武装神姫SSまとめ@wiki内検索 / 「俺とティアナの場合」で検索した結果
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俺とティアナの場合
...イロあるけど、これは俺とティアナの場合。 ただそれだけだ。 著/リンのマスター キャラ・設定ページ ~プロローグ~ 第1日目 第2日目 予告編 第2日目 NEW 第3日目 - 今日 - 合計 -
~プロローグ~
「俺とティアナの場合」 プロローグ 「やっぱ、買うしかないよな!」 俺、木ノ宮 翔(このみや かける)はある小売店の店頭のショーウィンドウの中のあるものの購入を決めた。 それは…武装神姫だった。 しかもつい先日発売されたばかりの、最新の第4期モデルの「ジルダリア」。 ちょっと前から神姫は欲しかったけど、どうせなら最新モデルを買ってやろうと決めていた。 そうして発売日に量販店に朝一で突撃するもライバルは多くて買えなかった。 であきらめてと、とぼとぼ家への道を歩いていると寂れた玩具屋(電気屋か?)のショーウィンドウにジルダリアのパッケージが置かれ、ポップには「予約キャンセル品につき5%OFF!」と書かれてた。 それを見て数秒で俺は購入を決めた。 即入店と共に店のおじさんに代金(バイトでせっせと貯めたものだった)を全て現金で払って手に入れた。 おじ... -
第3日目
俺とティアナの場合 第3日目 「初体験」 先ほどの試合が行われていたブースを後にし、俺は会場内を回る。 ティアナはおもしろいモノを見つけては俺に報告?してくれるので時間をつぶすのには最適だった。 さっきのアイドルっぽい犬型の他にも、騎士型なのに日本刀を扱っていた(練度は口に出せないレベルだけど…)り、ティアナと同じく発売されてそれほど日にちが経っていない花型とは思えない練度(あくまでビギナークラスではというレベルで)でガンやらナイフを扱う神姫がいたりとこの学園はおもしろいマスターや神姫が少ないわけでは無いらしかった。 なんだかんだ言って神姫に関して実績と歴史(っていうほどじゃないかもしれないけど)がある学校なんだなと実感する。 「翔、見て見て! あの兎型のすごい! ナイフ1本になったのにあきらめないで隙をねらって、相手の銃が弾切れになったって分かったらす... -
第1日目
「俺とティアナの場合」 第1日目 ティアナがウチに来て2ヶ月と数週間。 4月の某日。今日は学校が始まる日だ。 しかし時計が指す時間は朝5時。早朝にもバイトをしている俺の朝は早く、たとえ始業式だろうと関係ない。 以前はもっと早く起きなきゃならなかったんだけど、今は5時半の出勤(?)で十分間に合う仕事になった。 まずはカーテンを開けてから部屋のTVをつけ、いつものチャンネルのアナウンサーの声を聞く。 なんでも今日は冷え込むらしい。ということで俺は昨日より厚めのジャンパーを羽織る。 そうしてやっとティアナを起こしにかかる。 「おい、ティアナ。朝だぞ!」 「…ぅ……ん………」 ティアナは気さくな性格であってもちゃんと礼儀はわきまえているし、ドジをふむということもない。 しかし唯一寝起きだけがとても悪い。 昨日は窓を開けて外の冷気で起こせたのだが、果たして今日も... -
第2日目 予告編
俺とティアナの場合 第2日目 予告 「フフフ………遂に私達の出番ね!!」 「ちょっとニーナ、力入りすぎだよ。」 「だって、だってすんごく待たされたんだから。コレぐらい当然よ。 というか作者。最初からキャラ紹介ページに項目ぐらい作っておきなさい。 いくら頭の中で考えてても公表しない限り私たちは他の人たちには認識されないんだから!!」 「うーん、それはそうなんだけどびっくりさせるって意味ではそっちの方がいいと思うんだけど…あっ! 挨拶が遅れました。私は 小野 香住といいます。神姫科で木ノ宮君と同じクラスです。 それでこっちが…」 「未来の人気ナンバーワン神姫アイドル。 犬型のニーナで~す。(とウィンクを決める)」 「未来のって、まだローカル番組の出演依頼さえ来てないのに…」 「フン、皆私の魅力に気付いてないだけよ。」 「…そう(すこし疲れたような表情)。と... -
wiki相関図 最新投稿対応状況
...編 そのに 俺とティアナの場合 プロローグ 第2日目 ツガル戦術論-副題 シルヴィア奮闘記 鏡の試練 7 妄想神姫 本編 第二十三章 外伝 その十六 2036の風 第七間幕 短章2「野生の力」 幻の物語 幻・其の三 弾丸神姫 4 きしぶし! 第4話 流れ星シィル-銀河流星伝説- 2話 神姫ちゃんは何歳ですか? 第二十一話 過去編 1日だけの恋人 番外編 デモンストレーション 神姫ガーダーシリーズ エピソード1 二アー・トゥ・ユー Phase01-7 ユメノカガヤキ 剣は紅い花の誇り 第拾陸幕 幕間三 鳳凰杯編V sister G princess ... -
50音順キャラクター図鑑
...達 小野 香住 俺とティアナの場合 小幡紗枝 2036の風 親方?(小松陸) Gene Less “俺” Battle Anima 『俺』 きしぶし! 『俺』 深み填りと這上姫 オレにゃん 岡島士郎と愉快な神姫達 オレにゃん Mighty Magic か行 会長 Gene Less カウベル おまかせ♪ホーリーベル 風見 美砂 ねここの飼い方 柏木 浩之 いつか光り輝く 柏木・父 いつか光り輝く 華墨 剣は紅い花の誇り 風間 健人 流れ流れて神姫無頼 香田瀬 健四郎 神姫ちゃんは何歳ですか? カナエ 神姫長屋の住人達。 金矢 利道 マリナニタSOS!(仮) 花乃 神姫ちゃんは何歳ですか? かまきりん 妄想神姫 上岡梓 幻の物語 上岡修也 幻の物語弾丸神姫 神谷香織 神姫狩人 KARASU(レイヴン) Raven and Cat~... -
