とにかく、部屋が汚い。 部屋中を埃が舞っているのは当たり前。足の踏み場もないほどに部屋が埋め尽くされている。サイダーの缶、お菓子の箱、衣服、 CDケース、雑誌…中にはどういうわけか会社四季報まで紛れ込んでいる。株に詳しい能力者でも目指すつもりなのだろうか。 部屋の中で嵐でも吹き荒れたかのような散らかりように、さゆみは眩暈すら覚えてしまう。 噂には聞いていたが、ここまでひどいと...
  • (42) 364 名無し募集中(魔女の最期)
    永遠が欲しい――― 本当にそれが自分の願いだったのだろうか―――? まるで氷のようだと言われた。 この忌まわしいチカラと同じく、一片の温もりも感じられないと。 わたしは“むつのはな”―― 鋭く尖った6つの花弁を持った悪魔。 美しいと言う者もいるけれど、それには必ずある種の畏怖が伴なう氷の華。 わたしは雪の結晶―― 触れる者を凍てつかせる凛冽たる魔女。 温かさに怯えて自ら酷寒に身を委ね、温もりに憧れて絶望する氷の塊。 自ら望んで凍えるような冷たい闇の世界に在りながら、誰よりもそれを怖れていた。 温もりを、明るい光を嘲笑い、忌避しながら……本当は誰よりもそれを欲していた。 永遠を得たいと思ったのは何故だっただろう。 どれほどに焦がれても自分を振り返ってはくれない温もりの代替品だったのだろうか。 どんなに慕っても決して自分を照らすことのな...
  • ■ ライアポロジー -飯窪春菜・石田亜佑美- ■
     ■ ライアポロジー -飯窪春菜・石田亜佑美- ■ 飯窪春菜が目覚めたとき、すでに石田亜佑美がそこにいた。 目に涙をため、起き上った飯窪を睨みつけていた。 「あ、あの…」 一瞬、目が眩み、耳が聞こえなくなる。 その頬が歪む。 間髪をいれず、 猛烈な勢いで殴られた。 再び感覚が戻った時、石田亜佑美が顔をうずめ、泣いていた。 飯窪の胸の中、飯窪を両手で痛いほど抱きしめ、肩を震わせ、泣いていた。 「一生!後悔するところだった!」 「あ…」 「あなたが死んでいたら、私は一生!」 そう言って、また泣いた。 「あの…」 「約束して!」 「え…」 「もう二度とウチを騙すようなことしないで!」 「……」 「次にまた嘘ついたら!嘘ついたら!」 「ぶつからっ!」 ぶつだけなんかーい 飯窪は心の中でそうつっこんだ。...
  • ■ ミーティングオブリベンジ -保田圭・矢口真里・市井紗耶香- ■
     ■ ミーティングオブリベンジ -保田圭・矢口真里・市井紗耶香- ■ 「これで全部?」 「ああ、そうだよ」 「ふうん… で、これらのデータから導き出された答えが、これなのね」 「なんだよ、なにが言いたいんだ?」 「矢口、あんた、このデータ見て何も気づかない?」 「ああ?」 「結論から言うわ。 その答えはほぼ間違ってるとみていい」 「なんだよそれ!意味わかんねーよ」 「このデータ、確かにみんな本物よ。こっちの内容…それ自体にも矛盾は無い。 でも…それらのデータを総合して出てきた答えが正しいものになるとは限らない。 いい? この供述書、それとこっち、それからこっち、あとこっちも… 口調や文脈、勤めて特徴を変えてはいるけど、これ全部『同一人物の作った台本』を基に言わされてる内容よ。 こっちに教えたい情報だけを意図的に、ね。」 「なっ!?そんなはずは」 「...
  • 『XOXO -Hug and Kiss- (4-a)』
    『あなたの正義はどちらかしら』  * * * * * * * * * * 「相も変わらずの役者ぶりね」 「それは私?それともユダ役の彼女かしら」 「ユダ、か…史上最大の裏切り者にして最高の功労者」 「彼女は全てを理解したうえでこの役に挑んでいる。無比なる勇者だわ」 「肝心の救世主はどうなの」 「ヴィア・ドロローサの途中ね」 「そしてヒロインは何も知らず、か」 「ただじっと、ユダの接吻を待ち続けているでしょう。その時には全てが手遅れだとも気付かずに」 漆黒の海に降る、黒翼の欠片。 「ところで、あなたはどうして知っているのかしらね」 「さぁ…うわさには敏感みたい。昔からね」 黒は黒に溶け、その笑みが海に映ることは無い。  * * * * 「私、吉澤さんのそういうとこ好きですよ」 愛の背中を飲み込んだ扉を見つめ...
  • 『風の行く末、未来への路、つづいていく青空』
    今日も雨が降っていた。 大地を潤すはずの天の恵みは、局地的に降り続き、人々に甚大な被害を与えていた。 こういう雨はあまり良くないと直感的に思う。 アスファルトを濡らしたことで、特有の匂いが鼻をつく。 夏の雨は爽やかだが、どこか危うさも秘めている。 嵐を起こし、街を覆うのも夏の雨だとぼんやり考えた。 風で雲を動かすことはできなくはない。 しかし、自然の摂理に反したことはあまりしたくない。 そのとき、ふいに雨が止んだ気がした。 見上げると、そこには小さな傘が差してあり、持ち主である彼女は寂しそうに笑っていた。 「風邪、引きますよ?」 いつだったか、風が騒いだ日にも彼女は現れた。 私はクスッと笑うと「そうかも」と返した。 「なんかね、空見てると落ち着くの。雨に打たれるのも好きなんだぁ」 「だからって体に悪いですよ。せめて傘...
