ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki内検索 / 「必然のうちに」で検索した結果

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  • 必然のうちに
      『必然の内に』  第一章「始まり」  僕は桜田ジュン。自分で言うのもなんだがネクラな引きこもりだ。  今日も今日とて唯一の楽しみであるネットでの買い物に勤しんでいた。 ジ「これは買いだな。これも」 の「ジュンく~んご飯できてるわよ~。」  いま下で僕をよんでるのは姉ののりだ。どうせ出番少ないから気にしないでくれ。 ジ「後で食べるから置いとけお茶漬けのり」 の「えぇ~。たまにはお姉ちゃんと食べましょうよ」 ジ「うるさいな。一人で食べればいいだろ。」  まだギャーギャーいってるがとりあえず無視だ。 ジ「これも買いだな。これも…っん?」  僕は一つの商品に目がとまった。 ジ「ゲームの世界への招待状ゲームの中にはいりたいならぜひ。byラプラスの魔?」 胡散臭さ丸出しのゲームソフトしかもみたことないゲーム機本体付きとは…… ジ「これは買いだな...
  • ―/― おわりのうた
     彼女は言った。たった一枚の絵を、描きたいのだと。頭の中に曖昧に浮かんでいる絵を かたちにする為に、筆を走らせていたっけ。  それは、何処か遠い遠いところにある景色のようなものらしい。小さい頃から、ずっと 一緒だったけど。実際のところ、それが果たしてどんな景色なのか、それとも本当に『景 色』であるのかすら僕にはわからなくて……ともかく、彼女が『描きたい』と願うものを 僕は知らない。  言葉で伝えられても、僕にはそれを正確にトレースすることは出来ないから。それは当 然と言えば当然のことだったし。それでいて、少しだけ寂しいこと。  また、彼女は言った。この世界には、世界を作り上げるからくりがあって、そして物語 があるのだと。その物語は、少なくとも。それこそこの世界に生きる人々の数だけ、綴ら れていることは確かなのだと思う。  世界のからくりが、物語の中に物語を内包する。だからその数は、実...
  • 優しい神様の物語
    ―――― 今ではない昔、ここではない何処かに、 赤い神様と黒い神様がいました。 赤い神様は真紅と呼ばれて、みんなに慕われていました。 黒い神様は、水銀燈と言います。とても優しい神様なのですが、 体が黒いので、みんなが水銀燈を怖がって誰も近寄ろうとはしません。 水銀燈は深い深い谷の底で、いつも一人で座っています。 真紅と水銀燈は、仲が悪かったのですが、 毎日顔を合わせては、会話を交わしていました。 「あら、水銀燈。またこんな暗いところで座っているの?  そんなんじゃお尻から根っこが生えるのも時間の問題なのだわ。  私は黒い樹なんか見たくはないのだわ」 「私は黒いから、ここにいると誰かに見つかることも少ないのよぉ  みんな私を怖がるから、ここにいる方がいいのよぉ  あなたみたいな人には分からないわ、何処かへ行ってちょうだい。」 真紅は、本当は水銀燈と...
  • 連載中
     投下された連載中の作品です。 上にいくほど新しく更新された作品です。   11/03/05   白兎とタイムマシンと大切な人と 10/08/22  The Unknown  guroino sinineta 10/07/15 いちご日和 10/05/30 雪華綺晶的な思考 10/05/30 少年時代 10/05/30 黒き天使を従えて 10/03/04 「とある夏休み」 10/03/03 『夢のあとに』 sinineta 10/02/11 ESCAPE GIRL FANTASY hokakyara 10/02/08 平穏な日常 10/02/08 Merry Christmas, Mr.Vegita-After Yellow Comes Purple- 10/02/03 another side sinineta guroino 10/01/31 ~Pretty Maiden~ 09/11...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§プロローグ
     日常。それは、少しずつうつろいで、形を残さないもの。毎朝起きて、そし て大学へ行き。何の変哲も無い日々を、私は過ごしている。  変哲が無い、と言うと。如何にもつまらなそうな感じがするのだけれど、別 段そうは思っていない。変化が無いというのは、それだけで素晴らしいこと。 友達が居ない訳では無い――むしろ、親友と呼べるような存在も居て。私は楽 しくやっているのだ。  そう、そうやって。日常の幕間は、流れていく。  今日の講義は午後からだったから、大学へ行くまでかなり余裕があった。二 度寝に対する誘惑は、確かに少しはあったけれど。こういうところで生活のリ ズムを崩してしまうのも勿体無い話。現にリズムを崩しに崩して、普段の講義 を受けることができず。たまに出されるレポートの存在に気づかない輩だって いる。  まあ、もっとも。そんな友人に泣きつかれる前に、色々と世話を焼いてしま う私も。随分と...
  • *序盤戦
       「大丈夫よ、ジュン。国によって飲酒は16歳から認められるわ」 「もう早く始めましょうよぉ。何か隠し玉でもあるのかしらぁ?」  真紅、ここは日本だ。  あと水銀燈。お前は酒がすきすぎる。ボトル抱えるな。 「いえいえ、本当に無理はなさらぬよう。しかしながら、皆様もう大学生。昨年よりは羽目を多少外したところで、お酒の神様も見逃してくれるでしょう」  白崎さん……無責任なこと言わないでください……  昨年、というのは。丁度僕が独りだけ大学に落っこちたものの、とりもあえず高校は卒業したんだということで、ちまりとお酒なんかも出されたりもしたのだった。  それでもまだ、当時は結構平和的に行われていた筈のそれ――ごめん、ちょっと嘘ついた。  今回は一体どうなってしまうのだろう。  会場となった我が家の居間。妙に広い間取りがこういうときばかりは役に立つ。入ろうと思えば入れる空間。 ...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.13
        『ひょひょいの憑依っ!』Act.13 ――こんなに、広かったんだな。 リビングの真ん中で胡座をかいて、掌の中でアメジストの欠片を転がしながら、 ぐるり見回したジュンは、思いました。 間取りが変わるハズはない。それは解っているのに…… なぜか、この狭い部屋が、茫洋たる空虚な世界に感じられたのです。 一時は、本気で追い祓おうと思った、地縛霊の彼女。 だのに……居なくなった途端、こんなにも大きな喪失感に、翻弄されている。 彼のココロに訪れた変化――それは、ひとつの事実を肯定していました。 はぁ……。 もう何度目か分からない溜息を吐いたジュンの右肩に、とん、と軽い衝撃。 それは、あの人慣れしたカナリアでした。 左肩に止まらなかったのは、彼のケガを気遣ってのこと? それとも、ただ単に、医薬品の臭いを忌避しただけなのか。 後者に違いない。すぐに、その結論に至りました。 意志の疎通...
