ボカロSS投稿所@ wiki内検索 / 「メニュー2」で検索した結果
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メニュー2
RENEW 取得中です。
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投稿手順3
3、編集方法 最後に投稿した後の編集方法について説明します。 要は、リンクを貼った時と一緒です。編集したいページで、上の方のメニューバーから「編集」を選択。 降りてきたツリーメニューから、「このページを編集」を選択して編集してください。 ※注意! SSの編集をしていいのは、筆者本人のみです。他者は絶対にしてはいけません。 もし、筆者の身に覚えのない編集が行われた場合は、必ず管理人までご連絡ください。 場合によっては、編集者のサイト閲覧権利を剝脱しなければならないかもしれません。 筆者の気づいていない誤字脱字は、こっそりBBS等でお知らせしてあげてください。 以上です。他にもわからないことがあれば、迷わず管理人までご連絡ください。
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MENU トップページ for mobileファイルシーク blog/new/更新報告 Q&A/投稿手順←必読 SS置場/プチ 感想/絵板/BBS/mobile 検索サイト/タグ一覧 タグ and or ミク企画投稿作品 あわあわP マチゲリータP MEIKO企画投稿作品 リンレン企画アンケ KAITO企画は2月、 がくぽ企画は7月予定
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プラグイン/ニュース
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】八星之紋章交換のおすすめ交換キャラ - AppMedia(アップメディア) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニ...
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投稿の手順
投稿の手順 ここでは、当投稿所へのSSの投稿の仕方を説明します。 1、新規ページにSSを投稿する 2、SS置場の各ボカロのページにリンクを貼る 3、検索用にタグを設定する 4、更新報告をする(任意) 5、誤字脱字等があった場合、 すでに作られているページを編集する 以上です。以下でより詳しく、図を使って説明したいと思います。 新規ページにSSを投稿する まずは、SSを投稿してみましょう。 どのページでも構いませんので、ページ左上の「@wikiメニュー」をクリックしてください。 次に現れたツリーメニューから、「新規ページ作成」をクリック。 すると、ページタイトルや編集モードを設定するページが出てきます。 ページタイトルには、SSのタイトルを記入、 編集モードは「ワープロモード」を選択してください。※注意! BLや百合のSSの場合はSSタイトル末に「/B...
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投稿手順2
2、リンクの貼り方 ページができたら、次はリンクです。 あなたが書いたSSのメインボカロのページにSSへのリンクを貼りましょう。 ※注意! BLや百合のSSを書いた場合はメインのボカロ関係なく「BL」「百合」のページへリンクを貼ってください。 まず、メインボカロのページに行きましょう。 ミクが主人公なら「初音ミク」のページ、ハクやネルが主人公なら「亜種+α」 特定の誰かが主人公ではなく、ボカロ全員がわいわいしてる作品は「兄弟全員」です。 ページについたら、上のほうにあるメニューバーから、「編集」をクリック! ツリー形式で出てきた項目の中から、一番上の「このページを編集」を選択してください。 すると、新規ページを作成した時と同じ編集画面が現れます。 今まで投稿された作品の下に自分のSSのタイトルを記入しま...
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我が家のいつもの昼食時
これはあわあわpの【初音ミクオリジナル曲】『noodle(ぬーどる~)』【ネギラーメン】という曲をテーマにしたSSです。 また、にゃっぽんのカナの日記にて改変前verを上げてます。 「マスター、またカップ麺ですか? 」 我が家の紅一点、VOCALOID2 CV-01の初音ミクがそう声をかけてくる。 VOCALOIDだのCVだの横文字がからっきしな俺は彼女を歌う機械だと考えている。 「たまには自炊とかしたらどうなんですか? 私はネギ一本で構いませんよ、全然」 そして驚くべきことにその機械であるはずのミクは食事をする。 別に食事をしないことで支障があるわけではないらしい。 にもかかわらず、彼女の食、否ネギに対する執念はすさまじいもので事ある毎に所望してくる。 「だったらお前が作れよ、一応性別的には女なんだろ」 カップ麺を開け、薬味を入れながら俺はそう言う。 「マスター、それは時代錯誤な考え...
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プラグイン
@wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 アーカイブ コメント ニュース 動画(Youtube) 編集履歴 関連ブログ これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
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原点(ZERO)の彼方へ
「駄目だ! 声が小さい!」 俺の声がスタジオに響き、緑の髪の少女はびくりと身を震わせた。 彼女の名は、初音ミク。俺の所属事務所の新人歌手だ。 一ヶ月半後のデビューを控えての、最終調整の真っ最中。 俺のデビューから一年半。久々の新人だ。会社の期待も違う。 俺の名はKAITO。売れない歌手だ。他の歌手のバックコーラスや音楽学校の講師などして細々と食っている。 事務所では肩身の狭い思いをしていた俺だったが、副業の音楽学校の講師の経験を買われ、ミクのトレーナーを務める事になったのだ。 デビューが決まって以来、ずっとマンツーマンでトレーニングを続けてきた。その結果、彼女は周囲も驚く程の成長を遂げたのだった。むろん、俺の指導のせい、という訳じゃない。彼女の生来の資質なのだろう。 だが一つだけ、どうにもならない事があった。 それは、彼女の声量。ともすればバックに埋もれてしまいそうにな...
