読書感想しりとりリレー2006@Wiki内検索 / 「「三毛猫ホームズの推理」(赤川次郎)」で検索した結果
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「三毛猫ホームズの推理」(赤川次郎)
愛蔵版 三毛猫ホームズの推理 「三毛猫ホームズ」になるとは思わなかったが、赤川次郎は複雑な思いとともに一度取りあげようと思っていた作家です。好きな作家、と聞かれて迷わず挙げることができた小学生~中学生時代の頃から、「うーん」と思い始めて読まなくなった高校生まで、それでも杉原爽香シリーズは結構追いかけていたりした。 単純に赤川次郎=読みやすくてさっくりと楽しめるライトミステリ、という感覚で初期作品を読むと意外なほど内容の重さと濃さに驚くかもしれない。いや、バカミスみたいなトリックや、漫画みたいなキャラ設定やエピソードもあるんですが、やっぱり天童真と同じ時代性だろうか。簡単に意味無く男女は寝るし、売春だのお見合いだの(この辺は赤川次郎だ)が「三毛猫ホームズの推理」でも登場するわけだが、やはりこの作品、あるいはシリーズの最大の特徴はホームズであろう。 うん、タイトル通りホーム... -
走行履歴
...野 夏生) /if 「三毛猫ホームズの推理」(赤川次郎) /若林 「いちばん初めにあった海」(加納朋子) /橋立 「返事はいらない」(宮部みゆき) /ささき 「天文台日記」(石田 五郎) /なりた 「タスケテ…」(島村 洋子) /本条 「ネバーランド」 (恩田陸)? /マサトク 「どんどん橋、落ちた」 (綾辻 行人) /竹田 「つきのふね」(森 絵都)? /if 「ルナハイツ」(星里もちる) /若林 「冷たい校舎の時は止まる」(辻村深月) /橋立 「月に繭 地には果実」(福井晴敏) /ささき 「姑獲鳥の夏」(京極 夏彦)? /あちゃぞう 「宇宙船ビーグル号」(A・E・ヴァン・ヴォクト) /アンダー 「ブタの丸かじり」 (東海林 さだお) /なりた 「浪漫倶楽部 1」 (天野 こずえ) /本条 「重力ピエロ」 (伊坂 幸太郎) /竹田 「ナラタージュ」(島本理生) /マサトク 「砂の女... -
「鈍い球音」(天童真)
二階の自室だと空調が必要なくらい熱い季節になりました。単純に言えば七月に入った訳で、既に半分リレーを終えたことになります。過ぎ去る月日は早いものだなあ、と思いつつ今回の作品の検討経緯。一番目に目についたのは倉知淳の「日曜の夜は出たくない」、猫丸先輩シリーズ第一作なのですが、氏の作なら「星降り山荘……あ、絶対だめじゃん」ということで保留に。「人間失格」にするかな、と思いつつ自宅の本棚に見あたらないし買ってまで読み返したくないな、と思ったところに目に入ったのが「鈍い球音」。とりあえず同氏の代表作「大誘拐」には及ばないけれど十二分に面白いし、解説が倉知淳という偶然のバッティングも面白かったので採用決定。 いろいろ監督がらみで因縁のある「東京」と「毎日」の日本シリーズ直前に監督がトレードマークの髭をのこして行方不明になるところから事件は始まり、その調査を行うのはコーチの友人の新聞記者が引き... -
2006年11月
11月12日(日) 【本条】 ただいまバトンが滞り中です。すみませんがもう少し待って下さいな。>なりたさん 年内にどこまでいけるかのう…。 11月07日(火) 【若林】 あ。素で今日だと思いこんでました。すみません。かといって今から書く気力はないです。今晩にでも。記憶が確かならそういう遅刻はなかったのですが。 →結局24 39になりました。プレビューをクリックしてテキストを飛ばすって前回もやらかした気がします。少なくとも私の環境ではプレビューは機能しないみたい。赤川次郎論ってのは今やると面白いかも。トリックメーカーとしては面白いところもあるけれど微妙なトリックも多くて、結局ノリと雰囲気で読ませる作家である、というのはあるけれどそれだけでもない気がして、みたいな。 -
「リモコン症候群(シンドローム)」 (泉 麻人)
リモコン症候群(シンドローム) (文春文庫) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 「よみかたは“まじん”じゃなかった気がする」「メガネをかけてた気がする」「コラムニストっぽい人だったかも」程度の認識で、なんとなく手に取った「リモコン症候群(シンドローム)」(泉麻人)。いい機会なので、ちょっと泉さんについて調べてみることにします。 →htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 →htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 …ふむ。(メガネはかけていなかった... -
「天文台日記」(石田 五郎)
天文台日記 (中公文庫BIBLIO) ぼくが子供のころ、うちの父親は自分が自然を相手に仕事をしていたからか、ぼくにも自然に対する興味を持たせたかったようで、キャンプや釣りなどアウトドアな遊びによく連れ出そうとしていた。子供が使うには過ぎるくらい上等な天体望遠鏡を買い与えたのも、その一環だったのだろう。何度か家のベランダから月のクレーターや火星を見た覚えがある。けれど、ぼくは漫画やゲームが好きで、そちらにばかり関心が向き、父に誘われずに自分から望遠鏡を覗くことは結局なかった。そのうち、望遠鏡は、片付け好きの母がリサイクルに出したかなにかで処分されてしまった。 もし今あの望遠鏡が手元にあったら、ちょくちょく覗いてみたりするだろうか、と本書を読みながら思った。天文台での日々を綴ったこの日記には、夜通しで天体観測をする天文学者たちの姿がある。真っ暗な観測室のなかで、狙う星に焦点を定め... -
