武装神姫SSまとめ@wiki内検索 / 「引きこもりと神姫」で検索した結果
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引きこもりと神姫
...場人物紹介 引きこもりと神姫 第一話・引きこもりデイズ1 2 3 第二話・襲撃者1 2 その夜の話 第三話・逆さまの神姫1 2 第四話・それは卒業試験なの1 2 3 第五話・νタイプ1 2 第六話・等価交換1 2 3 第七話・くるっと回って一回転1 2 3 第八話・持たざるもの1 2 3 第九話・再会と不調の間奏曲1 2 3 第十話・斬鉄剣の伝承者1 2 3 第十一話・真夏の雪1 2 3 第十二話・終わりと始まり1 2 3 最終話・私たちの未来これからの話 9月1日 おまけ 本日 - 昨日 - 総合 - ご意見ご感想など、どんどん書いて下さい! -- ユキ (2012-07-12 00 58 30) テンポが良くて読みやすいです! -- 神姫中毒 (2012-07-12 09 42 23) ひさしぶりに来れたら面白い作品... -
引きこもりと神姫:12-2
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引きこもりと神姫:2-2
「どう? 仁さん」 とある建物のとある一室。華凛はパソコンを横から覗きながら言った。パソコンを操作している青年は眼鏡を直しながら呟く。 「思った通り、改造神姫ですね。それも、重度の」 青年はそれだけ言って、再びキーボードを打ち始める。 私は、クレイドルで眠る神姫を見た。武装は全て外され、静かに眼を瞑っている。その安らかな寝顔を見ていると、さっきまでこちらに銃口を向けてきたとは思えない。 「店長、こっちの武器も違法改造が施されてます」 そう言って改造神姫の武器の入ったダンボールを抱えて現れたのは、別の神姫だった。たしか、アーンヴァルMk.2型。 「そうですか。ご苦労様です、エリーゼ」 「いえ、そこまでのことは……」 「いえいえ、いつも助かってます」 「もう、店長ってば大袈裟ですよ~」 エリーゼと呼ばれた神姫と青年は、仲... -
引きこもりと神姫:人物紹介
登場する人物、そして神姫 オーナー 奏萩樹羽(かなはぎみきは) 16歳 本作の主人公。絶賛引きこもり中の少女。 8年前に父親の会社が倒産し、さらに当時陰湿なイジメを受け強い疑心暗鬼に取り付かれた。 2年前の中学2年生の春、華凛と出会い親友となる。 しかし高校にあがると華凛と離れてしまい、登校拒否になり、中退。 華凛のおかげで疑心暗鬼はかなり薄れたものの、根っから人付き合いが苦手。 作中ではあまり描くことができなかったが、髪が長くて背が小さい。 ちなみに華凛が割と大きい事を少しうらやましく思っている。主に胸部。 秋已華凛(あきのみかりん) 16歳 桜崎高校と近所のゲームセンターに通う高校一年生。樹羽の親友。 元気であることが取柄で割とテンションが高い。 だがあくまで楽観的ではなく、ちゃんと物事を考えて動いている。 神姫のことに詳しく、昔は神姫を持っていたとか... -
引きこもりと神姫:6-1
何かを得るためにはそれ相応の代価を支払はなければならない 7月26日(火) そして次の日、私はまたあの騒音の中にいた。耳が痛くなってきそうなほどの音量で、様々な音が混ざり合っている。やっぱりこの空間には慣れそうにない。 「そう? あたしは慣れてるけど」 「私は二回目」 「私に関しては初めてですよ……」 肩に乗ったシリアが、私の顔を支えに座っている。冷たい指の感触が頬に伝わる。 「大丈夫?」 「うん、なんとか……」 シリアもこの空間には馴染めそうにないな、と思いながら私は神姫バトルのコーナーを見た。 今日もいい賑わいを見せている。中学校や高校が夏休みに入ったためか、若いマスターが多く見受けられた。中には親子連れの姿まである。 ちなみにお金に関してだが、ちゃんとリアルマネーだ。さすがにゲームセンター側としても運営が成り立たなくな... -
引きこもりと神姫:2-1
英語で言うならアサイラント 「いや~すごかったねー。まさかあのときああするとは思わなかった! ああもうホント、ドキドキしっぱなしだったよ!」 日が暮れて、私と華凛は帰り道を歩いていた。 「どう? 神姫に興味わいた?」 「……わかない」 強がってみせた。ここで興味が出てきたと言ったら、ものすごい敗北感を味わうことになるだろう。 「ふ~ん、そっか~……」 華凛がニヤニヤしながらこっちを覗きこんでくる。なにが言いたいのだ。 「顔赤いよ?」 「っ……夕日のせい」 「ふ~ん、そう……」 そう言って、サッと引き下がる華凛。多分、華凛はこれ以上追求してこない。でもその代わり…… 「あ、そうそう。あたしの親戚にホビーショップ経営してる人がいるんだよ」 こういうことは言ってくるのだ。 「……初耳」 「そりゃ... -
引きこもりと神姫:7-2
始めに目に映ったのは今にも崩れそうなビル群だった。瓦礫が至るところに散乱し、車が放置されている。ステージ『廃墟』だ。荒廃した都会をイメージされており、このステージは他のステージに比べて僅かに広い。さらに不定期に濃い霧が発生する。 (相手はアーク型、地上は危険) (あの大きいビルの屋上に行こう。あそこなら辺りを見回せる) 2時の方向に、一際大きなビルがあった。まずはあそこに行って、不意打ちの可能性を減らさなければならない。 武装を展開、そして相手の武装も確認する。 ハイスピードトライク型神姫、アーク。前が1輪、後ろが2輪のトライクモードになることが可能でその速さは神姫の中でもトップクラスの速さだ。その姿はトライク版のフォーミュラカーが一番近いかもしれない。 武装は少し大きなナイフが2本、アサルトライフルが一丁に大型ライフルが一丁。他には何もない。またしても純... -
