読書感想しりとりリレー2006@Wiki内検索 / 「「ルナハイツ」(星里もちる)」で検索した結果
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「ルナハイツ」(星里もちる)
「ルール」(古処誠二)でいっかな、と思っていたら発掘できず、他にお勧めできる作品も見あたらず、ということで私的に封印していた漫画を選ぶことにしました。単純に読んでいなかった星里もちる作品ということで丁度良かった、というのもあるのは否定しない。一番の氏のお勧めは汗がニトログリセリンのニトロ少女「危険がウォーキング」であるが、現在は傑作の短編が収録されていないアスペクト刊(オリジナルは少年キャプテンコミックス)のほうが入手しやすい。 一体何回やれば気が済むのであろう、という「りびんぐゲーム」より始まった「無理矢理同居もの」であり、今回は結婚前に婚約者に逃げられた主人公の自宅が、女子寮化しつつ、主人公も同居するという設定である。ルール無用の無茶な設定を強引に押し切り、思いテーマを軽い演出で楽に読ませるのが氏の持ち味ではあるのだが、まあ成功しているのかな、という感じ。実際、前作の「本気のし... -
走行履歴
... 絵都)? /if 「ルナハイツ」(星里もちる) /若林 「冷たい校舎の時は止まる」(辻村深月) /橋立 「月に繭 地には果実」(福井晴敏) /ささき 「姑獲鳥の夏」(京極 夏彦)? /あちゃぞう 「宇宙船ビーグル号」(A・E・ヴァン・ヴォクト) /アンダー 「ブタの丸かじり」 (東海林 さだお) /なりた 「浪漫倶楽部 1」 (天野 こずえ) /本条 「重力ピエロ」 (伊坂 幸太郎) /竹田 「ナラタージュ」(島本理生) /マサトク 「砂の女」(安部公房) /if 「ダンス・ダンス・ダンス」(村上春樹) /若林 「スリーピング・マーダー」 (アガサ・クリスティ) /橋立 「チョコレートコスモス」 (恩田陸) /ささき 「なぜか同じ失敗を繰り返してしまう人たち」(芦原 睦)? /あちゃぞう 「闇から生まれた女」(F・ポール・ウィルソン) /アンダー 「緑の我が家」 (小野 不由美)... -
「ルー=ガルー 忌避すべき狼」 (京極 夏彦)
ルー=ガルー ― 忌避すべき狼 本条さんから「る」のバトンが回ってきたときになんだかいやな予感がしたのだが、果たして、今回の本の選択にはとても苦労した。「る」で始まる本は、出版数はそれなりにあるのだろうけど、どうも個人的に弱点らしく、本屋に行ってもなかなか目にはいらないようなのだ。そんなわけで「しかたなく」選んだのが本作。いや、読む前から面白いのはわかっていたのですが、ちょっと分厚くて、重いし、ほら、8月って暑いし…(締め切りは7月で今は9月です)。 さて、本作は京極夏彦の2001年の作品である。現在から30~50年ほど先の世界を舞台にした近未来SFだ。そこは、住人に対する管理が行き渡り、逐一その居場所や行動が記録される。生活のあらゆる箇所が制御された人工物で埋め尽くされ、家族と言えども人間同士がモニタを介さず対面することはほとんどなく、道徳や倫理も合理的でないものは徹底的に... -
「虹とクロエの物語」 (星野智幸)
「星野智幸最高傑作」とオビにはあるけど、星野智幸に限定せず、傑作だと言おう。 言葉を交わすようにサッカーボールを蹴りあっていた二人の少女、虹子とクロエ。彼女たちが二十年の歳月を経て再会するまでの物語。 無人島に引きこもる「吸血鬼」ユウジ、二十年間月経がないクロエの胎内で成長し続けていた「胎児」、プリズムで分裂する五人の虹子。幻想的で魅力的なガジェットが登場して、惹きこまれる。でも、虹子とクロエの周りに存在するそれらは物語に幻想的な色付けをするためだけにあるわけじゃない。彼女たちの置かれた状況を的確に反映する。過去の自分の選択や、決定を直視しないできた二十年間を。 「40歳を越えたいまからでも、大人になることはまだできるのか?」作者自らがいみじくも独白している。二十年の空白を経た二人の女が(そして男が)、その空白に気づき、「大人」になろう、と、「子供が真似るだけの価値ある人... -
「クロイツェル・ソナタ」 (夏樹 静子)
クロイツェル・ソナタ (講談社文庫) 月末月始恒例で立て込んでるので後ほど(すみません) -
「ダンス・ダンス・ダンス」(村上春樹)
「大誘拐」(天童真)が紹介できるなあ、とも考えたのですが、「傑作なのでとりあえず読め」しか浮かばなかったので却下していろいろ考えた。例えばささきさんに対抗して「ダブ(エ)ストン街道」(浅暮三文、再読する気にならず)とか「大熱血。」(火浦巧、好きだけど未来放浪ガルディーンってつけたらアウトだし古いしなー)とかいろいろ考えた結果、シリーズものの中間、とも言えるこの作品をあえて選択しました。 タイトルとしては独立しているけれど、「羊男の冒険」とははっきり連続していて、「1970年のピンボール」とも重なると言って良いのだけれど、今読み返したところ大変面白かったのと、これは「ダンス・ダンス・ダンス」から読んでも問題ないと判断したので採用に踏み切った次第であり、了承願いたい。 いや、やはり私にとっての文学ってのは村上春樹なんだなあ、というのが再読して思ったことであり、そして主人公である... -
2006年6月
