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 **快楽という海に溺れて
 
 
 
 
 命からがらジェイソンを振り切った凛と雲沢の2人。
 そこに迷い込んだラベンダー畑の周辺には2棟並んでいた。
 1つはラベンダー荘、もう1つは蒲生剛三の屋敷。
 最初はラベンダー荘に突入しようとしたのだがもう1つの建物の屋敷に気付いたこと、そしてラベンダー荘には明かりが付いているのに対して屋敷には明かりが消えていること。
 こういうことがあり休みたいのだがどちらで休むべきか立ち止まっていた。
 どちらの建物に突入するのか、それともどちらの建物でも休まずに島を探索するか、選択肢を前に雲沢はあたふたしていた。
 ただ、正直しんどさを感じているので探索したくないのが雲沢の心境だが口として出すのは厭らしく思い飲み込んでいた。
 
 「ど、どっちに行く霧谷さん?」
 「うーん……」
 
 凛の視線がちろっと辺りを見渡している時どちらの建物も視界に入れていないと雲沢はどんよりしていることに凛はとっくに気付いていた。
 
 (歩きたくないなら言えばいいんだけどね、まあ可愛いからいっか)
 
 それに口に出すのは恥ずかしいのだろうなと察知していた。
 
 「明かりが付いている建物……、危険かどうかはわからないけどグレーゾーンかな。つまり休むならこっちかな」
 
 凛は屋敷の提案をした。
 こちらの建物の方が大きいし、シャワーやお風呂など見込めそうだし、隠れることも出来そうだ。
 凛と雲沢は屋敷内に侵入し、――雲沢が消えていた明かりの電源を入れて明るい光が彼女らを包んだ。
 深夜、黎明という外に居たのであるので、暗いのに慣れた夜目には眩しすぎた人工的な光であった。
 
 「早速行こう、霧谷さん!チョー早く行きましょう!」
 「え?どこにですか?」
 
 もう少し用心だけはして欲しいなと年上の妹が出来た気分だ。
 
 「お風呂だよ!お・ふ・ろ」
 
 入浴シーン、もといサービスシーン。
 もうずっと生きるか死ぬかのシリアスシーンの続くバトルロワイアルなんかどうでもいいではないか。
 香山三郎の死以降、散々バトルに殺し合いに騙し合いに鬼ごっこに自滅に付き合ったではないか。
 たまには息抜きというのを皆さん感じたいではないか。
 これがもし、尾ノ上とチャネラー桜庭が一緒の入浴シーンだったとしよう。
 はっきり言って高遠と佐久羅と一緒に入浴したはじめちゃん以上にいらないシーンだと断言するだろう。
 赤間社長の入浴シーンの『タラコオヤジの入浴シーンなんて描きたくねー』という作画の女なのにホモだと間違われていたさとう先生の気持ちがよくわかるだろう。
 女のさとう先生ですら描きたくないという本音を漏らすのだ。
 わたしも尾ノ上@学園七不思議とチャネラー桜庭@魔術列車と百田@魔犬の森と<ワトソン>@電脳山荘と滝下@タロット山荘と仁藤@首吊り学園の入浴シーンをSSで描くことになったら『彼らは入浴した』の7文字でもう話を区切るだろう(上に挙げた人物に他意はありません。私が嫌いとか関係ありません。全員デブなのは偶然です。3枚目でも好きなキャラは好きです)。
 いっそ全員檜山爆弾で肉塊になったとそんな入浴シーン事態を消してしまうかもしれない。
 でも、だ。
 美少女だとしたら……?
 はじめちゃんも健全な高校生。
 美雪ちゃんと玲香ちゃんと一緒にお風呂に入っている妄想のシーンの様に。
 むしろ事実が無くたってこじ付けでもシーンをぶっこみたくもなるだろう。
 だが、自然にナチュラルで(意味が重複しているのはわざと)お風呂シーンを書ける無理のないシーン。
 見たいか?
 見たくないか?
 問おう、見たいか、見たくないか。
 むしろ問ってくれ、描きたいか、描きたくないか。
 流石に蛍ちゃん@錬金術と桜樹先輩@学園七不思議と絵波@獄門塾と宗像先輩@魔人遺跡と1108の姉ちゃん@ゲームの館の全員を1話丸々入浴シーンとまで贅沢は言わない(上に挙げた人物に他意はありません。私が好きとか関係ありません。ただ胸が大きいという印象を抱いた人物を挙げただけです。貧乳だって好きです)。
 霧谷凛と雲沢夏樹という人選ではあるが描きたいか、描きたくないか。
 そう問われてしまったのなら仕方ないよね。
 これは金田一少年の事件簿バトルロワイアルという話と過程を作っていく為にも必要な道なのだ。
 海堂、多間木、古谷の同じ穴のムジナ3人組みの誕生秘話とか、ムジナ3人VS警官Bという場面とか、赤沼三郎に化けた参加者Xの正体には尺を割かなかったとか、入浴シーンよりも物語の重要性が高い場面ははしょられている現状ではあるが、それより優先して投下してしまっていいのか、葛藤はある。
 だが、こんなうじうじと言い訳を続けていくのも見苦しい。
 お前もう描きたいんだろう?と突っ込んでいる者も出始めているかもしれないが待ってもらいたい。
 これはバトルロワイアルだ。
 それに参加させられたメンバーがどうしてこうして殺された/生還した。
 こういうのを詳しく描写をしていくことが書き手さんのお仕事だ。
 報告する義務があるのだ。
 誰が誰かと何をしたのか、……と。
 むしろもう堂々と投下してしまおう。
 高らかに宣言しよう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ――描いてもいいよね?
 大丈夫、すぐに終わるさ――。
 ここから20行程度の短編ながら癒しのキャッハウフフな物語を紡いでいこうではないか。
 寄り道ではあるが露骨なサービスシーンを次の区切り目からバトルロワイアルを忘れて述べていこうではないか。
 壊れずに。
 黎明の月が折れそうな心を照らしている現状ではあるが、やけに長い夢の中の様で眉をひそめてしまいそうなアメイジングストーリーを始めていこうではないか!
 もういいだろう、予約リストに凛と雲沢の他に数人居た気がするがもう空気になっているんだし触るのも野暮だ。
 たまには私だって人の死なない金田一少年の事件簿を楽しみたい(誘拐とか泥棒ネタを見たいわけではない)。
 遊戯王タッグフォースみたいにモブとフラグをたててラブラブするゲームがある様に、金田一少年の事件簿のモブやゲストキャラとラブラブするゲームがあるなら悲しみの復讐鬼と同じく選択肢総当たりをしていきたい。
 今回予約されている凛とも雲沢とも井沢とも白神とも鬼城ともイチャイチャできるなら買いたい。
 他にもジェントル山神でもマーメイド夕海でもノーブル由良間でもピエロ左近寺でもチャネラー桜庭でもイチャイチャできるならみんなだって買いたいだろう?
 私もハードVITAかPCで登場するのを何年も待っている。
 
