犬猫おもいで秘宝館 (仮)内検索 / 「871水仙堂 雹SS」で検索した結果

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  • 871水仙堂 雹SS
    水仙堂 雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 今日は、誕生日のお祝いとして来てくれるという話だった。 これだけでも、今の状況を知らないというのがわかる。 だから。 今のこの国を見てくれたら。 あの人は、必ず動いてくれる。 /*/ 表の方で、兵達が来客と何か話しているようだ。 「何かあったのですか?」 部屋に入ってすぐのところに一人配置されている兵に尋ねてみる。 「いえ、あなたが思い煩うようなことは何も」 白状したも同然の言い方。 「今日は、雹が私のところに来る日よ。 来客なら、まったくの無関係ではありえない」 そう言いながら、部屋の外へ向かう。 兵が予期していたように私を遮って言葉をかける。 「危ないと、何度言ったらわかりますか」 「この施設を出るとは言ってません。 部屋の外程度でも危険なほど、あなた方はここの警備ができていないんですか?」 返...
  • 631水仙堂雹SS
    水仙堂雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 暖かな紅茶の湯気がやさしく周囲に漂う。 ハイマイルの展望台。無料で入れる展望台はとくに目立ったアトラクションもなければ 刺激もない。だから人気がないのだろうか。夜なのに、ヴァンシスカと雹以外は誰もいない。 窓から見える人工の明かりはとても綺麗で、まるで宝石箱をひっくりかえしたようだった。 さっきまでの緊迫した空気をほぐすように、そっと紅茶の温かさを味わう。 体の震えは、すこしだけ割れた窓から風が吹き込んできて寒いせいだと思いたい。 薄暗い部屋に夜に溶けるような黒いドレスが見える。 そして、紫色のカトレア風リボンフラワーの髪飾りも視界に入ってくる。 どちらも、よく似合っていた。 思わず目を細めると、ヴァンシスカが視線に気づいて首をかしげる。 同じように紅茶で手を温めている姿がかわいらしい。 誤魔化...
  • 634水仙堂雹SS
    水仙堂雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 ヴァンシスカはベッドに横たわって目を瞑っていた。 衰弱のために、唇に色は無く、美しかった銀の髪も精彩を欠いていた。 薄れていく意識の中で、ヴァシスカは思い出して微笑む。 特別な誕生日になったあの日の事を。 /*/ 『これ、 よかったら着けて』 ? ―紫色のカトレア風リボンフラワーの髪飾り 『誕生日のプレゼントー』 ありがとう、雹 『喜んだ顔が見たくて用意したから、もう満足ですよ』 ―幸せそうに微笑む雹 /*/ 『ねぇ ヴァンシスカ』 『はじめは国のためにいてくれたけど』 『俺のために、いてくれない?』 『ずっとずっと』 それは求婚? 『指輪はないけれど』 『結婚してほし・・・ ...
  • 754水仙堂 雹SS
    水仙堂 雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 ピクニック? この世にあるあらゆるものは水が高きから低きへ流れるように移ろい、変わっていくもの。 人も、体制も、国も。あるいは世界そのものも。 私の母国がそうであったように。 一時としてその姿を留めることはないのだと。 今でも、そう考えている。 だけれども。 変わらずにあるもの、変わらずにあって欲しいもの。 そんなものがあると、信じてみたい気持ちを持つようにもなった。 これこそが私の変化。 思えば、あの頃からその変化の兆しはあったのだと思う。 /*/ 「空爆…か。  みんな無事だといいな」  道の端で新聞を広げ、ためつすがめつしていた青年は丸眼鏡を指で押し上げると難しげな調子でぼそりと漏らした。  青年の祖国である神聖巫連盟は貴族的、質実剛健な気風である帝國にあって例外的に牧歌的な雰囲気を残した国であっ...
  • 1012水仙堂 雹SS
    水仙堂 雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 [末永く輪を描く]  使い古した鍋が好きだった。少年の家では、汚れた鍋を磨くのは子供の仕事だった。けれど少年は、言われるよりも早く鍋をとっていき、ざばざばと水をかけながら輝くまで磨いてやった。  少年の脇では、でかいカエルがぴょこぴょこ跳ねている。黙っている子供の代わりにはしゃいでいるようだった。  少年の両親は「変なやつだなあ」と率直な感想を述べたが、その子供はあまり気にしなかった。それよりも鍋を磨くのに夢中だった。  それがこの道にいたる原風景だった。  そうして、カエルがげこげこ鳴く時期を何度も繰り返して……というほど月日が経ったわけではないが。まあ、一人前、となんとか言い張れるくらいには腕があがった頃、仕事の呼びかけがあった。  依頼主は、なんでも、初々しい新婚さんに見えたとか。  それをきいて職人...
  • No.871~No.880の依頼
    No.871~No.880の依頼 No.871 水仙堂 雹@神聖巫連盟さんからのご依頼 砂神時雨@たけきの藩国 日向美弥@紅葉国 No.872 猫野和錆@天領さんからのご依頼 黒崎克耶@海法よけ藩国 No.873 和子@リワマヒ国さんからのご依頼 ホーリー@満天星国 No.874 猫野和錆@天領さんからのご依頼 可西@涼州藩国 No.875 奥羽りんく@涼州藩国さんからのご依頼 和子@リワマヒ国 サカキ@星鋼京 No.876 蒼のあおひと@涼州藩国さんからのご依頼 黒崎克耶@海法よけ藩国 城 華一郎@レンジャー連邦 No.877 猫野和錆@天領さんからのご依頼 竿崎 裕樹@よんた藩国 No.878 守上藤丸@ナニワアームズ商藩国さんからのご依頼 むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦 黒霧@土場藩国 No.879 銀...
