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Error Game ベルンとウィルと理御と触手とか色々詰め込んだ話。 前半はノリノリで書いたベルン×理御で、後半はウィルリオです。 加筆訂正を行っています 「ふうん」 ベルンカステルの声。 薄暗い照明に照らされる、重厚な調度。観劇の魔女のための劇場。豪奢な木の細工が施されたビロード張りの座席の一つに座る、銀の翼に約束された少年。少女? ここはどこなのかこれは誰のものか、知らないはずなのに知っている風景。血のにおい。 どこかに見た空間、どこかで見た流れ。これは似通った、シナリオの一つ。 ゆっくりと壇上から降り立つ魔女の名前を知っているはず。手には鎌。湖の底のような光を通さぬ冷たい瞳。運命をつむぎ奇跡を織り上げる魔女にして、気まぐれにそれを引き裂く猫の女王。 何もかもがかつてのシナリオをなぞったままだった。 しかしあなたは違和感を覚える。 「ふふ、判るわよね、貴方なら」 ベルンカステルはつぶやく。 彼女が後にする、舞台にぶちまけられた赤いものは何だろう。 白い花びらと、端正なレースの白い布と絡まる、みずみずしく赤い果実のような色をした、何か。 目敏いあなたはその果実からこぼれる粘質のある蜜が舞台をゆっくり濡らしていくのを見つけるだろう。 「また同じなのよ、呆れるほどにね」 だから、物語は省略されるの。魔女のゲームもそうだったでしょう? 同じ展開の繰り返しは飽き飽きだものね。 だから、この先は少し違うから。こんなカケラをのぞくあなただもの、嗜好の違いはあれど気に入るはずよ。 床を鳴らして、魔女が近づく。彼女の後を追う長い影、時折そのシルエットが、不定形に揺れる。 「まったく、金蔵も、ひどい事をするわよね。貴女もそう思わない?」 言いつつも、口調には哀れみなどひとかけらも存在しなかった。 そして、観覧席で俯いたまま固まっている理御の前に立つ。 貴方たちの知っている「青年」とは少し違う、「少女」の元に。 「…ね、花を散らされた処女みたいな貌してないで、問いかけに答えてくれないかしら」 びくっ、と理御の肩が震える。 魔女は、わざとらしいまでに馴れ馴れしく手を握ると、顔を寄せる。 吐息が耳をくすぐるように。 「ねえ理御。金蔵は、あなたにはどうしたの?」 小刻みに痙攣するからだ、頭をかかえた指先はいまにもこめかみを突き破りそうで。 ゆっくりと顔を上げた白い顔に穿たれた双眸には生気がない。まぶたがめくれかえるかのように、茶色の目が見開かれる。 「あ…あ、あ…」 唇が、小刻みに震える。 悲鳴が、薄闇を引き裂いた。 その喉を潰したような叫びを文字にする事がはできなかった。声ですらなかったからだ。近い音を探すのすら困難。 「あらあら」 耳に息を吹きかけただけなのに、この怯えよう。 しかしベルンは無表情のまま、同じ質問を繰り返したあと、目を細めた。 「質問に答えてくれないのかしら。ならこちらにも考えがあるのだけれど」 ベルンの手がほの青く光る。観測者権限を使う気だ。 「こ、こたえます、から」 よわよわしく、言葉が途切れる、続きは、「覗かないで」だろうか。 おわかりいただけたかしら?ベルンカステルは誰に言うとでもなく、つぶやいた。 実際、答えなどはどうでもよかったのだろう。 「素直なのはいいわね。でも、一度で素直に従わなかったから、お仕置き」 ベルンの影が何十倍にも膨らんだ。いや、違う。背中だ。背中に、何かが「憑いている」 「……………………!」 それは、無数の尻尾だった。