ロドリゲスwiki内検索 / 「喜劇の解読」で検索した結果

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  • 喜劇の解読
    ...イティブコモンズ版 喜劇の解読 ─太宰治の『斜陽』 Seibun Satow Oct, 31. 1992   「ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは人間だし、花を愛するのも人間だもの」。                太宰治『女生徒』 「美しく生きることは、美しく死ぬことよりも難しい」。               アンドレ・ジッド    太宰治(一九〇九─四八)は、日本近代文学において、最も評価のわれる作家の一人である。あるものにとっては自らの代弁者であるが、逆に、別のものにとってはただ嫌悪の対象でしかない。こういう見解の相違は優れた書き手にはよくあるけれども、太宰の場合、いささか奇妙な事態を引き起こしている。と言うのも、そういうタイプの書き手は、肯定的であれ否定的であれ、文学史に何らかの影響を与えるものであるが、一方、太宰は文...
  • 佐藤清文
    タイトル ジャンル 発行年月日 喜劇の解読 太宰治の斜陽 批評再入門 転向─中野重治の『村の家』 批評再入門 内在知の研究─西田幾多郎 批評再入門 映画と間接性 批評再入門 解剖批評─森村泰昌 批評再入門 資本論再入門 批評再入門 ファティックとしての映画─ポーターの『大列車強盗』 批評再入門 Stand By Me─えのきどいちろう ハッチポッチ紳士録 Lev Tolstoy Superstar─レフ・トルストイと20世紀 ハッチポッチ紳士録 大連立と政治不信 ポリティカルユースウェア 官僚たちの冬 ポリティカルユースウェア 法人税と内部保留 ポリティカルユースウェア 二つの財政危機 ポリティカルユースウェア 法学的行政 ポリティカルユースウェア 新興市場参入とキャリア・ベース型組織 ポリティカルユースウェア 戦争と社会階級 ポリティカルユースウェア 潜在...
  • page3
    オミクロン株対策で「鎖国」するニッポンの小ささ(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース [韓流]「イカゲーム」 米放送映画批評家協会賞3部門ノミネート(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 大ヒット作「イカゲーム」放送映画批評家協会賞で3部門にノミネート!イ・ジョンジェは最優秀俳優賞にも - Kstyle ラストナイト・イン・ソーホー 映画評論・批評 - エイガドットコム 世界で一番美しい少年 映画評論・批評 - エイガドットコム 楽しくファンダムを広げることが社会に及ぼす影響は? 北村紗衣『批評の教室:チョウのように読み、ハチのように書く』インタビュー | ガジェット通信 GetNews - ガジェット通信 日本映画初の快挙 濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」NY映画批評家協会賞作品賞受賞! - エイガドットコ...
  • エスタブリッシュメント
    エスタブリッシュまたはレデーメードは、すでに広く知られている既存の仕組みやプロット、歴史事実などをそのままナノクフィクションにおいて利用すること、または利用できそうな事項をさす。  ACDFアラインメントは、ACDFの定義を局所的に利用しているため、再定義が必要であるが、エスタブリッシュやレデーメードと呼ぶ方法は、概念をそのまま使ってさしつかえないものを言う。  例えばアラインメントシステムについては1960年代にマイケルムアコックが考案しゲイリー・ガイギャクスが広めたLow neutral Chaosアラインメントシステムがある。http //www.geocities.co.jp/Playtown/8080/dd/rgfd/rgfdfaq3.html  はじめこれは善、中立、悪という意味合いで規定されたが、やがてムアコックの脚色に従い、法に対して順守するもの、中立を保つもの、無視...
  • ギガントゥスまたはフォーディスト
    ギガントゥスまたはフォーディストはナノクプラットフォームのために考えられた特定の思想を持つ人々のことである。 ここではギガントゥスは「人間よりも大きなものを扱う人」という比喩で利用している。産業革命その他の要因で、人間の生産量は飛躍的に増大した。半ば暴走ぎみに生産性に固執した人間のすがたの反映としてギガントゥスを登場させることができる。 ギガントゥスはロハス以前のナノク中のヴィラン(悪役)として登場する。効率を重視し、それに伴って生産性も増大し、時には多くの賃金を手に入れることもできるギガントゥスの世界は一見すると正しい権力の行使のように映る。しかし、ギガントゥスが引き起こすバッチ式の生産方式は、バッチディザスターを引き起こす要因となる。ギガントゥスが生じさせる大規模なバッチディザスターをここでは「恐慌」と呼ぶ。 ここではフィクションの目的で恐慌をさまざまな比喩で語ることができる。一...