  • 871水仙堂 雹
    水仙堂 雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 小笠原秘宝館依頼イラスト。 ヴァンシスカさんと幸せになって欲しいです。 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) ステキなイラストありがとうございます(´▽`) (つやつや -- 水仙堂 雹@神聖 (2010-06-19 20 21 30) 名前 コメント ...
  • 678水仙堂雹
    水仙堂 雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 お待たせして申し訳ありません>< チョコが光ったところをかかせて頂きました。 目覚めたヴァンシスカと早く会えるといいですね。 目が覚めて雹さんのチョコを抱きしめて微笑むヴァンシスカです。 ヴァンシスカ銀髪ですよね>< すみまs  orz 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 名前 コメント ...
  • 974水仙堂 雹
    水仙堂 雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 たいっへんお待たせいたしました! ダンスのシーンと指輪のシーンどちらを描こうか迷ったのですが、 ヴァンシスカがとってもうれしそうだったのでダンスの方を描かせていただきました。 5秒後にちゅーしてそうな雰囲気が出せていればいいなと思います。 ご依頼ありがとうございました! 大きいサイズはこちら http //stellar-night.at.webry.info/201108/article_1.html 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) おお ステキですっ! 綺麗な作品をありがとうございますー ヽ(´▽`)ノ -- 水仙堂 雹 (2011-08-31 23 16 14) ...
  • 860水仙堂 雹
    水仙堂 雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 オゼットさんを、とのことだったのでがつんとかかせていただきましたー。 格好いいおねえさんなログでステキでした。 服のほうが式神3ベースに好き勝手しすぎた気もいたします。 こちらはおまけのイラストになります。 ちょうど目覚めたときに立ち会えますように、と描かせていただきました。 元気な姿で次はお会いできるといいですね。 以上2点のイラストになります。 ご依頼ありがとうございました! 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) オゼットさん格好いいです ひゃっほう! さらにおまけまで ありがとうございますーヽ(´▽`)ノ -- 水仙堂 雹@神聖巫 (2010-05-30 17 14 16) 喜んでいただけて何よりです~ 好...
  • 631水仙堂雹
    水仙堂雹@神聖巫連盟さんからのご依頼品 ヴァンシスカさんが、 リボンフラワーの髪飾りをつけている姿を描かせていただきました。 手作りのプレゼントって素敵ですよねv 今回は、ご依頼ありがとうございました! こちら、二枚目になります。 では、また。 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 名前 コメント ...
  • No.631~No.640の依頼
    No.631~No.640の依頼 No.631 水仙堂雹@神聖巫連盟さんからのご依頼 花陵@詩歌藩国 SS弓下嵐@土場藩国 No.632 アポロ・M・シバムラ@玄霧藩国さんからのご依頼 コール・ポー@芥辺境藩国 No.633 月光ほろほろ@たけきの藩国さんからのご依頼(作成中) SSちひろ@リワマヒ国 霰矢蝶子@レンジャー連邦 No.634 水仙堂雹@神聖巫連盟さんからのご依頼(作成中) SS八守時緒@鍋の国 No.635 松井@FEGさんからのご依頼 SS黒霧@涼州藩国 No.636 芹沢琴@FEGさんからのご依頼 守上藤丸@ナニワアームズ商藩国 SS多岐川佑華@FEG No.637 八守時緒@鍋の国さんからのご依頼 むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦 SS鈴藤 瑞樹@詩歌藩国 No.638 矢上ミサ@鍋の国さんからの...
  • No.671~No.680の依頼
    No.671~No.680の依頼 No.671 蒼のあおひと@海法よけ藩国さんからのご依頼 守上藤丸@ナニワアームズ商藩国 SS玄霧弦耶@玄霧藩国 むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦 SS影法師@玄霧藩国 No.672 瀬戸口まつり@涼州藩国さんからのご依頼 SS黒霧@涼州藩国 No.673 夜國涼華@海法よけ藩国さんからのご依頼(作成中) 沢邑勝海@キノウツン藩国 ゆり花@akiharu国 SS2多岐川佑華@FEG No.674 谷坂 少年@神聖巫連盟さんからのご依頼 ダムレイ@リワマヒ国 No.675 黒霧@涼州藩国さんからのご依頼 SS風杜神奈@暁の円卓藩国 アポロ・M・シバムラ@玄霧藩国 No.676 八守時緒@鍋の国さんからのご依頼(作成中) SS黒霧@涼州藩国 SS銀内 ユウ@鍋の国 優羽カヲリ@世界忍者国 山吹...
  • No.751~No.760の依頼
    No.751~No.760の依頼 No.751 アポロ・M・シバムラ@玄霧藩国さんからのご依頼 松井@FEG SS影法師@玄霧藩国 No.752 守上藤丸@ナニワアームズ商藩国さんからのご依頼(作成中) 可西@涼州藩国 No.753 彩貴@レンジャー連邦さんからのご依頼 矢神サク@レンジャー連邦 No.754 水仙堂 雹@神聖巫連盟さんからのご依頼 久遠寺 那由他@ナニワアームズ商藩国 No.755 かくた@よんた藩国さんからのご依頼 坂下真砂@よんた藩国 SS雷羅来@よんた藩国 No.756 彩貴@レンジャー連邦さんからのご依頼 ダムレイ@リワマヒ国 No.757 月光ほろほろ@たけきの藩国さんからのご依頼 SSちひろ@リワマヒ国 瑛の南天@後ほねっこ男爵領 No.758 松井@FEGさんからのご依頼 ゆり花@akihar...