「超・殺人事件 -推理作家の苦悩-」 (東野圭吾)
超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫) あちゃぞうさんから「ち」で回ってきた時に、最初に読もうとしたのは『チーム・バチスタの栄光』だった。第4回このミステリーがすごい大賞受賞作だ。ただ、この作品の刊行は1/21。お題が回ってきた時点では出ていない。1/23の感想アップには十分時間があるものの、次走者の橋立さんへのお題メール締め切りはとうに過ぎている。困った。ああ困った。 とりあえずルールを見る。「未刊行のお題はふっちゃ駄目! もーぷんぷん!」とは書いていないのでルール的には問題ないようだ。(よんしば書いてあったとしても、僕の知る限りでだが、本条さんはさとう珠緒ではないはずなので「ぷんぷん!」とは書かないだろう)。 では、こうしたらどうだろうか? 橋立さんには『チーム・バチスタの栄光』とともに同じ「ち」で始まり「う」で終わる別作品を保険として伝えておく... -
「キング・コング」 (エドガー・ウォレス他)
キング・コング (ハヤカワ文庫NV) キング・コング (創元推理文庫) 皆様こんばんわ。 いよいよ「読書感想しりとりリレー2006」が始まりました。第四走者をつとめさせていただきます。身震いする思いです。 昨年のとりとりリレー忘年会の時に「長い」というご指摘を受けたのですが、今年も変わらず同じような調子・同じようなペース・同じようなカラーで書かせていただく点につきましては、ひらにご容赦願います。 一月も半ばを過ぎまして新年早々にという事でもないのですが、口上から入らせていただきます。「読書感想しりとりリレー2006」におきまして、昨年に引き続き海外作品を担当させていただきます。日本の作品は一切、紹介いたしません。日本の作品が嫌いという訳ではないのですが、海外作品の奇想・異観を皆さんにも是非、味わっていただきたい………いや、それよりも味わっている所を観ていただき... -
「ルナハイツ」(星里もちる)
「ルール」(古処誠二)でいっかな、と思っていたら発掘できず、他にお勧めできる作品も見あたらず、ということで私的に封印していた漫画を選ぶことにしました。単純に読んでいなかった星里もちる作品ということで丁度良かった、というのもあるのは否定しない。一番の氏のお勧めは汗がニトログリセリンのニトロ少女「危険がウォーキング」であるが、現在は傑作の短編が収録されていないアスペクト刊(オリジナルは少年キャプテンコミックス)のほうが入手しやすい。 一体何回やれば気が済むのであろう、という「りびんぐゲーム」より始まった「無理矢理同居もの」であり、今回は結婚前に婚約者に逃げられた主人公の自宅が、女子寮化しつつ、主人公も同居するという設定である。ルール無用の無茶な設定を強引に押し切り、思いテーマを軽い演出で楽に読ませるのが氏の持ち味ではあるのだが、まあ成功しているのかな、という感じ。実際、前作の「本気のし... -
「月に繭 地には果実」(福井晴敏)
月に繭地には果実―From called “∀”Gundam 福井晴敏と言えば、『亡国のイージス』で日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞の3賞を受賞して一躍その名を世間に知らしめた。そしてその2年後、『亡国のイージス』の記憶冷めやらぬうちに、『終戦のローレライ』を発表すると、これも吉川英治文学賞新人賞・日本冒険小説協会大賞を受賞したことで彼の作家としての勢いはさらに増すことになる。 両作品の映画化や、それに伴う文庫の好セールス、自身のファンサイトの管理人を嫁にするなど、いろいろな意味で目を見張る氏の活躍は皆さんもご存知のことかと思う。 この作品は『亡国の~』と『終戦の~』の間に文庫3巻組で発表された作品を1冊にまとめてハードカバーで出版したものであり、富野信者としても有名(あと高村薫も好きらしいので、作中のアレはガチ)な筆者が(おおよ... -
「タイホされたし度胸なし」(藤田 宜永)
金融業者と そのペットのインコが、何者かによって殺害された。奇しくも第一発見者となってしまった サラリーマン・鳥越九郎は、自らの置かれた状況と 生来の臆病さから、「自分が疑われるのではないか」という不安を肥大させ、やがて「犯人は自分である」と思い込むようになる。 一方、絶倫の私立探偵・中堂鈴之助と、性欲旺盛な助手・色田姫子は、別の観点から その事件の真相に迫ろうとするのだが…。 という物語なのですが、だからといって『自らを犯人だと思い込んだ男と、社会の闇に立ち向かう探偵達が織りなす、サイコホラー的サスペンス』では、全くありません。 小心者で思いこみが激しい鳥越に振り回される、スナックの客たち――フェロモン振りまき探偵&助手、曰くありげなヤクザの親分、薄幸そうな人妻、自らの性に悩む青年、老いらくの動物学者、…etc.を描いた、ドタバタコメディです。 中盤、鳥越が「人質」た... -
「むかしの味」 (池波 正太郎)