ふわふわとした黒い毛に覆われているそれは一見愛らしくも見えるが、その正体は一つ一つに意思を持つ、おぞましい何か。 「百年を生きた猫は尻尾が割れて「猫又」って呼ばれる化け物になるって何かの本で読んだことがあったわ。私はどうしてこうなったのか憶えていないけれど…」 するすると体に巻きついた無数の尻尾たちは、新しいおもちゃを手にした子供のように、せわしなくさわさわと表面を這い回った。 それは無遠慮に体に触れて来た男の手にも似ていた。 「これは、そういうものだと思っていてくれてかまわないわ」 振りほどこうとしても無駄だ、相手を楽しませるだけ。理御はきつく唇を噛んでただその感触に耐える。 ほどなく、まるでキャラメルの包みはがすかのように無数の尻尾が蠢動し、白い胸元が観覧席の暗い照明の中、ぼんやりと浮かび上がった。 「きれいな体ね。でもやせっぽっちで色香がないわ、これじゃまるで男の子じゃない。…物好きよね。」 羞恥で顔がゆがみ、顔を背ける。ベルンは口元をゆがませると、尻尾で貌をこちらに向けさせた。 「それでも、って事はそんなにこっちがよかったのかしら。ね、…何度してくれたの?」 服の上から、くにくにと入り口を探ると。下を向いて歯を食いしばる理音の頬がゆっくりと色づく。 「……一度だけ、です」 はき捨てるように言い切って、ぎりっと唇を噛む。必要最低限の声以外は漏らさないように耐えるかのようだった。 「そうなの。あいつのことだから、もうそれは猿のようにしたのかと思ったわ。やっぱり、男の子みたいだったからなのかしら、それとも…」 ファスナーを器用に降ろし、下着の上からそこをなぞりあげた 「くっ………っ」 「始末の仕方がわからなかったのよね、仕方ないわ」 ざわざわ、と全身を這い回る尻尾が震えた。全身を這い回る悪寒に、理音は目を見開いた。 「ごめんなさい、この子たち、新鮮な血のにおいで興奮する癖があって」 痩せた身体を、黒い尻尾が縛り上げる、柔らかなフワフワとした毛が、肌を触れるか触れないかの刹那でくすぐる。そのくせ芯には骨が入っているかのように、締め上げる力は強い。柔肌に黒い影が食い込み、潰し、ねじりあげ、歪ませ、白い肌をいっそう際立たせた。 「んっ…………く…………」 唇を噛みすぎたのだろう、口端から血がこぼれている。 「口を開けなさい。それとも、こっちも無理矢理こじ開けられるのが好きなのかしら」 「んむ………ん…」 羞恥に顔を背けようとした瞬間、口に、尻尾が滑り込んだ。のど奥を突いてもっと口を開けろと促す。 こみ上げる嘔吐感に耐えながら、尻尾に噛み付こうと歯をたてる。 「……………!」 ベルンが、さっと尻尾を引く。 「…凶暴だわ、どういうしつけをされてきたのかしら」 クスクスと忍び笑いをもらした。 「殺すなら、早くしてください。…私を嬲り殺したころで、満たされもしないくせに」 ベルンが破顔した。両手のひらをかわいらしく合わせて、花のように微笑む。 「嫌だ、それで挑発のつもりなの?温室育ちも困ったものだわ、悪態の一つもつけないなんて」 興奮と悦びに顔を歪めたような表情を「作って」ベルンが近づく、理御の頬を両手で包んで、顔を傾けて、舌をのばす。 「ね、体中まさぐられて気持ちいいの我慢しながら、下手な悪態をついてもっと、もっと私を楽しませて。うふふふふ!!」 虚無の瞳が潤んでかすかに、揺れた。ここに来て初めて表情のようなものを見た気がした。 同時に、尻尾が脇腹を、膝裏を、背中を、フワフワとなぞり上げる、くすぐったさに身をよじって、力が入らない。 「いただきます」 「んっ、…ふ、…う…」 小さな少女の唇の奥には、ぬらりと唾液の絡まる舌が待ち構えていた。