読書感想しりとりリレー2006@Wiki内検索 / 「「ナラタージュ」(島本理生)」で検索した結果
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「ナラタージュ」(島本理生)
ナラタージュ -
走行履歴
... 幸太郎) /竹田 「ナラタージュ」(島本理生) /マサトク 「砂の女」(安部公房) /if 「ダンス・ダンス・ダンス」(村上春樹) /若林 「スリーピング・マーダー」 (アガサ・クリスティ) /橋立 「チョコレートコスモス」 (恩田陸) /ささき 「なぜか同じ失敗を繰り返してしまう人たち」(芦原 睦)? /あちゃぞう 「闇から生まれた女」(F・ポール・ウィルソン) /アンダー 「緑の我が家」 (小野 不由美)? /和泉 「ルー=ガルー 忌避すべき狼」 (京極 夏彦) /なりた 「超々難問数理パズル」 (芦ヶ原 伸之) /本条 「たのしい わるくち」 (酒井 順子) /竹田 「哲学の味わい方」(竹田青嗣・西研)?/マサトク 「扉を開けて」(新井素子)/if 「鈍い球音」(天童真) /若林 「つめたいよるに」(江國香織) /橋立 「少年たちの密室」(古処誠二) /ささき 「ネットゲ... -
「チョコレートコスモス」 (恩田陸)
チョコレートコスモス 「脱メフィスト!」という(救い難い)目標を胸に、挑んだ今回。「ち」のお題で選んだのは恩田陸の『チョコレートコスモス』である。 伝説的映画プロデューサの新作に登場するのは二人の女性のみ。そのたった二つの席を巡る、女優たちのドラマ。 恩田作品にはたびたび劇中作が登場する。筆者の演劇に対する嗜好の深さが窺えるのだが、「演劇」自体を題材とする作品は本作が初めて。満を持して、といったところだろう。 明らかに『ガラスの仮面』へのオマージュなのだが、完全にスペクタクルが不足している。読者に『ガラスの仮面』をイメージさせる以上、もっと突き抜けたものが欲しかったところ。 物語自体もトリッキーなオーディション課題に対する、女優たちの平成とんち合戦ぽんぽこで話が終始している印象。一番書きたかった部分だろうし、一番楽しく書いていたで... -
「砂の女」(安部公房)
砂の女 (新潮文庫) 高校生の頃の私の読書生活には、過渡期が訪れていた。それまでSFが好きでハヤカワ文庫ばかり買っていたのに、思春期にありがちな中二病に罹ったせいで、「ブンガク」の世界へ興味を抱きだした。エンターテイメント小説をくだらないと切り捨て、その割りに無理して買ってみた文学全集は数ページで眠くなって挫折したり、我ながら馬鹿な生徒だった。 そんな時に、何の違和感もなくスムーズに、自分をSFから文学の世界へ連れていってくれたのが、本著である。 安部公房さんは実際にバリバリのSFもたくさん書いているし、本書の設定もややSF風味である。しかし、ただそれだけの理由でSFと文学を繋いでくれたと言っているわけではない。 安部公房の作品は両者とも、非日常的な出来事が起こり、それに対処していくという点では変わらない。違うのは、その非日常が何によって作り出されたか... -
「扉を開けて」(新井素子)
扉を開けて (コバルト文庫) ファンタジー小説、というのが苦手なのです。 どうも、自分と関わりのない世界の話だと感情移入が出来ないみたいで。現世とつながってない世界の歴史とかを語られても興味を抱くことは少ないし、そんな世界で国盗りしようがどうでもいいし、剣とか魔法とか自分が使えないアイテムでどうにかされてもどうにもならないし、みたいな。 で、本作なんですけど、簡単に説明しますと、架空の世界に迷い込んだ主人公が、剣や魔法を使って国盗りをするお話です。これ以上ないくらいビンゴで駄目な点を突いているのに、なぜか読んでいて全然退屈しないで、むしろ大変面白く一気に読んでしまいました。 それは、どこまでもミクロな視点で描かれているからなのだと思います。あくまで1人1人の登場人物が何を思い、どう考えて行動し、個人的な問題にどのように立ち向かって解決していくか... -
「快楽は重箱のスミに」 (酒井順子)
快楽は重箱のスミに (幻冬舎文庫) 酒井順子さんと言えば、負け犬の遠吠え効果のせいで、いわゆるオンナの立場から社会を斬ったつもりになっている系みたいな変なイメージがついてしまいましたが、彼女の普段の作品は意外にもまっとうなエッセイが多いです。 このまっとう感はどこから来るのだろうと考えてみると、どうも「○○な時」「○○なもの」を列挙していくような全体の構成が枕草子に似ているんですね。枕草子の1章をむりやり本1冊に引き延ばしたような作品、とでも言いましょうか。「煩悩カフェ」(幻冬舎文庫)ならさしずめ「心塵覚ゆるとき」、「ホメるが勝ち! 」(講談社文庫)は「あへてあはれがるとき」 ……つーかよく見たらこの人、「枕草子REMIX」(新潮社)なんて本を書いてたー! ガチだったー! まあ、1章分の内容を1冊に引き延ばしてるぶん、もちろん内容も薄いわけですが、「あー、あ... -
「メグレ罠を張る」 (ジョルジュ・シムノン)
メグレ罠を張る (ハヤカワ・ミステリ文庫 16-1) 皆様こんばんわ。 「読書感想しりとりリレー2006」、申し訳ないです。今回は遅くなってしまいました。 出張やら何やらいろいろあったのも確かなんですが、全て言い訳です。この先もある種の言い訳で続けさせていただきます。 「MYSCON7」というイベントに性懲りもなく参加することになりました。 その名の通り、ミステリが好きな方が集まって喋ったりイベントしたりするものです。 昨年、ちょっとしたはずみで参加してみてなかなか楽しかったのですが、自分はそんなミステリ者ではないという事を思い知りそれが辛かったです。当然、参加前から自覚はあったのですが………。 会場でいろいろな方のお話を伺いましたが、「いやーなんでまたそんなに読んでいるの?」というぐらいの人がわんさかいらっしゃいました。 読書って孤独な作業... -