 
 つまるところ、必要悪ということで目を瞑ってお楽しみください。
 女子高校生のサービスシーンを――。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ◆
 
 
 
 
 場面は戻ってラベンダー荘(さっきまでの熱い語り部はなんだったのか私も自分を問い詰めたいところですが、やっぱりそんな露骨なサービスシーンはばっさり飛ばされたということなので書き手さんが不必要と切り捨てたと解釈してくれたら幸いです)。
 深夜にまで時間は遡る。
 序盤の序盤から出会ったままずっと空気化していたパーティーである。
 イケメンの方の海人さんSIDEだ。
 ヒッキーの海人さんの登場の方が後であったにも関わらず私は1人で3話も登場させたのに、イケメンの海人さんは登場しただけで以降全く触れなかったし、存在すら忘れていた。
 主人公金田一一ポジションの探偵役として投下したのだが、正直バトルロワイアルにおいて探偵という役目が不必要だということが如何にわかったであろう。
 井沢に関しても同じポジションである千家くんの話題が度々挙がるし、古谷や仁藤や利緒が登場しているのならばむしろ千家くん絡みがあるのにあえての井沢だ。
 鬼城も鬼城で同じサークル仲間のもえぎも矢森もくたばっている以上本格的に花泉でも登場させなければとも思うがもう数少ない参加者枠として参戦する人選としてどうかとも思う。
 思いつきで変な人選を名簿に入れたりやズガンの出来る時間は終わってしまったのである。
 名簿の枠がほぼ無いというこの段階からある意味金田一少年の事件簿バトルロワイアルが開始されると断言しよう。
 接点のない、犯人枠と容疑者枠と被害者枠を合わせたところで本当に事件1つも起きないことがまさに立案されそうである。
 
 最初に井沢から自己紹介を始めた。
 そして時計回りで鬼城が紹介。
 最後が白神の紹介であった。
 
 「ミステリールポライター白神海人です」
 
 2人にはそう名乗り名刺を渡す。
 
 「ミステリールポライター?何それ?」
 
 全然聞き慣れない職業に鬼城が質問を投げかけた。
 すると相槌を打ちながらそれに淡々と答えていく。
 
 「ええ……、わかりやすく言えば怪奇現象や未確認生物――それに謎の殺人事件を追いかけてルポにまとめているんです」
 「さ、殺人事件!?」
 
 井沢がちょっと甲高い声で反応した。
 
 「私は普段はしがないミステリールポライターですが何度か奇妙な殺人事件に出くわして警察とはまったく違う真相を解き明かしたこともあります」
 
 2人はぎくっとした表情を見せる。
 明らかに2人とも黒でも白とも言えない顔である。
 
 
 (この状況だし、突っ込むのは野暮か……。それにこのバトルロワイアルを脱出しなくてはならんしな)
 
 白神はこのバトルロワイアルの趣旨に覚えがあった。
 ネットのUNDERGROUNDに囁かれる噂話があった。
 
 「俺たちには争う理由もありません。白神さん、鬼城さん協力しましょう」
 「そ、そうね!」
 「ああ」
 
 井沢の理想通り2人は争う側の人間ではないらしくほっとした。
 
 「だが井沢くん、無闇に島を歩くのは危険だよ。それに2人には説明しておいた方がいいかもしれない」
 
 白神は冗談を言っている様な顔ではなく、真面目な顔と声で冗談の様なことを口にした。
 
 「君たちはパロロワ、通称パロディロワイアルとはご存じかな?」
 
 白神は金田一のゲストにありがちな島の昔話や曰く付きの話をする説明役に徹していた。
 
 
 ◆
 
 
 これは2000年代初期にバトルロワイアルという作品が盛り上がったのはご存じだね?
 殺し合う、デスゲームというジャンルを開拓した作品だったね。
 それをマネするかの様にネット上ではパロロワというお祭りの様なものが始まった。
 パロディロワイアル、好きなマンガやアニメキャラ同士で戦ったらどっちが勝つか、どんな協力プレイを見せるかなどなど、流行になったものだったらしいよ。
 でもブームがあれば下火にもなる。
 パロロワも同じく勢いは落ちてきたんだ。
 だがこんな噂が真なのかはわからないが流れ始めた。
 