6月29日(木) 【アンダー】 ち、ちくしょうこんな文字回しやがって!wというのが来ましたが、何とか回してあちゃぞうさんに昨日、MAILしました。ああ感想アップは何とか間に合わせたい。そしてmixiの読書会の方もちゃんとやりたい。そしてそしてアニメも週にXX本ちゃんと観るぞー。 6月26日(月) 【なりた】 読んだ本のなかに当てはまるのがあるだけでもすごいですね。 感想アップしました。 6月23日(金) 【本条】 私が読んだ本の中で当てはまるのは「ルドルフともだちひとりだち」だけかしら…。 amazonで「る」から始まる単語をてきとーに検索していたら、「ルール違反も恋のうち」というのが引っかかりました。「これか!?」と思って詳細画面をみたら、ボーイズラブ小説でした。…これか!? 6月22日(木) 【橋立】 「る」で始まって「ち」で終わるのが、み... -
「宇宙船ビーグル号」(A・E・ヴァン・ヴォクト)
皆様こんばんわ。 えー、ぶっちしたと思われるでしょうか。していません。いつアップだったのか思い出せないぐらいブッ放しましたけど。またか。そうこうしているうちに今年も終わっちゃいそうです。 毎度のご挨拶です。この「読書感想しりとりリレー2006」では海外もの主義という事で海外作品のみを紹介させていただいております。今回は「う」で来てそろそろSFをという事で『宇宙船ビーグル号の冒険』はアウト、なら『宇宙船ビーグル号』………ところがお題を送った後に、本が買えないのなんのって。『ウは宇宙のウ』とか買ってこれでもいいかとか思っていたんですが、字だけあってて本は違う、っていうのがいいのかどうか解りませんでした(駄目だろ)。 本が見つからなかったので買いなおしたのですが78年に出ているハヤカワ文庫版、2002年でたったの十刷なのですね………読まれていないもんです。 ワ... -
「天文台日記」(石田 五郎)
天文台日記 (中公文庫BIBLIO) ぼくが子供のころ、うちの父親は自分が自然を相手に仕事をしていたからか、ぼくにも自然に対する興味を持たせたかったようで、キャンプや釣りなどアウトドアな遊びによく連れ出そうとしていた。子供が使うには過ぎるくらい上等な天体望遠鏡を買い与えたのも、その一環だったのだろう。何度か家のベランダから月のクレーターや火星を見た覚えがある。けれど、ぼくは漫画やゲームが好きで、そちらにばかり関心が向き、父に誘われずに自分から望遠鏡を覗くことは結局なかった。そのうち、望遠鏡は、片付け好きの母がリサイクルに出したかなにかで処分されてしまった。 もし今あの望遠鏡が手元にあったら、ちょくちょく覗いてみたりするだろうか、と本書を読みながら思った。天文台での日々を綴ったこの日記には、夜通しで天体観測をする天文学者たちの姿がある。真っ暗な観測室のなかで、狙う星に焦点を定め... -
「少年たちの密室」(古処誠二)
少年たちの密室 (講談社ノベルス) あちゃぞうさんから「狙われた女教師」というタイトルで回ってきたので、まだまだ在庫(在庫?)に余裕のあるメフィスト賞作家の中から、男一匹古処誠二の「少年たちの密室」をチョイスしてみた。 ところで、この感想を書いている本日は七夕である。であれば、筆者の作品で同じく「し」で始まる「七月七日」を選んだ方が趣きもあるってものではないだろうか? それを選ばなかったのには理由がある。その理由というのは、いや、講談社ノベルスじゃないからとかじゃなくて・・・・・・、本当はあちゃぞうさんからは「しょ」で回ってきたから。いくらなんでも「狙われた女教師」はないだろう。というか、適当にでっち上げた。こんなタイトルの作品があるかも定かではない。(調べてみたらあった)(調べるなよ)(あと、あちゃぞうさんごめんなさい)。 ・・・・・・さて... -
「つめたいよるに」(江國香織)
つめたいよるに (新潮文庫) ささきさんからのお題が「つ」ということで、次はあれがくるだろうと予想していた方、期待を裏切ってすみません。ほんとのことを言うと、結構迷ったのですが、あえて今回は別の作者の本を選んで見ました。 この新潮文庫版の「つめたいよるに」には、短編集「つめたいよるに」と「温かなお皿」の二つがあわせて収録されています。 文庫で200ページほど、その中に21篇もの短編が収められているわけですから、1話あたりは10ページ足らずということになります。どの話も淡々としていて、特に起伏や印象的ば場面があるわけではないけれど、読み終わったあとに、ああいい話を読んだなあ、という気持ちになれます。 特に「桃子」「夜の子どもたち」「スイート・ラバーズ」「藤島さんが来る日」「冬の日、防衛庁にて」「とくべつな早朝」は秀逸です(好みの傾向がわかりやすいな、これじゃ) ... -
「返事はいらない」(宮部みゆき)
返事はいらない (新潮文庫) 宮部みゆきの凄さをいまさら語っても仕方が無いのだが、やはりこういうさらりとしながらも素晴らしい短編を見せられると、その実力の高さを痛感させられる。深い人間描写を絶妙の語り口が淀みなく流す。希代のストーリーテラーだなぁ。 本作ではカードローンを題材にした作品が複数あり、「火車」に繋がる部分を垣間見ることが出来、宮部作品の"ステップ"の部分を楽しむことも出来、「ドルネシアにようこそ」も都会生活にすこし疲れた若者を描いたちょっといい話になっており趣が深い。「聞こえていますか」もちょっと小学生頭良すぎなところはあるが、いろいろ考えさせられる作品となっている。 だが本作で一篇を挙げるとするならば、表題作である「返事はいらない」以外にはない。 短編のお手本のようなシンプルかつ鋭い切れ味の作品に仕上... -
「蹴りたい背中」 (綿矢 りさ)