メニュー
... Sword s 俺とティアナの場合 ツガル戦術論 2036の風 きしぶし! 流れ星シィル-銀河流星伝説- 神姫ガーダーシリーズ sister G princess Les lunes Second Place -Howling- Elysion Report vanish archetype 鳳凰杯・まとめページ 単発作品用トップページ 武装神姫SS総合掲示板 2036年 武装神姫の世界 (公式設定) 50音順キャラクター図鑑 標準武装一覧 標準装備一覧 企業一覧 アマチュア・個人製作パーツ一覧 wiki相関図 キャラ相関図(2chまとめ版) 小道具関連設定 〈2つ名〉辞典 -
第2日目
「俺とティアナの場合」 第2日目「アイドル登場?」 「さあ~今年もやって来ました。交流戦。」 白いスーツに赤いネクタイ。そしてマイクを手にした司会らしき人物がステージに上がる。 「毎年恒例で行われているにもかかわらず情報公開をしないため知名度は低い、しか~し神姫科へ進級した生徒とパートナーの神姫同士の交流を兼ねて行われているバトルトーナメント。公式リーグ参加者とビギナーを分けているので安心の2トーナメント制。どちらのトーナメントも優勝者には副賞として食堂の無料ランチ券1か月分が贈られます。今年は誰が優勝の栄冠を掴むのか!! それでは早速1回戦開始です!!」 けっこう急ぎ足で喋る司会(見たところ1つ上の、大学1年だろうか?)の宣言でいっせいに第1試合のゴングが鳴る。 そして会場(とは言っても体育館なんだが)のメインスクリーンに次々と試合が入れ替わり立ち代り... -
作品ページ
... リンのマスター:俺とティアナの場合 ツガル戦術論の人:ツガル戦術論 妄想の人:妄想神姫 2036の風 幻の作者:幻の物語 :きしぶし! :流れ星シィル-銀河流星伝説- 優柔不断な人(仮):神姫ちゃんは何歳ですか? 聖:神姫ガーダーシリーズ えりもだんでぃ:二アー・トゥ・ユー ぬえ:剣は紅い花の誇り ぽちたまの:sister G princess 穂刈:EXECUTION 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ うさぎなひと Gene Less ryusei Les lunes 鐵大和:Second Place -Howling- 長屋のご隠居:神姫長屋の住人達。 修理屋:三毛猫観察日記 留美・みつる:Elysion 喜久子:双子神姫 Eli:Report vanish archetype ミヤコン:クラブハンド・フォートブラッグ ... -
せつなの武装神姫~雪那とティキと――僕とティキのつづき――~
雪那とティキと ――僕とティキのつづき―― 回の00 「不変ではいられない僕ら」 《ねここの飼い方OVA・光と影》~二章~と勝手にリンク 回の01 「二人目で初めて(?)の神姫」 回の02 「朔とそして……」 回の03 「朔が咲いたその日」 回の04 「たまにはこんな夜」 戻る -
燐の番外編2 「勇者特急!?」
武装神姫のリン 番外編 「勇者特急!?」 今日は休日。 ということで皆で出かけようと思っていたのだが……あいにくの雨。 結果家でごろごろすることになった。 でリンと茉莉は昼食を作っている。 俺とティアはヒマなのでネットを(エルゴ特製の通信ユニットで訓練機の機能を使ってカメラアイに直接ページが表示されるように改造されている)していた。 するとティアが俺のPCにあるページを表示した。 「さあ、これで君もGとjになろう!! ガオガイガー&キングジェイダーセット!」 ……目が点になった。 「なあ、ティア、これ欲しいのか?」 「もちろんです。最近ネットを騒がせているGと突然現れた彼女の仲間。Jになりきれるセットですのよ。これをお姉さまといっしょに着るのです。」 まあたしかに、リンとティアはちょうど黒と白だけどな……値段は……6万!!! 「却下!!」 「そ... -
キズナのキセキ・番外編:黒兎と盗賊姫 前編
キズナのキセキ 番外編「黒兎と盗賊姫」 前編 ◆ 「……なるほどな」 尊は感嘆と共に一言吐き出した。 隣に座る真那は、どっと大きなため息をついていた。 梨々香の神姫・モナカにメモリーされていた映像を鑑賞し、たった今終わったところだ。 映像の内容は、武装神姫同士のリアルバトル。 つい先日行われた、『異邦人(エトランゼ)』と『狂乱の聖女』の一戦である。 身内しか見ることのかなわなかった大一番であるが、幸いにして、尊の弟子・江崎梨々香は『エトランゼ』のチームに所属している、つまり身内であった。ゆえに、神姫を使って密かに撮影した、貴重なバトルの様子を見ることができるのだ。 死闘だった、と言えるだろう。 メモリーに記録されていたのは、命を削り合うようなリアルバトル。双方の装備は破壊され、奥の手をも出し尽くした死闘。 勝利を手に... -
燐の7 「ティアVSジャンヌ」