むかしの味 (新潮文庫) 正月、久しぶりの友達と携帯のメールをやりとりしていたとき、最近読んだ本のことが話題になった。ぼくが池波正太郎の名をあげると、相手はすぐ「読んだことはないけど、出てくる食べものの描写が旨そうらしいね」と返してきた。そうなのだ。前日、本屋で「む」で始まる池波の本作を見つけたとき、ぼくも「読んだことないけど食べものが…」と思ったのだった(ダビンチとかで見たのだろうか)。しかもタイトルは『むかしの味』。きっと旨いにちがいない。 さて、本を開いてみると、最初に料理のカラー写真が載せられた数ページがあり、次の「はじめに」のところにはこう書いてあった。「もともと、この本は、いわゆるhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。の本ではない。私の過去の生活と思い出がむすびついている食べものや店のことを語... -
「チョコレートゲーム」 (岡嶋 二人)
マサトク氏から頂いた今回のお題は『ち』というわけで仕事の帰りに名古屋の本屋に立ち寄ったのですよ。 そういえば謀ったわけではないのですけれど選ぶ本がことごとく短編集なので今回は長編にしようと思いつつ本棚を眺め回すこと約1時間。 岩井志麻子氏の『痴情小説』にしようかと思いつつ目に付いたのが今回の本、『チョコレートゲーム』でございました。 で、その時に買っておけば後々が楽だったんですけれどその時は諸事情で選書だけで帰宅。 翌日、昨日とは別の、でも昨日より大きな本屋に『チョコレートゲーム』を買いに赴いたのですが・・・・・・ない。 幸いなことに名古屋駅周辺には何軒か本屋があるので『チョコレートゲーム』を発見した本屋(ちょっと遠い)以外の本屋を回ること4件。 ・・・・・・・・・・・・ない。 仕方がないので件の本屋に行き、本棚を見上げると・・・・・・ない。 ちょ... -
「99%の誘拐」 (岡嶋 二人)
岡嶋二人氏の作品を読むのは、「どんなに上手に隠れても」に続いて2冊目です。今回の「99%の誘拐」といい、岡嶋氏の作品には、つい「…ん?」と手に取りたくなってしまうタイトルが多いような気がします。「三度目ならばABC」とか、「開けっぱなしの密室」とか。 さて、このあとに あらすじや感想が続く予定なのですが、今夜はちょっと頭がズキズキするので(風邪がぶり返したか、それとも アトラスの新作「デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団」のやりすぎか…)、続きは明日に。すまんです。 (以下後日追記) この作品「99%の誘拐」は、「ある男の手記に残された、8年前の誘拐事件の記憶。そして12年後、その事件を模倣したかのような誘拐事件が起きて…?」という感じの物語です。 「誰が犯人なのか?」「犯人の目的は何か?」などを推理しながら読み進めていく、というのが一般的なミステリです... -
「ダンス・ダンス・ダンス」(村上春樹)
「大誘拐」(天童真)が紹介できるなあ、とも考えたのですが、「傑作なのでとりあえず読め」しか浮かばなかったので却下していろいろ考えた。例えばささきさんに対抗して「ダブ(エ)ストン街道」(浅暮三文、再読する気にならず)とか「大熱血。」(火浦巧、好きだけど未来放浪ガルディーンってつけたらアウトだし古いしなー)とかいろいろ考えた結果、シリーズものの中間、とも言えるこの作品をあえて選択しました。 タイトルとしては独立しているけれど、「羊男の冒険」とははっきり連続していて、「1970年のピンボール」とも重なると言って良いのだけれど、今読み返したところ大変面白かったのと、これは「ダンス・ダンス・ダンス」から読んでも問題ないと判断したので採用に踏み切った次第であり、了承願いたい。 いや、やはり私にとっての文学ってのは村上春樹なんだなあ、というのが再読して思ったことであり、そして主人公である... -
「少年たちの密室」(古処誠二)
少年たちの密室 (講談社ノベルス) あちゃぞうさんから「狙われた女教師」というタイトルで回ってきたので、まだまだ在庫(在庫?)に余裕のあるメフィスト賞作家の中から、男一匹古処誠二の「少年たちの密室」をチョイスしてみた。 ところで、この感想を書いている本日は七夕である。であれば、筆者の作品で同じく「し」で始まる「七月七日」を選んだ方が趣きもあるってものではないだろうか? それを選ばなかったのには理由がある。その理由というのは、いや、講談社ノベルスじゃないからとかじゃなくて・・・・・・、本当はあちゃぞうさんからは「しょ」で回ってきたから。いくらなんでも「狙われた女教師」はないだろう。というか、適当にでっち上げた。こんなタイトルの作品があるかも定かではない。(調べてみたらあった)(調べるなよ)(あと、あちゃぞうさんごめんなさい)。 ・・・・・・さて... -
「重力ピエロ」 (伊坂 幸太郎)
重力ピエロ 明日書きますー。と言った感想が明後日になり明々後日になりついに1週間ほど遅れましたが漸く感想書きますすみません。 今回のしりとりリレーの個人的縛りとして『既読本は読まない』というのがあったんですが伊坂氏の作品野中でも個人的にこれは好きだったので2回目。ちょうど買おうかどうか迷ってたとこだったし。 ストーリーは泉水(いずみ)と春という兄弟とふたりの親父が最近仙台におこる落書きと放火の事件を追っていく+αな話なんですけどなんかアマゾンのレビューとかみてたら寄り道が多くてつまらない!って言う人とその寄り道が良い!って人にわかれてたので(私は後者)好きな人は好きなんだなぁと(そりゃあ) つかこの作品に限らず、伊坂作品には氏のほかの話からの登場人物がひょこひょこいるので(今回なら『オーデュボンの祈り』とか『ラッシュライフ』とか)その辺も楽しみなんですけど。... -
「ネットゲームチートRMTの教科書」(アリスリデル)