蹴りたい背中 ごぞんじ、綿矢りさの芥川賞受賞作。 主人公は高校一年生の「ハツ」という女子。彼女は、入学して間もないというのに、はやくもクラスでは浮いた存在になっている。浮く理由は簡単で、自分からすすんで周りを遠ざけているからだ。同級生や先輩、先生のふるまい、特に意味のないおしゃべりをしたり、他愛もないことで笑いあったりなどの、人付き合いを円滑にしようというコミュニケーション上の努力のことをバカにしているのだ。そして、私は違う、おかしくもないことで笑ったりしないし、くだらない話はしないし、どうでもいいやつとつるむのなんてまっぴらだ。そう思いながら、いつでもつまらなそうな顔をして、たまに誰かがいったことで笑いそうになっても、無理やり笑いを我慢する。相手の機嫌をとろうとしたり、気をひこうとしたり、先生だっていい年して生徒に媚びるようなまねをして、どうしてこいつらはこんなに分かりやす... -
「闇から生まれた女」(F・ポール・ウィルソン)
闇から生まれた女〈上〉 (扶桑社ミステリー) 皆様こんばんわ。 毎度毎度、遅れのお詫びを書くのもどうかと思っているのですが、今回はあまりにぶっ放し過ぎました。申し訳ないです。 毎度のご挨拶です。この「読書感想しりとりリレー2006」では海外もの主義という事で海外作品のみを紹介させていただいております。今回は「や」で来て一瞬、迷ったのですが「闇」で始まる作品って結構、多いものですね。 さて今回は私の好きな作家の一人、F・ポール・ウィルソンであります。 となると、新刊も出たばかりだし「始末屋ジャック」シリーズ………といきたい所なのですが、諸事情ありまして今作を選ばせて頂きました。 F・ポール・ウィルソンについて簡単に紹介させていただきます。1946年ニュージャージー生まれ。医者(家庭医)を開業しつつ、作家として活躍中。日本でもファンが多く、邦訳がいろ... -
「鈍い球音」(天童真)
二階の自室だと空調が必要なくらい熱い季節になりました。単純に言えば七月に入った訳で、既に半分リレーを終えたことになります。過ぎ去る月日は早いものだなあ、と思いつつ今回の作品の検討経緯。一番目に目についたのは倉知淳の「日曜の夜は出たくない」、猫丸先輩シリーズ第一作なのですが、氏の作なら「星降り山荘……あ、絶対だめじゃん」ということで保留に。「人間失格」にするかな、と思いつつ自宅の本棚に見あたらないし買ってまで読み返したくないな、と思ったところに目に入ったのが「鈍い球音」。とりあえず同氏の代表作「大誘拐」には及ばないけれど十二分に面白いし、解説が倉知淳という偶然のバッティングも面白かったので採用決定。 いろいろ監督がらみで因縁のある「東京」と「毎日」の日本シリーズ直前に監督がトレードマークの髭をのこして行方不明になるところから事件は始まり、その調査を行うのはコーチの友人の新聞記者が引き... -
「タスケテ…」(島村 洋子)
カリスマアイドル・橘リリカには、ある秘密があった。そんな彼女の周辺で、いつからか不気味な現象が続出し…? 3つの視点――リリカの視点、リリカが立ち寄ったペットショップ店員の視点、そして過去にリリカを取材したことがあるライターの視点が交錯しながら、次第に すべての発端となったある事件が明らかになる、サイコホラーです。 彼女の作品は、今までにエッセイを2冊読んだことがあります。1冊目は、恋愛論を綴った「好きで、たまらない」、2冊目は、色々な不思議体験(例:霊能者に見て貰う、など)のレポートなどで構成された「不思議な体験、したかった。」という作品。どちらも高校時代に読んだので記憶がやや曖昧ですが、それぞれ とてもおもしろかったような印象があります。 そして、今回の「タスケテ…」。サイコホラー…とのことなのですが、幸か不幸か 恐怖シーンはイマイチな気がします。次々に起きる“現象”... -
「Uの世界」 (神林 長平)
htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 竹田さんの「with you」の次は、「う」で行くべきか「ゆー」で行くべきか…「上と外」(恩田陸)は 読みたいけど全6巻だし、同氏の「ユージニア」は まだ文庫落ちしてないから高い…いっそ「YU-NO」のノベライズにするか!(いやあれは「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」だからダメだ)…などと軽く悩んだ結果、いろいろ放棄して「u」から始まるタイトルの 全然知らない本をチョイスしてみました。 ちなみに「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」は超絶おすすめゲームなので、機会があったら是非。…18禁だけど。PC98版とセガサターン版しかないけど。 閑話休題。 この作品「Uの世界」は、6話の短編が収録された連作短編集です。 各物語の主人公は、それぞれ「優子」「祐... -
「リアルワールド」(桐野 夏生)
●「リアルワールド」桐野夏生 本作を読んで、なんとなく思い出したのが、綿矢りさの「蹴りたい背中」である。 「蹴りたい背中」の主人公ハツは、クラスメイトたちの上辺だけの友達ごっこにウンザリして、端からクラスに馴染もうとしないオタク少年の生き方に救いを見出そうとしていたが、本作の主人王であるトシやキラリンたちが救いを見出そうとした少年は、オタクどころの話じゃない。下着ドロボウの覗き犯の親殺しという、正真正銘の犯罪者である。彼の逃亡を手助けすることで、社会に対する優越感を抱いていたキラリンたちは、「蹴りたい背中」のハツに比べるとまた一段と男の趣味が悪い(w 物語の前半では、友達と遊んだり勉強したりという「リアルワールド」と、フィクションの如き少年の逃走劇という対比の構造があったはずなのに、話が進むにつれ、普段の生活のほうが幾層もの欺瞞で固められたフィクションだったことが露見して... -
