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~約束~ - (2010/03/21 (日) 15:58:05) の編集履歴(バックアップ)


part23 >>495



「では、行ってきますね、戦人さん!」
「うー、行ってきます」
ベアトリーチェと真里亞、二人の背中が黄金郷の薔薇園の中を遠ざかっていくのを、戦人は見送った。
女同士で小旅行へ行くのだという。
結婚して半年あまり。
おずおずと真里亞との旅行の話を切り出したベアトリーチェに、
あまり束縛ばかりしているのも良くないかな、と思った戦人は笑顔で頷いてやったのだ。
親友である真里亞と笑い合って出掛けてゆく妻を見て、戦人は嬉しいような少し寂しいような笑顔を浮かべて、
「右代宮戦人ぁぁああ、覚悟ぉ!」
「あ痛ぁっ!」
背後から後頭部を殴られて気絶した。

 ―――

戦人が目を覚ますと、目の前にベアトリーチェの顔があった。
髪を下ろして、ブレザーを着込んでいる。姉の方のベアトリーチェだ。
戦人を見下ろして、にやにやと笑っていた。
「ようやくお目覚めかぁ、右代宮戦人」
頭がずきずきと痛む。
そばにはベアトリーチェがいつも持っている杖が転がっていた。
さっき不意打ちで殴り倒したのはどうやらこいつらしい、と考えて、戦人は顔をしかめた。
起き上がろうとすると、ベアトリーチェがどっかりと戦人の腹の上にまたがった。
その上、後ろ手に縛られていて起き上がれない。
きょろり、と見回すと、どうやら戦人がゲームマスターとして仕事をしている書斎の床に転がされているらしい、と解った。
「何の用だ」
低い声で問うと、ベアトリーチェはますます笑った。
「薄々は解っておるのではないか……?」
ベアトリーチェの手が伸びて、戦人のマントの留め具をはずした。
ジャケットの前をはずされて、ネクタイもほどかれる。
「おい、やめろ……!」
戦人は軽く身を捩って抵抗したが、ベアトリーチェは太ももで戦人の身体をしっかりとはさんで押さえ込んだ。
後ろ手に縛られて仰向けに床に転がされた戦人には、満足な抵抗もできなかった。
シャツのボタンがはずされる。
冷たい手でするり、と肌を撫でられて、戦人はぞくりとした感覚に身をすくめた。
相手は女だ。力いっぱい抵抗すれば逃げられるかもしれない。
だが、逃げてもすぐにまた杖で殴られて昏倒させられるだろう。
魔法で逃げても追ってくるかもしれない。なにか、もっと別の方法で逃げなければ。
戦人は頭の中でチェス盤をひっくり返し、慎重に言葉を選んだ。
「……お前は妹思いの姉だと思ってたぜ」
ぴくり、とベアトリーチェの肩が跳ねた。成功した、と戦人は唇の端を小さく上げた。
「こんなこと、ベアトが知ったら泣くぜ?」
この姉は、普段から妹を猫かわいがりしているのだ。
その留守に夫を掠め取るような真似をして、罪悪感が全く無いわけがない。
そこを攻めれば上手く逃げられるかもしれない、と思った戦人の腹に、ぽたりと雫が落ちた。

