Uncanny X-Men Vol. 3
(シリーズタイトル、マーベル)
出版:2013年4月〜
"遺伝子の突然変異で生まれ普通の人間以上の能力を持つミュータントは進化の次の段階である。 そのため彼らは人類から恐れられ嫌われているが、それでもX-MENとして知られるミュータントのグループはミュータントと人類の平和的共存のために戦っている。 だが、すべてのミュータントが平和共存を現実のものと考えているわけではない。"
概要
2013年の大型リランチ"Marvel Now!"のラインナップとして開始された新たな"Uncanny X-Men"のシリーズ。
大型クロスオーバー"
Avengers vs. X-MEN"の終焉を受けてミュータント情勢が大きく変化した中、
サイクロップス一派の動向を追う。
シリーズ開始時の情勢
フェニックス・フォースの来襲をめぐって起きた
アベンジャーズと
X-MENの全面戦争は
スカーレットウィッチと
ホープの活躍により終焉。
世界中に拡散して消滅した
フェニックス・フォースの力で新たにミュータントとして覚醒する人々が現れ、ミュータントは
M-Dayによる絶滅の危機を脱しつつあった。
サイクロップスはフェニックスの力に取り込まれたために行った世界レベルの破壊、及び
プロフェッサーX殺害の罪により逮捕されたが脱獄。他数名のミュータントと共に指名手配され、ミュータントテロリストに認定されている。それでも逆に平和や繁栄のためにとった行動と支持する一般人も多い。
そんな中、新たなミュータントの教育機関として「
新エグゼビア学園」(New Xavier's School for Gifted)を立ち上げ、新しく現れたミュータントの勧誘・教育に力を注ぐ。
一方の
アベンジャーズや
S.H.I.E.L.D.はサイクロップスを再び逮捕するべく行方を追っている……
サイクロップスの掲げる”ミュータント・レボリューション”とは何を意味するのか? 彼らの行手に先回りするかのように現れる
センチネル軍団は誰が操っているのか?
登場人物
エグゼビア学園
サイクロップス:元
X-MENのフィールドリーダー。今はテロリストとして指名手配されているが、新たな「学園」を開く。能力は弱体化し、いつでもオプティックブラストを出せる状態にない。
エマ・フロスト:サイクロップスの元恋人。Avengers vs. X-MENの終盤でサイクロップスに殺されかけたため、二人の関係にもヒビが入っている。テレパシー能力はコントロールを失い、人の心を読めないばかりか、自分の思考を他人に垂れ流してしまうことも。
マグニートー:やはり能力は弱体化している。以前のものと形状は似ているが白いコスチュームになった。
マジック:メンバーの中では唯一以前同様に能力を使えるように見えるが……
新たなミュータント:フェニックス・フォースの影響で覚醒した若いミュータントたち
テンパス(Tempus)/エヴァ・ベル:タイム・バブルというドーム状の力場を作り出し、その中の時間を操作する。
トリアージ(Triage):癒しの能力を持つ。
ゴールドボールズ(Goldballs) / ファビオ・メンディーナ:無数の金色の球体を投射する能力。
ベンジャミン・ディーズ:他人そっくりに姿を変える変身能力。
追加メンバー
S.H.I.E.L.D.
サイクロップスをミュータントテロリストと認定し行方を追う。
マリア・ヒル:現S.H.I.L.E.D.長官。
ダズラー:対サイクロップス専任エージェントとしてリクルートされる。
内容
#1
#2
自分の能力は失われたのではなく、他人に思考を垂れ流していると気づいたエマ・フロスト。母の身を案ずるテンパスのため、オーストラリアの自宅に赴くが、そこでは
アベンジャーズが待ち受けていた。
#3
故郷に残した母を心配するテンパスのためオーストラリアの実家へ。するとすぐさま
アベンジャーズが現れ彼らを逮捕しようとする。
サイクロップスが彼らに反論し、一触即発になったときテンパスが能力でアベンジャーズ全員を封じ込める。隠れ家に戻った彼らをマグニートーが待ち受け、アベンジャーズに連絡したのは自分だと告げる。マグニートーはS.H.I.E.L.D.に自分を信用させるためにやったというのだ。
#4
5〜7
第6話では
ハイジャックが初登場、また
ダズラーがS.H.I.E.L.D.の対サイクロプス専任エージェントとして雇われる。マジックの能力が暴走し新エグゼビア学園のメンバーを伴ってリンボー界へ。
ドーマムゥに遭遇し、魔族や
マインドレス・ワンたちとの戦闘になる。ドーマムゥとの戦いで危機に瀕した仲間を救うため、マジックはリンボー界を消滅させる。しかし自らの魔術の力を理解し学ぶことの必要性を感じたマジックは、過去の
ドクター・ストレンジを訪れて弟子入りを願うのだった。
※非常にわかりにくい構成だがこれはおよそ30年も前のストーリー"