  • No.851~No.860の依頼
    No.851~No.860の依頼 No.851 久珂あゆみ@FEGさんからのご依頼 黒崎克耶@海法よけ藩国 No.852 銀内 ユウ@鍋の国さんからのご依頼 ヴァンダナ@FEG 夜國涼華@ゴロネコ藩国 No.853 多岐川佑華@FEGさんからのご依頼 SS芹沢琴@FEG No.854 久珂あゆみ@FEGさんからのご依頼 琴月雷那@羅幻王国 鈴藤 瑞樹@詩歌藩国 No.855 ミーア@愛鳴之藩国さんからのご依頼 優羽カヲリ@世界忍者国 ちひろ@リワマヒ国 No.856 久珂あゆみ@FEGさんからのご依頼 黒霧@土場藩国 山吹弓美@愛鳴之藩国 No.857 矢上麗華@天領さんからのご依頼 竿崎 裕樹@よんた藩国 No.858 むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦さんからのご依頼 刻生・F・悠也@フィーブル藩国 No.8...
  • ギャラリー
    ギャラリー ご依頼を頂き作成された作品の数々を展示しております。 作者へのメッセージを募集しております。 何かあればこちらから。 また、私も注文をと言う場合にはトップページより、 注文BBSへご注文ください。 お待ちしております。 【おしらせ】 週刊犬猫おもいでPick Up!により、おすすめSS作品の紹介がされております。 ぜひご参考にごらんください 週刊犬猫おもいでPick Upは こちらから! NO.000~No.100の依頼 / NO.101~No.200の依頼 / No.201~No.300の依頼 No.301~No.400の依頼 / No.401~No.500の依頼 / No.501~No.600の依頼 NO.601~No.700の依頼 / NO.701~No.800の依頼 / No.801~No.900の依頼 No.901 月...
  • 624雹SS
    雹@神聖巫連盟様からのご依頼品 /*眠らない夢*/  感覚は微か。まどろみと言うほど重くもなく、朦朧と言うほどにも軽くもない。  あえて言うなら浮遊感。ベッドで寝ているはずのこの身はもうずいぶん遠くに感じた。 「起きなさい。狸寝入りくらい、見抜けないと思って?」  どこかからかうような口調。ヴァンシスカは微かに目を開いた。  それだけで、息が切れそうになる。体を動かすのは、ずっと遠くから糸を引っ張って人形を動かすような感覚に等しい。ひどく繊細で、ひどく苦労する。それは目に見える物も同じ。視界にうつる白い天井や、友人が見下ろしてくる姿も、細長い筒を通してみた彼方の景色のようだ。  現実感がひどく遠い。  動悸すら定かでない体。浅い呼吸で、体に熱を取り戻す。唇がひどく乾いている気が、した。 「まだ限界じゃないようね。もっとも、そろそろみたいだけど」  そ...
  • TODOlist
    作業効率のため、全て敬称略で表記しております。 終了した依頼のうち、 No100まではここ / No101以降はここ / No201以降はここ No300以降はここ No400以降はここ No500以降はここ No600以降はここ No700以降はここ No800以降はここ No900以降はここ No1000以降はここ 自立発注はここへ移してます。 代理発注をしたものはこちらに移しています。 更新日時 2013年04月15日 (月) 19時54分37秒 No126 風杜神奈@暁の円卓 - 07/11/11(日) 8 20 - 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示 依頼人引渡し マイル申請 個人口座編集 yuzuki ○ ○ ○ ○ ○ ○ 三つ実 ○ ○ ○ ○ ○ ...
  • 終了した依頼7
    No.600 コール・ポー@芥辺境藩国 -(2009/01/08(Thu) 09 42 03) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示 依頼人引渡し マイル申請 個人口座編集 アポロ・M・シバムラ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ No.601 松井@FEG -(2009/01/11(Sun) 10 13 00) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示 依頼人引渡し マイル申請 個人口座編集 むつき・萩野・ドラケン ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 多岐川佑華 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ No.602 山吹弓美@愛鳴之藩国 -(2009/01/12(Mon) 12 01 37) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作...
  • 244橘
    橘@akiharu国さんからのご依頼品 いつもお世話になっております。 完成品が出来ました 隣に座ってぐるぐるしてる 手をつないであるく と、とりあえずかれんちゃんめいんってことで頑張ってみました(汗) 気に入っていただけると幸いですー! 有難うございましたー! 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) これはかわいい. -- 444@akiharu国 (2008-03-16 17 07 45) ウギャア(ゴロゴロ悶絶 ありがとございますありがとございます。もう脳から何かが吹き出しそうですよ!いいんです、むしろかれんちゃんだけでいいんです! -- 橘@akiharu国 (2008-03-16 21 35 56) ...
  • 187龍鍋ユウSS
    No.187 龍鍋 ユウさんからの依頼 「二人はラブラブで出発してるねぇ」 ニコニコとしながら龍鍋ユウが笑った。 「いいですよね」  竹内優斗も相槌を打つ。  二人は仲良くしている田鍋とよたろうと若宮康光の二人を観覧車に入れ、二人を鑑賞していた。ちょうど自分達の前の観覧車に二人は乗っているのである。  幸せと言うものは実にいい。  空気が和むのである。  観覧車が回る。浮かび上がる。景色もよく晴れている為、見晴らしが大変いい。 「竹内君も、そんな機会があった時の為に気の利いたセリフ、考えるといいかもよ」  龍鍋はからかうように言った。  竹内は少しだけうっとりと上を見た後笑った。 「だめですよぅ僕は」 「ええーそうかなぁ」  龍鍋は言う。  竹内君、そんな本人が思うほど格好悪くないのに。  素でそう思った。 「思うだけでも楽しいんじゃないかな...