  • 『詐術師の最期』
    「しくじったぜ……」 簡単な任務のはずだった。 ダークネスの幹部である矢口真里は、諜報部の吉澤からそう聞いていた。 敵組織の機密文書を取ってくるだけです。能力者は2、3人いるみたいですが、あんたなら簡単でしょ? その言葉を真に受けて矢口は護衛もつけずに敵の本拠地に単身乗り込んだ。 が、待っていたのは徒党を組んだ能力者の集団。 お得意の能力阻害も全員をカバーする万能なものではなく、みじめな敗走を選択せざるを得なかった。 「吉澤のやつ、ガセでおいらを動かしやがって」 下手したら死んでいた。 冗談じゃない。こんなどうでもいいことのために命を落とすなんて、馬鹿げている。 このツケは必ず払ってもらう。 とは言え、金に換算できるようなものではなくては意味がない。 とにかく、金が必要だ。矢口は組織のいち幹部で終わるつもりなど、さらさらなかった。 ...
  • 『mizuki―――』
    お家の人について作文を書いてみましょう。 小学生の道徳の時間に先生がそういったのを鮮明に覚えている。 あの時、父親か母親かを指定しなかったのがせめてもの救いだった。 聖の手が止まる。思い浮かべるのは父親でも母親でもない。所謂『お手伝いさん』だった。 いいよねー聖ん家はお金持ちでさ。家超デカいじゃん。 お手伝いさんもいっぱいいるんでしょ?うらやましーい 服もいつだってブランドだしねー憧れるわー。やっぱ何でも買ってもらえるの? いいなぁ。私も聖ん家の子に生まれればよかった お金持ちだからといって全てにおいて恵まれているわけではない。  実際、聖は自分の母親の顔が分からなかったし、父親だって年に2回会えばいいほうだった。 身の回りの世話をするのは赤の他人で、聖はいつも言いようのない孤独感を抱えていた。 クラスメイト達の声を曖昧な笑顔で濁す。 いつから...
  • (50) 412 名無し募集中(愛あらばIT'S ALL RIGHT )
    キーンと鼓膜に響くような寒さに身体が震える。 この国の10人に1人が息づくこの街も、大通りから少し離れればネオンの瞬きだけが静かに天を彩る。 ひんやりとした空気が肺を満たし、役目を果たしたものたちが白い影をともなって吐き出される。 それは一瞬視界をぼやけさせたが、周囲の空気に混じり、街は元の明瞭なネオンを取り戻した。 まるで私のようだ、そう思った。 とうとう眼前にせまった卒業という刻限。 8年間過ごしてきた空間から出る、ということの本当をまだ実感していないし、できてもいない。 ただ現実として、数時間後には今まで延々と掲げてきた“モーニング娘。”という肩書きを失うのだ。 寂しくない、というのは嘘だ。時間よ止まれ、とも思う。 事実、卒業を決めてからかけられた言葉たちに心が揺さぶられたこともある。 しかし、世の中というのは上手くできているものなのだ。 ツアー中に脱退メ...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 13話
    ● はぁ…金がしこたま入って来るのはええねんけど、こんなんばっか続くとしんどいわぁ。 せっかくのあいぼんさんのつるつる卵肌にめっちゃ影響出るやん。 社長の机っちゅうのも案外居心地のええもんと違うな。 て言うか何やねんこの事業計画書の山は。「詐術師」のやつ、こんな山ほどみみっちい仕事抱えてたんか。そらチリも積もれ ば山となるんやろうけど、なぁ。 欲かいて首領の首も狙うわな。それで死んだら元も子もないか。 何や。うちめっちゃ忙しいねんけど。 お客さん?そんなん聞いてへんわ、とっとと追い返し。 だいたいアポなしでうちに会おうなんて100年早いわ… ほんまか。ほんまにそいつはそう名乗ったんやな。 成りすましてこともあるやろうけど、ま、ええわ。早よこっち通し。 しっかし随分久しぶりに聞く名前やな。うちらがあないな目に遭わされた前後で姿消しよったって聞いてたんやけど...
  • 『運命論』
    「今日夜さゆおらんけん、大丈夫やけん泊まりに来ん?」 田中さんにそう言われ、私とまーちゃんは喜んでリゾナントにお泊まりすることになった。 道重さんがいないから大丈夫というのがちょっと分からないけど、むしろ道重さんも大歓迎してくれそうなものだけど。 というか、私たち、まあ主に鞘師さんへの接し方とか見てると、なんで道重さんがいないから大丈夫かというのはだいたい察しはつくけれどw そんなこんなで、田中さんと私たち二人がお互いにまかないを作り合ってディナーにしたり、ゲームをしたりして盛り上がった。 特にまーちゃんは、年末からしばらく、左…なんとか…リンパ…なんとか…。とにかくなんかそういう病気をしてたから、お泊まりも久しぶりらしく、なんだかいつも以上にまーちゃんだった。 で、夜も深まり、私たちは道重さんが普段使ってる部屋で休むことになった。 部屋にある雑誌とかを二人...
  • 保全戦隊リゾナンター 「燃やせ、命の炎」
    “史上最悪の能力者、小田さくらを警護しろ。” 突然下された指令に戸惑いながら、新幹線で目的地へ向かう譜久村聖率いる新生リゾナンター。 彼女たちの前に現れた組織からの刺客は…カマさんだった。 「小田ちゃんは渡してもらうわよ」 日焼けした肌を包むピンクのシャツ。 首元に絹のストールを巻いた素敵なヤツが手にしたアイフォンのアプリで不思議なメロディをかき鳴らす。 「ん、何か派手なシャツを着た禿げ上がったオッサンの姿が一瞬見えたような」 「あなたは千里眼を持つ工藤遥。 そうあなたには見えたのね、私の能力、キャンドル・イン・ザ・ウインドが」 「風の揺れるロウソクッ・・・」 突然突っ伏した遥を聖が抱き起こすが…。 「ホッホッホッ、無駄よ。 私の弾いたメロディを耳にしたあなたたちはもう逃れられない」 カマさんの能力、キャンドル・イン・ザ・ウイン...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 47話
    ● 直線のみで描かれた、無機質な白い建造物。 その目と鼻の先に、天使の奪還部隊は降り立った。 「はは。りっちゃんのくせにやるやん。座標が驚くほど正確やね」 能力者たちの先頭に立つ、白スーツ。 対能力者組織の本部長の地位にあるつんくは、目の前に目標の建物があることに満面の笑みを浮 かべていた。 脇を固めるは、二人の護衛。一人は、和服姿が似合いそうな鋭利な顔をした女。そしてもう一人は、 歌のお姉さんのように優しげな表情をした女だ。そのうちの、鋭利なほうが何かに気づき、つんくに 声をかけた。 「…安心するのはまだ早そうですよ、つんくさん」 「うん?」 身を守るように、前面に躍り出る護衛・前田。 首を傾げるつんくの前に、いくつもの禍々しい気が満ち溢れた。 そしてあちこちに発生した黒い渦の中から身を捩り這い出す、禁断の獣たち。 「ち...