武装神姫のリン 第7話 「ティアVSジャンヌ」 私の名前はティア。愛するご主人様の所有物。 武装神姫ですわ。 で今日はアーンヴァルの基本パーツの1つ。 大口径ブースターの出力を強化した先行試作モデルをいただいたので、その調整と試運転を兼ねて近所の公園で飛行中です。 そのためにご主人様が見ていないうちに辺りのカラスや鳩をレーザーライフルで追い払ったのでいま空に私をさえぎるモノは存在しません。 なんて空を飛ぶのは気持ちよいのでしょうか?? お姉さまにも体感させてあげたいくらいです。 おや、あそこに見えるのは豪華なドレス。 しかしそれを身にまとうのは"ぽっちゃり"と言うのさえも、お世辞にならないくらいに丸々太った体躯。 全くもって美しくありませんわ。 私の瞳はあののような"物体"を映すために存在しているわ... -
せつなの武装神姫~僕とティキ~
「僕とティキ」 そのいち・改訂版 「前夜」 改訂前の「前夜」 そのに・改訂版 「回顧録・一」 音声ファイル2036を勝手に参照 改訂前の「回顧録・一」 そのさん・改訂版 「良く晴れた日」 改訂前の「良く晴れた日」 そのよん 「初陣」 『不良品』と勝手にコラボ そのご 「思春期男子なんだから時にはそういう事もある」 /エロ? ばんがい 「これがティキの日常なのですよ」 そのろく 「類は共を呼び友になるのか?」 そのなな 「回顧録・二」 そのはち 「そうだ、有名ショップに行こう♪」 HOBBY LIFE,HOBBY SHOPと勝手... -
ACT 1-23
ウサギのナミダ ACT 1-23 □ 「雪華さんとの対戦、受けてください……お願いします」 「なぜだ? 今俺たちがバトルしたって……ろくなことにはならないぞ」 「だって、こんなチャンスは滅多にないじゃないですか……秋葉原のチャンピオンと戦うなんて」 そういうおまえは、なんで今にも泣き出しそうな顔してるんだ? なんでそんなに必死そうなんだよ。 「お願いします、マスター……お願いします……」 何度も俺に頭を下げて頼み込むティア。 ティアが相手とのバトルを望むなんて、滅多にないことだ。 だからこそ、理由が分からない。 なんでそんなに雪華と戦いたがる? 東東京地区代表という肩書きが、ティアにとってそんなに魅力的だとは思えないのだが。 「……走れるのか?」 「はい」 結局、折れるのは俺の方だった。 肩を... -
キズナのキセキ・番外編:黒兎と盗賊姫 後編
キズナのキセキ 番外編「黒兎と盗賊姫」後編 ◆ おかしい。 尊は首をひねりつつ、考える。 蒼貴とティアの攻防はほぼ互角。お互い軽装の神姫であることが、勝負の決め手を欠いている。 一進一退の攻防である。 しかし、蒼貴の方が攻撃を喰らう率が高い。致命傷にはならないが、ライフポイントはじりじりと削られている。 蒼貴の調子が悪いわけではない。むしろ絶好調と言っていいほどだ。 そんな調子の時、蒼貴の攻めは厳しく、守りは堅い。 だが、ティアは絶妙のタイミングで、いとも容易く反撃してくる。 なぜだ? なぜそんなことが出来る? そのとき、尊の脳裏にひらめくものがあった。 この試合の序盤、尊は確かに思ったのだ。 対策されている、と。 そう、ティアのマスター・遠野貴樹は、『盗賊姫』に対する策を施している。 蒼貴の攻撃を無効に... -
ACT 1-29
ウサギのナミダ ACT 1-29 □ 結論から言うと、雪華とティアのバトルは、伝説になった。 別に、俺や高村、ティアと雪華がそう望んだわけではない。 これはある意味、雑誌記者の三枝さんの、俺に対する報復と見ている。 あのバトルから数日後、「バトルロンド・ダイジェスト」の記者である、三枝めぐみさんから、直接俺に電話があった。 どこから俺の電話番号を入手したのだろう? そう尋ねると、 「情報源に対する守秘義務があるので、答えられないわん♪」 と、はぐらかされた。 三枝さんという女性は、終始こんな風にふざけたような口調で話す。 三枝さんの用件は、先日の、ティアと雪華のバトルを記事にさせて欲しい、ということだった。 「その件は、最初に断ったはずですが」 「だから、直談判するために、電話したのよぅ」 ... -
キズナのキセキ・ACT1-23:決戦前夜
キズナのキセキ ACT1-22「決戦前夜」 □ その日、俺はいきつけのゲームセンター「ノーザンクロス」に開店直後から入った。 開店直後はさすがに人はいなかったが、そこは春休み、午前中から神姫マスターたちがバトルを求めて集まってきた。 「久しぶりだな、何やってたんだ? それにその腕はどうした?」 『ヘルハウンド・ハウリング』の伊達たち常連陣が声をかけてきてくれた。 俺たちがいなかったこの二ヶ月の間も、大して変わったことはなかったらしい。バトルロンドコーナーは相変わらずの盛況ぶりである。結構なことだ。 一通りの挨拶が終わると、常連たちはまたバトルに戻っていく。 一人になった俺は、いつもの定位置で壁に背を付け、見るともなしにバトル実況用の大型ディスプレイを見ていた。 今日、チームのメンバーは来ない。久住邸で、「特訓場」最後の日を... -
せつな断片―僕とティキの番外編―
―僕とティキの番外編― それは僕、藤原雪那(ふじわら・せつな)の神姫、ティキがサードからセカンドにランクアップして、暫くしてからの事。 その日僕とティキは五月の連休を利用し、都内の大きな大会に出ることにした。 僕とティキの実力が、実際どの程度なのか知りたいと思ったんだ。 エルゴでバトルを繰り返す事も幾度かあって、その中でもそこそこの戦績を残せるようになった(それと同時に地元じゃ物足りなくなった)けど、それなら全体的に見たレベルはどうなんだ? と思ったのがキッカケ。 ……地元の、ヤツへの雪辱は晴らしてないけれど。 ヤツと戦う前に自分がどれくらいの位置にいるのか知りたいんだ。 「マスタ。ティキ、キンチョーしてるですよぉ~」 定位置である僕の頭の上のティキが、なんとも情けない声を出した。 「あー…… 僕も緊張してるから、どうにもならないなぁ」 でも、そうそう... -