「眠りの牢獄」 (浦賀和宏)
眠りの牢獄 (講談社ノベルス) 2回連続メフィスト賞作家、3回連続講談社ノベルスでこんにちは。別に縛りをかけているわけではない。僕の中の何か(主に怖いもの見たさ)がそうさせているのだと思う。そう、まだ縛りの方がマシだという意見は至極もっとも過ぎるので言わないでほしい。 ミステリにおいては、そのトリックが読者に対してフェアであるかが作品を評価する大きなポイントになることが多いのだが、この作品はまさにフェア/アンフェアの境界線に置かれた作品と言える。しかも、そのどちらかに置くかを読者が葛藤し、議論をぶつけ合うことまでを計算に入れたかのような位置にある。筆者の憎たらしいまでのスクリューボールっぷりに嘆息しつつも、我知らず唇が笑みに形作られるのを感じる。 今年ドラマ化されたことで『推理小説』(秦建日子著、ドラマタイトルは『アンフェア』)が巷間でちんまり話題に... -
「月に繭 地には果実」(福井晴敏)
月に繭地には果実―From called “∀”Gundam 福井晴敏と言えば、『亡国のイージス』で日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞の3賞を受賞して一躍その名を世間に知らしめた。そしてその2年後、『亡国のイージス』の記憶冷めやらぬうちに、『終戦のローレライ』を発表すると、これも吉川英治文学賞新人賞・日本冒険小説協会大賞を受賞したことで彼の作家としての勢いはさらに増すことになる。 両作品の映画化や、それに伴う文庫の好セールス、自身のファンサイトの管理人を嫁にするなど、いろいろな意味で目を見張る氏の活躍は皆さんもご存知のことかと思う。 この作品は『亡国の~』と『終戦の~』の間に文庫3巻組で発表された作品を1冊にまとめてハードカバーで出版したものであり、富野信者としても有名(あと高村薫も好きらしいので、作中のアレはガチ)な筆者が(おおよ... -
「うま味の誕生」 (柳田 友道)
うま味の誕生 発酵食品物語 (岩波新書) 去年末にhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。――“菌類(が擬人化されたもの)を肉眼で見ることができる”という特殊能力を持つ主人公、およびその友人たちの農大キャンパスライフを描いた作品)――を読んで以来、「発酵」や「醸造」といったものへの好奇心が高まりつつあったので、こりゃちょうどいいや、と手に取ってみました。 普段あまり手に取る機会がない「岩波新書」ということで、難しい化学変化式などが羅列してあったらどうしよう…と少し身構えながらページを捲ってみたのですが、幸いこれはそういう本ではなく、「雑学物語」と「歴史物語」を足して2で割ったようなテイストで 「発酵」の仕組み 発酵食品(酒・茶・漬物・チーズなど)の歴史 それらの世界分布図と考察 様々な発酵食品につ... -
「木曜組曲」 (恩田陸)
木曜組曲 相も変わらず(うちのPCは「愛も」変わらずと変換しました。意味深)、恩田陸です。 三連荘です。さすがに、自分でもそりゃあんまりだろう、と思わなくもないのですが、この機会を逃したらもう「も」は、まわってこないかもしれない、この本を紹介できる機会はないかもしれないと思ったら、居ても立ってもいられず若林さんへのバトンをまわしてしまっていたのでした。 メインは4年前に変死したある女性作家の死をめぐる真相をめぐり、5人の女たちがお互いの腹の内に秘めていた疑惑を探りあう心理劇であり、れっきとしたミステリーでもあります。。 たった6人(一人は既に亡くなっている)の登場人物、一軒の家(それも居間がほとんど)から動かない舞台、2泊3日という短いけれど密度の濃い期間。その中で繰り返さる、違和感や、疑惑や、妄想、告白、新たな疑惑。これ以上はないくらい「静」に抑えた設定を用意してお... -
「一番初めにあった海」(加納朋子)
いちばん初めにあった海 (角川文庫) -
「タイホされたし度胸なし」(藤田 宜永)
金融業者と そのペットのインコが、何者かによって殺害された。奇しくも第一発見者となってしまった サラリーマン・鳥越九郎は、自らの置かれた状況と 生来の臆病さから、「自分が疑われるのではないか」という不安を肥大させ、やがて「犯人は自分である」と思い込むようになる。 一方、絶倫の私立探偵・中堂鈴之助と、性欲旺盛な助手・色田姫子は、別の観点から その事件の真相に迫ろうとするのだが…。 という物語なのですが、だからといって『自らを犯人だと思い込んだ男と、社会の闇に立ち向かう探偵達が織りなす、サイコホラー的サスペンス』では、全くありません。 小心者で思いこみが激しい鳥越に振り回される、スナックの客たち――フェロモン振りまき探偵&助手、曰くありげなヤクザの親分、薄幸そうな人妻、自らの性に悩む青年、老いらくの動物学者、…etc.を描いた、ドタバタコメディです。 中盤、鳥越が「人質」た... -
「三毛猫ホームズの推理」(赤川次郎)