  • 『XOXO -Hug and Kiss- (4-c)』
    真っ白なキャンバスにおびただしい程の朱が飛散し、鉄格子は檻の様相を完全に失っている。 正気を回復すると同時に飛び込んできた世界に、光の能力を暴発させたことを悟った。 時間の経過に比例して、景色の中の朱の浸食は進む。 朱の源泉は微動だにせず、ただ滾々と辺りを一色に染め続ける。 「対人は約1.4倍、対物はほぼ2倍、予想値を超えている。シミュレーション不足ね」 人間は血液の1/3が体外に放出されれば命を保持することが出来なくなる。 「拘束具を外せば外す程威力が増すとは予想していたけれど、実験体当時よりも素晴らしいデータだわ」 淡々と解析を続けるあさ美の左肩より下は、本来あるべき肌色の代わりに、だらだらと緋色の滝のみが流れる。 失血量は軽く見積もっても700ccは上回っているはずだ。 「でもこれ以上枷を取り払うことは出来ないから…どのレベルでど...
  • スレ別分類(第73話~第100話)
    ... 42.54 0 『まりまりもりもり』 2014/01/24(金) 01 09 39.77 0 第90話(2013/12/10(火) 19 03~2014/01/04(土) 05 23)  789レスまで 『リゾナンターЯ(イア)』 39回目 2013/12/11(水) 14 21 02.96 0   『WHO KILLED MY DIVA』 2013/12/12(木) 18 38 01.05 0 (90)101 名無しリホナントブルー 2013/12/13(金) 23 22 14.35 0 『Perseusーペルセウスー』scene#05 2013/12/14(土) 00 01 45.00 0 『リゾナント殺人請負事務所録』 Interlude.3~ビン入り殺し屋たちのおはなし~ 2013/12/14(土) 12 12 22.36 0 『リゾ...
  • 『林檎の頬の少女』
    岨道流。 聞いたこともない、無名の武術。 聖は、そう侮っていた。 けれども今置かれている状況は、彼女の認識の甘さがもたらした以外の何物でもない。 「『りゅういし』に、ばかにし過ぎだと思います」 まるで林檎のように頬を紅潮させ、少女は言う。 彼女の言う「りゅういし」が、「流石」の誤読だと聖が知るのは、ずっと先のこと。 少女の小さな手から、荒縄が天井へと伸びていた。 梁を支えにして、垂直に垂れ下がる縄。聖の白い足を絡め、そして彼女のふくよかな肉体に巻き付いている。 つまるところの、逆さ吊り。 荒縄の存在にはまったく気付かなかった。 なぜなら聖には、彼女が何も持っていないようにしか見えなかったからだ。 どうぞかかってきてください。その言葉に甘えて、抱きつき、少女の甘い香りを堪能…ではなく、身動きを封 じるつもりでいた。一度聖の得意とする「フ...
  • (135)442 名無し保全中。。。(構成員は道重ファン?)
    「ちゃゆううううううううううう」 『まだ言ってるよこの人』 【しかしま春になったら本気出すとかまるでにーt痛い痛い】 「お前何を言ってるんだ。さゆは俺たちに春まで生きる希望を与えてくれるためにわざわざあんな形で発表してくれたんじゃないか」 【でも道重クラスの大物だったら特設サイトを作ってカウントダウンしても良かったんじゃないですかね】 『それは俺も思った。個人のブログのタイトルの頭文字で発表って何かせこくないですかねっと』 「せこいとか言うな、さゆが俺たちと遊んでくれたんだからいいだろう。お前らも楽しかっただろうが」 『別に、な』 【俺も、な。あ、でも道重のブログ更新後のカントリーの山木さんの反応は面白かった】 『ああ、あれは面白かったというか凄すぎて最後の方は怖かったけどな』 【まあ道重のブログも暫く更新が途絶えるだろうから、その間山木さんには鋭気を養って...
  • 『始まりを知る二人の朝。』
    子供が走って来る。母親を急かすように走っているため、目の前に居た 彼女に気付く間もなく、その身体に激突してしまう。 軽い衝撃だったが、それでも予想外の反動で子供は地面に倒れ込んだ。  「すみません、この子ったら」 母親はぽかんとした表情で彼女を見る子供を叱りつける。 が、子供は何が起こったのか分からないのか、母親が怒る理由が 分からず、徐々に目が涙を溜め始めていた。 彼女は慌てて母親をなだめる様に呟く。  「大丈夫ですよ、ごめんなさい。私もよそ見をしてて」 そう言うと、母親は謝りながら子供を起こし、手を握って去って行った。 今日から新しい年を迎え、子供達は今、冬休みの真っ最中だ。 寒い風が肌に触れるが、白い雫はこの都会に来て何度も見ていない。 買いもの袋から温かいココアの缶を取り出し、彼女は空を見上げた。  隣には誰も居ない。誰かが居...