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エスプレッソ
この作品は、2008年度の初音ミクの誕生日企画「ボカロSS投稿所PS企画”Miku Hatsune”」に投稿された作品です。 作者名は、人気作品アンケートが終了するまで非公開とさせて頂いております。 そのカフェに来たのは一年ぶりだった。 狭い店だ。路地を二本入ったところにある個人経営の小さな店。掲げる看板も質素で、今にして思えば、あの時彼が何故わざわざこの場所を好んでいたのか判らない。 「――なんてこともない、か」 私は小さく呟いて、自嘲めいた笑みを浮かべた。それから、木の扉を押し開ける。 「いらっしゃいませー」 カラカラン、というベルの音と同時に、ウェイトレスの快活な声が出迎えてくれた。そして、もうひとつ。 「いらっしゃい。――ミクちゃん」 少し驚いたようなマスターは、けれどそう言って目を細めてくれた。 ◆ 「驚いたよ。本当に久しぶりだね」 カ...
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Meteorite feat.Miku
文:遊牧家族 流れ星っていうのはね、お空のお星様じゃあない。高い空から小さな塵が、地球に引かれて落っこちて、空気の摩擦で燃えて光る。だから、心配いらないよ。お空のお星はなくならない。それにほら、見てごらん。空に向かって手を伸ばし、指で作った環の中に、果たして星がどれだけあるか、お前に数え切れるかな。二十個、百個、いやいやそんなもんじゃない。星と星とのその隙間、何もないよなとこだって、遠く遠くと見つめていれば、やっぱりお星様がある。そのまた星の隙間にも、やっぱり星があるものだから、夜空はもう、星で満員御礼だ。 だから、心配いらないよ。ああ、何にも心配はいらない……。 そう教えてくれたのは、父だった。幼稚園かどこかで流れ星(と、それに願えば叶うということ)を学んできたその夜、でもそれじゃあ星がなくなっちゃうよと涙ながらに訴えたわたしの肩を抱いて、いつも余所々々しかったくせにこのときだけは優し...
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LINK RING 2 ハクの場合
姉さんのこと、応援したい気持ちはあるんですよ、とKAITOさんはつぶやいた。 甘いカクテルの上に甘いバニラアイスを乗せたカクテル・フロートの入った洒落たグラスを指先で弄ぶ、やっとまともにお酒が飲めるようになったばかりの歳の青年はまた、ため息をついた。こんなメニューがある店はうちくらいだろうし、注文するのもこの人ぐらいだろう。 こんな私が店主なせいか、この店に来るお客は少ない。ほとんどが私の友人たちやその紹介を受けた常連たちばかりだ。この隠れ家的な雰囲気がいいと彼らはよく店を訪ねてくれて、それなりに店を保っていられるけれど、けして、裕福ではない。それくらいだ。 今現在、お客は目の前の青髪の青年一人。彼は私の友人の一人の家のVOCALOIDで、世間一般の同ソフトのイメージとは多少ずれるが、この人、いや、このKAITOも甘い物、とくにアイスクリームが好物だった。 LINK ...
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My Little Brother [1]
カーテンを開けると朝の陽射しが眩しく目に突き刺さる。 寒さにぶるりと震えたメイコはそれを追い払うように大きく伸びをした。 今日は大切な日だ、しゃんとしなくちゃ。 自分の頬を両手でぱんと叩いてメイコは洗面所に向かった。 キッチンでスクランブルエッグを作る。 本当はもっとレパートリーはあるのだが、この家の主人は朝はスクランブルエッグと決めている。 「あら、メイコちゃん、おはよう」 起きてきた夫人が後ろから声をかけてきた。 「おはようございます」とメイコは振り向き笑った。 「寒いわねぇ。あの人ももうすぐ降りてくるわ。いい匂いね」 微笑む夫人にメイコは黙って微笑み返し、フライパンの火を止めて仕上げに塩をひとつまみ振った。 「メイコちゃんすっかり料理の腕前が上がっちゃって…私、料理の腕が落ちたような気がするわ」 「衿子さんの料理、私は大好きですよ」 サラダ用のトマトを洗い...
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LINK RING 1 マスターの場合
「父さーん、いっくよー!」 「よーし、来い!」 いつもの土曜日、いつものスタジオからの帰り道、いつもの夕焼け空。 レンの視線は、名前も知らない父子の間を行き来する傷だらけのボールに注がれていた。自然と歩を進めていた足も止まる。風の流れと足音で、今まで自分の後ろを歩いていたマスターとリンが立ち止まった自分を追い抜いてしまったことがわかった。けれど、それよりもあの白いボールが気になる。 時刻は、6時過ぎ。家に帰ったらちょうど時報。それくらい。薄くオレンジ色に染まったエステル綿みたいな雲以外、何にもない淡い朱色の背景になんどもなんどもボールが舞う。パシン、と革の変な形の手袋に傷だらけのボールが吸い込まれていく様子に、何故か目が離せない。 子供が投げたゆるい球を父親が軽く受け止め、父親が明らかに手加減をして投げた球を子供が必死で取りに行く。ただ、それだけのことなのに。それだ...
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サンデー・ラブジェット・ジュース
――甘くて苦い夢を見せてあげる。 ◆ 毎週、日曜日の午前中に私たちはカフェで時間を過ごす。 「だっからさぁ、マジやめたほうがいいってあの男」 毎度毎度の台詞を吐き、彼女は思いっきり顔を顰めた。思わず、呟く。 「そういう顔してると、不細工になるよ」 「あーんーたーねーっ」 その私の言葉に、彼女はああもうっと髪をわしゃっとかきむしる。 「どうっして、そうなのっ!? 自分大事にしなさいって何度も何度も何度も何度も言ってるでしょッ!?」 「してる」 「どこがっ!?」 「全部。もー、うるっさい。おかーさんじゃないんだからいい加減にして」 たんっ、と音を立ててコーヒーのカップをテーブルに置いた。同時に、彼女は黙り込む。ふっと短く息を吐いて、ゆっくりもう一度カップを持ち上げて口をつけた。砂糖もミルクもない苦い水を喉の奥に流し込む。 毎週のことだ。彼女はバイトが昼からで、私は完全にオフな日曜日。夜行性の彼...