愛蔵版 三毛猫ホームズの推理 「三毛猫ホームズ」になるとは思わなかったが、赤川次郎は複雑な思いとともに一度取りあげようと思っていた作家です。好きな作家、と聞かれて迷わず挙げることができた小学生~中学生時代の頃から、「うーん」と思い始めて読まなくなった高校生まで、それでも杉原爽香シリーズは結構追いかけていたりした。 単純に赤川次郎=読みやすくてさっくりと楽しめるライトミステリ、という感覚で初期作品を読むと意外なほど内容の重さと濃さに驚くかもしれない。いや、バカミスみたいなトリックや、漫画みたいなキャラ設定やエピソードもあるんですが、やっぱり天童真と同じ時代性だろうか。簡単に意味無く男女は寝るし、売春だのお見合いだの(この辺は赤川次郎だ)が「三毛猫ホームズの推理」でも登場するわけだが、やはりこの作品、あるいはシリーズの最大の特徴はホームズであろう。 うん、タイトル通りホーム... -
「シカゴ育ち」(スチュアート ダイベック)
シカゴ育ち (白水Uブックス 143 海外小説の誘惑) 読書中… -
「イブのおくれ毛」 (田辺 聖子)
イブのおくれ毛 (ベスト・オブ・女の長風呂) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 後れ毛というと、女の人が髪をまとめて、そこから少しこぼれてほつれた幾筋かの毛のことを指し、ぼくはあまりピンとこないのだが、人によっては色気を感じるポイントなのだとか。さて、その「おくれ毛」をタイトルに含む、「おせいさん」こと田辺聖子のこの本は、色、をテーマにしたエッセイ集である。「ベスト・オブ・女の長風呂」というシリーズ名がまたいい。最近、歳のせいか、カタカナの「オブ」しかも後に中黒(・)が付いているのをみると、「ジョイトイ」と続けるしかないという強迫観念につきまとわれているのだが、それもまた色に遠からじ。 さておき、今回の課題図書を選ぶ段、図書館をうろついていると、まずこのシリーズ名が目に入り、なんだと思って見ればその... -
「イブの後れ毛」 (田辺 聖子)
イブのおくれ毛 (ベスト・オブ・女の長風呂) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 後れ毛というと、女の人が髪をまとめて、そこから少しこぼれてほつれた幾筋かの毛のことを指し、ぼくはあまりピンとこないのだが、人によっては色気を感じるポイントなのだとか。さて、その「おくれ毛」をタイトルに含む、「おせいさん」こと田辺聖子のこの本は、色、をテーマにしたエッセイ集である。「ベスト・オブ・女の長風呂」というシリーズ名がまたいい。最近、歳のせいか、カタカナの「オブ」しかも後に中黒(・)が付いているのをみると、「ジョイトイ」と続けるしかないという強迫観念につきまとわれているのだが、それもまた色に遠からじ。 さておき、今回の課題図書を選ぶ段、図書館をうろついていると、まずこのシリーズ名が目に入り、なんだと思って見ればそのタ... -
「いちばん初めにあった海」(加納朋子)
いちばん初めにあった海 (角川文庫) -
「冷たい校舎の時は止まる」(辻村深月)
冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ) 第31回メフィスト賞受賞作品なのだそうです。 基本的に文庫になるまで本を買わない主義でもあり、あんまり○○賞受賞とかそういうことで本を選ぶこともないので、この本を購入してみたのはほんとうにただの偶然でした。 上中下巻の3冊組みでひとつの絵になる装丁、ちょっと気になるあらすじ、で、なにげなく見た著者紹介。千葉大学教育学部卒…あらあら後輩だ、しかも年齢的に在籍期間もかぶってるし…ちょっと読んでみようかなあ、くらいの軽い気持ちでした。 ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友の名前が思い出せない。死んだのは誰!?誰もが過ぎる青春とい... -
「リンドキストの箱舟」(アン・ハラム)
リンドキストの箱舟 皆様こんばんわ。「読書感想しりとりリレー2006」のお時間がやってまいりました。一週間超遅れてしまった事はもうお詫びのしようもありません。何とかお題だけは規定日に回したし本も読んだのですが感想がなかなか。 先日参加したmixiの読書会が楽しくてその反面、自分の未熟さにショックを受けまして………あ、また言い訳ですね。 この「読書感想しりとりリレー2006」では断固、海外もの主義!という事で海外作品以外は紹介しないことにしております。それで今回が「り」でして、また迷った挙句、決めさせていただきました。 ハードカバーの、しかもファンタジーを読むなんて久しぶりだなぁと思ってしまいましたが、子供の頃からたどって考えると、もともとはファンタジー作品好きだったのです。読むものがわからなくなってきて、今ではファンタジーのほか、ホラー、SF、ミステリなど乱読状... -
「浪漫倶楽部 1」 (天野 こずえ)
新装版 浪漫倶楽部 1 (BLADEコミックス) 幼い頃に 何度か“不思議な存在”と出会ったことがある中学生・火鳥 泉行(かとり せんこう)は、学園で起きる数々の怪現象を解明するために発足された部活・浪漫倶楽部に入部することになった。 とぼけた先輩・綾小路宇土(あやのこうじ うど)や、同級生の橘月夜(たちばな つくよ)らと共に、泉行は 様々な不思議現象に遭遇することに…。 アニメ化・ゲーム化もされた人気作品「ARIA」(→アニメ公式サイト)の作者の、初期連載作品です。 「ARIA」や「AQUA」は、『水の星となった近未来の火星を舞台に、観光都市・ネオ=ヴェネツィアのウンディーネ(ゴンドラによる水先案内人)となるべく 日々鍛錬を重ねる少女たちのハートフルストーリー』で、これらは まったり加減とほんわか具体と癒しテイストが絶妙な作品なのですが…今回ご紹介する「浪漫倶楽... -