  • 巴メイデン481~490
    481 の「お酒って怖いわねぇ」 巴「怖いですか?」 の「そうよぅ、お酒を飲むと、みんな人が変わっちゃうもの」 巴「そうですね。……人前で全裸だなんて、ダメですよね」 の「ええ、ええ、ジュンくんの裸はそんなに安くないもの!」 巴「そう思います」 巴「だから、今のうちに耐性つけないと」 ジ「それでわざわざ大量の酒用意かよっていうかなんでビデオの用意までしてるんだよ」 482 ジ「すーいーせーせきー!またお前は僕の大切な呪い人形をー!」 翠「ふーんだ、いい年こいてお人形遊びなんてしてるお前が悪いんですよーだ!」 ジ「なんだとー!?だいたいお前こそいい年して雛苺みたいないたずらを…」 翠「翠星石がチビ苺みたいですってぇ!?そんなことチビに言われる筋合いはないですぅ!」 ジ「チビチビって、お前僕よりチビだろ!?」 翠「ふん、翠星石は心のでか...
  • 過去ログ11
    4月16日分までのは過去ログとして別のページへ移動させました。-- 名無しさん (2006-04-17 00 01 14) 乙 -- 名無しさん (2006-04-17 00 13 53) 移動おつかれさまでしたー長編見ていると、やっぱりすごく刺激になりますね。また頑張ろうっていう気になれる気がします -- 名無しさん (2006-04-17 05 22 46) 長編職人さん達こないな・・・ -- 名無しさん (2006-04-17 19 30 14) 気長に待ちまショー -- 名無しさん (2006-04-17 20 02 35) 長編スランプで続きが書けない俺が来ましたよえ?書いてから来い?ごもっともで… -- 名無しさん (2006-04-17 20 29 45) よっしゃまだ来て繰れてるのが分かっただけでやる気が沸いて来た頑張って保守短編書くぜ ...
  • 複数短編138
    真「ただいまなのだわ」 雛「あっおかえりなの真紅~」ニャー 真「雛苺、紅茶をお願いするわ…って今何か聞こえなかった?」 雛「そうそう、雛ね、さっき捨て猫さんを拾ってきたの~」 雛苺の後ろから顔を出す小ぶりの三毛猫 真「あああああああああああああああああっ!!!   やめてぇええええええ!!雛苺何でこんな事をするの私に何の恨みがあるの   もうこき使ったりしないわ紅茶も自分で淹れるわミサイルも撃たないわ   お望みなら私は貴女の下僕になるわだからどうかお引取願って頂戴雛苺ぉぉぉ」 雛「うゅ?でもこんなに可愛いのよ?真紅も抱っこする?」 雛苺はうずくまる真紅の目の前に猫を抱えて差し出す 真「kdjg;faくkfあせdfふじこkkfdsa」 自室に逃れる真紅 雛「う~いくら猫さんが嫌いだからってあれは異常なの…猫さん、洗ってあげるの~」 猫「ニャ」 一時間後、紅茶を...
  • 第十七話  『明日を夢見て』
    「こんにちは。足の具合、どう?」 金曜日の、午後四時。 気遣わしげなノックに続いて、ドアの隙間から、巴が控えめの笑顔を覗かせる。 蒼星石が目を覚ましてからと言うもの、彼女は毎日、学校帰りに病室を訪れていた。 一人部屋で退屈三昧の蒼星石にとっては、待ち侘びた時間でもある。 「だいぶ、よくなったよ。歩くのが、まだちょっと億劫なんだけどね」 言って、蒼星石は深まる秋の早い夕暮れを正面に受けて、眩しげに瞬きした。 抗生物質を点滴したお陰か、両脚の腫れは、もうすっかり治まっている。 今では、塞がりかけの傷口が、むず痒くて仕方ないほどだ。 どうにも我慢できなくて、蒼星石は包帯を巻かれた足を、もぞもぞ摺り合わせた。 蒼星石の血色よい顔を見て、巴は「よかった」と、にっこり白い歯を見せた。 「今日は、おみやげを持ってきたの」 言って、ひょいと持ち上げたのは、病院の側にある和菓子屋の箱。 「柏餅なん...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第一話
    第一話 「おはよう」 大体は、彼女のこの挨拶から朝が始まる。 最初は驚いた。 入学してから三日目、通学途中でいきなり声をかけられたんだから。 自分にかけられた挨拶だとも思わなかったし。 中学時代にあんな目に遭っていたから、高校では極力、誰とも接触を持たないようにしていたのに。 たった三日でブチ破られてしまった気さえしたな。 「ああ、おはよう」 最初は無視しようと思ったけど、それで二の舞になってもつまらない。 一応返事だけは返したんだけどね。 まさか、それが毎日続くようになるなんて思いもしなかった。 僕の計画はいきなりつまづき、それから2ヶ月の間、内心では混乱しっぱなしだ。 「今日も下ばかり向いちゃって。ツマラナイ男ね」 「じゃあ、なんで僕に構うんだよ」 関わり合いたくないという意思を含んで返した。 凄味は込められなくても、出来るだけ精一杯に。 少し悩むような仕草を...
  • 第十五話  『負けないで』
    かさかさに乾いた肌に引っかかりながら流れ落ちてゆく、紅い糸。 心臓の鼓動に合わせて、それは太くなり……細くなる。 けれど、決して途切れることはなくて―― 「……ああ」 蒼星石は、うっとりと恍惚の表情を浮かべながら、歓喜に喘いだ。 これは、姉と自分を繋ぐ、たった一本の絆。 クノッソスの迷宮で、テセウスが糸を辿って出口を見出したように、 この絆を手繰っていけば、きっと翠星石に出会える。 そう信じて、疑いもしなかった。 命を育む神秘の液体は、緩く曲げた肘に辿り着いて、雫へと姿を変える。 そして、大地を潤す恵みの雨のごとく、降り注ぎ…… カーペットの上に、色鮮やかな彼岸花を開かせていった。 「そうだ…………姉さんの部屋に……行かなきゃ」 足元に広がっていく緋の花園を、ぼんやりと眺めながら、蒼星石は呟いた。 自分が足踏みしていた間に、翠星石はもう、かなり先に行ってしまっている。 だから、...