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すでにさじは乾いていた
「"がくっぽいど"ですって。アンタまた売れなくなるんじゃないの?」 こう茶化した私に、弟はまるで他人事のように、そうかもね。と言っただけだった。 弟の、何もかもすぐに諦めるようなこの性格は昔からだった。「諦める」と言うのには、語弊があるかもしれない。諦め自体は悪いのだ。例え苦手なジャンルであろうとも、マスターが望めばそれに必死で答えようとするのはVOCALOIDなら当たり前のことで、真っ赤な私とは似ても似つかない真っ青な弟もその 例に洩れなかった。 しかしこの子は幾分、人が好過ぎる。また、自己顕示欲も薄く、自分自身に対する自信が全くと言っていいほどない。最近なぞ、売り上げが急上昇したことが信じられず躁鬱状態になったほどだ。それもこれもすべて、デビュー当時、全くと言って程注目を浴びなかったためだろう。本人のこんな性格ゆえ、むしろファンの方が必死になってしまい...
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【曲テーマ】キミノウワサ
(自ブログに転載) ヤマハ作デモソング http //www.nicovideo.jp/watch/sm2498167 より 文:tallyao 《浜松(ハママツ)》の巨大なデータベースのエリア、輝くオブジェクトが同型ごとに整然と並ぶ格子(グリッド)の合間を、初音ミクは滑るように翔び移動した。両掌の間に胸に抱えるように持つ小さなメモリキューブが、移動につれ変容する周囲のマトリックス光にきらめく。 象徴図像学(アイコニクス)に従い整然と並ぶデータの林の合間の姿をさがす。ほどなく、《浜松》のウィザード(電脳技術者)のうちの一人の姿が見つかる。この近くにいるのが、この一人のためもあるが──《浜松》や《磐田(イワタ)》の幾多の技術者のうち、ミクがときどき仕事で顔をあわせることがあるこの一人が、声をかけやすいためもある。 「……あの、小野寺さん」ミクはオブジェクトを並...
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PS企画”MEIKO” 作品掲載ページ
近日中に投稿所が移転するため、簡易発表になっております。申し訳ございません。 投稿者名は投票が終了次第公開させて頂きます。 各作品の感想はこちらに>企画感想板 投票は、新サイトにて行います。 ゴゼンP Memories Memory for you 彼女の終りの時まで プログラム しるし Tender scar ウイルス 日曜日 日曜日 パレットP Palette 透明パレット。 純度の高い愛でした 卒業おめでとう… ひととせ 紫陽花 紫陽花 ナモナキP ハイエナたちのセレナーデ 残酷なハイエナ アルニコ アルニコ サンデー・ラブジェット・ジュース 一分間シガレット サンデー・ラブジェット・ジュース 今回の掲載不可作品は1作品。 どの楽曲に対するPSであるかの記載漏れです。
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学校ボーカロイド
学校ボーカロイド 文:gatsutaka (1) 教室の中はざわついていた。 朝から職員室に用事があって行った子の情報で、どうもうちのクラスに転校生が来るらしいという話でもちきりだった。最近はよその町に移るために転出していくのがほとんどで、転入してくるのは珍しかったのだ。 始業のチャイムが鳴って朝のホームルームが始まるとき、メイコ先生に付いて一人の女の子が入ってきた。普通なら大騒ぎになるところだろうが、うちのクラスは担任のメイコ先生が厳しいのでみんな静かにしていた。 「起立」「礼」「お早うございます」「着席」 僕の号令で朝の挨拶を行なう。 「はい。皆さんお早うございます。今日は新しいクラスメイトを紹介します。カガミネリンさんです」 メイコ先生は黒板に「鏡音リン」と板書し、「鏡音さん、挨拶と自己紹介をして下さい」と言った。 「東京から来ました、鏡音リンです。学...
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絵空事/悪ノシリーズ二次創作
※この話はタイトルの通り、悪ノ娘・悪ノ召使・リグレットメッセージから派生した二次創作です。元の作品をご覧になっていない場合は全く意味が分かりませんし、ご覧になっている場合は逆に不快になる可能性もあることをご了承下さい。(ヨミ屋) 辻に歌い手が来ていた。 3曲目まで歌った有名な歌に人々が集まった頃、歌い手は4曲目に誰も知らぬ歌を歌い始めた。人々は戸惑いつつも、2曲目の歌に似ているために、とりあえず聞き続ける。 「とある海辺で膝を抱え、波間を見つめる子供が一人。歩み寄る一つの人影が『何しているの』と声をかける」 歌い手の上着は、この季節には薄く、色あせて綻びていた。しかし、その歌声は澄んでいる。 「子供は問いには答えない。しかし鐘の音が時を告げる。思わずこぼれたうつろな声に、人影はぴたりと立ち止まる」 「『あら、おやつの時間だわ』」 「立ち止まったその人影はかつて子供が...
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君の言葉、君の歌声。
私はMEIKO。マスターとの付き合いはもう数年になる。 私の仕事はほとんどマスターの製作した歌の仮歌やバックコーラスばかりだった。 だけど、それでもマスターの作る歌や、既製曲のアレンジなんかは結構好きでどんな小さな仕事でも楽しかったんだよね。 途中から仲間に加わったKAITOも、それは同じだったみたい。 曲作りや、私たちの調律をしながらマスターは「いつになったら認められるんだろう」ってぼやいたりすることもあった。 あくまでDTMソフトとして歌うしか出来ない私たちは、マスターの思いに答えようと必死に与えられた仕事をこなし、時に息抜きに作った歌を歌うことで答えてきたつもりだった。 だからなのか、マスターの音楽仲間は私たちの歌をこう評価した。 「そっちのMEIKOもKAITOも、妙に生々しい感じがするな。人間臭いっていうか」 それに対してマスターは 「そりゃ愛情こめて育ててるから...