引きこもりと神姫:11-1
必殺技は男の浪漫 7月31日(日) 私は華凛との約束通り、シリアと二人でゲームセンターに来ていた。最初は榊くんを誘おうかと思ったが、どうせなら新しい人と戦ってみようと言うシリアの助言もあり、今に至ると言うわけだ。 「今日も空いてる」 「なら、座って待ってないとね」 この筐体は一人でもお金と神姫カードを入れればアーケードモードで遊ぶことが出来る。対戦を待っている時はこのモードで自主トレしながら待ち、挑む側は乱入と言う形でバトルすることが出来る。 だが私はアーケードではあまり戦ったことがない。一度戦う度に疲れてしまい、いざ対戦しようと思っても、フルパワーで戦えないのだ。燃費のすこぶる悪い昔のエンジンのようだ。 ともあれ、そんな具合で対戦待ちをしていた私だったが、対戦相手は思いの他簡単に現れた。 「あれ? 奏萩先輩、奇遇ですね」 そう... -
引きこもりと神姫:12-1
這いよる影、迫る白 私は暗い部屋の中で目が覚めた。私の部屋はここまで暗かったっけ? と思ったら、カーテンが閉まったままだった。 私はベッドから起き上がろうとして、出来なかった。体が異常に重く、起き上がる気力すら沸いて来ない。 そして、なによりこの胸の内の空虚感。大切な何かを失ってしまったかのような、そんな風穴。なのに、その大切な何かが思い出せない。 まるで昔に戻ったかのようだった。あの日、華凛が遊びにやって来てくれるまでの、引きこもって何も寄せ付けなかった自分に。 (これは……夢だ……) もう私は変わったんだ。―――と出会い、沢山の人と触れ合って変わったんだ。 じゃあ、今目の前に広がる光景は何? 大切な何かは? 頭の中に霞がかかり、次第にぼんやりとしてくる。消えかける意識の中、大切な何かの名前が――。 8月1日(月) ... -
引きこもりと神姫:8-2
「わぷっ……」 意識が戻った途端、口の中に何かじゃりじゃりとしたものが入ってきた。恐らく、風に舞い上げられた砂だろう。ステージ『砂漠』が故だ。 (口の中がざらざらする……) (今のは仕方ないとは思うけどね) 砂漠と言っても、地平線まで砂が続いているわけではない。ステージを囲むように瓦礫のようなもの――それもステージ『コロシアム』の瓦礫――が存在し、まるで朽ち果てたコロシアムの跡のようだった。またステージ中央には大きな砂丘があり、反対側は見えないようになっている。 (相手は忍者をイメージした神姫みたいだね) (土遁、砂隠れの術?) (いや、無いと思うけど……) 突然後ろから現れてバッサリ、なんてことが起こったり起こらなかったり。無いよね。 (相手の武装は、刀が二本だけ?) それだけで事足りる、ということだろうか? いや、あ... -
引きこもりと神姫:8-3
負けた。これはもう、成す術無しだ。理由も全てわかってる。改善の余地はある。だから、やることも分かってるはずなんだけど、何故だか私は椅子から立ち上がることはおろか、ヘッドギアを外すことすら出来なかった。負けたと言う事実は思いの外私の中に深く突き刺さっているらしい。 その時、ヘッドギアが外された。華凛だ。 「華凛、負けた」 「そうね……」 「…………」 どうやら私は気持ちの切り替えがうまくないらしい。どうしても気分がすぐれない。 「……こんなこともあるよね」 「ま、そうね。神姫バトルなんてのは勝って負けての繰り返しだもの。まさか、一回の敗けで嫌になった?」 「そんなことないよ」 そう、課題も見付かった。だから、この敗けをバネにするだけ。問題は……。 「……ごめん、樹羽」 目の前ですっかり小さくなってしまっているシリアだ。 ... -
引きこもりと神姫:3-1
言うならそれはそれはラッキー 辺りを深い霧が包みこむ。視界が白く染まる。これで目が使えなくなってしまった。 だが、問題はない。 (樹羽、2時の方向。距離4.5) 頭の中に直接響く声。私は声に従って、その方向を見た。建物が密集する廃墟ステージ。目の前には建物。しかし、距離は4.5S。 (この奥か。シリア、バーニア。音は控え目に。同時にボレアス展開後、チャージ開始) 意思を伝え、それが形となる。すでに慣れた重さが右手に乗る。背中の翼が展開し、ゆっくりと浮き上がる体。やるなら先手必勝だ。 建物を越え、その下にいた相手を視認する。同時に相手の回りに丸いターゲットサイトが現れ、射程圏内に到達したことを告げる。右手をつきだし、引き金を引いた。 しかし、相手もこちらを確認したらしく、即座にかわされ、打ち出された光の帯は地面に激突し消滅する。 だ... -
引きこもりと神姫:4-2
――3時15分。 「待ち人、現れず」 相手は一向に現れなかった。待ち惚けにも程がある。 「確かに遅いですね。何か、あったんでしょうか?」 柏木さんも、とっくに筐体の調整を終わらせて、パソコンをいじっている。 「仁さん、その人、電車で来るの?」 「いえ、徒歩のハズです」 電車であれば、電車が遅れているということも有り得るのだが、徒歩ともなれば話が違う。 「心配」 「だね。一体どうしたんだろう」 シリアも同意見らしい。 「何か予定でもはいったんでしょうかね~」 「いえ、でしたら連絡の一つくらいあるハズです」 柏木さんもパソコンから顔を上げ、店のドアの方を見る。しかし、一向に誰かが来る気配はない。 「連絡したら? 仁さん、向こうの電話番号わかってるんでしょ?」 「そうですね、かけてみましょ... -
