『約束の場所』

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  • 『約束の場所』
    朝から冷たい雨が降りつづいていた。 恵みの雨とはよく言ったものだが、今日は傷口が傷むため、あまり好きではない。 自分のことは「晴れ女」だと自負しているのに、どうしてこういう日に限って雨なのだろうとぼんやり思う。 気温が下がり、吐く息も白くなる。傘を持つ手がかじかむが、大股でそこへと歩く。 「寒すぎっ……」 そうして愚痴を吐いてみたが、だれも応える相手はいない。ひとりなのだから、当然と言えば当然の結果なのだけれど。 ただし、ひとりなのか、一人なのか、独りなのか、分からないけれど。 ああ、なんだかバカバカしい。今日はせっかくの誕生日だというのに、どうしてこんな気分になるのだろう。 いや、誕生日だからこそ、こんな気持ちを携えるのだろうか。 本日12月23は日本国の象徴である天皇の誕生日だった。 正直、今上天皇には会ったことも話したことも、まして見たこともない...
  • 『大切な場所』
    「笑えよ。 職も、家も、信じるべき正義も、守るべき大切な人も失って。 それでも惨めったらしく生き恥を晒している俺のことを笑えよ」 齢三十前後、尾羽打ち枯らしたような男が自嘲する。 「人間とはそういうものだろう」 黒いファーコートに身を包んだ女。 男よりは若そうに見える。 二人が対峙しているのは山小屋と呼ぶには貧相すぎる小屋。 閉鎖された遊園地で撤去されず残っていた警備員の詰め所。 「あいつは心配していた。 こんなことになるんじゃないかと」 「女は心配性な生き物なのさ」 自分よりも年上の男に対して、何ら気を遣うことなく話しかける女。 その態度は極自然で男も違和感を覚えていないようだ。 「俺は許せなかった。 警察のキャリア官僚が日本最大の暴力団の総長と内定しているなんて」 「お前は事実を見ない偽善者か、真実を理解できな...
  • 黄金の輝き
    523 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/02(火) 13 29 20.12 O バッチリ……デ…ス…… 524 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/02(火) 15 24 28.68 0 時間停止 538 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/03(水) 09 36 30.66 0 黄金の……ヤスス 539 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/03(水) 10 22 37.89 O ゴールド・ケメッコか 「…そして、時は動き出す。 闇色に輝きながら」 崩れ落ちる少女。 身体は傷つき、息も絶え絶えだがその瞳から光は失われていない。 「いい加減、あきらめたらどうかしら。この世界に永遠なんてないけど絶対という概念は存在する。 あなたと私の間には絶対越えられない...
  • 『Defend-inspired by The Red Moon-』
    everKrack 次元が歪む午前零時 月が紅く染まる――― まるで光と影のDANCE――― これは目眩なの?蜃気楼なの? 鏡の中のface、それはfake? 深く熱く染まる闇の中で、私の結界が暴かれる “イカれた眼” 何か獲物を狙うかのように――― これが私なの?本当の私って何なの? 愛の力は表裏一体。 愛のために全てを守り、愛のために全てを壊す 私の知らない、私がいる 守りたい――― 守りたいが故に壊す 純潔でありたい――― 純潔でありたいが故に牙をむく 今夜も月が紅く染まる 自分自身に弄ばれる 真偽など無い、全て私なの “quest” 私という迷宮に堕ちてゆく――― 未来は遥か遠く 未来は霧の中に “エヴァークラック” 答えは私の中に 怖がらないで、私の愛を――― キリノナカ ...
  • 『モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「半分エスパーの世界(前)」』
                                      next→ 世界の破壊者 高橋愛。 守るべきものの為に立ち上がれ。 2011-2-20 12 08 00 ランチ テーマ:ブログ 今日のお昼は近所の喫茶店でいただきました。 カメラの調子が悪いので画像は上げれませんが オムライス↑ バジルパスタ↑ 美味しかったです。 店のマスターは私より年下のカワイイ女の子です。 関西弁がとても素敵です。 アメちゃんももらいました~。 ラッキー! 日課になったブログの更新を終えた高橋愛は溜息をついた。 その原因は故郷の母親から送られてきたお見合い写真。 相手は地元でゴルフ場やホテルを経営している企業の跡取り息子。 “お前もそろそろ身を固めたらどうだい”という手紙が添えられて...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 21話
    ● 学校帰り。 石田亜佑美と小田さくらは、敵襲に遭っていた。 何故この組み合わせかと言えば。ただ単にあぶれもの同士。香音と聖、里保は日ごろお世話になって いる先輩・愛佳の用事で先に学校を出ていたからだ。それはさておき。 相手はちょうど亜佑美たちと同じ、二人。一人はいかにも屈強そうな男ではあるが、もう一人は家でネ ットゲーム三昧してるのがお似合いの痩身の青白い小男だった。 「敵」とは言え、ダークネスの手のものではない。 組織に属さず、フリーの立場にある能力者。ただ、こうやってリゾナンターの前に顔を見せる能力者た ちの中には、ある共通項が存在することが少なくない。 自分たちの名を、闇社会に売る。 それが彼らの主たる目的であることがほとんど。 もちろん、目的のためならどのような手段を取ることも厭わない危険性があるから、こうして亜佑美た ちは男たちが誘うままに...
  • 『きみのいるばしょ』
    違和感のある左足を知らず知らずのうちに庇っていたらしい。 歩き方がおかしかったようだ。 愛に、どうしたんや?とその足を指摘され気がついた。 「なんか痛いような痺れるような変な感じなんです」 日が経てば治るだろうと思っていた。寝ているうちに打ったとか、軽く捻ったとか。 行儀が悪いとは思ったが、靴と靴下を脱ぎ椅子の上で三角座りをして弁解しながら、違和感のある左の踵あたりを撫でた。 「見た目ではどうもないんですけどね」 愛が調理場から出てきて愛佳の隣の席へ腰を下ろす。 そして愛佳が乗っている椅子を自分と向かい合うように引っ張り動かした。 反動で愛佳の身体が揺れる、支えるために思わず愛の肩を掴んだ。 「腫れてる、とかではないんやの」 愛の手が愛佳の足を柔らかく掴み、違和感があると訴えるその場所を撫でた。 「感覚はあるんか?」 ...
