革マル研究

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革マル研究 - (2013/07/14 (日) 22:21:44) の編集履歴(バックアップ)



衆 - 内閣委員会 - 18号 平成15年07月16日

西村委員 
 最近、「Z(革マル派)の研究」という本が出版されました。この本は、野村旗守というジャーナリストが、Z、つまり革マル派を研究して書かれた本であります。
おおよその内容は、革マル派が、早稲田大学を拠点として、例えば早稲田祭、大学祭の最大のもので、早稲田祭を資金源として、そこを占拠したと。
これと同じ手法でJR総連に浸透して、それを占拠しつつあると。
どういう事件を今まで起こしてきたのか、どういう組織なのかということを書いてあるわけであります。
 この本の、この野村さんというジャーナリストの注意喚起が事実に基づいているならば、JR東日本に革マルが浸透しているということは、JR東日本は首都圏の大動脈である、首都圏の大動脈が革マル派というものの影響下にあるということは、国民の安全という治安の観点からいって、その治安に責任を持つ閣僚である国家公安委員長としては、愕然として、使命感に目覚めて、もって全力で取り組むべき課題である、このように思うわけです。
 それで、せっかくお越しいただいて、御答弁は結構でございますが、この実態を今鋭意捜査に当たられている警察当局からお聞きしますので、お見守りいただきたいと思います。
そこで、警察におかれては、平成八年に革マル派の非公然アジト十カ所の捜索を開始し、驚くべき事実が明らかになった。
そして、本日に至るまで、その実態、目的、危険性などの解明努力をされてきたのでございますけれども、現時点でその解明結果を改めて、革マルの本質、実態を御説明いただきたいと存じますが、よろしくお願いします。
奥村政府参考人 お答えをいたします。
 警察といたしましては、極左暴力集団である革マル派の動向につきましてはかねて重大な関心を持っておりまして、情報収集あるいは事件検挙に努めてきたところでありますけれども、
平成八年以降、革マル派の非公然アジト十七カ所を摘発いたしまして、これらのアジトから押収した資料につきましても徹底的に分析をしてきたところであります。そうした捜査等のこれまでの結果を総括的に申し上げますと、
まず一つは、革マル派の基本的な性格と路線でありますが、この革マル派と申しますのは、