引きこもりと神姫:3-2
店長たちが部屋を出るのを確認した私は、声のボリュームを少しあげました。 「えっと、それであなたの名前は?」 さっきも聞きましたが、答えてくれなかったので、もう一度。 「……データが破損していて、わかりません」 今度は答えてくれました。しかし、内容はあまり芳しくありません。 「じゃあ、憶えていることは?」 「……以前のマスターのこと……それと、見慣れないデータだけです」 見慣れないデータ、これは店長が入れたものです。あの樹羽という少女についてのものだと聞きました。 「あなたのマスターは、どんな方でした? 多分、あなたがいなくなって、心配してますよ」 「……それは無いと思います」 「なんでですか?」 「……マスターにですから、改造されたの」 「……っ」 けっこうショッキングな事実でした。 私は、マスターたち... -
引きこもりと神姫:1-3
「ほら、ここだよ!」 そう華凛が指差す建物は、看板が綺麗なイルミネーションで彩られていて、いかにもな建物だった。 周りには、神姫を持った人がちらほら見える。 ある神姫は笑い、またある神姫は、マスターに対して怒っているように見えた。 (ホントに人間みたい……) 昔のアニメで、神姫のようなロボットが出ていたのを思い出す。あのアニメは相当昔の物だったが、当時の人からしたら、15cmのロボットが現実になるとは考えもしなかっただろう。 「樹羽~、行くよ~?」 と、気が付くと、華凛は建物の入り口付近まで行ってしまっていた。 「あ、うん」 私は多少急ぎ足で華凛の後を追った。 建物の中は、様々なゲーム機器の音が混じりあい、酷いタバコの臭いが立ち込めていた。華凛に導かれるままに、歩いて行くと、そこに辿り着いた。 数台のテ... -
引きこもりと神姫:9-3
バトルも終わり、私たちは一息ついていた。バトルの後のココアと言うのも、また一味違ったものがある。 「うー、モウヤメルダッって感じで撃った渾身の壁抜きチャージショットをかわされるとは思いませんでした」 「勘で避けた」 「嘘ですっ!」 嘘は言ってない。むしろ事実しか言ってない。 「まぁまぁエリーゼも落ち着いて下さい。今回のバトルは僕の判断ミスです」 レールアクションからのインファイトは柏木さんの指示らしい。「アーンヴァルは基本的に高高度からの射撃戦がメインなんだから自分から近距離戦を仕掛けちゃダメ。M8ライトセイバーとかの近距離武器はあくまで保険。どうしてもインファイトしたかったら高高度射撃型のペガサスモードじゃなくて近接型のユニコーンモードでよ」と華凛は言っていた。 「華凛、私はどうだった?」 「んー、100点ではないけどいいんじゃないかし... -
引きこもりと神姫:7-3
「あたしたまに樹羽が怖くなるわ」 「……そう?」 「だから怖いんだって樹羽」 華凛とシリアの両方に言われる。バトルは終わった。私が勝ったのだ。あろうことにあの楓さんを投げて。 「まさかあたしが投げられるとはねぇ、投げられる側の気持ちが軽くわかったよ」 今は楓さんとも話している。話してみるとやっぱり気さくな人だ。 「あれは……合気道かなんかかい?」 「昔教えてもらった」 幼稚園から小学校一年生まで、親に通わされた合気道教室で、当時師範をしていた女性に教えてもらったのだ。今思えば、その時教えられるような技ではなかったが、不思議と出来てしまったのだ。 「楓さんも人をよく投げてますよね、そりゃもう容赦なく」 「まぁな。ただまぁ、最近はちょっとは余裕がでてきたんだぜ? わざと触らせて飛ばすなんてのも出来るようになったんだ」 「今研究して... -
引きこもりと神姫:5-2
7月25日(月) その翌日、つまり月曜日。私はまたもや炎天下の元に歩いていた。 今日は神姫センターに行って、マスター登録をするそうだ。そうすることで公式大会にも出られるらしい。出る気はないんだけど。 「いいじゃん、無料だし色々特典ついてくるし」 「でも暑い」 「仕方ないでしょ。仁さんはお店あるんだし」 定休日とか言ってなかったっけ? 「樹羽はちょっと外に出て散歩した方がいいんじゃない?」 肩掛け鞄の中から、シリアがひょっこり顔を出す。 「シリアまで華凛の味方だ」 「私は樹羽のためを思って言ってるんだよ」 それくらいわかっている。が、やっばり不思議だな、神姫って。 その時、華凛がこちらを見て笑っていることに気が付いた。 「不思議でしょ、神姫って」 「……うん」 「??」 シリアは何のことかわか... -
引きこもりと神姫:6-2
次第に開けていく視界、その瞬間にかける風と、水が高いところから落ちる音。ステージ『渓流』だ。木々の間に流れる川には少し大きめの岩が露出し、木の幹が横倒しになってバリケードのようになっている場所もある。 (シリア、どう?) (こっちは問題ないよ) 武装セットを出してもらいながら、相手のデータを確認した。 戦乙女型、アルトアイネス。かなり大きな鎧のようなアーマーを着けている。武器は小剣に大剣、さらにそれを柄の部分で連結した双剣の3種。ウェポンプールには武器はない。 (そもそも遠距離戦は想定していない。近距離戦型か) (とりあえず、ボレアスとゼピュロス出しておくね) 二爪とランチャーが姿を現す。遠距離戦を想定していないなら、何かしらの対策があるとは思うが、やってみる価値はある。 さらにデータを読み進めていくと、相手がリアライドであることがわかった... -