  • 暁の戦隊 光井愛佳生誕記念?「School Days」
    学校教諭の彼。 今日は親による虐待の風聞のある不登校児の家庭訪問を行なう日。 児童相談所の担当者との待ち合わせまで、喫茶店で時間を潰すことにした。 ― 愛佳、光井愛佳さん? ― その店で出会ったのは、彼が受け持ったことのある生徒だった。 当時の彼女にはある噂がつきまとっていた~光井と話をすると事故が起こる。 彼女の父親、そして親友。 彼女は大切な人が事故に遭わないように忠告した。 それだけのことのように思えた彼は出来るだけ彼女のことを気にかけるようにした。。 しかし、鬱屈した感情を抱えている生徒たちにとっては、光井愛佳は格好の捌け口だった。 その感情が爆発したのが校外学習の時だった。 公園内の生態系の調査という退屈な課題に飽きた男子生徒が池で水遊びを始めた。 それを制止しようとした愛佳。 思わぬ深みにはまって溺れかかった男子生徒。 ~また、光井が事故を起こし...
  • (67) 272 名無し保全(闇の時間)
    271 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/04/16(月) 22 42 29.65 0 闇の時間が迫る。 272 名前:保全[] 投稿日:2012/04/16(月) 23 25 19.81 0 闇が迫りモノクロームになる 私の時間を私の毎日をいつか 鮮やかに塗りつぶし夢見てきたあの場所へ 見つめてきた遠くのあの場所へ辿り着けるように 闇が迫りモノクロームになる 染まっていたくはない汚れたくはない いつも光は手を伸ばしたら消えてしまうけれど それでも何かを信じたい闇が時間を喰らい続けても 273 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/04/16(月) 23 26 50.15 0 闇の時間もまた光の時間と同じ刹那を抱いている。 だからこそ人は希望を抱くことが出来るのだ。
  • ■ フオルナウト -田中れいな- ■
    ■ フオルナウト -田中れいな- ■ 社務所の奥は広い道場となっていた。 すでに暖かな外の陽気は、 静謐で厳格な、この空間とは無縁のようであった。 「慣れない方に板の間での正座は御辛いでしょう?膝を崩されても結構ですよ。」 白衣に差袴、見たところ40代。 細身だが、引き締まった全身を、その白装束が引き締める。 「…これで、ええったい…」 田中れいなは、脛に走る鈍痛を堪え、そう答える。 「そうですか。」 微笑。 「おっしゃる通り、あの方からお預かりしたものはここに…」 変らず、微笑。 「時と場所は違えど、あなたと同様、私が応対させていただきました。」 微笑。 「失礼ながらお預かりしたものの内容は全て閲覧させていただきました…特に『見るな』とは、お約束しておりませんでしたのでね。」 変らぬ、微笑。 「興味深い内...
  • 高橋愛 27歳記念──飛び立つから──
    みんなを巻き込んでしまったかの あーしと一緒じゃなかったら こんな未来じゃなかったやろ そんな事言うと 「また1人で抱え込もうとするんだから」って言うんやろな これでもちゃんと頼りにしてるで ガキさん あーしらの会話を聞いて 「また愛ちゃん叱られてるー」とか言ってからかうんやろ あんたらの息の合い具合に毎回驚くわ 絵里にさゆ その様子見て笑ってるんやろ 本当は入りたいのに一歩引いちゃって みんな待ってるで れいな んで 構って欲しくて割り込んで来て みんなに呆れられるんやろな 仕方ないけどな それが小春やし ちょっと控え目に入ろうとするのが なんか可愛くて 一緒に構ってあげるもう1人の最年少 愛佳 国を離れて不安もあったやろうけど 小春達と同じ様に...
  • エビチリの絆
    なんてことない灰色の壁が、今日はやけに立派に見える。 ずっと待ち望んでたことだからかな。 一年以上前からの、二人の約束。 「じゃ、開けるよ」 「ハイ」 ワクワクするようなドキドキするような感覚を抑えて、バカでっかい暖簾を払う。 扉に手をかけてちょっと引いたら、もわっとした店内の熱気が纏わりついてきた。  ・・・なんとなく油っこい。 「はい、らっしゃい!」 敷居を跨ぐと同時に、威勢のいい声があたしたちを出迎えてくれた。 負けじとあたしも声を張り上げる。 「こんちはー!おじさん、エビチリ定食二人前!」 「はいよっ!」 「アレ?・・・ねー久住サン、注文て席座ってからするじゃなかったっけ?」 控えめに聞いてきたリンリンの声は、厨房のジュージューしてる音と、注文を奥に伝えるおじさんの声でかき消された。 “今度二人でエビを食...
  • 『pray for you』
    「鞘師さんは、永遠をどう思いますか?」 夕方。逢魔が時と呼ばれる時間帯。 西日が「喫茶リゾナント」に射し込み、思わず目を細めてしまう。 ふいに声をかけられた鞘師里保は、「うん?」と何処か情けない声で振り返る。 「なんでそんなこと聞くの?」 責めるつもりはなかったが、言葉尻を捉えて批判したような格好にもなった。 陽の光をその背中に受けた小田さくらは、哀しい顔をするでもなく、膝を曲げて里保の目の前に置いてある観葉植物に向き合う。 脚を折った瞬間に、ぱきっと小気味いい音がした。まるで成長期の骨のようだ。彼女はまだ身長が伸びているのだろうか。 里保の成長は少しずつ止まりつつあり、この目線が暫く、私の世界になるのだなと理解した。 もう少しだけ、高い世界も見てみたいのだけれど。どうやらそれは、ないものねだりになりそうだ。 あの人が見ていた世界を、あの人が感じ...