ネットゲームチートRMTの教科書 感想遅れています。すいませんー。 -
「黒後家蜘蛛の会」 (アイザック・アシモフ)
黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1) 感想遅れてます。のちほど。すいませんー。 -
「橡家の伝説」 (佐々木丸美)
橡家(ツルバミケ)の伝説 http //www.fukkan.com/vote.php3?no=30 佐々木丸美さんの書籍は実に探しにくい。図書館によって全然違う分類をされているからだ。殺人事件だトリックだ言っているという理由で推理小説の棚に入っていたり、超常現象が起きるのでSFの棚に入っていたり。 個人的には、彼女の作品は「恋愛小説」であると思う。トリックだのテレパシーだの前世だの超心理学だのの描写は、全て彼女流の「恋愛」を描くための材料にすぎない。だから、一見して胡散臭いオカルティックなエピソードでも、恋愛を軸にして考えれば不思議なほど自然に受け入れられてしまう。 それにしても、これほどまで読むたびに印象が変わっていく本も珍しい。読み手自身の成長に合わせて、個々のシーンのもつ意味も変わっていく。たとえば恋愛に関しては、中学生の時に初めて読んだときは少女の純... -
「闇から生まれた女」(F・ポール・ウィルソン)
闇から生まれた女〈上〉 (扶桑社ミステリー) 皆様こんばんわ。 毎度毎度、遅れのお詫びを書くのもどうかと思っているのですが、今回はあまりにぶっ放し過ぎました。申し訳ないです。 毎度のご挨拶です。この「読書感想しりとりリレー2006」では海外もの主義という事で海外作品のみを紹介させていただいております。今回は「や」で来て一瞬、迷ったのですが「闇」で始まる作品って結構、多いものですね。 さて今回は私の好きな作家の一人、F・ポール・ウィルソンであります。 となると、新刊も出たばかりだし「始末屋ジャック」シリーズ………といきたい所なのですが、諸事情ありまして今作を選ばせて頂きました。 F・ポール・ウィルソンについて簡単に紹介させていただきます。1946年ニュージャージー生まれ。医者(家庭医)を開業しつつ、作家として活躍中。日本でもファンが多く、邦訳がいろ... -
「タスケテ…」(島村 洋子)
カリスマアイドル・橘リリカには、ある秘密があった。そんな彼女の周辺で、いつからか不気味な現象が続出し…? 3つの視点――リリカの視点、リリカが立ち寄ったペットショップ店員の視点、そして過去にリリカを取材したことがあるライターの視点が交錯しながら、次第に すべての発端となったある事件が明らかになる、サイコホラーです。 彼女の作品は、今までにエッセイを2冊読んだことがあります。1冊目は、恋愛論を綴った「好きで、たまらない」、2冊目は、色々な不思議体験(例:霊能者に見て貰う、など)のレポートなどで構成された「不思議な体験、したかった。」という作品。どちらも高校時代に読んだので記憶がやや曖昧ですが、それぞれ とてもおもしろかったような印象があります。 そして、今回の「タスケテ…」。サイコホラー…とのことなのですが、幸か不幸か 恐怖シーンはイマイチな気がします。次々に起きる“現象”... -
「るくるく」 (あさりよしとお)
るくるく(1) (アフタヌーンKC) 今回のお題は「る」ということで……前回、「の」で本が見つからないーとのたうちまわった記憶も新たなままなのですが、「る」で思いつかなくてアマゾン検索しても大量の「るるぶ」なんとかに埋もれてしまって「るるぶ」じゃない他の本が全然みつからないのじゃぱおーん!と思いました。「るるぶ」強すぎです。 それはともかく、今回はあさりよしとおの「るくるく」を読みました。シリーズ続刊中で、これを書いてる現在は5巻まで出ているようです。 基本的には、悪魔の瑠久羽(るくは=「るく」)とそのしもべたちが、地獄が罪を犯した人間たちでいっぱいなため人間を救いたい、というなんだかトンチキな理由でやってきて、主人公である中学生の男の子、鈴木六文と同居生活を続けるホームコメディもしくはラブコメディ、といった感じなのですが、あさりよしとおらしいスプラッタでダーク... -
「ストームブレイカー」 (アンソニー・ホロヴィッツ)
感想今日アップだと思っていたら昨日ですか!というわけでちょっと遅刻、ではなくていきなり勘違いしてあわてて書いている、といういいかげんな奴ですごめんなさい。いい加減ついでにタイトルについて言い訳しておきますと、「女王陛下の少年スパイ アレックス!」×2についてはシリーズ名ということで省略、という解釈を致しました。だってほら、背表紙には「ストームブレイカー」しか書いていないし。 しかしこの本の積ん読期間は長かった。単純に荒木飛呂彦関係ということで表紙買いしたのですが、実に3年半も詰まれていたという、個人的には「積ん読」という情けない習慣が始まったきっかけの本でもあったりしたわけで。 で、まあそろそろ内容に入ってどういうシリーズなのか説明しますと、第一巻の本作では14歳(先は知らない)が少年が主人公の007みたいな話なんですが、テイストとしては昔読んだアルセーヌ・ルパンなんかに非... -
「リアルワールド」(桐野 夏生)
