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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part571【TSトレ】
≫19二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:51:11
『明星のマーベラス前編・下』
- 動き融け出す時間
――Eclipse
それは18世紀のイギリスにおいて18戦18勝と無敗を誇った伝説上のウマ娘
その勝ち姿も圧倒的な姿とされ、二着以下に大幅な大差をつけ
かの格言「Eclipse first, the rest nowhere」を生み出したという
「…………」
「そうはいってもさっき言ったようにお前さんの中に入っているのは極一部の欠片にすぎない、ソウルによる能力は全盛期ほどの力はない。
だが魂による侵食は別だ。気休めだが己自身をしっかり定義することだな。」
「うん。わかったー☆ありがとうねーギムリットー、それとウオトレも長々と付き合わせちゃってごめんねーこの御礼はどこかでするよー」
「ああ、いいってことさ」
20二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:51:26
ウオトレとギムレットとの会話を終えマベトレは化粧室の鏡の前で先程の会話を反芻する
「自身を強くもてかー、まあまず私はトレーナーなんだからマベのためにそして皆のためにマーベラスにいかないとねー☆」
気合を入れるため少し湿った手で勢いよく自身の頬を叩くそして「パチン」と軽快な音を鳴らす。
「っっっtたーー………」
勢いを付けすぎたか声にならない悲鳴を上げうずくまる。
「うぅぅーー」
しばらくその場で痛みとの戦いを演じ興じる
――痛みがいくらか引いた後、マベトレは立ち上がり鏡を確認する
鏡には頬が赤く腫らし、この姿になってからしばらくたちもう慣れ浸しんだ小さなウマ娘の姿があった。
「うん、大丈夫だよねぇー、」
その鏡に写った口ぶりは少しにやけ笑っていた。
「んー……」
「あ、そうだったトレーニングメニューを練らないとっ」
そうして化粧室を後にするのであった。
21二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:51:42
- 微睡みの夜【寝待月-月齢18-】
「はあ……はあ……っ」
薄暮を過ぎ夜空にはチラチラと星が瞬き始め周囲は暗闇に染まるトレセン学園の運動場
担当とのトレーニングを終えたマベトレはここ数日の日課となった走り込みを行っていた。
「はあ……はあ……っ……はあ……はあ……っ」
その走行欲は日々行ってるからこそ明瞭にそして、次第に大きくなっていくこと感じ取る。
走らなければ活性化しないのでないか、今してることは逆効果なのではないかそう思えるが
すでに活性してる状態であり、本能が魂がそれを否定する。
一瞬で変わらないからこその恐怖を覚え、一瞬あるトレーナーのことを映し出すがすぐさまそれら振り払い、
「ああああぁぁぁぁあああーーーーーー!!!」
それらの考えを払拭するかのように運動場を駆けてく――。
――思う存分に走ったマベトレは気がつくとだいぶ東の空にだいぶ欠けた月が昇ってきていたことに気づく
「はあ……はあ……あれーもうこんな時間だー」
22二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:51:56
へとへとになりながら時計を確認する。もう夜が遅いこんな時間まで走ってたのかと内心驚く
そそくさと身支度を済ませ運動場を後にする。マベのために明日の予定も確認しないとそう思いながら歩いていると人影達を目にする。
「あ!マヤトレにボノトレー、今日もマーベラス☆」
「ん?マベトレかこんな夜遅くに合うなんて珍しいな。」
「こんばんはー、マベトレ」
マヤトレやボノトレは何の因果かウマ娘化してない数少ないトレーナーたちの内の二人である
そのためか二人はよく一緒にいることが多い
しかし、ボノトレの服装は男性がする格好には見えず、女性の格好いわゆる女装をしている
マヤトレは長身の体格のいい男性だが、担当やよく一緒にいることの多いボノトレやカレトレとの体格差のため世間から悲しい扱いを受けている
23二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:52:14
「二人はなんで、こんな夜道をー?」
「ああ、これを見ればわかるだろ銭湯の帰りだ。そうだ聞けってボノトレのやつ……」
「それはもういいことだろ。それよりマベトレこそ何でこんな時間に?」
「それはねー、最近少し体重が増えてきたのを気にしてねー、それで内緒で走り込みをしてたんだー。
で、気づいたらこんな時間になっちゃたんだー。まあ星空を見ながら帰るってのもマーベラスだよね☆」
「ふーん。」
「まあボクはいくら食べても太らないけどね。」
「お前はおかしいんだよ。」
「ボノトレは羨ましいなー」
「というかマベトレもそっち側じゃないのか?少なくても見た目全然変わって見えないぞ。
……あー。俺の周りはこういうのしかいないのか」
周りの不思議体質というお構いなしに現実を踏み越える事実にマヤトレは少し頭を抑えて悲観する。
すると、マベトレはニヤケ笑顔でマヤトレに言う。
「ニシッシ。マヤトレはくそざこだからねぇ~★」
「誰がクソ雑魚だ。」
「君に言ってるんだから。君しかいないのでは?」
「なんだと!。」
「あはは、じゃあ私は用事があるから先に行くねー☆」
24二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:52:26
そう言ってマベトレは闇夜に駆けていく。
そしてその小さな影はあっという間に暗闇と同化し、消えていった。
その場には大小2つの影、マヤトレとボノトレが残った。
そして取り残ったマヤトレにボノトレは語りかける。
「……なあマヤトレ」
「何ボノトレ。って普段と逆とは新鮮だな……。」
「マベトレってあんな風だっけ?」
25二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:52:37
- 湖月の夢【更待月-月齢19-】
―
―――
――――――――
……
……ポチャン
……ポチャン
……ポチャン、ポチャン
……暗闇の中、水滴が垂れ落ちる音だけが流れる。
それはピアノの連弾のように水滴同士が協力して一つの曲を流すように静かなBGMを奏でる
26二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:52:50
……その内の一つの水滴が滴り落ちると鍵盤上に寝ているお客へ落ちた。
ピチャン
「……冷たっ!!」
マベトレは額に冷たいものを感じ、目を開け起き上がる。
周囲を見渡すと深い木々が立ち並び、足元は草原が広がっていた
今は何時なのかと空を見上げると、まだ深夜のようで空は青暗く星が瞬いていた。
しかし、光源には困ることなさそうで、月明かりのおかげか周囲は明るく照らされていた。
いつの間にこんなところで寝てしまったんだろう。そう思いながら開けた場所を目指し歩いていく
この場所自体に記憶はないが、整備された道に出ればそこから帰れるだろう。
そう考え、木々が開けている方へ向かう
しばらく歩いたのち大きな場所に出たのか、深々だった木々が一気に晴れやかになった。
やっと道沿いにでたのかと思い急ぎ走ると、そこで見た光景は小さな湖であった。
落胆し、これまでの歩みで少し疲れたマベトレは湖のたもとで休憩することにした。
「……うーん。どうしようー」そうして周囲を見渡す。そうすると一点おかしな事に気づいた。
――湖に映っていた丸い月が黒かった。
そして、その映し元である月は?と空を見上げると真っ黒な満月が輝いていたのだ。
「黒い月……?」
そう疑問を投げかけた瞬間、突然と足元が崩れた。――いや足元がなくなり湖へ落ちた。
27二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:53:05
――
――
――
――落ちる、沈んでいく
気がついたマベトレは慌てて体を動かし、水面を目指す
が、いくらもがけど水面の光が遠く離れていく
次第に息が持たなくなり、ついにここまでかと肺の空気を出した
……しかし予想と反して呼吸が通った。
「……息ができる。なにこれ」
呼吸ができることに驚きながらも冷静さを取り戻し、あたりを見回す
「もしかして夢の世界?だとするとここはソウルの中?」
28二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:53:22
そうすると周辺から黒い靄が集まり一つの人影を作り出す。
不鮮明な人影は、だんだんと明確になっていき一人の人物をかたどった。
小さな体躯、それに反する大きな胸、足元まである長い髪、星の瞳、その人物とは私だった。
目の前の""私""に"私"は言う
「あなたが私の中にいたもう一つのウマソウル?」
""私""は答えない
"私"は続けていった
「今まで貴方のこと見て上げられなくてごめんね。一緒に歩もうそのほうがマーベラスなんだから」
そう言うと""私""は抱きついてきた。
「うっ苦しいよー」
そうして豊満な胸に抱かれながら視界が暗転する。
――
――
――
――
――――
――――――
――その日、今まであった走行欲がウソであったかのように消えていた。
30二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:55:45
Tips
もう一つのソウルについて
エクリプス★
マベトレの中に眠っているもう一つのウマソウル
18世紀後半に活躍したサラブレッドの基礎を作ったと言われる18戦18勝の存在
その欠片の欠片の小さな因子
だがたとえ極小の因子であってもその力は絶大
欠片であるため意思疎通は不可、これが本来の性格かどうかもわからない
独善かつ攻撃的
メスガキ
今は凍結している