  • 『リゾナンターЯ(イア)』 - 3
    ☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆ 香音のうめき声が、広いスタジオに絶望を彩る。 壁に侵入した時点で異変に気づき、優樹を先に出し、自身も最低限の接触で壁の中で凍結は免れたのは不幸中の 幸いか。しかし、ディフェンスの上での貴重な戦力を失ってしまったのは間違いない。 「敵前逃亡しなきゃ、あたしは手を出さないから」 スタジオの入口に立ち、面倒そうに言う「魔女」。 ひとまずは二人がかりで攻撃、ということはなさそうだった。 「やっぱ持つべきものは友達だよねえ」 「は?ビジネスでしょ。これも大事なお仕事の一つだから」 「仕事熱心じゃないあんたが言っても説得力ないから。ま、好意はありがたく受け取っておきますか」 終始、リラックスした魔女と粛清人のやり取り。 里保は、入口を塞いでいる女もまた「赤の粛清」と似たような地位にいる人物という事を見抜く。それ...
  • 守りたい場所
    いつもの喫茶リゾナントでは 「そういえば、田中さんは今日どうしたんですか?モグモグ。」 「クスミ、バナナを勝手に食べるな!」 「いいじゃん、一本ぐらい。いっとくけど小春はジュンジュンの命の恩人なんですよーだ!」 「あの時、おまえの助けがなくても生き返ってるサ!」 小春とジュンジュンがバナナ一本で不純な争いを繰り広げているのを愛は苦笑していた。 「まったく、あのふたりにはもう少しどうにかしてほしいですわ。」 愛佳も毎日のように繰り返されるやりとりに参ってるようだ。 「それにしてもめったに休みをとらない田中さんがどうして休みなんかを?」 「いくところがあるんやて。」 その頃、れいなは大量の荷物を引っ下げ、丘の上を目指していた。 その先には小さな孤児院が建っていた。そう、それはれいながかつて生活していた孤児院だ。 「みんな、よろこんでくれるやろか。...
  • 『光と影』前編
    時は、夕暮れを迎えようとしていた。 相変わらずの山の中。かつては大艦隊を率いていた水軍流の末裔が住む場所とは思えない。 海から離れていても、我らの心は海とともにある。 そんな言葉を不意に思いだしつつ、少女は薄暗くなり始めたあぜ道を歩いてゆく。 リゾナンターのリーダー・道重さゆみがリゾナンターから離脱すると宣言した翌日。 鞘師里保は、故郷の地に立っていた。 さゆみのことが原因ではない。どうしても故郷に帰る必要があった。 十六夜の儀。 鞘師の家に生まれ、水軍流と「鞘師」の名を継ぐものが十六の年を迎える時に課せられる試練。 その内容は秘匿されていたが、自らに打ち克つ試練ということだけは知られていた。 ともかく。 里保は、鞘師家の屋敷に辿り着く。 今この屋敷に住んでいるのは先代の「鞘師」。つまり、里保の祖父のみ。 色褪せ蒼然とした屋敷を見て懐かしむ間もな...
  • 『祈りの夜』
    眠れない。夕方ごろに流れたニュースが気になってしまう。 大丈夫だろうと信じようとしても、確証はない。 早めにベッドに入って寝てしまおうと思ったが、どうにも落ち着かない。 身体を動かして汗をかけば眠れるだろうかと、地下鍛錬場へと向かった。 そこには既に、先客がいた。 何人かのリゾナンターが、個々人の能力と向き合い、手合わせを行っている。 落ち着かない気持ちは、皆同じなのだろうかと思いながら、別の場所へと向かった。 塩酸の匂いに包まれる。 定期的な掃除やメンテナンスにより、たとえ水の能力者が去った後も、地下プールは健在だ。 野中美希は水面にそっと手を翳した。 先日、いきなり実戦で使った“空間編纂”を考える。 一時的な真空空間を作り出した直後に、能力を解除する。 「正常」な状態に戻ろうと空間が再び「歪」むことで、空間が捻じ曲がり、強引に空間同士を繋ぐ「...
  • 『リゾナンターЯ(イア)』 (44回~47回)
    44回目 45回目 46回目 47回目 44回目 ● 飛ぶ要塞、と言っても大げさではない飛行船「アルマカミニート」。 元は対ダークネス戦の切り札として作られた代物だけに、内部の施設もまた充実していた。 船内中部に設けられた、演武場。 特殊な材質でコーティングされた床は激しい運動をしても衝撃が体にいかないような構造になっている。つまりは、通常の稽古以上の 動きが可能となる。 里保と亜佑美。もらったばかりの「戦闘服」に身を包み、対峙する。 窓から差し込む夕陽が、二人を照らし長い影を作り出していた。 その太陽が、雲に隠れ演武場が薄暗くなる瞬間。 亜佑美が動いた。持ち前の「高速移動」で一気に里保との距離を縮める。 図らずも接近戦の様相を呈す戦い。 手が舞い、足が踊る。攻守を何度も入れ替えつつの組み手。 決戦前の肩慣らしとして...
  • 石田亜佑美 17歳記念『──意地張らないで仲間に入ってよ──』
    川c ’∀’)<1回目 「こんにちは!」 道重さんに頼まれた買い出しを済ませてリゾナントへ向かう途中 小柄な女の子に声をかけられた 本当に、ウチと同じくらいの背丈 でも、髪は黒くてショート えーと、この子は……誰? 知り合いだっけ? 「こ、こんにちは……」 「もしかして、覚えてませんか? この前、助けてもらった……」 助けて……あ、あー! ──1ヶ月前 「うぅ寒っ! 」 いくら東北育ちでも、寒いものは寒い 早くリゾナントに行って暖まろう 今日はリゾナントの定休日 みんなでクリスマス・イヴと当日の下準備をする日 お客さん、楽しんでくれるかな 「あ、ヤバ」 今何時だろう? ケータイ忘れて来ちゃったんだよね もうすぐ集合時間かも...