引きこもりと神姫:5-1
私にも敵が見える気がしたが別にそんなことはなかったZE☆ 「樹羽……」 「何、顔近いよ」 私は絵美ちゃんとのバトルに勝った。 華凛のことだから、てっきり抱きついたりしてくるかと思っていたら、なぜかすごい顔をしてこちらに迫ってきた。 「樹羽、今までまともに神姫バトルやったことないでしょ」 「ううん、ない」 「じゃあ、小さい頃に空手とか」 「幼稚園から小学一年まで合気道をy」 ガッと肩を捕まれる。 「なんであんなに手慣れてるのよ! ていうかレールアクションまで防ぎ切ったわよね!? どういうことなのよ! 訳言えわけぇぇぇぇっ!!」 ガクガクと揺さぶられ、まともに会話どころか呼吸まで危うい。 「華凛さん落ち着いて! 樹羽が死んじゃいますよ! 白眼剥きそうですよ!」 シリアの声が遠くに感じる。もう、だめかもしれない。... -
引きこもりと神姫:8-1
そして何より○○が足りない 7月28日(木) ここに来るのが、段々と日課となりつつある気がするのは気のせいだろうか? 「連続3日目で何言ってんのよ」 「そうなんだけどね」 最初は肺炎でも起こすんじゃないかと思っていた煙草の臭いも気にならなくなってきた。人間、慣れる生き物らしい。 「あれ? なんだか今日は空いてるね?」 シリアの指摘する通り、今日はなんだか人がまばらだった。バトル用のブースに空きがあるほどだ。 「まぁ午前中だしね、学生連中はそろそろ夏期講習だし」 「華凛は?」 「はて、なんのことかしらね」 どうやらサボったようだ。 「でも、これじゃ対戦相手もいませんね」 「そういう時は座っとけばいいのよ。それが対戦待ちの状態だから」 「ん」 華凛が言った通りに椅子に座り、対戦相手を待つ。一体どん... -
引きこもりと神姫:1-1
7月15日の午後12時半くらいのこと 7月15日(金) 季節は、夏。 さんさんと大地に照りつける太陽が、ちょうど真上に差し掛かるかどうかな時間。外と隔てられた部屋の中の温度は、外とは比べ物にならないくらい涼しい。フルパワーで稼働中のエアコンは、ホントに動いているのかわからないくらい、静かに部屋を涼ませてくれている。 あぁ、科学の力ってすばらしい。 「はろーっ! 今日も素敵に引き込もってるねー!」 「……ノックぐらいしてよ、不法侵入」 ついでにいうと、チャイムすら聞こえなかった気がする。 私は今まで体を預けていたベッドに別れを告げ、侵入者を見た。 普段は背中までかかっている長い髪を、頭の上でまとめてポニーテールにし、さらにはタンクトップにハーフパンツという見事なまでのサマースタイル。それでも、外から来たせいか、額にじっとりと汗をかいている。... -
引きこもりと神姫:6-3
(動いた……) 相手が笑い終わると、相手に――正確には鎧に変化がおこっていた。スカートのような部分が稼働し、大きな翼のようになったのだ。 (あれが……本気?) (たぶん、シンリーさんの調子が戻ったんだと思う……) 距離はミドル。さらに残り時間は一分と少し。ここから取れる戦法は2つ。 1つ目は後方に下がりながらボレアスで牽制する持久戦。 2つ目は真っ向から立ち向かい、相手を倒しきる短期決戦。私は……。 (エウロスとゼピュロス出して) (行くんだよね) そう、後ろに下がってもジリ貧になるだけ。ならば、立ち向かわなければならない。 (スラスターは任せた) (うん、樹羽はブースターを) お互いの役割を割り振り、身構える。相手も小剣を握り締める。その表情は、どこか活気に満ちている。 先に仕掛けたのは相手からだった。 ... -
引きこもりと神姫:4-3
そして、次第に意識は浮上していく。ぼやけた意識は、ある一点を境にはっきりする。 (ステージ『コロシアム』か……) 円形のフィールドで、障害物は天井から生えた鉄柱程度。最もポピュラーでスタンダードなステージだ。 (樹羽) シリアの声が、自分の内から響いてくる。その声に対し、私は口を使わずに返す。 (シリア、調子は?) (絶好調。油断はしないけどね) 私は自分の――神姫の体を軽く動かした。 手を握り、また開く。足を上げて、下ろす。蹴る、殴る。問題なしだ。 (武装セットお願い) (了解っと) 自分の体が光ったかと思うと、すぐに光は散った。だが、変化はある。 ヘッドガード、ショルダーガード、ブレストガード、リアテイルパーツ、リアウイングパーツ、レッグパーツ。 俗に純正装備と言われるものだ。ついでにアームガード... -
引きこもりと神姫:1-2
夏特有の熱い日射しの中、公園にさしかかった辺り。妙にツヤツヤとした華凛と、すっかりくたびれた私が歩いていた。 結局あの後、華凛に身体の隅々までいじくりまわされた。もう、ゴールしても、いいよね? 「いや~、これでまた樹羽と仲良くなれた気がするわ♪ 樹羽の顔もエロかったし♪」 「……おやじ臭い」 「いいじゃん、女の子同士なんだし♪」 「よくない」 「これで今夜のオカズには困らないわね!」 「私、美味しくない」 「大丈夫、美味しく食べるから」 「意味がわからない」 「樹羽はしらなくてもいいの! むしろ知っちゃいけないの!」 「……?」 知るな、と言われたら気にはなるが、ここは素直に引いておこう。なんだか嫌な予感がする。私は話を切り替えた。 「それで、なんの筐体が入ったの?」 「神姫のヴァーチャルバトル用の筐体だよ!」 華凛は興奮気味に... -