日本で暴力主義的破壊活動によりまして共産主義革命を起こすことを最終的な目標としている組織でありまして、現在、構成員が約五千人であります。

 昭和五十年代の初めまでは、対立をしております同じ極左暴力集団の中核派、革労協との間で大変陰惨な内ゲバ事件を繰り返しまして、十数人を殺害する、また数百人に傷害を与えておりますけれども、その後、昭和五十年代の初めになりまして、まだ革命情勢は到来をしていないという彼らなりの認識のもとに、当面は組織の拡大に重点を置くようになりまして、このため、党派性を隠す、
革マルであるということを隠して、基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図って、勢力を拡大しておるところであります。
 それから二つ目に、
革マル派は、そうした活動の過程におきまして、これまで数々の犯罪を敢行してきた
ところでありまして、今申し上げました内ゲバ事件に伴う数多くの殺人とか傷害事件はもとよりでありますけれども、自分たちと対立するグループ、例えば国労とかJR連合傘下のJR西労組の組合員、あるいは、先ほどお話がありました早稲田の学内から革マル派を排除をしようとしておりました早稲田大学の学生部長等に対しまして、情報収集等を目的とした盗聴事件、あるいは住居侵入、窃盗などを繰り返してまいりましたほか、組織と対立する人物等に対しては、強要、暴行あるいはいわゆるナーバス、無言電話を繰り返しかけるといったものでありますけれども、こういうナーバス等を大変執拗に行ってきているところであります。
三つ目に、革マル派は権力謀略論という非常に荒唐無稽なものを唱えておりまして、
これは例えば、極左暴力集団内の内ゲバというのは国家権力が実は事件の犯人だと。革マル派の者が中核派に内ゲバでやられましても、これは中核派がやったのではなくて、実は国家権力が自分たちを攻撃したんだというようなことを言っております。平成九年に起きました神戸の小学生の殺傷事件、いわゆる酒鬼薔薇事件でありますけれども、この真の犯人は権力であるというふうに言っておりまして、
それを彼らなりに証明しようということで、犯人の少年の検事調書を兵庫県内の病院から盗んでおります。
 警察といたしましては、こういう極左暴力集団革マル派の動向につきましては引き続き重大な関心を持っておりまして、革マル派の非公然、非合法活動の実態解明に努めますとともに、違法行為につきましては今後とも厳正に取り締まってまいりたいというふうに考えております。
西村委員 
 現時点で公表し得べき全容は公表していただいたと思うわけですが、革マル派が敵対する者に対しては無言電話等々の圧力をかけてくるというのは、かく質問している国会議員に関しても、極めて当てはまることであります。私は実体験しております。
 さて、今の全容御説明で満足すべきところですが、もう少し具体的にお聞きいたしますが、二年前の平成十三年五月二十五日の私の質問に対する御答弁で、
当局は、革マル派内にJRを担当するトラジャという組織がある、そして、JR内にそのトラジャの傘下にマングローブという組織があるという裏づけをとっておる、JR総連、東労組内に影響力を行使できる立場に革マル派が相当浸透しておる、その地位にある具体的な人物は特定できておる、このように答弁されました。
 本年七月の報道では、その後に家宅捜索したJR東労組関連組織から、トラジャ、マングローブに関する資料が押収されているという報道もございます。これらの二年前の御答弁に関しては、その二年間の捜査努力を総合して、その認識に変更すべき点はあるのかないのか。この認識に変更はないのかということについて確認したいと思いますが、いかがでございますか。
奥村政府参考人 
 革マル派は、ただいま申し上げましたとおり、勢力拡大のために基幹産業の労働組合等各界各層に浸透を図ろうとしておりますけれども、このために
党の中央組織の中に産業ごとに労働者を指導する労働者委員会を設けておりまして、それぞれ任務を分担しております。
その中にJRを担当する組織がございまして、これは通称トラジャと呼ばれて、JR内の労働者を指導しております。
一方、JR労組内には、このトラジャの下部組織といたしましてマングローブと呼ばれる組織がございまして、このマングローブがJR内の革マル派の指導に当たっております。
このことは、平成八年以降摘発をいたしました革マル派の非公然アジト十七カ所から押収いたしました資料あるいは内部文書等からも明らかになっております。
 警察といたしましては、こういう点を総合的に分析、検討いたしました結果、JR総連やJR東労組に対して革マル派が相当浸透しているという分析結果を申し上げた次第でありまして、この見解は現在でも変わっていないところであります。
 また、警察は、昨年の十一月に革マル派が絡む退職強要事件を検挙しておりますけれども、この事件は、革マル派活動家を含むJR東労組の組合員七人、これが、同じJR東労組の組合員であります電車の運転手に対しまして、この運転手の方がJR東労組と対立をするほかの組合のメンバーと一緒にキャンプに行ったということに因縁をつけまして、十数回にわたって集団で取り囲んで脅迫をいたしまして、この人物をJR東労組から脱退させることはもとより、最終的には会社そのものを退職させたという事件でございまして、この事件では七人の者を逮捕いたしまして、現在公判中であります。
 それから、先ほどお話にありましたけれども、先月の六月の十二日には、
JR総連の本部執行委員三人による集団暴行事件で、JR総連事務所のあります目黒のさつき会館等十八カ所を捜索
しておりますけれども、この事件は、去年の六月に東京駅の八重洲口で、この執行委員三人がJR東海の助役を取り囲みまして、腕とか背広の襟をつかんだり引っ張ったりする暴行を加えた事件でございます。
 警察といたしましては、先ほど申し上げました以前からの捜査等の結果や、最近のこうした事件の捜査結果にかんがみますと、JR総連や東労組に対して革マル派は依然として相当浸透しているというふうに考えておるところでございます。
西村委員 ありがとうございます。
 今の警察の答弁の表明、つまり、JR総連、東労組内に革マル派が相当浸透している、また、先ほど御説明いただいた昨年十一月一日の東労組組合員七名の強要罪名下での逮捕ということに関して、JR総連は執行委員長名で、警察庁長官、国土交通大臣、内閣総理大臣に、JR総連及び東労組内に、革マル派が浸透しているなどのことは事実無根である、根拠を示せという申し入れを行い、また、先ほどの強要事件に関しても、東京地検検事正、警視総監に事実無根の旨の申し入れを行っております。また、さらに、革マル派とJR総連を関連づけて報道した報道機関に抗議文を送っておるということでございますが、私の考えでは、これは語るに落ちるなと。
 つまり、警察の先ほど来の認定を前提にすれば、つまり、東労組、JR総連内に、組織に影響力を行使できる立場に革マル派が浸透しているという前提からするならば、このJR総連の、事実無根である、革マルとJR総連は関係ないという文書も、革マルの影響下に作成されたことになるわけでございますから、語るに落ちるわけであります。
 捜査に対しては、このような抗議、申し入れを当局が受けることは間々あると思いますけれども、このような抗議、申し入れを受けるいわれは当局にあるのかどうか、当局としてはやるべきことは徹底的にやるつもりなのか、この件について御答弁いただきたい。
奥村政府参考人 
 警察といたしましては、ただいま申し上げましたとおり、革マル派の非公然アジトを摘発いたしまして、これらのアジトから押収をいたしました資料の分析等によりまして、革マル派が国労の役員宅あるいはJR連合傘下のJR西労組の役員宅に侵入した事件を検挙する一方で、JR総連、東労組内における革マル派の組織の実態について解明を進めてきたところであります。
そうした具体的な捜査活動によって積み上げてまいりました根拠に基づいて、