  • 『異能力番外編-Only three words-[10]』
                                     ←back      next→ 否応無く押し付けられた単語の羅列に無言で受け入れ、自分が名前を 得たという事実にさしたる感慨など無い。 何かの機械番号のようだと、少年は思った。 化学合成された模造品の遺伝子。 培養液の中で促成栽培された人造の戦闘員には、積み上げてきた時間など無い。 僅か数ヶ月の『幼年期』の記憶は、円筒ガラスの外に揺らめく研究員の姿と 瞼の内側に時折見せる機械信号の光点だけ。 だがそれも曖昧なもので、本当に自分の記憶なのかも怪しいものだった。 初めて『自分』を認識したのはベットの上。 天井のライトで目を焼かれたかのような苦痛を感じたのを覚えている。 生まれて初めて感じる『自分の身体』 白い病人着の裾から覗く手足には色とりどりのケーブルに繋がる電極。  頭の中に...
  • 『HEART SNOW』
    形ばかりの幸せに溢れ 綺麗の裏で涙零れる 窓の外は足早に去る 厚着をした家路の人 黄昏の声と孤独を抱えて 触れては伝う温もりの夢 “夢じゃなかった…?” いつしか気付いていた 心に降る雪は目に映る世界を覆うよ 不思議な程 身体は熱く 悲しみはまるで手に落ちる粉雪のように 消えてはまた 積もり始めた 絆のない笑顔を振り撒き いつの間にか凍えていた 崩れてゆく心と顔 牙を剥いたこの世界さえも いつからか高い壁に囲われて それでも見せる不器用な愛 それすら壊れて 自分を見失う 心に降る雪は目に映る世界をかき消す 泣きじゃくった 笑顔の裏で 哀しみはまるで手に落ちる粉雪のように 消えてはまた 積もり始めた 涙を乗り越えた先に何が待っているのだろう… 出逢えたことにありがとう…みんなが好きだよ 心に降る雪もいつかは消...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 25話
    ● 喫茶リゾナントからそう遠くない場所にあるマンション。 その一室に、光井愛佳が構えている事務所があった。彼女の生業は、所謂何でも屋。 迷い猫探しから、要人警護までをモットーに。今では海外進出をも視野に入れ、ニュージーランドと日本を 行ったり来たり。ちなみに事務所の代表は愛佳で社員も愛佳一人。人手不足はリゾナントの後輩たちに補 ってもらっている。今のところ、海外で得た英会話力を生かせるような仕事は、舞い込んで来てはいない。 愛佳の携帯電話が、鳴る。非通知。依頼者だろうか。 今日はいつになく忙しい。普段は一日一件くらいの依頼が、今日に限って10を超える本数。同業者に聞 いたところ、都内のその手の「能力者」たちが何らかの用事に掛かりっきりなのだと言う。どちらかと言え ば暇を持て余している愛佳のような個人営業者には願ったりな状況ではあるが。 「お電話ありがと...
  • 『■ インビジブルビューティー-前田憂佳- ■』
                              ←back        【index】     next→     ■ インビジブルビューティー-前田憂佳- ■ 鞘師の立ち去った廃工場、 無人のはずのその場所にもう一人の傍観者が存在していた。 「あーもしもし。かのんちゃん?かのんちゃんだよね?ホントに花音ちゃん?」 誰もいないはずのその空間でちょっとぐずついた赤子のようなかわいらしい少女の声が響く。 「んーこほん…花音ちゃんのかのんせいは何パーセントっ?!!」 …長い…沈黙 「…例のアレ、高橋さんたちの手に渡っちゃった。」 携帯?少女の声は携帯で会話をしているのだろうか? 「して、でもよくね?とりあえず『あっち』にわたることは阻止できたわけだし。リゾさんたちはみんないい人だからきっといい感じにしていくと思うし。」 「それよっかさ。気になる...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 18話
    ● ダークネス本拠地、「首領」の部屋のさらに奥。 いくつものモニターが設置されたその空間は、「首領」がとある面々と謁見するためだけに存在していた。 政界、財界、そして公権力。 一線は引いたものの、未だにOBとしてこの国を支配し続ける古狸たちだ。 彼らは能力者を時に正義の、そして時に闇の力として扱い、従えてきた。今も昔も変わらない権力構造は、「首 領」の頭痛の種でもあった。 そんな彼女が、憂鬱そうな表情を浮かべつつ「謁見の間」に入る。 気の滅入るような茶番劇の幕開けだ。 「…ふん、ようやくのお出ましか」 モニターの一つが、目を覚ますかのように光を帯びて映像を映し出す。 恰幅の良いスーツ姿の中年は、不機嫌そうに不満を述べた。 「待ちくたびれたぞ」 「我々を待たすなど、いい根性をしている」 「しかも、今日は『例の日』だというのに。飽...
  • 『リゾナンターЯ(イア)』 - 6
    ☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆ ● 住宅街の片隅にある、老朽化し、見捨てられた廃屋。 外壁を蔦に覆われたその異様さから、近隣の人間も近づこうとはしない。夜になると幽霊が出るのではないかなどという噂まで立てられ ただこういう場所は、人目を避けたい人種にはうってつけの場所とも言える。闇に心を食われたものにとっては、特に。 「ちくしょう、マルシェのやつ。こんなとこまで呼びつけやがって」 家具も照明も、何も無い。 紺野にこの場所へ呼び出された「詐術師」は、廃屋の陰鬱な空気に辟易していた。闇に棲むからと言って、闇を好んでいるわけでは決し て無い。 策を授ける、紺野はそう言った。 不正を「首領」に知られ追い込まれた「詐術師」は、その策に乗るしか手立てはない。 ただし。その策がろくでもないものであれば、当然蹴る権利はある。 問題は、リスクと...
