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催眠状態はあるか

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匿名ユーザー

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まず催眠というのは,ひとつの状態なのかそうでないのかという事について考えてみましょう.先に書いたように,今までの催眠理論の全てが,催眠は催眠状態という状態であり,催眠状態にすることによって暗示通りに行動すると言われていました.

学問的な催眠でも,初期の頃はそのように考えられていました.しかし,ある時に催眠は状態じゃなくても暗示の通りに行動する,という主張が出てきました.それは,心理学の大きな流れとして,人の内部にあると仮定するこころよりも,行動に注目しようという行動主義の発展と大きく関わっていたりもします.

それまでは,ずっと催眠は状態であると仮定されて,実験や調査されていました.その前提を覆す,非状態説は催眠に新たなる視点をもたらしたという意味で,大きな転機であったと思います.また,非状態説に則った催眠実験でも,状態説と変わらない催眠現象が引き起こせたのです.

結局の所,状態説と非状態説の論争も決着はついていなくて,どちらが正しいとは言えないのですが,どちらも催眠を考えるのに重要です.
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