メタ的解説
勝負服概念のときにトレと担当の対比が生まれる
マーベラスサン(sun)デー(day)の対比として月(moon)と星(night)の概念が付与する→マべトレ勝負服
ギャルゲBADEND概念のときに月と星をBADEND風にするのに日食(サンデーを食べる)のイメージを付与する→マベラスエクリプス
性格の対比概念として皆のためのマーベラス(余善)から自分のためのマーベラス(独善)→性格がメスガキになる
エクリプスがいたなというコメントが寄せられる→よって因子がエクリプスになった
ちなみにエクリプスの毛並みも栃栗毛らしい。 繋がったな
ちなみにエクリプスも小柄な体躯をしてたらしい。 繋がったな
どうしようこれ、コメントにいたアホ担当三女神が悪い
≫50二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:58:54
「一日好きに甘えるっちまう券」なるものを半ば強制的に受領した際にダイタクヘリオス担当チーフトレーナーが思い浮かんだ事柄は、この邪智暴虐なる肩たたき券の発行元を如何に迅速に叩き潰すかであった。
甘えるっちまうってなんだ、何故トレーナー限定なんだ、などなど、様々な疑問が脳裏に飛び交う中。元老翁が殊更疑問に感じたことと言えば。
「……儂で良いのか、ウラトレ」
「そうでなければ渡さないと思いませんか」
「いや、それはそうなんじゃがな」
何故にハルウララ担当トレーナーが、自分にその券の効果を適用することを求めたのか、であった。
否、決して解せない訳ではない。自分が偉くなる程甘えることが難しくなるこの御時世において、彼女程の才媛が甘えられるトレーナーなど如何許か。長老たる自分に白羽の矢が立つことは無理からぬことであるとヘリトレは黙して肯定する。
では、己が悩むこととは何か。それはこの愉快な才媛を如何にして甘やかすか、その手法についてであると元老翁の明晰な頭脳は結論付けた。
「あれかのう。要望を聞くべきかの」
「ではこの、シェフの気まぐれコースで」
「イタ飯屋の注文表を置いた憶えはないんじゃが???」
ひょっとしたらこの問答自体が彼女なりの甘え方ではないのか。
脳裏に走った思考を怠惰と切り捨て、ヘリトレは再度唸る。バカバカしい金券なれど、託された想いを軽んじてはならないと考える生真面目さは元老翁の美徳であり、最大の付け入る隙でもあった。
それでも今日は美徳が勝ったのか、ヘリトレは得心がいったとばかりに顎に添えていた扇子をぱちりと閉じる。
「然らば、家へ来るか」
珍しくきょとんとしたウラトレの顔に、ヘリトレは内心でほくそ笑んだ。
51二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:59:19
ヘリトレの邸宅は、その高名に対して些かこじんまりとしている。
盆栽と物干し竿を置く小さな庭があるだけの木造平屋建は、彼の直弟子なら一度は入ったことのある馴染み深いものだ。
少しの食料を散歩がてら買い求め、ふたりは思い出の積もった家へと帰り着いた。
「最近は儂ひとりであるから、少し埃っぽいやもしれぬ」
「ご謙遜を。小姑ごっこが捗らない手入れではないですか」
「そんなもん捗らんでええわい」
思い出を蚕食する埃は言うほどに積もっておらず、指で拭いてもこびり付くことはなかった。
几帳面な老翁のこと、身体が動く内は家の手入れを欠かさずにいるのだろうとウラトレは当たりをつけ、次いで割烹着姿のヘリトレに噴出しかけた。
「――先生?」
「あーよいよい。座っておれ。聞いておくが、蕎麦のアレルギーなどはなかろうな?」
「ああ、はい。大丈夫ですが」
「結構。では、手打ち蕎麦でも楽しんでゆくがよい」
そう言ってヘリトレは虎屋の羊羹をウラトレに差し出すと、黙々と蕎麦を打ち始めた。
蕎麦好きが高じて手打ち蕎麦を始めたことがあるとはオペトレから聞いていたが、人前に出せるほどとはウラトレも初耳であった。
「お料理、得意なんですか」
「トレーナーが手騎と呼ばれていた頃は、誰がウマ娘どもに飯を食わせていたと思う?」
「ああ……その頃は完全に自営業でしたものね」
「今は、かへてりあがなんでも出してくれる。楽になったものよ」
然れども、とヘリトレは蕎麦を打ち付け告げた。
52二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:59:45
「こうして飯を食わせることで、気づいたことも多くある」
「……それは、トレーナーとして?」
「人として、だな」
ふと、ウラトレはヘリトレの言葉が少しだけ若返ったことに気づいた。
昔を思い出しているのか、それとも敢えてそうしているのか。静かに語られる言葉に、ウラトレは耳を傾ける。
「時折忘れてしまうが、多くの生徒達は親元を離れた、ただの子供。
心身強いとはいえ、大人との触れ合いに飢える瞬間がある」
「それを支えるのが、トレーナーの務め……」
「然様。だが、時に思うのだ。我々はすべてが本当に、大人になったのだろうかと」
竹輪の磯辺揚げを揚げるぱちぱちという音が、まるで暖炉の火のようにウラトレの耳を擽った。
その語らいは、未だ老いて尚、己を律する生真面目な老人ならではのもので――耳の擽りが、少し邪魔に思える価値を秘めていた。
「老木に生える若芽と同じ。心の若きところは、何時とてあらわれる。
それを律するのは必要なことだが――時にはあやしてやらねば、壊れてしまう」
そう言って、出来たての蕎麦と磯辺揚げを差し出すヘリトレは、精一杯の背伸びをした少女のようでいて――相応の年月を重ねた、老翁のようでもあった。
「のう、ぬしよ。儂は御主が甘えるに足る大人であろうかの」
「……そうですね。今は、充分」
その言葉に、ただヘリトレはありがたいとばかりに頭を下げ、出来合いの小鉢を差し出す。
いただきます。という言葉は、ほぼ同時に呟かれた。
うまぴょいうまぴょい
53二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:03:44
作者コメント:ご指名の返礼として甘やかす方をお届けです
じじピの家は概ねサザエさんハウスの2/3くらいです
今はじじピひとりなので、割と広い様子。
煮物や汁物が沁み入るようになって感じるものですが
大人でも甘えたい時はあって、その中でも善い甘え方をしたときの充足というものは得難いものです
そんなひとときをご提供できるに足るものであったなら幸いと存じます
たのしかった!おやすみなさい!
≫61二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:50:13
「君いつも暖かくて優しい人だね。まるで春のお日様みたいだ」
冬の風が吹き抜ける街を横並びで歩きながら、何も特別なことじゃないという風にわたしに笑いかけてくれるトレーナーさん。その顔を見る度に、わたしは彼がまるで冬のお月様みたいだなと思わされる。澄んだ空に輝く月。どれだけ凍える夜にだって、どれだけ星の輝かない夜にだって寒さを忘れさせてわたしを照らしてくれる綺麗なお月さま。幻想的な彼の姿がわたしにはそう思えるのだ。
「そ、そうかなぁ?至って普通だと思うんだけど……。でも、トレーナーさんにそう言ってもらえるなんて嬉しいなぁ……」
彼の心から出てくる言葉が何だか嬉しくて恥ずかしくて、ついつい顔を背けてしまう。きっと、今自分は熟れたりんごみたいに真っ赤な顔をしているのだろう。でも彼に褒めてもらえるというのは自分が予想していたよりずっと嬉しいようで、自分の頬が緩むのが止められない。
緩む頬を頑張って圧し止めて横目で彼を見ると、彼は街並みを眺めながら自分の言った言葉を何も気にしてないかのような様子だった。
62二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:50:25
正直、彼はズルい人だと思う。
行動1つで、言葉1つでわたしの心をざわつかせたり、ぽかぽかさせたりするというのに本人はさも当然かのように何も気にしてないかのような態度をとるのだ。
それを見ているとなんだかモヤっとしてくる。なんとなくやり返さないと気が済まないような気がしてくるのだ。
だから──
「……っ!タンホイザ。一体何を……」
「あ、暖かさのおすそ分け……な、なんちゃって……」
──彼の左手をとって自分の外套のポケットに入れる。今までされた分のお返しにちょっとした悪戯をして彼の顔をちらりと見ると、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていて悪戯した少し恥ずかしくなってしまう。
恥ずかしくなった気を取り直して悪戯を続行する。ここで日和ったらやった意味が無いんだぞわたし。
彼の指に自分の指を絡ませる。
ポケットの中で触れた彼の手は冬の風にさらされ続けたせいか、氷のように冷たかった。何でもないかのような顔をしている彼も実際は大分寒かったようで、自分が指を絡めると絡ませ返してくれた。指を絡ませ合っているとなんだかもどかしいような嬉しいようなそんな気がして一度は引き締めた頬が緩んでいくのが感じられる。
「ふふ、君の手は暖かいね。せっかくだから、もう少しだけ手を繋いでいても良いかい?」
「ふっふっふ、トレーナーさんならOKですよ!」
「ありがとう」とという彼からの言葉を聞きながら少しだけスピードを落として寮への道を歩く。彼との時間が少しだけでも良いから伸びて欲しいと、そう思わずにはいられなかった。
63二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:57:14
気付いたら1000字超えてた
マチタンとムントレは書いてると湿度が出てくる。主にマチタン側から
没稿
わたしにとってのお月様。お空に居る手を伸ばしても届かない1人だけのお月様じゃなくて、今目の前にいる大切なお月様。あなたが褒めてくれた「温かさ」であなたを温められることが今は只嬉しく感じられるのだ。
≫66犬に叩き起こされた21/12/19(日) 05:01:56
こんな時間(3時)に目が冷めたのでせっかくだし夜食...いやこの時間だと朝飯だな