引きこもりと神姫:4-1
手にしたのは戦う力 7月23日(土) そして、今に至るわけである。私はソファに座った。神姫へのライドは、肉体的な疲れは無いが、精神的に疲れる。 「お疲れ様です。何かいれますよ。珈琲でいいですか?」 「カフェ・オ・レで」 「ははは、了解しました」 柏木さんが二人分のカップを持ってくる。そういえば、カフェ・オ・レを直訳すると、温い珈琲牛乳だと誰かから聞いた気がする。 うん、どうでもよかった。 「はい、カフェ・オ・レです」 ベージュ色のカップが渡される。始めから牛乳が入っており、手にちょうどいい温かさが伝わる。 「牛乳とみせかけて練乳」 「ははは、ありませんよ」 「実は豆乳」 「ありません」 「まさかの飲むヨーグルト」 「からかってますよね?」 「バレました」 私はカフェ・オ・レの入ったカップを仰いだ。ほどよ... -
引きこもりと神姫:アニメ
注意 このページは、アニメ『武装神姫』のネタバレを含みます(本編のネタバレ? も僅かに)。 お読みになる際には注意してください。 ここは場所や時間に縛られない、言わば神界領域(フリーダムスペース)。 要するに作者がアニメを見た感想やら何やらかんやらを、樹羽、シリア、華凛の3人の談話形式でつらつらと書いていく空間です。 ここでの内容は、本編とは何の関係もありません。 それを踏まえた上で、Are you ok? アニメにおけるエウクランテの立場 「最初からエウクランテ型が出てきたと思ったら完璧に噛ませ犬役でした」 「ああ、うん、確かにそうだったね……」 「いやぁ、戦い方酷かったわねぇ。ボレアスの乱射乙って感じ?」 「撃ちすぎ。集弾率が高い武器をあんなに撃ってもけん制の意味がない」 「むしろ私的にはボレアスがあんな使い方があったことに驚... -
引きこもりと神姫:9-2
(……?) (樹羽、どうしたの!?) (今、華凛の声が聞こえたような気がした) (私は聞こえなかったよ!) シリアが聞こえなかったなら、たぶん私の勘違いだろう。そんなことより今は目の前のことに集中しないと些かマズイことになる。 思考しながら短機関銃を腰だめに構え掃射する。しかし、相手のビットには当たらない。 『廃墟』のビルの間。その宙空で私はエリーゼの放つビットに追われていた。おそらくビットを先行、索敵させて自分は後からくるつもりなのだろう。 「っ……」 別のビットの攻撃をなんとかかわす。このままでは無駄弾が増えるだけだ。 (シリア、そこのビルの角2回曲がった後、振り返って) シリアに指示し、シリアがそうなるようにブースターを動かす。 少し大きなビルを旋回する形で曲がる。曲がり切ったところで姿勢制御。再び短機関銃を構える。 ... -
引きこもりと神姫:11-3
和也は躊躇した。左手で相手の体の大部分を掴んでしまっていたため、あの状況で右手で殴ることが出来るのは顔だけだった。 相手はエウクランテの姿をしているとはいえ、中身は好意を抱く先輩。自らの鉄甲が彼女の顔を物理的に潰すビジョンが頭をよぎり、寸前で止めてしまったのだ。相手が彼女でなければ、顔面だろうがなんだろうが問答無用で叩き潰すことが出来る。しかし、彼女の場合は話が別だ。 彼もこれが真剣勝負であることは理解している。だからこそ躊躇した自分が許せなかった。結果的に手を抜いたことになる。 だが、今はこれからどうするかを考えるべきだった。だからこその“勝負”だ。 和也が勝負を提案したのは理由があった。まず第一に武装があまりにも心持とない。相手はランチャーも短機関銃も持っている。こちらは防壁一つに破城鎚式強化鉄甲のみ。先程の一撃でリアパーツのみならず脚部にまで異常が発生、逃げられたら... -
引きこもりと神姫:7-1
レバー一回転+C 7月27日(水) 三回目であっても、やはり慣れないものはなれないらしい。私はこの煙草の臭いが嫌いだ。 「慣れてるあたしはもう終わってるってことかしらね?」 「そうとは言ってない」 笑いながら、今日も私はゲームセンターへとやって来ていた。昨日華凛に言われたのもそうだが、私もここで神姫バトルをするのは好きだった。私もなんだかんだ言って私も終わってるのかもしれない。 「今日もやってるわねー」 モニターには、現在プレー中のバトルが映し出されている。 今やっているのは、アーク型とミズキ型のバトルだった。ミズキは忍者のような神姫だった。鶴をイメージされているらしいが、ものすごい旧型らしい。 対するアークはトライク(三輪のバイク)になれるらしく、現在ハイウェイを疾走している。 ミズキの名前はミヤビ。そしてアークの名前は…... -
引きこもりと神姫:10-1
一番好きなのはⅧの斬鉄剣(著者の好みであって本編とは一切関係ありません) 7月30日(土) 「…………」 「おう、奇遇だな」 翌日、復帰した華凛とともにゲームセンターへと訪れた私を待っていたのは、あの宮下さんだった。確かに昨日、いい勝負が出来るかもと思ってはみたが、まさか本当に宮下さんがくるとは。 この間と変わらぬ黒いコートに鋭い視線。ここに立つだけで私は逃げ出してしまいたくなる。当然そんなことはしたくない。 私は一度だけ華凛の方を見た。私の視線に気付いた華凛は、無言で一回頷いた。 私はそこに“自信を持って頑張りなさい”と言う意味を見い出した。 私は覚悟を決めて筺体の前に座った。 「やるんだな?」 だがしかし、私の決意はその低い声だけであっけなく崩れかけた。 「やります」 一言、私ではなくシリアがそう宣言した。... -