Uncanny X-MEN" Vol.1 #191(1984年)とリンクしている。この時はドクター・ストレンジがマジックの弟子入りを断りエグゼビアに委ねるのだが、その理由が既にドクター・ストレンジは未来のマジックに全てを教えた後だった、というわけである。
※Frazer Irvingの幻想的で怪しいアートで描かれる。
8〜9
一連の出来事によりX-MENについていけないと思ったゴールドボールズが離脱を希望、故郷に戻るがすぐにS.H.I.E.L.D.のエージェントとして雇われたダズラーに連れ去られる。その間、サイクロップスはハイジャックを学園にスカウト。ゴールドボールズが逮捕されたと知ると救出に向かう。
ゴールドボールズが救出されたあと、
ミスティークが現れダズラーを薬で眠らせると変身能力で彼女と入れ替わってしまった。
10〜11
ミシガンのアナーバーでサイクロップス一派を支持するデモが発生。学園のメンバーを引き連れ、サイクロップスは現地で演説をしようと試みるが到着してすぐにブロックバスター・センチネル(生命でも機械でもないため効果的なミュータント能力が少ない)に襲撃される。
一方
マドリプールでは
ザ・ハンドと
ハイドラが抗争。S.H.I.E.L.D.のエージェントとして派遣されたダズラー(実はミスティーク)は嬉々として見守る。
#14
ベンジャミン・ディードの主人公回。訓練についていけない彼の能力を開花させるため、エマ・フロストが街へ連れ出し特訓する。彼の能力が変身能力だけでなく、「他者をいい気分にさせる」「機械に影響を与える」なども含まれることが明らかに。多くの一般人たちに関わって能力を使わせることで飛躍的に進歩する。
#15
#16
ミスティークの暗躍によりミュータント国家と化しつつある
マドリプールにマグニートーが招かれるが、彼はその構想を受け入れず本部を破壊して去ってしまう。ストーリーはマグニートーの個人タイトル"
Magneto vol.2"へと続いていく。
#17
フィールドミッションでの訓練中にハイジャックがケータイを使ってしまい、探知したS.H.I.E.L.Dを呼び寄せてしまう。この出来事のためサイクロップスはハイジャックを学園から追放。またエヴァが一時失踪するが帰ってくる。その理由は後述のAnnualで語られる。
#18
2週間前のこと、エグゼビア殺害の件でサイクロップスを断罪をしようとしたキティ・プライドに対し、サイクロップスは悲壮な自責の念を告白。そして現在、キティ・プライドと3人のオリジナル・X-MENたちが
シーアーに連れ去られてしまう。
暴走したサイクロップスのオプティック・ブラストをモチーフにした壮絶なアートで描かれる一編。
19〜22 ”Uncanny X-Men vs. S.H.I.E.L.D." 何者かの手によってサイクロップス一派とS.H.I.E.L.D.が衝突に導かれる。
SHIELDは追放されたハイジャックに接触し、サイクロップスの居場所を突き止めようとする。一方、セレブロにより強力なミュータントの出現を察知したサイクロップスだったが、仲間を引き連れて向かった先で待っていたのはセンチネルの大軍だった。罠に気づいたサイクロップスはセンチネルを操っているのがS.H.I.E.L.DならS.H.I.E.L.Dと戦争するし、誰かがS.H.I.E.L.DにそうさせているのならやはS.H.I.E.L.Dと戦争になるのだと宣言する。
23〜25 "
Original Sin”タイ・イン。ちなみに23話〜26話は"The Last Will and Testament of Charles Xavier"というタイトルも重複してつけられている。チャールズ・エグゼビアの遺言が発見され、X-MENたちは驚愕の過去を知る。
27〜31 エグゼビアだけが存在を知っていた強力なオメガ・レベルミュータントとの出来事。
32〜35 サイクロップスがエグゼビア学園を閉鎖。メンバーはジーン・グレイ学園に。その他、ダズラーとミスティークの事件、サイクとエマの関係など、大円団に向かって様々な出来事が結末を迎えていく。
600 ナンバリングがvol.1からの通し番号600に。
シリーズの大円団。
ビーストが時空を見出し5人のX-MENを過去から連れて来たことに関して糾弾され、いずこかへ去る。
アイスマンはゲイであることを認める。
サイクロップスがワシントンで全てのミュータントに向かって演説。
ミュータント・レボリューションとは何だったのか?
"Uncanny X-MEN Annual" 17話で失踪したエヴァに起きた出来事。
タイムトラベルを繰り返し、未来の世界で7年の時を過ごす。
"All New X-MEN Annual"に続く。
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