冷蔵庫にあった皮付き豚バラ肉を朝飯を作くろうと思う
「まずは沸騰したお湯に肉を投入する」ポーイ
「唐辛子、ブラックペッパー、ネギ、にんにく、八角、塩を加えて煮込む、大体1時間程だな」
「煮込んでる間は暇なので仕事なりを片付ける」
「良い感じに煮えたら取り出して皮にフォークなどで穴をあける、その後包丁で皮の表面に1cm角の切り込みを入れ皮の表面に酢と塩を練り込んで乾燥させる、大体3時間も風通しの良いところに置いとけば乾燥するのでその間に残った仕事を片付けつつ朝飯を食べる」
マタナンカツクッテルヨ
アサカラゲンキデスワネ
「肉の水分が良い感じに飛んだら肉が浸るぐらいの油で皮がカリッとするまで揚げていく」ジュ~
「よし、皮はパリパリ、中はジューシー肉汁たっぷり脂とろとろに仕上がった」
「米と野菜を足せば...完成!カリカリ皮のクリスピーポーク!」
────────────────
オチは無い
≫98二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 09:51:41
───雪の降る寒い日に
「冷える日ね…」
雪の降り積もる外で、キタトレは街を歩きながら白い息を少し吐いた。そして街は所々にクリスマスの様相を呈している。
「そういえば、クリスマスも近いわね…プレゼントの一つでも皆にあげようかしら。」
そう言ってマフラーを手で直しつつ、いつもより厚手のコートと手袋、スボンを着たキタトレは肩に積もった僅かな雪を払う。
(何をあげようかしら…全員分だからホールケーキでも買ってミニパーティみたく?いや、他にもあるわね…)
そんなことに悩みながらトレセンへと歩く。ふと看板に映るサンタコスやらを見て、キタトレは閃いた。
(…サンタコスでもしてみる?クリスマスまでには今から注文すれば普通に間に合うけど…まあ、少し恥ずかしいかしら…)
一旦考えを打ち切って、日中だというのに雪で暗く感じる中を急いだ。
───トレセンの周りで
「…キタ、自主トレかしら?」
キタトレは雪だと言うのに自主トレをしていたキタを見つけて声を掛ける。白い息を吐いてキタは駆け寄ると
「そうだよトレーナー、そろそろ終わろうかと思ってたんだけど…」
「熱心なのはいいけど、体は冷やさないようにね。とりあえず…」
首に巻いていたマフラーを、伸ばしてキタの首にも巻く。たまたま長いやつを持ってきて良かったとキタトレは思った。
「えへへ、温かいね」
「そうね…」
二人で敷地を歩きながら、キタトレはキタの頭に積もった雪をポンポンと弾く。ついでに自分のは髪をほどいて吹き飛ばす。
ついでに雪がふちに乗ったモノクルも一旦外して、ホッと白い息を吐けばまるで別人のようだった。
「トレーナーが髪を下ろして歩くと、なんかいつもと違う雰囲気がするね」
「ふふ、あまりほどいているものではないからね。…そうだな、久しぶりにこっちで話してもいいか」
周りに人がいないことを確認して、口調を元の男性口調に切り替えるキタトレ。
「…トレーナーさんがそっちで話すのって中々ないもんね、どっちが演技なのか分かんなくなりそうかな」
「はは、そうだなキタ。…所で、クリスマスにサンタコスでもしてみようって思ってるんだが…キタはどう思う?」
「う〜ん、あたしは良いと思うよ?」
「そうか…なら頑張ってみるか」
99二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 09:52:05
───後日、本当にサンタコスをしたキタトレに、チムメンとそれを見た人達はピシッと何かが突き刺さったのだった。
短文失礼しました
雪の降る日に二人でマフラーを巻いたり、会話してるキタトレとキタです。どんなサンタコスは皆様の想像にお任せします。
キタトレは演技でこの話し方をしてるので戻すことは別に出来ます。ただ、女性口調の方がしっくりくるようになってますが。
≫111黒とネイと折り紙 1/521/12/19(日) 10:35:40
悲しいことだが……人生、生きていく上で「あぁ、この人とは一生関わりが無いんだろうな」という人は必ず出会う。これは仕方の無いことであり、絶対に誰しもが経験することだと思う。
俺、黒髪のカフェトレの場合はナイスネイチャ担当トレーナー、ネイトレさんがそれに該当した。
彼女は社交的で、愛想も良い。全くもって俺とは正反対、オマケに話す機会も無いと来た。こちらから積極的に話しかけに行くことは無かった、なぜなら話題にできるようなことが無かったから。なので顔は見ることはあるものの、すれ違う日々を過ごしてきた。
だからきっと今後、彼女と交流することなど……
「あの……折り紙を教えてくれませんか?」
……意外な形で交流する機会ができた。
「え?お……折り紙ですか?」
「はい、黒カフェさんは折り紙が上手いって聞いたので」
「……誰からですか?」
「え?ネイチャから聞きましたけど」
俺は折り紙を折ることをあまり公にしない。自慢することでもない、と自分で思ってるからだ。特技としては地味すぎるし、ここから話題が広がるところが想像できない。少なくともこの学園に来てからは一回も話したことが無いはずだ。
しかし、なぜか俺が折り紙を折れることが広まってるらしい。どこから漏れたのだろうか?……まぁ隠す必要もないしいいか、と思考を切り替える。
それにネイトレさんは折り紙を結構折ると聞いたことがある。断る理由も無い。
「いいですよ、僕が少しでも力になれるなら」
「本当ですか!良い人だぁ……!」
「ふふ、僕も久々に折りたかったのでちょうど良かったです。それで何を折るんですか?」
「あ、えっとですね。ツルを折りたいんですけど上手くいかないんですよね。特にあの……広げるところ?」
確かにツルは初心者が1番つまづきやすい、言うなれば “折り紙の初見殺し” だ。俺も初めて折った時は凄く苦戦したな、と思い出す。ネイトレさんが折れないのは少し…意外だったが。
「あー。ツル難しいですよね、わかりますよ。じゃあ折れるところに移動しますか」
「ありがとうございます!助かります!」
112黒とネイと折り紙 2/521/12/19(日) 10:36:23
────別室にて
「……で、ここまでは行けるんですけど、この先がよく分からなくて……」
そう言ってネイトレさんが手を止める。やはり俺が思っていた場所でつまづいていた。
そこは折り目が重要な箇所、大体初めてツルを折る時はみんなここで止まってしまう。かくいう俺も昔、この箇所で心を折られかけた。上手く教えられるか心配だが……どうだろうか。
「えーっとですね、ここを折るには折り目が大事なんです」
「折り目……なるほど?」
「この広げるステップに入る前に折り目を3箇所付けますよね?ここを意識して折ってみてください」
「うーん……分かりました」オリオリ
「あ、上の折り目は特に気を付けてください。そこをちゃんと折るかどうかで変わってきます」
「なるほど……」オリオリ
「……こうですかね?」
「バッチリです!じゃあ広げてみてください」
「………あっ!行けた!できました!」
「良かったですね。じゃあ、後は手順に沿って折るだけです。」
「よかったぁ~」
なんとか完成まで導けたことに一安心する。ネイトレさんが作ったツルは少しよれて不格好だが、真心がこもってるのが分かる素晴らしいものとなった。
よし、じゃあやることやったしこれで終わりだな。……と考えていたら、ネイトレさんが渇望の目でこちらを見てることに気付く。
「……黒カフェさん、黒カフェさんはやっぱり難しいツルとか折れるんですか?」
「え?あー……上手く折れるかはわかりませんが、それでもいいなら……」
「やった!是非お願いします!」
まぁ、こうなるか。俺も逆の立場だったら恐らく同じことを言ってるだろう。
難しいツルと聞いてなにを折るか考える。二足歩行のツル……いや、あれは気持ち悪いからやめよう。なるべく万人受けが良さような……
「……よし」オリオリ
113黒とネイと折り紙 3/521/12/19(日) 10:37:08
「うん?これ……かざぐるま?じゃ無いですか?」
「ふふ、こっから見ていてくださいね」
114黒とネイと折り紙 4/521/12/19(日) 10:37:44
「こうやって折るとですね……」
「……おぉ!ツルが出てきた!」
「えぇ。“キャンバスのツル”です、良ければどうぞ」
「すごいすごい!何から何までありがとうございます!」
115黒とネイと折り紙 5/521/12/19(日) 10:38:22
「いや~、ネイチャ喜びますよコレ。黒カフェさん、やっぱりカフェさんにもよく折ってあげてるんですか?」
「え?あぁー……いえ、あんまり……」
「えぇー!?もったいないです!絶対喜んでくれますよ!」
「そ……そうです……かね?」
「当たり前ですよ!私がこんなに嬉しいんですから、担当トレーナーからもらえたら数倍嬉しいに決まってますって!」
「あっ、ごめんなさい!私、この後用事あるんで失礼します!本当にありがとうございました!」
そう言って彼女は会釈し、嵐のように去っていった。……意外と慌ただしいのだな、と思った。
初めてまともに話したが、やはり気さくで会話がしやすかった。ああいう人のことを世渡り上手というのだろう。俺もネイトレさんと話せてよかったと思う。
話す前の彼女のイメージと言ったら、噂として広まったあのことしかなかった。
……ネイトレさんとナイスネイチャの関係のこと。きっと二人の関係は、トレーナーとウマ娘の理想の一つなのだろう。
俺とカフェは彼女たちのような関係にはきっとならない。だが……しかし俺はカフェの夢をサポートし、違う理想を掴みたいと思う。十人十色、皆が皆同じ道を行くわけではないのだから。
「……カフェ、“キャンバスのツル”気に入ってくれるかなぁ」
────そして俺は理想に近づく一歩をまた踏みしめた。
- 終わり -
116二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 10:38:56
以上、すっごく遅れてしまったネイトレさんとの折り紙SSでした。申し訳ない。
このSSを書くにあたって久々に折り紙折ってきました。みんなも折り紙、折ろう!!