「妻を帽子とまちがえた男」 (オリバー サックス)
妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション) 映画『レナードの朝』の原作『めざめ』を書いたアメリカの脳神経科医オリバー・サックスの手による。二十四篇の症例を基にしたレポート。紹介文には「メディカル・エッセイ」とある。 感想は書きにくい一冊。 24人の患者が登場するけれど、共通しているのは脳神経の問題に起因する病気を患っているということぐらいで、症例はまちまちだ。表題にもあるとおり、「妻を帽子と間違えて被ろうと手を掛ける」音楽家の、人間の顔つきだけが認識できなくなる症例。子供の頃に聴いた音楽が脳内に繰り返し繰り返し、我慢できないほどの音量で鳴り響く、ある夫人の症例(まぼろしの音楽が騒々しくて、人の会話が聞き取れないことすらある)。二十歳そこそこまでの記憶は鮮明に残っているが、その後は数分程度しか記憶が持続しない壮年の元海軍軍人…… サックスの患者たちの症例はどれも... -
「暗闇坂の人食いの木」 (島田荘司)
暗闇坂の人喰いの木 (講談社ノベルス) 島田荘司である。今日の本格ミステリを語る上で決して外すことの許されない作家である。……であるのだが、ささきはミステリ読みの癖にあんまり島田作品を読んでいない。ひとこれをモグリという。ひきこもりだけど、モグリは嫌なので「ひ」のお題でこの作品を選んだ。 本作は『占星術殺人事件』、『斜め屋敷の犯罪』に続く御手洗シリーズの三作目、つまり作家石岡和己が巷間に上梓した三番目の事件ということになる。石岡先生曰く、この事件に比べたら前者ふたつはまだ生易しい事件になるらしい。 その言葉の通り、この暗闇坂の大楠を取り巻く事件は非常におぞましく、人間の狂気を垣間見せられた。中でも一番恐ろしかったのは、あの厚さであった。あつーい! あついよ小沢さーん! ただ、その重厚(冗長?)な物語の割にメインのトリックは分かりやすいもので... -
「ネットゲームチートRMTの教科書」(アリスリデル)
ネットゲームチートRMTの教科書 感想遅れています。すいませんー。 -
「罪と罰」 (ドストエフスキー)
「月は東に日は西に」(わかつきめぐみ)でも取りあげて楽をしようかと最初は考えた。単純に「はにはに」なるエロゲはどこまでこの名作を意識していたのだろうか、とか小ネタもあるし、何より氏の漫画が好きだからだ。 だがしかし、せっかく「つ」でまわってきた訳だし、こんな機会でもないと再読する機会がないだろう、というわけで「罪と罰」と相成った。棚には1987年、第67刷という恐ろしく昔の岩波文庫版(翻訳者は中村白葉だ!)があったのでそれを素直に再読したのだが、価格は上中下で250,300,300円だわ、ドストエーフスキー表記だわ、「パス」という単語にかっこがきで注釈(しかもトランプではなくカルタを例に出していた)がついていたりと、まあ何だ、高々20年前の翻訳ものってこんなんだったんだなあ、と内容とは関係の無いところでも色々感慨があった。単純に当時中学生だった私が「何だろうなこれ」と思いつつ読んだ... -
「快楽は重箱のスミに」 (酒井順子)
快楽は重箱のスミに (幻冬舎文庫) 酒井順子さんと言えば、負け犬の遠吠え効果のせいで、いわゆるオンナの立場から社会を斬ったつもりになっている系みたいな変なイメージがついてしまいましたが、彼女の普段の作品は意外にもまっとうなエッセイが多いです。 このまっとう感はどこから来るのだろうと考えてみると、どうも「○○な時」「○○なもの」を列挙していくような全体の構成が枕草子に似ているんですね。枕草子の1章をむりやり本1冊に引き延ばしたような作品、とでも言いましょうか。「煩悩カフェ」(幻冬舎文庫)ならさしずめ「心塵覚ゆるとき」、「ホメるが勝ち! 」(講談社文庫)は「あへてあはれがるとき」 ……つーかよく見たらこの人、「枕草子REMIX」(新潮社)なんて本を書いてたー! ガチだったー! まあ、1章分の内容を1冊に引き延ばしてるぶん、もちろん内容も薄いわけですが、「あー、あ... -
「スリーピング・マーダー」 (アガサ・クリスティ)
アマゾン・アソシエイトがうまく働いてくれないので、今回は写真なしで行きたいと思います。 この作品は、さすがに巨匠クリスティのものだけあって、文庫だけでも版がいくつもあるようですが、これから読むなら「クリスティ文庫」版が絶対オススメ。なぜなら解説が絶品だからです。1冊で二度おいしいというわけです。 スリーピング・マーダーは記憶の中の殺人を題材とした作品で、ミス・マープルの最後の事件としても有名です。 ある日偶然買った家なはずなのに、なぜか既視感にとらわれる若妻の記憶と過去をめぐって、若い夫婦が調査を進めるというのが話の主筋になり、ミステリーとしてだけではなく(むしろミステリーとしては凡庸だともいえる)、心理的なホラーの要素もふんだんに取り入れられています。ミス・マープルものとは言うものの、マープル自身がそれほど前面に出てきている感じではないのですが、それでも抑えるとこ... -
「女王の百年密室」 (森博嗣)