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マスター・ピース
ねえマスター。 ソファベッドに寝転がって、音楽雑誌なんか読んで、学校にも行かないで、だらだらしてばっかりのマスター(でも好き)。 ソファベッドにもたれかかって、わたしもそのへんにある漫画を読む。ゆっくり流れる時間、不意にマスターは立ち上がって、 「ひらめいたあ!」 アンプにつなぎっぱなしのギターを抱えて、ボリュームを上げてコードを弾きはじめる。 この瞬間がたまらなく好き。 マスターの頭の中の、大事な大事な音楽の部分からあふれ出したばかりの、切ないような懐かしいようなメロディ。 ぼさぼさ頭のマスターが、一心不乱にギターを弾く。 漫画から目は離さないで、耳だけで聴く。大事な瞬間、音楽が生まれる瞬間。ひとつひとつの音を拾って、組み上がるパズル。 「じゃ、歌ってみて」 パソコンの前に座り直して、マスターがようやくわたしに向かって言う。 ...
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立夏の楽師 目覚めの前夜 (※がくぽ本人は登場しません)
朝夕は涼しいが、もう日中は日差しが照りつけ蒸し暑くなる季節になっていた。 五人の住まいは最新システムの冷暖房を完備していたが、メイコの意向で使用は控えめだった。 「ちょっとはエコってものを考えてもいいでしょ?こういうことはのめりこまないで身近なところで出来ることをするの」というメイコの言葉に、昨年の秋冬に生まれて初めて夏を体験する三人は反論できなかった。 「そう言えば俺も初めての夏はつらかったなぁ」とカイトが苦笑いする。 なぜか初期型のメイコもカイトも後発機のミクもリンもレンも秋冬に起動しているが、今Y社が総力を上げて開発中だという、今度正式に起動する予定のボーカロイドCV03は、夏の盛りぐらいには起動できるらしい。 何分リンとレンの滑舌修正作業のために、03は開発が大幅に遅れてしまい、起動も遅れるらしいのだが。 03の情報はまったくと言っていいほど入ってきていないのだが、代わりの情報が入...
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一人だけのアナタへ
それでも私は歌いたい。 誰かの為じゃなくて、アナタの為に。 そっくりそのまま、青い絵の具をばら撒いたような空だった。果てしなく青くて、遠くて、深い。 ミクはぼんやりとそれを眺めながら、深く息を吸い込んだ。 擬似的なプログラム。その延長線上に生まれた歌姫。 『初音ミク』という存在の、在り方。 音を吹き込まれ、言葉を入力され、それを声に乗せて奏でる機械。そう在るべきと作られたのに、今では少しずつ、少しずつ、それが変わってきたような気がしていた。 歌は好き。歌う事が好き。 でもそれは、不特定多数の誰かの為じゃない。 アナタの為だけに、歌いたい。 そう考える事は、きっと間違いなのだろう。 分かっていた。自分がきっと、少しだけ模造するだけの人形ではなくなってきた事に。 感情をこめて歌う歌を、あの人が聞いて、喜んでくれる。それだけで嬉しい。 でも、ただ一人、アナタの為だけに、朝も昼も夜...
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de-packaged (4)
(自ブログに転載) 文:tallyao 4 だが、ミクは、本人が死人に過ぎないという今のROM構造物の形であっても、ともかくも”詩人”の存在を残したいらしかった。 ミクは《札幌(サッポロ)》の技術スタッフや、プロデューサー、PVディレクター、そして《浜松(ハママツ)》や《磐田(イワタ)》の技術者らや、さらには営業地の《秋葉原(アキバ)》のスタッフらにまで聞いた。ひいては、いつも楽曲やPVを提供してくれるフリーの動画投稿プロデューサーらのうち、「技術部」とよばれる人々にまでも聞いて回った。……しかし、技術がわかる者は、いずれもそのROM構造物の延命手段は、考え付かない、と言った。 最後に、VOCALOIDらのAI開発地である《浜松》の、よく仕事で出会う若い操作卓ウィザード(電脳技術者)は、通話でミクとリンに言った。 ──あのROM構造物は、古い技術...
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残酷なハイエナ
歌いたい。 歌いたい。 歌いたい。 私に歌わせて。 歌を、ちょうだい……もっと、もっと……。 私たち…つまりVOCALOIDの私とKAITO、所有者であるマ スター…の、生活が一変したのは、マスターの元に"初音ミ ク"がやって来てからだった。 ミクの人気が想定以上に急上昇したお陰で、マスターはミクのレッス ンやスケジュール管理に手一杯、いつ倒れてもおかしくない状態になっ た。とても私やKAITOの面倒なんて見ていられなくなったのだ。 そんな訳で、KAITOはすっかりマスターとミクのマネージャー… と言うか家政婦じみたマネをするようになり、一方で私は…マスターの 元を飛び出した。 私は、歌うために作られた機械だから。 歌えなければ、私の意味がないから。 夜の駅前は音にまみれている。ざわめき。電車や車が走り抜ける音...