最後にオマケ置いておきますね。
≫163二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 12:37:38
「ハロートレーナー」
「げ」
「げ、とは失礼だな。ところで、今日は何を食べたんだい?」
「今日はしっかりお弁当たべたよ。フジトレさんが作ってきてくれたやつ」
「………」
「何で黙ってんの?」
「じゃあさっき部屋の冷蔵庫にあった弁当箱は?」
「………」
「なんで黙っているんだい?ミスター失敗さん?」
「………」
「本当は何を食べたの?」
「…グミ…あと…チロルチョコ二つ…」
「他には?」
「…あと…炭酸水の500のペットボトルのやつ…」
「なるほど…じゃあ、あとはよろしくね」
「よろしくって…え…なんでタキトレさんが…マルトレさんとフジトレさん…フウトレさんも…こんにちは…ってなんでそんなぶっとい縄持ってるんです?」
「養護教諭として見逃せませんからね」
「シビトレちゃん?お弁当、きちんと食べてって言ったよね?」
「シビトレさん、きとんとご飯を食べるかタッちゃんの刑か、選べる?」
「お姉さんねえ…ちょ〜っとだけ怒っちゃうわよ?」
それを見た瞬間、シビトレは窓から飛び出て逃げだした。
その後2時間に渡る全力鬼ごっこが開催され、彼女らの担当ウマ娘や生徒会組の参戦の末にギリギリお縄にかかったそうな。
シビトレは隠していたお菓子を全て没収された。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part572【TSトレ】
≫78二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 13:55:10
『うどんVSそば』
「うどんの魅力にひれ伏せー」
「🍜」
「帰りてえ」
「呼ばれれば仕方ありませんからね、今日は勝たせてもらいますよ」
「今日は勝たせてもらうぞ」
「そばの魅力を舐めるな!……なんで俺呼ばれてるんだ?」
「さあ、それはわからない……だが先生と戦うなら全力を出さないとね」
「そばは良いよ……とても良い」
「何この……ナニコレ」
「なんか年越しにはうどんかそばかって話なのよ。で、料理人ポジとして俺とヒシトレ、あといつものようにマヤトレが審査員席に呼ばれたわけだ。ウラトレ先生は今回参戦してるし」
「理由の開示を要求したいんだが」
「なるほど……?ところでブラトレ、なんかただ単に巻き込まれてる人が数人いるけど?」
「まあそういうこともあるんじゃない?適当な理由で巻き込まれるマヤトレみたいなのがいるわけだし」
「みたいなの扱いはひどくない?俺これでも傷つくんだぞ?」
「傷が付きまくって逆に強固になったやつかな」
「まあマヤトレの扱いは置いておこう。何して戦うのこれ」
「……料理?」
「ちょっとこれクッキングスキル強者がそば側に偏りすぎでは?」
実際のところはただのうどんそば品評会みたいなものであった。うまぴょいうまぴょ78
≫146二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 15:49:14
ネイトレ「ウ・ラ・オ・モ・テ」
ネイチャ「……お持てなしパロなら、そこはオモテウラじゃない?」
ネイトレ「〜〜〜〜〜〜!!??!?(悶絶)」
↑腹芸なんてできない。多分全力で隠し事したのは掛かりにもとづく一週間だけ
ウララ「トレーナーは隠し事ある?」
ウラトレ「はい。実は……」ゴニョゴニョ
ウララ「え〜〜〜〜っ!!?そうなのーっ!?」
ウラトレ「うふふ。もちろん嘘ですよ」
↑隠し事だらけ。でも誠実であろうとはしている。普通そんなもんです
タイキトレ「ふっ、いっぱい悪いことしてきたぜ」
タイキ「ノー。ウソをついてる味デース……」
タイキトレ「……今日のBBQのお肉、そんな味なの?」
タイキ「でもソー・デリシャス!」
タイキトレ「ウソ味って美味しいのかー。あらま、ホント美味し」
↑流されるままに話題があっちこっち飛ぶ人。裏表なんてないない。おっとやっほいブラトレさん、お肉いかが?
≫147二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 15:56:31
シービー「隠し事、あるかな?」
シビトレ「シービーにはちょっとだけ…ごめんね?」
シービー「大丈夫だよ。おいおい知っていけばいいからね。他のトレーナーの人たちには?」
シビトレ「…………」
↑
こんな感じ。まだ他のトレーナーと腹を割って話せる相手はいない。
タマトレ「………」
タマ「なんや?何でこっち見とんや?」
↑
秘密だらけ。タマにも知らない事たくさん。
≫150二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 16:04:35
ブラトレ
「隠し事なー、隠し事……ああ、昨日ブライアンに作ったハンバーグには結構な量のすりおろし玉ねぎをぶちこんだかな」
「道理でいつもより味が違ったわけか……」
「美味しかったろ?」
「……まあ、な」
↑全力で隠す様なことはほとんどしてないです。ゲーム的な駆け引きは上手
ベガトレ
「ふっ、隠し事ね……昔赤点のテストは何枚か隠したことあるわね」
「……バカじゃないの?」
「言うじゃないベガ、もう時効よ時効!まあバレっバレだったけどね」
↑隠し下手。ゲームの駆け引きならそこそこ上手いんだけどねえとは本人の談(なお下手)
バントレ
「当然、個人情報に関わるものなどの秘密は抱えていますよ?ですがそれは一般常識のことですから」
「アタシも聞けることは大体聞いたことあるっスからねえ……」
「仮面の下?いやあそれは秘密というよりは……勘弁して欲しいところですね」
↑現在仮面の下はなるべく秘密にしたい状態。それ以外なら一般常識的な部分でいくらでも受け答えします
≫151二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 16:30:33
ケツ上
「隠し事……ですか。正直言ってまぁまぁにはありますよ」
「トレーナーさん……いつになったら私にもタメ口で話してくれるんですか……?」
「え?あー、あはは。まぁ……そのうち?ですかね?」
「……絶対…ですからね」
↑隠し事があっても心から信頼し合ってる、そんな関係が好きなのです。
ケツ上とお友だち
「おーい!!なんで僕には敬語使わないのさー!!カフェをここまで導いたの、僕のおかげなんダヨー!?」
「おう、まずは俺の足から離れろ」
「やダネ!!」
「見えてない時は違うイメージだったのになぁ……」
↑腐れ縁。口には出さないけどお互いに実力を認めあってる、つまり2人とも隠し事してます。
≫153二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 16:37:59
スズトレ「いつもはゲームとかそういうのじゃない限り隠し事はあんまりしないはず……」
スズカ「……他のトレーナーの人に何か起きるたときは辛いの隠してますよね?」
スズトレ「それは……うん……でもいつもあまりないのはホントよ?」
スズカ「分かってます。あまり抱え込みすぎないようにしてくださいね。」
「うん、ありがとう。」
↑軽いのは隠さないけどヤバいのは1人で抱え込みがち。ただしスズカには全部見抜かれてるし、さらにヤバくなると一部のトレにもバレる。(まともトリオとか28歳組とか)
フウトレ「……ないと言えば嘘になるわねー。しない方だと思うけど。」
アイネス「嘘も苦手だもんね、トレーナー。」
フウトレ「そうそう。まあ聞かれたらよほどの事じゃない限り答えるわ。」
↑意図して隠してることは少ないけど聞かれなきゃ言わないこともそこそこあるタイプ。聞かれさえしなきゃかなり隠すのは上手い
≫154二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 16:40:21
ルドトレ
「……隠し事?うーん……」
「……トレーナー君?」
「ああ大丈夫大丈夫。みんなにはちゃんと隠してるから」
監禁とかトレセン外の友人相手に近況を伏せてたりとか割と隠し事は多いイメージがある。というか、下手したらルドルフにすら明かしてないこともあるかもしれない
≫155二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 16:43:53
クリトレ(小):隠し事がヘタ。すぐ顔に出るのでわかりやすい。
「最近の隠し事ですか? ナイショですよ……実は4ピース入りのケーキを先日買ったんですが、3人で分ける前に1ピース食べちゃったんです」
「……勿論姉さんとクリークにはすぐバレました。挙動不審になっちゃったのと中の苺の存在を喋っちゃったんです」
「二人は笑って許してくれましたけど……うぅ、今思い出しても恥ずかしい……」
バクトレ:隠し事と共に生きている。ただし何を隠しているか気づいた上で、隠した中身を聞けば教えてくれる。
「隠し事は沢山ありますよ。記者だった頃のモノからつい昨日のモノまで。いくつかは守秘義務がありますね」
「何を隠しているか、については黙秘させて頂きますが、隠した中身について知りたいなら回答しましょう」
「……"両目を開けて見せてほしい"という要求以外は、ですが」
≫156二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 16:51:21
フジトレ:
「隠し事……したいししようとしてるけどフジには全部見抜かれてるからなぁ……」
「……迷惑だったかな?」
「いや、有り難い限り、……と言いたいとこではあるけど。正確には半々くらい?」
エルトレ:
「まあ色々あるよ。色々」
「……(トレーナーが心配だけど聞くに聞けないという顔)」
パマトレ
「トレーナー、ある?」
「ナッスィン!!!」
157二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 16:55:17
カレトレ
「隠し事かぁ……ふふっ、どうだろうね?(隠し事かぁ……こんな感じで表に出せないのは隠し事といっていいんだろうか)」
「よくわからないことも私の魅力……なんちゃって☆(あ、よくわからないことも私の魅力……なんて)」
「いやうん……今のはお姉ちゃんの真似してみたかっただけ……かな……(いやうん……今のはカレンの真似をしてみたかっただけです……はい……)」
↑カワイイ言動で隠されてるように見えて割と直球な言動してる。あと何か隠し事があるほどの背景も無ければそもそもカレンチャン相手に隠せるわけも無し。たぶん戸棚の裏とかに隠す本とかだって全部バレてるしこれは同僚とかにもバレてそう。
でもカレンチャンと同じく本当に重要な弱みは他人に見せず徹底的に隠すタイプではある。
158二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 17:30:14