他人の唾液を流し込まれるという違和感に驚いていると、たちまち舌を吸われた。複雑な舌使いに、口内が熱い蜜で満たされたが、ずるりと啜られてすぐにそれすらも奪われてしまう。 怒りの意識がこそげるほどに、気持ちがいい。頬に触れる手がゆっくりと胸まで降りていき、細い指先に胸をきつくつままれた。 「んっ!」 びくりと肩を震わせて、宙に浮いた手が震える。 「キスが好きなの?やっぱり女の子ね」 くす、と笑われる。 「でもあげない。だってもう悦いでしょう?」 白い指先がお腹をなぞる。魔女の尾は太腿に巻き付き、内股の柔らかな感触を楽しんでいる。 汗ばむ柔肌に爪を立ててベルンが嘲笑を浮かべる。 「すらっとしてるけど柔らかい脚ね、張り詰めてて、少しでも力をこめたら、破ってしまいそうね。痛いのもいいわよ、でも…思い出しちゃうかしら」 心に爪を立てられる。 「私を…愚弄するのが、そんなに楽しいですか」 「楽しくないわ。特にこのゲームは全然、あなたに張り合いがないもの。このゲームのあなた、負けた犬の目をしてる。私の知ってるあなたは、こんな簡単に堕ちないわ」 「だから、過去のゲームの貴女を思い出して、重ねて、楽しむの。みんなだってそうよ、きっと」 ぎりっと、爪を立てた、張りつめた太ももに、ぷつりと赤い珠が浮かぶ。 「……く………はぁ……っ」 理御は痛みに顔を歪ませるも、声をこらえる。 「だからいいのよ、もっと声を出しても、わたし、あなたにそんなに期待してない。」 だから、そう言った瞬間、理御の顔が今までになくきつく歪むのを見た瞬間、ベルンはこれ以上ない笑顔を見せた。 下腹をなぞって、ズボンごとショーツを膝まで脱がせる。 身動きが取れずにもがく身体をたやすく制し、後ろに束ねられた髪を引きながら、金色の茂みをなぞった。 「貴女は考えたことはない?日本人の黒髪は優性遺伝で、混血児は大体がこんなきれいな金の髪にならないものなの。だから、もしかしたら貴女はベアトリーチェと金蔵の娘ではないかもしれない、って」 湿り気の少ないクレバスを、指の腹で丹念にいじる。わずかに染み出したものを潤滑油にして、きつい入り口を広げて冷たく細い指を滑り込ませた。 「だめ………っあ……………つっ!……………」 なれない秘所を強引にこじ開けられ、身体に亀裂が入るかのような痛みを感じる。 「たくさんの「かもしれない」が、絡まって、魔女の幻想ができるのよ。貴女が金蔵に犯されなかったカケラだって、ある「かもしれない」」 理御にはベルンの言っている意味がわからない。ただひたすらに口を押さえて嫌悪感と異物の感触をこらえるだけ。 「かわいいお人形さん。ほら見なさいな、これが猫箱の中身よ」 ぐりっと、膣の中で指を広げる、ベルンの白い手のひらを、白い粘液が汚した。 「…はぁ、は、はっ、こんなことに、何の意味があるっていうんですか…」 「無いに決まってるじゃないの」 心底興味がなさそうに睥睨する。 次の瞬間、ベルンの取った行動を理御は理解できなかった。 「ん…んむ、じゅる…」 口をつけて、理御の中に舌を探りいれた。 「や、やめてください、汚いです、あ…っ、ふぁぁぁっ」 舌がさらに深くもぐりこむ。もうこれは人間のものではない。猫のようにざらざらとしていて敏感な内側を苛める。 「ん、ずるっ…ぴちゃ、ずるるるっ…」 「やめ…あ、熱い…んんっ…」 ベルンの口が動くたびに理御の白い腹部がびくびくと跳ね上がる。啜るような音を立てて最後に、口をつけて入り口に吸い付く。 「んんんんんんんんっ……………!」 ひときわ高く腰が跳ねた後、ぐったりとその場にへたり込んだ。 「ふ………」 口を離したべルンが乱れた髪をかき上げながらこちらを見る。