「リンドキストの箱舟」(執筆中です)(アン・ハラム)
リンドキストの箱舟 皆様こんばんわ。「読書感想しりとりリレー2006」のお時間がやってまいりました。一週間超遅れてしまった事はもうお詫びのしようもありません。何とかお題だけは規定日に回したし本も読んだのですが感想がなかなか。 先日参加したmixiの読書会が楽しくてその反面、自分の未熟さにショックを受けまして………あ、また言い訳ですね。 この「読書感想しりとりリレー2006」では断固、海外もの主義!という事で海外作品以外は紹介しないことにしております。それで今回が「り」でして、また迷った挙句、決めさせていただきました。 ハードカバーの、しかもファンタジーを読むなんて久しぶりだなぁと思ってしまいましたが、子供の頃からたどって考えると、もともとはファンタジー作品好きだったのです。読むものがわからなくなってきて、今ではファンタジーのほか、ホラー、SF、ミステリなど乱読状... -
「リアルワールド」(桐野 夏生)
●「リアルワールド」桐野夏生 本作を読んで、なんとなく思い出したのが、綿矢りさの「蹴りたい背中」である。 「蹴りたい背中」の主人公ハツは、クラスメイトたちの上辺だけの友達ごっこにウンザリして、端からクラスに馴染もうとしないオタク少年の生き方に救いを見出そうとしていたが、本作の主人王であるトシやキラリンたちが救いを見出そうとした少年は、オタクどころの話じゃない。下着ドロボウの覗き犯の親殺しという、正真正銘の犯罪者である。彼の逃亡を手助けすることで、社会に対する優越感を抱いていたキラリンたちは、「蹴りたい背中」のハツに比べるとまた一段と男の趣味が悪い(w 物語の前半では、友達と遊んだり勉強したりという「リアルワールド」と、フィクションの如き少年の逃走劇という対比の構造があったはずなのに、話が進むにつれ、普段の生活のほうが幾層もの欺瞞で固められたフィクションだったことが露見して... -
「海のある奈良に死す」 (有栖川有栖)
読書感想しりとりリレー、昨年に引き続き、今年も参加することになりました。 昨年のうちに「う」のストックをすっかり使い果たした、今年最初の選書は「海のある奈良に死す」(有栖川有栖)。 作者の有栖川有栖は「学生アリス」と「作家アリス」の2シリーズで有名です。この作品は「作家アリス」シリーズに属するものです。 作者と登場人物の名前が同じであるというのは、エラリー・クイーンの流れだそうなのですが、正直なところ、自意識過剰に見えてしまって今まで食わず嫌いでした。 今回はなにやら意味ありげなタイトルに引かれて購入してみましたたが、地理には疎い私には、そもそも奈良に海があるのかないのかそれすらわからない、で、早速インターネットで検索をしてみたところ、あっさり「海のある奈良」なる言葉がさす地名を発見してしまいました(ちなみに現在の奈良県に海はないそうです。海なし県) てっ... -
2006年1月
1月27日(金) 【ささき】 有栖川とともにクイーンの影響を色濃く受けているのは法月綸太郎だが、有栖川が国名シリーズのタイトルをパクっ…オマージュしているのに対して、法月は悲劇と冒険・新冒険を使っている。なんか二人の間に取り決めでもあるのだろうか? アンダーさん お褒めの言葉ありがとうございます。たくさんランナーがいるから、ひとりぐらいはみ出し気味でもよかろうという精神で、これからも楽しんでいただけるものを書ければと思います。 本条さん あちゃぞうさんに進捗伺いのメールを出して、それに返信をしていただきました。 なんかあらためて送っていただいたメールも届いていないみたいなのですが・・・・・・。あれ? もしかして僕がお伝えした時点で間違ってたのかしら? gmailでアカウントamaikoiです。 あと被り対策は2がよかろうと思います... -
「ストームブレイカー」 (アンソニー・ホロヴィッツ)
感想今日アップだと思っていたら昨日ですか!というわけでちょっと遅刻、ではなくていきなり勘違いしてあわてて書いている、といういいかげんな奴ですごめんなさい。いい加減ついでにタイトルについて言い訳しておきますと、「女王陛下の少年スパイ アレックス!」×2についてはシリーズ名ということで省略、という解釈を致しました。だってほら、背表紙には「ストームブレイカー」しか書いていないし。 しかしこの本の積ん読期間は長かった。単純に荒木飛呂彦関係ということで表紙買いしたのですが、実に3年半も詰まれていたという、個人的には「積ん読」という情けない習慣が始まったきっかけの本でもあったりしたわけで。 で、まあそろそろ内容に入ってどういうシリーズなのか説明しますと、第一巻の本作では14歳(先は知らない)が少年が主人公の007みたいな話なんですが、テイストとしては昔読んだアルセーヌ・ルパンなんかに非... -
「ドクター・ブラッドマネー」 (フィリップ・K・ディック)
ドクター・ブラッドマネー―博士の血の贖い― (創元SF文庫) 遅れましたが、今回は「ど」ということでフィリップ・K・ディックの「ドクター・ブラッドマネー」を読んでみました。 SFはたぶん好きなんだけれど、実は(?)あまり読んでいないので造詣がまったく深くなかったりします。ディックは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」だけ読んだことがある。 「ドクター・ブラッドマネー」はいわゆる核戦争物で、舞台は1981年。これが書かれたのが1963年ということなので、書かれたときには近未来世界、でも今読むと起こらなかった過去の世界で、いきなり読み始めるとけっこう違和感があります。テクノロジーの発達具合が微妙。1963年当時の(ディックの)未来のイメージはこうだったのだなーと楽しめる部分でもありますが。 核戦争自体の描写は割とあっさり終わり、主眼は核戦争後の世界の描写に置かれ... -