  • 終了した依頼8
    No.700 守上藤丸@ナニワアームズ商藩国 -(2009/05/29(Fri) 22 39 59) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示 依頼人引渡し マイル申請 個人口座編集 黒霧 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ No.702 芹沢琴@FEG -(2009/05/31(Sun) 13 09 09) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示 依頼人引渡し マイル申請 個人口座編集 松井 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 多岐川佑華 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ No.703 日向美弥@紅葉国 -(2009/06/02(Tue) 00 38 56) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示...
  • 終了した依頼10
    No.900:瀬戸口まつり@宰相府藩国 -(2010/10/28(Thu) 21 13 37) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示 依頼人引渡し マイル申請 個人口座編集 アポロ・M・シバムラ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 黒霧 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ No.904 むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦 -(2010/10/31(Sun) 13 13 08) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業状態の変更) 製作終了(作業状態の変更) ギャラリー展示 依頼人引渡し マイル申請 個人口座編集 優羽カヲリ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ No.905 むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦 -(2010/10/31(Sun) 21 37 38) 作業者 受注確認(作業状態の変更) 製作開始(作業...
  • 87比嘉劉輝SS
    NO.87 比嘉劉輝さんからの依頼 /*/ 夏祭りは終わっていた。 いまやっているのは、秋祭り。 遠く近く、祭ばやしが聞こえてくる。 今の気温は27度。 真夏のそれに比べれば、随分涼しい。 比嘉は、ぽつりと、 「随分涼しい……もう秋だなあ」 そうつぶやき、しみじみとした。 影法師は辺りを見渡しながら、 「っつーか場合によっちゃ寒いよ?」 夜で27度。それなりである。 と、ふたりの前にアララがやってきた。 緑色の髪を揺らしている。 比嘉は、 「どうもこんばんは。今日は皆さんよろしくお願いします(ぺこりとおじぎ)」 影法師は 「こんばんは。一時間ほど、よろしくお願いします(礼」 アララは髪を下ろしている。 その髪はまだ、濡れて光っていた。 比嘉は、 (影法師さんの反応に期待するPL(何)) 影法師は比嘉の意味ありげな視線にやっと気がついた。 ア...
  • 711川原雅SS
    川原雅@FEG様からのご依頼品 /*砂糖の演習*/  猫屋敷。またの名を川原邸。百匹の猫がおわすという彼の伝来(?)の猫の家。  その家の猫と家主達は、昼日中、暖かな日差しの下で食後のひとときを過ごしていた。穏やかな縁側は心地よい風と猫の声に満たされている。  最近すっかりなついてきた猫が、仟葉の肩にのぼったり、足下で丸くなったりして山を作っている。  遠目に見れば刈り取ったばかりの羊毛の山とも言わんばかりのボリューム。猫屋敷ならではの光景である。  これを越える光景を作れるのは、彼の霧賀家の小助くらいである。彼は自らも一体となって猫の山を作り得る。  今日は彼はおらず、従って仟葉と川原の両名が猫と共にのんびりと日向ぼっこをしている一日だった。  川原は洗い物を終えると、ちょっと目を離した隙に猫にすり寄られている仟葉の側に腰を下ろした。仟葉がちらと川原を見て、小首を...
  • 870瑠璃SS
    瑠璃@になし藩国様からのご依頼品 『教訓:職業4の選択は慎重に』 になし藩国、政庁城前。 時刻は10時少し前。人はまばらではあるものの、朝食を終えて、散歩を楽しむ人々を何人か見かけるようになった朝の風景。 そんな爽やかな日差しの中に、異彩を放つ二人組の男がいた。 「フーン!」 「ハーッ!」 二人組に共通している特徴は、その屈強な肉体だ。 もとから一対になるように作られたかのような、美しい筋肉。 一人でもその鍛え上げられた鉄壁の鎧の力強さは十二分に伝わってくるものの、二人が並ぶことで効果は倍の倍で4倍。 アイドレス風にいえば評価+7シフトくらいの効果を叩き出すほどの筋肉具合だった。 「フゥーン!」 「ハァーッ!」 二人が微妙にポーズを変える。 ダンディな髭を生やした、理知的なほうの男が斜め上45度の方向を向き、拳を耳のあたりまで持...
  • 713吾妻 勲SS
    吾妻 勲@星鋼京様からのご依頼品 落ち着いた雰囲気の店内を、落ち着かない様子で見渡す客が一人。 かわいらしい衣装に彩られた古関のしぐさは、小動物のそれである。 彼女のしぐさをずっと目で追っている客が一人。 気持ちの高ぶりに反応して片方の瞳が金色に変わるという体質の持ち主…なのだが、 恋い焦がれてきた相手を前に冷静でいられるはずもなく、今日は常に変わりっぱなしである。 店内は小物などのインテリアが、お互い主張しすぎないように配置されている。 リラックスしやすい空間を作り出しているのだろう。 もっとも、今日の予約客2名はそれどころではないようだった。 メードに案内されて2人が席に着いたころ、いつの間にやらコックが出てきていた。 「こんにちは。遠いところからようこそ」 どこか不思議な雰囲気を漂わせたこのコックは、星鋼京でも非常に人気の高いパ...