警察としては、JR総連、東労組に対して革マル派が相当浸透していると見ている

ところでありまして、したがいまして、こうした見解につきまして、何ら抗議や申し入れを受けるいわれはないと考えております。
警察といたしましては、今後とも、公共交通機関の労働組合における極左暴力集団、革マル派の動向につきましては、重大な関心を払ってまいりたいと考えております。
西村委員 
 それで、この「Zの研究」では、大学祭における最大のイベントたる早稲田大学の大学祭が革マルの資金源になっておるので、大学当局は早稲田祭を中止して今日に至っておるということが書かれております。
 現在の革マル派の資金源、この資金の金額、先ほど、十七カ所のアジトを捜索されたわけでありますが、その中からは多くの機材が出てきたということであります。資金が当然要るわけでございます。これらの資金はどこから来るのか。
 世界のテロに対する闘いの最大の関心事は、テロ組織に資金を供給する者もテロ組織の一員であるという前提で今世界は動いておるわけでありますが、この観点からいうならば、革マルの資金源はどこなのか、そして、資金額はどうなのか、それを供給している温床はどこなのか。これを徹底的につぶさねばならないと思いますのでお聞きいたしますが、公表できる範囲で、革マルの資金源は今どこなのか、資金額はどれほどなのかということをお聞かせいただきたい。
奥村政府参考人 
 革マル派の資金源には、革マルの機関紙誌、週刊の「解放」とか、あるいは隔月に出ております「新世紀」という機関紙誌がございますけれども、
これらの売上代金、それから活動家が納めます同盟費、あるいは活動家やシンパから徴収するカンパ、その他のものがあると承知をしております。
 資金額につきましては、これは、私ども警察活動のいわば結果を明らかにすることでございまして、今後の活動に支障を来すおそれもございますので、これにつきましては、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
西村委員 わかりました。
 今の警察当局の御答弁を前提にして、JRの革マルに関して国土交通省当局にお聞きするわけですが、この間に、朝鮮総連に対して、大臣に御答弁いただきたいことが一項ありますので、ちょっとこれを挿入させていただきます。
革マルといい、そして朝鮮総連といい、オウムの次はZだという革マル、そして、それと同じように言うならば、朝鮮総連とは何だ、この実態は何なんだということでございます。
 このごろ朝鮮総連に関する本もあらわれまして、内部告発文を本にしたこの「わが朝鮮総連の罪と罰」、文芸春秋、韓光熙という元朝鮮総連中央本部財政局副局長の語った本を今持ってきております。朝鮮総連とはという、罪と罰ということを語られておるわけであります。
 例えばこの本の九十七ページには、私、つまり韓さんが学習組、朝鮮総連傘下の非公然組織である学習組に入って、日本の侵入ポイントを三十八カ所つくったということが書いてあります。北海道から鹿児島まで、地図に記名して書いてあります。
 こういうことをこの方は、韓さんは言っておられる。「北朝鮮の工作員が上陸する侵入ポイントは、現在、日本国内におそらく百カ所以上あるものと推測される。そのうち六〇年代の後半から三年か四年かけて私がつくった場所が、北海道から鹿児島まで全部で三十八カ所ある。私がつくった場所はまだ一度も発見されていないから、現在でも使用されているはずである。」
 ということで、侵入ポイントの地図が、具体的に、この人しかわからないと思われる書き方で記載されておる。この侵入ポイントから、覚せい剤が運び込まれるのか、日本人が拉致されて連れ去られるのか。侵入ポイント、非公開港、開かれていない港から入るわけですから、入ること自体が日本国内の犯罪であるということ。犯罪のポイントですね、これは。
それから、この本の二百二十ページには、朝鮮総連が北朝鮮に送金することが書いてある。「日本から非合法的に送られる資金は、そのほとんどが新潟港と北朝鮮の元山港を結ぶ準定期航路を通じて、現金のかたちで運ばれる。」
 二百二十六ページには、日本の「外為法では、五百万以上の現金の持ち出しは届け出が必要ということになっているが、税関員など一人か二人いるだけだから、いちいち手荷物検査などできるわけがない。
それに、朝鮮総連では、新潟の税関を常日ごろから接待等で手なずけている
ので、税関のほうも最初から調べる気がないようだ。」
 この送金も違法ですわな。朝鮮総連が指示してこういう違法をやっておる。