  • わかりやすい伝え方
    [EPUB/PDF] わかりやすい伝え方 Seibun Satow Nov, 5. 2010   「そもそも、デカルトのように、単純明快な議論のできる男は、その心は複雑晦渋であった知に違いない」。 森毅『魔術から数学へ』   1 バルガスリョサについての新聞各紙の解説  ニュースで話題になった事件や出来事をわかりやすく伝えるのは、決してやさしいことではありません。今、池上彰氏がテレビや新聞からひっぱりだこの理由はそれができるからでしょう。    その池上彰氏が、2010年10月29日付『朝日新聞』の「池上彰の新聞ななめ読み」において、今回のノーベル文学賞をめぐる新聞各紙の解説記事を批評しています。今年の受賞者はペルーの小説家マリオ・バルガスリョサ(Mario Vargas Llosa)です。1960年代にラテンアメリカ文学のブームが起きましたが、彼の『都会の犬ども』(1963)や『緑の家』...
  • メモ:ネオ大菩薩峠
    imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ナノク世界のヴァリエーションとして大菩薩峠をベースにしたフィクションを作る 時代劇のシチュエーションをベースに非若者層と非日本人層向けに作る 大菩薩峠の英語名はThe Sword of Doom(はめつのけん) 大菩薩峠は大正~昭和にかけて書かれた41巻に及ぶ大長編小説 ニヒリストで殺人鬼の机竜之介を主人公として、その敵討ちをテーマに話しはすすみ、終盤はユートピア小説となる 江戸時代をロハス政権下におきかえる、エスノ主人公 何の罪も無い一般市民が机竜之介(ダブル)に殺されるところから話しはスタート 諸国旅行を世界旅行としても良い(ナノテクノロジーを軸とした政府のバリエーションを見れるとか) 英語名にならってThe Sword of Doomというものが登...
  • 解剖批評─森村泰昌
    解剖批評 ─森村泰昌 Seibun Satow Aug, 29. 2010   「模倣するより批評する方が容易だ」」。 ぜウクシス    森村泰昌は、名画と評価されている西洋絵画をその登場人物に扮してポートレートとしてカバーしている。その際、絵画の構成や背景、大道具、小道具を詳細に調べ、ライティングやメークアップに加え、合成やCGも利用して細部に至るまで再現を試みる。森村泰昌の『踏み外す美術史』によると、「芸術は見るものでなく、着るもの」であり、さらに「着こなす」ようでなければならない。「着る」から「着こなす」への移行は形式の内在化=身体化であり、その過程の意識化を意味する。    これはパフォーマンスと言うよりも、批評である。この作業を通じて、画家が意識していたことだけでなく、内在化されていたことや時代の雰囲気、風潮なども明らかにできる。    エドゥアール・マネの『フォリー・ベルジェー...
  • リアルについて
    リアルについて Seibun Satow Dec, 7. 2010   『乱』観て、偉い時代劇の作家、池波正太郎がぼくと喧嘩したの。これで喧嘩したのね。淀川さん、『乱』はいいけど、濠がないじゃないかとおったのね。そんな見方してもろうたら困るんだ、黒澤明の映画は。そんなこと関係ない。ぼく、黒澤さんに、濠がない、言われた人あったよ、言ったら、「バカだね。山の城には濠がないんだよ。だれがそんなこと言った」。 淀川長治『淀川長治映画塾』    最近、「リアル」が映画やテレビ・ドラマ、小説で求められている。けれども、そうだと評されている作品は、往々にして、細部へのこだわりは認められるものの、「リアル」を感じさせない。1890年代、尾崎紅葉と硯友社が写実主義を掲げていたが、それは着物の縞柄や髪の結い方を精緻に描写するだけのことである。今の動向はそうした歴史を思い起こさせる。そういった作品は「新硯友社」...
  • MDR(モラルジレンマリゾルブ)
    MDRはモラルジレンマを局所適用したナノクフィクションのためのしかけである。 ローレンス・コール・バーグ教授が1960年代に提唱したこの手法は、参加者をある道徳上のジレンマに陥らせつつ、対話をこころみる方法であり、ナノクフィクションでは登場人物の意思決定において利用される。留意点は本家のモラルジレンマと同じである。 「第一にどちらの選択肢をとってよいのかわからないような資料を選ぶこと。第二に、それがあくまでも道徳的価値観の葛藤の問題であること。第三に最後に解答を示さないオープン・エンドであること。第四に議論が白熱する面白さを持っていること。」 もう1点の留意点としては当事者の利害に関わるような内容でないほうが、明確な効果が出る。本家と同じく、ここでは「何を選んだか」が重要でなく、「なぜ選んだか」ということに焦点が当たるようにする。この選び方はジャンピアジェの発達心理学をベ...