  • ■ アバウトイシカワリカ -   X石川梨華- ■
    ■ アバウトイシカワリカ -   X石川梨華- ■ 「うっぷ…むぐっ…おえっ…おえぇぇっ…」 「高橋!またなのアンタ!」 「ハァハァ…だっ…だいじょう…ぶです…」 「ケケケなんら?こいつ。」 「【読心術】やろ?戦場の殺意濃すぎて酔ってるんやて、なっさけな。」 「そこのふたり!ちょっとだまって!…ったく!いいわ!この作戦中【読心術】はセーブしておきなさい。」 「えっでも…」 「1班は作戦通り、2班の前衛はアタシが出ます。高橋と新垣はアタシの後ろにつきなさい!」 ―――――――― 「【念動力】…ですか?」 何重もの隔壁に守られた、秘密の地下施設。 そこに集うは、新垣里沙、そして8人の新しきリゾネイター。 学校終わり、放課後、喫茶リゾナントを愛佳たちお姉さんチームに任せ、 折を見てはこうした時間が設けられていた。 「そう、【念動力】、そ...
  • 「Vanish!(8) 独占 ―はぶられいなと消失点― 第1部」
     *注意:この物語を書き始めたのは雪降る時期なので設定は冬です。それをご理解の上お読みください* ●月■日(日) PM 6 00 気がつけば辺りはすっかり暗くなっていた 烏の大群が頭を下げて歩いているれいなの頭上を飛び去っていく 「愛ちゃん…ガキさん…」 れいなの口から出るのはつい一時間前まで最高の仲間と思っていたメンバーの名前だけ 携帯電話と財布、遊びに行くために用意したバッグ以外は何も持たずに先ほどから街をさまよっている 『♪~』   バッグに入れた携帯電話からメール受信を告げる音楽が流れた 「あ…ミヤ」 届いたメールは雅からのものであった 『FROM ミヤ  さっきはごめんなさい (_ _) でも、急いで補習終わったので会いに行けますよ(^-^)  ミヤは田中さんのこと大好きですし、心から信じています!呼んだらすぐに飛んでいきます...
  • 『またのきかいがリゾナント』
    事の成り行き 2012/11/03(土) 2012/11/04(日) 事の成り行き それは1枚の画像から始まった。 2002年3月に放映されたハロー!モーニング。の中で明らかになった道重さゆみのもう一つの名前(違 というか誤字。 リゾスレではおなじみのさゆみの中のもうひとつの人格、さえみの元ネタと思われるこの画像が貼られたことから、すべてが始まった。 299 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/10/30(火) 22 09 53.73 0 304 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/10/31(水) 07 03 17.31 0   299 これなに?w 305 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/10/31(水) 10 32 43.91 0 加入時のなんかかな ...
  • 『リゾナンターЯ(イア)』 60回目
    ● 雨が、降っていた。土砂降りの雨が。 消える間際に「黒翼の悪魔」が放った「空間裂開」により、れいなが落とされた場所は。 闇のように黒い雲と、降り注ぐ雨と、天を支える摩天楼の世界。 超のつく高層ビルが林立している姿は、どこかの異国の首都のようでもあったが、濡れた路地には人一人すら見当たらない。 そう言えば。 れいなは思い出す。 ダークネスの放った刺客「ベリーズ」「キュート」のうち、キュートと対峙することになった若きリゾナンターたちが、突如現れた栗色の髪の女 によって変な場所に飛ばされたという話を。 よくよく考えれば、その時見せたという強さの片鱗。そして、使役する能力。いずれも、「黒翼の悪魔」のそれにぴったりと合致する。 「つまりここは…」 「そう。ごとーの作った『異世界』ってわけ。でももう『返しちゃった』から、あんまりもたないけどねー」 ...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 18話
    ● ダークネス本拠地、「首領」の部屋のさらに奥。 いくつものモニターが設置されたその空間は、「首領」がとある面々と謁見するためだけに存在していた。 政界、財界、そして公権力。 一線は引いたものの、未だにOBとしてこの国を支配し続ける古狸たちだ。 彼らは能力者を時に正義の、そして時に闇の力として扱い、従えてきた。今も昔も変わらない権力構造は、「首 領」の頭痛の種でもあった。 そんな彼女が、憂鬱そうな表情を浮かべつつ「謁見の間」に入る。 気の滅入るような茶番劇の幕開けだ。 「…ふん、ようやくのお出ましか」 モニターの一つが、目を覚ますかのように光を帯びて映像を映し出す。 恰幅の良いスーツ姿の中年は、不機嫌そうに不満を述べた。 「待ちくたびれたぞ」 「我々を待たすなど、いい根性をしている」 「しかも、今日は『例の日』だというのに。飽...
  • (60) 972 名無しイラスト(愛ちゃん16歳)
    今スレラスト投下! 描いてみた。 ようやくポニーテールで纏まりました。 毎回携帯でごめんね 「生体兵器育成計画」 愛ちゃん16歳。 川* ∀ )<おしゃれを覚えたんやよー。
  • 『XOXO -Hug and Kiss&-(3-b)』
    転がる幾つもの肢体に、むせかえるような鉄の匂い。 「あれ、そんなに遅く来たつもりじゃなかったんだけど」 「これはお前が仕掛けたんか」 蹴り飛ばされた物体は深紅の飛沫を上げて、こちらに断末魔の表情を向けた。 「仕掛けたってか標準装備。こいつらもっと役に立つと思ってたけど、やっぱ雑魚は雑魚のまんまだな」 一旦腰を下ろして蹴られたそれに手をやり、見開いた目に終わりを告げる。 「でももっと綺麗なやり方あったっしょ。身体ぶったぎんなくても…ねぇ」 ガンッ――――! 「申し訳ありません。手早く確実に――そう教えて頂いたもので」 膝をついた床の3cm上に鋼線がぶつかる。立ち上がって線を辿った視線の先に袖から獲物をぶら下げた姿が見えた。 「確かにそう叩き込んだ――――が、それなら今のは教えに反する行為だな」 「適度な挑発は理性を鈍...