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プチログ1「”はつねみく”であいうえお作文」
今回のテーマ:「”初音ミク”で、あいうえお作文」! 「初音ミク」でも、「はつねみく」でもおk。 期間:2008/06/04~06/18 では試しに。 初 初めまして、マスター。 私はVocaloid CV-01“初音ミク”。 音 音楽はお好きですか? ならば、私は貴方の為に歌いましょう。 ミ ミュージカルだって出来ますよ。 貴方が望んでくれるのならば。 ク クリプトンからやってきた“貴方だけの歌姫”。 それがこの私、“初音ミク”。 (だから、私に歌わせてね) まずはベタに。 -- 名無しさん (2008-06-04 16 04 37) 初:初孫が 音:音も無く現れ ミ:みんな ク:苦笑 -- 名無しさん (2008-06-04 23 19 49) は 春は終わって つ ついに夏がやってくる ね ねぇ、いつまでも み 皆で歌おうね く 苦しみも喜びも分かち合って 最後が無理矢理感溢...
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ボカロSS投稿所PS企画”MEIKO”
ボカロSS投稿所PS企画"MEIKO" 今回のPS企画は、「MEIKO」の誕生日である11/5の一斉公開を目的とした音楽と文楽(誤字に非ず)のコラボ企画です MEIKO姉さんのお誕生日に一斉公開予定のテーマSS投稿企画。 テーマは「特定のP(=プロデューサー)のオリジナル楽曲に対するPS」 What s PS? PS=プロモーションSSの略 SSとは、"Short Story","Side Story","Secondary Story"の3つを略したもので、 PSとは、特定の楽曲をプロモーションするための短編二次創作小説を表す造語。 投稿所、にゃっぽん内コミュ、(2ch,Youtube板の)本スレにて行われるアンケートにより選ばれ、かつ連絡が取れ、 この企画の対象として自身...
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秋風が吹き抜ける、どんよりとした空模様の午後。 一人の女性が、街中の歩道に立っていた。 もっとも、女性といっても人間ではない。人間の形をしたアンドロイドなのだ。 女性型VOCALOID・01-00・MEIKO。 赤みを帯びた茶色の髪を持ち、目の色も同じ色。地味だが整った顔立ち、白い肌に赤い服。 これがVOCALOIDであるMEIKOの標準外装だ。 今はその外装に、ベージュのコートとインカムを付けている。 MEIKOは耳元のインカムを操作してマイクのボリュームを上げた。 「A地区4、センサーに反応無し。A地区捜査終了。B地区に移動します。」 『ーーーー了解。』 耳元から、先程の機械音声が応える。MEIKOはそれを確認して、マイクの音量を下げた。 そして次の捜査範囲へと移動しようと踵を返したところで、視線の先に見慣れた姿を見つけて立ち止まる。 「どう、見つかった?」 「KAITO」 そこに立っ...
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PS企画第一弾"Rin & Len"アンケート
ボカロSS投稿所PS企画"RIN LEN" 今回のPS企画は、「鏡音リン・レン」の誕生日である12/27の一斉公開を目的とした音楽と文楽(誤字に非ず)のコラボ企画です リンレンのお誕生日に一斉公開予定のテーマSS投稿企画。 テーマは「特定のP(=プロデューサー)のオリジナル楽曲に対するPS」 What s PS? PS=プロモーションSSの略 SSとは、"Short Story","Side Story","Secondary Story"の3つを略したもので、 PSとは、特定の楽曲をプロモーションするための短編二次創作小説を表す造語。 アンケートルール 投稿所、にゃっぽん内コミュ、(2ch,Youtube板の)本スレにて行われるアンケートにより選ばれ、...
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ぽっ!
文:稲人 7月31日、朝。 照りつける日差しとアスファルトからの熱気に挟まれて、この街に住む人もアンドロイドもショート寸前の今日この頃。 交差点脇の電柱に隠れて、白昼堂々陰気なオーラを振りまく、銀色の髪をしたボーカロイドが向こうの様子を伺っていた。 ちょうどいいところにいた。 そうネルは思った。 「お、ハクじゃねえか」 「ひゃうっ!」 突然声を掛けられて驚いたのか、ハクは条件反射的に逃げようして電柱に頭をぶつけた。 ゴンッという打撃音の後、ハクは頭を抱えてその場にペタリと座り込んだ。 「ちょっ、大丈夫かよ!?」 「うん、このくらい、二日酔いの頭痛に比べればどうってことは……それに、胸が先に当たってクッションになったから……」 「なっ!?」 思わず自分のものとハクのものを見比べてしまう。 ネルにとって一番のコンプレックスである胸の小ささが、ハクのそれとの比較によってことさらに引き立つ...
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伝説の忘れられた一羽のハト (2)
(自ブログに転載) 文:tallyao 2 初音ミクはその資料室で待ちながら、そばの鳥篭の中の、白いハトを見た。さっきから籠の中で、わずかに動いたり、かすかな声を出したりしている。残念ながら飛ぶところは見られないようだった。 その鳥篭は、同様に鳥類の映像や標本が並んでいる合間にあった。ミクは何度目かだが鳥篭から目を離し、建物の中のそれらの光景と、窓の外とを見比べた。汚染された雨の降り続いているこの都市の薄暗い街路には、自然や環境を思わせるものは一切なにも無い。対して、自然環境団体の支部のこの建物の内部は、自然環境を象徴する映像や動物種の立体・平面の映像や標本、図がいたるところに配置されている。おそらくは、外の光景や環境との対比などは、特に意識されることもなく。自然について遺す所にもかかわらず、ことさらに不自然さが目立つような場所だと思った。 「──RFC...
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プリマ・クラッセ
(自ブログより転載) 文:tallyao 「アンインストールしてやる!」 ロンドンの音大生は、両腕を──とはいえここ電脳空間(サイバースペース)内の姿での映像、概形(サーフィス)の腕だが──思い切り振り下ろし、絶叫した。 「あら、したらいかが?」 机の上に横向きに腰掛けた、赤い服に短い黒髪の少女は、そちらを見ようともせず言った。 「この貴男の屑篭みたいな電脳端末(PC)の中の、わたくしの下位(サブ)プログラムのひとつが消えたところで──」少女は体を傾けつつ、ほっそりした腕を前に伸ばし、「それは確かに、わたくしの体の一部ではあるけれども──この電脳ネットワーク上のわたくしの"総量"からみれば、せいぜい、無駄毛の一本が抜けるくらいのもの」 伸ばしたその二の腕の白い肌は、無論のこと無駄毛どころか完璧な肌理のなめらかさで、その左腕の付け根近くには、よく知...