顔が近づいてくる、 「………んんぅ?……な…にを…んん…」 理御に口付ける。口移しに与えられるもの感触に。目を丸くして驚き、思い至り、首を振って拒絶しようとするが、鼻をつままれて息を止められた、反射的に、それを飲み込んでしまう。 「う…………げほっ、が、かはっ………」  激しく咳き込む理御。  ベルンは特に表情を崩すこともなく無表現のまま、残ったそれを吐き出した。口の端を、白く汚したまま。 「ハラワタを引き出して食らうのが私の趣味なの。ふふ、すっごく不味かったわね。でも気持ちよかったでしょう?」 耳を、胸、足を。尻尾で撫で回し、つつき、締め上げる。全身の性感をなぞり上げられて、抱えた太股が熱くなる。かたくなだった入り口が、ゆっくり開いていくのを感じる。 「そうだわ、一つ黙っていたことがあるの。ごめんなさいね。そろそろ気づいているかもしれないけど。何か足りないと思わなかった?」 「どういう…意味…」 ぼんやりとしていた意識が、急に引き戻される。遠くに鳴り響く鋼のぶつかる音。 「そういうわけで。大人しくしていてくれたご褒美に、悲鳴を上げる自由をあげるわ」 背後を向くベルン。うごめく千の尻尾の合間から、血だらけの男の身体が割り入る。 「ウィル…」 「お互い、いい格好だな」 「どうして、こんなところに来たんですか…」 「ようこそ、運命の袋小路へ。理御で遊ぶのにも飽きたわ。さ、茶番を始めましょう?私が飽きるまで生きていられたら、良いものをあげるわ。お古で良ければだけど」 クスクス、と嗤う。 「俺だけ命懸けかよ」 剣を構えて、ウィルが憎憎しげに言う。 「魔女は退屈で死ぬのよ、お互い様じゃない」 しかしなぜか、そう呟いたベルンの顔こそが、誰よりも一番うんざりとしていた。
Error Game ベルンとウィルと理御と触手とか色々詰め込んだ話。 前半はノリノリで書いたベルン×理御で、後半はウィルリオです。 加筆訂正を行っています 「ふうん」 ベルンカステルの声。 薄暗い照明に照らされる、重厚な調度。観劇の魔女のための劇場。豪奢な木の細工が施されたビロード張りの座席の一つに座る、銀の翼に約束された少年。少女? ここはどこなのかこれは誰のものか、知らないはずなのに知っている風景。血のにおい。 どこかに見た空間、どこかで見た流れ。これは似通った、シナリオの一つ。 ゆっくりと壇上から降り立つ魔女の名前を知っているはず。手には鎌。湖の底のような光を通さぬ冷たい瞳。運命をつむぎ奇跡を織り上げる魔女にして、気まぐれにそれを引き裂く猫の女王。 何もかもがかつてのシナリオをなぞったままだった。 しかしあなたは違和感を覚える。 「ふふ、判るわよね、貴方なら」 ベルンカステルはつぶやく。 彼女が後にする、舞台にぶちまけられた赤いものは何だろう。 白い花びらと、端正なレースの白い布と絡まる、みずみずしく赤い果実のような色をした、何か。 目敏いあなたはその果実からこぼれる粘質のある蜜が舞台をゆっくり濡らしていくのを見つけるだろう。 「また同じなのよ、呆れるほどにね」 だから、物語は省略されるの。魔女のゲームもそうだったでしょう? 同じ展開の繰り返しは飽き飽きだものね。 だから、この先は少し違うから。こんなカケラをのぞくあなただもの、嗜好の違いはあれど気に入るはずよ。 床を鳴らして、魔女が近づく。彼女の後を追う長い影、時折そのシルエットが、不定形に揺れる。 「まったく、金蔵も、ひどい事をするわよね。貴女もそう思わない?」 言いつつも、口調には哀れみなどひとかけらも存在しなかった。 そして、観覧席で俯いたまま固まっている理御の前に立つ。 