  • 『Dolls' House 最終話』後編
        『Dolls House 最終話 ゆめのおわりはいつもまっしろ』     【後編】    お昼くらいは許すですよ。今日の夕飯はフル稼働なんですからね。と宣言し、翠星石がワゴンに積み込んだのは膝に乗る程度のサイズの編みバスケット。中身が入りきらず隙間からちらちらとアルミホイルが見え隠れしているが、これより大きな入れ物がなかったのだとか。  このあたりで一番大きなデパートに行くために八人姉妹がみっしりと乗り込んで出発して十分後、早くも辛抱ならず手の震えが止まらなくなった雪華綺晶は後部座席のバスケットに忍び寄っている。  何とか守り抜こうとそれを抱きかかえてにっちもさっちも行かなくなった翠星石との攻防が始まり、車内はすでに混沌の様相を呈していた。  あの秋の大惨事ドライブから色々な変遷があり、結局席の並びは運転手水銀燈、助手席に薔薇水晶、真ん中の列に雪華綺晶と真紅と蒼星石、...
  • 五話「水銀燈Ⅱ」
    短編「図書館」シリーズ五話「水銀燈Ⅱ」 突然だが、私、真紅は図書委員だ。 元々本が好きで、中一のときに初めて図書委員になり… 気が付けば図書室、そして図書委員の常連となり早3年。 その間に図書室仲間ともいうべく、同じく本の好きな友達連も出来て、 図書館をよく利用する人の顔もかなり覚えた。 これは、そんな私の図書室でのある日の放課後のお話。 当番の日は、普通の掃除は免除になる。しかし代わりに広い図書室の掃除があった。 HR後に、同じ掃除箇所のクラスメイトに当番だから、と声をかけて歩き出す。 図書室にたどり着くと、みっちゃん先生が掃除機や雑巾を出して待っていたが、 金糸雀のクラスはまだHRが終わっていないようで姿が見えなかった。 紅「掃除に来たのだわ」 み「はーい。まだ急がなくてもいいけど…はじめるなら掃除機の前に机の雑巾がけをお願い」 金「遅くなりましたかしら~!」 み「じゃあ、一緒...
  • ずっと傍らに…激闘編 第十八章~翠星石side~
    ──となりで顔を強張らせてるジュン。 目の前で座ってる人の視線が気になるんですかぁ? 快速と違って座席の向きが90度違いますからね。 …でも翠星石とのりがお前を挟んで座ってるだけでもまだマシでしょうに! そんなジュンも、今日で壁をひとつ乗り越えましたね。 ひとつどころじゃないかもしれないです…。 だって、学校よりも人が多い街に出ることが出来たんですからね。 別に今だって怖がることなんてないんですよ。 ABCの邪魔さえ入らなければ── やっぱり、こいつらを倒すまでは学校復帰は厳しいですかねぇ。 翠星石も連休明けから安心して学校生活を送れるか心配になってきたです…。 あと、ケーキ屋でジュンが言ってましたが、 誰にも出掛けたことを連絡しなかったことで水銀燈に怒られたんですね。 まぁそういう意味では水銀燈の気持ちは分からんでもないです。 家から忽然と姿を消したとなれば、誰だって心配しま...
  • ―/― はじまりのうた――夢の続き
     色々なことを、思い出していた。学校での、出来事。保健室での出会い、思い出。それ よりももっと前の、曖昧な記憶。  雛苺が渡仏してから、年明けの春。あと半年とちょっともすれば、彼女は日本へ帰って くる。僕は高校二年生になって、来年は受験生だ。……といっても、大学を受験するつも りはないから、周りよりはある程度余裕ではある。そのことを伝えに、僕はこれからフラ ンスへ向かう。我ながら、相当大胆な行動に出たものだと思う。  出世払い……というとプレッシャーなのだけれど、今回の旅費については家のひとに相 当無理を言ってしまった。姉はなんだか喜んでいたみたいだったが。  本当はバイトをして自分で稼ぎたかったが、山奥の学校ではそれも敵わず。その辺りは、 流石に不便であると思う。 『卒業したらバイト始めなよ、桜田君。いいとこ紹介してあげるから』 『ジュンが働くなら、私も其処でバイトするわぁ』  ...
  • =さらば!我が愛しき日々よ=第三話
    急いで家に入り、リビングへ向かい、勝手に入って、くつろいでいる侵略者どもに尋ねる。 「おまえら、金は持ってないのか!!!?」 返事は予想どうり、 「あら持ってるわけないじゃない。それに、輸送量は購入者負担になってるわよ?」 規約なんていちいち読むわけがない。遊びでやっているのだから。 「心配しなくても、タクシー代以外はいらないわ。密入国したから。」 犯罪にまで平気で手を染めるのかよコイツラは。 「なら警察を呼んでやる!」 「させると思う?」 「させるわけないわよぉ。ねえ?」 「かしらー!」 「あったりまえです!」 「さすがにそれはいやだね。」 「なのなのー!」 「絶対に、させない。」 僕の背中から血の気が引いた。 だめだ、勝ち目はもうない。嗚呼神よ、ついに僕を見放したか。 「ほら、さっさと払ってきなさい。」 「ささっと済ませれないのですか?このノロマ。...
  • =さらば!我が愛しき日々よ=第十話
    世界は巡る。 しかし、ジュンの部屋だけが、まるで隔離されたかのように、動く者がいなかった。 ジ「な、何やってんだ?水銀燈。」 ジュンはなるべく今の心境をあらわにしないように、引きつった笑顔で尋ねた。 銀「あう・・・・。」  水銀燈は顔を真っ赤にしながら、後ずさりしていた。 ジ「それ、ぼ、僕の制服だよな・・・」  水銀燈は、何も言うことが出来ない。 銀「・・あう・・・うう・・・・・ふ、ふええ~ん。」 ジ「!!!!」  水銀燈はその場に座り込み、急に泣き出してしまった。 ジ「え、ちょなんで・・・」  ジュンはあたふたするしか出来ない。 そうこうするうちに、嫌な予感がジュンの頭の中をよぎった。 『ドドドドド、バァン!!』 ジ「!!!!」 真「水銀燈!どうしたの!?」  ジュンの部屋のドアを勢いよく開けたのは、真紅だった。後ろに雪華結晶もいる。 雪「まあ!水銀燈...