  • 『時の砂』
    「頼む、わしの邪魔をせんでくれ」 砂埃の舞うゴミ溜めのような街の外れ、年老いた男の悲痛な叫びが響く。 拳銃を手にした老人は、歩数にして十足らずの隔たりの先にいる若い男二人に、凄まじく憎悪のこもった視線を向けている。 彼らの間に表情を失ったかのような女。 取り立てて目を引くような特徴はないというのが女の特徴だった。 その身なりは薄汚れていたが、容貌には高い理性が輝いていた。 闇色の気配を漂わせている。 「邪魔をするつもりはないわ。 好きにすればいい。  でもね、人を殺すってことは自分を殺すことでもあるのよ。 あなたにその覚悟があるの」 「構うものか!! そいつらが孫の命を奪ってから、私の娘は生きる屍も同然の状態だ。  娘だけじゃない。 私の時間もあの日のままでずっと止まったままだ。 …何がおかしいんだ」 女の貌にうっすらと笑みが浮かんだのを見咎めて老人...
  • 名無しリホナンター。。。
    (75) 219 名無しリホナンター。。。 (75) 225 名無しリホナンター。。。 (75) 343 名無しリホナンター。。。 (75) 403 名無しリホナンター。。。 (75) 435 名無しリホナンター。。。 (75) 446 名無しリホナンター。。。 (75) 528 名無しリホナンター。。。 (75) 540 名無しリホナンター。。。 (75) 546 名無しリホナンター。。。 (75) 568 名無しリホナンター。。。 (75) 592 名無しリホナンター。。。 (75)776 名無しリホナンター。。。 (75) 795 名無しリホナンター。。。 (76)87 名無しリホナンター。。。 (76)135 名無しリホナンター。。。 (76)235 名無しリホナンター。。。 (76)275 名無しリホナンター。。。 (76)447 名無しリホナンター。。。 (76)668 名無し...
  • 『異能力-Dance in the dark-[7]』
                                     ←back     next→ 獣の遠吠え。耳障りな雨音。 全てが狂気となり慈悲となる。砂塵舞う砂辺に陣取った蒼。 あお。アオ。青。藍。蒼。 正常化する為に人を殺し、正当化するために生きる。 充血した眼を見開き怒濤の渦に巻き込まれながらチカラを放つ。 黒と銀のコントランス。 頭を掻きむしり発狂するその瞬間まで変わり映えしない景色を眺めながらそのチカラに安堵した。 あぁ、此処こそが全て。 紅く染まった視界。血塗られた世界。 引き金を引くことに躊躇いを持ったのは当初の頃。 人間は全てに慣れる。慣れて、慣れて。最後には感覚すらなくなる。 恐怖を恐怖と感じることなく、死の瞬間まで握り締めたチカラこそが正義。 この世界に正義と悪しかないというのなら正義こそ悪であり悪こそ正義と言えるのだ。 十中八九...
  • リゾナンター最終回.
    最終回のあるあるネタ的なお話でございます。  前半部分は割愛して、ラストシーン近辺だけを書き込みます。 ~あらすじ~ 物語は“ダークネスによって滅亡した地球”のビジョンを光井愛佳が“視た”ところから始まります。 リゾナンターたちはそれを阻止する為に、ダークネスの本部に乗り込みます。 様々な障害を乗り越えついに、地球滅亡の元凶である核兵器を発見したリゾナンターたち。 愛佳の予知した地球滅亡の時刻が迫る中、リーダー高橋愛はある決断をします。 それは、ダークネスの核兵器を“自分もろとも大気圏外にテレポートさせる”というものです。 皆の制止を振り切って、高橋は大量の核兵器と共に姿を消してしまいます。 残されたリゾナンターたちは、ダークネスの残党と交戦しながら退路を探しますが、 ダークネスの罠によって酸素供給を断たれた部屋に閉じ込められてしま...
  • 『異能力-Guilt-[5]』
                                     ←back     next→ イメージとは認識だ。 人の認識の原風景。 意思や感情、思想、論理の集合体。 始まりも終わりもない、混沌の世界。 変容し続けることで認識し、人の意識でそれは形成される。 理解するものではなく、感じるものだった其れ。 やがて其れは、狂暴な存在となって人間に固定化されて理解する。 理解しながらも変容し、イメージは次々と書き換えられていく。 「心」に刻まれたイメージは二重、三重へと膨張し、合成され、徐々に形を求めるようになった。  ―――それが、人々が抱く『人間』の本質なのかもしれない。  念写能力(ソートグラフィー) 心の中に思い浮かべている観念を印画紙などに画像として焼き付けるチカラ。 それは超心理学において透視能力とも酷...
  • 『異能力-Duelscape-[12]』
                                     ←back      next→ 里沙から緊急収集を受けたのは、それから一週間後の事。 愛が失踪後―――8人の憩いの場だった筈の喫茶「リゾナント」は主人を失い 扉には「Close」という文字が静かに立て掛けられている。 さゆみと絵里は何か異様な雰囲気を察知したように互いの手を硬く握り合う。 無機質に客人だと示す鈴の音が鳴り、二人は店内へと入って行く。 テーブルに椅子が上げられ、電気系統は一切電源を切られている。 ガランドゥな空間は、このたった一週間の間であまりにも変わり果てていた。 里沙が指定した先は……何故か地下にある『トレーニングルーム』 電気系統が全て遮断している所為で、そこに繋がっている通路さえも闇の中。 必死に目を凝らし、壁を手探りして進んで行く。 人が二人どうにか並んで歩ける程度の...
  • (65) 769 名無し募集中(囚われの愛)
    目次 2012/02/19(日) 更新分 2012/02/20(月) 更新分 2012/03/13(火) 更新分 2012/02/19(日) 更新分 ピンポーン! 「はーい!」 里沙のマンションに荷物が届いた。その中身は・・・ 「キター!ついに来たのだ、期間限定ネズミーマウスグッズ!最近、ネズミーに会えてないなぁ。」 かねてよりネズミーランドのファンである里沙だが、ここのところ忙しくなかなか夢の国に行くことができないでいた。 「このレアグッズは我が家の家宝にするのだ・・・うん、これは・・・」 里沙はネズミーランドのレアグッズの入れてある箱にある紙を見つけた。 それを拾い上げ、読み上げる。 その瞬間、里沙の表情が暗くなった。 「この時がきたか・・・」 数日後、里沙は愛を連れ出して、外出をしていた。 「いやー...