キャラ・設定ページ
登場人物 木ノ宮 翔(きのみや かける) 16歳。勉強よりバイトを重視しているためか成績はちょっと危ない高校生3年。 あまりこういったロボットに興味は無かったが、武装神姫はなんかピンとキタらしく購入を決意。 晴れてティアナのマスターとなる。 なお彼の住む町は首都から遠く離れた地方都市の一角。 なので新発売の神姫は県中から人が集まる「ヨド○シ」とかに発売日に並ばないと買えないというか、並んでいても買えるかわからない。それほどの競争率。 イメージCV 鈴村 健一 ティアナ 新発売のジルダリアタイプ。 気さくな性格設定のためか翔とは対等な関係で接しているが、本当はもっと甘えたいと思っている。 第4弾の見た目は"武装"神姫としては従来のモデルより"貧弱そう"なのだが実際に戦闘になれば"スゴイ"らしい… ... -
ACT 1-8
ウサギのナミダ ACT 1-8 □ 「……落ち着いたかよ?」 ほれ、と言って、缶コーヒーを俺の方に差し出す大城。 今日は大城に迷惑をかけっぱなしだ。 路地裏で泣き叫んでいた俺を、何とかなだめすかして、近くの公園のベンチまで連れてきて、座らせてくれた。 ゲーセンで暴れようとした俺を止めたのも大城だし、今もこうしてコーヒーを買ってきてくれた。 「……すまん。今日は、迷惑をかけた……」 自分の声か、と一瞬疑うようなガラガラ声。 「まったくだぜ」 苦笑しながら、缶コーヒーのプルタブをあける。 そういえば、喉がカラカラだ。 俺も大城にならって、缶コーヒーをあけた。 独特の甘苦い味が喉を通り過ぎると、不思議と心が落ち着いた。 俺はやっと、大城をまともに見ることが出来た。 革ジャンに、ジャラジャラつけ... -
ウサギのナミダ・番外編 「LOVE&BATTLE」
ウサギのナミダ・番外編 LOVE BATTLE □ 「いい? これは真剣勝負だから。わたし、本気の本気だから」 目の前の久住菜々子さんはいつになく厳しい表情、厳しい口調で、そう宣言した。 対する俺は、訳が分からず、呆けるのみ。 「だから、遠野くんも本気で来て。そうじゃなかったら、勝てないんだからね」 「いいけど……」 「約束、きっちり守ってもらうから」 「いいんだけどさ……」 戸惑っているのは俺だけではない。 いつものように、胸ポケットに収まっているティアも、久住さんの神姫・ミスティのいつになく厳しい視線に戸惑っていた。 「ティア、今日のわたしは本気だからね。ナナコのために、本気であなたを倒しに行く」 「ええと……」 「手加減なんか絶対にしない」 「……」 ティアはもはや返す言葉もないようだ。 ... -
キズナのキセキ・ACT1-13:ストリート・ファイト その2
キズナのキセキ ACT1-13「ストリート・ファイト その2」 ■ わたしは舞う。 ストラーフBisの攻撃を紙一重でかわし続ける。 ミスティや虎実さんが言っていた。 『ファントム・ステップ』をしている時、わたしはまるで、対戦相手の手を取って、ダンスをしているようだ、と。 ほんとにそう見えているなら、ちょっと嬉しい。 華麗に戦うことは、マスターが目指す戦闘スタイルだから。 今のわたしも、ストラーフと踊っているように見えるだろうか。 ストラーフBisが一歩踏み込んできた。 あの踏み込みはさっきと同じタイミング。 ハンマーを振り下ろした後の素早い切り返し。 わたしは後方へと逃げる準備をする。 今度は完全に避け切ってみせる。 「ジレーザ・ロケットハンマー」が、後方から火を噴いて、風の唸りを巻きながら振り下ろされる。... -
ウサギのナミダ・番外編 「黒兎と塔の騎士」前編
ウサギのナミダ・番外編 黒兎と塔の騎士 前編 ◆ 「遠野さんとティアって、強いのか?」 安藤智哉の言葉に、四人の少女はそれぞれドーナツをくわえたまま、静止した。 四人とも目が点になっている。 俺何か悪いこと言ったか? と首を傾げた。 悪気はなかった。 だが、四人の中で一番早く、蓼科涼子が解凍し、くわえていたドーナツを落として、般若の顔で安藤の胸ぐらを掴んだ。 「何言ってくれちゃってんの、このルーキー風情が!」 「いや、落ち着け蓼科……」 「セカンドリーグの全国チャンピオン『アーンヴァル・クイーン』と互角に渡り合えるのよ!? ティアは強いに決まってんでしょーが!!」 「それがさ……その……オルフェが勝っちゃったんだけど……ティアに」 「…………はあ?」 T駅前、おなじみのミスタードーナッツの店先である。 ... -
燐の13 「進攻」
武装神姫のリン 第13話 「進攻」 日本時間にして午前4時15分。 「べーオウルフ」本部サーバーへの突入が開始された。 モニターには基本はヴァッフェバニー装備ということで見た目はほぼ同じだが装備の各部が違う神姫たちが画面いっぱいに表示されている。 左腕に表示されるマークからそれが世界のあちこちから、この作戦のために集まった戦力であると分かる。 その数は なぜこれほどの戦力が必要なのかというと、べーオウルフのサーバーのセキュリティはとてつもない防御力を誇るからである。 まずは厳重なファイヤーウォールが13、そしてそれを全て抜けたらすぐに待っているのが無数の防衛ユニットだ。 ウィルスのデータを調整した単純な物ではあるが、その攻撃はハチの針を思わせるように接触と共に膨大なバグデータと即効性のウィルスを対象に注入して消えてしまう。しかも消えた分新たに補充されるというオマケつ... -
