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桜庭和志の過去 - (2007/03/10 (土) 22:16:32) のソース

【関連ページ】[[ファンの声]]
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**桜庭和志の過去
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桜庭をHERO’sで初めて知った人のために、格闘技ヲタの視点から彼を紹介する。
彼の功績を知っているからこそ、僕たち格闘技ヲタは秋山を許せないのである!
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**Uインター
桜庭は中央大学レスリング部主将であったが、初代タイガーマスク(佐山聡)に憧れ、大学を中退してプロレス界に入った。

当時は総合格闘技というジャンルが確立されていなかったが、格闘技系プロレス団体としては、UWFの流れをくむリングス、UWFインターナショナル(Uインター)、パンクラスに勢いがあった。桜庭は日本人が多くて練習環境の良さそうなUインターに入門する。

今でこそ、プロレスはショーであることが広く知られているが、当時は暗黙の了解はあるものの真剣勝負であるというのが共通の認識であった。
桜庭の入門したUインターもプロレスであったのだが、世間的には真剣勝負という扱いであった。

しかしながら、アメリカでUFCが登場し、日本のプロレス界は一変する。初期UFCのリアルファイトを目の当たりにしたプロレスファンは、ここで気付くのである。これこそが真剣勝負なのではないかと。有名プロレスラーはこの過激なルールで戦えるのかと。馬乗りになって相手の顔面を殴るといいうのは非常にセンセーショナルであった。
しかも、UFCを勝ち上がったのはホイス・グレイシーという痩せた柔術家だったのだ。

今でもアメリカでホイスが尊敬を集めているのは、初期UFCでの活躍が知られているからだ。
日本では、そのホイスが「兄のヒクソンは自分より強い」と発言したこと、佐山聡がヒクソンに400戦無敗のキャッチコピーをつけたため、ヒクソンに幻想を抱いている人が多いが、海外ではホイスのほうが圧倒的にネームバリューがある。

プロレス経営が芳しくなかったUインターは、話題づくりのために安生洋二にグレイシーの道場破りをさせるが、逆に返り討ちにあってしまう。日本ではさらにグレイシーの幻想が高まる。

結局、Uインターは倒産する。高田らは新たにキングダムという団体をつくる。

ちなみに、Uインターでもレフェリーをしてたのが和田さんである。
Uインターの新弟子は初練習の時に必ず和田さんと相撲をとることが決まっていて
新弟子相手に無敵を誇っていた、当然、新弟子は「レフェリーがこんなに強いなら先輩達はどれぐらい強いのか?プロとはこんなにすごいのか?」と驚愕して練習に打ち込んだ。
でも実の所は、相撲に限って言えばUインターの現役選手の中でも和田さんに勝てる選手は数人しかおらず、新弟子が勝てないのも当たり前なのだ。(桜庭も負けている)

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**キングダム
キングダムはOFGをつけた顔面打撃ありのプロレス団体である。桜庭はここで修斗のエンセン井上らと交流をし、柔術を身につける。

PRIDE.1が開催される。
高田延彦がヒクソン・グレイシーにあっけなく破れ、プロレス最強の神話が崩壊する。
今の感覚ならば、プロレス最強なんて失笑ものであるが、当時はプロレスはショーではなく、プロレスラーは強いと皆思っていたのだ。そして、高田延彦はプロレス最強を謳っており、強いプロレスラーの象徴的存在であった。

高田の敗戦をプロレス関係者はほとんど黙殺してしまう。ここがプロレス界の分岐点であった。
黙殺はやってはいけなかった。ショーであると明言するか、ヒクソンを倒すか、その二択を選ばなければならなかった。新日本プロレスや全日本プロレスの純プロレスラーがヒクソンを倒していれば、日本のプロレス界は今でも隆盛を誇っていたであろう。WWEのように質の高いショープロレスを提供していれば、新たなファンを獲得できたかもしれない。