つまるところ最初に「すべてがFになる」を取りあげなかったのが今回に繋がるわけで、ようやく森博嗣である。ルール上問題ないとはいえ、いきなり「る」もなあ……というのと未読の「ス」があったのでこうなった。ただし英語タイトルまで含めると「GOD SAVE THE QUEEN」であり細かいことは気にしない。 いるとはあんまり思わないがこれを読んで買う気になった人は文庫版で。出来の非常に良い漫画版もあります。イラストだけでも固定イメージが出来てしまう可能性がありますし、漫画版のレビューがされる可能性もあるので、ここでは存在だけ触れておきます。 凄いな、2回目だと前振りがこれで終われるのかい。いや、「ジョジョ」の呪いとか、講談社現代新書の「ジョークとトリック(昔はこういうの好きだったよな)」とかそーいう話をしてもいいんだけど内容に入ろう。 うーん、この小説のメインは殺人ではなくて... -
「ストームブレイカー」 (アンソニー・ホロヴィッツ)
感想今日アップだと思っていたら昨日ですか!というわけでちょっと遅刻、ではなくていきなり勘違いしてあわてて書いている、といういいかげんな奴ですごめんなさい。いい加減ついでにタイトルについて言い訳しておきますと、「女王陛下の少年スパイ アレックス!」×2についてはシリーズ名ということで省略、という解釈を致しました。だってほら、背表紙には「ストームブレイカー」しか書いていないし。 しかしこの本の積ん読期間は長かった。単純に荒木飛呂彦関係ということで表紙買いしたのですが、実に3年半も詰まれていたという、個人的には「積ん読」という情けない習慣が始まったきっかけの本でもあったりしたわけで。 で、まあそろそろ内容に入ってどういうシリーズなのか説明しますと、第一巻の本作では14歳(先は知らない)が少年が主人公の007みたいな話なんですが、テイストとしては昔読んだアルセーヌ・ルパンなんかに非... -
2006年1月
1月27日(金) 【ささき】 有栖川とともにクイーンの影響を色濃く受けているのは法月綸太郎だが、有栖川が国名シリーズのタイトルをパクっ…オマージュしているのに対して、法月は悲劇と冒険・新冒険を使っている。なんか二人の間に取り決めでもあるのだろうか? アンダーさん お褒めの言葉ありがとうございます。たくさんランナーがいるから、ひとりぐらいはみ出し気味でもよかろうという精神で、これからも楽しんでいただけるものを書ければと思います。 本条さん あちゃぞうさんに進捗伺いのメールを出して、それに返信をしていただきました。 なんかあらためて送っていただいたメールも届いていないみたいなのですが・・・・・・。あれ? もしかして僕がお伝えした時点で間違ってたのかしら? gmailでアカウントamaikoiです。 あと被り対策は2がよかろうと思います... -
「むかし僕が死んだ家」 (東野 圭吾)
「かまいたちの夜」というゲームがある(→htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。)。我孫子武丸氏が脚本を手がけ、チュンソフトが世に送り出したこの作品は、吹雪に閉ざされた山荘で殺人事件を目の当たりにした主人公たちが、真相を求めて試行錯誤するミステリノベルゲームなのだが、とりあえず今回の「むかし僕が死んだ家」にはあまり関係ない。ただ、来月発売予定の続編htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。が猛烈に楽しみだ!…が、来月はhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。も発売予定だし お財布が大変だなぁ、という主張がしたかっただけだ。 …というのは半分冗談で、今回チョイスした「むかし僕が死んだ家... -
「エイジ」 (重松 清)
エイジ (朝日文庫) 神戸の酒鬼薔薇事件が起きたのが1997年。本書の元になった新聞連載が開始されたのが1998年。あの頃、巷では「14歳」がキーワードだった。本書は、14歳の中学二年の男子生徒を主人公にした物語である。 本の背表紙にある概要を抜粋してみる。 ぼくの名前はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は、同級生だった――。その日から、何かがわからなくなった。ぼくもいつか「キレて」しまうんだろうか?……(後略) うん、そう。他にもいろいろイベントはあるのだけれど、この概要に付け加えることがあまりない。同級生が通り魔で、世間でいう「14歳」として取りざたされる。そうした状況に置かれた中学生と周囲の大人の様子を主人公の視点で書いた作品だ。 なにせ... -
「愚者の道」 (中村うさぎ)
愚者の道 アンダーさんからまわってきたお題が「キング・コング」の「ぐ」ということで、今回は中村うさぎの「愚者の道」を読みました。 買い物依存症やホスト狂い、美容整形などで有名(と思われる)な中村うさぎのエッセイなのですが、今回の「愚者の道」は他の軽い語り口で自らの破滅的な行動を笑うタイプのエッセイとは少し違うノリで、どうして今まで自分がそのような行動を取ってきたのかを振り返り考察するような、多少仰々しい文体のものとなっています。軽く読める範囲ですが。 読んでる最中、3回くらい涙ぐみました。 夫のセリフが泣かせる。 というか、単にいろいろ、中村うさぎが自分とかぶりすぎなんですけどね。こんなに共感してどうするのか、というくらい何度も「ああ……わかる、わかります先輩!」と思いました。(私に勝手に先輩と呼ばれてもどうかと思いますが。) 「愚者の道」の最... -
「リモコン症候群(シンドローム)」 (泉 麻人)