 『パロロワってガチらしいよ』
 
 ガチ、つまり本物っていうことだ。
 パロロワを書き上げているのはいわゆる一般人が創作しているものだと思われていた。
 だがその中に紛れ込んで本当に殺し合いをさせている連中がおり、その過程として監視カメラや盗聴マイクで音声を聞き取ったり、本物の人の心理を言い当てる人を何人も揃えてその人間がどういう思考をしているかと読み取り文章に起こし、ネットに流す。
 まるで本物の体験をしている様な気分にさせ、読者の気持ちを昂ぶらせているらしい。
 ただあまりにも生々しいと本当に人殺しの経験があるのではと勘付かれない為にわざと変な文章を付け足してフィクション風を装っているらしいよ。
 たとえばそうだな――、趣味に走っていいかどうか読者に同意を求めていたり、選択肢を見せていかにもノンフィクションなんて有り得ないって思わせる、全く……偽装するなど汚いやり方だよ!
 もしかしたら俺たちはそういう組織に狙われてしまったのかもしれない。
 現にパロロワってのに参加させられるのは全員共通していることが多いらしい。
 九条が言っていた金田一くんや他明智健吾と高遠遙一って人となにかしら共通点があるって人たちらしいよね。
 あれ、鬼城さんは金田一くんを知らないのか……。
 井沢くんはよく知っているみたいだしその辺は個人差があるんだろうね。
 もしかしたら道ですれ違っただけで選ばれたって可能性もあるし否定はできないよねこれは。
 とりあえずそんなところかな、パロロワの説明は。
 あとは首輪とかフィクションではありがちだけど人間っていうのはそんな物に頼らなくても勝手に殺し合うもんだしあえて付けなかったんだろうね。
 首輪や爆弾なんてコストは無駄だよ、現にパロロワでそれが原因で死ぬなんてのは稀だ。
 わざとそういうのを装着させてまたフィクション風を装っているんだろうね。
 さて、パロロワの簡単な説明は終わろう。
 
 次はどうしたら死なないか、だ。
 変に島を歩くだけでは簡単に死ぬ。
 強くても、最強候補でも中盤でだいたい死ぬ。
 だからまずはそういう血の気の多い奴らで同士討ちさせるんだ。
 問題の俺たちだが、こういう場合空気化すれば殺されにくい。
 現にパロロワでは空気化した人物は生き残り易い。
 結構昔にギャルゲロワというパロロワで空気王沙○○○という伝説の人物がいるからね、まずはそれにならってみよう。
 
 
 ◆
 
 
 こうして黎明終わりぐらいまで何をするでもなく空気化していった3人。
 
 そして、そろそろ彼らの周辺で初めて異変が起きた。
 
 「あの屋敷、明かりが付いたな」
 
 雲沢の付けた屋敷の明かりに白神が一番に反応を示す。
 その一言で井沢と鬼城にも緊張が走る。
 
 「ようやく空気化していられる時間も終わりが来たらしい」
 
 せめてあと数時間、投下数でいうと10くらいは登場したくなかったが遂に重い足を上げねばならないだろう。
 
 「とりあえず行こう井沢くんに鬼城さんも。3人も居れば対処もできるだろう」
 
 あえてラベンダー荘の明かりは付けっぱなしにして彼らは外に飛び出し屋敷へ向かう。
 
 「こうやって徹夜するって珍しいよなぁー」
 
 井沢が身体をぐんと伸ばす。
 
 「なんか身体がなまっちゃいそう」
 
 なんにもしていないことで逆に疲労を感じてしまう鬼城であるが、外の新鮮な空気で和らいだ。
 
 「よし、いくぞッ!」
 
 白神の合図で歩みを進める。
 
 
 
 
 ◆
 
 
 「チョーお風呂入りたいよぅ」
 「そんな時間ないでしょう……」
 
 屋敷のお風呂であるが、そんな描写怪盗紳士の殺人では描写されていないので想像で描いていくしかない。
 だが、あんな大きなお屋敷だ。
 執事もいて、斧寺ちゃんもキラキラするほどお金もある(だろう)。
 風呂もどでかいスケールのがあると想像しよう。
 蒲生画家と海津医師がイチャイチャしていたかもしれないお風呂など想像もしたくないが、女子高生2人のお風呂なら喜んで投下しよう。
 
 話が横道に逸れたがそんな大きなお風呂があるのにお湯が張っていないのだ。
 プール並みにあるこの広さを埋めるには果たして何リットルの水が必要になるのか想像すら難しい。
 入浴剤では200リットルぐらいの表記が多く、大体一般家庭のお風呂で250リットル入るか入らないかというのが一般的らしい。
 その5倍でも収まるのか、凛にも雲沢にもそんな計算できないがそんな量の水を汲む時間があるなら寝たいだろう。
 大きい風呂には入りたいが入れない、非情に無念である。
 
 なので凛はシャワーのみにしようと提案し、タオルなども現地で支給し入浴場に走り込む感覚でやって来た。
 着替えはともかくデイパックが外に置いておくのは怖かった為(特に銃の持っている凛の物)、シャワーが届かなそうで濡れ無さそうな場所へ置いておく。
 そしてようやく2人は裸にタオルを巻いていた。
 