「超・殺人事件 -推理作家の苦悩-」 (東野圭吾)
超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫) あちゃぞうさんから「ち」で回ってきた時に、最初に読もうとしたのは『チーム・バチスタの栄光』だった。第4回このミステリーがすごい大賞受賞作だ。ただ、この作品の刊行は1/21。お題が回ってきた時点では出ていない。1/23の感想アップには十分時間があるものの、次走者の橋立さんへのお題メール締め切りはとうに過ぎている。困った。ああ困った。 とりあえずルールを見る。「未刊行のお題はふっちゃ駄目! もーぷんぷん!」とは書いていないのでルール的には問題ないようだ。(よんしば書いてあったとしても、僕の知る限りでだが、本条さんはさとう珠緒ではないはずなので「ぷんぷん!」とは書かないだろう)。 では、こうしたらどうだろうか? 橋立さんには『チーム・バチスタの栄光』とともに同じ「ち」で始まり「う」で終わる別作品を保険として伝えておく... -
この企画について
企画の概要/期間/ルール/代走について/バナー 企画の概要 本のタイトルでしりとりをしながら、参加メンバー(固定制)が3日ごとに本の感想をアップしていく企画です。 期間 2006年1月1日(日)~12月31日(日) (予定) メンバーの都合等により、早めに終了したり、途中でメンバーが入れ替わったりする可能性もあります。 ルール しりとりのルールは以下の通りとします。 末尾が濁音・半濁音 できればそのままで! 例:「ふしぎ遊戯(ぎ)」→「(ぎ)偽造の手口」 ○ 例:「封神演義(ぎ)」→「(き)きみとぼくの壊れた世界」 △ 末尾が拗音 そのままで! 例:「幽☆遊☆白書(しょ)」 →「(しょ)ショムニ」 ○ 例:「ハローウィン・パーティ(てぃ)」→「(て)テノヒラタンカ」 × 例:「スパイラル・オーヴァ(う゛ぁ)」→「(う゛... -
「リンドキストの箱舟」(アン・ハラム)
リンドキストの箱舟 皆様こんばんわ。「読書感想しりとりリレー2006」のお時間がやってまいりました。一週間超遅れてしまった事はもうお詫びのしようもありません。何とかお題だけは規定日に回したし本も読んだのですが感想がなかなか。 先日参加したmixiの読書会が楽しくてその反面、自分の未熟さにショックを受けまして………あ、また言い訳ですね。 この「読書感想しりとりリレー2006」では断固、海外もの主義!という事で海外作品以外は紹介しないことにしております。それで今回が「り」でして、また迷った挙句、決めさせていただきました。 ハードカバーの、しかもファンタジーを読むなんて久しぶりだなぁと思ってしまいましたが、子供の頃からたどって考えると、もともとはファンタジー作品好きだったのです。読むものがわからなくなってきて、今ではファンタジーのほか、ホラー、SF、ミステリなど乱読状... -
お試しページ1
以下はボタンの一覧です。それぞれを押すとこんな風になる。(「HTML」は、HTML構文をwiki構文に変換するツールなので、実際に試すよろし) 大見出し 中見出し テーブルは 縦棒で くぎります 半角 で始めると引用文になります。 リスト リンク名? コメントを書き込んでみるテスト。 -- 本条 (2006-01-05 22 21 11) DIV class=wiki TABLE class=wiki cellSpacing=2 cellPadding=3 TBODY TR class=wiki TD class=wiki style="LEFT 222px; WIDTH 560px; POSITION absolute; TOP -3px; BACKGROUND-COLOR tran... -
「闇から生まれた女」(F・ポール・ウィルソン)
闇から生まれた女〈上〉 (扶桑社ミステリー) 皆様こんばんわ。 毎度毎度、遅れのお詫びを書くのもどうかと思っているのですが、今回はあまりにぶっ放し過ぎました。申し訳ないです。 毎度のご挨拶です。この「読書感想しりとりリレー2006」では海外もの主義という事で海外作品のみを紹介させていただいております。今回は「や」で来て一瞬、迷ったのですが「闇」で始まる作品って結構、多いものですね。 さて今回は私の好きな作家の一人、F・ポール・ウィルソンであります。 となると、新刊も出たばかりだし「始末屋ジャック」シリーズ………といきたい所なのですが、諸事情ありまして今作を選ばせて頂きました。 F・ポール・ウィルソンについて簡単に紹介させていただきます。1946年ニュージャージー生まれ。医者(家庭医)を開業しつつ、作家として活躍中。日本でもファンが多く、邦訳がいろ... -
2006年7月
8月7日(月) 【アンダー】 あれ、月をまたいだときは別に書いたほうがいいのかな。 そんな訳で、また豪快に遅れていますけど、出張中に何とかしたいです。申し訳ないです。 7月28日(金) 【アンダー】 明日と勘違いしていて遅くなりましたけど、あちゃぞうさんにお題のMAILを送りました。また難しいのを送っちゃった!と思ってよくよく考えたらそうでもないかな? >なりた様 今回も新刊ではないんですが、新刊に絡めて頑張って考えました………というのはちょいウソで、手伝ってもらっておりますけどね。 スティーヴン・ミルハウザーの感想は未だに「こうすればよかったか? いやそれとも?」と悩んでいた感想だったので本当に救われました。 7月27日(木) 【なりた】 アンダーさんは海外モノというしばりを設けてらっしゃるので、特に大変そう... -
「Uの世界」 (神林 長平)
htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 竹田さんの「with you」の次は、「う」で行くべきか「ゆー」で行くべきか…「上と外」(恩田陸)は 読みたいけど全6巻だし、同氏の「ユージニア」は まだ文庫落ちしてないから高い…いっそ「YU-NO」のノベライズにするか!(いやあれは「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」だからダメだ)…などと軽く悩んだ結果、いろいろ放棄して「u」から始まるタイトルの 全然知らない本をチョイスしてみました。 ちなみに「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」は超絶おすすめゲームなので、機会があったら是非。…18禁だけど。PC98版とセガサターン版しかないけど。 閑話休題。 この作品「Uの世界」は、6話の短編が収録された連作短編集です。 各物語の主人公は、それぞれ「優子」「祐... -
「月に繭 地には果実」(福井晴敏)
月に繭地には果実―From called “∀”Gundam 福井晴敏と言えば、『亡国のイージス』で日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞の3賞を受賞して一躍その名を世間に知らしめた。そしてその2年後、『亡国のイージス』の記憶冷めやらぬうちに、『終戦のローレライ』を発表すると、これも吉川英治文学賞新人賞・日本冒険小説協会大賞を受賞したことで彼の作家としての勢いはさらに増すことになる。 両作品の映画化や、それに伴う文庫の好セールス、自身のファンサイトの管理人を嫁にするなど、いろいろな意味で目を見張る氏の活躍は皆さんもご存知のことかと思う。 この作品は『亡国の~』と『終戦の~』の間に文庫3巻組で発表された作品を1冊にまとめてハードカバーで出版したものであり、富野信者としても有名(あと高村薫も好きらしいので、作中のアレはガチ)な筆者が(おおよ... -
「うらおもて人生録」 (色川 武大)
うらおもて人生録 (新潮文庫) 著者の色川武大は、阿佐田哲也という別名のほうが有名かもしれない。そちらの名義で『麻雀放浪記』のヒットを出した、ばくちエンターテイメント業界(?)では神さまのような人だ。 中学を停学になってそのまま辞めてしまい、ちょうど日本は敗戦。これからどうやって生きようと思った著者が選んだ道は、賭博。そんな…と思うけれど、著者本人は劣等生だったから、まともに仕事をしてやっていけるとは考えてなくて、これならと思えるのが賭博だったのだとか。 そんな著者が週刊誌に連載した、人生を勝負にたとえて劣等生の子供に語る本。と聞くと、殺伐としたゴロツキが勝負の厳しさについて、九割自慢でガキを煽る、みたいなイメージを持つ人がいるかもしれない(いないか)。まず、引用で雰囲気だけでもつかんでもらいたい。先にいっとくけどすごく優しいから。 最初の章から、各段落の始めの... -
「イン・ザ・ペニー・アーケード」 (スティーヴン・ミルハウザー)
イン・ザ・ペニー・アーケード (白水Uブックス―海外小説の誘惑) 皆様こんばんわ。海外小説担当のアンダーです。 「読書感想しりとりリレー2006」のお時間がやってまいりました。本来は水曜アップのところ、またまた遅くなりまして申し訳ないです。別に待っていた訳じゃねぇや、と言われるかもしれませんがそこはそれ、しりとりリレーなのでつかえると後が大変でして。 突然ですが「MYSCON7」参加の皆様、お疲れ様でした。この企画でさんざん海外だ海外だと言っておいて海外もの企画の方に参加せずに読書会の方に参加したポリシーのかけらもない人間です。今度5/3に「SFセミナー」というイベントがありますのでそこでは一応………と思っていますが、他の皆様の圧倒的な読書量に圧されて何も言えなくなっている事でしょう。あ、昼間にワールドコン2007の登録申し込みなどやっているかもしれませんので、是非こ... -
2006年6月
6月29日(木) 【アンダー】 ち、ちくしょうこんな文字回しやがって!wというのが来ましたが、何とか回してあちゃぞうさんに昨日、MAILしました。ああ感想アップは何とか間に合わせたい。そしてmixiの読書会の方もちゃんとやりたい。そしてそしてアニメも週にXX本ちゃんと観るぞー。 6月26日(月) 【なりた】 読んだ本のなかに当てはまるのがあるだけでもすごいですね。 感想アップしました。 6月23日(金) 【本条】 私が読んだ本の中で当てはまるのは「ルドルフともだちひとりだち」だけかしら…。 amazonで「る」から始まる単語をてきとーに検索していたら、「ルール違反も恋のうち」というのが引っかかりました。「これか!?」と思って詳細画面をみたら、ボーイズラブ小説でした。…これか!? 6月22日(木) 【橋立】 「る」で始まって「ち」で終わるのが、み... -
「キング・コング」 (エドガー・ウォレス他)
キング・コング (ハヤカワ文庫NV) キング・コング (創元推理文庫) 皆様こんばんわ。 いよいよ「読書感想しりとりリレー2006」が始まりました。第四走者をつとめさせていただきます。身震いする思いです。 昨年のとりとりリレー忘年会の時に「長い」というご指摘を受けたのですが、今年も変わらず同じような調子・同じようなペース・同じようなカラーで書かせていただく点につきましては、ひらにご容赦願います。 一月も半ばを過ぎまして新年早々にという事でもないのですが、口上から入らせていただきます。「読書感想しりとりリレー2006」におきまして、昨年に引き続き海外作品を担当させていただきます。日本の作品は一切、紹介いたしません。日本の作品が嫌いという訳ではないのですが、海外作品の奇想・異観を皆さんにも是非、味わっていただきたい………いや、それよりも味わっている所を観ていただき... -