キズナのキセキ・ACT1-12:ストリート・ファイト その1
キズナのキセキ ACT1-12「ストリート・ファイト その1」 □ 戦いが始まる。 四人は一斉に物陰へとダッシュした。 リアルバトルは実際に銃弾が飛び交う。そばにいたらただではすまない。 ティアを戦場に残すことにためらいを感じながらも、俺は物陰に身を隠す。 少し離れた壁際に、頼子さんの姿が見える。 「マグダレーナの方、頼めますか!?」 「了解よ。……三冬! マグダレーナを押さえなさい!」 「承知しました」 俺の無理なお願いに、頼子さんと三冬は即答してくれた。 相手は得体の知れない凶悪な神姫だというのにもかかわらず。しかし、頼子さんからはこの対戦を楽しんでいる節すら感じられる。 どちらにしてもありがたい話だった。 「ティア。ストラーフを引きつけて、マグダレーナと距離を取れ」 『了解です』 ティアの... -
キズナのキセキ コメントログ・2
キズナのキセキ コメントログ・2 コメントに書き込みを頂いた過去ログです。 長くなりましたので、こちらにまとめました。 ACT0-4を投稿しました。また、コメントが長くなりましたので、ログをまとめて別ページにしました。 ナナシ様>花村が語る過去編も、次回が佳境です。覚悟してお待ち下さい(笑) 夜虹様>お読みいただきまして、ありがとうございます。 頼子さんはこれから活躍の予定ですので、ご期待下さい(^^) 今回は謎を中心にした展開です。全てが明かされるまでには時間がかかるかと思いますが、お付き合いいただければと思います。 -- トミすけ (2011-02-22 00 04 15) 黄金期が輝けば其だけ落日は悲惨を極めますからねぇ、意図的な行動ならドS、外的要因なら悲劇…ドチラにせよ楽しみですなぁ〜(っか楽しみだと思う辺りどうかしてるよなぁ) -- ナナシ ... -
番外編:その弐 ドライの場合
「ハイジャック犯に告ぐ!!この建物は完全に包囲されている!諦めて大人しく投降しろ!!」 深夜8時、大東亜共和国首都の新東京市にて銀行強盗が発生した。 I.N.S.P日本支部サイバー犯罪捜査課勤務の安田 聡美警部補もこの現場に出動していた。サイバー犯罪捜査課は当初は名前道理、インターネットを使った犯罪の取り締まりを行っていたが、2016年のロボティクス・ドライブシステム、2022年のアムドライバー、そして2031年の武装神姫の登場により、それらに関する犯罪捜査も請け負うようになっていった。 「警部、このままでは人質が保ちません。強行突入の許可を!」 「しかしだな安田警部補、今交渉人が説得を続けている。今犯人を刺激するわけには・・・・・」 「だからと言ってホイホイ要求を聞くわけにはいきません!!」 現場近くの本部テント内にて、聡美は上司である初老の警部に食ってかかっていた。 「う... -
キズナのキセキ・ACT1-29:死闘の果て
キズナのキセキ ACT1-29「死闘の果て」 ◆ 美しい、などと……。 マグダレーナはぎりり、と歯噛みする。 目の前の敵に対し、そんな気持ちを抱いた自分に猛省を促す。 今は戦闘中だ。そんな呑気な感情など持っている場合ではない。 思考を切り替えたマグダレーナは状況を分析する。 ミスティと久住菜々子の会話は意味不明だ。 だが、次に仕掛けてくるのは間違いなく接近戦。ブラックライオンによる攻撃以外はない。それしかミスティには残されていないのだ。 あるいは、白いストラーフのミスティのように、彼女を一撃の下に倒す技があるのかも知れない。 『花霞』の一手はマグダレーナとの一戦で、ミスティが最後に使った技だった。完成していれば、あるいはマグダレーナは倒されていたかも知れない。『アカシック・レコード』の検索結果が技の正体を導き出し、『スター... -
vol1「風見記の場合」
vol1「風見記の場合」 某所、喫茶店「File」 「よう相棒、来週分の原作出来たか?」 髪を後ろで縛った男が、前に座った男に話し掛ける。 「明日あたりには脱稿する筈だ、…注文、ウーロン茶で」 ウエイトレスに注文を頼む男 「ん?風見記、あいつらはどうした?」 「家でお留守番だ」 「ひでぇな~、ここが神姫も飲み食いできるところだと知ってた筈だろ」 「ひとり、持ち金を考えないで注文する奴がいるからな、帰り道にケーキかなんか買ってくさ」 「んぅ?あ~、あの忠犬ケルスか!」 「忠犬は余計だ巻馬、あいつが聞いたら泣くぞ」 「はは~事実なんだけどね」 おさげ男、巻馬鉄次(まきばそうじ)のすぐ手前でパフェをつっついていた神姫が答える。 傍からみて、その姿は忍者であったが、中身は忍者型MMS「フブキ」ではなく、猫型MMS「マオチャオ」であった。 「... -
ACT 1-35
ウサギのナミダ ACT 1-35 ■ 『ティア、全速力でクロコダイルを蹴り飛ばせ!』 「はい!」 返事したわたしは、地面に手をつき、腰を上げた。 クラウチング・スタート。 一歩でトップスピードに乗れるこのスタートなら、クロコダイルまでの短い距離でも、スピードが出る。 頭の中でカウントする。 三、二、一、ゼロ。 わたしは、スタートを切った。 『うううう、なめるなよ! もう一度転送ビームだ! 今度はボクの部屋のサーバーに送って、一気にケリを付けてやる!』 「アイアイサー!」 クロコダイルが触手をもたげた。 瞬間、あの、黄色いギザギザのビームが放たれた。 わたしに向けて。 だけど、わたしはまっすぐに突き進む。 マスターが何も言わないということは、作戦の変更はなし。 マスターは、何の考えもなしに、敵の... -
キズナのキセキ
