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自由質疑 太田和美君(民主)

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自由質疑 太田和美君(民主)




○太田委員 参考人の皆さん、きょうは本当にありがとうございます。

 福島県から選出されております民主党衆議院議員太田和美と申します。

 私の選挙区は、原子力発電所から五十キロ、そして七十キロの圏内のところにありますが、特に、私の事務所の前は問題になりました薫小学校ということで、二十ミリシーベルトを超えた学校が事務所の前にございます。

 今、参考人の皆さんにちょっとお尋ねをしたいのが、いろいろな形で皆さんが学説をお話しされる中で、低放射線量は体にいいということをしきりに言う方たちが最近ふえてまいりました。おかげで、国の姿勢、県の姿勢もこの低放射線量について危機意識が余りにも低いのではないかというふうに私は率直に感じておりまして、今、郡山で歩いておりますと、マスクをする方たちがもうほとんどおられないような状況になっております。このホルミシス効果についてどういうふうに皆さんがお考えになられているのかということを、まず一点、お尋ねさせていただきたいと思います。

 そして、原子力安全委員会の久住さんの方にお尋ねをしたいんですけれども、参考レベルのバンドについて、例えば二十から百までは、緊急時被曝状況について、常に対策を必要とするということがここに特徴として書かれています。そして、一より大きく二十までというのは、線量低減を目指すいうことで、これは、つまり、ALARAの考えによって一ミリにしていかなければいけないということは、安全委員会も最近声を大にして言っていただいていると思いますけれども、そのことについて、文科省やそれぞれの各省庁に対して本当にどのような働きかけをしているのか、具体的にその対策を教えていただきたいんです。

 例えば、この間、議事録を読んでおりましたら、文部科学委員会で高木大臣が、郡山は率先して土を移動いたしました、その土のことについて国としてどういうふうに対策をしているのかと言ったら、これは市が独自で単独でやったことなので的確なアドバイスをしたいと思います。アドバイスじゃなくて、国の責任で対応していかなければならないというふうに私は感じております。そのところを安全委員会としてどう思われているのか。よろしくお願いいたします。

○川内委員長 それでは、まず、四人の参考人の先生方への御質問から答えていただきます。久住先生は、二つありますから、最後に答えてください。

 では、武田先生からまずお願いします。低線量について、余りにも危機意識がなくなってきているのではないかと。

○武田参考人 もちろんそれは、文部科学省が二十ミリまで安全だと言ったものですから、福島県に、私も薫小学校にも参りましたが、何しろ、周りはみんな、安全だ、安全だ、あなたは変人じゃないか、放射線が怖いというのは変人じゃないか、こういうふうに言われる人が多いわけですね。それから、例えば土をのけて子供に対する被曝量を減らそうと思うと、文部科学省が決めた三・八よりか低いのに何で減らすんだと。

 こういうふうに、原子力安全委員会が言っておられることと全く違うことが現地では言われているということが極めて大事なことだと思います。

 それから、時間もないので簡単に付言しますと、現在、既に子供たちが被曝している最中に、一ミリがいいとか百ミリがいいとか、何とか効果があるなんということは、私は発言すべき時期ではないと思うんです。それは、事柄が終わって、できるだけ子供たちの被曝を抑えて、大地を取り返した後、学者の先生方がもう一回ゆっくり議論して、一年百ミリだろうが千ミリだろうが決めていただければいいことであって、今までずっと、一番最初、冒頭に述べましたように、億ベクレルでも危ないと言っていた、今の一億分の一でも危ないと言っていた国が今急にそんなことを言うのは非常に不見識であるというふうに思います。

 また、文部科学省は神様ではないので、二十ミリが安全だとか、そういうことを決めることすらできないというふうに私は思っています。

○崎山参考人 低線量が体にいいというあれは、ホルミシスという考え方で、一時、十五、六年前、盛んに言われたんですね。でも、そのホルミシスをサポートする科学的なデータはありません。

 それで、先ほど御紹介しました、アメリカの科学アカデミーから出ている低線量電離放射線の生物影響という報告書があるんですけれども、それにも、ホルミシスをサポートするようなデータはない、そういうふうに書いてあります。

 ホルミシスは、東大のお医者さんがそういうことをネットで言っていらっしゃるんですけれども、それはまるきり科学的な根拠はないということです。

○矢ヶ崎参考人 低線量という概念そのものは、外部被曝だけを考えて言っていることでございまして、実は、先ほどからほかの委員からも、(資料を示す)先生方は見えませんね。こちらに線量を書いて、こちらに死亡率などを書いておりますが、ずっと直線的に低くても確率があるという話がありました。

 ところが、内部被曝を考えると、内部被曝というのは、非常に微量な放射性元素を体に取り入れるだけで十分大きな被曝がありまして、それをいろいろ、ミルクの中の放射性物質の量などで系統的にとってみると、こんな直線的に減少するのじゃなくて、ぐうっと同じように高い発症率が続いてすっと小さくなる、低線量まで十分大きな効果がある、これが今いろいろ各地で世界的に出されている現状でございます。

 ホルミシス効果というのは、先ほど、DNA、二重鎖が両方ちょん切られる、こういったようなところにはまるっきり意味のない現象なんですが、細胞のほかの活性酸素、水なんかに当たって活性酸素がたくさんつくられるところで、それについての効果が云々だなんというところでの議論がされたことがありますけれども、これが健康に対する主流では決してありません。

○久住参考人 ホルミシス効果につきましては、先生方が既に言われましたように、科学的には根拠がないというのが現在の考え方かと思います。

 確かに、いろいろな実験をしてまいりますときに、生体防御反応というのがございますので、いろいろな外からの要因につきまして体はいろいろな反応をいたしますから、あたかもそれがいい方向へ働くものがふえたときには、よかったというような評価になるのかと思いますが、実態としては、今、科学的には余り証明されていなく、世界的には根拠がないというふうに認識されていると思います。

 それからあと、ALARAの精神をどのように文科省に伝えたのかとか、改善措置に生かしてはどうだという御意見がございましたけれども、私ども安全委員会は、週に二回、安全委員会を公開で開いております。そこへ各関係省庁からいろいろな状況の御報告をいただきます。それに対しまして私どもはしっかり意見を申し上げているという形で御意見を伝えるというのが、一番正式な伝え方かと思います。

 ただ、それだけではなく、実態的には、いろいろな形で情報を交換し、あるいは考え方を述べさせていただき、お互いに議論しておりますので、その場ではしっかり申し上げているというのが現状でございます。


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