見下ろすベアトリーチェの青い目に、涙がにじんでいた。
「……なんで、お前が泣くんだよ」
こんなことをされても、戦人は女の涙に弱い。たじろぐのを悟られまい、と思っても、声が上ずった。
ベアトリーチェが、ぐすん、と啜り泣いた。
「なんでもない……」
「なんでもなくはないだろ。どうしたんだよ、お前」
戦人は上半身を軽くひねって、腹筋を使って半身を起こした。
ベアトリーチェをひざに乗せ、向かい合って座る格好になった。
戦人が顔を覗き込むと、ベアトリーチェは唇を震わせて、涙声を出した。
「……一度だけでよい」
「何……」
「抱いてほしい」
真剣そうな目で見つめられて、戦人は言葉に詰まった。
脱がされかけた段階で、そういうつもりだろうとは思った。
だが、悪戯のつもりでからかっているのだろう、ふざけているだけだろう、と思った。
この涙だって、演技なのかもしれない。
戦人を騙して遊んでいるだけなのでは、と思ったが、ベアトリーチェは更に言い募った。
「妹を裏切るつもりはない。そんなことはできぬ……だが、もう我慢できぬのだ……!」
叫ぶように言って、ベアトリーチェが更に泣く。
演技には見えなかった。心底辛そうに泣いて、ベアトリーチェは戦人に縋り付いた。
「初めはそんなつもりは無かったのだ! だが、妹と一緒にいるそなたを見ていて、その……」
いつも妹と楽しそうに過ごしているのを見ていた、とベアトリーチェは言う。
初めは、可愛い妹を取られたような気分だった。
それが気に入らなくて、隙あらばちょっかいを出してやろう、と思って様子をうかがっていた。
物陰からこっそりと、妹の夫を視線で追う毎日。
そうしているうちに、だんだんと戦人のことが気になるようになった。
寝ても覚めても、戦人のことばかり考えてしまう。
相手は妹の夫なのだから、と思っても、一度芽生えた恋心は止められなかった。
ちょっかいを出してやろう、という気持ちが無くなっても、視線は戦人を追ってしまう。
つい、目が戦人を探してしまうのだ。
だが、可愛い妹から男を寝取るなど、ベアトリーチェにはできない。
あきらめるしかない、と我慢を続けた。何ヶ月も。
それももう限界だ。だから、一度だけでいい。想いをとげさせてくれたら、それであきらめがつく。
「頼む……」
ベアトリーチェは秘めていた思いを打ち明けて泣いた。
「…………」
戦人は黙り込む。
相手は妻の姉だ。そうでなくても、自分は結婚している身で、他の女を抱けばベアトへの裏切りになる。
そんなことは、できない。
断ろうとして口を開きかけた戦人の唇を、ベアトリーチェがふさいだ。
「んっ……」
頭を抱き込まれて、無理矢理口付けられる。
ふりほどこうとしても、ベアトリーチェがはなさなかった。
舌を絡められて吸われる。唇が離れると、だらりとだらしなく唾液が垂れた。
「頼む……一度だけ、一度だけでいいのだ……誰にも言わぬし、忘れてくれてよい……」

せっぱつまった涙声で言われて、戦人は目を逸らした。
今、戦人が突き放したら、ベアトリーチェはどれだけ傷つくだろう。
何ヶ月も誰にも相談できず、思いを秘めてきたというのだ。辛かっただろう。
妹が出掛けた今日という日が、最後のチャンスに思えたに違いない。
必死で戦人に思いを伝えたのだ。
それを戦人が無碍にしてしまったら、ベアトリーチェは更に泣くに違いない。
戦人は一度だけ目を閉じた。ふーっと息を吐き出して、縛られた腕を魔法で解いた。
自由になった手で、ベアトリーチェの髪を撫でた。
「……一度だけ、だからな」
「戦人……っ」
ベアトリーチェの目が潤む。
どちらからともなくキスをして、むさぼるように唇を啄み合った。
「んっ……ふ、ぅ」
「は……ベアト」
なんだか奇妙な気持ちだった。相手は妻以外の女なのに、妻と同じ顔、同じ名前の女だ。
服の上から胸に触ってみると、体つきも全く同じらしい。
ピンクのネクタイを解いて服を脱がせると、大きなおっぱいが露わになった。
見た目も妻と変わらない。
戦人は軽く頭を振った。比べるのはやめよう。
戦人はベアトリーチェを抱いて、床に寝かせた。
ベアトリーチェの青い目が、期待のこもった恍惚の目で見上げる。
先に下着を脱がせようか、と思ったが、少し意地の悪いことを思い付いて、下着はそのままにして、乳首に噛みついた。
「あっ……!」
ベアトリーチェの身体が、びくん、と跳ねた。
つん、ととがった乳首を舐めて舌先で転がすと、ベアトリーチェはいやいやをするように首を振って身悶えた。
もう片方の乳首を指先で摘み、くりくりといじってやった。
「ん……あぁんっ……いやぁ……っ」
いつもの居丈高な態度をすっかりくずして、ベアトリーチェは甘い声で喘いだ。
頬を染めて、きゅうっと目を閉じている。
六軒島の伝説の魔女、というよりは、普通の可愛い女の子のようだった。
ベアトリーチェはもじもじとひざを摺り合わせていた。刺激が足りないらしい。
戦人は少し笑って、下着の上からベアトリーチェの秘所に触れた。
「もう濡れてるぜ」
「っ……」
下着越しでも解るほど、そこはもう濡れきっていた。布の上から触っても、ぬるぬるとしている。
その感触をベアトリーチェにも解らせるように、戦人は指先でそこを縦に何度もなぞった。
「ほら、こんなにべとべとだぜ」
「くっ……言うなっ」
ベアトリーチェが真っ赤になって怒るのを、戦人はにやにやと笑って見下ろした。
恥ずかしそうにして、ベアトリーチェは脱いでしまおうと下着に手を掛けた。
それを戦人が止める。
「まだダメだ」
「何故……?」
戦人は意地悪くにやりと笑って、ベアトリーチェの脚を掴んでおもいきり開かせた。
「あっ……」
恥ずかしがるベアトリーチェの脚の間に顔を近付けて、戦人は軽く匂いを嗅いだ。
こういうとき特有の、女の匂いがした。
匂いを堪能してから、下着の上からそこを舐める。