キズナのキセキ ちょっと気が強い神姫と、理想を追い求めたマスターの、絆の物語。 著:トミすけ ○勝手な文章の改変はしないでください。大変迷惑です。 ○バトルロンドのバーチャルバトルの設定を『Mighty Magic』よりお借りしております。 ○一部、武装神姫の性能などを独自解釈している部分があります。ご了承下さい。 ○本作は前作「ウサギのナミダ」の続編です。前作からのキャラクターや設定が引き続き登場しますので、先に「ウサギのナミダ」をお読みになることをお勧めします。 ○コラボ歓迎です。この作品のキャラクターや設定は無理のない限り、自由にお使いいただいてかまいません。 登場人物紹介 (本編のネタバレを含みますのでご注意下さい) ~予告編~ ストーリー ACT0は過去編、ACT1は現在編となっています。 それぞれのA... -
番外編:その参 無頼の場合
「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 東都大学の敷地内にある剣道場。そこの稽古場の真ん中で御堂春香と彼女の神姫である無頼が座禅を組んでいた。二人とも剣道着を着、傍らに木刀を置いている。 「はっ・・・!」 「せぇい・・・!」 そして同時に眼を見開き、木刀を手にとって横薙ぎに振るう。切っ先が美しい弧を描き、乾いた風切り音を立てる。 「そう言えば無頼。お前を起動させてからそろそろ1年近く経つな」 一通りの稽古を終え、春香と無頼は縁側でお茶を飲んでいた。 「うむ・・・。あの頃の主殿と比べれば、今は随分と明るくなられた」 「同時に、『アイツ』が『死んだ』のも、今ぐらいだったな・・・・・・」 ―――――― 土曜の夜は大盛り上がりするのはどのご時世でも変わることはない。この港湾地区にある古い倉庫もまた、そんな場所の例外ではない。 金網で囲われた闘技場。... -
ACT 1-24
ウサギのナミダ ACT 1-24 ◆ 雪華の持つ武器は唯一、その黄金の錫杖だった。 彼女の背丈よりも長いその錫杖は、様々な武器の集合体だ。 錫杖の頭はビームガンであり、その柄に伸びるのは二本の剣である。 他にも様々なパーツが組み合わされている。 この錫杖を様々に組み替えて、状況に応じた武器にカスタマイズし、対応する。 この錫杖こそが、雪華のオールラウンダー・スタイルを支えている。 □ 戦闘は雪華の射撃で開幕した。 錫杖の頭をはずし、ビームガンを握る。間髪入れず、断続的な斉射がティアを襲う。 ティアはそれをかわす。 フィギュアスケートのような小刻みなステップでかわしきる。 視線は雪華に固定したまま。 まるで舞うような回避。 舞手にリズムを送る楽士は、拍子を早めていく。 ビームガンの射出音と着弾音は... -
ACT 1-14
ウサギのナミダ ACT 1-14 ■ 雨の街は、いつもとその様相を一変させていた。 あれほどに鮮やかだった風景は、色を失い、輪郭さえもぼやけている。 すべて水に濡れ、色褪せて見えた。 まるで、かつてわたしがいた場所のように、灰色の世界。 雨に追われ、人々は足早に過ぎ去っていく。 足下の神姫になど注意を払う人はいなかった。 降りしきる雨は、痛いほどにわたしを叩き、瞳からこぼれる涙さえも、洗い流されてゆく。 これは、あの空の涙なのだろうか。 空にも心があって、悲しくて辛いことがあるのだろうか。 上空を垂れ込める雲に、心を灰色に塗りつぶされて、涙をこぼすのだろうか。 今のわたしと同じように。 わたしはもう、悲しいとか辛いとか、そういう感情を通り越して、ただ、ぼうっとしていた。 瞳から流れる涙だけが止まらない... -
vol2「フェリアの場合」
vol2「フェリアの場合」 844 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ 投稿日:2007/09/07(金) 14 24 18 ID 3ip6GDwZ0 1弾→17歳(高3) 2弾→9歳(小4) 3弾→25歳(OL戦士、戦う専業主婦) 4弾→14歳(中3) 5弾→21歳(大学生) 6弾→16歳(高1) イラストでのイメージ 年齢と学年がバラバラなのは気にするな 845 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ 投稿日:2007/09/07(金) 14 25 55 ID 4nqqd8F50 1弾は16歳だろ・・・ 848 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ 投稿日:2007/09/07(金) 14 31 57 ID CG8QBuhF0 29歳がイイナ 849 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ 投稿日:2007/09/07(金) ... -
キズナのキセキ・ACT1-2:情けないほど何も知らない
キズナのキセキ ACT1-2 情けないほど何も知らない □ 「菜々子さん、どうした? 今どこにいる?」 もはや尋常ではない。 電話先から聞こえてくるのは、冷たい風の音と、彼女のかすかな泣き声。 今俺が自室で暖房つけていても寒いというのに、彼女はこんな夜にどうして外を出歩いているのか。 そして、彼女の言葉。 負けた……誰に? 何をして? どこでなんの勝負をした? 心が不安に浸食されていくような気持ち。 考えれば分かるような気がしたが、そうすると嫌な予感に捕らわれてしまう気がして、努めて考えないようにしながら、菜々子さんに声をかける。 「今どこにいる? 迎えに行く」 「……」 「どこにいるんだ!?」 さすがに心配になって、俺は語気を強くした。 こうやって、感情に訴えるところが、自分のダメなところだと自覚し、一... -