記事の追加・編集について
編集方法について 「掲示板」以外は、リレーメンバーのみが書き込み・編集できる設定となっています。 まず、画面右上の「ログイン」をクリックします。 ユーザ名とパスワードを入力して下さい。 編集したいページを表示させて(左メニュー等からジャンプ)、枠の右上(タイトル写真バーの右下)の「このページを編集する」をクリックします。 ボックス内に、記事を書き足したり修正したりします。 右下の「投稿」をクリックすれば、編集完了です。「タイムスタンプを更新しない」や「更新情報を宣伝する(Ping)」のチェックは、特にこだわりがなければそのままでオウケイです。 記事内容を確認したい場合は、「投稿」の前に「プレビュー」をクリックしてください。「プレビュー」して問題がなければ「投稿」を、何か問題があればそのまま更に編集作業を続けたあと「投稿」または「プレビュー」をクリックします。 「プレビュー」... -
「うま味の誕生」 (柳田 友道)
うま味の誕生 発酵食品物語 (岩波新書) 去年末にhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。――“菌類(が擬人化されたもの)を肉眼で見ることができる”という特殊能力を持つ主人公、およびその友人たちの農大キャンパスライフを描いた作品)――を読んで以来、「発酵」や「醸造」といったものへの好奇心が高まりつつあったので、こりゃちょうどいいや、と手に取ってみました。 普段あまり手に取る機会がない「岩波新書」ということで、難しい化学変化式などが羅列してあったらどうしよう…と少し身構えながらページを捲ってみたのですが、幸いこれはそういう本ではなく、「雑学物語」と「歴史物語」を足して2で割ったようなテイストで 「発酵」の仕組み 発酵食品(酒・茶・漬物・チーズなど)の歴史 それらの世界分布図と考察 様々な発酵食品につ... -
「リモコン症候群(シンドローム)」 (泉 麻人)
リモコン症候群(シンドローム) (文春文庫) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 「よみかたは“まじん”じゃなかった気がする」「メガネをかけてた気がする」「コラムニストっぽい人だったかも」程度の認識で、なんとなく手に取った「リモコン症候群(シンドローム)」(泉麻人)。いい機会なので、ちょっと泉さんについて調べてみることにします。 →htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 →htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 …ふむ。(メガネはかけていなかった... -
「むかし僕が死んだ家」 (東野 圭吾)
「かまいたちの夜」というゲームがある(→htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。)。我孫子武丸氏が脚本を手がけ、チュンソフトが世に送り出したこの作品は、吹雪に閉ざされた山荘で殺人事件を目の当たりにした主人公たちが、真相を求めて試行錯誤するミステリノベルゲームなのだが、とりあえず今回の「むかし僕が死んだ家」にはあまり関係ない。ただ、来月発売予定の続編htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。が猛烈に楽しみだ!…が、来月はhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。も発売予定だし お財布が大変だなぁ、という主張がしたかっただけだ。 …というのは半分冗談で、今回チョイスした「むかし僕が死んだ家... -
「ラグナロク洞 -“あかずの扉”研究会影郎沼へ- 」 (霧舎巧)
ラグナロク洞―「あかずの扉」研究会 影郎沼へ (講談社ノベルス) 霧舎巧を僕は"タクミン"と呼ぶ。 嘘。呼ばない。もちろん藤原伊織のことも"イオリン"とは呼ばないが、佐藤友哉は"ユヤタン"と呼ぶかもしれない。"なっち"といえば安部ではなく京極だし、"辻ちゃん"は辻真先に決まっている。これはミステリ読みにとっては常識と言えることである。知らねば恥ずべきことだが、人に言ったらもっと恥ずかしいことになると思うので、口外するのはお勧めしない。 さて、冒頭の挨拶(挨拶だったんだ)は、これくらいにして作品の感想に入りたいと思う。 本作は筆者のデビュー作から続く「あかずの扉研究会」シリーズの三作目にあたる作品である。全編に漂うラブコメ臭と霧舎学園シリーズの扉... -
「ゲームの名は誘拐」 (東野圭吾)
敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城の娘と出会う。“ゲームの達人”を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使し、身代金三億円の奪取を狙う。犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー。 東野圭吾の作品は、私にとってあたりはずれがあるらしく、面白いと感じる本とつまらないと感じる本ときっぱり別れます。 これをお題の本を読む前に買った「レイクサイドホテル」は 私的にどこが面白いのかよくわからなかった一冊でした。 さて、冒頭にあらすじをいれたので割愛しますが、 偽装誘拐が成功し、無事3億円を手に入れた後、この話の山場が訪れます。 葛城の娘-樹里-が殺害されたあたりからあれよあれよと状況が変わって行きます。 前半、色... -
「タスケテ…」(島村 洋子)