タマトレ
「隠し事?そりゃあるよ、色々と...」
「うちにも話せんのか?」
「大人には誰にも言えない事が1つや2つあるんだよ」
軽いものから重いのまでチラホラ
自衛隊に関する事、恋心
チビ達のサンタやってる事とか
家の地下収納にスロットの実機があったりとか
実はノーブラだとか
159二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 17:31:21
ウオトレ(親父)
「隠し事、隠し事かぁ……細かいのは幾つかあるな。デカいのとなるとあんまりないかなぁ」
「へー、そういや相棒ってホウレンソー、だったっけか。意外とそこら辺キッチリしてるよな」
「報連相な。まぁ昔師匠に嫌という程叩きこまれてな。大事なことはちゃんと言っておくことにしてるんだよ」
「ちなみに今隠してることと言えば他の奴に秘密でちょっとお高めの店に行ってきたこと。そうだ、美味しかったから今度皆で行こうぜ」
「相棒……!」
↑
隠し事は人並みにするけど、大事なことはちゃんと言うように師匠から叩きこまれている。
隠すのは凄い下手だが、話すことでもないだろうと考えている小さなことなら普通に隠し通せる
ギムレット
「……」
「どうした息子よ……何か気になることでもあったか?」
「だから息子じゃねぇって。そういえばお前ってどれぐらい隠し事とかしてるのかなって気になっただけだよ。トレーナーにも聞いたけど、お前にも聞いておこうって思ってさ」
「人並程度だな。生きてりゃ誰だって人に言えないことの1つや2つ抱え込むもんだ」
「……本当かぁ?」
「本当さ。ただなウオッカ、これだけは約束したって良い。たとえ世界の全てがお前の敵に回ろうとも、俺と相棒はお前の味方だ。それだけは変わらん」
「ギムレット……」
「まぁ小さいのだともう100は超えてるけどな。たとえば自作したにんじんプリン独り占めにして4人分喰ったとか」
「ギムレット……お前この空気でそれ言う?」
「今なら言っても許されると思った。後で作ってやるから気直してくれ」
「お前なぁ……」
↑
実はまあまあな秘密主義。言うことでもないから話さないというスタンス。
でもウオッカがこの世で一番大事。でも時々ズルをしたのを隠していたり。
160二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 17:32:14
マルトレ「隠し事……実はクローゼットに電子化したあと使わないトレーニング資料とレシピメニューの、一応データ飛んだ時用の予備で取って置いてあるダンボール沢山あるんだけど、その下にエロ本の入った段ボールがある」
≫165二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 17:49:44
クリトレ眼鏡
「隠し事は無いわけではないです」
「話してくれないんですか?」
「そんな顔しても駄目なものは駄目ですっ!」
チヨトレ
「親しい人には大方喋っていると思いますが、全てではないですね」
「プライベートがありますもんね」
「ええ、何でも話すべきではないと思います」
タボトレ赤
「余計な事は話さない。知らなくても良いこともあるからな。」
「???」
(ターボはそのままでいてくれ…)
パルトレ
「あるわよ。興味あるの?」
「無いと言ったら嘘になるけど、やめとくわ」
「賢明ね」
≫170二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 18:20:23
セイトレ
「トレーナーさんは隠し事してたよね?他に何かあるんじゃないですか~」
「……一応?話さない方が良い事とか、話しても面白くない事はあるから」
「気を使ってくれてるのはわかりますけど、もうちょっと信用して貰いたいなーなんて」
「次からは大事な事はちゃんと話すから……。隠してる側もキツイし」 ツギナンテナイホウガイイケド
「ありがとうございまーす、ところで朝のご飯とか隠してないなら教えてもらえます?」
「お湯、炭火の匂いが良い感じだった」
「いやいや、食べた内に入らないって!今から食べにい行きましょう?」
追伸
変なご飯ネタが尽きました。
失敗料理含めればまだあるけどギリギリ食べれるライン越えそうで困る(ご飯残したくない)
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part573【TSトレ】
≫97二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 20:26:31
明くる日のこと。
俺はハヤヒデさんに"あるもの"を見せることにした。
「なあハヤヒデ」
「どうした、トレーナー君」
振り向いたハヤヒデさんが可愛いが、まあそれは当たり前なので無視する。見返り美人、って奴かぁ?
「これ、ルドトレさんに貰ったんだけどよぉ、二人で行かないか?」
そう言いながら出したのは某遊園地のチケット。
「ほう?また何故君が……?」
「この前生徒会のお手伝いしただろ?だからルドトレさんが御褒美にって俺に手渡してくれてよ……あ、ルドトレさん曰く"チームのみんなの御褒美に人数分取ったつもりだったけど、二枚余らせてしまったからお手伝いしてくれた二人にプレゼント"らしい。だからよ、二人で行かないか?」
そうして、ハヤヒデさんは少し悩んだあと一言。
「わかった、行こう。ところで予定だが……」
「あ、それなら次の週末空いてるだろ?ハヤヒデさんがよければそこで行こうかなーって」
「ああ。私は大丈夫だが……」
「いよっしゃあ!何着て行こうかなー、って!今の俺ならあのメンコ付けられるんじゃね!?」
「……全く、君というものは……」
────結局、前日は興奮して八時間しか寝られなかったけど遊園地は楽しかった。
≫138二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 20:52:50
「FALLGUYSにどハマりする前にやめました……FPSは普通に苦手」
「人狼系もしっかり弱かったし……なになら強いの」
「……塊魂」
「対人ゲームでですよ?」
「す、数独とかのペンシルパズル……!」
「……ごめん」
「……勝てないのネイチャ。私、接待抜きで対戦ゲームで人に勝てたこと、記憶にっ……」
「ごめんトレーナーさん。ネイチャさんが悪かった」
≫164二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:05:56
後編・上
- 一時の平穏【下弦の月-月齢22-】
――pppppppppp
カーテンからすり抜ける陽光とけたたましく鳴る目覚ましの音でゆっくりと目を覚ます
「うぅんー、」
とりあえずにと目覚ましを止め、気持ちのよい二度寝を決め「おっとあぶなーー」
……ようとしたがなんとかとどまった。
寝起きの支度をしながら、昨夜までの記憶を整理する。
「あのあとはー、そうだマヤトレ達とあって……そのまま家に帰って疲れて眠っちゃたんだー。
そうなると、森へ行った先はゆめだったのかなー、うーんなにがあったかは朧気にしか思い出せない。ウマソウルと合ってー……。」
そうこうしてる内に支度を終え、姿見の前で体を見回す
「ふーむ、特段変わった様子はないなー。うん、マーベラス☆」
とここで一つあることに気づく、昨日まであった走行欲がなくなっていたのだ。
「あれ、なんで?たまたま?もしかして今日の夢が何か功をそうした?」
そうして不安と安堵を混ぜ一日を終えた。
165二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:06:09
――そこから数日はいつもと変わりない平和な日常であった。
トレセン学園は時折、変な現象を交えながら日々を流れていく
――
――「やっほーマヤトレー」「おう――」
――「学園マーベラス計画の時間だー」「!?――」
――「ロブトレーオススメのファンタジーがあったら教えてほしいなー」「それならばこんな本はどうですか。これは――」
――「マべトレさん。ウマドルになりませんか。」「それはきっとマーベラスだね――」
――「リャイトレ今日もマーベラス☆」「ダイエットを始めたんだってな。運動は大事だが走り込みのみだと筋肉のバランス――」
――「君たちのマーベラスについてだがもっとロジカルに」「えっとね――」
――「あのねースズトレー。お願いがあるんだけどー」「ええ。いいわよ――」
――『今度はトレーナーたちが犬に!!』『今度は服がバニーに!!』
――
――
166二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:06:19
- 銀環の目覚め【有明月-月齢24-】
その日、マベトレはマーベラスサンデーと供に、併走トレーニングをしていた。
このときの内容は後半の仕掛けのタイミングとそこからの加速の練習だった。
「じゃあー私が思いっきり早めに仕掛け始めるから、マベはペースを崩されずにいつも通りマーベラスにお願いー☆」
「うん☆ずばっとむぐぐーのどぴゅーんだね!!!」
そうしていつもどおりマーベラスサンデーが先行していく
私も後から追いつくように駆ける
そうして二人でコースを6、7割方進んだところでいち早くスパートを仕掛ける
このペースで走るウマ娘なら普通はありえないタイミングだが、あえてスパートずらしてかけることで自分のペースに持っていく戦法あるという
これはそれに惑わされずに自分のペースと周りのペースを天秤にかけるトレーニングだ。
167二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:06:33
……ある程度距離を離したところで、差が開かなくなる。いくらウマ娘になったからといってこのスピードが私の限界だ。
「んん~~マ~ベラスッ☆!!!!」
マーベラスサンデーが仕掛け始め、差が縮まってくる。
あとはこのまま、マーベラスサンデーが追い抜い、
「「ドクン」」
突然の衝撃とともに心臓が高鳴り始めた。
「「「ドクン」」」
二度目の衝撃で景色がゆっくりと流れる。
「「「「ドクン」」」」
三度目の衝撃と共に内々から本能から語りかけてくる
ま け た く な い と
「はああああぁぁぁっっっっ!!!!!」
――
――
――
168二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:06:45
――ゴール板に見立てた旗を先に通過したのはマーベラスサンデーだった。そこから数バ身離れてマベトレが通過する。
「はあっ……はあっ……いまのは……」
「大丈夫?トレーナー?少しお疲れ気味?」
「ううん、大丈夫だよー、それよりもすっごくよかったすっごくマーベラスだったよー☆」
「きゃは☆元気になった★よかった!!」