●「リアルワールド」桐野夏生 本作を読んで、なんとなく思い出したのが、綿矢りさの「蹴りたい背中」である。 「蹴りたい背中」の主人公ハツは、クラスメイトたちの上辺だけの友達ごっこにウンザリして、端からクラスに馴染もうとしないオタク少年の生き方に救いを見出そうとしていたが、本作の主人王であるトシやキラリンたちが救いを見出そうとした少年は、オタクどころの話じゃない。下着ドロボウの覗き犯の親殺しという、正真正銘の犯罪者である。彼の逃亡を手助けすることで、社会に対する優越感を抱いていたキラリンたちは、「蹴りたい背中」のハツに比べるとまた一段と男の趣味が悪い(w 物語の前半では、友達と遊んだり勉強したりという「リアルワールド」と、フィクションの如き少年の逃走劇という対比の構造があったはずなのに、話が進むにつれ、普段の生活のほうが幾層もの欺瞞で固められたフィクションだったことが露見して... -
「浪漫倶楽部 1」 (天野 こずえ)
新装版 浪漫倶楽部 1 (BLADEコミックス) 幼い頃に 何度か“不思議な存在”と出会ったことがある中学生・火鳥 泉行(かとり せんこう)は、学園で起きる数々の怪現象を解明するために発足された部活・浪漫倶楽部に入部することになった。 とぼけた先輩・綾小路宇土(あやのこうじ うど)や、同級生の橘月夜(たちばな つくよ)らと共に、泉行は 様々な不思議現象に遭遇することに…。 アニメ化・ゲーム化もされた人気作品「ARIA」(→アニメ公式サイト)の作者の、初期連載作品です。 「ARIA」や「AQUA」は、『水の星となった近未来の火星を舞台に、観光都市・ネオ=ヴェネツィアのウンディーネ(ゴンドラによる水先案内人)となるべく 日々鍛錬を重ねる少女たちのハートフルストーリー』で、これらは まったり加減とほんわか具体と癒しテイストが絶妙な作品なのですが…今回ご紹介する「浪漫倶楽... -
「海のある奈良に死す」 (有栖川有栖)
読書感想しりとりリレー、昨年に引き続き、今年も参加することになりました。 昨年のうちに「う」のストックをすっかり使い果たした、今年最初の選書は「海のある奈良に死す」(有栖川有栖)。 作者の有栖川有栖は「学生アリス」と「作家アリス」の2シリーズで有名です。この作品は「作家アリス」シリーズに属するものです。 作者と登場人物の名前が同じであるというのは、エラリー・クイーンの流れだそうなのですが、正直なところ、自意識過剰に見えてしまって今まで食わず嫌いでした。 今回はなにやら意味ありげなタイトルに引かれて購入してみましたたが、地理には疎い私には、そもそも奈良に海があるのかないのかそれすらわからない、で、早速インターネットで検索をしてみたところ、あっさり「海のある奈良」なる言葉がさす地名を発見してしまいました(ちなみに現在の奈良県に海はないそうです。海なし県) てっ... -
「つめたいよるに」(江國香織)
つめたいよるに (新潮文庫) ささきさんからのお題が「つ」ということで、次はあれがくるだろうと予想していた方、期待を裏切ってすみません。ほんとのことを言うと、結構迷ったのですが、あえて今回は別の作者の本を選んで見ました。 この新潮文庫版の「つめたいよるに」には、短編集「つめたいよるに」と「温かなお皿」の二つがあわせて収録されています。 文庫で200ページほど、その中に21篇もの短編が収められているわけですから、1話あたりは10ページ足らずということになります。どの話も淡々としていて、特に起伏や印象的ば場面があるわけではないけれど、読み終わったあとに、ああいい話を読んだなあ、という気持ちになれます。 特に「桃子」「夜の子どもたち」「スイート・ラバーズ」「藤島さんが来る日」「冬の日、防衛庁にて」「とくべつな早朝」は秀逸です(好みの傾向がわかりやすいな、これじゃ) ... -
「石の中の蜘蛛」 (浅暮三文)
石の中の蜘蛛 (集英社文庫) えーお前の一両日中は一体何日間のことを言うんだ? んん? なんにちかんのことをいうんだ!?(本当に申し訳ない) 今回はさすがに講談社ノベルスの呪縛から逃れることが出来た(拍手!) だがしかしメフィスト賞作家である(やっぱり好きでやってるのか?)。 本作は人間の五感のどれか一つが突出したらというテーマで描かれる「五感シリーズ」の一冊であり、日本推理作家協会賞も受賞した筆者の代表的作品である。この『石の中の蜘蛛』で描かれているのは「聴覚」。 新しい部屋を決めた日に轢逃げに遭った主人公。彼はそれがきっかけで聴覚が異常発達し、音の可視化までが可能となってしまった。しかも病院で頭蓋骨に穴を開ける実験(報酬70万)を受けたことで第六感が覚醒、最近では菌まで見えるとか見えないとか。 彼は、失踪したという前の住人の... -
「名探偵はもういない」 (霧舎巧)
「名探偵の掟」だの「めぞん一刻」だのいろいろ候補はあったが、丁度ノベルス落ちしたばかりのこの作品を取りあげる事にした。端正な本格で、きっちりと「読者への挑戦までついていて、しかもカバー折り返しには作者自ら「ミスリーディングへの仕掛がある」と明言している期待感あふれる構成。 いや、霧者巧よ何処に行く、と探偵学園シリーズを始めたときにはどうなるかと思ったが、基本的には数少ないロジックを楽しませてくれる作家の一人だ。だがしかし、そういう「本格」に対して感想を語るというのは非常に難しい。感想内に書かれた地の文は基本的に真実となってしまい、余計な推理要素を持ち込むことになってしまうのだ。だからといって内容に全く触れないというのも味気ない。 いったいどうしたものか、と思いつつ結論だけ書くと、ある一点の伏線以外は導けたのでテストだったらまあ及第点なのだが……実は作者の言う「ある一点」とい... -
「返事はいらない」(宮部みゆき)