そして、アメリカからの指摘では、北朝鮮の核ミサイル開発は日本の資金でやっておるんだということであります。

 さらに、この本の二百五十二ページには、朝銀資金の流用、これは、警察が、捜査二課が朝鮮総連に強制捜査をかけられた件ですが、これも書いてある。朝銀東京理事長と朝鮮総連の金庫番が共謀して、「架空の口座を通じて朝銀から総連に、約八億円を不正に流用していた、」こういうことも書いてあるわけです。これは、警察が裏づけて強制捜査もやっているわけです。
 しかし、私が申した日本侵入ポイント、送金の実態については、まだ警察は解明のメスを入れていない。
 この方はかなり高齢の方であります。朝鮮総連の罪と罰を告白するわけですから、身の危険を感じて告白されておるわけです。病身のかなり高齢の方が、身の危険を引き受けてうそを述べるはずがないわけです。極めて信憑性のある内部告発だと思うわけです。
 これらのことを内部告発しており、覚せい剤が、北朝鮮製の極めて純度の高い覚せい剤が日本に驚くべき数が入っておるということは、警察が把握している。世界から、日本から送金された資金で北朝鮮の独裁政権はもっており、そしてあの体制が続き、営々核ミサイルの開発をやっておるんだという情報を総合すれば、国家公安委員長としては、朝鮮総連を最大のターゲットとして、日本の治安を維持するために、世界からテロ支援国家が日本であるという汚名を返上するために取り組まねばならないのではないですか、質問するまでもなく取り組まねばならないのではないですかということを申し上げます。国家公安委員長の覚悟、御所見をお伺いいたします。
谷垣国務大臣 
 警察として、朝鮮総連に対する認識というのは、要約すれば二点でございます。
一つは、北朝鮮を支持する在日朝鮮人によって構成されている団体でございますけれども、その綱領の第一項には、「われわれは、すべての在日同胞を朝鮮民族の真の祖国である朝鮮民主主義人民共和国の周りに総結集させ、愛国愛族の旗のもとにチュチェ偉業の継承、完成のために献身する。」
こうございますが、極めて北朝鮮と密接な関係のある、一心同体という言葉が適切かどうかわかりませんが、そのような団体であるという認識が第一点でございます。
第二点は、今まで朝鮮総連関係者が関与していた密出入国事件あるいは不正輸出事件、こういうようなものが、これはもう一々名前を挙げることは差し控えますが、従前からこういうものが随分あったわけでございまして、幾つも事例がある、
こういう認識が第二点でございます。
 こういうことでありますから、公共の安全と秩序を維持するという警察の責務の観点から、