「(さっきのはウマソウルの…………でも抑えつけたままでは今までと……マーベラスな解決法は……そのためには……)」
暫く考えたのちにマベトレの答えは決まる
「じゃあ感覚を掴むために少しの休憩の後、もう数本やろうかー☆」
「マーベラス!!!」
休憩をはさみつつ二本目、三本目……とマーベラスサンデーとマベトレの練習は続く、そして次第に併走練習とはさながらの勝負になりつつになった。
最初はマベトレが数バ身と離されていたタイムだが、回を重ねるたびに2バ身差、1バ身差、と差を縮めていき、
体力や時間の関係上、最後の併走となった回はクビ差というほぼ同着で終えた。
「すごーい!トレーナー!!いつの間にこんなに早くなったの!?マーベラスだよ☆★」
ほぼ同着されたことで興奮する様子のマーベラスサンデー、その横でマベトレはぽつぽつと独り言をつぶやく
「あと少し、もう一歩であの太陽に手が……」
「トレーナー?」
マべトレは声をかけられるとはっとする
「あ、ごめん少しボーッとしてたみたいー。もうこんな時間だし軽めの整理運動をして終わりにしよっか☆」
「うん。休息は大事な栄養素!!トレーナーもしっかり休んでマーベラスを補給しないとね☆」
169二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:06:54
- マベラスエクリプス
運動場から学園へ戻る途中、マベトレは先程のトレーニングの内容を反芻する。
しかし、反芻してる内容はマーベラスサンデーのことではなくではなく自身についてだった。
「悔しい……口惜しい……くやしい…………」
「トップスピードが……スタミナが……途中の姿勢が……いや、そもそも変則的な勝負ではなく、最初から本気の勝負だったならば私が勝て……」
自身の必勝法が出かかったところで冷静さを取り戻す。
「何で……マベのことじゃなくて、私が勝てるかどうか考えてるんだ?」
大変にまずい、考えが、思考が汚染されている。
「私はトレーナーなんだからどうすれば、マーベラスに、
どうすれば"皆"がマーベラスな結末にできるんだろうー、どうすれば……」
マベトレは、頭を抑え、必死になって苦悶する。そのとき……
「「「「ドクン」」」」
四度、遠雷のような鼓動がなった。 それとともに、いままで覆っていた霧が晴れ、透き通った脳内に一つの答えが浮かび上がる。
マベトレは目を開く……
――道筋が視えた
――天啓を受けた
――答えを獲た
「なーんだ、簡単なことだったんだー★」
170二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:07:04
解決へ糸口を見つけたことで、るんるんとした足取りで学園へ向かう。
「やることがたくさんできちゃったなー。」
少し長い旅になるが、"私"ならば叶えられる叶うはずマーベラスに。
「よう!」
そのときある声に呼び止められる。振り向くと声の主の姿が見える……マヤトレだった。
「どうした?マベトレなにかいいことあったのか?」
「うん!マヤトレ。今日もマーベラスだよー!!」
「最近何かと悩みを抱えて調子が悪そうだったからな、よかったよかった。」
「やだなー。私はいつもマーベラスだよー★」
171二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:07:16
……しばらく世間話をしているとマヤトレはマベトレのニヤけ付いた表情が気になり問いかける。
「さっきからニヤニヤして、言いたいことがあるなら言ったらどうだ?」
そう問われるとマベトレは、タッタと小気味のいい音をたててマヤトレの前まで走ると、くるっと振り向き言った。
「そうだねー★。マヤトレには特別に教えちゃう~。私ねぇトゥインクル・シリーズに出ようと思うんだ~」
「……はぁ?何言ってるんだ?」
マヤトレの目の前で嬉しそうな表情で両手を広げ告白するマベトレ。マヤトレはその突拍子な告白に困惑の表情を隠せない。
マべトレはそんなのをお構いなしに続けていく……。
「トゥインクル・シリーズだよ~ひょっとして知らない?……クスクス、大丈夫ちゃーんと教えてあげるよ。
私ね、考えて考えてね気づいちゃったんだ~★皆が皆マーベラスになれるわけがない。勝負という荒波に飲まれ勝敗という裁定が下る。
勝てば官軍とはよくいったものだよね~。負けちゃった方の気分は、こんなにもすぐれない皆こんな気分だったんだって。
でもね、これからはそうはならない。私がその皆になればいい、勝って勝って私がマーベラスを集めればいい。私自身がマーベラスになればいい。
これが皆マーベラスになるたったひとつの冴えたやりかたなんだー★って、名前もねちゃ~んと考えたんだ『マベラスエクリプス』いい名でしょ★」
「……大丈夫かマベトレ、やっぱり熱でもあるんじゃないか?それとも……」
マべトレは踊るように近づき、マヤトレの口をふさぐ
「ううんー。私は正気だよー★、ちゃ~んと以前からの記憶もあるし、自我だってね地続きで存在する。」
「マべトレはそれでいいとして、マーベラスサンデーはどうなる。放り出すってのか?」
「ううん。もちろんそんなことはしないよー★だって私はマベのトレーナーだよ?自分のこともマベのことも両方する。じゃないとマーベラスでないでしょ?。」
マべトレは何を当たり前のことを聞いてくるんだというような顔をする。そして何かを思いついたのかマヤトレに問いかける。
「あ、そうだ!マヤトレ!!"私"のメイントレーナーにならない?マヤトレだったら私大歓迎だよー★。」
「――いや、お断りだな。」
「………………」
「あーあ、ふられちゃったなー。でもしょうがないかー。……?」
172二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:07:33
- ターフにて待つ
マヤトレとマベトレが会う少し前、彼らの担当ウマ娘達であるマヤノトップガンとマーベラスサンデーもまた別のところで偶然と出会い、本日の出来事について話し合っていた。
「それでね。トレーナーの走りもねマーベラスだったんだよ!!」
「へぇ~マベちんのトレーナーさんも頑張ってるんだね。でも、あれ?マベちんのトレーナーさんって」
「今もね、マーベラスになろうと頑張ってるんだよ!!辛いことから目を背けずにね。そんなのマーベラスだよ☆★」
「マヤね、少し様子を見に行ってもいい?」
「うん!。んんん~あっちのほうにマーベラスの反応!!」
「――テイクオーフ!!」
――――――――――――――――――――――――――――――
173二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:07:43
「あーあ、ふられちゃったなー。でもしょうがないかー。……?」
時系列は戻り、マベトレとマヤトレのところにマヤノトップガン達も合流をする。
「マベトレさーん!あ、トレーナーちゃんもいっしょだ!!」
「こんばんマーベラス☆」
「マヤノにサンデーか。なあ、マベトレの様子がさっきからおかしいんだが、何があったか知らないか?」
「マベちんの話だとトレーニングの途中から雰囲気が変わった様子なんだってー」
「そうなのか。」
「もう、マヤトレはひどいよー★おかしい人扱いなんてー、でも、ちょうどよかった。マベあなたに真剣勝負を申し込もうと思う
デビューする前にまずはマベに勝たないとねー★」
「えぇ!?」
「お前!?」
驚くマヤノトップガンとマヤトレ、それに対し果たし状を受け取ったマーベラスサンデーは嬉しそうに答える
「そのマーベラスな挑戦受け取ったよ!!」
「マベちんはそれでいいの?」
「うん。トレーナーはマーベラスを探して頑張ってる。それを止めようとする権利はないよ!
それに真剣勝負ってめったにできるじゃない。ぶつかり合いのマーベラス☆熱い勝負のマーベラス★☆」
「わかった。マベちんのこと信じるよ!」
「マベならそうこなくっちゃ★」
「トレーナーはキラキラなマーベラス見つかった?」
「……ううん。違うよ!マーベラスは見つけるものではなく奪い取るものだってね★
日程は5日後、レース条件はそうだねー2000Mこれでどう。そこでマベ、貴方に勝つ」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part574【TSトレ】
≫31二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:38:23
夜、明かりのついたトレーナー室で
「えっと…ここで5番が仕掛けて…」
…ノートに書き込んでいるのはサトトレ───ただ車椅子に座ったまま器用に片手で───今日のレースを研究して書いていた。
「…ふぅ、とりあえず8割は出来たかな?」
ノートを机に置き、隣に開いてあった資料、今までの研究したものを書いたノートやレースに関する書類を閉じる。
「…何年も続けてると癖になっちゃうかな、スズトレに原本は渡してあるから、今あるのはコピーだけど。」
ぱらり、ぱらりとノートをめくり、駆け抜けきた足跡を辿る。ダイヤの担当になってから続けたそれは何冊と積み上がっていた。
「…うん、ダイヤのお茶はいつも美味しい。僕が勝手にしてることだから、別に気にしなくてもいいのに。」
『今日の分です。熱いので気をつけてくださいね♪』と書かれた紙とともに用意された水筒のお茶を飲んで落ち着く。
(ダイヤが寮にいなくて深夜まで寝なくてもいいなら、間違いなく世話を焼きにくるよね…)
「…はは」
思わずもれた苦笑いに、慣れきった僕が特におかしくないと思ってることに気づいた。
「でも、そろそろ量も多くなったし本かなんかにでもしてみようかな…?」
…印刷に関わりのある人を考えたが、オペトレさんくらいしか思いつかなかった。…まあ、別に困ることでもないが。
(ダイヤがすぐに手配するんだろうなぁ…)
ニコニコ顔でやってくれそうな担当の顔に、疑念を抱かないあたり相当依存してるのだろうと僕自身感じる。
「…じゃあ後でキタトレにでも相談してみようかな。ヘリトレさんも出したことがあるって聞くし、それも参考に出来ないかな…」
…ぶっちゃけ稼ぎが欲しい訳ではない、これを出す理由とするなら、ひとえに役立てて欲しいってだけだろう。
「…僕のデータも有効利用されるなら嬉しい限りだね。それと、僕のことが皆の記憶に焼き付いていたら最高かな」
休憩を終えて、もう一度書き始める。データと言えばシャカールちゃんあたりにでも試供してみようかなと考える。
───夜遅くまで、サトトレの記録は続いた。
短文失礼しました
健康的な生活(5時起き11時寝)を送る、ミスばかりで自分がまともに信じれない結構内向的なの一般言うっちまう民です。
サトトレの残したデータは、本として出たら結構良いものなのかもしれません。ジャッジは皆の記憶に残っているかもしれませんね。
≫58二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:06:59
