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[[421~430http://www22.atwiki.jp/1000ed/pages/59.html]] 431 ①修二君を追いかける 軽くなった体で部屋の扉を開けると、廊下にはすでに誰もいなかった。 「修二君……」 (どうして胸の締め付けられるような微笑み方をしたの?) 口説き文句か軽口で冗談と本気の区別がつかない修二君が、あんな顔するなんて思いもしなかった。 私が今まで思っていた修二君とはあまりにかけ離れていた。 (私……修二君を誤解していた?) 軽薄でたくさんの女の子のファーストキスを奪っても何も思わないような人だと決め付けていた。 だから私がファーストキスだって事も、言い出せなかった。 もちろん驚いて何も言えなかったのもある。 でも、それだけじゃない。 恋愛に疎いと思われるのが恥ずかしかったし、逆に『ラッキー』と幸運がられるのも悲くなるだけだからだ。 だけど、あの微笑はもっと複雑で優しさに満ちていた。 それに「ありがとう」の言葉も――まるで修二君を信じ、疑わなかった事へのお礼みたいにも聞こえた。 私は自分の唇にそっと触れてみる。 力の安定化が目的だったとはいえ、キスしてしまった事実に変わりは無い。 (修二君とキスしてしまったんだ……) 予知夢通りに起こった出来事。 けれど夢ではなく、これは現実に起こった事だとようやく実感が湧いてくる。 次に会うときは、普通に接することが出来るだろうか。 まして口説き文句に対して今まで通りに軽く流せる自信もない。 (困ったな……。とても冷静ではいられないよ) 私は… ①鍵を職員室に返しに行く。 ②鍵はあとにして教室に戻る。 ③頭を冷やしにいく。
[[421~430>http://www22.atwiki.jp/1000ed/pages/59.html]] 431 ①修二君を追いかける 軽くなった体で部屋の扉を開けると、廊下にはすでに誰もいなかった。 「修二君……」 (どうして胸の締め付けられるような微笑み方をしたの?) 口説き文句か軽口で冗談と本気の区別がつかない修二君が、あんな顔するなんて思いもしなかった。 私が今まで思っていた修二君とはあまりにかけ離れていた。 (私……修二君を誤解していた?) 軽薄でたくさんの女の子のファーストキスを奪っても何も思わないような人だと決め付けていた。 だから私がファーストキスだって事も、言い出せなかった。 もちろん驚いて何も言えなかったのもある。 でも、それだけじゃない。 恋愛に疎いと思われるのが恥ずかしかったし、逆に『ラッキー』と幸運がられるのも悲くなるだけだからだ。 だけど、あの微笑はもっと複雑で優しさに満ちていた。 それに「ありがとう」の言葉も――まるで修二君を信じ、疑わなかった事へのお礼みたいにも聞こえた。 私は自分の唇にそっと触れてみる。 力の安定化が目的だったとはいえ、キスしてしまった事実に変わりは無い。 (修二君とキスしてしまったんだ……) 予知夢通りに起こった出来事。 けれど夢ではなく、これは現実に起こった事だとようやく実感が湧いてくる。 次に会うときは、普通に接することが出来るだろうか。 まして口説き文句に対して今まで通りに軽く流せる自信もない。 (困ったな……。とても冷静ではいられないよ) 私は… ①鍵を職員室に返しに行く。 ②鍵はあとにして教室に戻る。 ③頭を冷やしにいく。

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