  • 【ある日のふたり】夕陽に照らされた水溜りがきれいだった、放課後の場合
       雨は、それなりにすき。  ぽつりぽつりと降る雫が、ぱたぱたと音を鳴らしている。少しだけ開いている窓の隙間から入り込む風が、ちょっとつめたい。  ここ最近は晴れの日が続いていて、これなら夏もあっという間にやってくるのだろう、と。そんなことを考えていたものの、この分では半袖だと風邪をひくひとも出るだろう。  眼を閉じれば、晴れているときよりもずっと色々な音が聴こえる。気分にもよるだろうけど、私はそれを五月蝿い、とはあまり思わない。私が鉛筆で、参考書へとつとつとリズムを刻んで叩くほど、規則正しくなどない、音。  水は地に落ちて。小さな小さな渦を巻き、どこかへ流れて消えてしまう。  いつのまに。  一体、どこへ。  か弱い、雨。  それが生み出した、水の流れ。  きっと知らないうちに、なくなってしまう、それ。  そして、音。  雨の音に紛れて、聴こえなくなってしまう小さな何か、...
  • ずっと傍らに…激闘編 第十九章~ジュンside~
    テ『トゥートゥートゥートゥートゥートゥットゥトゥー♪』 ゴールデンウィークもそろそろ終盤。 僕はいつものごとく翠星石の家に上がりこんで、 リビングでゴロゴロしていた。 翠星石たちの家は、今年のゴールデンウィークはそれぞれに忙しくて、 全員で揃って遊びに行くことはなかったらしい。 何か、僕が引き篭もりになったのも間接的に関わってるんじゃないのかと考えると、 ちょっと気持ちが沈む…。 翠星石と蒼星石は『関係ない!』って言ってくれたけれど…。 まぁ、今の僕に出来ることは、こいつらと一緒にいることだけだ。 …昼上がりの日差しが差し込んできて気持ちがいい。 今日の天気は快晴。風が少ない分、少し外は暑そうだ。 適当にテレビを見ている僕の背中の上で、 ばらしーが腹ばいで乗っかって、同じようにテレビを見ている。 ばらしーと雛苺はリビングのテーブルでお絵かき。 翠星石は庭で花の水遣り。 真紅は2...
  • 第8話 『こんふぇっしょん!』
     「ようこそお越しくださいました。ささ、こちらです」 ばっちりセ●ムしてます的な電動扉の向こうに入り込んだアリスこと雪華綺晶を迎えたのは、 上品そうな初老の女性だった。  「本日はお嬢様の為にわざわざご足労を頂き、誠にありがとうございます。お礼を申し上げます」 雪「は、はい…」 先を歩く老婆と共に、敷地の向こうに見える邸宅を目指す雪華綺晶。 なんだか、方便を使ってこの優しそうなお婆さんを騙したのが心苦しくなってしまった彼女である。  「私めは当家の家事手伝いをさせて頂いております、コリンヌ・フォッセーと申します」 雪「あ、私は雪華綺晶ですわ」 コ「雪華綺晶さま。差し支えなければお聞きしたいのですが、お嬢様とはどうしたきっかけでお友達になられたのでしょうか」 雪「お昼をご一緒したんですの」 コ「そうでございましたか…」 そうこう話している...
  • 【恋愛百景】Waltz 第一話
     きっかけは、些細な事だった。クラスの中で若干浮いている僕に、彼女は話しかけて来た。只それだけ。  もしかしたら、その時には既に恋が始まっていたのかもしれない。今思うと、そうとしか思えないのだから。 【恋愛百景】Waltz  いつもの学校……僕は適当に授業を受ける。勿論、学生の本分が学業にあるのは承知の上だ。だが、周りの世界が妙に色あせて見えるんだ。小さいころ、僕の思い描いていた未来は色鮮やかであったのに、気がついたらその色は、いやに煤けた灰色になっていたんだ。  でも、そんな毎日がまた色を取り戻すことになったんだ。僕の世界が変わったのは、まさにその時だった。 「貴方って変わってるわよねぇ。」  不意に聞こえる声。僕は声の主の方向を見据えて、こう言い返した。 「ろくすっぽ話した事無い人に対する第一声がそれ?」 「そうでしょう? いつもぽけっとしてるし」 「……。」  そう言...
  • エピローグ
      …………  目覚めるとそこは、真っ白い空間だった。だけどここは"九秒前の白"では無くて――― 僕が入院していた、病院の一室。 「……ジュン君~!」  目覚めて身体を起こすなり、いきなり抱きつかれる。……またかよ! 「ね、姉ちゃん……暫く身体動かしてないんだから……! ちょっ、痛い痛い!」  僕の抗議も空しく、姉は泣きながら抱きつくのをやめてくれない。―――僕が一応植物状 態みたいな状況に陥ってから、どれ位の時が経っていたのかはすぐにはわからなかったが。  やっぱり心配かけちゃったよな…… 「……ごめん、姉ちゃん。あと……ただいま」 「ひっく、……? ジュン君、ぐすっ、何処か、お出かけしてたのぉ?」 「うーん……ちょっと、夢の中で」 「……ふふっ、おかしなジュン君……」  うん、まあおかしいよなあ。……それにしても。僕が幽霊になる前は、あれほど激しく...
  • 第五話  『もう少し あと少し…』
    横に並んで歩き、塀の陰に消える二人の背中が、目の奥に焼き付いている。 校舎と校門は、かなり離れていた筈なのに――彼女たちの笑顔は、ハッキリ見えた。 瞬きをする度に、その光景が頭の中でフラッシュバックする。   どうして、あの二人が? 蒼星石の頭を占めているのは、その疑問だけ。 双子の姉妹という間柄、姉の友好関係は熟知しているつもりだった。 けれど、翠星石と柏葉巴が友人という憶えはない。 彼女たちは、蒼星石の知らないところで交流があったのだろうか? 翠星石ならば、有り得そうだった。可愛らしい姉は、男女を問わず人気者なのだから。 しかし、それなら今日、巴との会話の中で、翠星石の話題が出ても良さそうなものだ。 (それが無かったところから察して、つい最近の付き合いなのかな。  昨日、姉さんが体育館にいたのも、柏葉さんと今日の約束をしてたのかも――) なんだか除け者にされたみたいで、蒼星...