リモコン症候群(シンドローム) (文春文庫) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 「よみかたは“まじん”じゃなかった気がする」「メガネをかけてた気がする」「コラムニストっぽい人だったかも」程度の認識で、なんとなく手に取った「リモコン症候群(シンドローム)」(泉麻人)。いい機会なので、ちょっと泉さんについて調べてみることにします。 →htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 →htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 …ふむ。(メガネはかけていなかった... -
2006年8月
8月29日(火) 【本条】 先程みなさまにメールを送信致しました。そちらと重複してしまうのですが、次周の「走行カレンダー」を 現状に併せて少しずらしてみました。…どうでしょうか。 8月27日(日) 【アンダー】 もう今日はお題が来る予定だった日なのですね。早いなぁ(←アップすごく遅れたやんけ)。 >ささきさん ありがとうございます。気になっていたので、後でやってみます。 遅れの件。 まさしく「人の事はいえない」状態ですが、現実的な面としては、代走でしょうか。 【ささき】 書影の件。たぶんアフィリエイトリンク機能が内部エラーかましてるんだと思いますが、ひとまずのソリューションとしては手動でタグ入れるぐらいしかないですね。 "#amazon(ISBNコード,left,text,image)" ... -
「むかしの味」 (池波 正太郎)
むかしの味 (新潮文庫) 正月、久しぶりの友達と携帯のメールをやりとりしていたとき、最近読んだ本のことが話題になった。ぼくが池波正太郎の名をあげると、相手はすぐ「読んだことはないけど、出てくる食べものの描写が旨そうらしいね」と返してきた。そうなのだ。前日、本屋で「む」で始まる池波の本作を見つけたとき、ぼくも「読んだことないけど食べものが…」と思ったのだった(ダビンチとかで見たのだろうか)。しかもタイトルは『むかしの味』。きっと旨いにちがいない。 さて、本を開いてみると、最初に料理のカラー写真が載せられた数ページがあり、次の「はじめに」のところにはこう書いてあった。「もともと、この本は、いわゆるhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。の本ではない。私の過去の生活と思い出がむすびついている食べものや店のことを語... -
「ツァラトゥストラはこう言った」 (ニーチェ)
ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2) というわけで、本しりとり開始から数えて4回目の「つ」出現。そこはかとなく「つ」チキンレースが始まっているように見えるのはたぶん気のせい。 さて、ルネサンス以後の西洋哲学史上では、革命が2回起こっている。1回目はかのカントの「純粋理性批判」にて起こった。有名な「コペルニクス的転回」という奴だ。これをきっかけに、今まで外の世界に存在する事象をただ受動的に受け入れるだけだった「認識」という作業が、自身の自我によって世界を創り上げるというクリエイティブな作業に変化した。 こうして我々の目や耳は自由になった。夜空の無数の星の中に神話の主人公を見たり、山に落ちる夕日に芸術を見たりすることが出来るようになった。しかし、まだ我々が自由になるためには大きな重しがあったのだ。その重しを取り除き、2回目の、そし... -
「世界の中心で愛を叫んだけもの」 (ハーラン・エリスン)
世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1) 皆様こんばんわ。 「読書感想しりとりリレー2006」も二順目に入りました。駅伝なら第一区、といった所で各走者様子を見て………と言いたい所ですが、皆さんの取り上げる本、感想に対して唸らずにはおれません。 さて前回は『キング・コング』で新レーススタートという事でいささか力が入りすぎ冗長になってしまったな、と思ったので今回は短くします。 「読書感想しりとりリレー2006」の中では唯一、海外小説を担当させていただいております。海外小説といってもどうしても英語圏が多くなってしまいますが、日本の作品にはない味わいを紹介して、たまにはそういうものも読んでみようかと思っていただければ幸いです。 乙一『暗いところで待ち合わせ』というタイトルで来たので、お題は「せ」。「それは解るけど、それでいいのか?」と取り上げるま... -
2006年3月
3月23日(木) 【アンダー】 すみません。和泉さんがアップされていなかったのですが、私も遅れていたので、先にアップいたしました。 「め」できて、「る」を投げるというのもどうかなーと思いましたけど、ぱっとできるのがこれしかなかったんですよぅ。 3月22日(水) 【なりた】 オリバー・サックスの本は抜群におもしろいですよね。 『火星の人類学者』も大好きです。 3月21日(火) 【アンダー】 申し訳ないです。 出張中につき、遅れます。次のお題は投げました。 あと、MYSCON7に参加します。 http //myscon.ore.to/ 3月19日(日) 【なりた】 すみません、1日遅れのアップです。 3月16日(木) 【本条】 感想は明日追記します。 走行カレンダーも、できれば明日併せて更... - @wiki全体から「「ルナハイツ」(星里もちる)」で調べる