引きこもりと神姫:10-3
意識が徐々に鮮明になっていく。どうやらまた負けてしまったらしい。 だが、不思議と嫌な感じはしなかった。全力、いや死力を尽して負けたのだから、逆に清々しい気分だ。 筐体の中から出ると、目の前に黒い影があった。顔をあげると、そこにはさっきまで対峙していた無表情がある。 「貴女方との試合、とてもよかったです。私も、楽しかった。こんな気持ちは久しぶりです」 静さんは右手を差し出してくる。私も右手を出し、無言のまま握手した。その手からは確かな暖かさが伝わってきた。 「我が主も、同じ気持ちです。主が他者との試合を楽しむのは、本当に希なことなのです」 見ると、樹羽も宮下さんと握手していた。宮下さんの表情はとても明るい。とても自然に微笑んでいる。樹羽はと言うと、私と同じでちょっと上の空と言う感じだ。 「あの、私も楽しかったです! 負けちゃったけど、すご... -
引きこもりと神姫:10-2
低空を高速で飛行する。フィールドは『丘』。見晴らしが良く、隠れられる場所はない、まさに一騎打ちには持ってこいなフィールド。そんな場所を、両手にエウロスを握り締めながら飛んでいく。今度、柏木さんのところの筺体でこのフィールドを使いたい。こんなに気持のいい丘を、おもいっきり飛んでみたい。 だが、それは今度。今は目の前に迫る相手と対峙しないといけない。 相手は刀を真正面に構えている。剣道の構えに似ている。どの角度から来ても大丈夫なようにだろう。それに対して私は左腕を前に構える。 残り8s、私は左腕を下げた。相手から見れば下から来るように見えるはず。 そして腕を振る時、私は肘から先をあげた。そして、振り下ろす。横から見れば、筆記体のLを描くようにだ。 しかしそれも、真正面に構えた刀の前には意味を成さない。すぐに対処されてしまう。 刃と刃がぶつかり合う。相手の方が力が強い。な... -
引きこもりと神姫:9-1
新たなる力を手にし 7月29日(金) 「練習相手、ですか?」 翌日の午後、私は柏木さんに一つの頼み事をしていた。 昨日の午後と今日の午前中に練習した薙刀と機関銃の成果を確認したかったのだ。 「そうですね、僕もたまにはライドしないと、体が鈍ってしまいますからね」 「そうですねぇ、店長は慢性的に運動不足ですし」 そう言ってエリーゼは腕を組んでいる。そんなエリーゼを思わずまじまじと見てしまう。 「…………」 「ん、どうしました?」 「最近驚かさないなと思って」 「ああ、店長と樹羽さんには効かないことはわかりましたから。無駄なことはしたくありません極力」 どうやらこれからは驚かさないようだ。内心では驚いていて最近それが表に出そうだと思っていたから、都合がいい。 と安心した所を驚かされるのが容易に想像できるから、あくまで気は... -
引きこもりと神姫:12-3
これで……いいわよね……? あたしはもう、十分頑張ったよね……? もう、休んでも……いいよね? “いいわけ……ないよ” ……やっぱり、不満よね。 “助けたい” 無理よ。 間に合わないわ。 “諦めないで下さい!” シリア……? “樹羽なら助けられます! だから、華凛さんも諦めないで下さい!” そっか…… 強く、なったんだね…… でも、今からじゃ間に合わないわ。 “大丈夫。 華凛が私を想う力で世界を創ったなら、私にも、世界が創れるはずだから” 樹羽…… “待ってて、絶対に助けに行くから” ほんの小さな世界でいい。一分、一秒だって構わない。 華凛を助けたい。 だから、世界を。 華凛を助けるための、世界を。 雪が降っていた。積もることの... -
引きこもりと神姫:11-2
初めて見るフィールドだ。木々が生い茂り、一見森林かと思ったが、よく見れば至る場所に人工物が露出し、廃墟よりももっと荒廃感が出た感じ。フィールド情報を見て、ようやくこのフィールドの正体がわかった。 『廃墟(未来)』らしい。人がいなくなった街の未来はこうなるようだ。ただのジャングルにしか見えないが。 問題は、空にまで草木が生い茂り、まともに飛べそうな場所が限られてしまうことだ。 相手は地を駆けるマオチャオ。こちらは空を行くエウクランテ。なるほど、ここは完璧に敵のアウェーと言う訳か。 (武装は、大剣が一本にパイルバンカーが二つ。ナックルが一つと、それに……追加のエネルギーパック9個?) (エネルギーパック?) 情報にはそれしか載っていない。一体何のエネルギーパックだろう。見た感じ、相手の武装にもエネルギーパックを使うようなものはない。もしかして、パイルバンカーの... -
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...スカ・シンカロン 引きこもりと神姫 キズナのキセキ 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 浸食機械 ゆりりね! 2015年 えむえむえす ~My marriage story~ 2014年 ぶそしき! これから!? デュアル・マインド 15cm程度の死闘 悪魔に憑かれた微駄男 Nagi the combat princess えむえむえす ~My marriage story~ 2013年 ねここの飼い方 白の女神と黒の英雄 深み填りと這上姫 キズナのキセキ 武装食堂 二アー・トゥ・ユー 2012年 美咲さんと先生 二人のマスター 類は神姫を呼ぶ 浸食機械 引きこもりと神姫 ライドオン204X フツノミタマ 白濁!? 阪高神姫部 白い英雄を喰う黒い女神 マイナスから始める初めての武装神姫 2011年 流... -