 「き、霧谷さんってもしかして着痩せする?」
 「そんなものかな?よく言われるんだけど……」
 
 ここでの凛の胸を見て着痩せするなんて指摘する野郎がいたとしたら嫉妬に狂いそうになるので姉の茉莉香が指摘するということにしておこう。
 茉莉香は女にモテそうだし、凛は男を知っていそうな顔ではないと私は信じている。
 
 「むぅ……、誰そんな指摘するの?イケメン?」
 「そんな相手いないよ。あたしにね、同じ年の幼馴染で姉がいるの。その姉からだよ」
 「……なんかいますごく複雑な家庭環境が見えたんだけど」
 「そこまで複雑ではないかなー、あはは……」
 
 茉莉香に言わせればドン引きらしいが。
 そういえば雲沢に茉莉香のこと何も伝えてないなって今更気付いた。
 
 「ふぅーん……」
 「なんでさっきから雲沢さんの目付きがちょっと嫉妬入ってるの?元からならごめんって謝るけど故意なのこれ?」
 
 裸になってからの雲沢はなんか胸にしか目が言ってなかったりする。
 
 (この胸で何人イケメン捕まえられたとかライバル意識持ってんだろうなあ)
 
 どうしてこうもこの年頃の女は男、男、男なのか。
 茉莉香に言わせれば男なんて『イケメンとインケンって似てるよね!』らしい、馬鹿だと思う。
 
 「あたしさぁ、チョー死にかけたんだよねえ……」
 「はあ……」
 
 暗いトーンの声であった。
 能天気な彼女の珍しい反応だ。
 
 「ジェイソンに襲われる前から……死にそうになってたの……」
 「え?」
 
 どういう意味だろうか?
 自分と出会う前に既に誰かに襲われていたとかなのか?
 しかし、そんな気配も全然なかったはずだ。
 
 「暗くて冷たい水中でね……、身体から体温がものすごい勢いで抜けて行って水が身体を貫通しそうなくらい強くて、……助けを呼んでも誰も助けてくれなかった……」
 「雲沢さん……」
 「そりゃああたしだって悪いことをまったくしなかったわけではないけどさ……。先輩に言われるがままやらされて……。別にあたしだけが悪いことしたわけじゃないのにあんまりじゃない、そんなの?先輩とか他の先輩に指示されてた人は生きててあたしだけ死ぬのってそんなのチョー理不尽だよ……。殺されるにしても大雪の降り積もった水に沈められて……残酷過ぎるよ、あんなの人間のクズだよ!」
 
 殺されても文句は言えないのは自覚しているけれど、自分だけ仕返しされて快く思ってないんだなってなんとなく凛にも伝わっていた。
 雲沢の罪は断片過ぎて全くわからないが……。
 
 「だからあたし、いまある生を噛み締めて生きるにはイケメンが必要だと思うんですよ!!チョーかっこいいイケメン!!」
 「……」
 
 一気に同情する気が失せた凛。
 もう「インケーン」とでも言ってやろうかと……。
 「イケメンとインケンって似てるよね!」って笑顔で言ってやろうかと思った。
 
 「で、あたしはいままで外見的なイケメンしか見ていなかったし、見えていなかったんです」
 「は、はい」
 「でもこうして死が間近に迫っている場では確かに外見的なイケメンとの出会いは気にしたいところだけどもしかしたら殺されるかもしれない。さっきのジェイソンだって仮面を外したらイケメンかもしれないし」
 
 遠野英治は確かにイケメンではあるが黎明の空ではぼんやりとしか輪郭が見えず、素顔は全く見せなかった。
 中身は中身で、シスコンで金田一史でもベスト10以内にランクインする危険的思考のイケメンである。
 同時に記憶をさっぱり忘れて美人と結婚した勝ち組なイケメンでもあるが、主人公が別人と発言したしあえてそこには深く突っ込まない。
 残念なイケメンであるとだけ締めておこう。
 
 「でもインケンなイケメンとかチョー最低じゃないですか」
 「え、インケン?」
 
 突然聞き慣れた単語にピクリと反応する凛であるが、雲沢は特に突っ込まなかった。
 
 「だからあたし、外見的なイケメンより内面的なイケメンを好きになろうって思ったんです。そりゃあ外見的なイケメン歓迎ですしー、大好きですけどー」
 
 殺そうとするイケメンとかマジ勘弁と雲沢は付けたしながらまた続けていく。
 
 「それで自分の命を張ってでも助けてくれる心がイケメンの人が好きだなーって結論になりました」
 「……出会えたらいいですねそんな人」
 
 スズメバチに襲われた際に助けてくれた心平を思い出す。
 ああいうのが雲沢の求めるイケメンなのだろう。
 そういう出会いが彼女にも訪れてと願っているのならあたしも祈ろうではないか、凛もなんとなくわかり始めた雲沢像の姿。
 
 「そして、遂に出会えたんです!」
 「???」
 
 (なんという急展開……)、凛は吹き出しそうになった。
 
 「ジェイソンから襲われた時あたしをかばってバットを受けたり、あたしを見捨てずに引っ張り上げてくれたお方が」
 「ッ!!??」
 
 急に猫被っているような今どきなギャルの子が豹変して、色気のある異性を誘う声で凛の耳元で囁いたのだ。
 異性を誘うが如く、――同性を誘う。
 
 「あたしチョー尽くしますよ、凛ちゃん」
 「ひうっ!」
 
 舐めるみたいに甘い声と吐息が凛に襲う。
 霧谷さんが凛ちゃんへと、雲沢の中での信愛度が上がっている。
 
 「あう……」
 
 いやらしい手付きで身体を弄ってくる雲沢。
 腋から胸、顔から髪の毛。
 浸食させていく。
 
 シャワーのお湯が掛けられる。
 
 「冷水よりやっぱりこっちだなー」
 
 生きている心地を雲沢は短い人生の中で1番噛み締めていた。
 
 「この生きている心地、凛ちゃんにも体験してもらいたいなぁ」
 「う、うん。気持ちいいね」
 
 疲れた身体を癒すシャワーなのか、雲沢の手付きなのか。
 どっちか、もしくはどっちもなのか。
 気持ちよさは全身を支配していく。
 この瞬間だけは2人共バトルロワイルということを忘れている、一種の現実逃避であった。
 