  • 11月のおわり
    『保守かしら』 2007年11月16日  放課後の実験のためにカナは校庭にいたのね。 実験は成功で、校庭から部室までラジオは受信できたし、リモコンもばっちり。  ただカナは途中で校庭の植え込みの方に入ってたの。  なんとなく木の多い所でもちゃんと送信・受信できるかしらって、気になっただけだったんだけれど…。  そろそろ部室に戻ろうと思って、ラジオを切って植え込みから出ようとしたんだけど、その時  「じゃあ翠星石の何がいけないんですぅ!?」  って叫び声が聞こえたの。実験に夢中で気がつかなかったけれど、校庭には翠星石とジュンがいたわ。 ちょうど、紫陽花の植え込みの前あたり。  「なにも悪くなんかないよ、翠星石はきっと僕にはもったいないくらいの人だと思う」  翠星石は今にもジュンに飛びかかりそうにも見えたし、泣き出してしまいそうにも見え...
  • 【明け空のノート】
        ひとつの始まりがあれば、必ず終わりがある。  けれど。  ひとつの終わりの後に、新しい始まりがあるとは限らない。  とても空気がつめたいな、と思う。つめたい空気はとてもきれいで、私はとてもすきだ。そりゃあ、長い間外に出ていれば耳が痛くなってしまうときもあるけれど、両の手に吐き出す息は、いつだってあたたかい。  森に雨が降ったあと、急にこんな、冬のようにつめたくなる日がある。  今の季節はよくわからなくて、きっと森の外に出れば……何かしらの花が咲いているのならば、今の時期がどのようなものか、知ることができるかもしれなかった。  けれど、ここは森の中。ずっと続く晴れの日もなく、いつまでも降り続く雨もない。昨日あがった雨、そして現れたお日さまは、新しい始まりを示すものなのだろうか?  さあ。冷えた空気を吸い込みすぎて、胸の中までつめたくなってしまわないように――もう家に入...
  • 業務連絡ログ
    テンプレ差し替え、雑談室過去ログ26ロックしました -- (Wiki管理人) 2006-06-25 21 51 44 お疲れさんです。業務連絡のページ雑談室方式に変えたんですね -- (名無しさん) 2006-06-25 21 55 16 はい、こっちのほうが楽だと思いましてこれから連絡などはここにお願いします -- (Wiki管理人) 2006-06-25 21 56 52 確かに最初に作ったワープロ形式よりは楽ですからね。これからも宜しくお願いします。 -- (名無しさん) 2006-06-25 21 58 02 管理人さん、トップページに「荒らしは徹底スルーでお願いします」って書いてください。これなら沢山の人の目に映ると思うんで。 -- (名無しさん) 2006-06-26 20 35 49 記載しました -- (Wiki管理人) 2006...
  • 第四十話 JUMと巡り合い・ラプラス
    「一つ屋根の下 第四十話 JUMと巡り合い・ラプラス」     「んじゃあ、うちのクラスの出し物は喫茶店で決まりだな。」 教壇に立っているべジータが言う。現在、HRの時間だ。クラス委員のべジータが学校祭の催し物の決議を 取っていた。どうやら、うちは喫茶店になりそうだ。 「ちょっといいかな、べジータ。」 さて、決まったと思ったところで梅岡がしゃしゃり出てくる。相変わらず空気が読めない担任だ。 「折角だから、喫茶店でも趣向を凝らしてみてはどうかな!?普通のお店じゃあお客さんの関心は 引けないよ?もっとこう奇抜にサ。我が校は比較的自由だから無茶な案じゃない限り通りやすいしね。」 ウインクする。言う事はもっともなんだけど、何でわざわざウインクするんだろう…… 僕の隣でスッと手を上げる。薔薇姉ちゃんだ。 「お、薔薇嬢。」 「……メイド喫茶……とか……」 ボソリと言う。まぁ…薔薇姉ちゃんは慣れてるだろ...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第三話
    第三話 「だから、その、帰らないで……」 彼女が羨ましいと、私は思う。 今の私には、あれほどまでの勇気はないのだから。 涙を流して、顔をジュンに向けることが出来ないでいても、彼女は必死に伝えている。 私にもそれが痛いほど分かるし、それだけに、彼女に少し嫉妬した。 恋愛のソレとも取れる告白が、私にとっては、ずっとずっと遠くにあるもの。 顔がくしゃくしゃになってしまうほど、自分の素直さを表に出せる彼女は、私にとっては羨望そのもの。 彼女が羨ましいと、私は思う。 すこしだけ後ずさりして立ち止まることが許される世界から、旅立とうと「努力」する雪華綺晶。 自分の力で1秒を巻いた彼女は、当然のように祝福されるべきだ。 私は未だ、その9秒前にいる。 自分の殻の中という、無限の領域にある白い世界から、私は踏み出せずにいる。 雪華綺晶自身の、雪華綺晶のためにある出口を見つけた彼女が、羨ましい。 私の...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§2
    ―――――――――――――――――― 「ええ。彼は元気、元気な筈……なのだわ」 そう。きっとそうよねぇ。素っ気なく応えて、私はグラスの中身を煽る。 「白崎さん。同じの、もう一杯ちょうだぁい」 「畏まりました。……が、良いんですか? 真紅さんは」 見れば、本格的に寝てしまっているであろう彼女の姿。顔をこちらに向けて、 すぅすぅと穏やかな寝息を立てている。紅く染まっている頬が、見ていて微笑 ましい。  普段の彼女はと言うと、所謂『隙の無い』性格をしている。こういう風に無 防備に眠ってしまっているところを男が見たら、ころりとやられてしまいそう な感じもする。  まあ。そういうことが起こっても困るか、彼女の場合は。 「大丈夫よぉ。帰るときになったら起こすわぁ」 そう言って私は、グラスに改めて注がれた中身を見つめる。  今日彼女をバーに誘ったのは、ジュンについて久しぶりに色々と話し...