ライドオン204X・アニメ
...までだ あとユキ(引きこもりと神姫、通称引き神の作者。筆者の弟)が泣いてた 「見事なまでのかませっぷりでしたね☆」 もうバトルシーンのためだけに適当に用意されたとしか思えない 「近接武器と射撃武器をバランスよく持った、いわゆる器用貧乏なあたりが使いやすかったんでしょうね」 この仕打ちに弟者は『えうえうの勇姿が真っ先に拝めたことを素直に喜べない』といったとかそうでないとか あと『OPで期待させるだけさせといてこの仕打ちとか最早イジメの域』とも 「というか、空戦でエウクランテと互角に渡り合う主人公サイドがおかしいんです、きっと」 アンはもう安定の近接型だったな。白子砲で殴らないだけまだマシなんだが 「あれ、さらに悪化してませんか?いづな落とし的なことまでしてましたけど」 単純に考えて、空中での制動はどうあってもえうえうに... -
9月1日
...んだ。 引きこもりと神姫 END -
人と神姫と混沌としたナニカ
人と神姫と混沌としたナニカ 前書き どうも、作者のクロムと申します。この作品は、作者が書いてゆく行き当たりばったりなSSとなっています。 初めに、この作品はやむなく更新ストップする事になった前作の設定やキャラも再利用していますので同じ名前のキャラも出てきます。 あと、キャラや設定等々を借りたい御方がおりましたらどんどん使って頂いてかまいません。 ただ、キャラの死亡やこちらのシナリオに重大な影響を与えるようなのは勘弁していただきたいです。 それ以外であればコラボは大歓迎です ……心機一転頑張っていきます(汗 ※※以下、一部設定をお借りしている別作者様方の作品※※ 「Mighty Magic」 「深み填りと這上姫」 11/5 やっと…やっと……Ⅰの1投稿。 概要 人と神姫の数だけある物語、その物語の一部を、垣間見る物語………になる予定。 本文... -
氷雪 恋
【氷雪 恋】 引きこもりの小学生。両親は共働きで朝早くから夜遅くまで出かけており、友達もいない。 その孤独を埋めるために武装神姫に興味をもち、違法神姫サマエルを謎の青年から与えられる。サマエルによって半ば支配されるが、明日香によってサマエルを破壊される。 後にレンタルシンキスペースKAMIYAにてハウリン型MMS「ハテイ」と出会うことになる。 性格はおとなしくて引っ込み思案。口数も少なく、学校では常に目立たない。 ハティや静真、香織たちとの出会いを経て少しずつ変わって行くことになる。 -
前編
「あー! キャロルがアリスのコロッケ取った!」 目に悔し涙を浮かべて、両腕をぷるぷるさせるアリスに私ことスチール…じゃない、キャロルはにやりと勝ち誇った笑みを浮かべてあげます。 「弱肉強食が我が家のルールですよ?」 「勝手にルールを作らない、というかそれ僕の夕飯だし……」 私の隊長であり私たちのマスターである冴えない男が苦笑いを浮かべて「お兄ぃちゃぁぁん!」と泣き付くアリスをあやしつけます。 「隊長、神姫が食べる量なんてたかが知れているでしょう? ねずみに齧られるくらいの量を食べられたからといって文句をたれられても困ります」 神姫である私たちは食事を取る必要はないのですが、せっかく物を食べるという機能が備わっている以上、美味しいものが食べたいというのはなんら不自然な感情ではないはずです。むしろ、私たちの分のご飯を用意していないこの... -
食卓とシステムキッチンの交戦規定
「あー! キャロルがアリスのコロッケ取った!」 目に悔し涙を浮かべて、両腕をぷるぷるさせるアリスに私ことスチール…じゃない、キャロルはにやりと勝ち誇った笑みを浮かべてあげます。 「弱肉強食が我が家のルールですよ?」 「勝手にルールを作らない、というかそれ僕の夕飯だし……」 私の隊長であり私たちのマスターである冴えない男が苦笑いを浮かべて「お兄ぃちゃぁぁん!」と泣き付くアリスをあやしつけます。 「隊長、神姫が食べる量なんてたかが知れているでしょう? ねずみに齧られるくらいの量を食べられたからといって文句をたれられても困ります」 神姫である私たちは食事を取る必要はないのですが、せっかく物を食べるという機能が備わっている以上、美味しいものが食べたいというのはなんら不自然な感情ではないはずです。むしろ、私たちの分のご飯を用意していないこの... -
神姫無頼質問コーナー・第六回
第六回「私のこと、愛してますか?」 時報「どうも、時報です」 日暮「日暮です」 日暮「今回の質問は"MMSを取り巻く環境はどんな状態ですか?"」 時報「これは結構ややこしい問題ですねぇ…(MMS入門を開く)」 MMSを取り巻く環境は薄暗い。 欧米圏においてはフランシュタイン・コンプレックスが存在し、当初MMSの普及率は低かった。 しかし2031年に武装神姫が発売、翌年にバトルサービスを開始した事により爆発的にユーザーが増加した。 ただその裏では、リアルバトルの度合を超えた賭け対戦が日常的に行われており、大きな問題となっている(その年齢層は20~30代) また、違法品の中枢部取り外し用器具が流通しており、素体の"使い捨て"が頻繁に行われている。 それとは別に、近年増加するMMS犯罪に過敏に反応し排斥運動を行う過激派... -