 「ここから2人して生きて脱出できたら、あたし凛ちゃんといっぱいまた遊んでいきたいなあ。いましているみたいなお遊びを1回で終わらすのチョーもったいないよね」
 「あう……」
 
 向けられる信愛を無碍に断れなかった。
 それにどういうわけか雲沢の気持ちがぶつかれる度に凛の気持ちもそれに応えていきたいという欲求が産まれてくる。
 茉莉香とも違う親友という間の信頼と愛の関係。
 
 (これが吊り橋効果ってやつなのかな……)
 
 もっと自分が大きな姿であった時、もしかしたら心平を好きになっていたIFな吊り橋効果で恋人になるなり、片思いをしていたかもしれない。
 でも幼い時にはそんなドラマチックなことは起きなかったし、何故か陸にイタズラをしちゃおうっていう茉莉香に流された。
 狐火流しと同じく水流には逆らえなかった。
 この水流がまさしく茉莉香の存在だ。
 
 でも、その吊り橋効果の相手が女の子でもいいんじゃないかって――。
 
 さっきから天然そうな妹みたいなギャルにしか見えなかった相手が、何故か守ってあげなくてはならない最愛な親友に見えてしまうのか。
 いや、親友止まりでいいの?
 それ以上求めなくていいの?
 
 悪魔なのか天使なのかそんなわけのわからない囁きが脳内に問いかけられる。
 
 『またみんなに会いたいね凛!』
 『うん……!』
 『……特に陸にはちゃんと言っておかないと』
 『そうだね茉莉香……』
 
 これが1番の親友との過ごしてきた日常だ。
 そこには信愛も信頼もある相手だ。
 茉莉香も好きだ、大好きだ。
 でもなんでその好きとはまたベクトルの違う、抑えられない好きが雲沢に感じるのか。
 
 「いいなー、チョー柔らかくて大きくて」
 
 もっと触ってもらいたい欲求。
 そんな欲望を求めていいものなのか。
 真っ白でわからない。
 
 凛は手を伸ばす。
 光を求めて。
 その光の先に何があるのか、でも光の先に悪いものなんてないと本能的にわかっているから……。
 
 「キャッ!?もう凛ちゃんも積極的になってきちゃって!」
 
 手の先は雲沢の小ぶりの胸であった。
 自分のが特別大きいのか、雲沢のが特別小さいのかはわからない。
 でも、もっと握ってみたいと指を動かす。
 意思があるのか指が停止するという命令を排除して、胸に指を喰いこませよう、喰いこませようとする。
 
 「ぁぁん、つよいよりんちゃん」
 
 発音が悪く聞き取れない。
 やられたのならやり返そうとする人間的本能が凛をここまで突き動かしているのであろう。
 
 「ふふん、雲沢さんにリードなんかさせませんよ」
 「むう?あたしのがチョー年上なのに!」
 「チョー年上なんて言うと10も上みたい聞こえますよ?」
 「チョーむっかー!」
 
 案外年上であることには自覚があるらしい。
 あんなに年下を頼る年上ってのも恰好悪いが……。
 
 「そんなこと言う凛ちゃんの口閉ざしてみせる」
 「は?え?」
 
 有言実行とばかりに凛の口を雲沢の口で塞ぐ。
 それを意味することは……。
 
 (き、――キス!?)
 
 常にイケメン探している感を隠そうともしない雲沢は『好きな相手』に手が出すのも早かった。
 
 
 
 
 