返事はいらない (新潮文庫) 宮部みゆきの凄さをいまさら語っても仕方が無いのだが、やはりこういうさらりとしながらも素晴らしい短編を見せられると、その実力の高さを痛感させられる。深い人間描写を絶妙の語り口が淀みなく流す。希代のストーリーテラーだなぁ。 本作ではカードローンを題材にした作品が複数あり、「火車」に繋がる部分を垣間見ることが出来、宮部作品の"ステップ"の部分を楽しむことも出来、「ドルネシアにようこそ」も都会生活にすこし疲れた若者を描いたちょっといい話になっており趣が深い。「聞こえていますか」もちょっと小学生頭良すぎなところはあるが、いろいろ考えさせられる作品となっている。 だが本作で一篇を挙げるとするならば、表題作である「返事はいらない」以外にはない。 短編のお手本のようなシンプルかつ鋭い切れ味の作品に仕上... -
「一番初めにあった海」(加納朋子)
いちばん初めにあった海 (角川文庫) -
「眠りの牢獄」 (浦賀和宏)
眠りの牢獄 (講談社ノベルス) 2回連続メフィスト賞作家、3回連続講談社ノベルスでこんにちは。別に縛りをかけているわけではない。僕の中の何か(主に怖いもの見たさ)がそうさせているのだと思う。そう、まだ縛りの方がマシだという意見は至極もっとも過ぎるので言わないでほしい。 ミステリにおいては、そのトリックが読者に対してフェアであるかが作品を評価する大きなポイントになることが多いのだが、この作品はまさにフェア/アンフェアの境界線に置かれた作品と言える。しかも、そのどちらかに置くかを読者が葛藤し、議論をぶつけ合うことまでを計算に入れたかのような位置にある。筆者の憎たらしいまでのスクリューボールっぷりに嘆息しつつも、我知らず唇が笑みに形作られるのを感じる。 今年ドラマ化されたことで『推理小説』(秦建日子著、ドラマタイトルは『アンフェア』)が巷間でちんまり話題に... -
「シカゴ育ち」(スチュアート ダイベック)
シカゴ育ち (白水Uブックス 143 海外小説の誘惑) 読書中… -
「いちばん初めにあった海」(加納朋子)
いちばん初めにあった海 (角川文庫) -
「冷たい校舎の時は止まる」(辻村深月)
冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ) 第31回メフィスト賞受賞作品なのだそうです。 基本的に文庫になるまで本を買わない主義でもあり、あんまり○○賞受賞とかそういうことで本を選ぶこともないので、この本を購入してみたのはほんとうにただの偶然でした。 上中下巻の3冊組みでひとつの絵になる装丁、ちょっと気になるあらすじ、で、なにげなく見た著者紹介。千葉大学教育学部卒…あらあら後輩だ、しかも年齢的に在籍期間もかぶってるし…ちょっと読んでみようかなあ、くらいの軽い気持ちでした。 ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友の名前が思い出せない。死んだのは誰!?誰もが過ぎる青春とい... -
「リンドキストの箱舟」(アン・ハラム)
リンドキストの箱舟 皆様こんばんわ。「読書感想しりとりリレー2006」のお時間がやってまいりました。一週間超遅れてしまった事はもうお詫びのしようもありません。何とかお題だけは規定日に回したし本も読んだのですが感想がなかなか。 先日参加したmixiの読書会が楽しくてその反面、自分の未熟さにショックを受けまして………あ、また言い訳ですね。 この「読書感想しりとりリレー2006」では断固、海外もの主義!という事で海外作品以外は紹介しないことにしております。それで今回が「り」でして、また迷った挙句、決めさせていただきました。 ハードカバーの、しかもファンタジーを読むなんて久しぶりだなぁと思ってしまいましたが、子供の頃からたどって考えると、もともとはファンタジー作品好きだったのです。読むものがわからなくなってきて、今ではファンタジーのほか、ホラー、SF、ミステリなど乱読状... -
「虹とクロエの物語」 (星野智幸)
「星野智幸最高傑作」とオビにはあるけど、星野智幸に限定せず、傑作だと言おう。 言葉を交わすようにサッカーボールを蹴りあっていた二人の少女、虹子とクロエ。彼女たちが二十年の歳月を経て再会するまでの物語。 無人島に引きこもる「吸血鬼」ユウジ、二十年間月経がないクロエの胎内で成長し続けていた「胎児」、プリズムで分裂する五人の虹子。幻想的で魅力的なガジェットが登場して、惹きこまれる。でも、虹子とクロエの周りに存在するそれらは物語に幻想的な色付けをするためだけにあるわけじゃない。彼女たちの置かれた状況を的確に反映する。過去の自分の選択や、決定を直視しないできた二十年間を。 「40歳を越えたいまからでも、大人になることはまだできるのか?」作者自らがいみじくも独白している。二十年の空白を経た二人の女が(そして男が)、その空白に気づき、「大人」になろう、と、「子供が真似るだけの価値ある人... -
「むかし僕が死んだ家」 (東野 圭吾)
「かまいたちの夜」というゲームがある(→htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。)。我孫子武丸氏が脚本を手がけ、チュンソフトが世に送り出したこの作品は、吹雪に閉ざされた山荘で殺人事件を目の当たりにした主人公たちが、真相を求めて試行錯誤するミステリノベルゲームなのだが、とりあえず今回の「むかし僕が死んだ家」にはあまり関係ない。ただ、来月発売予定の続編htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。が猛烈に楽しみだ!…が、来月はhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。も発売予定だし お財布が大変だなぁ、という主張がしたかっただけだ。 …というのは半分冗談で、今回チョイスした「むかし僕が死んだ家... -