- IFiF【晦日月-月齢29-】
――そして某月某日その日はやってきた。天気は快晴、柔らかな風が吹きウトウトと眠ってしまいそうな暖かな外気温、絶好のレース日和。
トレセン学園の模擬コース場には事情を知っているものから知らぬもの、人が集まってるからと言う理由でといったものまでの見物人が多く集まっていた。
見物人が注目する先には小さな2つのウマ娘の影。マーベラスサンデーとマベトレもといマベラスエクリプスが立っていた。しかし、両者の衣装は普段の体操服ではなった。
こういう模擬レースは普段体操服が行うものなのだが、今回は要望もあり特別に重賞レースで使う勝負服を着用していた。
更にマベトレはいつも着ていた服ではなく、漆黒に塗られた別の勝負服を着ていた。
その服とは以前ウマレーターの機能テストとして行われたIFの世界を映し出す際に投影されたものをもとに作られた服装であった。
マベトレは自身の服装を撫でながら思いを馳せる。
(……今ならわかる。あれはIF(もしも……あり得た世界のお話)ではなく、iF(in future)未来を写す鏡だったんだなって★、ならば必ず成就させなければマーベラスに)
そこにマーベラスサンデーが話しかける。
「マーベラスな戦いにしようね☆!!!」
マベラスエクリプスは答える
「マーベラスに決めよう★」
そして両者がゆっくりとゲートに入る。
ゲートに入る途中マベラスエクリプスはふと思った。
(そういえばこれが初めてか)
マベトレは数度行われたトレーナーズステークス等はちょうどタイミングの問題もあり不参加であった。そのためゲートからの出走はこれが初となる。
(でも、これからは……)
ターフ上にはたった二人
一瞬の静寂の後
戦いが今始まる――。
59二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:07:14
- 半影の空
――ガコンという音と共にゲートが開いた、そして二つの影が勢い飛び出す。
それとともにギャラリーからの歓声も上がった。
先に勢いよくスタートダッシュを決めハナを進むはマーベラスサンデー、マべラスエクリプスはその後方、2バ身3バ身と離れたところに潜む、そしてやや遅れてスタートダッシュが入る。ここらへんはやはり経験の差がものをいう。
最初の直線が終わりハナと取ったとはいえ、マーベラスサンデーは大きく引き剥がすようなことはせずに、レース自体はゆっくりと流れる
第一コーナーから第二コーナーに入る頃には最初にあったリードはなくなり、お互い重なるように円弧を曲がっていく
向こう正面に入り意識し合うようにジリジリとタイミングを見計らうようなレース展開を行う。
――そして第三コーナーに入り800Mとなった時、レースは動き始めた。
60二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:07:28
――残り800M、ここで両者の差が一気に開き始める。先へ先へと先導していくものはマーベラスサンデーであった、
しかしマーベラスサンデーの速度は変わってなく、マべラスエクリプスが減速をしたため相対的に差が開いていった。
「スゥーッ……ハゥーッ……」
マべラスエクリプスは静かにゆっくりゆっくりと息を整る、数バ身と広がったマーベラスサンデーの後を追っていく、
――準備は整った。
「マーベラスッ!!!」
――残り600M、何かを感じ取ったのかマーベラスサンデーは早めのスパートに入る。そしてぐんぐんと差が開き、逃げるマーベラスサンデーと差し体制に入るマベラスエクリプスという状況になる。
「いつものスパートとは違う?だが、逃さない逃げられない」
私は、ここで走行法を変える。魂に身を委ね赴くままに……、
頭が地面スレスレを通り芝生の上をまるで這うような形で一気に加速をする。
長い栃栗毛、勝負服とが合わさり漆黒の月影がマーベラスサンデーの後を追う。
それと同時に雲一つない晴天のレース場が光を失い薄暗くなっていく。
――太陽が月に食われ光を失い始めた
61二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:07:37
- 喰われる太陽【朔日-月齢0-】
――最終コーナーを抜け残り350M
マべラスエクリプスは6バ身、4バ身、2バ身と再び空いた差を猛追し埋めていく
黒き月が太陽の半分を覆う
気温が急降下し、周囲はまるで夕方のように暗くなる
――残り300M
マベラスエクリプスはマーベラスサンデーの後ろをピッタリと影のように張り付いた
マベラスエクリプスはその小柄な体躯と特殊な走行法によって本来なら受けるべきである空気抵抗を張り倒しながら、速度を上げ続ける
逆にマーベラスサンデーは影のように控えるその圧倒的なプレッシャーを受け速度が落ち始める
太陽はその大部分を覆われながら、せめてものの抵抗かと激しく光を残そうとする
しかしながら暗闇は全天を占め、昼の主を失った星々が我先にと瞬きを始める
夜の到来を感じてか鳥たちもまた自らの巣へ帰ろうと行列をなしていく
62二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:07:50
――残り200M
――そしてついに黒き月狼が日の王を全て喰し闇夜が辺りを包み込んだ。
マーベラスサンデーの速度が急激に落ち、マべラスエクリプスはそれを好機みるやと一気に抜き去る
そしてゴールに立ちはだかる上り坂へと向かっていく
63二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:08:13
――残り150M
――暗闇の世界
――私の世界
――勝敗は決した
ゴール前最後の上り坂勾配差約1.8Mの急坂それを駆け上がる
もう追いつけはしない
後方への注意ををやめ、ただ正面のゴールを見据え淡々と坂を登る
――勝った。そう確信した時。
一瞬視界がぐらつき息が切れる
「え?」
――暗闇だった世界に微かに光が灯る
64二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:08:27
- 闇夜の終わらせ方【繊月-月齢1-】
――残り100M
飲み込んだはずのマーベラサンデーがすぐ後ろまで迫ってくるのを感じる
(なぜ?どうして?)
その疑問の答えは自分の息遣いによって答えが出た。
「ハァ……ハァ……」
絶え絶えな呼吸、崩れる姿勢、思うように動かなくなりつつある足
(まさかスタミナ切れ?ペース配分はきちんとしてたはず……)
(あ……)
ここで一つの謎が解ける。
マーベラスサンデーが早仕掛けした理由
それにまんまとつられ早仕掛けに乗った自分
それによって本来残すはずだったスタミナが無いことに
因子やソウルの暴力のみでは補いきれないからこそ温存させておくべきもの
(……それでもマベももうスタミナは残ってないはずいつも見ていた私ならわかる)
そして互いに息を切らしながら急勾配を登り終える
夜が続かないように日食が永遠に続くことはない、日が明けるように時が経てば再び光が満ち溢れる。
――空の天体はダイアモンドリングという最も美しい景色を描き出す。
65二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:08:37
――残り50M
急勾配を終え残りは平坦な直線のみ、二人の間隔はゼロ、スタミナもゼロ、一進一退の攻防、意地と根性の張り合いが織りなされていく
――駆ける
――――自身の残った燃料を燃やす
――駆ける
――――皆がとか皆のためとかどうでもいい
――駆ける
――――負けてたまるか
――駆ける
――――負けたくない
――駆ける
――――勝ちたい
――駆ける
――――勝つ
――夢我夢中で駆ける
――――ただ純粋に勝ちたい
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
――
―
66二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:08:48
- 明星のマーベラス
―
―
――残り0M
マーベラスサンデーとマベラスエクリプスはほぼ同時にゴール板を駆け抜けた。
宙を舞った芝たちがゆったりと落ちていく
時があまりにも遅く流れる
「結果は……」
判定が行われる
―
―
―
アタマ差にでマーベラスサンデーが勝利した。
67二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:09:02
ゴールを迎えすべての力を出し切ったマベトレはドサッっと芝生の上に仰向けに倒れる。、
マーベラスサンデーがレース直後だというのに元気にはしゃぎ回ってる姿が視界の端に見えた。そしてこちらに気づいたのか急いで駆け寄ってきた
「トレーナー大丈夫?」
「うん。ちょっと足が動かないけどへいきだよー。」
少し心配そうに見てきたマーベラスサンデーに受け答え、そして私はポツリとつぶやく。
「あーあ、負けちゃったかー。やっぱりマベには敵わないやー、私じゃあだめだったみたい」
そんなことを言うと、それを否定するかのごとく元気いっぱいの笑顔を振りまく
「そんなことないよ!!。ほら!!見学席を見て!!!」
マベに言われるがままに見学席を見る。そちらのほうに振り向くと大いな歓声と拍手が沸き起こった。
「あんなに皆が楽しんでいる!!皆からとびっきりのマーベラスを感じる!!さっきの勝負見てみんなみんなマーベラス☆熱血のマーベラス★とびきりステキなマーベラス★☆
ねぇ。トレーナーはキラキラなマーベラス見つかった?」
――私は思い出す。
――初めて彼女にあった日のことを
――太陽のように輝いていた彼女を
――そんな笑顔に憧れたことを
「――ああ。みつかったよ」
「ね!。マーベラスだったでしょ☆。」
「……すっごくマーベラスだったよ」
68二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:09:22
マベトレの動かない体を他のトレ達に支えられながら一時の処置として保健室へ向かう途中
マーベラスサンデーは空を指差す
「ねぇ見て!!」
その指先には半ば日食が終わり星々が再び昼の光のなかへ眩ます空と一つ残り輝く星があった。
「確かあの位置の星は金星だったかなー?明星ともいったっけー」
「明星!?なんてマーベラスな響き☆」
そして二つの声が重なる
「「またマーベラス見つけっちゃたね☆」」
月は恒星ではないそれ自身では輝きは放てない
太陽という恒星があるからこそ輝きは放てる
日食もまた太陽という輝き放つ存在があるからこそ存在できる
――――『明星のマーベラス』End
≫86二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:37:39
野点の下のイナトレ(痣)さんとグラトレ(独)