  • (77)940 名無し保全。。。(伝えたい思い)
    ――来ないはずがない ――来ないかもしれない 相反する思いが、ぼんやりとした頭の中でせめぎ合う。 いつもなら断言できる。 聖が自分を助けに来ないはずがないと。 でも―― 今朝は売り言葉に買い言葉で、随分ひどいことを言ってしまった。 …ううん、それは言い訳。 自分が悪い。どう考えても。 できることならもう一度会って謝りたい。 だけど。 「遅いね、お友だ…ち!」 「――ッぐ…!」 言葉と同時に脇腹を蹴り上げられて、思わず呻く。 だけど、もうそれほどに痛みも感じない。 感覚が麻痺してきている。 会いたい。もう一度。 聖に会いたい。 会って謝りたい。 途切れそうになる意識の中で、そればかりが繰り返される。 会いたい。聖に。もう一度。会いたい。 聖に会いたい。聖に。聖に。聖………? 「約束のもの...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 38話
    ● ダークネスの外部施設に、「天使の檻」と呼ばれる場所がある。 飾り気のない、白く四角い建造物。だが、その内部はいくつもの厳重なセキュリティ、ミサイル砲を打ち込 んだとしてもビクともしないような隔離壁。 その最深部に、「天使」は隔離されていた。 「檻」の、はるか上空。 人の目では決して確認することのできない物体が、浮遊している。 「ここが機体をあちらさんに感知されない限界ってやつっすかねー」 ステルスバリアが張り巡らされた、飛空船のデッキスペース。 肉感的な、目鼻立ちのはっきりとした女性が下を覗き込み、言う。 「うん。ここから『転送』で直接人員を檻の敷地内に移動させるみたいだよ」 答えるのは、小柄な女性。 「こっからだと距離にして数キロメートルはありますよね」 「だねえ。でも作戦指令書にはそう書いてるから何とかなるんじゃな...
  • 『声を奪われたカナリア・番外編』
    更新履歴 2012/07/02(月) 2012/07/03(火) 2012/07/27(金) 2012/07/02(月) 『明日香ちゃんの嘘つき!!』 彼女の悲鳴に似た声と同時に、ガシャン!という受話器を叩きつけるような音が私の耳に響いた。 「仕方ないじゃんか…」 私は携帯のボタンを押して自室のベッドに放り投げた。 確かに私は昔ダークネスにいて、脱走した罰として声が出せないようにされ、おまけに超能力者だってことを12年間隠してきたけど、それは彼女を巻き込みたくなかったから。 昔のことも、彼女がダークネスにさらわれた時にバレちゃったし。 私は彼女と毎週月曜日には定期検診に付き添いに行く約束をしていた。 でも今回は仕事が入ってしまった。 うちのバーの常連さんが私が作るクッキーを月曜日までに行くから作ってくれ、という仕事が入ったんだ。 ク...
  • 『異能力-Politician's Circus-[9]』
                                     ←back      next→ そこは、闇の生まれる場所。 そこは、光の眠る場所。 そこは、光と闇の出会う場所。 もっとも闇が深い時間。 もっとも光が輝く時間。 それが逢魔ヶ時。 相反するものが、集う時間。 だから、混沌とし全てが輝く。 光に生きるものと闇に生きるものが同時に存在する、完璧な世界。 どちらのルールも通用しない、また全てのルールに基づく世界。 故に美しく、儚く、完全な。 かの場所にて、集い、見える芸術品は、正に逢魔の作品。 ただ、儚くはない。 沈むことも紛れることも、ない。 圧倒的な存在感を誇示するのみ。 扉を開けば、いつでも出会うことが出来る。 さぁ、往こう。  ―――光は、すぐ其処に…。  瞬間移動(テレポーテーション) 物体を離れた空間に転...
  • (96)970~ 名無し保全中。。。(閉ざされた空間の中で)
    970 名前:名無し募集中。。。@転載は禁止[] 投稿日:2014/07/14(月) 15 16 12.61 0 今日でさゆみさんのバスツアーも終わりか。 360人もの参加者の2shot写真全部にサイン書くとかすごすぎるよ。 971 名前:名無し募集中。。。@転載は禁止[] 投稿日:2014/07/14(月) 16 44 55.18 0 手首筋肉痛になるな 972 名前:名無し募集中。。。@転載は禁止[] 投稿日:2014/07/14(月) 18 56 01.08 0 たまたまのりあわせたバス 長いトンネルの中爆発 いきなりの大事故 まともに動けるものはさゆだけの中 負傷者の数360人! さゆ必死の救助活動が始まる! 973 名前:名無し募集中。。。@転載は禁止[] 投稿日:2014/07/14(月) 18 57 29.20 0 BGMは ...
  • 『過去に託された想い』
    「リゾナンターの光井愛佳さんですね?」 街灯と月明かりに照らされてる夜道を歩いてくる女性に声をかける。 「そんな身構えないでくださいよ、争うつもりはありません。」 とは言ったものの彼女の警戒心はとれる様子はない。 「なんで愛佳のこと知ってるんや?ダークネスか?」 「いえ・・・、私は今のあなたを解放する為に未来からやってきました。」 「フッ・・・未来?アホかあんた?」 やっぱりこうなる・・・。 未来から来たなんて言って簡単に信じてもらえるわけがない。 どうやって信じてもらうか・・・これが面倒くさい。 「私はあなたが未来を予知する能力を持ってることを知ってますよ?」 「そりゃリゾナンターって知ってるくらいだから知ってるとは思ったけど・・・  アホなことばかり言ってなにが目的や?」 あんまりアホアホ言われるとイラっとするなぁ。 ...