番外編:その壱 アカツキの場合
偶々大学の講義も、ハッキングの仕事も無く、優一は自室でカステラをお茶受けに、紅茶を飲んでいた。 ふと、卓上の写真立てに目を移す。 そこには優一と、アカツキと違う、一体の神姫が共に写っている。 「もうあれから二年、か・・・」 瞼を閉じると、彼女と今まで紡いできた思い出が蘇ってくる。 その一:アカツキの場合 暗雲が空を覆い、天使が流す涙の如く、雨が降り注ぐ。 『ごめんなさい、他に好きな人がいるんです』 自分が思いを寄せた女性の、その一言が優一の胸に深く突き刺さっている。 ハッキングの仕事もうまく行かない。しばらく前に自分の神姫、HMT型のライデンを失ってから、失敗が重なり始めた。 どこもかしこも防衛用に神姫やアムドライバーを配置しており、いくら綿密に策を練っても容易に覆されてしまう。 「何処に行っても神姫、神姫、時代は変わったのか・・・」 頭の上にも暗雲が浮か... -
ウサギのナミダ コメントログ
ウサギのナミダ コメントログ コメントに書き込みを頂いた過去ログです。 長くなりましたので、こちらにまとめました。 テストです。 -- トミすけ (2009-06-24 01 25 20) 過去話は現在話同様、時系列的未来に向って進行しているのに 妙な重さが有りますねぇ 哀しい過去を・・・とか言う有りがちな展開へ発展するのか 今後の展開が楽しみです -- 名無しさん (2009-06-24 02 48 56) どうも、ICHGUCです。 この作品を一言で言うなら、「ズシンと重い」。 やべ、二言になっちゃった。 ともかく、今後が楽しみです。 -- ichguc (2009-06-24 12 54 21) お二方、書き込みいただき、ありがとうございます。 今後の展開については、さすがに語れませんが(笑)、重さはさらに増してくるかと思います。 最後まで書きた... -
ウサギのナミダ・番外編「水中機動戦術論~前編~」
ウサギのナミダ 番外編 水中機動戦術論 ~前編~ □ 「ねえ、クイーンとアクアの一戦、結局どんな試合だったの?」 向かいに座る久住さんが、突如そんなことを言い出した。 俺の隣に座る大城が血相を変える。 「ア、アクアって、あの『K水族館の人魚姫』のアクアかよ!?」 「まあ、そうだけど……」 俺は気のない返事をする。 大城はさらにヒートアップした。 「なんだそりゃ!? アクアといえば、水族館での活躍も有名だけど、昔はこのあたりじゃ名の知れた武装神姫だったんだぜ!? 『シードラゴン』のアクアって言えば、古株の神姫プレイヤーなら誰でも知ってる。 その伝説の『シードラゴン』と『アーンヴァル・クイーン』の対戦だとぅ!? なんで呼ばなかったんだよおおおぉぉ……」 さすがに有名プレイヤーに精通した大城だ。 海... -
キズナのキセキ・ACT1-25:聖女の正体
キズナのキセキ ACT1-25「聖女の正体」 ◆ 「本当によろしいのですか、奥様」 おもむろにそう話しかけてきた自らの神姫・三冬に、久住頼子は落ち着いた様子で湯飲みを手に取る。 「なんのこと?」 「菜々子様のバトル、気にならないのですか? 見に行けばよろしかったのでは」 「いいのよ」 煎れたばかりのお茶を一口飲み、壁の時計を見た。 「……もう始まっている頃ね。一時間もしないで、結果がわかるでしょう」 「ですが……」 今から行ったところで、バトルには間に合わない。 そもそも、頼子は最初から、当日のバトルを観戦する気は全くないようだった。 大事な孫娘の、今後の人生を左右しかねない、戦い。 それなのに、悠々と構えている自分のマスターを、三冬は少し歯がゆく思う。 菜々子やミスティと一緒に暮らしてきたのは... -
ウサギのナミダ・番外編 「黒兎と塔の騎士」完結編
ウサギのナミダ・番外編 黒兎と塔の騎士 完結編 ■ なんという破壊力。 サイフォスの軽量装備を身につけているとは言え、神姫の身体だけでこれほどの破壊力を生み出せるものなのか。 わたしは激しい戦慄に襲われる。 あの、地面を揺らす踏み込みから繰り出される攻撃はすべて、あれほどの攻撃力を持っていると見ていいだろう。 ランティスさんの攻撃をすべてかわしきれるか……。 わたしはちょっと弱気になる。 そんな時。 『ティア』 「マスター」 わたしの大切な人は、必ず声をかけてくれる。 『ランティスは連続で打ってくる』 「どうすれば……?」 『指示に変更はなしだ。大丈夫、お前なら全部かわせる』 「……はい!」 マスターは間違わない。 わたしを過大評価したりしない。 マスターが、わたしにできると言... -
三十路の独身男性、自営業の場合
「Quel est dîner d aujourd hui ? 」 助手席から、声が聞こえた。 「Es gibt den aiready Reis. So bilde ich die Teeessiggurke. Ich bin so müde. 」 車を運転しながら、ドイツ語で応えてやる。 「확실히.오늘은, 큰 일이었지요.」 えっと…。 「何だ。今のは」 「韓国語ですよ。マスター。『今日は大変でしたね』って言ったんです」 助手席の下の方、クレードルの上でくつろぐ神姫が微笑みを浮かべる。 そう。彼女は武装神姫の侍型MMS。名前は『椿』だ。彼女は、そのAIの性能を発揮して、俺の仕事の秘書として、通訳兼語学指導者として、そして、一人暮らしの俺の話相手として、色々な場面でその能力を発揮してくれる。今や、俺の生活には欠かすことのできないパートナーだ。 ---------... -