  • 偽善者
    誰かのために自分が何かをしてあげる 多くの人がそれを素敵なことだとか、偉いね等と褒めてくれる けど、今日は学校でこんなことを聞いてしまった 友達①「のり~今日さあ学校の帰り一緒に寄り道しない?すっごいおいしいパフェの   食べられるお店見つけたんだよ」 のり「ふえ?え~と、ごめん今日は…」 友達②「駄目よ、のりは弟君のお世話があるじゃない」 のり「う、うん そうなの、だからごめんね」 友達①「ううん気にしないで、それじゃあまた今度ね バイバイ」 のり「うん、バイバイまた明日」 いつものように家に帰れば良かったのにな なんで今日に限って忘れ物なんかしちゃうんだろう… 私のバカ のり「ふう、まいっちゃうな 教室に鞄忘れちゃうなんて あれ? まだ中に誰かいるのかな?」 友達①「のりってさ~良い娘だけどいつも人付き合い悪いよね、家に両親...
  • 秋口のこと
    一 夢みたこと 朝日が差し込んでいる。その眩しさで真紅は目を覚ました。随分と眠っていたような気がするけれど、よく思い出せなかった。 頭が酷くぼうっとしている。そもそもなぜ自分は座りながら眠っていたのか。 真紅の席と向かい側には大きな空の食器。何かが乗っていた様子も無い。 真紅は見た事も無い場所だった。 「なんなのここは…?」 狐につままれたような気持ちで真紅は席から降りた。椅子は足がつかないほど大きく、飛び降りるような形になる。服の揺れる衣擦れの音が大きい。 真紅は自分の服を確かめた。 人形展の時にも着ていった紅いドレスだ。いつの間に着替えたのか。 自分の指が関節ごとに丸く膨らんでいた。まるで球体関節人形のように。いや、球体関節人形そのものだ。 真紅は人形になっていた。 椅子も食器も大きいのではなくて、自分が縮んでいたのだ。 慌てて真紅は鏡を探した。ちょうど部屋の隅に薔薇の彫刻に縁取られた...
  • 『薔薇HiME』第3話
    ジュンはいつもより爽やかに目覚めた。今日から新学期。 ジュンの学園生活が始まる日だったからだ。 巴とともに余裕を持って登校したジュンは、初日はまず職員室に来るよう言われていたことを思い出し、「用事を思い出した」と校門前で巴と分かれた。 有璃珠学園は異様に敷地が広い。学園の東西と北を山に囲まれた砦のような位置にあり、それらの山も学園の所有地となっているからだ。 そのような場所だから当然高低差もあり、また、各棟を結ぶ道路から少しでも反れるとろくに舗装もされていない獣道となる。 「自然に囲まれた学園」というコンセプトが暴走していると思うのはジュンが新参者だからであろうか。 「ぜぇ…ぜぇ…」 ジュンが向かおうとしている職員棟は東山の頂上にあるのだが、ずいぶん険しい。 この坂を毎日行ったり来たりしている学園の教師たちの苦労を思う。 「きゅ、休憩…」 中腹付近で限界を感...
  • 【お酒と河川敷と、お嬢様】
    「ジュン様は奥手すぎるのですっ! 大体ですね……」   さて、隣でやたら僕に絡んでくるこのお方の対処に、僕はほとほと困り 果てて居るのだった。どうしようかなあ……普段おしとやかでも、ひとっ てやっぱり変わるんだなあ……  かと言ってこのまま放置していく訳にもいかないし。一度腹を決めたのだ、 とことんまで付き合おうではないか。   僕の隣で、最早顔も真っ赤にしながら話し続けているのは雪華綺晶。この 辺りじゃ有名なお屋敷に住んでいるお嬢様である。夕暮れ時の光が、彼女の 顔をより一層赤く照らしているように見えた。 「あ、また無くなりましたわね……ジュン様、そちらの袋をおとり下さいますか」 「はいよ」   がちゃん、と音が重く響くほど中身の詰まった袋を、彼女に渡す。 「ゴミを持ち帰るのは、ひととしてのマナーですわ」   ...
  • 第三十二話 片翼の天使
    「超機動戦記ローゼンガンダム 第三十二話 片翼の天使」     戦場は激戦を極めていた。空の至る所で光が輝き、そして赤い炎が灯る。 「ピチカート起動!ホーリエ、エネルギーチャージ!!目標、前方敵艦!!」 サクラダに襲い掛かるミサイルは自動迎撃システムのレーザーによって撃ち落される。 「主砲、エネルギーチャージ完了です!射線上に味方機はありません!」 巴の声が艦内に響く。JUMも声を張り上げる。 「よぉし!ホーリエ、薙ぎ払ええええええええ!!!」 サクラダ中央に搭載されている主砲が赤い砲撃を繰り出す。 不幸にも射線軸にいたアリスの機体はその砲撃に飲み込まれ、同様に標的だったディアーズも 光の中に消えていった。 「いい調子だな、JUM!」 金色の機体、スーパーサイヤジンに乗ったべジータが声をかける。 「お前こそ、調子に乗って死ぬんじゃないぞ?」 ベジータは自分に向かって撃たれたビームに手をか...
  • 第一話  『揺れる想い』
    公園の木の下で……ふたり、肩寄せ合って座り込み、夕立を眺めていた。 夏にありがちな、タライをひっくり返した様な集中豪雨。 見上げる暗い空に、雨の降り止む気配はない。 日中の強い日差しに熱せられた地面で砕けた雨の滴でさえ、 靄となって空へ帰ろうとしているのに、二人には帰る術がなかった。 水たまりに落ちる水滴が広げる波紋を、ぼんやりと数えるだけ。 「どうしよう…………これじゃ、おうちに帰れないよぉ」 「心配しなくても、きっと、もうすぐ雨は止む――」 突然、雲間を閃光がのたうち、やや遅れて、轟音が空気を震わせた。 「きゃっ!」 びくりと肩を震わせて、髪を短く切りそろえた女の子が、隣の子の腕にしがみつく。 少女の小さな手に、同じくらい小さな手が、優しく添えられた。 大丈夫。どんな事があっても、守ってあげる。 降りしきる雨の音にかき消されないように、その子は少女の耳元で、そう囁いた。 「い...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§5
    §5 ――――――――――――――――――――――  彼女の家に行く機会は、割と多い。講義で出された課題なんかの存在に気付 かないことがままある私が、助けを求めにいくのだ。  そういった勉学の場にお酒を持っていくと彼女は怒るので、終始しらふで勉 強し、話をしたりしている。女は三人そろえばかしましいが、二人であればぎ りぎり大丈夫のようで。  彼女の家で勉強をすると、非常に効率があがる。逆に私の家には、お酒のス トックが多くあるせいか、勉学の場としてはあまり向いていない。  高校時代は、実家の方によく遊びに行っていたけど。普段のキャラは冷静沈 着で通っている彼女(たまに爆発するが)の部屋が、結構ファンシーなもので飾 り立てられていたのが最初は以外だった。  だが、長く付き合っていると。彼女はなかなかどうして、かわいい性格をし ていることがわかる。本人に言うと怒られそうなので、あえて言う...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第十一話
    第十一話 「いや、見事なまでの心身掌握だよなァ。ここまで来るといっそ清々しいもんだけど、どうしたもんか」 原因はもちろん水銀燈であり、結果はなぜか銭湯である。 別に壊れてもいなかったしなんの問題もない我が家の清浄空間が、見事に水銀燈に嫌われてしまった。 理由を聞いても答えてもらえないうえに、今日は銭湯にしましょうという水銀燈に逆らえず現在風呂ン中。 なんだかよくわからないけど、水銀燈に逆らってはいけない空気が流れだすのである。 ヤツめ、男心を知り尽くしているとでもいうのか。 ちなみに水銀燈お手製晩ご飯のメニューは和風であった。 湯葉のあんかけなんかは思わず旨いと言ってしまい、さらに水銀燈の主婦っぷりに拍車をかけてしまった次第。 や、実際にあれだけいろいろと発揮されてしまうと、もうどうにも逆らえない。 午後のアレは洗脳っぽいけど。 薔薇寮で寝てる内にインプラントでも仕込まれたのかと...