  • 『書道のススメ』
    「それで、羽賀ちゃんの能力って何なん?」 四人の新人のうち、三人がそれぞれの能力を見せ合った後。 最年長の尾形は何気なく聞いた。 「火脚」「空気調律」「応援」。特殊な能力を披露する同僚たちを見て眉一つ動かさないと ころから見ても、最年少の少女が普通ではない能力の持ち主であることは間違いないのだが。 「私の能力は…これです」 羽賀は、そう言いながら右手を尾形に向けた。 その小さな手に握られているのは、玩具のようではあるが。 紛れもなく、銃。 「え?どういうこと?」 「あかねちゃん、そんなもの持ってなかったよね!!」 首を傾げる野中、大げさな表情で驚く牧野。 それに気を良くしたのか、羽賀は当たり前のようにその銃を「消し」、持っていた手提げ鞄 からあるものを取り出した。 「半紙と…筆? 羽賀ちゃん習字でも始めるん?」 ...
  • Winter Story
    悴む指先に息を吹きかけて温めた。 この季節、吹きさらしの駅のホームは堪える。 すっかり陽が落ちてしまったホームで、愛佳はマフラーを鼻先まで上げて電車が来るのをじっと待った。 コートのポケットに手を入れる。出番がなくなった小銭が指先に当たった。  ひんやりとした硬貨を避けるようにして、愛佳は少しでも暖を取るためポケットの中で拳を握る。 暗いホームにポツリと明るい光を放つ自動販売機 吸い寄せられるように近づき、財布から必要なだけの小銭を取り出したが投入口に入れるのを躊躇う。 あったか~い、の赤い文字。その上に並ぶ文字通り温かな飲み物 どれも嫌いではなかったが、愛の作るカフェオレに比べればどれにも物足りなさを感じる。 温かな缶を両手で包み暖を取りたい、という誘惑とは戦ったが リゾナントへ着いたときのことを思うと、それは簡単に抑えられた。 10分ほど待...
  • 神ハ神ノ仔ヲ愛ス
    吐く息も凍る夜。 ビルとビルの谷間を縫う高速道路を1台の車が走る。 車種は中型のワゴン車。 白い車体には”神の仔の病院”という文字が塗装されている。 車内には数人の男と一人の少女。 男たちの一人は牧師の装束を身につけ、残りの男たちは病院職員用の白衣姿だ。 少女の浅黒い肌は異国生まれであることを窺わせるが、通った目鼻立ちは日本人の血が入っている可能性を物語っている。 「クソッ、あの女とんでもないやつだ。 どうだ、まいたか?」 らしからぬ口調で牧師が毒づいた。 「大丈夫のようです」 助手席から車外を窺っていた男が答える。 「それにしてもあんな女の潜入を許すなんて、日本支部のセキュリティはどうなってるのですか」 心なしか余裕が戻ってきたのか、牧師の口調が丸みを帯び出した。 「面目ありません。 ですが本部から発給された証明書の様式は完璧に整ってましたし、I...
  • 「Do it! Now」
    「Do it! Now」(かなしみの人ver) 次回予告 絵里に動物園へと誘われるさゆみ・・があまり気が進まない さゆみは過去に 虐待された動物の心を読み その『人間に対する恐怖』 がトラウマになり 実は動物を触る事さえ無理な状態であった 動物園ではしゃぐ絵里の心を読む・・ただただ楽しんでいる・・ しかし その姿は今日のさゆみにとっては不愉快でしかなく 大ゲンカへと発展してしまう・・     そして現れる敵 おびえる動物の感情が一気に流れ込み 体がすくんで戦えないさゆみ! 絵里のチカラで動物を落ちつかせるのだが・・・数が多すぎる! ならばと絵里は動物の避難をさゆみに託すが 触ることすら出来ない!!        普段ポケポケしている絵里が叫ぶ!     「今 さゆが助けに行かなきゃ誰がたすけるの!?」 「絵里はさゆの事信じ...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 49話
    ● 聖の不安は的中する。 けたたましい音を立て、はるか向こう側からやってくる赤く塗装された電車。 車両の下から、何本もの鉄の棒が垂れ下がり、下のアスファルトに擦れて激しく火花を散らし続ける。鉄の棒には 吊り皮のようなものが何列にも渡ってくっついていて、それが気の狂った鯉幟のように激しく揺れていた。 暴走列車の行く手の先には、聖たちとパニックに陥り死に物狂いで出口に殺到する群衆が。 「えりが、止めるっちゃん!!」 レールの最終地点に向かって走り出す、衣梨奈。 それを見て遥や亜佑美たちも後を追う。 「無茶ですよ、生田さん!!」 「無茶でも何でも、あの列車止めんとお客さんたちが危ないと!!」 遥の手を振り解き、切断されたレールの切っ先、その正面に立つ。 やるしかない。その強い意志が形になって現れるように、幾重にも展開される衣梨奈のピアノ...
  • Remember the Time
    私は変わったのか?強くなったのか? ミンナと出会うことで何か得ることが出来たのか? 田中さんは仲間の大切さを痛感した 亀井さんは生きる意味を見つけた 道重さんは愛の授け方を学んだ 久住さんは素直になる方法を知った 光井さんは自分を信じられるようになった リンリンは自分の生き方を選択した 新垣さんは、自分の本当の気持ちに気付いた  ・・・そう、私だけだ、みんなと出会って変わっていないのは もちろん能力(ちから)は格段にあがった。でもそれ以外は変わっていない 戦う意味、生きる理由、それがミンナに比べて私には欠けている この場所、日本に来たのは復讐のため、自分自身のために他ならない ―自分のためにしか生きていないのではないか?それでいいのか? ―正義の旗の下にいる私の戦う理由が『復讐』という己のためのものでいいのか? ―そ...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 43話
    ● 一方、同じミラーハウスの別の場所に転送されていた春菜は。 「擬態」能力の持ち主がこの場所を戦場に選んだ目的を早くも理解していた。 しかし、春菜は心の余裕を保つ事ができる。なぜなら。 「おーい、はるなん!!」 すぐに、遥のものだとわかる塩辛い声。 彼女の「千里眼」と自分の「五感強化」があれば、相手がいかに自分達のうちの誰かに擬態しようとも 見破る事ができるはず。 遥の声のするほうへ駆け寄ると、相手もまた春菜を探していたようで、出会い頭でばったりと出くわした。 「なんだ、こんな近くにいたのかよ。いるんだったら返事くらいしろって」 「えっ、あ、ごめん。ちょっと考え事してて」 相変わらずの年上を敬わない態度、けれど今はそれが頼もしく映る。 能力者の少女の攻略に、遥の能力は不可欠だからだ。 「ねえくどぅー、『千里眼』で相手がど...