貴方たちの知っている「青年」とは少し違う、「少女」の元に。 「…ね、花を散らされた処女みたいな貌してないで、問いかけに答えてくれないかしら」 びくっ、と理御の肩が震える。 魔女は、わざとらしいまでに馴れ馴れしく手を握ると、顔を寄せる。 吐息が耳をくすぐるように。 「ねえ理御。金蔵は、あなたにはどうしたの?」 小刻みに痙攣するからだ、頭をかかえた指先はいまにもこめかみを突き破りそうで。 ゆっくりと顔を上げた白い顔に穿たれた双眸には生気がない。まぶたがめくれかえるかのように、茶色の目が見開かれる。 「あ…あ、あ…」 唇が、小刻みに震える。 悲鳴が、薄闇を引き裂いた。 その喉を潰したような叫びを文字にする事がはできなかった。声ですらなかったからだ。近い音を探すのすら困難。 「あらあら」 耳に息を吹きかけただけなのに、この怯えよう。 しかしベルンは無表情のまま、同じ質問を繰り返したあと、目を細めた。 「質問に答えてくれないのかしら。ならこちらにも考えがあるのだけれど」 ベルンの手がほの青く光る。観測者権限を使う気だ。 「こ、こたえます、から」 よわよわしく、言葉が途切れる、続きは、「覗かないで」だろうか。 おわかりいただけたかしら?ベルンカステルは誰に言うとでもなく、つぶやいた。 実際、答えなどはどうでもよかったのだろう。 「素直なのはいいわね。でも、一度で素直に従わなかったから、お仕置き」 ベルンの影が何十倍にも膨らんだ。いや、違う。背中だ。背中に、何かが「憑いている」 「……………………!」 それは、無数の尻尾だった。ふわふわとした黒い毛に覆われているそれは一見愛らしくも見えるが、その正体は一つ一つに意思を持つ、おぞましい何か。 「百年を生きた猫は尻尾が割れて「猫又」って呼ばれる化け物になるって何かの本で読んだことがあったわ。私はどうしてこうなったのか憶えていないけれど…」 するすると体に巻きついた無数の尻尾たちは、新しいおもちゃを手にした子供のように、せわしなくさわさわと表面を這い回った。 それは無遠慮に体に触れて来た男の手にも似ていた。 「これは、そういうものだと思っていてくれてかまわないわ」 振りほどこうとしても無駄だ、相手を楽しませるだけ。理御はきつく唇を噛んでただその感触に耐える。 ほどなく、まるでキャラメルの包みはがすかのように無数の尻尾が蠢動し、白い胸元が観覧席の暗い照明の中、ぼんやりと浮かび上がった。 「きれいな体ね。でもやせっぽっちで色香がないわ、これじゃまるで男の子じゃない。…物好きよね。」 羞恥で顔がゆがみ、顔を背ける。ベルンは口元をゆがませると、尻尾で貌をこちらに向けさせた。 「それでも、って事はそんなにこっちがよかったのかしら。ね、…何度してくれたの?」 服の上から、くにくにと入り口を探ると。下を向いて歯を食いしばる理音の頬がゆっくりと色づく。 「……一度だけ、です」 はき捨てるように言い切って、ぎりっと唇を噛む。必要最低限の声以外は漏らさないように耐えるかのようだった。 「そうなの。あいつのことだから、もうそれは猿のようにしたのかと思ったわ。やっぱり、男の子みたいだったからなのかしら、それとも…」 ファスナーを器用に降ろし、下着の上からそこをなぞりあげた 「くっ………っ」 「始末の仕方がわからなかったのよね、仕方ないわ」 ざわざわ、と全身を這い回る尻尾が震えた。全身を這い回る悪寒に、理音は目を見開いた。 「ごめんなさい、この子たち、新鮮な血のにおいで興奮する癖があって」 痩せた身体を、黒い尻尾が縛り上げる、柔らかなフワフワとした毛が、肌を触れるか触れないかの刹那でくすぐる。