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カーネイジ - (2014/01/14 (火) 11:24:14) の編集履歴(バックアップ)


カーネイジ Carnage / クレタス・キャサディほか Cletus Kasady and others

初出:The Amazing Spider-Man #344(キャサディとして),#361(カーネイジとして)
種族:宇宙の寄生生命体シンビオートと人間の結合体

(New Avengers#2,2004年12月)
襲われているのはデアデビルの親友、フォギー・ネルソン

概要

スパイダーマンにとってはトラウマに近い凶悪なヴィラン。
宿敵の一人、ヴェノムのシンビオートから産まれた子が、連続殺人犯のクレタス・キャサディに取り憑き、殺戮を好む残虐な敵となった。
独自タイトルも出版されている。

能力

その能力はスパイダーマンやヴェノムを凌駕する。

ヴェノムのシンビオートが無性生殖で産んだ子のため、能力は大きく影響を受けている。

超人的な怪力、スピード、持久力、回復力、耐久力。
戦闘能力はスパイダーマンとヴェノムのコンビを圧倒できるほど。

スパイダーマンのブラックコスチュームだった頃にヴェノムのシンビオートが得た能力を受け継いでいる。
体のどの部分からでも細胞を糸のように伸ばし、スパイダーマンのウェブのように使える。
壁に張り付くことができる。
スパイダーセンスのように危険を感知でき、逆にスパイダーマンには感知されない。

変身能力。
シンビオートの色や形、硬さを思い通りに制御し、普通の衣類のように変えることもできれば、周囲の環境にとけ込んでカモフラージュすることもできる。
また、ヴェノムには無い能力として細胞の一部をヤリや斧、ナイフなど固形の武器に変化させることができる。

細胞を植物のツルのように相手の頭に巻き付けることで、思考を流し込むことができる。
また2010年の"Carnage"で人工強化スーツと結合したことで翼を生えさせ、飛行する能力を得た。

オリジンと経歴

宿主、クレタス・キャサディはサイコパスでサディストの殺戮者。
キャサディは子供の頃から残虐で、祖母を階段から突き落として殺し、母の飼っていた犬を虐待した上に殺した。
やがて孤児院へと送られるが反社会的な行いから他の児童やスタッフから虐待を受けるようになる。復讐として院長を殺し、デートを拒否した少女をバスに押し出して殺し、さらに孤児院に放火。
キャサディが孤児院で身につけた哲学は「人生とは無意味で無駄なものである」「法律なんて言葉だけ」「無秩序で不規則な流血の広がりこそが究極の自由」というものだった。


シンビオートとの出会い

キャサディは連続殺人犯となり、11件の殺人で逮捕され刑務所に収監された(ただし、あと1ダースは殺したと自慢しながら)。
ここでヴェノムの宿主だったエディー・ブロックと同室になる。エディーはヴェノムの力で刑務所を脱走したが、そのとき、知らずにシンビオートの子を残してしまった。
これがキャサディの体内で血液と結びつき、カーネイジに変身した。その力で刑務所を脱走すると、再び連続殺人を続けた。現場の壁には必ず自らの血で書いた"Carnage"の文字を残す。
スパイダーマンがカーネイジを発見するが、全く相手にならず、ヴェノムと共闘してやっとのことで倒すことに成功した。しかしシンビオートはキャサディの血液の中で生き残っていた。

マキシマムカーネイジ

1993年のクロスオーバー"Maximum Carnage"は、第一期のSPIDER-MAN UNLIMITED#1から始まり、当時五誌に別れていたスパイダーマン系シリーズ全てを巻き込んで展開した。
カーネイジは刑務所でシュリークと意気投合。本気か冗談かお互いを恋人と呼び合い、脱走する。他にデモゴブリンキャリオンドッペルゲンガーらのスーパーヴィランを集め、ニューヨークを襲った。数日に渡って虐殺を行い、シュリークの能力でニューヨークの市民に互いに殺し合いをさせ何百人もの犠牲者を出す。
最終的にはスパイダーマンやヴェノムを始め、キャプテン・アメリカたちスーパーヒーローが共闘し、カーネイジとシュリークは再び刑務所に送られた。

その他の宿主

カーネイジのシンビオートは、キャサディと血液で結びついても宿主を変えることができる。
刑務所長に取り憑いて脱走すると、当時スパイダーマンだったベン・ライリー(元祖スパイダーマン、ピーター・パーカーのクローン)はシンビオートが無辜の市民を傷つけないようにするため、自分に取り憑かせることを選び、スパイダー・カーネイジとなった。
また、シルバーサーファーと結合してコズミック・カーネイジになったこともある。