「ひ、ぁ」
ベアトリーチェが、びくんと体をすくませるのに構わず、戦人は布の上から唾液を染み込ませて、舌でそこを擦った。
自分の唾液と、ベアトリーチェの愛液でぬるぬるとしている。
舌の先でクリストスを探り当てて、つついた。
「あぁあっ……!」
びくん、とベアトリーチェの腰が跳ねた。
「……もうイったのか、早いな」
戦人は顔を上げて、はぁはぁと粗い息をするベアトリーチェを見下ろした。
ベアトリーチェはとろんとした目をして、ぼうっと戦人を見上げていた。
「ちょっと腰を浮かせてくれ」
「ん……」
イったばかりでぼんやりとしているベアトリーチェは、素直に頷いて戦人の言うことに従った。
戦人がベアトリーチェの下着を脱がせる。
イったせいで下着の中は更に濡れていた。
赤く充血した秘所と脱がせた下着の間で、ねっとりと透明な液体が糸を引いた。
「濡れすぎだぜ。ほら、見てみるか?」
ベアトリーチェは恥ずかしそうにおもいきり首を振った。
戦人はにやにやと笑って、下着を掲げて見せた。汗と愛液でぐっしょりと濡れている。
とろーり、と愛液が下着からこぼれ落ちて、床に一滴落ちた。
それを見てしまったベアトリーチェが、更に赤くなる。
戦人は嬉しそうにくくっと笑って、下着を放り出した。
自分のベルトをはずして、ズボンのジッパーを下ろした。
痛いくらいに張りつめて硬くなったモノが出てきた。
ベアトリーチェの淫靡な痴態を見て、もうずっと硬くなっていたのだ。
それをベアトリーチェに見せつけるように、軽く手で扱いた。
ベアトリーチェの目がそれに釘付けになっている。
ぽうっとした表情をしているくせに、目だけはしっかりとそれを見つめていた。
欲しくてたまらないのだろう。
戦人はまた、ベアトリーチェの脚を掴んで大きく開かせた。
「あ……戦人ぁ……っ」
待ちきれない、というようにベアトリーチェが甘い声で呼んだ。
ごくり、と喉を鳴らして戦人は自分のモノをベアトリーチェの濡れきったところへ押し当てたが、まだ入れない。
赤く充血して熟れた秘所に、ぬるぬると擦り付けた。
「あ、ぁ、焦らすでない……!」
挿れてほしくてたまらないくせに、ベアトリーチェはこんなときでも偉そうな口をきく。
ねだるような物欲しそうな目で戦人を見上げて、催促していた。
もっと焦らして、「挿れてほしい」と言わせてもいいな、と思ったが、戦人の方もそろそろ限界だった。
体勢を変えてベアトリーチェにのし掛かる。
体重をかけて、一気にベアトリーチェの蜜壺の中へ突き入れた。
ベアトリーチェが嬉しそうによがって声を上げた。
「あぁあっ……ん……!」
「くっ……」
中は溶けそうなほど熱くて、濡れすぎなほどぬるぬるとしているくせに、ぎゅうぎゅうとキツく締め上げる。
戦人が腰を浮かせて軽く引き抜こうとするのを、柔肉が絡み付いて出て行かせまいとする。
ゆっくりと引き抜いて、またずっぷりと押し込んだ。
「はぁんっ……あぁ、戦人ぁ」
亀頭で膣の奥をぐりぐりと突いて刺激する。