  • (単発作品の紹介)
    ... (76)495 『約束の場所』 2012/12/23(日) 23 04 50.32 T 【田鞘】【シリアル】【生誕】 ダークネスの襲撃でリゾナンター全員が深手の傷を負った翌日、田中れいなは雨が降るにもかかわらずある場所に出向いていた。 その場所は彼女の大切な友と初めての約束を交わした場所。 そして今日は彼女の誕生日なのだ。 亀井絵里の誕生日に投下された作品。 エースとして前線に立ち続けてきたれいなと新参ながられいなと肩を並べて戦う鞘師里保。 次世代へと受け継がれていく娘。のあり方がリゾナンターに投影されている。 【関連作品】 『Healing Winds』 作中で重要なキーワードとなっている「約束の場所」が描かれているスレ初期の名作。 『ゼロに戻すだけ』 第76話のテンプレに引用された作品。 『Healing Winds』で亀井、道重、田中の三人が約...
  • ■ モックコンバット -新垣里沙・田中れいなX9期・10期- ■
    ■ モックコンバット-新垣里沙・田中れいなX9期・10期- ■ リゾナント地下、モニター室に座るは道重、光井。 二人の見つめる先、4面の大画面と10面の小モニターには、様々な角度から映される2つの部屋。 一方は新垣と9期メンバー4人の姿が 一方は田中と10期メンバー4人の姿が 9期10期…変な呼び方や。 ほんまに佐藤は変なことばっかり考えるんやから。 「新垣さんのAルームのほうは生田が先鋒みたいですね」 「生田かぁ。生田もずーっと新垣さん新垣さんよね」 「生田にとっては貴重な体験なんちゃいます? 思い切り能力使ってもびくともしない相手とやらんと、体得できないタイミングというか」 「ガキさんが言うにはそれでも相っ当!痛いらしいけどね、生田の【精神破壊】受けるの」 「けどこうやって分かれてみるとそれぞれの色…というか 4人集まったときの性...
  • ■ サイコサイコ -石田亜佑美X石川梨華- ■
    ■ サイコサイコ -石田亜佑美X石川梨華- ■ 「あらあら、薄情なお友達たちねぇ。 いいの?アンタ一人におっかぶせて、みーんな尻尾巻いて逃げちゃったけど?」 「いいんです!」 走り去る軽を振り返りもせず見送る。 「これが!ウチらの!作戦です!」 ドヤ顔。 仁王立ち。 石田の自信は揺るがない。 「ふーん。」 ボンテージ。 体のラインがきわどいほどに強調された、艶やかな黒のエナメル。 石川梨華 その強敵に、石田亜佑美が一人、対峙する。 「さぁ!石川さん…かかって来い!」 ―――― その凶事は、突然、幕を開けた。 「はやく!はやく!はやく!」 「か、鍵!鍵!鍵!」 「ヒャー!」 「押すなって!押すなよ!まーちゃん!」 軽乗用車。 すし詰めの少女たちを乗せ、裏のガ...
  • 『黄金の魂』
    投稿日:2014/10/31(金) 12 58 32.97 0 【注意書き】 冒頭で期待されるかもしれませんが娘OGのみで話が進みますw 『黄金の魂』 トリック・オア・トリート!! 不意を突かれて一瞬固まっちまった。 ああ、そういえば今日はそういう日だっけ。 髪を伸ばせばとびっきりの美少女になるだろうに、敢えてそうなるのを拒否しているかのような娘。 まっすぐ育てば白黒の頃の映画女優みたいな美人に仕上がりそうな雰囲気を漂わせた娘。 要するにこまっしゃくれたガキ二人がお菓子のおねだりをしてきたってわけだ。 目障りだ、くそガキどもが! そんな風に言いたいのは山々だった。 ただそれをしてガキどもに泣かれたり、騒がれたりして時間を費やすと困る事情がこっちにはある。 だからジャージのポケットに突っ込んでいた酢こんぶをガキどもの前に差し出した。 ...
  • 『水辺の誓い』
    血の海にすべてが沈む姿を、ただ見ている事しかできなかった。 こんな事したくない。そう心が叫んでいるのに、止める術をそこには有していなかった。 目の前に立つものすべてを破壊し尽くさんと、両の手を紅く染め、世界を闇に閉ざしていった。 「やめて……」 懇願する声を振り払うように、私はゆっくりと刀を振り下ろした。 「っ――――!!」 声にならない叫びをあげて、里保は目を覚ました。 悪夢を、何度も見る。 血の雨を降らせたあの夜光景は、里保の脳裏に焼き付いて離れない。 繰り返される夢は、現実の続きにも思える。 あの夜以降、一度たりとも「赤眼」の自分は姿を現していない。 だけど、いつ再び顔を出しても不思議ではない。 能力を行使するその手前で、里保は常に躊躇する。その隙に首を刈られそうになったことだって何度もあった。 その度に聖や衣梨奈、香音...