  • リゾナンター大捜査線?
    「新垣さん、小包です。」 「はーい。」 宅配便の応対にでたのは里沙の妹の紗季である。小包は小さな箱であった。 「お姉ちゃんにみたいだけど、誰からだろう。」 紗季が差出人の名前を見るとそこには・・・ 「新垣里沙様へ  保田圭より。」 「保田さんって確かお姉ちゃんの知り合いの変わり者の科学者さんだけど。」 紗季は一度酔っ払った姉が愚痴をこぼしていた時に名前がでていたので保田の事は知っていた。 「ちょっと開けてみようかな。」 紗季は箱を開けて見た。そこにはクッキーが入っていた。 「あっ、おいしそう。ちょっとくらいいいよね。」 そういうと紗季は箱を自分の部屋に持っていった。 数日後、喫茶リゾナントにて・・・ 「大変や、大変やよ!」 愛が大急ぎで二階から降りてきた。かなり焦っている。 「愛ちゃんどうしたとよ、そんなに血相をかいて。」 「あ...
  • Winter Story
    悴む指先に息を吹きかけて温めた。 この季節、吹きさらしの駅のホームは堪える。 すっかり陽が落ちてしまったホームで、愛佳はマフラーを鼻先まで上げて電車が来るのをじっと待った。 コートのポケットに手を入れる。出番がなくなった小銭が指先に当たった。  ひんやりとした硬貨を避けるようにして、愛佳は少しでも暖を取るためポケットの中で拳を握る。 暗いホームにポツリと明るい光を放つ自動販売機 吸い寄せられるように近づき、財布から必要なだけの小銭を取り出したが投入口に入れるのを躊躇う。 あったか~い、の赤い文字。その上に並ぶ文字通り温かな飲み物 どれも嫌いではなかったが、愛の作るカフェオレに比べればどれにも物足りなさを感じる。 温かな缶を両手で包み暖を取りたい、という誘惑とは戦ったが リゾナントへ着いたときのことを思うと、それは簡単に抑えられた。 10分ほど待...
  • 『異能力 -underdogs-』
     refer to  異能力  「もうすぐ、一つの時代が終わるのかな?」  「時代なんて、私からしてみれば始まってもないわよ。だから終わりも有り得ない」  「そう、でも、あの子達にとっても、何かにとっても、とても充実した時代だったと思うよ」  「…私達が望んでたことが全く叶ってない状態なのに、終わりだと割り切れるの?」 今、確かに何かが終わろうとしている。 口に出したくはなかったが、そういう予感めいたものは間違いなくあった。 模倣とは言え、【予知能力】はオリジナルにも劣らない威力を持っている。  「終わったら次が始まる。カオリン、また始まるんだよ。  ただその時代の流れから私達は一歩退くだけ、ただ、それだけ」  「呪いのような因縁が終わるなら、良いことね。  だけど、あの子達にはあまりにも不運だわ、巻き込まれた子達にはあまりにも惨い」  「いっ...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 41話
    ● 「いったい…どういうことなんだ!!!!!!」 会長室から聞こえてくる怒鳴り声。 部屋の主の直属の部下たちが、思わず顔を見合わせる。 ベーヤンホールディングスの総帥にして、関連会社数百社を束ねる会長。 ふてぶてしいまでの貫録を常に崩さない彼が、取り乱しているということは。 社員たちが抱く一抹の不安、それはすでに現実のものとなっていた。 「…もういい!貴様、明日もその椅子に座っていられると思うなよ!?」 不明瞭な相手の返事を遮り、受話器を机に思い切り叩きつけた。 それでも、部屋の主・堀内の怒りは収まりそうに無い。 「何が契約の終了だ…一方的に終了できる契約などあってたまるか!」 堀内の電話の相手は、リヒトラウムの警備部長。 彼の話によると、リヒトラウムの「有事」に備えていたはずの「能力者」が、自らが所属する組織の長の意 向...
  • Dive into the“FUTURE”(後)
                          ←Dive into the“FUTURE”(中)その微笑みは春の風。 その唇は野花の吐息。 そのまなざしは、美しき闇。 里沙は、その名を知っている。 里沙は、その優しさを知っている。 里沙は、その強さを知っている。 その名は、安倍なつみ。 その優しさは、闇に囚われた心を淡雪で照らしてくれた。 その強さは、暗黒の中を生き抜く術を授けてくれた。 茫漠とした無機質に覆われた精神空間を、高橋愛の姿をした里沙は一歩ずつ踏みしめるように歩いていく。 この時、里沙はまだ気付いてはいない。 安倍なつみに近づいていくその歩みは、巣立ちなのだという事を。 「…ちょっとだけ…力を貸してね」 元の姿に戻った里沙のその言葉は、静かな声ではあったが、強い決意が込められていた。 里沙には戦う理由があ...
  • 二人の魔女
    「そうやってアタシの前に立つってことはそういうことだと思っていいのかしら」 場所は光と闇、空と大地が交錯する世界の何処か。 黒衣の美女が首を傾げている。 話しかけられたのはトレンチコートに身を固めた男。 その容貌は女かと見紛うばかりの秀麗さ。 手に持ったトランプのカードを華麗な手捌きで弄んでいる。 「ええ、そういうことだと思って頂いて結構です、ミティ様」 「アタシだとわかっていながら、そういうことに持ち込むなんてあんたも酔狂だね」 「あなたがミティ様だからこそ、そういうことに持ち込むのです」 淑女をエスコートするかのような物腰を崩さない男。 しかし時折赤く光る妖しい目は、男が尋常で在らざる存在だということを、慎ましげに物語っている。 「アンタ、何ていう名前なの」 「私などの名前を訊いてどうされるおつもりですか」 「今...