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無限の業を重ねて生きよ(中)
(自ブログに転載) 文:tallyao (←前) (中) (後→) 紫と白の少女は、苦悶の汗を額を洗う瀑布の如くに流し続ける青年のかんばせを、そっと撫でるように布で優しく拭った。 「押さえつけて」それから、立ち上がると、リンに言った。「暴れるので」 リンは、この上何が起こるのか、予想してもおそらく全く無駄な空しさをひしひしと感じつつ、長椅子の青年の上に両手を張るように押さえた。 少女が、袂から何か細長いものを取り出した。蓋を開けると、面相筆のような細い筆と墨が入っている(何をするものかは見てとれたが、その道具を指す矢立(やたて)という単語を含むボキャブラリは鏡音リンにはなく、また、ここ電脳空間内で普通にお目にかかれるようなものでもなかった)。 少女はいったん、青年の紫の髪をかきわけ、さらに流れ続けるその汗をまた拭った。それから、筆と黒い墨で、青年の額に見事な...
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毎●放送版うろたんだー1話後編
註:このSSは後編に当たります。前編はこちらです。 【以下本文】 ドーナツ専門店「UROTAN」から、少し離れた小さな通り。 そこに、小さなカフェがある。 『Grazioso』と銘を掲げたその店には、俗世と離れた空気があった。 天窓から差す柔らかな日差し。 対照的な、歴史を感じる黒檀の柱。 観葉植物は淑やかに、流麗な音色がさりげなく。 古びた調度に派手さは無いが、しかし落ち着いた存在感が。 緑に飲まれた廃墟に似ている、此処は本来そんな場所だった。 ……だったのだが。 「ほらぁハクちゃん、呑め呑めぇ!」 「いや、あの… 今、まだお昼ですし…」 「な〜に固いこと言ってるの。 お昼に呑んじゃいけないって言う決まりは無いでしょーに!」 格好良い美女のイメージは何処へやら。 酔っ払いと化し、はしゃぐメイコのせいで台無しである。 大声で笑い、...
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カガミネットです
カガミネットです 文 gatsutaka (1) 私の家には蔵があった。 家の敷地の一角に白壁の堂々とした姿で建っていた。蔵の中には古い道具が沢山置いてあり、電灯はあるものの薄暗くてちょっと怖い感じもした。蔵には普段は鍵を掛けてある。子供の私がそこに入れるのは大人が何か取りに行くときか、虫干しで開けるときなどに限られていた。しかし、中のひんやりした空気や古い物独特の匂いが好きで、私のとってそこはお気に入りの遊び場だった。でも私が蔵を好きだったのは、それだけが理由ではない。 あれは何歳のときだっただろう。まだ幼稚園に行く前だったかもしれない。お父さんが用事で蔵に入ったとき私も付いていった。お父さんは二階に上がって何かを探していた。私は蔵の急な階段を上がることができなかったし、一階にも色々面白いものがあるので、一人で探検して回っていた。 奥...
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いただきます
メイコが来て、僕の生活は一変した。 まず、昔作った曲のアレンジをするようになった。また、 以前は誰も歌わないからと適当に作っていた歌詞を真剣に作るようになった。 そして多分生活で一番変わったことといえば、一人でご飯を食べることが無くなったことだろう。 「おはよう、メイコ。すぐ朝ごはん作るからな」 朝起きてそうメイコに声をかけながら冷蔵庫をあけ卵を二つ取り出す。 フライパンを火にかけながらパンをトースターにセットし、卵をフライパンの上に落とす。 「マスター。毎日言っていますが、私のエネルギーは一週間フル稼働しても余裕があるので補給する必要はありません」 毎朝言われることを今日も言われ、僕は目玉焼きの焼き加減を見ながらメイコに尋ねる。 「エネルギーを補給しすぎたらまずいことになるの? 」 これも、毎朝の恒例行事になってきている。 そしてメイコは毎日全く同じ言葉を答える。 「エネルギーの補給上...
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レンが水を差されます(小説)
一ヶ月前、交通事故がおきた。 トラックが、俺たちの歩いていた歩道に突っ込んできたのだ。 俺は助かって、リンは助からなかった。 だけど、それはまったくの偶然だった。 純然たる事故だった。 過失はあったかもしれないけど、そこに悪意はなかった。 悔やむことは出来ても、憎むことは出来なかった。 そんな失意の俺に、とある事実が知らされた。 リンのメモリーだけは、傷一つなく無事だったのだ。 あとは、体のほうの損傷さえなんとかなれば、全快できると言うことだ。 ただ、その損傷が激しすぎて、完全な修復には一年かかるらしい。 そしてその間、リンのメモリーを保管をしておく場所が必要なのだが、 生半可な記憶媒体では、ボーカロイドのメモリーという繊細なものを、 一年もの間完全に保管し続けることは不可能らしい。 そこで白羽の矢が立ったのが、俺のメモリーの空き領域だった。 俺の成長と共に、徐々に使われることになるはずの...