警察が朝鮮総連の動向に重大な関心を持つというのは当然のことであろう、

こういうふうに考えております。今後とも、具体的に刑罰法令に違反する行為がございますれば、これに対して厳正に対処していくということは当然のことであろうと承知しておりまして、国家公安委員会としても、そのような警察の活動を督励してまいりたい、こう思っております。
西村委員 
 警察単独ではできないので大臣にお聞きしたわけですが、万景峰号が来れなくなったということ一つとってみても、各部署が国内法令を適切に適用していけば万景峰号は来れなくなったわけでありますから、各部署が、そこで不正の発覚を認めたら直ちに警察との連絡をとってやるというふうな連携が必要でございますから、内閣は一体でございますから、閣議でどうかその旨を関係大臣とともに密にしていただきたい。
 そして、大臣の認識された一点、二点の朝鮮総連に対する認識があるならば、これは破壊活動防止法を適用してもいい団体ですから、その方向で、問題意識で、この団体を解散さすまで闘っていただきたい。
 さて、今までの公安委員会委員長の答弁、それから警察当局の革マルに関する現状認識を前提にして国土交通省当局に聞きますが、国土交通省は、他人事ではなくて、既にこの問題の当事者である。二年前、JR総連、東労組に、革マル派、相当浸透しておりますよ、それをコントロールする立場に浸透しておりますよと言われて、現状もその認識は変わりがないという警察の事実認定でありますが、なぜこれは、JR総連、東労組またJRはこの革マルの浸透を排除できないのか、この理由は那辺にあるのかということであります。
 時間の節約上、私からまとめてお聞きしますけれども、
JR総連、JR東労組だけではなくて、革マル派の浸透はJRそのものに及んでいるから排除できないのではありませんか。