戦うことを忘れた武装神姫・各種設定-1
戦うことを忘れた武装神姫・各種設定-1 ~久遠とその仲間たち~ 登場人物 久遠家 知り合いな人々-1 知り合いな人々-2 久遠家 久遠(ひさとお) 薄給気味の斜壊人、実年齢の1.5倍にいつも見られる20代後半。 愛車はショップ特製・絶滅しかけの2ストローク125ccスクーターと、 父から譲り受けたS社の(登場時は最新型だった)400ccモタード。 ヨツワは仕事でも使うので、ワンボックス商用軽カー。 エルガ(Erga)(猫爪) 好き:昼寝、魚肉ソーセージ 嫌い:犬(リアル犬) 属性:うにゃー シンメイ(Synmei)(吼凛) 好き:機械いじり、りんご 嫌い:怖い話(夜眠れなくなる) 属性:ツンデレ イオ(Io)(アーンヴァル) 好き:お散歩、チョコレート 嫌い:雨(... -
Gene27おまけ
Gene27の愛のふじつぼ(元ネタ判るヒトいるの?) ランちゃん:火器型ゼルノグラード 装備:BL同人誌は週三のペースで更新っちゃ~ なんかもーコレでもかってくらい社会のダニなヒモ系NEET神姫。そしてエロの伝道者(笑)仕事?バトル?マスター?てな具合に今日もパチンコとBL同人誌で主の私財を食い散らかしちゃってます(うわぁ) なおお名前の由来は、火器と言えばグレネードランチャー(偏見)→ランちゃー→ランちゃんだとか(笑) 久我さん:24歳花火師 もうランちゃんに骨の隋までしゃぶられちゃってるマスターなのにスレイブな花火師さん。でも実はM。つーかM。だってーこんな横暴をそれも神姫に許すなんて正気じゃないよねー。でも神姫買う客層考えると、圧倒的にMの比率の方が多いはずなんだからこゆヒトもっといると思うんですよー (同意を求めるな) つくも:砲台型フォートブラッグ 装備... -
Heart Locate
あらすじ 2036年、両親の離婚から人の心が信じられず、引きこもりで機械いじりだけが楽しみになってしまった少年、『僕』と、人間以上に人間らしい「心」をもった武装神姫、『ジェヴァーナ』との拳と拳で語り合う格闘話。 ……ちょっと嘘です。 まだまだはじめたばかりですが、お付きあいいただければ幸いです。 著 バーバ・ヤーガ キャラクター 本編 プロローグ 世界観説明のような第一話 世界観説明のような第二話 いきなりコラボな第三話 鋼の心 ~Eisen Herz~と、 コラボレーションさせていただいております。 今日 - 昨日 - 総合 - ”僕”の精神的未熟さと、”ジェヴァーナ”の人間らしさのある意味両極端なコンビ、面白いです。これから”僕”の成長物語になるのでしょうか? 次はバトルな予感楽... -
武装神姫のリン 鳳凰杯篇その4
武装神姫のリン 鳳凰杯篇その4 俺は"いつか"の時と同じように、だがあくまで冷静に。 リンを胸のポケットに入れてオーナーブースの扉を開けると全力疾走。 瞬く間に鶴畑大紀のオーナーブースへ。 扉を開ければ今まさにミカエルのリセットを行おうとしている鶴畑大紀の姿。 「待て、話を聞け!」 「ふん、俺のやることに口出しするな!こいつは負けたんだよ。最後のチャンスだったにもかかわらずだ。だから今ここで終わりにする。」 「待ってください!!!」 俺より大きい、そして何かすごみを感じさせるリンの声に鶴畑大紀は思わずたじろいた。 「…ええぃ」 がすぐにミカエルにつないだ端末の操作に入ろうとする、間に合わないかと思ったが急に鶴畑大紀の動きが止まった その視線の先にあるのは…ミカエルの瞳に浮かぶ大粒の涙だった。 「マスター、ごめん... -
ウサギのナミダ・番外編 「少女と神姫と初恋と」その2
ウサギのナミダ・番外編 少女と神姫と初恋と その2 ◆ 美緒は不安で沈んだ気持ちのまま、待ち合わせのM駅に降りたった。 彼と最寄り駅で待ち合わせ。 彼の家に初めてのお呼ばれ。……理由が何であっても。 心の準備が整う間もなく、放課後はやってきて、あわただしく下校して、家で大急ぎで私服に着替え、最速で身支度を整えて、パティと神姫の装備とメンテナンス用具が入っているカバンをひっつかみ、そのまま自宅を飛び出した。 肩まで掛かる髪を撫でつけながら、思う。 もっと気の利いたおしゃれができるように、なっていればよかった。 梨々香の言うことをもっと聞いていれば、こんなときに困ることもなかっただろうか。 美緒は正直に言って、おしゃれが苦手だった。 きれいな容姿や可愛い格好には、人並みに興味はある。 だが、ファッション誌に載っている... -
あるオーナーと神姫
「見事に10連敗か」 「アンタのせいだ!! アンタのセッティングが悪いからだ!!」 とある神姫センターでの光景、俺の前で悪魔型が吼えている。 バトルを始めて一月、未だ一勝も出来ずにいる。ドローもなしの全敗でだ。 「なら聞くが」 「何よ?」 「短剣も駄目、剣も駄目、槍も駄目、斧も駄目、ナックルも駄目、大剣も駄目、ランチャーも駄目、機関銃も駄目、小銃も駄目、投刃も駄目、投擲も駄目、素手での格闘も話にならない。一番マシな短銃でも駄目。力に定評のある素体なのに力も弱い、命中は悪い、機動は低い、防御も紙、回避は0点でも勿体無い程度。どないせー言うねん」 「それを考えるのがオーナーの仕事でしょう!ボクのせいにするな!」 更に言うなら指示にも従わない上にトレーニングもしないでよく言うものだ。正にお手上げ。 話す気にもならなくなったので取敢えず帰るとしよう。 自宅にて鞄を放り出し... - @wiki全体から「引きこもりと神姫」で調べる