ピカチュウ「昔はよかった・・・」@ ウィキ内検索 / 「第三章」で検索した結果

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  • 第十三章
    「眼にも止まらん電光石火、っちゅーのはああいうことを言うんやな。  ワイらの研究の結晶なんて、君が培ってきたもんに比べたら、  石ころ同然やったことが証明された瞬間やったわ」 「ピカ、ピカピカ」 そう悲観するなよ。 あのライチュウは優秀だった。 僕の虚をついたあの複合攻撃は、なかなか比類しがたい代物だったぞ。 「気持ちだけ受け取っとくわ。  それ、君が言うと全部嫌味に聞こえるねん」 それもそうか。 「ピ、ピカチュ」 僕は笑った。 マサキは唇をアシンメトリーに歪めて笑った。 僕と彼との間に満ちた和やかな雰囲気は、しかし、鉄格子によって仕切られていた。 彼は白衣についた塵を払いながら、 「この処遇は半永久的に続くわけやない。  一ヶ月から二ヶ月後に、最終テストがある。それまでの辛抱や」 平坦な声でそう言った。責任を感じ...
  • 第二十三章 下
    翌朝。目覚めた僕は、昨日のマサキとの遣り取りが、 何もかも夢だったのではないか、という考えを振り払えずにいた。 僕の体には昨日と同じ箇所に同じ数だけ管が繋がっていた。 記憶が正しければ、マサキが繋ぎ直してくれたからだ。 記憶が偽りならば、そもそも僕は管を外していないからだ。 脱走したい、しかし単身ではこの病院からヒナタのところまで行けるはずもない――。 「脱走に協力したるわ」というマサキの言葉は、そんな葛藤が見せた都合の良い夢だったのか? それが現実であったことを確かめられたのは、 予測されていた雨が予測されていた通りの強さでタマムシシティを潤ばし始めた、正午前のことだった。 診察を名目に僕の個室を訪れたマサキは、 「返事、訊きにきたで」 惚けた様子でそう言った。僕は二つ返事で答えた。 「ピカ」 ――自然死を選ぶよ。 するとマサキは...
  • 第二十三章 中
    マサキはこう前置きした。 『悪い知らせと最悪な知らせがある。どっちから聞きたい?』 鎮痛剤の副作用で感覚を失った。 命の蝋燭はいつ消えてもおかしくないほどに痩せ細っている。 これ以上の不幸が僕には想像できなかった。 「ピィカ、チュウ?」 それで、最悪な知らせというのは? 「ワイは歯に衣着せた物言いが苦手や」 知ってるよ。 「君の末路は、二つ限りや」 マサキは極めて平坦な声で言った。まるでそれが既定事項であるかのように。 「苦しみながらの死か。薬物による安楽死か。  どちらを選ぶか、その選択権は君にある。  でも君の死に目を看取るのは、ワイと、君の知らん人間や」 僕は感覚の希薄な体を流れる血液が、沸騰するのを感じた。 「ピィ……」 諧謔を弄するのはよしてくれ、マサキ。 僕には、ヒナタやそ...
  • 第二十三章 上
    障子を透かした朝の日の光は、優しい。悪い夢を溶かしてくれる。 隣でぐっすり眠っているカエデをそのままに、寝床から身を起こす。 ぎし、ぎし、ぎし。 朝の空気に、廊下の軋む快い音が響き渡る。 静閑な日本庭園の一角に、あたしは薄紅色の人影を認めた。 「昨夜も、深い眠りは訪れなかったんですの?」 エリカさんは枝垂れ柳を仰いだまま言った。 「いえ、昨夜はよく眠れました」 逆説を続けたい気持ちを抑える。 ――でも、夢を見るんです。とても悪い夢を。 そう言うことで、余計な心配をエリカさんにかけたくなかった。 「だいぶ、落ち着いたみたいです」 エリカさんが振り返り、近づいてくる。 下駄と敷石が奏でる音はどこまでも優雅だった。 あたしは無理に微笑んで見せた。 それを見て安心したのかもしれない。 エリカさんはふと立ち止まると、告解する信者のよ...
  • fathers & mothers 19
    「サイドンを倒した時点で、勝敗はほぼ決していたんだよ」 グリーンバッジ取得の理由を、青年はハナコに、トキワからタマムシへの航路上で語っていた。 ハナコが言った。 「あなたのポケモンでまだ戦えるのは、オコリザルと、足が麻痺したライチュウ。  ジムリーダーのポケモンでまだ戦えるのは、スピアー……。  確かに数で言えばリーダーが不利だけど、最後まで戦わないと、試合の勝ち負けは分からないわ」 「俺のモルフォンが倒される前に、スピアーに"眠り粉"を浴びせたのは覚えてる?」 「……あ」 「すぐに効かなかったのは、スピアーが虫ポケモンで、多少は耐性があったからだ。  でも、いつかは効果が表れる。時間の問題だった。  狡い手だけど、俺はあの後、スピアーに眠り粉が効くまで、ひたすらオコリザルに回避行動を取らせるつもりだった。  スピアーの素早さから考えて...