  • 714榊遊SS
    榊遊@愛鳴之藩国さんからのご依頼品 No title /*/  入院患者病棟がざわざわと慌しくなり、医師たちが怒号を放っている。 それは、緊急事態であることを表し、発せられている言葉は理不尽に対する純粋な怒りである。 そしてその怒りの原因は、患者の病変ではなく、一本の連絡から来たものであった。 看護士たちは命令と連絡との板ばさみになり、ほとんど身動きが取れなくなっている。 しかし、この連絡は医師たちにとっても絶対的な"命令"であった。 だが、それでも医師たちはその連絡どおりにするのには抵抗があった。 現在の医学ではどうすることも出来ない毒に犯された患者を運び出せという連絡に。  指示を出したのは、帝國最高権力の一つ「宰相府」。 指示された時間が迫り来る中で、医師たちはついに諦め、搬送のための処置を行い始めた。 /*/...
  • 887かくたSS
    かくた@よんた藩国様からのご依頼品 「だから私は今、幸せです」 ―― そうじゃない 少女は心の中で何度もかぶりを振っていた。 /*/ 宰相府藩国、春の園の一つ「桜の園」。 年中鮮やかな桜の咲き誇る、普段は人通りの多い区画である。 今そこは、並んで歩くメノウと彼女の父の姿しかなかった。 「(あの辺りに散った花びらはあそこへまとめれば…)」 歩きながら、ぼんやりと職業病じみたことを考えていた。 「どうかしましたか?」 横を見上げると、養父であるかくたが笑顔のまま様子をうかがっていた。 「派手なところですね」 「ええ、確かに、年中寒い、よんた藩国に比べれば」 「あれはあれで、いいと思います」 メノウの素直な感想だった。 彼女が育った国の風景は、生まれたところとはまるっきり違っていた。 そ...
  • 718雷羅来SS
    雷羅来@よんた藩国様からのご依頼品 メロスは再び黒い風のように走り出しました。 友を死なせるわけにはいかないという思いで、ただただ走り続けました。 最後の力を振り絞って走り続けました。 太宰治「走れメロス」より 「うあ、さすが大都会…」  超近代文明とも呼べるFEGの街並みを、高台より眺めながら来は呟いた。  つぅ、と額から首筋へかけてと汗が流れる。シャツに汗が染み斑模様が浮き出ている。北国在住の来にこの国の気候は少々暑すぎた。そのうえ全力疾走して来たのだからその汗はなお更である。  行方不明のわん太の情報が護民官事務所よりもたらされたのはつい先日。  詳細は護民官本部でないと分からない。と聞くや否やほとんど着の身着のままに、休暇申請だけを済ませ国を飛び出してきている。  だから景勝地と名高く観光客でにぎわう美しい町並みを...
  • 879銀内ユウSS
    銀内 ユウ@鍋の国様からのご依頼品  「髪触るの好きなの?」とか。そういうはなし。 /*/  優斗クン、と名前を呼ばれてドキリと心臓が跳ねた。  でもそれじゃあまりに情けないのでなんとか平静に振る舞いつつ、 「こんにちは。お久しぶりです」  という言葉を紡ぐのに、少し神経を使った。  僕――銀内優斗は、言葉にするには難しいなんだかいろいろなものと戦っている。  たとえばこの状況。ここ鍋の国はなぜだか今日は曇天で、見上げた空から視線を落とせば見覚えがありすぎる青いマフラーを巻いた女性がやっほーといわんばかりに手を振っていて、その女性は銀内ユウという名前で、僕の大切な人で彼女で、  その彼女は少しの間窺うようにこちらを見て、  すすすっ、と。  あれ人付き合いの適正な距離とかはどうしたんですか、なんて冗談を言う暇もなく触れ合う距...
  • 878守上藤丸SS
    守上藤丸@ナニワアームズ商藩国様からのご依頼品 [ほーむらん]  高らかな快音。  青空に向けてボールは遠く跳ね上がる。  心臓の音が止まる。息を呑む音。グローブを付けた怪獣がぱたぱたとフィールドを上がっていくが、遠く、遠くに延びていくボールはいつまでも落ちる気配は無く。  ヘルメットをあげた。守上の目と口がぽかんと開いている。  打球はやがて、フィールドと場外の境界を示す緑色の草地に落ちていった。 /*/ 「野球やらないか?」 「え?」  唐突な話題振りだった。そもそもんな話題を振られることすら珍しい。守上はきょとんと目を丸くして、思わず、暮里の顔をまじまじと見つめてしまった。……実のところ、そんな事をする機会が普段は全然無いことに思い至ったのはこれから十秒は後の事で、気付いた瞬間慌てて、ぐらぐらと体が揺れた。  昼下がりである...
  • 987階川雅成SS
    階川雅成@玄霧藩国様からのご依頼品 『不幸とは何だろうか?』 人は私を不幸だと言う。私の事を可哀想だと思う人はどうしてか少なくない。 私には人に言えない秘密がある。それは私の事ではなく……宰相という政治上の大人物の秘密を少なからず知ってしまっている為らしい。 そしてその秘密のせいで私は何度か命を狙われた事がある。死にかけた事も何度も、ある。 そしてもう一つ……私を不幸だと思う人達の多くは私が優しすぎるのだと言う。 私は昔、ある人に恋をしていたらしい。その人は私じゃない人と仲良くなろうとしていたみたいだ。 私はその恋を応援して、その人と仲良くして欲しいと願った……らしい。覚えは無いけど、そう聞いている。 私の事なのに、私の情報には伝聞が多い。 それは一度記憶を消されたから……らしい。どうしてそこまで至ったのか、それは知らない。 恐らく、よっぽど大きな秘...