「ゲームの名は誘拐」 (東野圭吾)
敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城の娘と出会う。“ゲームの達人”を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使し、身代金三億円の奪取を狙う。犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー。 東野圭吾の作品は、私にとってあたりはずれがあるらしく、面白いと感じる本とつまらないと感じる本ときっぱり別れます。 これをお題の本を読む前に買った「レイクサイドホテル」は 私的にどこが面白いのかよくわからなかった一冊でした。 さて、冒頭にあらすじをいれたので割愛しますが、 偽装誘拐が成功し、無事3億円を手に入れた後、この話の山場が訪れます。 葛城の娘-樹里-が殺害されたあたりからあれよあれよと状況が変わって行きます。 前半、色... -
2006年6月
6月29日(木) 【アンダー】 ち、ちくしょうこんな文字回しやがって!wというのが来ましたが、何とか回してあちゃぞうさんに昨日、MAILしました。ああ感想アップは何とか間に合わせたい。そしてmixiの読書会の方もちゃんとやりたい。そしてそしてアニメも週にXX本ちゃんと観るぞー。 6月26日(月) 【なりた】 読んだ本のなかに当てはまるのがあるだけでもすごいですね。 感想アップしました。 6月23日(金) 【本条】 私が読んだ本の中で当てはまるのは「ルドルフともだちひとりだち」だけかしら…。 amazonで「る」から始まる単語をてきとーに検索していたら、「ルール違反も恋のうち」というのが引っかかりました。「これか!?」と思って詳細画面をみたら、ボーイズラブ小説でした。…これか!? 6月22日(木) 【橋立】 「る」で始まって「ち」で終わるのが、み... -
「宇宙船ビーグル号」(A・E・ヴァン・ヴォクト)
皆様こんばんわ。 えー、ぶっちしたと思われるでしょうか。していません。いつアップだったのか思い出せないぐらいブッ放しましたけど。またか。そうこうしているうちに今年も終わっちゃいそうです。 毎度のご挨拶です。この「読書感想しりとりリレー2006」では海外もの主義という事で海外作品のみを紹介させていただいております。今回は「う」で来てそろそろSFをという事で『宇宙船ビーグル号の冒険』はアウト、なら『宇宙船ビーグル号』………ところがお題を送った後に、本が買えないのなんのって。『ウは宇宙のウ』とか買ってこれでもいいかとか思っていたんですが、字だけあってて本は違う、っていうのがいいのかどうか解りませんでした(駄目だろ)。 本が見つからなかったので買いなおしたのですが78年に出ているハヤカワ文庫版、2002年でたったの十刷なのですね………読まれていないもんです。 ワ... -
「Uの世界」 (神林 長平)
htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 竹田さんの「with you」の次は、「う」で行くべきか「ゆー」で行くべきか…「上と外」(恩田陸)は 読みたいけど全6巻だし、同氏の「ユージニア」は まだ文庫落ちしてないから高い…いっそ「YU-NO」のノベライズにするか!(いやあれは「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」だからダメだ)…などと軽く悩んだ結果、いろいろ放棄して「u」から始まるタイトルの 全然知らない本をチョイスしてみました。 ちなみに「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」は超絶おすすめゲームなので、機会があったら是非。…18禁だけど。PC98版とセガサターン版しかないけど。 閑話休題。 この作品「Uの世界」は、6話の短編が収録された連作短編集です。 各物語の主人公は、それぞれ「優子」「祐... -
「ラグナロク洞 -“あかずの扉”研究会影郎沼へ- 」 (霧舎巧)
ラグナロク洞―「あかずの扉」研究会 影郎沼へ (講談社ノベルス) 霧舎巧を僕は"タクミン"と呼ぶ。 嘘。呼ばない。もちろん藤原伊織のことも"イオリン"とは呼ばないが、佐藤友哉は"ユヤタン"と呼ぶかもしれない。"なっち"といえば安部ではなく京極だし、"辻ちゃん"は辻真先に決まっている。これはミステリ読みにとっては常識と言えることである。知らねば恥ずべきことだが、人に言ったらもっと恥ずかしいことになると思うので、口外するのはお勧めしない。 さて、冒頭の挨拶(挨拶だったんだ)は、これくらいにして作品の感想に入りたいと思う。 本作は筆者のデビュー作から続く「あかずの扉研究会」シリーズの三作目にあたる作品である。全編に漂うラブコメ臭と霧舎学園シリーズの扉... -
「罪と罰」 (ドストエフスキー)