  • ナノクハザードレベル
     故意にせよ他意にせよプラットフォームによった作品が現実の社会に被害を及ぼすことは大いに考えられることだ。宣伝塔としてあからさまな作為がそこにあろうとなかろうと、作品が読まれれば何らかの生理的な作用は生じる。コンプライアンス(法的順守)も意識したうえで、ガイドラインとしてナノクプラットフォーム中に、他人に与える影響をレベル分けをして定義してみる。 レベル4 ディザスタ:十分な価値判断ができない他者に対しての攻撃や煽動。フィクションという「嘘」を「本当」と教え、根拠の薄い架空の理論、技術を現実の社会の判断材料その他に利用し、公共の害悪となるもの。例)情報格差を利用した誇張や煽動。文章によるアビューズ(子供への虐待) レベル3 ハザード:特定の共同体や、成文法に基づいくと書いた行為が法的に罰せられる類いのもの。例)誹謗中傷 レベル2 ハラスメント:断り書きがあったとしても、特定の個...
  • 内在知の研究─西田幾多郎
    内在知の研究 ─西田幾多郎 Seibun Satow Sep, 28. 2010   「イマダモッケイタリエズ」 双葉山定次   第1章 『善の研究』  ついさっきまでよろよろとふらつき、足ばかりついていたのに、突然、ペダルを続けざまにこげるようになる。よほどの心身の偏重が起きない限り、その人は自転車の乗り方をもう忘れない。ところが、それを言葉で説明することができない。知識として習得したわけではなく、経験を通じてコツを獲得したからである。    西田幾多郎はそれを「純粋経験」と呼ぶ。    純粋経験においては未だ知情意の分離なく、唯一の活動であるように、また未だ主観客観の対立もない。主観客観の対立は我々の思惟の要求より出でくるので、直接経験の事実ではない。直接経験の上においてはただ独立自全の一事実あるのみである、見る主観もなければ見らるる客観もない。恰も我々が美妙なる音楽に心を奪われ、物我...
  • 蜜蝋パンク
    どんな対象でもかまわないが、例えば旧石器人にテレビを見せたとしたらどう理屈をつけるだろうか?具体的な理屈のつけかたは制作者の判断にゆだねるとして、ここで、本人のベースとなっているテクノロジー(石器)と目にしたテクノロジー(電子)の間の乖離を三層で表すとする。中心にあるものはカヴァーテクノロジー(石器)で、越えるものはオーヴァーテクノロジー(電子)である。このしくみは現代人にとっては、マイクロテクノロジーと進歩したナノテクノロジーの関係に似ている。これとは別に、旧石器人にとっての猿人のような存在の持つ技術を懐古趣味的な意味をこめてアンダーテクノロジーと呼ぶ。  サイエンスフィクションのアンダーテクノロジーのジャンルにはサイバーパンクのインフラを蒸気にしたスチームパンクがあり、時計仕掛けや真空管仕掛けのインフラを背景としてクロックパンクやエレクトリックパンクという言葉がある。前者はバベジの解...
  • リアリティと古典力学
    リアリティと古典力学 Seibun Satow May, 18. 2010   「温故知新」。 『論語』    高野明彦国立情報学教授は、NHK教育で放映中の『ITホワイトボックスⅡ』の第6回「文字変換」(2010年5月13日)において、携帯電話のタッチパネルが進化したとしても、ユーザーには押した感覚が不可欠だと述べている。    しかし、これは改めて確認するほどのことでもないだろう。人間にとってのリアリティは作用=反作用である。触覚は作用=反作用の原理に基づいている。アイザック・ニュートンによる運動の第3法則である。一方、従前のヴァーチャルリアリティは、視覚や聴覚を刺激して、それを介さずしてその感覚を体感することである。視覚は脳による処理を必要とする。それを利用すれば、家庭でも、簡単に3Dを体感できる。片目にサングラス等をかけて減光して、『世界の車窓から』のような横に流れる映像を見ると、...