ベアトリーチェは嬉しそうな甘い声で喘いで、戦人の首に腕を回した。
脚も戦人の腰に絡めて、離すまいとする。
「……こら、脚絡めてたら、イくときに抜けないだろ」
そうすると必然的に中に出すことになってしまう。
さすがにそれはヤバいだろう。
戦人が言うと、ベアトリーチェは感じきってとろんとした顔で首を振った。
「今日は大丈夫なのだ……だから……」
ぎゅうっと中が締まる。中に欲しい、と体が言っているのだ。
「……本当に大丈夫、なんだろうな?」
「うむ……だから、頼む……」
一瞬だけ、妻の顔が頭の中をよぎったが、戦人は無理矢理に意識の中からそれを追い出した。
一度だけ抱いてやる、と決めたのだ。今更迷っていられない。
戦人はベアトリーチェの両肩を掴んで、腰を振った。
「あ、あ、あんっ……あっ」
リズムをつけて往復させる。柔らかい肉の奥を突き上げるたびに、ベアトリーチェが甘い声を出した。
熱くてよく締まって気持ちが良い。
戦人は突くペースを上げて、少し乱暴に腰を振った。
ベアトリーチェが更によがる。赤くなった顔でぎゅっと目を閉じていた。
「あぁ、いい、いいっ……戦人……!」
「くっ……あ、そろそろ、出る……!」
「よいぞ、あ、ぁ……中に……っ」
ぐうっと強く奥にねじ込んで、戦人は射精した。
勢いよく、ベアトリーチェの腹の中を白くよごしてゆくのが、見えなくても解る気がした。
「あぁあっ……!」
中に出されたベアトリーチェも、びくびくと体を跳ねさせて大声を上げた。
「……っは、ぁ」
最後まで出しきって、戦人はずるりと自身を引き抜いた。
「んんっ……」
ベアトリーチェがまた少し体を震えさせた。
充血したベアトリーチェの秘所から、とろん、と白濁液が少し零れた。
戦人は床の上に寝転がって、ベアトリーチェを抱き締めた。
「……戦人」
ベアトリーチェが泣き出しそうな潤んだ目で見つめていた。
長い間秘密にし続けて、あきらめなければいけない、と思っていた相手と添い遂げたのだ。
だが、今回の一度きりという約束だ。嬉しくもあり、悲しくもあった。
戦人の方も、妻への罪悪感と一緒に、妻の姉をかわいそうに思っていた。
すぐ近くに好きな男がいるのに、あきらめなければいけなくて、我慢しているベアトリーチェが、いじましく思えたのだ。
「……でも、この一回きりにしなきゃな」
「うむ……今回だけ、だ」
こうして二人が抱き合うことは二度と無いのだ。
それなら、今だけは、と戦人もベアトリーチェも同じように思って、床の上で強く抱き合った。



 ―――

「これ、お土産です。こっちは戦人さんにで、こっちはお姉様の分です!」
「ああ、ありがとう」
「ありがたくいただくぞ」
旅行から帰宅して、嬉しそうにお土産を配る妻を見て、戦人はちくちくと胸を刺される気がしたが、上手く笑って見せた。
その隣で、姉の方もにこにこと笑っている。
「……旅行、楽しかったか?」
「はい、とっても楽しかったです!」
もしも……、と戦人は思った。
妻がこうして笑っていてくれて、……姉の方も笑って過ごせて、自分も楽しければ、それが一番いいことなんじゃねぇか?
「次は妾も一緒に行きたいものだの」
「あ、それは楽しそうですね」
誰か一人が泣くことはないのではないか。
全員が笑っていられたら一番いいのではないか。
姉妹が仲良く笑い合うのを見て、戦人はそんなふうに思った。

(終)

  • バト姉おいしいです^q^ -- 名無しさん (2010-03-07 13:23:02)
  • この一回きりの行為でデキてしまったベア姉……おいしいです^q^ -- 名無しさん (2010-03-21 15:58:05)
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