  • アメノキオク
    なんか怖い。そう思った時にはもう遅く、足が竦んで前に出なくなっていた。 バケツをひっくり返したような激しい雨が目の前の景色を瞬く間に濡らしてゆく。 夏の終わり。夕立とは言い難い毎日のように続くゲリラ豪雨はどこか異常だ。 雨は轟々と音を立てる。コンクリートに打ち付けられた雨雫は跳ね上がり、足元を白くした。 「何でやろ…動けへん」 電車から降りた人たちはそろって傘を差し、身体を小さくしホームから足早に帰り路につく。 改札口の前で立ちすくむ少女に気をとめる人など、この都会にはおらず 邪魔だ、と言わんばかりの舌打ちをお見舞いされたくらいだった。 落ち着け、自分。大きく深呼吸をし言い聞かせたが、空を切裂くような雷の音が聞こえ 2・3歩進むのが限界でますます愛佳の足は動かなくなってしまった。 今日は遅くまで学校に残り勉強していたためリゾナントに寄るつもりもなく、自...
  • 『かなしみ戦隊リゾナンターV』
    「気まぐれプリンセス」 「Take off is now!」 「It's You」 「あの日に戻りたい」 「SONGS」 「片思いの終わりに」 「その出会いのために」 「春 ビューティフル エブリデイ」 「私の魅力に気付かない鈍感な人」 「青春コレクション」 「キラキラ冬のシャイニーG」 「愛され過ぎることはないのよ」 「雪/愛×あなた≧好き」 「コタツの歌~jyuken story~」 「元気+」 「気まぐれプリンセス」 新シリーズ予告                  海岸に打ち上げられた幼女が一人             冷えた大気を肺が感じる 冷たいコトバを頭が感じた   『そヴですカ・・はイ兄が・・・分ガっていまス 私こそは・・お母ざまノ願い 叶えテみぜマス』          『しかし・・ごのカラダ・・・イえ・・・何でもありません・・・必ズや』 ...
  • 『リゾナンターΧ(カイ) -2』
    ☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆ とある住宅街の隅にある、小さな喫茶店。 立地からしてあまり流行らなそうなこの場所で、一人の少女が手持ち無沙汰気味にカウンターを雑巾で拭いていた。店の窓から見える空は、今にも泣き出しそうな空。おかしいな、さっきまで晴天だったはずなのに。 そんな少女の疑問などお構いなしに、雨粒かぽつりぽつりと窓を叩きはじめる。 今日の来客は期待薄、と少女が思いかけたその時だった。 からんからん。 喫茶店の扉につけているドアベルがレトロな音を奏でる。 カウンターを拭いていた少女が条件反射的に手を止め、来客者のほうへ顔を向けた。その顔は心なしか、緊張しているようにも見える。 無理はない。今日最初の、いや、少女が出迎える最初の記念すべきお客様だ。その人は少女・鞘師里保の記憶に永遠に残るだろう、というのは言いすぎかもしれないが。 その...
  • 『XOXO -Hug and Kiss- (4-d)』
    1時間。 60分。 3600秒。 この戦いにかけられる時間はおそらくそれぐらいだろう。 ただそれは、里沙の能力次第で如何様にも変わる。 攻撃は最大の防御とはいうものの、戦闘を進める第一条件として防壁の維持に意識を割かなければならない現状において、一気呵成に攻めることは不可能だ。 里沙の出方に合わせてこちらもスタイルを変えながら微かな隙間を衝くという持久戦を展開するほかない。 ――なぁなぁそっちから手だしてくんないとどうしようもないんだけど―― ――何言ってるんですか、そんな馬鹿な真似する阿呆がいるとでも?―― ――それって結局馬鹿なの、阿呆なの?ーー ――雑談するくらいの余裕があるなら仕掛ければ良いじゃないですか―― ――それこそそんな馬鹿なことする阿呆がいるかってんだ―― 外からは、ただ粛々と対峙しているだけに映るこの血戦。 手塩にかけた我らの「子...
  • 『はじまりなんだろうね』
    帰りのHRが終わって帰ろうとした彼女にクラスメイトが声をかけてきた 「ねえ、一緒に帰ろうよ!それでさ、一緒に遊びに行こ!」 数日前に時期外れの転校でこの街にやってきた彼女はその誘いに笑顔で首を縦にふった 転勤の多い仕事の父親から今度は東京に行くと聞かされた時はやはり戸惑った 昔から何度も転校はしてきたが何度経験しても一向に慣れることはなかった ただいくら文句を言っても彼女にそれを拒否する権利がないことも幼いながらもなんとなく理解していた 引っ越しの日には仲の良い友達が思いをこめた色紙や花束を渡してくれて、嬉しくもあり悲しくもある 「新しい学校でも頑張ってね」なんて言われて胸が熱くなり、でも涙はみせまいといつもの笑顔で手を振って街を去る 転校したその日は転校生が珍しいからであろう、色々と質問される どこから来たの?お父さんは仕事なにしてるの?家はどこ?・・・質問...
  • 『幕間~未来→現代~』
                                    ←back    next→ 「なんか変な感じだな~」 聖は周りを見渡して一人呟いた ふわふわとまるで海の中にいるようでもあり、空から落ちているようでもある―それが時間を遡っている今の感覚 周りの景色は何も見えないが不思議と自分の姿だけは光にでも包まれているようにはっきりと捉えられる 「今、私って珍しい体験しているんだよね。きっと世界中探してもほんの一握りしかいないだろうな~」 左手に付けた時計の針が普段とは反対に回っていることで自分が過去に向かっていることを改めて確認できた ふと足元に視線をむければそこには持参したカバンと光井に手渡されたカバンが置かれている 「よかった、一応足にこの荷物達を結んでおいて。どこか行ってしまったら大変だもん」 聖はそう言って光井から渡されたカバンのチャック...