労組だけが革マル派の影響を受けて、会社が受けないということは考えられないのであります。

その実態の解明はそもそもしておるのか、これが一点お聞きすること。
それから、JRそのものが影響下にあるのではないか。これは「Zの研究」百三十七ページにこう書いてあるからお聞きするわけですが、ここには、JRの当時の松田社長と、松崎というJR総連のトップの人の語ったことが書かれてある。この本に書かれてあるわけです。
 例えば、「私はとくに、」私というのは松崎さんですが、「松田常務とはお互いに昭和十一年生まれでありますが、」「十一年生まれの同期の桜という感じでしてよく同志と言い合います。ですから、男が男に同志と言う以上、生半可なもんじゃありません。」これは一九八八年十一月の、千葉で語られたことだと。
 一方、八九年七月、中央委員会で、松崎さんから松田常務と言われた、そのときは松田社長になっておられる方、この方は、今道路公団民営化推進委員ということになっておられる方でありますが、こう松田社長は語っておる。社長が、「私は国鉄改革を一緒にやり、かつ、ですね、いま新会社を一緒に支えているというつもりですから、その意味では気持ちとしては一緒にやっている、」この一緒にやっているのは、この本では(松崎と)と書いてある。したがって、「死なばもろともというか、そういう感じでいますよ。」と。
JR東日本の松田社長とJR総連の松崎さんは、「男が男に同志と言う」、「生半可なもんじゃありません。」という松崎さんの関係説明、松田社長の方は、「死なばもろともというか、そういう感じでいますよ。」という関係、これが象徴的に語っておるのではないか。
 革マル派は、JR総連、東労組だけではなくて、JRそのものに浸透している。それは社長の発言で明らかにある。したがって、日本の治安の、また首都圏の大動脈の最大の脅威である過激派革マルを、JR総連、東労組からJR自身の手で排除できないんだ、こういうふうに考えますが、当事者である国土交通省はどう感じておられますか。
御答弁をいただけましたら。
石川政府参考人 
 先ほどから警備当局から、JR総連あるいはJR東労組に革マル派が相当浸透しているという御答弁があったわけでございますが、私どもの扇国土交通大臣も、国土交通委員会でございますけれども、「これは基本的にはJR東の話ではありますけれども、」「JR東の運行が安全で安心であるということの原則からすれば、私は大変憂慮すべき問題を内含しているのではないかと思っております。」こういうふうに御答弁しているわけでございます。
 私どもとしても、事務方としてもそう思っているわけでございますが、ただ、今の先生のお話のように、革マル派がJR東の会社そのものに及んでいるかどうかということについては、私どもとしては承知しておりません。
 いずれにしましても、法に触れるような行為があれば、警察当局によってしかるべき対応がとられると考えておりまして、私どもとしては、基本的には、この問題に関し、JR東日本が適切な鉄道事業運営を図る上で必要となる健全な労使関係をいかに構築していくかという、同社の経営上の問題と認識をしておるわけでございます。
西村委員 
 今の御答弁でも、まだ他人事のような御答弁ですな。法に触れることがあれば警察が適切に対処していただくと思っておる、これは当たり前の話なんだよ。物の実態は、JR労働組合の中だけに浸透して、JRという会社が影響を受けないということはないじゃないかということなんです。これは扇大臣もそうだと認めておるというふうに今認められた。
 だったら、質問項目にないけれども、知っておられたらお答えいただいたらいいのですが、昨年十一月の強要事件、七名逮捕された強要事件、これは、JR当局から警察に通報があって、警察が逮捕に至った事例ですか
石川政府参考人 
 申しわけありませんが、ちょっと、私、詳しいことはわかりません。
西村委員 
 まさに今お答えになった観点から、適当に公共運輸事業が運営されているかどうかという観点から、最大の関心を持たねばならないのではないかということは、私、もう一遍確認したい。今お答えになった観点から、JR東労組の中に革マルが浸透しているということを最大の関心を持って対処しなければならないのではないか。
新幹線置き石事件、列車妨害事件、あらゆることが発生しているじゃないですか。
 さて、今おっしゃった観点から、当事者として最大の関心を持たなければならない、こういうことでしょう、革マルの浸透は。そうなんですね。
石川政府参考人 
 私どもが申し上げておりますのは、鉄道事業者でありますJR東日本、これが安全で安定した鉄道輸送を確保するということが必要だろうと思っているわけでございます。したがいまして、そういう意味で、例えば鉄道運転事故あるいは輸送障害等々がありますれば、それに対して厳重注意であるとか再発防止の指示等の指導を行ってきているわけでございまして、そういう意味で、鉄道輸送の安全にかかわる問題が出てくるのであれば、私どもとして適切に対処してまいりたい、こう申し上げているわけでございます。
西村委員 
 まさにそれが出てきているじゃありませんか。列車妨害事例は頻発しておりましたでしょう。だから、皆さんがこういう問題に関心を持たなければ、公共輸送機関の民間マネジメント会社に委託して済ませる、それで十分なんですよ。
新幹線のボルト外し、置き石、新幹線連続置き針事件、これはこの本の百四十五ページから十ページにわたって書いてあることですから。そして、このジャーナリストは、それは革マル派と関係があると言っておる。それは調べなければいかぬ、えらいことになる。
 そこで、先ほどの答弁は、JRそのものに影響があるかどうかは、浸透しているかどうかはわからない、承知していないという答弁だったけれども、警察と連絡を密にして、その実態を積極的にあなた方の情報にしていただきたい。それで、この「Zの研究」を、こんな市販された本だからおれたちは関係ないぞと思わずに、まさに今御答弁なさったあなた方の責務に密接に関連することが書いてあるわけですから、一度読んで、本当かうそか検証されたらどうですか。ちょっとその辺の答弁を。うなずいているんやったら、それを言葉にして、はいとここで言うてくれ。
石川政府参考人 
 勉強させていただきます。
西村委員 
 昨年十一月の強要事件は、JR総連の歴史始まって以来初めて起こったのではありません。この「Zの研究」百二十三ページにはこういうことが書いてある。そして、JR総連の体質から見ては、これはあり得べきことです。
 これは、JRグリーンユニオンに移ったJR総連の元組合員が、先ほど警察からも御説明いただきましたけれども、非常に厳しい追及を受けたんだということで、組合が違うという理由だけでほかの友達づき合いまで干渉されるんだということを告白されております。このような被害を受けたのはこの人だけではないんだと。
 「他労組の行事に参加した、東労組の批判をした、などの理由で執拗な監視・脅迫を受けたという訴えを、私は」、つまり、著者の野村さんは「ほかにいくつも聞いている。そして、
東労組を脱退し対抗組合に加入でもしようものなら集団で取り囲まれ、「組織破壊行為だ」「権力の手先に成り下がった」など、罵声の集中砲火を浴びせられることになる(東労組の組合員たちは、これを「カゴメカゴメ」と称しているという)。」
 カゴメカゴメというのは、子供が手をつないで、波のように一人の子供に押し寄せたり、はやしながら押し寄せる、懐かしい子供の遊びの一つのパターンでありますが、カゴメカゴメと称しているんだと。しかし、このカゴメカゴメは明らかに強要であり、侮辱であります。
 今後、JR東に関する指導において、このようなことがあれば、小さなことでも逐一許さない、黙認しないというふうな姿勢をとるということ、少しの違法も見逃さないという体制をもって公共輸送機関としての責務を果たそうとする意識がなければだめだということ。そしてまた、会社が従業員、勤労者の安全と自由を守るための断固とした意思を持たなければだめだということ。こういう観点、つまり国土省の公共輸送機関の安全を守るという観点、これはイコールなんですが、この観点から、会社を指導し、そして警察から指摘されているJR総連、東労組に浸透している革マル派を排除するように強烈な指導をすべきではないか、するつもりはあるのかということについて、御答弁いただきたい。