カリスマアイドル・橘リリカには、ある秘密があった。そんな彼女の周辺で、いつからか不気味な現象が続出し…? 3つの視点――リリカの視点、リリカが立ち寄ったペットショップ店員の視点、そして過去にリリカを取材したことがあるライターの視点が交錯しながら、次第に すべての発端となったある事件が明らかになる、サイコホラーです。 彼女の作品は、今までにエッセイを2冊読んだことがあります。1冊目は、恋愛論を綴った「好きで、たまらない」、2冊目は、色々な不思議体験(例:霊能者に見て貰う、など)のレポートなどで構成された「不思議な体験、したかった。」という作品。どちらも高校時代に読んだので記憶がやや曖昧ですが、それぞれ とてもおもしろかったような印象があります。 そして、今回の「タスケテ…」。サイコホラー…とのことなのですが、幸か不幸か 恐怖シーンはイマイチな気がします。次々に起きる“現象”... -
「つめたいよるに」(江國香織)
つめたいよるに (新潮文庫) ささきさんからのお題が「つ」ということで、次はあれがくるだろうと予想していた方、期待を裏切ってすみません。ほんとのことを言うと、結構迷ったのですが、あえて今回は別の作者の本を選んで見ました。 この新潮文庫版の「つめたいよるに」には、短編集「つめたいよるに」と「温かなお皿」の二つがあわせて収録されています。 文庫で200ページほど、その中に21篇もの短編が収められているわけですから、1話あたりは10ページ足らずということになります。どの話も淡々としていて、特に起伏や印象的ば場面があるわけではないけれど、読み終わったあとに、ああいい話を読んだなあ、という気持ちになれます。 特に「桃子」「夜の子どもたち」「スイート・ラバーズ」「藤島さんが来る日」「冬の日、防衛庁にて」「とくべつな早朝」は秀逸です(好みの傾向がわかりやすいな、これじゃ) ... -
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「死のロングウォーク」 (スティーヴン・キング)
バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー) 皆様こんばんわ。 何と言っていいものか………数日前からこれの内容を考えていたんですけど、まさかこういう日に書くことになるとは思っていませんでした。いや、これは個人的な感傷でありまして、読んで下さっている皆様には関係のない事ではあります。 さて、改めていつもの調子に戻って書かせていただきますと、「読書感想しりとりリレー2006」のお時間がやってまいりました。今回、和泉さんから「し」でお題を頂きました。 しりとりなので何が来るか解らないという楽しみがありますが、今回はほっとしたような………「シ」もそうですけど、「ク」とか割と好みです。 そこで今回は「いやいやそんな直球な」「でも次に同じお題が来るかどうか解らないし」と脳内会議の末に決定したS・キングの『死のロングウォーク』に決まりました。 もは... -
「むかしの味」 (池波 正太郎)
むかしの味 (新潮文庫) 正月、久しぶりの友達と携帯のメールをやりとりしていたとき、最近読んだ本のことが話題になった。ぼくが池波正太郎の名をあげると、相手はすぐ「読んだことはないけど、出てくる食べものの描写が旨そうらしいね」と返してきた。そうなのだ。前日、本屋で「む」で始まる池波の本作を見つけたとき、ぼくも「読んだことないけど食べものが…」と思ったのだった(ダビンチとかで見たのだろうか)。しかもタイトルは『むかしの味』。きっと旨いにちがいない。 さて、本を開いてみると、最初に料理のカラー写真が載せられた数ページがあり、次の「はじめに」のところにはこう書いてあった。「もともと、この本は、いわゆるhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。の本ではない。私の過去の生活と思い出がむすびついている食べものや店のことを語... -
「実録鬼嫁日記」 (カズマ)
話題になったのでお知りの方も多いと思いますが。 本書は「虐げられる夫」がストレスの捌け口として日々の嫁の有様を綴ったものが書籍化されたものです。 観月ありさとゴリ主演でテレビ番組でもつい年末までやってましたね。 内容としては、日記風の文章、イラスト、鬼嫁語録が主ですが、 レイアウトがイケてません。 結構ページ数が有りますが、正直この半分でもよかったのではと思うほど文字が少なくスカスカ感が強いです。 ちょっとがっかり。 鬼嫁と言うだけあって、嫁さんの行動から言動から徹底的です。 また、耐えて従う夫に尊敬すら感じます。 自分に置き換えるとそこまで徹底してはできないかなぁ。 これも一つの夫婦愛なのかもしれません。 私ももっと屁理屈やワガママを言えるようになりたい。 面白いけれど、身になる内容がないに等しいので暇つぶしに読むことをオススメします。 -
「天文台日記」(石田 五郎)
天文台日記 (中公文庫BIBLIO) ぼくが子供のころ、うちの父親は自分が自然を相手に仕事をしていたからか、ぼくにも自然に対する興味を持たせたかったようで、キャンプや釣りなどアウトドアな遊びによく連れ出そうとしていた。子供が使うには過ぎるくらい上等な天体望遠鏡を買い与えたのも、その一環だったのだろう。何度か家のベランダから月のクレーターや火星を見た覚えがある。けれど、ぼくは漫画やゲームが好きで、そちらにばかり関心が向き、父に誘われずに自分から望遠鏡を覗くことは結局なかった。そのうち、望遠鏡は、片付け好きの母がリサイクルに出したかなにかで処分されてしまった。 もし今あの望遠鏡が手元にあったら、ちょくちょく覗いてみたりするだろうか、と本書を読みながら思った。天文台での日々を綴ったこの日記には、夜通しで天体観測をする天文学者たちの姿がある。真っ暗な観測室のなかで、狙う星に焦点を定め... -