  • ■ クリミナルエネミー -鞘師里保- ■
     ■ クリミナルエネミー -鞘師里保- ■ イクちゃんってやっぱりKYだよなぁ 自分より年上で背も大きいくせに買い物を手伝うわけでもなく カゴ一つ持ってくれるでもないその「美しきポンコツ」を横目に 鞘師は重たい買い物カゴを運んでいた。 水軍流によって、重量物を効率的に運搬するための体のコントロールは 知り尽くしている鞘師であったが、いかんせんもとの身体資源そのものが乏しいのだ。 瞬間的な動きの中なら敵の体重が100kg超であろうと片手で楽々放り投げる事が出来ても、 のんびり重いものを運びつづけるのは、やはりしんどい。 「カゴ持って」とか具体的に指示すれば生田は喜んで手伝ってくれるだろう。 だが、鞘師は頼まない。 ごく短い付き合いではあるが彼女の「ポンコツ」ぶりは身に染みてわかっている。 勝手にイチゴを取るぐらいならまだマシだ。 誰かの役に立...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 25話
    ● 喫茶リゾナントからそう遠くない場所にあるマンション。 その一室に、光井愛佳が構えている事務所があった。彼女の生業は、所謂何でも屋。 迷い猫探しから、要人警護までをモットーに。今では海外進出をも視野に入れ、ニュージーランドと日本を 行ったり来たり。ちなみに事務所の代表は愛佳で社員も愛佳一人。人手不足はリゾナントの後輩たちに補 ってもらっている。今のところ、海外で得た英会話力を生かせるような仕事は、舞い込んで来てはいない。 愛佳の携帯電話が、鳴る。非通知。依頼者だろうか。 今日はいつになく忙しい。普段は一日一件くらいの依頼が、今日に限って10を超える本数。同業者に聞 いたところ、都内のその手の「能力者」たちが何らかの用事に掛かりっきりなのだと言う。どちらかと言え ば暇を持て余している愛佳のような個人営業者には願ったりな状況ではあるが。 「お電話ありがと...
  • 『過去に託された想い』
    「リゾナンターの光井愛佳さんですね?」 街灯と月明かりに照らされてる夜道を歩いてくる女性に声をかける。 「そんな身構えないでくださいよ、争うつもりはありません。」 とは言ったものの彼女の警戒心はとれる様子はない。 「なんで愛佳のこと知ってるんや?ダークネスか?」 「いえ・・・、私は今のあなたを解放する為に未来からやってきました。」 「フッ・・・未来?アホかあんた?」 やっぱりこうなる・・・。 未来から来たなんて言って簡単に信じてもらえるわけがない。 どうやって信じてもらうか・・・これが面倒くさい。 「私はあなたが未来を予知する能力を持ってることを知ってますよ?」 「そりゃリゾナンターって知ってるくらいだから知ってるとは思ったけど・・・  アホなことばかり言ってなにが目的や?」 あんまりアホアホ言われるとイラっとするなぁ。 ...
  • ■ ミドナイトチワワ -工藤遥・譜久村聖- ■
     ■ ミドナイトチワワ -工藤遥・譜久村聖- ■ 夜だ。 目を覚ますと、もうまっくらだった。 ふと背中にぬくもりを感じ、ねがえりを打つ。 『まー?…ちゃん…?』 工藤の背中、そこに申し訳なさそうに身を寄せ、眠っている。 そっか、ハルが泣いてたからか。 佐藤のほほには、くっきりとわかるほどの涙の痕があった。 『わりい、ごめんな…。』 工藤はゆっくりと起き上がり、キッチンへ。 冷蔵庫、なにか飲み物でも探そう。 ソファーから人の気配。 譜久村聖だ。 ソファーで横にはなっていたが、今まで眠れずにいたのだろう。 『お茶、のむ?』 『……』 カーペットに座り、お茶を待つ。 譜久村の背中ごし、急須に少しお湯を入れ、くるくると回すのを目で追う。 中のお湯を捨て、茶筒から一杯...
  • 雪の日
    たとえばあまりの寒さに目が覚めて、恐るおそる窓から外を眺めたとする。 そして、もし雪が降り積もっていたとしよう。 「わぁっ、雪だ! 積もってるよ」 って言ってられるうちがこども。 「あ~あ、雪が積もってるよ」と嘆くのが大人。 にこんなことを言ったのは、勤め先である「ピンチャンポー」のオーナー菅井ちゃんだった。 実際はもっと特徴のある菅井ちゃん独特の言い回しで告げられたのだったけども。 何にせよそんな菅井理論に従うのなら、私は大人だ。 今朝目が覚めたのは、寒いからではない。 決められた時刻にセットしている携帯のアラームの音でだった。 カーテン越しに窺える窓の外がなんだか白かったので、カーテンを開けてみれば外は雪景色だった。 一応は都会。 膝まで沈むほどに、積もってるわけじゃない。 ところどころに地面が覗いている。 だか、そこは都会。 たとえ疎らで...
  • 『思いは伝わる』
    ☆ 数ヶ月ぶりに顔を合わせたその人は相変わらず美しかった。 ただ…。 2011年9月、ダークネスの解体を見届けた上で高橋愛はリゾナンターを離脱し、喫茶リゾナントからも姿を消した。 平和を謳歌し、置き去りにしていた青春に浸り、諦めかけていた夢を追いかける…ためではない。 「少し痩せたんじゃない、愛ちゃん」 「んー。ジャンクフードばっか食ってるせいかな」 この国の為政者の能力者に向ける視線には温度差がある。 その存在自体が社会秩序を揺るがす不安材料だとして強制隔離を主張する強硬派。 それに対して当面は情報統制を敷いた上で異能の暴走を防ぐ研究にあたり、ソフトランディングな形で一般大衆にその存在を周知させていく考えを持つ穏健勢力。 いずれにせよ能力者がこの国で公然と普通の暮らしを営んでいくのは難しくなった状況で、リゾナンターは最大の能力者集団になってしまった。 ...
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