 ところで雲沢が死亡するまでの人生、これまでの男性経験があったかどうかとか語られてもいませんし知りません。
 なので、これから数行程度、彼女のそういった内面を推理していきたいと思います。
 彼女が人生を狂わせた雪原さやかの如く誹謗中傷的な文章が続きますが、そんな意図はありません。
 むしろ愛です。
 直江兼続に誓って『愛』です。
 奴利さんやチャネラー桜庭だけじゃなくて、金田一キャラ全員に同じくらい愛を注ぎたいじゃないですか。
 先の尾ノ上や矢森みたいにどうでもいいことに全力で掘り下げたいと思いたいじゃないですか。
 原作ではもう死亡していて出番がないので掘り下げられることがもう永遠にないので、その無念を晴らそうではないか。
 『マガジンでは一回死んだヤツは生き返らないんだぞ!?』の名言の通り似た顔のキャラは今後も登場するかもしれないがそれはもう雲沢に似た違うキャラでしかない(この名言の次の事件で犯人が実は生きていましたをやってのけたので伏線を張ったのだと思う)。
 なので、ちょっと踏み込んで説明をしていきたいと思う。
 結論から言いますと、雪原さやかもとい椿原先輩が呼んでいた仇名のぶーちゃんに嫉妬していた辺り椿原先輩同様モテなかった可能性が高い気がします。
 椿原先輩の『でもモニターに参加するだけで会員権がもらえるなんてお金持ち会社は違うなぁ!』の発言がなんか達観していて、(あ……、男いなさそう)と思った(個人的な感想です)。
 モテモテだったならぶーちゃんなど眼中に無かったと思います。
 ぶーちゃんをずっといじめていたみたいでしたし、いじめなんかする人に立候補する男なんか碌な男がいないと思います。
 いじめをしているのも周知の事実みたいに語られていたのでそんな性格悪いとひけらかしている様な人に男性が近寄るのでしょうか。
 ただ、今回は女子でのいじめみたいでしたし、もしかしたら雲沢と椿原の高校は女子校だった可能性が十分に高い(ぶーちゃんとCEOも別の学校だったっぽいし、雪原さやかが女子校に通っていたのでCEOが一緒の学校に行きたくても無理だった可能性がある。そもそもCEOは中卒の可能性もある)。
 しかも雲沢の高校の卒業生である椿原先輩は現在共東女子大学に通っているらしいし、やはり女子校と考えていい。
 現にいじめていたシルエットのギャルズは全員女のものである。
 そうやって考えるとしっくり来ないだろうか?
 女子校に通っていて出会いがないので、男に飢えている。
 だから数少ない男との出会いで媚びを売る。
 そう考えるとしっくり来ません?
 事件中も積極的にアピールしているのに男性陣はぴくりとも反応しなかったので(鯖木に至っては彼女だけのせいではありませんが雲沢の自己紹介の後に『死ねばいいのに……』とかほざいていたので相当地雷オーラが高いのが周囲に伝わっていたものと思われます)、よほどみんな眼中に無かったのでしょう。
 常に好きな人を探している乙女→なのに相手にされない、これが何回も無限ループしたのでしょう。
 そして女子校に通っていたという事実を踏まえると先ほどの凛とのスキンシップが妙に手馴れているのはそれほど違和感が無くならないだろうか?
 現実の女の話をしているわけではないのでリアル女子校の話は知らん。
 だが、金田一世界において『キャンプ場の怪事件』という事件が中学生編であったのを覚えているだろうか?
 詳細とかここまでの話が理解できている人は当然読んでいると思うので掘り下げるのは辞める。
 その事件の1場面でヒロイン七瀬美雪が秋峰あかねに胸を揉まれている露骨なサービスシーンのスキンシップがあったであろう。
 こういうのが金田一世界において女の子同士でするのは当たり前であると考えていい。
 なんせメインヒロインがスキンシップをされているのだ、他の女子学生もやっているだろうしやられているんだろう。
 つまり雲沢も椿原先輩や他のギャル相手の胸を揉んだり、揉まれたりの経験があってもいい(そもそも雲沢という苗字であるなら苗字呼びでいい筈なのに椿原先輩は雲沢をわざわざ夏樹と下の名前で呼ぶ仲なのだ。相当仲良しだろう。一緒にカラオケや喫茶店、お風呂とか行く仲であったのだろう)。
 もしかしたらぶーちゃんにいじめと評して彼女の胸を揉んでいる姿をスマホで撮影されていた証拠まであるかもしれない。
 だから女子同士何をしようが雲沢は鈍っている可能性もある。
 天然というキャラ付けもされているし、天然と素が合わさって女同士イチャイチャするのも抵抗がない人間に育っていたのだ。
 結果、いまの状況の様に相手が心を許した途端爆発して、いままで溜め込んでいたモテなかった成分を一気に放出してしまったのではないか。
 イケメンが好きと語っているが、男がいいなんて一言も言っていない。
 イケメン=男なんて変な固定概念を持っている人物はいますぐ認識を改めないと、この先これの心理トリックに引っかかって殺されたり、はじめちゃんに犯人だと暴かれてしまうことがこれからの人生無いとは限らない。
 実際、怪盗紳士という名前なら正体は男だろうという認識のせいで偽物がばれた事件も過去にある。
 性格さえイケメンならもうそれは男も女も不細工もヒッキーでも関係なくイケメンだろう。
 イケメンだ。
 インケンではなくイケメンなのだ。
 なんでこんな場面で細かすぎて伝わらない雪鬼伝説殺人事件で19コマしか出番の無かった雲沢のキャラ説明を始めてしまったのか、私にもわかりません。
 私も特段好きなわけでも嫌いなわけでもないキャラになんでこんなに長い文章の説明をしてしまったのか、遺体が発見されても誰も拾おうともしないまま雪崩に巻き込まれて遺体が行方不明になっているかもしれないというあまりにも彼女の扱いが酷かったので同情してしまったのかもしれない。
 そんなことを述べてしまったら、なんとなく雲沢の好感度がチョー上がってしまいそうな気がするのでここで打ち切っておく。
 
 
 
 
 
 話を戻して凛との想いが通じたと勘違いをした雲沢は感情を爆発させて彼女がまだ誰にも見せる相手の居なかった最も好きという愛情表現を凛に曝け出したのだ。
 死の間際に外見的なイケメンではなく、内面的なイケメンが好きと生き方を変えて。
 内面的なイケメンを凛=運命の相手と判断した。
 
 「あっ、あ……」
 
 いけないことだと凛は判断したのかただでさえハイライトのない瞳に涙が浮かぶ。
 でも、流されたいという心境もどこかで潜在的にあった。
 そんな相手いままで居たことが無かった、拒んでも誰も悲しまない(家族以外)。
 
 「一緒に流されよう、凛ちゃん……」
 
 艶のある囁きがトリガーで覚悟を決めた。
 雲沢を護っていこうと、決めた!
 
 
 
 ――直後であった。
 
 
 
 
 
 
 「え?何してんの?」
 
 素っ裸の鬼城がドン引きした目でそこに立っていた。
 
 (あれ?むしろあたし邪魔しちゃった?)
 