「世界の中心で愛を叫んだけもの」 (ハーラン・エリスン)
世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1) 皆様こんばんわ。 「読書感想しりとりリレー2006」も二順目に入りました。駅伝なら第一区、といった所で各走者様子を見て………と言いたい所ですが、皆さんの取り上げる本、感想に対して唸らずにはおれません。 さて前回は『キング・コング』で新レーススタートという事でいささか力が入りすぎ冗長になってしまったな、と思ったので今回は短くします。 「読書感想しりとりリレー2006」の中では唯一、海外小説を担当させていただいております。海外小説といってもどうしても英語圏が多くなってしまいますが、日本の作品にはない味わいを紹介して、たまにはそういうものも読んでみようかと思っていただければ幸いです。 乙一『暗いところで待ち合わせ』というタイトルで来たので、お題は「せ」。「それは解るけど、それでいいのか?」と取り上げるま... -
「イブのおくれ毛」 (田辺 聖子)
イブのおくれ毛 (ベスト・オブ・女の長風呂) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 後れ毛というと、女の人が髪をまとめて、そこから少しこぼれてほつれた幾筋かの毛のことを指し、ぼくはあまりピンとこないのだが、人によっては色気を感じるポイントなのだとか。さて、その「おくれ毛」をタイトルに含む、「おせいさん」こと田辺聖子のこの本は、色、をテーマにしたエッセイ集である。「ベスト・オブ・女の長風呂」というシリーズ名がまたいい。最近、歳のせいか、カタカナの「オブ」しかも後に中黒(・)が付いているのをみると、「ジョイトイ」と続けるしかないという強迫観念につきまとわれているのだが、それもまた色に遠からじ。 さておき、今回の課題図書を選ぶ段、図書館をうろついていると、まずこのシリーズ名が目に入り、なんだと思って見ればその... -
「イブの後れ毛」 (田辺 聖子)
イブのおくれ毛 (ベスト・オブ・女の長風呂) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 後れ毛というと、女の人が髪をまとめて、そこから少しこぼれてほつれた幾筋かの毛のことを指し、ぼくはあまりピンとこないのだが、人によっては色気を感じるポイントなのだとか。さて、その「おくれ毛」をタイトルに含む、「おせいさん」こと田辺聖子のこの本は、色、をテーマにしたエッセイ集である。「ベスト・オブ・女の長風呂」というシリーズ名がまたいい。最近、歳のせいか、カタカナの「オブ」しかも後に中黒(・)が付いているのをみると、「ジョイトイ」と続けるしかないという強迫観念につきまとわれているのだが、それもまた色に遠からじ。 さておき、今回の課題図書を選ぶ段、図書館をうろついていると、まずこのシリーズ名が目に入り、なんだと思って見ればそのタ... -
「宇宙船ビーグル号」(A・E・ヴァン・ヴォクト)
皆様こんばんわ。 えー、ぶっちしたと思われるでしょうか。していません。いつアップだったのか思い出せないぐらいブッ放しましたけど。またか。そうこうしているうちに今年も終わっちゃいそうです。 毎度のご挨拶です。この「読書感想しりとりリレー2006」では海外もの主義という事で海外作品のみを紹介させていただいております。今回は「う」で来てそろそろSFをという事で『宇宙船ビーグル号の冒険』はアウト、なら『宇宙船ビーグル号』………ところがお題を送った後に、本が買えないのなんのって。『ウは宇宙のウ』とか買ってこれでもいいかとか思っていたんですが、字だけあってて本は違う、っていうのがいいのかどうか解りませんでした(駄目だろ)。 本が見つからなかったので買いなおしたのですが78年に出ているハヤカワ文庫版、2002年でたったの十刷なのですね………読まれていないもんです。 ワ... -
「TAKE IT EASY」 (岡崎京子)
テイクイットイージー (バーズコミックスデラックス) 86年から87年にかけて、今は無き「コミックバーガー」に連載されていた作品に、短編を三作。 バブルいまだ華やかかりしころ、浪人生の主人公が、一足先に大学生になってしまった友人や、同じく浪人の友人や、幼馴染みの隣家の女の子や、年上のおねーさんとつるんだりつるまなかったりする、という、話。 結局、一緒に浪人していた友人は大学に合格し、主人公は二浪することになるんだけど、起業の道に誘われたり、それを断って実家のソバ屋を継ごうかと考えたりする。 「いいかげんねえ」という幼馴染みの言葉にこたえて、「いいかげんだよ/ま/TAKE IT EASYってとこさ」で話はおしまい。 「TAKE IT EASY(気楽に行こう)」でどうにかなる、という時代の空気と十代後半戦のバカっぷりがよく描き出されてはいる。いるんだけど、話としては... -
2005年12月
12/31(土) 【若林】 もう大晦日なの、とゲームで呆けていたここしばらくを振り返る。順番決まりましたね。メール読みましたよ、にかえてここを更新。この人数で8番目だとだと11冊でしょうか。1/8からカウントして358日を3で割ると119。年間を通して綺麗に3日で流れると第9走者の11冊めで終わる訳です。ってことは逆に10冊以上ある頭文字は何回来ても困らないですね。 12/30(金) 【本条】 BOOK OFFの書棚を嘗め回すようにして、「り」から始まる本を買ってきました。(あやうく「龍臥亭事件」とか買うところだった) 帰りの電車でちょっとだけ読んでみました。おもしろそうな本だ…。 12/29(木) 【本条】 感想の例示も兼ねて、第1ランナーはこの不肖本条が務めさせていただこうと思います。 今年(2005年)の最後の文字が「ん」だったし... -
「クレオパトラの夢」 (恩田陸)