トキシン誕生

"Venom vs. Carnage #1〜4"で、カーネイジのシンビオートは子供を警察官のパトリック・マリガンに産みつけた。彼はヴェノムとカーネイジを片手で凌駕するほどの力を持つトキシンに変身した。
しかし、パトリックは強靭な意思でその力を正義のために行使した。

死と復活、スコーン誕生

カーネイジは超人刑務所ラフトに収監されていた。
しかし"New Avengers(2004年)"でエレクトロがラフトを破ったのに乗じて脱走。たまたまラフトを訪れていたマット・マードックルーク・ケイジスパイダーウーマンらに襲いかかった。
3人のヒーローたちを圧倒したが、同じくラフトに収監されていたヒーロー、セントリーが現れ、宇宙空間でまっぷたつにされた。(New Avengers#2(2004年12月)"

カーネイジは死んだと思われていたが、実は仮死状態になっただけだった。
冠タイトルとなった"Carnage#1~5 (2010年)"では、その復活が描かれた。
実業家マイケル・ホールは仮死状態となったカーネイジの細胞を採取し、義手や義足として機能するスーツを作り上げる。腕を失った精神科医タニス・ニーヴスがこれを着用すると、暴走し、シンビオートがタニスに寄生して新たなカーネイジとなった。このとき、義手と融合した影響か飛行能力を得る。
しかし、キャサディもまた下半身をサイボーグ化されながらも生きていることが明らかになると、シンビオートは再び彼の元に戻り、融合した。このとき、カーネイジが産み落とした子がタニスと結合しニューヒーロー・スコーンとなった。

(carnages#3,2011年3月)
女性精神科医タニスと結合したカーネイジ。胸部に女性らしいボディライン。両手の膜で飛行能力を得た。

カーネイジU.S.A(2011年)

復活したカーネイジはすぐにコロラドの田舎町へ潜伏した。キャプテン・アメリカウルヴァリンホークアイシング、スパイダーマンが追ったが、街のほとんどは既にカーネイジのシンビオートによって支配されていた。隙をつかれ、スパイダーマン以外の4人のヒーローたちはシンビオートに取り憑かれ、支配されてしまう。
カーネイジを倒すため、フラッシュ・トンプソンに取り憑いたヴェノム、特殊部隊マーキュリー・チーム(元ハイブリッドだった4種のシンビオートと共生)、スコーンらシンビオート共生体たちが現れてスパイダーマンと共闘し、最終的に再びクレタス・キャサディを刑務所送りにした。

ミニマム・カーネイジ

2012年のクロスオーバー"Minimum Carnage"はエージェント・ヴェノムを主人公とした"Venom (vol. 2)"誌と、スカーレット・スパイダーを主人公にした”Scarlet Spider”誌に跨がって展開した。
カーネイジはマイクロバースの民の力を借りて脱走。
その見返りとして、戦争中のマイクロバースで、兵団にシンビオートを付与するため、大量のミニカーネイジを生産した。
ミニカーネイジの細胞を吸収し、マイクロバースを脱出したカーネイジは小型の分身を無数に生み出す能力を身につける。
スカーレットスパイダーの攻撃により脳に損傷を受け、キャサディはロボトミー状態となるが、カーネイジは人間によるコントロールを失い、以前よりも危険な状態となった。


アルティメット版


初出:"Ultimate Spider-Man"#62
種族:クローン?

アルティメット版のシンビオートは、ピーター・パーカーの父リチャードが開発した癌治療用の医療器具。患者をゲル状の生命体でスーツで包み込み、治療を促進するというものだった。

リザードから人間に戻ることに成功したカート・コナーズ博士の元を、悪漢との戦いで傷ついたスパイダーマンが訪れる。
スパイダーマンが応急処置をしてもらって去った後、カート・コナーズは残された血液を研究するという欲求に逆らえないかった。
その完璧な遺伝子に魅せられたカート・コナーズは、これを利用すれば癌だけでなくあらゆる難病を治療できる可能性を感じた。
ピーターに許可を得て、カート・コナーズは助手のベン・ライリーと共に実験を始める。そして二ヶ月後。
カート・コナーズは自らのリザードとしての遺伝子とピーターの遺伝子を掛け合わせ、さらにピーターの父リチャードが残したシンビオートを造る技術を用い(おそらくリチャードの遺伝子も含まれていると思われる)試験管の中で生存できる胎児を造り出した。
しかし胎児は試験管を逃げ出し、警備員や通行人の血液とDNAを摂取しながら成長。
やがて成体となり、カーネイジとなった。
カーネイジはグウェン・ステイシーの死という最悪の事態を招いた後、スパイダーマンによって抹殺された。

能力

スパイダーマンにように壁を登り、細胞をウェブと化して射出する。
リザードのように鋭い牙と爪を持つ。
他人から血液とDNAを吸収する。DNAを吸収すると、その人間の姿に変身することもある。