  • 『山桜の下で・・・』
    その山桜は一本だけ、周囲の緑に溶け込みながら、ひっそりと咲き誇っていた。 満開の白い花と赤褐色の新芽に染まる枝を、私はただ、茫然と見上げているだけ。 時折、思い出したように花弁が降ってくる。青空との色合いが、とっても良い。 いつもなら、衝動的にスケッチブックを開いて、ペンを走らせているところだ。 でも、今は何も持っていない。持っていたとしても、描く気が湧かなかった。 そのときの私は、小学校低学年くらいの小さな女の子で―― どうしてなのか思い出せないけれど、泣いていた。 『…………』 ふと、誰かが私の名前を呼んだ。男の子と、女の子の声。 二人の声が重なって、なんだか奇妙な余韻を、私の胸に刻みつけた。 だぁれ? 止まっていた私のココロが、静かに動きだす。 身体を揺さぶられる感覚。そして―― 気付けば、レールの継ぎ目を踏む車輪の音が、規則正しく私の耳を叩いていた。 うたた寝してたら...
  • 第五話 バトルインヨコハマ
    超機動戦記ローゼンガンダム 第五話 バトルインヨコハマ 「まもなく作戦開始時刻です。各機、準備をしてください。」 巴の声が響く。続いてJUMの声がする。 「いいな、みんな・・・作戦は伝えてあるとおりだ。この戦いは金糸雀が鍵を握っている・・・」 「うふふ、カナに任せるかしらー!」 ヨコハマ攻略に対するメイデンの作戦。それはカナリアを中心とした作戦であった。 内容はこうだ。ヨコハマ基地にはあまり重要視されてないと言えどもかなりの兵力が用意されているのが 予想される。しかし・・・だ。その兵力の大半が人工知能機なのだ。 そして、こういう基地の場合得てして基地のどこかに命令電波を送る場所がある。 その電波をカナリアの電波キャッチ機能を使い発見。そこにサクラダの主砲を撃ち込み一気に人口知能機を 無力化しようと、こういうことだ。 「ま、無難な作戦よねぇ。正面突破じゃあこっちも簡単にはいかないでしょうし...
  • 【空と森のノート】
       「はあ……暇ですねぇ」  誰に語りかけるでもなく、呟いてみる。  気だるい午後――には、まだ早い。今はまだ、お昼前。庭にお水はもうやってしまったし、朝のお仕事は終わってしまった。  気晴らしにスコーンでも焼こうかしら、とも思うのだけれど、妹が出かけているし、それもなんだかやりがいが無い。  妹は森へ木の実を採りにいった。もう暫くすれば、帰ってくるような気もする。  そうすれば、今日の午後は、木の実を使ったタルトでも作ることが出来る――ああ、待ち遠しい。レシピはもう覚えてしまっているから――その内新しいものを思いついたら、またノートに書いておこう。  ちょっと、外へ出てみた。  樹々の隙間から、木漏れ日が私の顔を照らす。今日も、天気が良い。ぽかぽかと暖かいし、やわらかいベッドに潜り込んだら、もういくらでも眠ってしまえそう。  でも、それは駄目。ぐうたら過ごすのは楽には楽...
  • 二日目
    いつも通り5時に起きた僕は、やっぱり少し姉さんの事が心配だった。 でも… 制服に袖を通して、僕は部屋の戸を開ける。 姉さんが、泣き疲れて眠っていた。 朝ごはんに魚を焼いて、ラップをかけておく。 庭の野菜を使って、お弁当も作った。 丹精こめて育てた野菜を刈り取ると、姉さんはいつも悲しそうな目をして。 でも、僕の作ったお弁当は、いつも嬉しそうに食べてくれたんだ。 姉さんは、一度眠ってしまうとそう簡単には起きない。 そんなことを知っているから、最後の優しさとして、僕は姉さんを部屋まで運んだ。 そっと抱き上げたとき、姉さんの口から零れた言葉。 「蒼星石…行くなですぅ…」 寝言だ。わかりきっている。今頃翠星石は夢の中にいるんだから。 自分自身が、昨日あんなことを言ってきた妹に抱えあげられているだなんて思ってないんだろうね。 でも、涙のあとが、その頬にはっきり見えたんだ。 ベッドに横たえら...
  • 巴メイデン512~520
    512 斉藤さん「じゃーん!今日はスカートはいてみました!」 巴「スカートでこの私に勝てると思……!?」 ジ「おお!?」 斉藤さん「ふっふっふ…どうですか隊長!」 巴「これはまさか禁断の…」 ジ「黒タイツ……っ!」 巴「似合ってる……そしてきっと私にはあまり似合わない…!」 斉藤さん「けっこうあったかいんだよねこれ」 ジ「へーえ」 巴「…桜田くん、騙されたらダメ」 ジ「柏葉?」 巴「あんなの、ただの布だよ。足に自信がないから誤魔化してるだけよ」 ジ「……そうかぁ?」 斉藤さん「さっすが!(ビッ 柏葉さん、ジュンくんは黒タイツの魅力がわかってるみたいだよ?」 巴「そ、それでも、桜田くんは私の足のほうが好きだもの…」 斉藤さん「そんなことないよね?」 巴「そうだよね?」 ジ「うーん…僕は……」 巴「桜田くん…」 斉藤さん「ジュンくん!」 ジ「僕...
