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381
③ハンドライト
(古典的な方法だけど……みんな怖がってくれるのかな)
下からライトを当てて顔だけ浮き上がらせる――なんて小学生でも失笑するような方法で大丈夫なのだろうか。
不安に思いながらも、とりあえず私は自室にあるはずの災害用ハンドライトを探す。
(確か、この辺に置いておいたはずだけど)
「見つけた」
引き出しの中からハンドライトを取り出した。
電池がまだあるか確認するために、スイッチを入れる。
「あれ?……ライト点いてるのかな?」
電池の残りが少ないのか、点いているのかよくわからない。
私は自室の明かりを消して、再度ハンドライトのスイッチを入れた。
「うん。大丈夫みたい」
その時、ドアをノックする音が聞こえた。
「姉さん、俺だけど」
「春樹?」
「今、……戻ったんだ。入っていい?」
①「うん、いいよ」
②「ちょっと待って」
③ためしに驚かせてみる
382
①「うん、いいよ」
「電気もつけないで……もしかして、蛍光灯が切れた?」
「違うのよ。文化祭で使うからコレの確認をしていただけ」
そう言って、私は手元にあるライトのスイッチをつけたり消したりしてみせる。
「そうか……。姉さんのところはお化け屋敷だったね」
春樹は部屋の明かりをつけると、言いにくそうに口を開きかけてまたつぐんでしまった。
「春樹?」
「あの、さ。公園では取り乱してごめん」
「私こそ、あの時は冷静じゃなかったから。気にしないで」
私の言葉に、春樹はようやく小さく頷く。
「春樹、もう夕食よね? お父さんとお義母さんが待ってるよ」
沈んでいる春樹に私は笑いかけて言った。
「そうだね。降りようか」
二人で廊下まで出たところで、不意に何かを思い出したように春樹が呟いた。
「そうだ。さっき父さんが言っていたけど……隆さんをうちで預かるみたいだよ」
「うちに? どうして?」
突然の話に、私は思わず聞き返す。
「なんでも、隆さんの両親が海外旅行に行くらしいんだ」
「隆は家事が一切できないうえに、お姉さんの美由紀さんも大学の寮に入ってるしね。
それにしても……隆ったら、昨日言ってくれてもいいのに」
「昨日はいろいろあったしさ。それどころじゃなかったのかもしれないよ」
(隆のご両親が海外旅行……か)
私が小さい頃、父の帰りが遅くなると隆の家で夕食をご馳走になっていた事を思い出す。
子供同然にして接してくれた隆のご両親への恩は父も私も忘れる事は無い。
私は……
①滞在する日程を尋ねる
②小さい頃の事をさらに思い出す
③一階に降りる