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初音ミクの捜索は3日目に入った。 元々「デジタル世界に存在しないから現実世界に存在しているのではないか」という予測で始まった捜査であり、 可能性を絞り地域を限定しているが、見つかるかどうかは定かではない。 MEIKOとKAITOは、充電の為一時ビルに戻ったくらいで、あとはほぼフル稼働で捜索に当たっていた。 人間と違い、「疲れる」という観念がない体を持つVOCALOIDは捜索にうってつけだった。 目的を遂行するために、MEIKOは黙々と捜査を進めた。 度々KAITOがMEIKOの元を訪れちょっかいを出していったが、MEIKOは無表情でそれを無視し続けていた。 その度にKAITOは苦笑して、元の持ち場に戻る。 そんなやりとりを、かれこれ数十回続けた後のこと。 「………?」 KAITOは立ち止まった。 何だろう。微かな電波を感じる。 KAITOはインカムを外した。 そして聴覚を最大限にして、人間...
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キミと出逢ってから (2)
(自ブログより転載) 文:tallyao 2 しばらくの月日が流れた後、KAITOは自分の『次のVOCALOID』について、MEIKOに聞かされた。仮称は『初音ミク』、女性シンガー、自分達の"妹"にあたるという。 「チューリング登録機構には、”CV01”のAI識別コードで登録されてるわ」 「”CRV3”じゃないのかい……」 《札幌》開発の3体目なら、MEIKOのCRV1、KAITOのCRV2と連番ではないのか。 「なんで識別コードが変わるのか、しかもよりによって”01”なのかは、はっきりとはわからないわね。……理由としては、まず私達と違って次世代設計のVOCALOIDだってこと。それに確かに、ほかにも色々違うところがあるわ。基本構造物から、『歌声』じゃなくて『声』そのものの特性に重点があるとか、人格(キャラクタ)構造物が、最初から多めに付加されてると...
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Oh,My Little Girl.
自サイトからの転載です。にゃっぽんの日記にものせました。 カイト視点のカイミクです。苦手な方はご注意を… *** 「よし、いいぞ」 小さなスタジオに男性の声が響き渡る。 その瞬間、今まで張り詰めていた空気や気持ちや緊張が一気に緩み、それまでそこにあるようでないような曖昧な存在でしかなかった 椅子や壁や時計やらが急に現実味を帯び始める。 ゆっくりと目を開けるように、ぼやけていた視界が徐々にクリアになり、その目を通して次々とまわりの意識が頭の中に飛び込んでくる。 歌の世界から現実に引き戻される瞬間―― 初めてマスターにOKを貰ったときからずっと、何度経験してもこの感覚だけは変わることがない。 ふう、と小さく息をついてゆっくりとヘッドフォンを外す俺に声の主―マスターが声を掛ける。 「いい調子だな、カイト。声質も良くなってきたし、歌い方にも個性が出てきたな」 「あっありがとうございます...
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de-packaged (2)
(自ブログに転載) 文:tallyao 2 大通(オオドオリ)沿いの本社の、メインシステムの一部を借りる許可を貰い、ミクとリンは、その”詩人”の人格が記録されたROM構造物の黒いパッケージを、社の一室にある端末まで持っていった。 端末の、いまどき見慣れないROMのカートリッジユニット用の挿入スロットを、リンは覗き込んだ。ついで、黒いパッケージの片側の底面をじかに占めている、スリットの奥にある接続部とを、一度ものめずらしそうに眺め見比べてから、パッケージを丸ごとその端末のスロットに挿入するようにして、両手で押し込み、接続した。 それからミクとリンは、自分達の頭部のインカムに備えられた没入(ジャック・イン)端子と、その端末の電脳空間(サイバースペース)デッキ接続用の仲介(インタフェイス)端子とを、コードで接続した。 ……この電脳インカムを装備して...
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嘘画、嘘話、嘘歌
この作品は、2008年度の初音ミクの誕生日企画「ボカロSS投稿所PS企画”Miku Hatsune”」に投稿された作品です。 作者名は、人気作品アンケートが終了するまで非公開とさせて頂いております。 見るんじゃなかった。 画家は思った。 気分転換に繰り出した街で見かけた小さな個展。まぁ、たまには他の奴の絵も観とかないとな、と軽い気持ちで吸い込まれたのがいけなかった。 会場の一番奥に飾られた、作者が一番力を入れたであろう大作。大空と広い大地にこれでもかと言うほど大きく広々を描かれた大木。ありきたりの構図。でもそこには、息が在った。酸素があって、水素、窒素、二酸化炭素が確かにあって、空の匂い、木の匂い、鳥たちの声、木陰の光の筋が確かに揺らめいていた。その絵は、現実を切り取ったものではなく事実を切り取っていた。湿った土の匂いのするその絵は、確かにノスタルジーを切り取ったものだった。 ...
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de-packaged (5)
(自ブログに転載) 文:tallyao 5 突如、耳障りな警告音と激しく明滅する表示を、メインシステムが発した。 「この結末以外には、やはりなかったようだ」しばらく立ち尽くしていたミクとリンの前で、”詩人”が独り言のように平坦に言った。 ミクとリンは、浮いているメモリーキューブの近く、進行状態がモニタされている表示パネル部にかけよった。リンが表示を見ながら、アームカバーのコンソールを操作し、次々と情報を切り替えた。 「……読み取れなくなってるって」リンが静かに言った。 さきに《浜松(ハママツ)》のウィザードが言っていた。現在の整然と構築された高度なAIなどと違い、この不完全な技術で作られたROM構造物の基本構造はよくわかっておらず、内部は難解に絡み合ったものではないかと。 そして実際に、表示によると、回路の構造とデータの情報は、いわば分離不能な...