当時は柔術のテクニックはまだ未知であり、ポジショニングの概念も一般的で無かった。高田はあっさりとマウントポジションをとられ、何もできずに負けた。

PRIDE.1高田敗戦後、桜庭はUFC-Jトーナメントに出場(アメリカのUFCではない)。
なんと柔術家強豪のマーカス・コナンを破って優勝する!一度は誤審で負けを宣告された桜庭だが、レフリーに抗議し、結果再戦し優勝してしまった。桜庭がレフリーに抗議したのはコナン戦と秋山戦だけだと思う。
ここで有名な「プロレスラーはほんとうはつよいんです!」発言がでる。
当時の格闘技界の状況を知らないと、この発言は意味が無い。
桜庭勝利後、キングダム勢がオクタゴンになだれ込むのだが、そのシーンがとても感動的だ。
このときのセコンドが同僚の金原弘光であった。金原は桜庭をリングから降ろさずに抗議させた。秋山戦でも金原のようなベテランファイターがついていたら、その場で決着がついて桜庭の反則勝ちになっていたように思う。

桜庭はこの一戦で一躍有名になる。その後、高田はキングダムから離脱し、高田道場を設立する。桜庭も高田道場の所属となる。
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**PRIDE 全盛期
桜庭はPRIDEに定期参戦し、着実に結果を残す。なかでもカーロス・ニュートン戦、ビクトー・ベウフォート戦、エベンゼール・フォンテス・ブラガ戦は評価が高い。ブラガは船木誠勝が苦戦した相手で日本でも有名であったし、ビクトーとニュートンは柔術の強豪であった。特にビクトー戦の勝利に僕は驚愕した。実際、桜庭が勝利した中でいちばんの強豪であったと思う。

桜庭の実力は疑いようのないものとなる。実際、このときの桜庭は強かった。是非とも映像を見てほしい。
桜庭のファイトスタイルは現在と全く違う。膝が悪くなかったため、相手の打撃にあわせて片足タックルをきめる。グラウンドになっても次々とポジションを変え、常に一本を狙うグラップラーであった。

そして、ホイラー・ホイス・ヘンゾ・ハイアンとグレイシー一族を次々破っていく。ホイラーには同僚の佐野友飛が挑んだが、惨敗している。ホイスには高田延彦が挑んだが、全く何もできず判定負けしている。
当時は柔術は未知のテクニックであり、グレイシーは神秘的な存在であった。そして、桜庭は師匠である高田延彦の敵をとったのだ。これで完全にファンの気持ちをつかんだ。また、グレイシー側のルール変更などを全て受け入れ、勝ったこともファンにとっては痛快であった。ホイス戦以降はあらゆるメディアにひっぱりだこの状態が続く。
また、グレイシーハンターとして海外でも有名になる。

当時は、高田延彦にバッシングが集中していたため、桜庭にとっては非常に環境が良かったと思う。
ヘンゾを破ったバックからのアームロックは、欧米ではSAKURABAとよばれる。
現在のロートルになったグレイシーに勝つのと、当時幻想を保っていたグレイシーに勝つのでは、意味が全く違う。
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**PRIDE 低迷期
しかし、ヴァンダレイ・シウバに敗戦後は流れが変わる。シウバは桜庭よりも10kg以上階級が上である。桜庭はナチュラルでは83kgの選手なのだが、93kgで戦うことを強いられた。これは本当に興行側が馬鹿だったとしか言えない。まだまだプロレス的価値感が抜けきれず、体重差がそれほど重要なファクターではないと考えられていた。師匠である高田も理解していないと思われる。UFCオーナーのダナ・ホワイトも言及しているが、これで桜庭は選手寿命を縮めてしまった。
PRIDEが桜庭のためにミドル級を83kgに設定していたら、桜庭はまだまだファンタジスタで有り続けたであろう。

ヴァンダレイ・シウバとは3戦やるが、2戦目は桜庭が終始押しており、勝ってもおかしくない内容であった。しかし、バスターで肩を脱臼し、シウバに敗れてしまう。また、シウバ1戦目からの復帰戦でクイントン・ランペイジ・ジャクソンに勝っているが、この試合も是非映像で観てほしい。桜庭の動きにキレがある。
桜庭がファンタジスタであったのはシウバ2戦目までであると僕は思う。

PRIDE.23で高田延彦が引退し、PRIDEはさらに桜庭頼みの興行になってしまう。また、バッシングされ続けた高田がいなくなったため、ファンの矛先は全て桜庭に向けられることになる。
ヘビー級であるミルコと戦い、眼窩底骨折の重傷を負い、桜庭の身体は壊れてくる。