  • スレ別分類(第73話~第100話)
    ... 03.46 0 『約束の場所』 2012/12/23(日) 22 48 01.77 0 (76)505 名無しリゾナントブルー 2012/12/24(月) 00 21 58.90 0 『リゾナンターΧ(カイ)』続き 2012/12/29(土) 16 57 52.63 0 『colorfull戦隊リゾナントガールズ(仮)③』 2012/12/30(日) 18 33 56.69 T (76)668 名無しリホナンター。。。  2012/12/31(月) 18 11 33.14 0 (76)673 名無しリホナンター。。。 2012/12/31(月) 20 52 14.04 0 『年を越えて―――under the same sky』 2012/12/31(月) 22 40 25.15 0 (76)704 名無し予告編(飲む者と飲まれる者) 2013/01/01(火)...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 42話
    ● 施設各所から吹き上げる炎の柱は、光の国の居城前からもはっきりと見ることができた。 炎の根元がどういう状況になっているかは、想像しなくても理解できる。 「どうしよう、このままじゃ遊びに来た人たちが!!」 「とにかく、助けなきゃ!!」 「その必要はないね」 リゾナンターたちの言葉を遮るように、一人の少女が目の前に降り立つ。 へそ出しショートパンツという軽装の、ポニーテール。 その顔には、見覚えがあった。 「こいつ…この前の譜久村さんに擬態してた!」 亜佑美が、思い出す。 確かに少女の顔はあの時の襲撃者のそれによく似ていた。が。 「ざけんな。あんな出来損ないと一緒にすんなって。まいいや、”のん”が面白い場所に、連れてってあげる」 それだけ言うと、右手をリゾナンターの面々に翳す。 何かの攻撃か。身構えた一同だったが、次の瞬間...
  • ジュンジュンは食いしん坊さん
    モーニング娘。の出演した舞台『ファッショナブル』を観たスレ住人がこんな書き込みをした。 392 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/06/27(日) 09 51 40.99 0 昨日舞台で青春コレクションを聞いていて気付いたことがあるのでお伝えします 最新の洋服に着替えた            →リゾナンターの制服 こんな日はなんだか街に出て歩きたい   →街のパトロール 風吹いて前髪乱れても それでもまあいいよね 私に変わりはない               →亀井絵里 寂しい夜に繋がる秘密の場所がある   →喫茶リゾナント WOO YEAH そう私たちの絆        →リゾナント(共鳴) 輝け!夢があるから 胸張って!生きていけるんでしょ     →高橋愛の言葉 大人に成らなきゃね わがまましちゃって反省 ...
  • 『異能力番外編-Paradise lost-[18]』
                                     ←back ずっと歩いて来た気もするけど、まだ少しも歩いていないような気がする。 見上げれば、空はいつもそこにあって、太陽がいつも笑っているからかもしれない。 何がそんなに楽しいのだろうって、思ってた。  ひとりぼっちは、そんなに楽しくないし、哀しくも無いんだから。 あれ?でも、なんか、入ってた。いつの間にか拾ってたもの。 たいせつなものなのかも分からない。 でも、どうしてか捨てられない。何でだろう?何で、懐かしくなるんだろう?  ―――あ。いい匂い。 太陽が茂った緑の葉を柔らかに抜けて地面を緩める。 緩やかな日差しでも、見上げていると眩暈がしそうになっても 空は涼しそうに、透き通るような蒼い色だ。 ふと、青々とした草花の絨毯が現れて、遠くからやってきた赤目のうさ...
  • 『リゾナンターЯ(イア)』 (38回~43回)
    38回目 39回目 40回目 41回目 42回目 43回目 38回目 ● 喫茶店に戻ったさゆみたちは、予想外の来客に遭遇する。 一人は、リゾナンターのオブザーバーとして日々の任務に協力している光井愛佳。 そして、もう一人。 「久しぶりだね、さゆみん」 「ガキさん!?」 新垣里沙。 先代の喫茶リゾナントの店長であり、リゾナンターの元リーダー。 思わぬOGたちの訪問、一番狂喜乱舞しているのはこの人物。 「新垣さぁーーーーん!!!!!!」 さゆみを突き飛ばすように、里沙に向かって突進してくる衣梨奈。 「ちょっとちょっと、あんたとはいつもメールしてるでしょーが。ほらもう鬱陶しいから離れた離れた」 「はーい♪」 「ガキさん、それに愛佳。これはいったい…」 二人揃って喫茶店を訪れた理由。 偶然に偶然が重なったので...
  • 『Vanish!Ⅱ~independent Girl~』 エピローグ
    (1) (2) (3) (1) エピローグ 「・・・ここに来るのひさしぶりなの」 「そうっちゃろ?」 れいなと道重は街を一望できる丘の上に来ていた 「なんで、ここに来たか、わかるっちゃろ、サユなら」 れいながまだ目が腫れぼったい道重に尋ねた 道重は目の前に広がっているまだ淡い白い雪を被った街を眺めながら言った 「ここは・・・エリが・・・大きい夢を言ってくれたところだから」 『れいなと手をつないで、さゆの癒しの力をさ、絵里が起こす風に乗せて、世界の人たちに幸せを届ける』 この丘の上で亀井が二人にそんな大きな夢、いや計画を語ったのはもう数年前のこと 「ここに来ると、いつも思うことがあるっちゃ。エリとサユのためにも頑張ろうって  エリみたいな目標を持つことを素直に格好いいと思ったけん、少しでも出来ることはしたいって」 れいながさゆみの横に並んで立...
  • 『ダークブルー・ナイトメア~10.クロスロード』
    ずっと前だけを向いて生きてきた。 だから、落としてしまったものを振り返ることはできなかった。 休日の繁華街。 人が行き交う大通り。 大きな買い物袋を抱えた、幸せそうな親子連れとすれ違う。 親子はしっかりと手を繋いでいた。 聞こえてくる会話はとても仲睦まじそうで、なんの関係もないこちらまで自然と笑みが零れてくる。 武器密売組織のアジトを殲滅した帰りの出来事だった。 場面が切り替わり、自宅。 リュックサックにたくさんの荷物や菓子を詰め込んで、何度も何度も中身を確認する幼い自分。 何日も前から、友人と遠くへ遊びに行く約束をしていた。 その前夜だった。 『“仕事”だ。頼むぞ』 約束が果たされる日は、ついぞ訪れなかった。 父の片腕として生きると決めてから、リンリンは失ったものを数えることをやめた。 学校へ行って友達を作って笑った...
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