wikiさんの機嫌が直らず10回に1回くらいしか更新されてくれないです。前回サボった罰なのかな。? さて、今回も前回に引き続き恩田陸作品です。どうせ恩田作品で「く」なら、もう一個のほうにすればよかったかもとちょっと後悔していますが、次回までストックしておくことにします。 この作品では、「MAZE」という作品で登場した「神原恵弥(かんばらめぐみ」が再登場します。この恵弥さん、球形の季節のヒロインが「普通」の高校生だったのに比べると、かなり特殊な人生を歩んできている壮年男性です。どちらかというと「麦の海に沈む果実」からつながる一連の作品に出てくる校長先生のようなイメージですね。(既読の人にしかわからない表現ですみません) ただし、作品の内容自体は、北国のH市を舞台に、数人の登場人物たちがそれぞれの思いを内に秘めながら、腹の探り合いをしていく、といった感じで、舞台は広い... -
「女王の百年密室」 (森博嗣)
つまるところ最初に「すべてがFになる」を取りあげなかったのが今回に繋がるわけで、ようやく森博嗣である。ルール上問題ないとはいえ、いきなり「る」もなあ……というのと未読の「ス」があったのでこうなった。ただし英語タイトルまで含めると「GOD SAVE THE QUEEN」であり細かいことは気にしない。 いるとはあんまり思わないがこれを読んで買う気になった人は文庫版で。出来の非常に良い漫画版もあります。イラストだけでも固定イメージが出来てしまう可能性がありますし、漫画版のレビューがされる可能性もあるので、ここでは存在だけ触れておきます。 凄いな、2回目だと前振りがこれで終われるのかい。いや、「ジョジョ」の呪いとか、講談社現代新書の「ジョークとトリック(昔はこういうの好きだったよな)」とかそーいう話をしてもいいんだけど内容に入ろう。 うーん、この小説のメインは殺人ではなくて... -
「名探偵はもういない」 (霧舎巧)
「名探偵の掟」だの「めぞん一刻」だのいろいろ候補はあったが、丁度ノベルス落ちしたばかりのこの作品を取りあげる事にした。端正な本格で、きっちりと「読者への挑戦までついていて、しかもカバー折り返しには作者自ら「ミスリーディングへの仕掛がある」と明言している期待感あふれる構成。 いや、霧者巧よ何処に行く、と探偵学園シリーズを始めたときにはどうなるかと思ったが、基本的には数少ないロジックを楽しませてくれる作家の一人だ。だがしかし、そういう「本格」に対して感想を語るというのは非常に難しい。感想内に書かれた地の文は基本的に真実となってしまい、余計な推理要素を持ち込むことになってしまうのだ。だからといって内容に全く触れないというのも味気ない。 いったいどうしたものか、と思いつつ結論だけ書くと、ある一点の伏線以外は導けたのでテストだったらまあ及第点なのだが……実は作者の言う「ある一点」とい... -
2006年8月
8月29日(火) 【本条】 先程みなさまにメールを送信致しました。そちらと重複してしまうのですが、次周の「走行カレンダー」を 現状に併せて少しずらしてみました。…どうでしょうか。 8月27日(日) 【アンダー】 もう今日はお題が来る予定だった日なのですね。早いなぁ(←アップすごく遅れたやんけ)。 >ささきさん ありがとうございます。気になっていたので、後でやってみます。 遅れの件。 まさしく「人の事はいえない」状態ですが、現実的な面としては、代走でしょうか。 【ささき】 書影の件。たぶんアフィリエイトリンク機能が内部エラーかましてるんだと思いますが、ひとまずのソリューションとしては手動でタグ入れるぐらいしかないですね。 "#amazon(ISBNコード,left,text,image)" ... -
「妻を帽子とまちがえた男」 (オリバー サックス)
妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション) 映画『レナードの朝』の原作『めざめ』を書いたアメリカの脳神経科医オリバー・サックスの手による。二十四篇の症例を基にしたレポート。紹介文には「メディカル・エッセイ」とある。 感想は書きにくい一冊。 24人の患者が登場するけれど、共通しているのは脳神経の問題に起因する病気を患っているということぐらいで、症例はまちまちだ。表題にもあるとおり、「妻を帽子と間違えて被ろうと手を掛ける」音楽家の、人間の顔つきだけが認識できなくなる症例。子供の頃に聴いた音楽が脳内に繰り返し繰り返し、我慢できないほどの音量で鳴り響く、ある夫人の症例(まぼろしの音楽が騒々しくて、人の会話が聞き取れないことすらある)。二十歳そこそこまでの記憶は鮮明に残っているが、その後は数分程度しか記憶が持続しない壮年の元海軍軍人…… サックスの患者たちの症例はどれも... -
「石の来歴」 (奥泉 光)
石の来歴 (文春文庫) 小学生の頃、よく石ころを蹴りながら通学路を歩いた。できるだけ同じ石をずっと蹴り続けて学校まで行くというルールだ。大事に小刻みに蹴っていくと確実なのだが、それではなんとなくつまらないから、遊びはだんだんと大胆になっていった。思い切って遠くまで転がるように蹴るのだ。こうすると、たいてい石はすぐに畑や道端の水路に落ちてしまう。石はよくどこかに行ってしまったけれど、そんなことをいちいち気にすることはなく、すぐに別の石で続きを始めた。ただ、ごくたまに寝る前などに、枯れた用水溝の中に落として見えなくなった石のことを思い出して、今もあの石は同じ場所にあるんだろうか、これからもずっとあの溝の中にあり続けるんだろうかといったことが頭に浮かぶことはあった。もちろん翌朝には忘れて、違う石を蹴るとか、服にくっつく植物の種を投げるとか、水路に草を浮かべるとか、大変忙しく通学していた。 ... - @wiki全体から「「ナラタージュ」(島本理生)」で調べる