 雲沢の驚いた眼と、凛の助かったのか残念だったのかよくわからない4つの瞳が鬼城に向けられていた……。
 
 
 ◆
 
 
 「部屋の明かりがあるが不在だな……」
 
 屋敷に侵入した3人は当然部屋とか居間とかそういった部屋を探索するがそこには電気だけが付けられ他荒らされたり、物色した痕跡もない。
 15分くらい前に屋敷に入ってもう出たとは考えられない。
 隠れているのかと白神が悩んでいると……。
 
 「こっち、明かりありますよ!」
 
 井沢の発言で全員お風呂場へ向かう。
 
 そこには脱ぎ捨てられた2人ぶんの衣服と向こう側から漏れる女2人の声。
 シャワーなのかお風呂かはわからないが汗を流していると思って当然だ。
 
 「こ、この中に女子2人が……」
 
 井沢がふと漏らす。
 そこに浮かぶのは同い年くらいの女子が2人裸でシャワーを浴びている姿。
 男なら仕方ない、そういう妄想を井沢は思春期だし想像してちょっと舞い上がったんだろうね。
 鬼城から引いた目で見られていることも知らずにね。
 
 「なんか井沢くんの目、もえぎちゃんにニヤニヤしてる矢森みたいな表情と同じだ……」
 「だ、誰ですかそれ!?」
 
 しかも相手の顔がわからないのにすごく屈辱的なことを言われた気がする。
 
 「それって鬼城さんの彼氏?」
 「あのヤモリシャツないわー」
 
 白神の問いに有り得ないって表情であった。
 ツンデレとかクーデレとかでなく素で有り得ない感じである。
 多分鬼城や他の女子たちで矢森を弄った気もするが知らん。
 もう矢森はどうでもいい。
 
 「って男2人ここいちゃダメでしょう!?」
 「すごく常識的なこと言うんだな」
 「当然です!」
 
 白神と井沢を押して脱衣所から離れさせる。
 だが、これから話をしていきたいところであるので鬼城に任せるしかない。
 汗も流したいと思っていたのでちょうどいい、脱衣所で服を脱ぐことにした。
 
 「これから女が3人お風呂に入るわけだがどう思う井沢くん?」
 「はい!最高っすね!」
 「……」
 「なんで引いてるんすか!白神さんだってどうせなんか感じてんじゃねーの!?」
 「あと数年で三十路だしなぁ」
 
 そのあとの数年がこれから先何年続くのか、わからない。
 が、羨ましい話だなって思います。
 男連中は女子連中が上がるまでなんやかんや親睦を深めていましたとさ。
 お風呂ではとんでもないことが起きていたとも知らずに……。
 
 
 とんでもない事件が起きていたのをのうのうと見逃していたのだ。
 
 
 
 
 
 ◆
 
 
 「誰かいますかぁ?」
 
 小声ではあるが声を掛けながらお風呂の扉を開ける。
 
 (あ……、水張ってない……)
 
 ちょっと残念であったが、ならシャワーを浴びているんだろうなとシャワーへ足を運ぶ。
 
 「あっ、あ……」
 「一緒に流されよう、凛ちゃん……」
 
 すごく百合です……。
 なんか鬼城って女に告白されたことがありそうな顔しているし、そういうのにトラウマを持っている的な設定がある感じで話を進める。
 
 「え?何してんの?」
 
 1メートル先で女の子同士口を付けているばかりか押し倒しそうな茶髪の女の子の行動に素で水を差してしまった。
 しまったと彼女が後悔した時にはどちらもこちらに視線を向けていた。
 
 「あ、……あはは……」
 
 凛からはもう変な笑いしか出なかった。
 人生オワタって脳内で誰か発言した。
 
 「チョーイケメン」
 「え!?」
 
 だがスイッチの入ったギャルは怯むことが無かった。
 いままで掴んだことが無かった快楽がもう目前まで迫っていたのにここで途切れるのは面白くない。
 それにもう雲沢は水で溺れてもう死んでいるみたいなものだしもう1度死にたくはないが、ストッパーが壊れていた。
 恋愛のストッパーだけが……。
 恋する乙女は強し。
 ベクトルが振り切っていた。
 
 雲沢の手が鬼城の身体を鷲掴みしていた。
 
 (なんで毎回毎回女ばっかり寄ってくるんだろう……)
 
 なんかの罰なのかもしれない。
 それからの記憶はほぼない。
 鬼城と凛が雲沢の手に寄って床に着いていたという事実だけあった。
 
 「やっぱりあたし外見的イケメンも好きみたい。だけど凛ちゃんも好き」
 
 どうしてこうなったのか……。
 凛と鬼城にはまるで意味がわからなかった……。
 
 「お名前なんて言うんですか?」
 「き、鬼城って言います」
 「勇ましくてチョーかっこいい苗字ですね!下もお願いします!」
 「……歩夢です」
 「チョーステキなお名前ですね!イケメンにぴったりです!」
 「あたし女なんですけど……」
 「え!?あら、そうなんですね」
 
 性別すら見ていなかったらしい。
 中性的な名前で男だと勘違いされていたが、イケメンならそれでいいやと考えるのを放棄した。
 
 「あん」
 「んん!?」
 
 鬼城も凛と同じく口を付けられた。
 2人とももう逃走する手段すら思い付かないまま……。
 
 
 
 
 
 ――されるがままであった……。
 
 
 
 
 
