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牛語録2003 - (2005/10/25 (火) 13:36:40) のソース

<h3>TV BROS.平成15年12月6日号</h3>
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――「錬金術師」の発想ってどこから出てきたんですか?<br>

あと、荒川さんの描く錬金術って、普通の錬金術でやることと、かなり異なりますよね。</p>
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荒川: 錬金術より先に、賢者の石を使う、というアイディアがあったんですよ。<br>

あれ?賢者の石はどこから出てきたんだろう…。それは覚えてないんですけどね…。<br>

まぁ、錬金術を描くのであれば、「等価交換の法則」みたいな根っ子さえ間違っていなければ、<br>

枝葉末節は気にせず、ハデにやっていこうと思ったんです。</p>
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荒川: 話は変わりますが、元々メインキャラの設定は、父親と息子だったんです。<br>

主人公である息子は18歳くらいで、機械鎧。エドの原型ですが、背は小さくはありませんでしたよ。<br>

父親は喋るモモンガでした。<br>
錬成の失敗でアルの魂が鎧の体に埋め込まれたように、父の魂もモモンガに乗り移ったんです。<br>

でも、結局は少年ガンガンの読者に合わせて主人公の年齢を下げ、<br>

パートナーも父親ではなく、弟にしました。<br>
アルが大きな鎧に入っているのは、主人公の対比として、大きいキャラを出したかったからです。</p>
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――どことなく、「ドラゴンクエスト」の影響を作品から感じるのですが。</p>
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荒川: ロールプレイング(RPG)はよくやっていましたよ。<br>

主人公が色々な人と出会って成長し、個々のエピソードが重なり合って一つのストーリーになっていく点はRPG的要素かも。<br>

あと、私はハリウッド映画が好きなんですよ。<br>
多国籍的で、ラブロマンスがあって、最後にカタルシス。<br>

こんな要素も含めているかもしれません。<br>
なので、毎回一つ、時には二つ「一番見せたいコマ」をいれるようにしています。<br>

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――ご自身の経験と、作品の関係性は?</p>
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荒川: 連載が始まる前に、リハビリセンターで警備のアルバイトをやっていましたが、<br>

そこで車の事故で足を失った人に出会いました。若さに任せて無茶した結果、足を失ったそうです。<br>

後悔はしたものの、得たモノはあった、と言っていましたね。<br>

その時、テーマの一つである「失ったモノの代わりに得たモノもあるはずだ」が思い浮かびました。<br>

あと、右腕が義手の人が、義手を外して腰にぶら下げているのを見た時、エドの映像がパッと浮かびました。<br>

機械鎧のディティールは、実家が農家なので、トラクターとかの農業機械の知識で描いています。</p>
<p>――アルはどんな役割を持たせていますか?</p>
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荒川: 外見だけでなく、中身も兄と対比させています。<br>

瞬間沸騰機のエドに対する、おっとりとした、冷却機のアル。<br>

あんなにごっつい鎧から、あんな(かわいい)声が出るのが面白いんです。<br>

連載前の予告で、少年ガンガンに二人の姿を出したんですが、<br>

「あれはゴーレム?」「ロボットものだ!」「いや、召還獣の話だ!」とか色々な噂が出ました。<br>

それを聞いて「フフフ、騙されているな」と一人ほくそ笑みましたよ。</p>
<p>――アニメの話が来た時に思った事は?</p>
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荒川: 連載1年目に話が来たのですが、「まだストーリーが溜まってないよ!<br>

本気でやるのか?正気か?」という感じでしたね。喜ぶより先に、驚きがありました。<br>

完成された映像を見るまで、ドッキリカメラかと思ってましたよ。<br>

アニメは色々と参考になりますね。例えば、カメラワークなんかも。<br>

マンガでは、足元を映してから、顔の方へ上げて行く、なんてはできません。<br>

でも、こんなことを何とか自分が描くマンガに汲み取れないかな、と日々思っています。</p>
<p>荒川: これから描きたいのは…一気に話しますよ!<br>
二人が目標に向かって走りつつ、周りの抗争に巻き込まれ、敵対する人もいて、<br>

敵をやっつけ、世界平和でも、人のためでもなく自分達のために、<br>

結果として悪人と戦う。そんなお話です。楽しみにして下さいね。</p>
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付録・荒川語録<br>
1.アニメが始まったら、やたらと親戚や友達からの電話が増えるようになりました!<br>

2.錬金術を描く時に心がけているのは、中学生の理科のレベルに合わせることです。<br>

3.読者がオモロイ、と思ってくれれば良いです。テーマの押し付けはしたくない。<br>
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