この頃、ケビン・ランデルマンと戦い勝利するのだが、明らかに以前の桜庭とは違った。スピードが無く、身体も絞れていない。既にファンタジスタではなくなっていた。
この試合をめぐっては、一部ネットファンの間で八百長疑惑が囁かれる。スマックガール実行委員長である長尾”メモ8”丈志の発言が発端になっていたと記憶している。結論としては根拠のないデマの類いであったのだが、八百長ではないかと思われるほどに、桜庭の試合の質が低下していたのは確かだ。

PRIDE離脱のきっかけになったと思われるヒカルド・アローナ戦では、パワーの違いの前に全く何もできず、4点ポジションからの膝蹴りで桜庭の顔が変形するほどダメージを受ける。93kgのトップファイターには全く通用しないことが明らかになってしまった。ビクトーに勝った頃の桜庭であったなら、ここまで壮絶な負け方をすることは無かっただろう。

僕はこの時点で引退するか、体重の軽いかませ犬と適当に数試合して引退してほしかった。この試合以降、桜庭にドランカーの症状がでていると囁かれるようになる。
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**HERO’s
電撃的に桜庭がHERO’sに移籍する。桜庭と高田が絶縁してしまったのがショックだった。僕の憶測で書くが、PRIDE一線級では通用しなくなったこと、高田道場所属ではファイトマネーがかなり搾取されること、高田のつくったジンギスカン屋で松井大二郎等が働かされていたこと、等が理由だと思う。

ここで、桜庭はかませ犬相手にデビューするのだが、そのかませ犬のパンチで失神状態に陥ってしまう。普通ならレフリーストップなのだが、何故か試合は続行されてしまう。移籍した桜庭が負けてしまっては困るのだ。非常にイヤな試合であった。桜庭は勝ったのだが、その衰えは隠せなかった。全盛期の輝きは全く無かった。

そして、秋山成勲戦を迎えるのである。
僕は、桜庭がテイクダウンさえできれば、勝てると思っていた。秋山はグラップリングが全くできないからだ。しかし、タックルをバービーで潰されてしまうようであれば、打撃で勝る秋山が勝つだろうと思っていた。

秋山は桜庭とは比較対象にもならない程度の選手である。HERO’sのあからさまなプロテクトで勝ってはいるが、強豪に勝った実績はゼロ。しかし、そういう選手にも勝てないと思わせるほど、桜庭は衰えていた。
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**最後に
桜庭ファンの僕としては、早く引退してほしい。このまま続けたら間違いなくドランカーになってしまう。
卑怯者の秋山にこれ以上付き合う必要も無い。

桜庭の引退試合の相手としては、グレイシー柔術の新星であるホジャー・グレイシーが良いと思う。グレイシーで始まってグレイシーで終わるのが良い。

秋山は永久追放すべき選手だが、もし復帰戦をやるのであるならば、ホジャーがいいだろう。ヌルヌルしていない秋山はホジャーに絶対勝てない。
あくまで僕の希望だが。
ホジャーが制裁してくれれば、全てが繋がる気がする。

総合格闘技はこれからますます大きなビジネスになるだろう。アメリカのUFCはボクシングを超える勢いをみせている。
桜庭和志は総合格闘技黎明期のスターとして、ホイス・グレイシーと並んで間違いなく総合格闘技の歴史に残る選手。その晩節を汚した秋山勲成を許してはいけない!秋山は社会的に抹殺されるべき人間。バッシングの手を緩めてはいけない。
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時間みつけて加筆します。
UFC-Jのマーカス・コナン戦の動画誰かうpしてくれないかなー。あの試合はほんとに素晴らしかったんだよ!
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桜庭の履歴のわかりやすいまとめをありがとうございます。
前の方の書いてくださった流れとは、少し違う切り口から桜庭和志という格闘家に光をあてさせていただきます。

ホイス・グレイシー戦をめぐって
桜庭和志の存在が世間に広く認知されるようになったのは、今や伝説となっているホイス・グレイシー戦以降のことである。
この一戦を巡る桜庭の行動を通し桜庭和志という選手が只者ではないと気付いたファンも多かったようである。
当時グレイシー一族といえば、絶対に負けない試合をすることで知られていた。
ルールの許す範囲であれば勝つための手段を選ばない彼らは、勝利への執着という意味では、
現在の秋山を上回るなりふりかまわぬ雰囲気を漂わせていた。
違いと言えば秋山の場合ルールを破ってでも勝とうとするが、グレイシー一族はルールを捻じ曲げてでも勝とうとした点である。
当時グレイシー一族の得意としたのは、寝技で粘って相手のミスを誘い1本勝ちを収めるという戦法であった。
この戦法を思うように駆使できるようにルールを変えてしまえば勝てると考えたグレイシー側は、
あろうことかトーナメント戦にも関わらず、桜庭戦にかぎり特別ルールの採用をゴリ押ししてきたのである。