キズナのキセキ・ACT1-1:不機嫌の理由
キズナのキセキ ACT1ー1 不機嫌の理由 □ 「デュアルオーダー?」 伏せていた顔を上げ、大城大介の言葉を繰り返す。 見れば、大城は雑誌のページを広げてこちらに見せながら、愛想笑いで頷いた。 「お前なら、真似できるんじゃないかと思ってさ」 またバカなことを言い出した。 俺はため息をつく。 「アホか。そんなものが簡単に真似できるなら、苦労はない」 雑誌は「バトルロンド・ダイジェスト」。 最新号の特集は、最近注目の神姫たちである。 その最後の方、一人の神姫マスターが紹介されていた。 バトルネームを『尊(みこと)』というそのマスターは、素性はわからないが、今密かに注目を集めるマスターだそうだ。 彼の神姫は、フブキ型とイーダ型のプロトタイプの二体。 フブキの方は『盗賊姫』の異名を取り、対戦相手の武... -
せつなの武装神姫 の時系列まとめ
せつなの武装神姫 時系列まとめ 註 この時系列順に読む事を推奨はしません。大まかに「こんな流れだったんだ」という事を説明する為に並べ換えただけです。 僕とティキ そのいち・改訂版 「前夜」 僕とティキ そのに・改訂版 「回顧録・一」 僕とティキ そのさん・改訂版 「良く晴れた日」 僕とティキ そのよん 「初陣」 僕とティキ そのご 「思春期男子なんだから時にはそういう事もある」 僕とティキ ばんがい 「これがティキの日常なのですよ」 僕とティキ そのろく 「類は共を呼び友になるのか?」 僕とティキ そのなな 「回顧録・二」 僕とティキ そのはち 「そうだ、有名ショップに行こう♪」 僕と... -
キズナのキセキ・予告編
キズナのキセキ・予告編 武装神姫SSまとめ@wiki presents ゲームセンターで囁かれる噂がある。 そのマスターと神姫は、あちこちのゲームセンターや神姫センターに現れる。 神出鬼没。 不意に現れて、有名プレイヤーや実力者とバトルする。 実力も相当なもので、ファーストリーグのランカーに匹敵するという。 しばらくそのゲーセンでバトルをすると、今度は違う店に現れる。 何かを探していると言うが、その目的は誰も知らない。 マスターは女性で、目を引く美貌の持ち主。 神姫はイーダ型のカスタムタイプ。 二人はいつしか、こう呼ばれるようになった。 放浪の神姫『異邦人(エトランゼ)』 と……。 キズナのキセキ ~ 予告編 ~ 久住菜々子とミスティの前に現れた、最強の、そして宿命の敵。 『狂... -
キズナのキセキ・ACT0-8:理想の体現者
キズナのキセキ ACT0-8「理想の体現者」 ◆ 二階フロアへとつながる店内階段から上がってくる、細い人影。 花村は、片手をあげてほほえむ彼女の姿を認め、相好を崩した。 「こんにちは」 「おや……久住ちゃん、ひさしぶりだね」 「ええ、今回はちょっと長引いちゃって」 「遠征先は埼玉だっけ……どうだったの、遠征先は?」 「……イマイチでしたね」 微笑みながらも、辛辣な評価。 久住菜々子がここ「ポーラスター」に顔を出すのも三週間ぶりくらいか。 その間、彼女はまた武者修行と称して、他のゲームセンターを回っていた。 いまや彼女の二つ名も、『アイスドール』より『異邦人(エトランゼ)』の方が通りが良くなっている。 「最近は面白いバトルをする神姫がめっきり少なくなりました。噂の強い武装神姫を求めて大宮あたりまで行ったけれど……... -
燐の番外編1 「リンの某日の記録」
武装神姫のリン 番外編 「リンの某日の記録」 私の名前はリン。 武装神姫「TYPE DEVIL STRARF」です。 今日は休日でしたがマスターは臨時のお仕事で朝早くから出かけてしまいました。 しかもティアは定期点検(違法ドーピングの後遺症の検査で昨夜からセンターにいます) なので私は今日一人で過ごさなければなりません、しかも今日は公式大会の日でサーバーがメンテナンス(マスター曰く公式大会は有名ランカー目当てでユーザー以外の観客も含め、会場に人があつまるため、アクセス数が激減するらしくメンテナンスには絶好のタイミングだそうです)されるので訓練用のデータの配信が行われません。 現存のデータで訓練を行うことも出来ますが私はすでにPCに保存されている全てのパターンをコンプリートしてしまい、物足りないのです。 かと言って私一人ではゴーストのデータも接近戦に偏ってしまうため... -
キズナのキセキ・エピローグ
キズナのキセキ ~ エピローグ ~ □ 俺は今日も、ティアを連れて、ゲームセンター「ノーザンクロス」に来ている。 四月を半ばを過ぎた土曜日の午前中。 チームメイトはまだ来ていない。 高校生のメンバーは午前授業の日だし、大城はランキングバトル目当てだから、昼過ぎにならないと来ない。 新年度が始まって間もない頃だ。常連客もまばらで、ゲーセンの中はいつになく平穏だった。 菜々子さんと桐島あおいがバトルした日から、二週間が経つ。 菜々子さんは、いまだに顔を見せていない。 体調が悪いわけではないようだ。彼女の様子は、頼子さんからのメールで知っている。新学期が始まり、忙しくしているのは間違いない。 しかし、以前は忙しくても無理矢理時間を作ってまで顔を見せた彼女だ。あの日以来、ゲームセンターに来ない彼女を心配して、八重樫さんたち高校生メ... - @wiki全体から「俺とティアナの場合」で調べる