そのくせ芯には骨が入っているかのように、締め上げる力は強い。柔肌に黒い影が食い込み、潰し、ねじりあげ、歪ませ、白い肌をいっそう際立たせた。 「んっ…………く…………」 唇を噛みすぎたのだろう、口端から血がこぼれている。 「口を開けなさい。それとも、こっちも無理矢理こじ開けられるのが好きなのかしら」 「んむ………ん…」 羞恥に顔を背けようとした瞬間、口に、尻尾が滑り込んだ。のど奥を突いてもっと口を開けろと促す。 こみ上げる嘔吐感に耐えながら、尻尾に噛み付こうと歯をたてる。 「……………!」 ベルンが、さっと尻尾を引く。 「…凶暴だわ、どういうしつけをされてきたのかしら」 クスクスと忍び笑いをもらした。 「殺すなら、早くしてください。…私を嬲り殺したころで、満たされもしないくせに」 ベルンが破顔した。両手のひらをかわいらしく合わせて、花のように微笑む。 「嫌だ、それで挑発のつもりなの?温室育ちも困ったものだわ、悪態の一つもつけないなんて」 興奮と悦びに顔を歪めたような表情を「作って」ベルンが近づく、理御の頬を両手で包んで、顔を傾けて、舌をのばす。 「ね、体中まさぐられて気持ちいいの我慢しながら、下手な悪態をついてもっと、もっと私を楽しませて。うふふふふ!!」 虚無の瞳が潤んでかすかに、揺れた。ここに来て初めて表情のようなものを見た気がした。 同時に、尻尾が脇腹を、膝裏を、背中を、フワフワとなぞり上げる、くすぐったさに身をよじって、力が入らない。 「いただきます」 「んっ、…ふ、…う…」 小さな少女の唇の奥には、ぬらりと唾液の絡まる舌が待ち構えていた。他人の唾液を流し込まれるという違和感に驚いていると、たちまち舌を吸われた。複雑な舌使いに、口内が熱い蜜で満たされたが、ずるりと啜られてすぐにそれすらも奪われてしまう。 怒りの意識がこそげるほどに、気持ちがいい。頬に触れる手がゆっくりと胸まで降りていき、細い指先に胸をきつくつままれた。 「んっ!」 びくりと肩を震わせて、宙に浮いた手が震える。 「キスが好きなの?やっぱり女の子ね」 くす、と笑われる。 「でもあげない。だってもう悦いでしょう?」 白い指先がお腹をなぞる。魔女の尾は太腿に巻き付き、内股の柔らかな感触を楽しんでいる。 汗ばむ柔肌に爪を立ててベルンが嘲笑を浮かべる。 「すらっとしてるけど柔らかい脚ね、張り詰めてて、少しでも力をこめたら、破ってしまいそうね。痛いのもいいわよ、でも…思い出しちゃうかしら」 心に爪を立てられる。 「私を…愚弄するのが、そんなに楽しいですか」 「楽しくないわ。特にこのゲームは全然、あなたに張り合いがないもの。このゲームのあなた、負けた犬の目をしてる。私の知ってるあなたは、こんな簡単に堕ちないわ」 「だから、過去のゲームの貴女を思い出して、重ねて、楽しむの。みんなだってそうよ、きっと」 ぎりっと、爪を立てた、張りつめた太ももに、ぷつりと赤い珠が浮かぶ。 「……く………はぁ……っ」 理御は痛みに顔を歪ませるも、声をこらえる。 「だからいいのよ、もっと声を出しても、わたし、あなたにそんなに期待してない。」 だから、そう言った瞬間、理御の顔が今までになくきつく歪むのを見た瞬間、ベルンはこれ以上ない笑顔を見せた。 下腹をなぞって、ズボンごとショーツを膝まで脱がせる。 身動きが取れずにもがく身体をたやすく制し、後ろに束ねられた髪を引きながら、金色の茂みをなぞった。 「貴女は考えたことはない?日本人の黒髪は優性遺伝で、混血児は大体がこんなきれいな金の髪にならないものなの。