  • fathers & mothers 17
    翌朝。 マサラタウンからタマムシまでの空路上で、青年はハナコと自然に話すことができなかった。 昨夜の別れ際の出来事について、蒸し返すべきか否か。 青年の腰に回された、ハナコの腕をいつも以上に意識してしまう。 あれは酒精が見せた酔夢……そうだ。そうに違いない。 その証拠に、ハナコは普段となんら変わりないじゃないか。 仮に現実だったとして、彼女も酔っ払っていたのだ。 足取りも意識もしっかりしているように見えたが、その実、泥酔状態だったのだ。きっとそうだ。 青年は誰かに同意を求めようとしたが、脚下のリザードンは、それに応えることなく飛翔を続けた。 タマムシに降り立った青年とハナコは、その足でロケットゲームコーナーに向かった。 ゲームマシンが並ぶメインフロアの死角に、一枚の大きなポスターが飾られており、その裏に秘密のスイッチがある。 それを押すと、僅かな擦過音とともに隠...
  • 外伝4
    「考え事かい?」 金髪――孤島の再調査の護衛をしていた時に知り合った同業者――が言った。 「別に」 「そうか。ならいいんだ。  いや、君はいつも物憂げな顔をしているが、どうも前よりも酷くなっているように見えてね」 気遣うような笑顔を向けてくる。俺は元から逸らし気味だった目をさらに逸らした。 初めてこの男と会って以来、ツーマンセルを組むことが多くなった。 俺一人で十二分にこなせる任務でも、何故かこの男が着いて来た。 実際に足手まといになることはなかったし、精密さや隠密さが重視される任務では、この男に任せる部分もあった。 だが――。 「ロケット団の再興を信じてやまない狂信者どもには困ったものだ。  僕たちが定期的に気勢を削いでやらなくちゃ、あっという間に第二、第三のロケット団ができあがりそうだよ。  小物なら潰すのも楽だが、百人近い大所帯が相手だ...
  • 外伝7
    食堂で少し早めの昼食を終えた後、俺たちはタマムシ大学を後にした。 食事の後は動きたくない、という俺の希望を、散歩で腹ごなしするの、と却下したサヤは、 どうやら間近に控えたジム戦に、ようやく緊張感を覚え始めたようだ。 「さっきから歩くスピードが遅くなっているが、どうかしたのか」 「どうもしないわよ。  ねえ、サトシがレインボーバッジを手に入れたのって、いつくらい?」 「ん……四、五年くらい前になる」 「てことは、そのときはまだ、サトシは十五歳くらいだったのよね」 「まあ、そうだ」 「緊張した?」 訪ねてから、その質問が自分の心理状態を告白していることに気づいたのか、 即席の余裕の笑みを浮かべるサヤ。俺はあえてそれには触れず、 「そりゃあ、緊張したさ。  特に当時は、リザードンが言うことを聞いてくれなくて、  相性のいいポケモンがいないまま、挑戦し...
  • 第九章
    とても懐かしい音を聞いた。 何かの物音? 誰かの声? 分からない。判然としない。 何かに、或いは誰かに、呼ばれているような感覚。 ここは何処何だろう? 僕はどうしてこんなところにいる? ただ一つだけ分かるのは、ここは、僕がいるべき場所ではないということ。 ここを出よう、と思う。 でも、そう思ったそばから、思考が蕩けていく。 足場がない。一カ所に留まっていられない。 だから僕はたゆたう。果てしなく。何処までも。 与えられた眠りは優しくて心地よくて、 それと同じように目覚めも、まるで深海で留まっていた気泡が水面に浮上するみたいに穏やかだった。 頭を振って、まだ微睡んでいる思考を揺り起こす。 尻尾を振る。自在に動く。 手足を動かす。異常はない。 右耳と左耳を交互に動かす。支障はない。 電気袋から電流を迸らせる。まったくもってノープロブ...
  • 第七章 上
    「おもーい、だるーい、歩きたくなーい」 約27回目となるカエデの弱音に、ヒナタと僕は慣れきってしまっていた。 「地図を見た感じだと、あともう少しよ。頑張りましょ」 「ヒナタ、さっきから同じことばっか言ってるじゃないの」 「ピカァ……」 それは君が言えた台詞じゃないだろう……。 それにいつまで経っても目的地が見えてこないのは、 君の歩みが果てしなく遅いからだぞ。 「ね! ここら辺で休憩しない?  お腹もへったし。あたしクチバシティでおやつ買ってきたんだ」 勝手に座り込んで、リュックサックを開けるカエデ。 ヒナタと僕は視線を合わせ、深い深い溜息を吐く。 ここは十番道路の外れ。 イワヤマトンネルの手前あたりの入り江をパウワウの力を借りて渡り、 僕たちはかつての無人発電所に向かっている。 さて――何故僕...