  • 587八守時緒SS
    八守時緒@鍋の国さんからのご依頼品 /*ある日学校の中で*/  昼休みの鐘が鳴る頃。  より、前、に。 「こっちだ。いいな。契約は煮干し三日だ」  なーと鳴く猫たち。それを見ていた男はよしと頷くと、前金(?)の餌を地面にばらまいた。はぐはぐと食べ始める猫たち。そして行け、という声に応じて猫たちは一列に歩き始めた。  電話をかける。 「もしもしー?」電話から声。 「やあ、何かワンパターンと思ってないかな?」 「思ったよ! また電話かよって思ったよ!」電話口で叫ばれる。 「窓の外を見てごらん」 「……外?」言われて窓の外を見ます。  教室の窓からくまが顔を出す。別にくまといってもあの大きなやつではない。北極にすんでいるのでもない。普通の女性である。  彼女の視線の先で、猫が並んで歩いていた。 「これを教えたくてね。かわいいよね」 「わぁぁぁぁ」 ...
  • 471詩歌藩国SS
    詩歌藩国様からのご依頼品 『蛇神様の優雅な一日』 作:11-00230-01 玄霧弦耶 /*/ ある日の詩歌藩国の大神殿。 FVBでのクーリンガンとの決戦を経て暫くたった頃、大神殿は大きく様変わりしていた。 外装はそう変わらないものの、中身は最早別物である。 総金張りの内装。聳え立つ純金の柱。供えられた数々の食料や金品。 そして、以前にもまして増えたひれ伏す人々。 そんな光景を、天上から眺める目が一対。 「あー。ほんま、ひまやのぉ」 ウイングバイパー。通称『蛇神のおっちゃん』である。 数日前までは供え物を一気飲みしまくってスマートな体がツチノコになっていたが、消化も終えたのか大分スリムである。 健康をつかさどる神の面目躍如といったところか。 「ここに来るんはみんなひれ伏してるだけやしなぁ。また盆ダンス...
  • 271ミーアSS2
    ミーア@愛鳴藩国様からのご依頼品 あまりの状況に落ち着いていない神経が原因だったのだろう。 慌てて緩く上空を旋回したが、一帯には動くものの気配もその人影以外のものも何もない。 安心すると共に、羽ばたき、まっすぐに彼へと落ちていく。 無意識に力強いストロークを刻んだ。少しでも早く、その思いが風を翼で圧し、鼻先で、より濃く分厚くなった空気を掻き分ける。 その先で横たわっている長い黒髪の美丈夫に、見知ったものを見る、親しみの色が僅かに浮かんだ。 どこまでも優しい微笑み。 しかしその頬は、記憶の中にあるものより、やや、削げていた。 微笑みが、変わらず優しいために、なおさら目についた。 「カイエ、人にお戻り」 その微笑みの前、以外では決して出さぬと誓った己の真名を口にする。 「良い腕です」 バルクは、目の前でウミネコから人に変わった女性を見て、そう...
  • 715日向美弥SS
    日向美弥@紅葉国様からのご依頼品 お散歩日和  海洋国家として名高い紅葉国の6月。  美弥は自宅の玄関で出かける前の最終チェックに入っていた。  この日のためにチョイスした靴を手にとってそれを履き、つま先をとんとんと二回。  屈めていた体を起こすときにふと目に入る、姿見に映った自分の横顔。  緩やかに口角のあがった頬のライン。 嬉しい表情。  頬にかかる髪を払って改めて笑顔を作ってみた。姿見の中の自分もそっくり同じ表情になる。  嬉しい表情。満面の笑顔。  これから待っている時間に思いを馳せながらドアノブに手をかけると、見送りのつもりなのか愛猫のパルフェが玄関先に現れてにー、と一声だけ鳴いた。  可愛い同居人にもう一度にこりと微笑んで美弥はドアを開け放った。 「いってきます」 /*/  紅葉国は紅葉が群生した諸島と海中都市に分かれた国である。 ...
  • 271ミーアSS1
    ミーア@愛鳴藩国 様からのご依頼品 /*まだ知らぬ時に*/  視界に入る空は相変わらず青い。まぶしさに目を細めたくなるような景色を、草原に横たわりながら、一人の男が眺めていた。長い黒髪。いささかやせ気味の体は、すらりと伸びた長身によく似合っていた。そんな人物が草原に横たわり空を見上げているとなれば、それは旅人か、物語に聞く魔法使いではないかと思うかもしれない。  ただし、服に隠された腹部の大穴に気付いたならば、全ての者が彼を後者だと思ったに違いない。  その男、バルクは、ゆっくりと呼吸をして目を瞬かせた。空に小さな影が見える。いささか霞んだ視界をもう一度瞬きしてシャープにすると、その形が、見覚えのある鳥であることに気付いて、バルクは微笑んだ。小さく口が動く。名前を呼んだのかも、しれなかった。  やがて鳥は警戒するように弧を描きながら降りてくると、何事かをつぶやいて、一人...
  • 716みぽりんSS
    みぽりん@神聖巫連盟様からのご依頼品 「来須の受難+α」 作:11-00230-01:玄霧弦耶 /*/ 『俺はなにか間違えたのだろうか』 今回の主役、来須銀河は、ふとそんなことを考えた。 目の前には、黒髪でおかっぱを長くしたような、そう、いわば巫女の髪型というような女が一人。 この女が言うに、敵は不死身の存在で、死者を自由に操る術を扱うらしい。 現在の彼が戦うべき幻獣の中には似たような特性を持つナイトメアというものもいるが、それでもないらしい。 否。彼の中には似たような存在に心当たりがある。 この世界に来る前、アポロニアにいたころの記憶。その中には確かに似たような者がいる。 が、話を聞く限りそれすらも一致しない。 『俺はなにか間違えたのだろうか』 無口な彼が、そう思ってしまうのも仕方のないことではある。 現在位置は...