  • 法学的行政
    法学的行政 Seibun Satow Nov, 26.2 010   「悪法でも、実際に適用されるなら、解釈のまちまちなよい法律よりずっと役に立つ」。 ナポレオン・ボナパルト    「政治主導」を掲げて政権に就いた民主党を中心とする連立政権だったが、菅直人首相になってから、その軌道修正が図られている。霞ヶ関との友好関係を最も進めたのは、おそらく仙谷由人官房長官だろう。この政権の真の実力者が弁護士であることは興味深い。それは日本の官庁における法学傾向をよく物語っている。    国家公務員試験は細かく区分されているが、行政職Ⅰ趣試験に合格・採用された公務員が「キャリア」である。Ⅰ種試験自体も再分化されている。詳細は省くけれども、法律・経済・行政で採用されるのが事務官、それ以外が技官である。国家Ⅰ種試験の合格者が最多なのは。行政であるにもかかわらず、法律職であり、4分の1を占める。試験に合格して...
  • ワイドショー政治と世論調査
    ワイドショー政治と世論調査 Seibun Satow Oct, 29. 2010   「だいたい世間では何でも急がされることが多いから、速くするよりはちょっと遅めぐらいが多分いい」。 森毅『数学も人生も編み物のようなもの』    小泉純一郎内閣の誕生以来、現代の日本政治では、ワイドショーと世論調査が大きな影響力を持っていることは否定し難い。この二つのトピックについて、そのため、多くの論考が提示されている。しかし、ワイドショーや世論調査のリテラシーから分析したものはあまり見られない。    ワイドショーは、一般のニュース番組と違い、即時性を棄て、ニュースの解説に特化している。その際のセールスポイントは「わかりやすさ」である。このわかりやすさは、「図式化」・「可視化」・「要約化」の三つの方法によって可能になっている。    第一の図式化は、個々の要素が複雑に絡み合う出来事や事件、現象をできる限...
  • The Ditching Point すたれる瞬間
    The Ditching Point ─すたれる瞬間 Seibun Satow May 02, 2008   There is a tide in the affairs of men, Which, taken at the flood, leads on to fortune; Omitted, all the voyage of their life Is bound in shallows and in miseries. William Shakespeare Julius Caesar   1 すたれる予兆  警視庁は、2008年4月25日、秋葉原の歩行者天国で「路上撮影会」と称し下着姿の写真を撮らせたとして、沢本あすかを東京都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕する。都迷惑防止条例は「公共の場所で人を著しく羞恥させ、不安を覚えさせるような卑猥な言動」を禁じている。 一晩で釈放されたが...
  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - 川崎経済新聞 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 「Wiki」創設者のPC 競売に - auone.jp 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Ape...
  • オルタナティブとしての文学
    オルタナティブとしての文学 ─現代日本文学の現状 Seibun Satow Aug, 31. 2001   「時代に没頭していては時代を批評することが出来ない。私の文学に求むるところは批評である」。 石川啄木『時代閉塞の現状』    今日の日本文学は停滞期に突入している。これまでに、何度か、文学の沈滞について語られたことはあったが、現在の状況は比較にならない。「失われた十年」は、経済だけでなく、文学にも適用されるだろう。出版市場でもOSの市場(the market of operating system)同様、正のフィードバックによるロックイン現象が生じている。IT社会ではすべてが自己組織的臨界状態にあるため、些細なことでなだれ現象が起きてしまう。浅田次郎の『鉄道員(ぽっぽや)』(一九九七)など少数の作品にセールスが集中し、他は絶望的な部数しか売れない。出版界でも、定常マルコフ連鎖(sta...
  • 生み出された少子化
    生み出された少子化 Seibun Satow Oct, 25. 2010   「少なく生んで豊かな暮し 一姫二太郎三サンソー」 サンシーコンド-ム   第1章 短すぎるベビー・ブーム  2010年10月1日を期して「平成22年国勢調査」が始まっている。人口減少社会に突入して初めての国勢調査である。日本が急速なスピードで少子高齢化の人口構成に陥っていることはすでによく知られている。少子高齢化は先進国にほぼ共通して見られる現象であるが、日本ではなぜこれほど速く進んだのかという問いがメディア上で言及されることは必ずしも多くない。    少子化の一つの要因として考えられるのが短すぎるベビー・ブームである。日本では、「団塊の世代」と呼ぶように、ベビー・ブームが47~49年で終わっている。けれども、アメリカでは50年代に入ってからも続くし、欧州もこんなに急に低下していない。東アジア諸国に謳っては、合計...