  • 第二十章 下
    空調ダクトに潜んでから約一時間後。 ルアーボール、ムーンボール、ヘビーボール、スピードボール。 新型ボールのプレゼンテーションは恙なく進行し、デプログラムはいっこうにその効力を発揮する気配がない。 不安になってきた僕をよそに、真下のモニターからは、最後のプレゼンテーションを始めるアナウンスが聞こえてくる。 プレゼン方式は各開発部門のトップが成果を発表するというもので、都合、壇上の人間はボール毎に入れ替わることになる。 そして次に壇上に上がり、マイクを取ったらしい人間の声に、僕は戦慄した。 「ご紹介に与りました、ハギノです」 ハギノ。 オツキミヤマにおけるピッピ乱獲およびカントー発電所占拠の中心的人物。 システム幹部が何故ここにいる? システム最高指導者たる管理者がレセプションの参加者に紛れている以上、 その護衛がついていることは予測の範疇だったが、 まさ...
  • 第十九章 上
    ――――――― ――――― ―― ぼやけた視界に、10:46の数字が映る。 「こんな時間まで寝過ごすなんて」 自覚のないうちに、疲れが溜まっていたのかしら。 「ふぁ~あっ……」 大きな欠伸と伸びを一緒くたにしてから、ソファーセットの上で丸まっているタイチの存在に気付く。 見られてない? 見られてないわよね? あたしはタイチの長い睫を指先でそっとつついて、 熟睡していることを確かめてから、急いで着替えを済ませて、1Fのロビーに向かった。 「こんにちは」 昨夜の気さくなジョーイさんが話しかけてくる。 「あっ、おはようございます」 「ふふ、あなたには"おはよう"と言った方が良かったわね」 赤面する。ジョーイさんはくすくす笑って、 「お出かけ?」 「はい。ヤマブキシティは初めてなので、...
  • 第十八章 上
    帰ってきたエアームドが嘴で指したのは、 ヤマブキシティに本社を有する巨大企業にして、 ポケモン産業の中核を成すシルフカンパニーだった。 それからのあたしたちの行動は早かった。 タイチは既に荷物を小さく纏めていたし、 あたしの準備もあっという間に完了して、 エアームドは帰還早々、空の道を往復することになった。 「体力は大丈夫なの?」 「今なんか言ったか?」 声を張り上げるタイチ。 地上で十分だった声量は、空に上がった途端、小さな囁き声になってしまう。 「エアームドの体力は大丈夫なの?」 「問題ない。こいつは見かけ通りタフだからさ」 タイチの言葉を裏付けるように、エアームドが甲高い鳴き声を上げる。 「それよりヒナタ、お前の方は大丈夫なのか?」 「どういう意味?」 「寒いのが我慢できなくなったり、休憩したいときは無理せず言えってことさ...
  • 外伝2
    要人の護衛。敵対組織の無力化。危険因子の抹殺。 博士の命令の内容は多岐に渡った。 俺はそれを何の疑問も抱かず、ただ淡々とこなしていった。 上層部の懐刀として、同組織の人物から謂われのない嫉妬や恨みを買う事も少なくなかった。 俺は心のどこかで潤いを求めていたのかもしれない。 最後に別れた日から約一ヶ月後のある日、 カイリュー便が俺の元に手紙を届けにきたとき、俺は肩の荷が下りたような、妙に軽い気持ちになった。 リザードンはそれを察したかのように、速力を上げてグレンを目指した。 屋敷に着くと、メイドは複雑な微笑を浮かべて俺を出迎えてくれた。 その真意を測りかねつつ裏手に出ると、全てに納得がいった。 「……………」 バトルフィールドの脇、申し分け程度に設えられたベンチの上で、 膝にヘルガーを乗せたまま、サヤがこっくり、こっくりと船を漕いでいた。 肩口まで伸びた...
  • 外伝15
    ホッと息をつくヒナタ。 後で母親――カスミ――にたっぷり叱られるであろうこの子に、 俺が今、ポケモンを持たずに森に入る危険性を諭す必要はないだろう。 それに俺はこの子にとって、偶然通りかかったトレーナーであり、他人なのだ。 父親のように振舞って、自分を慰めて、何になる……。 「おじさん?」 気がつけば、ヒナタは微かに怯えた目で俺を見上げていた。 「どうして怖いかおしてるの?もしかして、まだやせいのポケモンが近くにいるの?」 「なんでもないんだ。この近くには、野生のポケモンは一匹もいないよ」 「どうして分かるの?」 五歳といえば好奇心の塊だ。 「おじさんはね、近くにいるポケモンの気持ちが分かるんだ。  今のところ、気持ちが分かるポケモンはこのリザードンだけだ。  だから、心配しなくていいんだよ」 「すごぉい……じゃあね、じゃあね、リザ...
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