不当なルール変更要求に対して
グレイシー・サイドの突きつけてきたルールは、無制限でラウンドを重ねていき勝敗はKOかギブアップによってのみ決まる。
レフェリーストップは認めないという、トーナメント戦では有り得ないめちゃくちゃなルールであった。
だが当時不敗神話に彩られたグレイシー一族の参戦は興行の目玉であったため、主催者側はこの変則ルールを受け入れざるを得なかった。
このルールで寝技に持ち込めばグレイシー側の有利は動かない。主催者側のルール変更の受諾はグレイシー側の目論見通りだった。
だが、このルール変更を巡るやりとりをめぐって試合の勝敗以前に
グレイシー側と桜庭和志という選手の人間的スケールの面での勝負がついた感があった。
グレイシー側のルール変更の要求を耳にした際の桜庭の最初のリアクションは、

「そんなことしたらお客さんはどうなるんですか?」であった。

つまり、無制限ラウンドにした場合、試合がいつ終わるのか予測がつかない。ファンの中には遠方から足を運んでくる人もいる。
場合によっては、全試合見られずに帰らざるを得なくなるファンもいるかもしれない。
あるいは、終電車を逃して帰れなくなることだってある。
桜庭は勝負の行方以前に、観客が安心して試合を楽しめる舞台の提供を真っ先に考えていたのである。
事実この日の試合で、ホイスと桜庭は6ラウンド90分をフルラウンド戦い抜いている。
次の試合に向けていかにスタミナを温存するかが、勝敗を分けるトーナメント戦においては空前絶後の事態であった。

桜庭のプロ意識の高さ
この試合、桜庭はグレイシー・サイドにタオルを投入させグレイシー一族の不敗神話に終止符を打った。
だがそれ以前に観客の側は試合前からグレイシー・サイドと桜庭という男の人間的なスケールの違いを感じ取っていた。
自分たちが勝利することしか考えられないグレイシー一族。これに対し、自分の勝敗のことよりもまずファンの側の事情を気遣う桜庭和志。
勝負以前にグレイシー側と桜庭和志のプロとしての意識の高さの違いは明白であった。
プロとしては、観客のことを第一に考えるのは当然と言える。
だが自らの選手生命どころか文字通りの生命まで賭けた血戦に臨む前の選手が、そこまで観客の事情に配慮するというのは、なかなかできることではない。
観客を楽しませることを第一に考える桜庭和志の体を張ったパフォーマンスはファンの心を確実につかんでいった。

桜庭の放つ光のわけ
2006年の大晦日の秋山戦でも、退場時桜庭は声を震わせながら
「お客さんも納得していないじゃないですか」と叫んでいた。
桜庭の観客のことを第一に考えられるという姿勢は今も昔も一貫して変わらないのである。
桜庭にとっては、反則行為によって殴り続けられて敗退したことよりも、観客を楽しませられなかったことが何より無念だったのである。
桜庭はこの日も観客のために満身創痍の体にムチを打ち入念にコンディションを整えてきたのである。
人のために身を削って仕事をした経験のある人間はつい、そんな桜庭に自らの姿を重ね合わせ感情移入してしまうのである。
桜庭の放つ光は、観客のためなら体を張れるという心意気をもった男の放つ光である。
その意味では桜庭和志は、格闘家というよりもやはりプロレスラーといえるかもしれない。
なりふり構わず勝利をもぎとりのしあがっていくタイプの格闘家に桜庭が敗退することがあっても、その光まで消すことはできない。
だが、命がけのパフォーマンスの代償は大きく、現在の桜庭は全身故障だらけであると言われている。
ファンとしては、もう観客を楽しませなくていいから、体を大事にして残りの現役生活を幸せにすごしてほしいと願うばかりである。
格闘界には、桜庭和志というビッグネームを食って自分の名を上げようという野心を抱く選手も多いと思うが、そうしたファンの心情を汲み取り、せめて正々堂々と勝負をしていただきたいものである。
勝負で勝ちさえすれば桜庭を越えられると思うのは大きな勘違いなのである。







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