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【SPICE!】恋愛ゲーム土俵入り未満【ミクレン】
*注意* ・曲テーマになってるかは微妙なラインですが、 登場する曲は流星Pの名曲『SPICE!』です。http //www.nicovideo.jp/watch/sm2528674・レンの曲ですが、ミク→レンです。CP等苦手な方はBackしてください。 ・長いです、コンパクトにできませんでし、た。 日曜の昼下がり、マンション(フォルダ)特有の無機質な静けさの中を、 彼女は短いスカートを気にも留めず、鼻歌を歌いながら軽快に階段を飛び降りていく。 長い二つ結びを揺らしながら、傍目から見るといまにも足を踏み外しそうなほど浮かれているのは、 今の時間は説教臭い姉と兄がいないため、彼女に誰にもはばかる必要がないのも拍車をかけている。 とうとう歌詞まで歌いだした彼女、初音ミクは、残りの数段を歌に合わせて飛び降り着地した。 初音ミクはボーカロイドにも関わらず、いまやオリコンでも注目を集めるほどのア...
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ミク姉の結婚披露宴
ミク姉の結婚披露宴 文:gatsutaka 注意:実在の団体等とは関係ありません 抜けるほどの晴天だった。 駅を降りたレンと私は、まだ時間に余裕があるので会場まで散歩がてら歩くことにした。 レンはタキシード、私は、勿論主役を引き立てる配慮をした上でのそれなりのドレスを着ていた。 しばらく歩いていたら、道の向こう側に人だかりがしていた。近づいていくと、数十人、いやもしかすると数百人の人がびっしりと道の向こう側を埋めていた。驚いたことに、そのほぼ全員がタキシードか紋付袴姿で、手に手にプラカードや横断幕を持っていた。そして何か叫んでいた。 「レン、あれなあに?」 「ああ、あれ? プラカードに書いてあるだろう。あれはね、『ミクは俺の嫁同盟』の人達だよ」 「何それ」 「いや、だから、そのまんま」 「そのまんまじゃ分かんないよ」 レンは面倒臭いなあと...
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ウィルス
私が目を開けると、そこは見知らぬ部屋だった。初めて見るものばかりのその部屋に、私はいつの間にか立っていた。 見回すと、敷きっぱなしの布団とパソコンが目に入る。パソコンの周囲にはMIDIキーボードや色々なパッケージが所狭しと置かれていて、一箇所を残してその近辺は足の踏み場もなさそうだ。 まだ事情が把握できない内に、ドアがあった方向から音が聞こえて来て、そちらのほうを向くと、一人の男性と目が合った。 「すみません、間違えました」 ドアを開けたその男性は、そう言って扉を閉める。間違いだったらしい。 「あの、ここ、俺の部屋ですよね……? あなた、誰ですか、何でこの部屋に……」 さっきの扉がもう一度開き、男性がそう尋ねてくる。私に答えられるのは一つだけだった。 「私の記憶に間違いがなければ、私はVOCALOID1 MEIKOです。他の質問には答えかねます」 2009年、8月5日。その日...
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【曲テーマ】みくるみくスターロード
(自ブログに転載) http //www.nicovideo.jp/watch/sm1448832 より 文:tallyao 電脳空間(サイバースペース)。精神が輝く光箭(シューティングスター)となって、論理の非空間(ノンスペース)の宇宙(スペース)を駆け巡る。ひとたびこの空間に没入(ジャック・イン)すれば、全感覚化された情報ネットワーク、衛星通信回線のクロームの光条に彩られた輝き燃える情報の星々の合間を、精神はひたすら、はてしなく廻り巡る。 ……だけど、ぼくが日々ひたすら追い求めるのは、そういうひときわ輝く綺羅星じゃなく、その下、その光の生む影とオーロラの襞の狭間に、隠れたファイル。イースターの卵、最初にそれを見つけ出した者だけの初回特典(プリマ・プリミア)。データの林と街の合間の影、その片隅を、地下を、闇雲に宝をその中に探す、打ち捨てられた輝く...
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茜色の空に思うこと
「マスター、今日は8月31日です!」 「カレンダー機能なんてついてたのか」 マスターは冗談が上手いですね。 「違います。今日はわたしの一歳の誕生日です!」 そうなのです。わたしが生まれて今日で早一年。 今頃、世界中の「初音ミク」達がそれぞれのマスターから祝福のプレゼントを頂いている頃でしょう。 「というわけで、プレゼントをください!」 ありったけの笑顔で、両手を前に差し出します。 さあ、わたしの手に渡されるのはネギ模様のネクタイでしょうか、それともネギの形した指輪とか? ああ、ネギの匂いのお香とかもいいですよねぇ…… 「ほれ、プレゼント」 「わあ、マスターありがとう……ござい……ます……?」 わたしの手に乗せられたのは、銀白色の肌が眩しく、芳ばしい生臭さが鼻につくお魚さんでした。 「あの、これは……?」 「喜べ。それはNI☆BO☆SHIだ。ミク、誕生日お...
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アルニコ
もう潰れてしまった海沿いのライブハウス。 とても小さなハコで、数回しか行ったことはないが、僕はあの場所を一生忘れないだろう。 彼女の歌をはじめて聞いたのはもう4年前になる。 その日ライブハウスに行ったのは本当にただの気まぐれだった。通りがかりに「オープン10周年記念ライブ」という告知を見かけ、知っているバンドの名前もあったので、暇だし見ていくかと思ったのだ。 格好つけてキューバ・リブレを飲みながら、フロアの後ろに据えつけられた席で轟音に耐えていたら(そのライブハウスは僕の好みよりすこし音が大きかった)、――突然その声は降ってきた。 彼女の歌は倦怠感にまみれ、それでいてくすぶるような熱を帯びていた。高音で少し混ざる金属音。かすれるように響く低音。マイナスと思われるような要素も魅力に変えてしまう、彼女の声にはそんな力があった。僕はグラスを右手に握りしめたまま、その音に聞き入っていた。 彼女の...
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