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ローダウン近況

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powerkoil18

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ローダウン近況


目次




ボウリングは遅れている


陸上、体操、野球、サッカーなどメジャーな競技は
トレーニング法が確立されており、練習メニューも
どの部位を強化すべきかも明らかである。
およそ研究し尽くされすでに理論的に完成されているといっていい。
一方ボウリングでは下半身を鍛えようなどと書いてあっても
具体的にどの筋肉なのかは書いていない。
それは研究がおこなわれていないということもあるだろうが、
人によって投球フォームがかなり異なり、
またレーン、ボール、オイルの材質の進化とともに
投球フォームも変わってきたため、
トレーニング法も決めようがなかったのかもしれない。

競技内容によって身体能力を最大限引きだすための動作は
おのずと決まってくるためフォームに多少の癖はあっても、
基本的に使う部位は同じであり
鍛えると邪魔になる部位も導かれる。
他の競技であればすでにそういった
メカニズムは明らかにされているのだが、
しかしボウリングのように人によって
フォームが大きく違えばそうはいかない。

ボウリングの場合、投げる以外は
とくに練習方法が示されることはなく、
書いてあってもその理論的な裏付けはほとんどない。
腕立て伏せや腹筋などを勧めていても、
どの程度の負荷で何セットおこなうべきか、
そのメニューはどういった条件で何人に試験し、
どのような結果が得られたのか、
おこなったグループとおこなわなかった
グループで違いはみられたのか、
また腕立て伏せで大胸筋を肥大させて
本当にそれは投球にプラスになるのか、
逆にマイナスになることはないのかなどは不明である。
(とはいえ器具を使わないトレーニングは低負荷であるから
一日100回やったところですぐに筋発達は止まり
たいしたことにはならないであろうが。)

他種目に追いつきつつある技能


しかし現在の若手ボウラーのローダウンの投球は
技術的にほぼ極まっているようにみえ、
あくまで推測だが今後洗練されていくことはあっても、
大幅に異なる投法がでてくるようには思えない。
ローダウンで投げるためには身体能力を
ほぼ最大限に引きだす必要があり、
そのためのメカニズムに従わざるをえない以上
さほどフォームに違いは出てこないはずである。
おそらくどの部位をどの程度強化すべきかなど
具体的なトレーニング法や投球理論は次第に確立されていくだろう。
その意味で「ローダウン」という言葉で示される投球ではじめて、
ボウリングの技術も他のスポーツと同水準になったといえる。
見方を変えればローダウンで投げるボウラーを目指すならば
自分は野球やサッカーの選手と変わらないアスリートであると考え、
それなりの負荷に耐える覚悟が必要ということになる。

ストローカーのレベルが高い日本のボウリング


ただボウリングはレーンに合わせて投球し
倒したピン数を競う競技であり、さほど回転も球速もなくても
ラインを出してはまってしまえば勝てる。
その技能レベルは投球技術だけに
比例しないことに注意すべきである。

またレーンコンディションによっては
板目を多く使うと不利になることもあり、
今後そのようなレーンが増加する方向に進めば
高回転の投球技術は必要なくなる可能性もある。

しかし現在はスポーツコンディションと称し、
より投球技術が高い方が有利なレーンコンディションを採用する方向にあり、
ストローカーもクランカーも対等な条件のレーンが増えていくはずである。
アウトサイド決め打ちの方がスコアになり、
少しでも開くと回転が邪魔になってどうしようもなくなるような
レーンが作られることは少なくなるだろう。

無論それはより曲げたほうが倒れるというような単純なものではなく、
より投球技術を高めて、攻め方の幅を広げ、
内も外も投げ分けられるというようにライン取りの引きだしが多い方が、
有利になっていくであろうという意味である。
日本ではクランカーはあまり勝てないのにPBAが日本で投げれば
上位を総なめにされてしまうのは球威だけの問題ではない。
いまだ日本ではストローカーの方が技量が上だということである。

ボウラーのメンタリティー


上記のような状況に対応するためにも
投球技術を高めていく必要があるのだが、
ボウラーは総体的に単なる自分の技量不足を、
知識、体力など別の原因としたがる傾向が強い。
さらに「手の動かし方が違うからよく回転する」などの
先入観や固定観念に捕われており、
それを前提にしてすべてを解釈していくため、
結論も現実と乖離したものになるようである。
スポーツでは「己に勝つ」などの戒めがよくでてくるものであるが、
とりわけメンタルの比重が大きいボウリングにおいて
全く自分の考えを疑わないことは致命的といえる。
何度やっても期待している結果が出ないのならば
全く逆の発想を試みても良いはずである。
自分に言い訳をするために単純な問題をわざわざ複雑にし、
上達を妨げるような選択をするべきではない。

実態と釣り合わない投球技能の評価


練習といえばいきなりボールを持ちアプローチにたって
ストライクを狙って投げるという通常の投球をするだけであり、
ワンステップやシャドーなどの地味なものはほとんどやらない。
野球でいえば素振りもやらずに柵越えを狙ったフリー打撃のみで
大リーガー並のバッターになろうとしている状態といえる。
ローダウンで投げるPBA選手はオリンピック級の選手であって、
その投球は到底小手先でなんとかなるようなレベルではないのだが、
「自分はオリンピック選手と同じ投球をしようとしている」と思い至らない。
小手先でなんとかなるのならば皆ローダウンで投げているだろう。
ただボウリングという競技で練習やその技量が軽んじられるのは
ボウリングがスポーツではなくレジャーであって
他の競技より簡単であるという社会通念に原因がある可能性もある。
実際ボウリングの練習でランニングをおこなっているのはプロでも一部だけである。
たしかにボウリングは老若男女楽しめるスポーツである。
しかしプロはやはり別格と思われてしかるべきであろう。
ボウリングの技能レベルや競技水準が上がっていけば
こういった状況も時間とともに改善されていくはずである。



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