だから、もしかしたら貴女はベアトリーチェと金蔵の娘ではないかもしれない、って」 湿り気の少ないクレバスを、指の腹で丹念にいじる。わずかに染み出したものを潤滑油にして、きつい入り口を広げて冷たく細い指を滑り込ませた。 「だめ………っあ……………つっ!……………」 なれない秘所を強引にこじ開けられ、身体に亀裂が入るかのような痛みを感じる。 「たくさんの「かもしれない」が、絡まって、魔女の幻想ができるのよ。貴女が金蔵に犯されなかったカケラだって、ある「かもしれない」」 理御にはベルンの言っている意味がわからない。ただひたすらに口を押さえて嫌悪感と異物の感触をこらえるだけ。 「かわいいお人形さん。ほら見なさいな、これが猫箱の中身よ」 ぐりっと、膣の中で指を広げる、ベルンの白い手のひらを、白い粘液が汚した。 「…はぁ、は、はっ、こんなことに、何の意味があるっていうんですか…」 「無いに決まってるじゃないの」 心底興味がなさそうに睥睨する。 次の瞬間、ベルンの取った行動を理御は理解できなかった。 「ん…んむ、じゅる…」 口をつけて、理御の中に舌を探りいれた。 「や、やめてください、汚いです、あ…っ、ふぁぁぁっ」 舌がさらに深くもぐりこむ。もうこれは人間のものではない。猫のようにざらざらとしていて敏感な内側を苛める。 「ん、ずるっ…ぴちゃ、ずるるるっ…」 「やめ…あ、熱い…んんっ…」 ベルンの口が動くたびに理御の白い腹部がびくびくと跳ね上がる。啜るような音を立てて最後に、口をつけて入り口に吸い付く。 「んんんんんんんんっ……………!」 ひときわ高く腰が跳ねた後、ぐったりとその場にへたり込んだ。 「ふ………」 口を離したべルンが乱れた髪をかき上げながらこちらを見る。顔が近づいてくる、 「………んんぅ?……な…にを…んん…」 理御に口付ける。口移しに与えられるもの感触に。目を丸くして驚き、思い至り、首を振って拒絶しようとするが、鼻をつままれて息を止められた、反射的に、それを飲み込んでしまう。 「う…………げほっ、が、かはっ………」  激しく咳き込む理御。  ベルンは特に表情を崩すこともなく無表現のまま、残ったそれを吐き出した。口の端を、白く汚したまま。 「ハラワタを引き出して食らうのが私の趣味なの。ふふ、すっごく不味かったわね。でも気持ちよかったでしょう?」 耳を、胸、足を。尻尾で撫で回し、つつき、締め上げる。全身の性感をなぞり上げられて、抱えた太股が熱くなる。かたくなだった入り口が、ゆっくり開いていくのを感じる。 「そうだわ、一つ黙っていたことがあるの。ごめんなさいね。そろそろ気づいているかもしれないけど。何か足りないと思わなかった?」 「どういう…意味…」 ぼんやりとしていた意識が、急に引き戻される。遠くに鳴り響く鋼のぶつかる音。 「そういうわけで。大人しくしていてくれたご褒美に、悲鳴を上げる自由をあげるわ」 背後を向くベルン。うごめく千の尻尾の合間から、血だらけの男の身体が割り入る。 「ウィル…」 「お互い、いい格好だな」 「どうして、こんなところに来たんですか…」 「ようこそ、運命の袋小路へ。理御で遊ぶのにも飽きたわ。さ、茶番を始めましょう?私が飽きるまで生きていられたら、良いものをあげるわ。お古で良ければだけど」 クスクス、と嗤う。 「俺だけ命懸けかよ」 剣を構えて、ウィルが憎憎しげに言う。 「魔女は退屈で死ぬのよ、お互い様じゃない」 しかしなぜか、そう呟いた彼女の顔こそが、誰よりも一番うんざりとしていた。 [[error game2]]

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