 
 ◆
 
 
 「あ?ようやく来たみたいですよ白神さん」
 「1時間くらいか?長かったな?」
 
 男同士の話をしていて男の友情が芽生えた2人であった。
 もう読むのも疲れてきたと思うのでその辺は想像で補ってください。
 
 数人の足音が部屋に入り込んだ。
 鬼城とまだ面識のない女性2人がそこに立っていた。
 
 「あたしがいままで同行していた白神さんに井沢くんです」
 「よ、よろしくお願いします」
 
 凛が頭を下げた。
 雲沢もそれに続く。
 
 (うーん……、そんなにイケメンではないかな……)
 
 お風呂で満足したのか雲沢は賢者タイムであった。
 おかしい気がするがシャワー終了後ちょっと冷たく感じられた。
 
 「え、えっとこちらが霧谷凛ちゃんに雲沢夏樹ちゃんです。よろしくお願いします……」
 
 凛とも雲沢との唇の感触が残るのかまともに視界に入れられなかった。
 凛も雲沢も女性メンバーとは違う方向を見ていた。
 態度もどこか先ほどの井沢と白神に対し余所余所しい鬼城。
 
 
 
 
 
 (こいつら、なんかあったな……)
 
 名探偵としてなのか、人間の男としてなのか。
 どうしてこんな態度に全員がなっているのか、なにか良からぬことがあったのかもしれないと白神は真面目に彼女たちを心配して、お風呂で何があったのか推理をしようとしていたのであった……。
 
 何が起こっていたのかも知らずに……。
 
 「次、俺もシャワー浴びていいですかね?」
 
 井沢の空気の読めない発言が彼女たちにとって救いであった……。
 
 
 
 
 
 
 【一日目/早朝/蒲生剛三の屋敷@怪盗紳士の殺人】 
 
 
 
 【井沢研太郎@邪宗館殺人事件&黒魔術殺人事件】 
 [状態]健康 
 [装備] ニューギニアの呪術師がつかう仮面@学園七不思議殺人事件 
 [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品0~1 
 [思考・行動] 
 基本:殺し合いから脱出する。 
 1:仲間を集めて全員で脱出する。 
 2:風呂かシャワーを浴びたい。
 [備考] 
 ※参戦時期は、邪宗館後から黒魔術前までの間。 
 ※高遠と接点を持っているらしく後ろめたさがある。
 ※パロロワの説明を聞きました。 
 
 
 
 
 【白神海人@オペラ座館第3の殺人】 
 [状態]健康 
 [装備]なし 
 [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品1~2 
 [思考・行動] 
 基本:殺し合いから脱出する。 
 1:『災厄の皇帝(エンペラー)』を後悔させる。 
 2:仲間全員で脱出する。
 3:香山の事故は本当に事故だったのか? 
 [備考] 
 ※参戦時期は、オペラ座館第3の殺人生還後。 
 ※香山の死を事件ではないかと疑っています。 
 ※パロロワに巻き込まれたのでないかと疑っています。
 
 
 
 
 【鬼城歩夢@亡霊校舎の殺人】 
 [状態]凛と雲沢とギクシャク
 [装備]錬金術師が事件で使った剣(剣の状態)@錬金術殺人事件 
 [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品0~1 
 [思考・行動] 
 基本:殺し合いから脱出する。 
 1:生存する。 
 2:井沢、白神、凛、雲沢は仲間という認識。 
 3:襲われそうになったら返り討ちにするが極力殺しはしない。 
 [備考] 
 ※参戦時期は、亡霊校舎の殺人前。 
 ※パロロワの説明を聞きました。
 ※凛と雲沢とここでは説明できないことが色々ありました。
 
 
 
 【霧谷凛@狐火流し殺人事件】 
 [状態]鬼城と雲沢とギクシャク、疲労(小)
 [装備]道化人形が安岡に発砲した銃@速水玲香誘拐殺人事件 
 [所持品]基本支給品一式 
 [思考・行動] 
 基本:殺し合いから脱出する。 
 0:仲間と行動。 
 1:茉莉香に合流する。 
 2:陸に会ったら素直に謝る。  
 [備考] 
 ※参戦時期は、茉莉香死亡より前。 
 ※姉妹だからなのか親友だからなのかはわかりませんが何故か茉莉香のテレパシー的な何かを受信・発信できます(向こうからくるかは知りません)。 
 ※凛の胸の感想:(チョーデカッ!チョー柔らかい!!)by雲沢夏樹 
 ※遠野に襲われた際の疲労はシャワーを浴びて少し癒されました。
 ※鬼城と雲沢とここでは説明できないことが色々ありました。
 
 
 
 【雲沢夏樹@雪鬼伝説殺人事件】 
 [状態]鬼城と凛とギクシャク、疲労(小)、賢者タイム
 [装備]なし 
 [所持品]基本支給品一式、向日葵柄のマグカップ@雪霊伝説殺人事件 
 [思考・行動] 
 基本:チョー死にたくない。 
 0:仲間と行動(特に凛と鬼城に仲間意識あり?)。 
 1:霧谷さんって(性格が)イケメン?歩夢さんは(外見が)イケメン?
 [備考] 
 ※参戦時期は、死亡直前。 
 ※チョー死にたくないです。 
 ※チョーイケメンが好きです。
 ※外見的イケメンより性格がイケメンの方がタイプ。
 ※鬼城と凛とここでは説明できないことが色々ありました。
 ※そこまで井沢と白神はタイプではない(外見的な意味で)、もしかしたら内面的イケメンを発揮すれば好感を抱く可能性あり。
 
 
 
 
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