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TRPG/TRPG入門/GMのススメ - (2008/03/14 (金) 22:22:45) のソース
ようこそGMガイドへ。 GMはTRPGにおいて最も重要な役割だ。 ゲームを公平にする一方、憎まれる敵を演じるのだから。 **GMとは何か GMとはそのセッションをプレイする、プレイヤーの一人だ。 プレイするシナリオを用意する役であり、セッション中に審判をする役でもある。 そして敵となり、全力でPCを叩きつぶしにいく役である。 **楽しい楽しいGMのための道具 ***共通 -ルールブック データやルールの参照において、PL以上にルールブックは大事になる。 必要ならばジャッジ関係など、最低限のデータはノートにまとめておくこと。 -レモンウォーター 1リットルの紙パックが安く、コンビニで売っている。 もちろん飲み物なら何でもいいのだが、お茶や果汁水がよい。安いからだ。 セービングコーヒーはお勧めしない。喉にからむ。 ***アナログ -ノート、筆記用具 上手い人はイラストなどを書くが、そうでない人もノートに書き込むことは沢山ある。 シナリオのデータ(敵情報やフォートレスのマップ)や、そのシナリオでPCに伝えるべき重要な情報の箇条書き、NPCなどだ。 -6面体サイコロ2個以上 GMでももちろん必要になる。 忘れた人や間違えて10面ダイスをもってきてしまった人のため、かさばらない程度に余分に持って行ってもいい。 そうそう、単なる白のサイコロでもいいが、雰囲気の合うサイコロを揃えてみるのもいいぞ。 単純に黒サイコロでもナイトっぽい雰囲気になるしな。 -電卓 計算を頭の中でやる必要はない。きみは生きた機械じゃないぞ、ジム。 -シナリオと、シナリオのためのデータ 重要だ。全アドリブという手もあるが、アドリブを好むGMだってちゃんとデータは作っている。 (その場で作るのは難しいし、時間がかかる) -キャラクターシートのコピー ジム、キミは素晴らしい。これはとても温かい気配りだぞ。 -マスタースクリーン、ホワイトボード 大事なものを隠す道具と、大事なものを明示する道具だ。 まぁ、高くつく場合もあるから、無理に揃える必要はない。 -CDプレイヤーと音楽CD シナリオの雰囲気にあった曲を選ぼう。終盤で盛り上がるための激しい歌を入れるのも悪くない。 もちろん曲目はノートに書いておき、かける曲を間違えないようにすること。 -時計 「この時計で30分経つと……」TRPGで時計はただ時間を計るだけではない。 時にそれらは物語に緊張を与える演出の道具となる。 ***デジタル -いろんなツール 誰か適当に書き出してくれ。 **GMがやるべきことは何か GMは最初にシナリオを用意し、セッションを進めるのが主な役割だ。 必ずしも創造性に富んでいる必要はないし、リーダーとして取り仕切る必要もない。 GMは難しい。という人もいる。しかし、より良いGMとは、楽をするGMと云える。 というのは、そういうGMはプレイヤーキャラクターの情報を引き出し、彼らに沿ってシナリオを進められるからだ。 もし貴方が、NPCを20人(大型キャンペーンか!)、関連性をもたせて自力で考え出すとなれば、途方にくれるかもしれない。 しかしPC達に関連したNPCを5人ずつ拝借するなら、非常に簡単かつストーリー性をもってシナリオに参入できる。 そしてGMだけで考えたシナリオより、そういった物語の方が、プレイヤーの意表をつきやすく、喜ばせることが多い。 **GMがやらない方がいいことは何か GMの悪い例として、「吟遊GM」と「アドリブGM」が挙げられる。 前者はよく話題にのぼることが多い。しかし一言で吟遊GMといっても、その種類はさまざまだ。 とりあえず七つほど挙げておこう。 -NPCが活躍するシナリオ 別にNPCが活躍すること自体は悪くないのだが、それによってPCが置いていかれるのは問題がある。 PCは物語を進める上での重要な(強力である必要はない)人物であるべきだ。 PCが何もできないままNPCがすべてを解決する、といった「始めからNPCでプレイさせろ」と云いたくなるシナリオはやるべきではない。 -GMのやりたいシーンだけで進むシナリオ 別にGMにやりたいシーンがあること自体は悪くないのだが、それによってPCのやることを無視するのは問題がある。 関連して、えこひいきも問題だ。特定のPCを差別するようなことは気分のいいものじゃない。 よくあるのが「誰々でしか倒せない」という演出だが、PLがそうしたいのならPL達でそのようにするはずだ。 GMは、せいぜい戦略的にそう仕組む程度に留めておきたいね。 