「月は東に日は西に」(わかつきめぐみ)でも取りあげて楽をしようかと最初は考えた。単純に「はにはに」なるエロゲはどこまでこの名作を意識していたのだろうか、とか小ネタもあるし、何より氏の漫画が好きだからだ。 だがしかし、せっかく「つ」でまわってきた訳だし、こんな機会でもないと再読する機会がないだろう、というわけで「罪と罰」と相成った。棚には1987年、第67刷という恐ろしく昔の岩波文庫版(翻訳者は中村白葉だ!)があったのでそれを素直に再読したのだが、価格は上中下で250,300,300円だわ、ドストエーフスキー表記だわ、「パス」という単語にかっこがきで注釈(しかもトランプではなくカルタを例に出していた)がついていたりと、まあ何だ、高々20年前の翻訳ものってこんなんだったんだなあ、と内容とは関係の無いところでも色々感慨があった。単純に当時中学生だった私が「何だろうなこれ」と思いつつ読んだ... -
「暗闇坂の人食いの木」 (島田荘司)
暗闇坂の人喰いの木 (講談社ノベルス) 島田荘司である。今日の本格ミステリを語る上で決して外すことの許されない作家である。……であるのだが、ささきはミステリ読みの癖にあんまり島田作品を読んでいない。ひとこれをモグリという。ひきこもりだけど、モグリは嫌なので「ひ」のお題でこの作品を選んだ。 本作は『占星術殺人事件』、『斜め屋敷の犯罪』に続く御手洗シリーズの三作目、つまり作家石岡和己が巷間に上梓した三番目の事件ということになる。石岡先生曰く、この事件に比べたら前者ふたつはまだ生易しい事件になるらしい。 その言葉の通り、この暗闇坂の大楠を取り巻く事件は非常におぞましく、人間の狂気を垣間見せられた。中でも一番恐ろしかったのは、あの厚さであった。あつーい! あついよ小沢さーん! ただ、その重厚(冗長?)な物語の割にメインのトリックは分かりやすいもので... -
2006年2月
2月26日(日) 【if】 日記スペースがあると何か書かなければいけないような強迫観念に囚われるのは、人間の性というやつなのだと思います。(ごく一部の) さて、1週間のオーストラリア旅行から帰ってきて、未だ南国気分の抜けないわたくしめでありますが、メールチェックしたらまっさきに若林さんからのお題メールが飛び込んできて、一気に目が覚めました。 そして案の定、お題を見てすぐに思い浮かんだ単語は、酒の名前ばかりなのでした。 2月14日(火) 【なりた】 あっ、うっかりしてました。ご指摘ありがとうございます。追記しました。だれが読んでも同じような感想しか抱かないような本ではまったくなくて、むしろそれぞれがとても個人的な読み方をしてしまうような本だと思うので、他の方の感想と合わせて読んでもらうというのは理想的ですね。最初から旅人さんの感想を念頭において書かせてもらえばよかった... -
「太陽の塔」 (森見登美彦)
いちおう「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作ということだから、クォリティはある程度は担保されているだろうと買っては見たものの、SF方面の知人友人のあいだで「京大ダメ学生(オタク)小説」等と大学名を冠されて話されることが多く、何とはなしに敬遠して積んでいたもの。 「読書感想しりとりリレー2006」の課題で「た」が回ってきたのをいい機会と、普段は手を伸ばさない棚にある『太陽の塔』をに読んでみたら、いやびっくり、これが猛烈に面白かった。愉快で、チャーミングで、切なかった。 『太陽の塔』の主人公は、非モテで、いちおう頭は良く、けれど肥大しきった自我を持て余しがちな京大五回生の男子で、これは彼が「終わってしまった恋」を再確認する、というような話だ。 しかし、私が女ッ気のなかった生活を悔やんでいるなどと誤解されては困る。自己嫌悪や後悔の念ほど、私と無縁なものはないのだ。かつて私... -
「イブのおくれ毛」 (田辺 聖子)
イブのおくれ毛 (ベスト・オブ・女の長風呂) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 後れ毛というと、女の人が髪をまとめて、そこから少しこぼれてほつれた幾筋かの毛のことを指し、ぼくはあまりピンとこないのだが、人によっては色気を感じるポイントなのだとか。さて、その「おくれ毛」をタイトルに含む、「おせいさん」こと田辺聖子のこの本は、色、をテーマにしたエッセイ集である。「ベスト・オブ・女の長風呂」というシリーズ名がまたいい。最近、歳のせいか、カタカナの「オブ」しかも後に中黒(・)が付いているのをみると、「ジョイトイ」と続けるしかないという強迫観念につきまとわれているのだが、それもまた色に遠からじ。 さておき、今回の課題図書を選ぶ段、図書館をうろついていると、まずこのシリーズ名が目に入り、なんだと思って見ればその... -
「イブの後れ毛」 (田辺 聖子)
イブのおくれ毛 (ベスト・オブ・女の長風呂) htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 後れ毛というと、女の人が髪をまとめて、そこから少しこぼれてほつれた幾筋かの毛のことを指し、ぼくはあまりピンとこないのだが、人によっては色気を感じるポイントなのだとか。さて、その「おくれ毛」をタイトルに含む、「おせいさん」こと田辺聖子のこの本は、色、をテーマにしたエッセイ集である。「ベスト・オブ・女の長風呂」というシリーズ名がまたいい。最近、歳のせいか、カタカナの「オブ」しかも後に中黒(・)が付いているのをみると、「ジョイトイ」と続けるしかないという強迫観念につきまとわれているのだが、それもまた色に遠からじ。 さておき、今回の課題図書を選ぶ段、図書館をうろついていると、まずこのシリーズ名が目に入り、なんだと思って見ればそのタ... - @wiki全体から「「三毛猫ホームズの推理」(赤川次郎)」で調べる