  • 第二十話 金糸雀の決断
    「超機動戦記ローゼンガンダム 第二十話 金糸雀の決断」   「よし、今日はここまでにしよう。後はみんな自由行動でいいよ。」 「やったかしらー。みっちゃんの家行って来るかしらー!」 ミーティングが終わった途端に金糸雀が部屋を飛び出していく。ここ数日の見慣れた光景だ。 「や~れやれですぅ。金糸雀は無駄に元気すぎるですよ。」 「はははっ、いいじゃない。ようやく探してた人に会えたんだからさ。」 何故かプリプリしている翠星石を蒼星石がなだめる。 「う~、でも最近カナが遊んでくれないからちょっとつまんないの~。」 「ふふ、じゃあ雛苺。私と遊びましょうか。」 ブータレる雛苺をなだめるのは巴の仕事だ。 「でも、どうするのかしらねぇ。金糸雀ったら。」 そんな光景を見ながらヤクルトを飲みながら水銀燈がいう。 「どうするって・・・何をだ?」 「もしかしたらメイデンを抜けて金糸雀がみっちゃんさんと暮らす・・・と言...
  • 【さくらのノート】
        きれい。  私はいつだって、この景色を見るのがすきだ。  いつだって、とは言っても。  結局のところ、短い時間しか出逢えないことを、もう知っている。  一年中、今、ならばいいのに。  そんな子供みたいな台詞を、今の私はもう言わない。  口にしない代わりに……手を動かそう。  景色を、いつまでも留めておくために。  この鉛筆一本あれば、何だって描けるのだから。  少し、風が強い――あんまりつよく、吹いては駄目なの。  折角の花びらが、散ってしまうから――  けれど、この風はやむこともなく。  ずっと花びらを、散らし続ける。  しろい光を、私の眼に映して。  溜息を少しついて、私はその様を見守りながら、鉛筆を握り締めた。  この瞬間さえ、描いてみせると。そう、思いながら。  まだ描かれていない真っ白なページと。  私の白いスカートの裾が、風に舞って翻った。 ――――...
  • 過去ログ24
    なあ、のりに演劇のチケット渡しに桜田家に来たけど、翠星石に水をぶっ掛けられた不遇なあの子の名前、何だっけ? -- 名無しさん (2006-06-12 00 01 22) 山本君だったような -- 名無しさん (2006-06-12 00 04 27) 下の名前ないのかwww -- 名無しさん (2006-06-12 01 22 18) 鯖復活したーーーーーーーー!!!!!111!!!! -- 名無しさん (2006-06-12 01 22 48) そろそろここも別ページにまとめないのか?by携帯房 -- 名無しさん (2006-06-12 01 25 21) まじかwwwwwwwwトリック特集タノシスwwwwwww -- 名無しさん (2006-06-12 03 37 31) 6月11日分までのは過去ログとして別のページへ移動させました。-- 名無しさん ...
  • =さらば!我が愛しき日々よ=第十九話
    ジ「はぁ、はぁ、つっ・・・クソ・・・。」  ジュンは走り疲れていた。 ジ「こりゃ早くしないとな・・・。」  ジュンは止まり、自分の足をズボンをめくって見た。  水しぶきで濡れ、解けた包帯からは、階段から落ちた時の青あざがある。 ジ「雨が降っているから、どこかに雨宿りをしているはず・・・。」  ジュンはまた走り出し、心当たりのある所を探す。 ジ(会ったらどう言おう・・・。)  ジュンの頭の中はそれで一杯だった。  なにせ、自分を看病してくれた女の子を泣かせたのだから。 ジ(やっぱり素直にごめん・・・かな。)  そんなことを考えているうちに、もう体力の限界が来た。 ジ「はっ、はっ、ふー、ふー。」  ジュンはひざに手をつき、呼吸を整える。 何せほとんど運動していないのだから、すぐにばてるのは当たり前である。 ジ「ふー・・・ホント、何処にいるんだろう・・・。」  水...
  • 【愛か】【夢か】
    「おかえりなさい」 夜更けの非常識な来客を、凪いだ海のように穏やかな声が出迎えてくれた。 僕の前に佇む君に、あどけない少女の面影は、もうない。 けれど、満面に浮かぶのは、あの頃と何ひとつ変わらぬ夏日のように眩しい笑顔で。 「疲れたでしょう? さあ、入って身体を休めるかしら」 そんなにも屈託なく笑えるのは、なぜ? 君が見せる優しさは、少なからず、僕を困惑させた。 ――どうして? 僕のわななく唇は、そんな短語さえも、きちんと紡がない。 でも、君は分かってくれた。 そして、躊躇う僕の手を握って、呆気ないほど簡単に答えをくれた。 「あなたを想い続けることが、カナにとっての夢だから」 なんで詰らないんだ? 罵倒してくれないんだ? 僕は君に、それだけのことをした。殴られようが刺されようが、文句も言えない仕打ちを。 ここに生き恥を曝...
  • 第百二十四話 JUMと蒼姉ちゃん
    「一つ屋根の下 第百二十四話 JUMと蒼姉ちゃん」 翠姉ちゃんが僕の部屋から消えて一時間ほどたったのだろうか。僕は、未だに部屋に一人だった。 「蒼姉ちゃん……来ないのかな……」 次は順番通りでいけば、蒼姉ちゃんのはずである。でも、彼女はまだ姿を見せていなかった。でも、そんな時 だった。僕の携帯にメールが受信される。その送り主は蒼姉ちゃんだったんだ。 『JUM君、今から駅前来れないかなぁ?僕も向かうからさ。もし、家から出たくないんだったら僕が 家に行くけど……どうかな?』 そんな内容のメールだ。駅前?何故に?理由はさっぱり分からない。でもまぁ、このまま家でグチグチと 引き篭もっておくよりは、太陽の下にでも出たほうが多少はマシかもしれない。僕は、メールでOKの 返事を送ると、身支度をして家を出た。 そして駅前。まだ蒼姉ちゃんの姿は見えない。とりあえず、噴水の近くに座っておく。 そして、数分...
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