何はともあれ、主役がPCであることを忘れてはいけないし、ストーリーを進めるのはPLであることを否定してはいけない。 彼らは(役者だが)貴方の役者ではない。貴方は監督ではなく、同じ役者なのだ。 -PLにとって簡単で、よいアイテムを入手し続けることのできるシナリオ(モンティホール) 別にPLに特別なアイテムを渡すことは悪くないのだが、それでゲームバランスが崩壊するのは問題がある。 どんなシナリオであれ障害(謎解き、強力な敵)がなくては面白くない。 なぜならゲームは目標を達成するものであり、目標までの敬意は障害物によってより良いものになるからだ。 良い景色の坂は登った時の意外性によって価値が高まり、高級レストランは来るまでの長さでより美味しくなる。 貴方は意外性、困難、葛藤、そういう障害物によってプレイヤーを惑わしつつ、PCを目標へ進ませよう。 キミは『楽しい楽しい恐怖の悪役』なのだ。 -PLにとって難しく、確実に失敗するようなシナリオ(キラーダンジョン) 別にPLに障害物をかすことは悪くないのだが、それでゲームバランスが崩壊するのは問題がある。 モンティホールと同様に避けるべきもの。これは障害物の単純化と難易度の極端な上昇が挙げられる。障害物はあらゆる方面から、適度に取り入れるべきだ。 たとえば「この敵を倒すとミッションは失敗に終わる」「この罠は前のヒント(なぞめいた韻文など)の謎を解いておかないと確実にひっかかり、 その上パーティは全滅する」「この敵は無敵であらかじめ手に入れておくべきアイテムがないと倒せない」といったものは障害物の単純化である。 幽霊やNPCとの縁といったものは不自然なく、物語に彩りを添えてくれることを忘れてはならない。 幽霊がPCの持つ地図の、ある一角を指させばそこには何かあるということになる。もしそれに幽霊が縛られているという設定で、しかも幽霊が美少女なら、 PLは喜んでそこへ行くだろう。それは危険、謎めいたものへ向かわせたり、その謎を解く上で非常に魅力的なヒントの役割を果たしやすい。このように 印象的で物語性のあるものを使えば、狡猾さ、意外性を十分に取り入れられるし、モンティホールとは呼ばれにくい。 -同じ事を何度もさせるシナリオ え?僕は『腐り姫』の影響を受けた、同じ一日が何度も続くシナリオをやったことがあるよ?というのは悪くないが、作業プレイになるのは問題がある。 次から次へと、PCにひたすら困難や危険を与える展開が続き、PCが「何をやっても無駄なんだ」とうんざりするシナリオや、 あるいはとにかく安全な道・一本道を強引に進ませて「自由度がない」と感じさせるシナリオがこれに当たる。 特に前者では「ひたすらボスが逃げてその居場所を突き止める」といった展開が多く見られる。何にせよ直接的な困難はそう何度も続けて与えるべきではない。 謎解きや葛藤、そういった、暗がりにあるものに光明が徐々に見えてくるものが、シナリオのエッセンスとしてより魅力的に見えるだろう。 -何をやればいいか分からない 自由度の高いシナリオは問題ないが、情報が揃わないのは問題だ。 とはいえ情報収集に失敗とかPLがこちらの想像以上に早く核心まで動いていくとかいった、予想外の事態というのは唐突にやってくる。 結局PLが自分たちが何をしているのかよく分からないまま進み、PCたちが強引に事件を解決してしまうというのもよくある話だ。 解決する方法としては、肝心な部分をぼかし、上手くPLを「これが核心……だな?」と別のもので欺きつつ、徐々にもっと複雑な核心へシナリオを 進めていくこと……だが、そんな簡単にいくものじゃないんだよね。まぁ慣れとセンスだ。アドリブ好きなんかのGMはこういう風な、予想外の事態に 対処することに快楽を覚えたりもするようだが、慣れないうちは、こういうものだと割り切って、自分なりのアイディアで物語を飾っていってみよう。 -GMが指図するセッション ああ、自由度が低ければ良いというものじゃないぞ。プレイヤーを束縛するのも問題だ。 その能力はとるなだとか、君たちには何々があるから何何すべきだといったものは、もちろんプレイヤーにとって楽しいものじゃない、大抵の人にはね。 確かにGMが語りすぎるセッションはさくさく進むし、リプログなどは円滑に進んでいるように見えるんだが、実際のプレイはさほど面白くない。 そういうGMに共通するのは、アドリブをこなせない、あるいは不安が大きいといった姿勢だ。そして往々にしてシナリオは押しつけになりやすい。 まぁ始めのうちは仕方のないことだが、それでもGMに最も必要な、PLからの信頼を損ないやすい行為だということに気をつけよう。 PLが悩めば時間がかかる。それは仕方ない。 悩んでも、その結果が悩みに伴うものをGMが提供すれば、それはGMへの信頼に繋がることを忘れないようにしよう。