  • 171星月典子SS
    星月 典子@詩歌藩国さんからのご依頼品 それはまだ、世の中が平和だと信じていた頃の話。 人を知らず、世界を知らず。ただ毎日が楽しかった頃の思い出話。 /*/ ――――というわけで、私とノリーコがはじめて出会った時のことを、ここに記しておこうと思う。 あれはもうずいぶんと昔、私ことノーアが城内のごたごたもなーんにも知らずにいた子供の頃の話だ。 その日、私はある貴族の屋敷へと招待されていた。 理由はよく覚えていないのだけれど、たしか うちの薔薇園にキレイな薔薇が咲きましたからぜひ見にきてください、とか。 珍しい異国の品物が手に入りましたので見にいらしてください、とか。 まぁ、よくある立場上の付き合いというやつだ。 まったくこんなことでいちいちウン百人もおともを従えて行列組んでいくなんて、どう考えてもムダだわ。 そもそも治安が悪すぎるの...
  • 875奥羽りんくSS
    奥羽りんく@涼州藩国様からのご依頼品  外を歩く母親と、その腕の中にいる弟。  ひたすら見つめていると、傍にいた(らしい)父親が、話しかけてきた。  最初は気づかなかった。  さっきまで、今日の新聞を読んでいたはずなのに。 「だいじょうぶだ」 「うん」 「あー。見てなくてもだいじょうぶだぞ」 「うん」  私は、後悔、しない。  自分の手で。自分の力で。  だから、もっともっと。 「ほら、帰ってくる」 「うん」  風が吹いているのか、目を細める母親を見て。  母親に手を伸ばし、楽しそうに喜んで、感情を出している弟を見て。  紅巴(くれは)は、身に付けた重い感触に、母親と同じしぐさで、目を細めた。 /*/ 家族と強さ <お姉ちゃんの意地> /*/  外は涼しく、爽やかな風が吹いている。涼州の名前のとおりね、...
  • 712優羽カヲリSS
    優羽カヲリ@世界忍者国様からのご依頼品 世界という機構の中に、小さな小さな運命の時計が存在した。 これはその時計を動かす、二つの歯車のお話。 最初からその二つがぴたりと互いに噛み合って動くように定められ、創り出された、二つで一つ、一つで二つの部品のお話。 工房の喧騒に、優羽玄乃丈は顔をしかめた。常人でさえ耳に響く騒々しさに、人一倍鋭敏な感覚を持つ彼がそんな表情をするのも無理もない事。そんな彼の特性を知る妻のカヲリは、喧騒に小さく声を漏らした後、彼を気遣った。 「音、気になります?」 ついで、聴覚の鋭い玄乃丈ではあるものの、もしかしたら、元来の小さなカヲリの声では騒音に紛れて聞こえないかもと思い、カヲリは大きめに口を動かして問い直す。 「大丈夫ですか?」 玄乃丈はそれに対し、肩をすくめるようにした後に帽子を軽く押さえながら、まあまあ、だな...
  • 719高原鋼一郎SS
    高原鋼一郎@キノウツン藩国様からのご依頼品 雨上がり、心の露払い /*/  見えない雨が降り続いているようだった。 街の人気はなく、人々が家の中から恐々と空を見ている。 轟く雷鳴は今はなく、体を冷やす雨も止んでいるのに、雨の冷たさと雷の恐ろしさが離れない。 だから、まだ誰も知らない。もう雲は去り、陽の光が差し始めているのに。  高原は街の通りを出来るだけゆっくり歩いて、様子を観察している。 夕飯の買出しは、もはや日課になっている。ついでに、街の様子を見るのも。 前までは商店もいくつかやっていたのだが、今は買い物に行く場所も決まってしまっている。 それに、買い物時にもかかわらず、表を出歩く人もめっきり減ってしまっている。 人の流れのない藩国に、難しい顔を浮かべる。 どうすれば、みんなが表に出てきてくれるのだろうか。  ふと、買い物袋を持っ...
  • 717桜城キイチSS
    桜城キイチ@キノウツン藩国様からのご依頼品 それは、とてもよき出来事 /*/  黄昏荘園の屋敷の一室。  その荘園の主に仕えるメードはいつものように、主人の為に紅茶を淹れた。もうお歳を召されているから、カフェインが控えめなフレーバー入りのミルクティーを。  あらかじめ用意したポットの茶葉に、沸騰したお湯を注ぎ砂時計をセットする。  それを見計らって主人は自分に仕えてくれるメードに声をかけた。 「今日は、楽しかったね」  メードは顔を上げ、主人の顔を見た。きょとん、としてから笑顔で 「ええ。とても」  素直にそれに返答した。  主人は少し笑ってから満足そうに頷いた。  それにメードも静かに笑みを増した。 「よい出会いをしたね」 「いい方達でした」 「今度出かける時は、訳の分からないものに怯えずに済むと良いね」 「ええ...