  • ファティックとしての映画─エドウィン・S・ポーターの『大列車強盗』
    ファティックとしての映画 ─エドウィン・S・ポーターの『大列車強盗』 Seibun Satow   「ハッハッハッハッハ、面白かったぜ」。 黒澤明『用心棒』   1 映画の誕生  一九〇三年一二月一日、アメリカで、『大列車強盗(The Great Train Robbery)』が公開される。この作品のヒットから「映画」が始まる。  しかし、それは突如として出現した事件ではない。大西洋を挟んだ二つの大陸を中心とした過去約八〇年に亘る研究・実験・開発の成果・蓄積を導きとしている。  イギリスの学者ピーター・マーク・ロジェ(Peter Mark Roget)は、一八二四年、『動体に関する残像(Persistence of Vision with Regard to Moving Objects)』を刊行する。人間の眼はある対象を知覚したとき、それが消えた後でも、ほんのわずかの時間だけその像が残っ...
  • 転向─中野重治の『村の家』
    転向 ─中野重治の『村の家』 Seibun Satow 31.Oct,1992    「しばしば勇気の試練は死ぬことではなく、生きることだ」。 ヴィトリオ・アルフィエリ『オレスト』   1 吉本隆明の転向論  カール・マルクスの『経済学・哲学草稿』が発見され、日本では五・一五事件が起こり、ドイツではナチス政権が誕生する前年でもある一九三二年(昭和七年)、日本の警察は一九二七年にコミンテルンが天皇制打倒を第一目標として要求したマルクス主義者たちへの取り締まりをこれまでにないほど強化し始める。この取り締まりは、実は、もともとマルクス主義運動そのものの撲滅を目的としたものではなく、一九三一年に始まった満州事変とそれに続いて一九三七年に必然的に引き起こされることとなる日中戦争のための国内安定を目的とした後方支援の色彩が強い。その年の三月から四月にかけて、主要な関係者たちは一斉に検挙・逮捕される。日...
  • Lev Tolstoy Superstar─レフ・トルストイと20世紀
    Lev Tolstoy Superstar ─レフ・トルストイと20世紀 Seibun Satow Oct. 31. 2008   「ロシアには皇帝が二人いる。ニコライ2世とレフ・トルストイだ。どちらが強いか?ニコライ2世はトルストイに何一つ手出しできないし、その王座を揺るがし得ないが、トルストイは疑いなくニコライの王座とその王朝を揺るがしている」。 アレクセイ・S・スヴォーリン   1 20世紀の人間  その行くところはどこであっても、たちまち人だかりができあがる。1906年に、モスクワの別送から同市内のクルクス駅で汽車に乗り、ヤースナヤ・ポリャーナへと向かうまでの模様を記録したフィルムが残されている。  駅までの道を何万人もの群衆がお目当てのやってくるのを今か今かと待ち望んでいる。顔ぶれは俳優やジャーナリスト、商人、労働者、学生などありとあらゆる階層の人々であり、その前方には写真機や映...
  • ジャーナリストの文学
    ジャーナリストの文学 ─ノンフィクション Seibun Satow Jul. 31. 2009   Tis strange --but true; for truth is always strange; Stranger than fiction . George Gordon, Lord Byron ”Don Juan”   1 雑誌とノンフィクション  20世紀を目前にした1890年代、アメリカの雑誌の世界に革命が起きる。それを担ったのは、後に「ノンフィクション(Non-fiction)」と呼ばれる散文ジャンルである。  従来、雑誌は論文や小説、詩などの投稿原稿が編集部の方針に沿って取捨選択され、誌面構成されている。そこには、ハリエット・ビーチャー・ストウ(Harriet Beecher Stowe)やラルフ・ウォルド・エマーソン(Ralph Waldo Emerson)、ヘンリー...
  • 戦争と社会階級
    戦争と社会階級 Seibun Satow Mar, 24. 2010   「戦争が戦争を養う」。 フリードリヒ・シラー『ピッコロミーニ』   第1章 The War Dreamer  ブラックウォーターを始めとする民間軍事会社がアフガニスタンやイラクで深く関与していく中、『論座』2007年1月号に赤木智弘の「『丸山真男』をひっぱたきたい――31歳フリーター。希望は、戦争。」が掲載される。このタイトルは、「戦後民主主義なんぞクソッくらえ!」と考え、戦争のアウトソーシングに加わりたい31歳の男性の主張なのかという印象を読者に抱かせる。  しかし、軍務経験もなく、特殊技能も有していない31歳を雇う民間軍事会社はおそらくない。未経験者を一から育てる余裕などそこにはない。  そもそも、31歳では従軍するには年をとりすぎている。自衛隊を例にとってみよう。こうした経歴の31歳が自衛隊に志願するとしたら、...
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