  • 287蒼のあおひとSS
    蒼のあおひと@海法よけ藩国様からのご依頼品 細い頬がにっこりと膨らんだ。 その年頃の少女だけが浮かべることの許された、光の弾けるような丸い頬笑み。 人差し指で婦人の抱く赤ん坊をあやしながら彼女は言った。 「大変でしたね。大丈夫でしたか?」 「えぇ、こちらはなんとか」 初々しい、ある時を経た婦人だけが浮かべることの出来る、幸せに満ちた微笑み。 その笑顔に奥へと案内されながら、後藤亜細亜は、自分の選択が間違ってはいなかったことを確信した。 /*/ 前日の夜のことだ。 「何をやってるんだ、亜細亜」 PCの前で顔を覆いながらきゃーきゃー言っている彼女を見て、吹雪は言った。 ひょいと後ろからモニターを覗き、むうと唸る。 「小笠原のログには、発禁だけじゃなくR-15指定もあったがいいか知れんな」 「ええっ」 「冗談だ」 ...
  • 876蒼のあおひとSS
    蒼のあおひと@涼州藩国様からのご依頼品 どちらが先だったろう。 背中を見ていて、ふと、あおひとは、思ったのだ。 真昼の木陰に、酷暑から逃れるのではなく、逃げ込み、子供たちのするような間近さ、耳元で、今は葉ずれを聞いている最中のことである。 視界は、しゃらしゃらと、近くで聞いたら意外に元気すぎるほどの音を奏でている緑色の天蓋に心地良く和らげられ、日差しの中にありながらにして、程良く暗く、まぶしさがない。目の前の背中も、色調を、ほんのりとグレースケールに染められている。若木のように、細身だが、締まった印象の背中だ。 あおひとは、樹上にあって、掌と、足裏に、それぞれ質感の異なる、乾いた樹皮の感触を得ることで、その身を支えていた。いつでも身動きできるよう、重心を掛けた靴裏からは、力強くしなる、細い綺麗な太みが、バランスを崩さないために手を掛けた幹からは、ぽくぽくと、厚...
  • 687都築つらねSS2
    都築つらね@満天星国様からのご依頼品 タイトル:『決戦の土曜日』  乙女のデート当日の朝は戦争だ。  ぶっちゃけ男性の「オレだって大変だったんだよ」なんてもんじゃない。  前日から肌の調子を整え、化粧のノリがよくなるように気を使い。  ヘアメイクのためにカールの準備したり。  何より服、どうしよう…  それは男子禁制の戦場なのだ。 /*/  ドレッサーには基礎化粧品のみならず、ファンデーションにマスカラ、アイシャドウにアイブローペンシルはもちろんのこと、口紅、リップグロス、他にもとりどりの化粧品が並んでいた。  リップの色は悩んだ。似合う色がいまいちわからない…  部屋の壁には、今から着替える服が飾られていた。  白が基調の、軽やかなミニスカートのワンピース。  素材も軽いものだ。フレアのスカート裾が軽やかに踊っている。 ...
  • 687都築つらねSS1
    都築つらね@満天星国様からのご依頼品 ちかごろ、オンサはいつも機嫌が悪い。 向かうところ敵なしの絶好調なのにもかかわらず、である。 何が不満なのか、ぶすっとした表情のまま、静かな街並みの中を歩いていく。 時々ふっと顔を上げ、空を見上げている。 少しの間、何かを考えるような遠いまなざしをした後、また歩き出す。 そんなことを繰り返しながら、どこへ行くでもなく不機嫌に歩いていた。 それはまるで、遅れてくるのが分かっている待ち合わせの相手を待っている様子であった。 ―― 遅い。…遅い 半眼のまま、道の向こうをにらみつける。 ―― そろそろ来てもいいころじゃない 視線の先には人影はない。 ―― どうせまた義務に縛られて後回しにしてるのよ 面白さの感じられない手近な施設を爆破してやろうかと思う。 が、目をつぶり、待ち人の顔を思い描いて思い直...
  • 771瀬戸口まつりSS
    瀬戸口まつり@涼州藩国様からのご依頼品 /*方位磁石*/  妙な拾い物をした。  四角い棒だ。手の平に収まるくらいの小さな物で、赤と青の二色で塗り分けられている。表面には黒っぽい砂粒が張り付いていて、短い毛のように逆立っていた。  高之はそれを見て、少し目を細めた。  場所は宰相府。いつもの散歩コースだ。リハビリのために選んだコースで、以前は歩くだけでも息が上がったものだが、最近はこのくらいの道程なら息を切らさずに歩けるようになってきた。  固い、石の敷き詰められた道を歩く。左右は緑色の生け垣で、奥の方には小さな広場。中庭は涼しい風が入り、ほてった体を適度に冷ましていく。昼下がり、静かな中庭はなかなか居心地が良かった。  最近は、いや、最近もだろうか。よくない噂は多い。特に法官に関する話題はよく耳にする。  ――そこで、微妙に思考が止まる。  新組織を作る、という...
  • 271ミーアSS2続き
    ミーア@愛鳴藩国様からのご依頼品 空に鳥が見えた。 変わった飛び方をしている。緊張しながら飛んでいて、まるで辺りを警戒しているようだ。 鳥が、まっすぐ降りてきて、何という種類か分かるところまで近づいた時、笑った。 上手に飛ぶようになりましたね。カイエ。 /*/ 致命の一撃を繰り出さざるを得なかった。 胴を痛みという名の衝撃が貫通する。次いで、機能的欠損。 バロに比べて私は華奢だからなと苦笑する。 もっと強ければ。 傷のことではなく、そう思った。 傷は魔法でふさげる。しかし、失われた体重までは戻らない。 水分を山のように採り、たらふくの炭水化物で即効性のエネルギーを補給すると、体が動くようになった。 「大丈夫ですか!?」 カイエの心配する声が聞こえた。 実際的なことばかりを...
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