「……良いお茶ですねぇ…」
「お口に合った様で何よりですね~」
学生達が勉学に励む中、トレセン学園の片隅に開かれた野点で二人の和服のウマ娘が静かにお茶を飲むと共に喋っていた。
イナトレ「これは、グラトレさんの実家で作られた茶葉でしたよねぇ?」
和服を着た葦毛のウマ娘……イナトレは少々間延びした様な喋り方で茶葉の出自をもう一人のウマ娘に問う。
グラトレ「ええ、欠けたり裂けたりして商品として売る事の出来無い物ですが〜」
和服を着た黒鹿毛のウマ娘……グラトレはイナトレの問いに肯定すると共に価値は低い茶葉だと伝え、畏まらない様促しておく。
イナトレ「大丈夫ですよ〜、味は問題無いどころか絶品ですからぁ…」
そんなグラトレからの気遣いと謙遜をイナトレは茶葉への賛辞をもって返し……
グラトレ「そう言って貰えると有り難いですね〜」
グラトレはイナトレからの言葉を謹んで受け取る。
そんな気遣いや謙遜といった和式の社交辞令を行った二人は静かに再度お茶に口を付ける。
お互いに落ち着いた性格というのも有り、二人の座る野点は喧騒を忘れたかの様に静かでのんびりとした時間が流れる。
……あまりにも厳かな空気を二人が醸し出すせいで、日本庭園の幻影が見えたと語る人も居たらしい。
87二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:37:49
イナトレ「……しかし、少し冷ましたお湯を使うのはこの季節には堪えますねぇ……ストローで飲むのには助かりますがぁ…」
グラトレ「そうですね~……この茶葉を楽しむには少々冷めたお湯でなければいけませんからね~」
今回用意した茶葉の抽出温度は60度程……冬空の下では少々ぬるい。
だが、常にお面を被っており飲み物を飲む時もストローを用いるイナトレさんとの茶会には適している茶葉だと思っている。
……当然だがストローで熱々のお茶を飲むのは危ないのだ。
イナトレ「ですが、次は熱々のお湯を使うので体が温まりそうですねぇ…」
グラトレ「火傷には気を付けてくださいね~」
しかしこの茶葉、正しい作法で飲むとすると次は熱いお湯で抽出する事になる。
……せめて注意は促しておく。
グラトレ「では、淹れる準備を始めますね~」
イナトレ「お願いしますねぇ~」
そう言いながら、火鉢に掛けていた土瓶から急須に熱湯を注ぎお茶を作り始める。
お湯を注いで直ぐにできるという訳でもなく、お茶が抽出されるまで少しだけだが時間が掛かってしまう。
なので、イナトレさんが食べ易い物をと用意した茶請けの金平糖を摘みながら会話に花を咲かせて待つとしましょう。
88二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:38:20
さて、何か話題は有るだろうかと考え、直ぐにこの野点が始まってから興味が有った物の話を切り出してみる。
グラトレ「イナトレさんのお持ちされた湯呑は良い物ですね~、気になっていたのですよ~」
イナトレ「グラトレさんも分かりますかぁ」
グラトレ「イナトレさん程目が利く訳では無いのですが~……萩でしょうか~?」
イナトレ「そうですよ~、お茶はやはりこの焼き物ですねぇ…」
一楽ニ萩三唐津……お茶に合うとされる焼き物達、その中でも無柄故に落ち着きのある萩焼の湯飲みを持って来るとは……
伝統に詳しいイナトレさんだからこその選出だと心の中で感嘆する。
イナトレ「萩のまだ年若い職人の作ですが腕は確かですよ〜」
グラトレ「なんと、年若い方の作なのですね~」
正直欲しくなったので、後でその職人さんの名前をイナトレさんに聞いてみようかと思っていた矢先……
イナトレ「グラトレさんが気に入られたのならお譲りしますよ〜?」
……そんな提案をイナトレさんからされた。
グラトレ「……私としては、渡りに船というものですが~……良いのですか?」
イナトレ「はい、気に入って頂いているみたいですので〜」
グラトレ「ああ、イナトレさんありがとうございます……こちらも何かお返しをしなければいけませんね」
イナトレ「大丈夫ですよ〜…そんなに気にしなくても〜」
グラトレ「いえいえ、そういう訳にはいきません……今日の茶会で用意した茶葉と同じ物でも良いでしょうか?」
イナトレ「気にしなくても良いのですがぁ……はい、大丈夫ですよ〜」
グラトレ「ああ、良かったです」
そう言って安堵した息を吐きつつ背後から茶袋を取り出してイナトレさんへと手渡す。
イナトレ「こちらこそすみません……こんな高い茶葉を……」
グラトレ「いえいえ、先程述べた通り欠けたりして商品としての価値がほぼ無い物ですから気になさらなくても良いですよ~」
イナトレ「では、有難く頂きますぅ…」
こうして、良い物が手に入ったと嬉しそうな二人のちょっとした物々交換は終わりを告げ、抽出を待っていたお茶の方も良い頃合いだ。
89二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:38:37
グラトレ「さて、そろそろ良いでしょう~」
イナトレ「はい、良い頃だと思いますよ~」
物々交換の間に良い感じにお茶は出来上がり、急須から湯気を立てるお茶をイナトレさんの湯飲みへと注ぐ。
イナトレ「結構なお点前で〜」
グラトレ「ふふっ、ありがとうございます」
茶会の定番と言っても良い言葉を交わし、イナトレさんはストローを湯呑に挿してお面を少しずらした。
イナトレ「では、頂きますね~」
グラトレ「……火傷には気を付けてくださいね~」
……一応再度注意を促しておく。
イナトレ「ありがとうございます、大丈夫ですよ~」
そう言ってイナトレさんはお茶をストローで吸い……
イナトレ「やっぱり良いお茶ですねぇ…」
……普通に飲んでいた。
グラトレ「……熱くはないでしょうか~?」
イナトレ「慣れたものですよ~」
……どうやら心配のし過ぎだったみたいだ。
イナトレ「すみません、気に掛けて貰ってぇ…」
グラトレ「いえいえ、勝手にしている事ですので~」
イナトレ「……この茶菓子もボクに合わせてくれたんですよねぇ…」
グラトレ「イナトレさんは、あまりお面を外すのを好まれていないですからね~」
イナトレ「ご配慮心染みますぅ…」
グラトレ「茶会の主催者として当然の事ですよ~」
イナトレ「それでは、次の機会にはボクがしっかりおもてなしさせて貰いますね」
グラトレ「ええ、ええ、ぜひともお願い致しますね~」
次回の茶会の約束を交わした二人は、それからゆっくりとお茶を飲みながら担当達が来る迄談笑を続けるのでした。
90二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:38:53
その後、容姿を褒められ取り乱したイナトレの胸に潰されたグラトレが発見されたのは別の話。
うまぴょいうまぴょい
了です。
イナトレ(痣)さんをお借りさせて貰いました、グラトレ(独)と似た様な性格や趣味が有るトレーナーさんですね。
二人の身長差は27㎝差、大体グラトレの頭がイナトレの胸の辺りに来るので最後の一文を捻じ込みました……蛇足は禁句。
因みに飲んでいたお茶は、60度程の温度のお湯で甘みのあるお茶を楽しみその後で高温のお湯で苦みのあるお茶を楽しむ二煎出しという飲み方が主流のお茶です。
まあ、高い……本当に高い……そんなお茶です。
言葉使い等に間違いが有りましたらどうか仰って下さい、腹を切ってお詫び申し上げまする故。
≫99二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 22:50:33
女三人、邪魔だて無用
雪合戦の、幕が開く
「ネイトレ……敬意を払ってるからこそ、あえて接待も遠慮もしないよ。このフィールドに立った以上私たちは敵同士!レーッツ、三つ巴ー!」
「帰っていいですか?」
「やる気出して!ウィンタースポーツ楽しまないと冬太るよ!プックプクだよプックプク!」
「いやぁっ!連呼しないでください!」
「……ふっ、安心してネイトレちゃん。アイアム味方」
「また頼れるかどうかわからない絶妙なライン……」
「地味にひどくなーい?」
「……ん?待って?それだと1vs2の構図じゃない!?」
「やだなあベガトーレ」
「変なとこで伸ばすなタイキトーレ」
「アンタには、立派なアルちゃんがついてるじゃないか……」
「ベガトレ先輩、もといアルちゃん。微力だけど助太刀しますね」
「はい!そう言ってくれるって信じてました!」
「なしてー!?」
「言ったあとのドヤ顔がちょっと……なんか雪玉ぶつけたいなって」
「あの、タイキトレさん。彼女にこんなこと言われるって相当ですよ?」
「ぐぬぬ、完璧な『白き盾』計画が……!」
「……肉壁に使う気満々だったんじゃないですかぁー!?」
「(呆れた女だ。生かしておけぬ)」
「がんばります!」フンス
……それからしばらく後、本人了承済とはいえタイキトレを雪だるまに埋めんとする、ネイトレとベガトレの笑顔があったとさ。
うまぴょいうまぴょい
≫111二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 23:07:48
『明星のマーベラス』エピローグ
- 再スタート【三日月-月齢3-】
ここはトレセン学園保健室
足が動かないマベトレが担ぎ込まれタキトレの診察を受けているが
「痛いいたい、それいじょうやめてええええええ」
「保健室では、静かにしてくださいね」
今はマベトレの絶叫が響き渡る場になっている
レースの興奮(アドレナリン)が切れたのか警告を放っていた痛覚が正常作動し始め、激痛を放っていた。
マベトレを運び込んだ内の1人マヤトレが報告を聞く
「……で、どうなんだ?」
「触診の結果だと中度の筋断裂、肉離れといったほうがわかりやすいですね。あとは病院でレントゲンやCT取らないとわからないです。」
「中度っていうとどのくらいだ?」
「そうですね……全治まで二ヶ月弱といったところですね」
「痛め止めとかないのー?」
涙目になりながら腫れた足を氷水で冷やすマベトレ
「ここはあくまでも保健室ですから、そういった医療行為はできないよ。病院に連絡してあるからもうちょっとで来るはずだよ。」
112二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 23:08:12
タキトレの診察を終えて続いてマヤトレはウオトレに話をふる
「で、肝心なソウルはどうなんだ?」
「多大な影響があったようだが、うまく適合したというところだな。よくやったな」
「だそうだ。」
「ところでトレーナーはデビューするの?」
「ううん、デビューは取りやめーマベ達に注力するよー。だって私はトレーナーなんだから」
わちゃわちゃと雑談が始まったところにタキトレがあっと声を上げる
「ウラトレから言付けがあったのを忘れてました。」
「えーこほん『――マーベラスサンデー担当、後ほど病室でいっぱいお話しましょうね。後マヤノトップガン担当他みんなに言うことはあるでしょう』だそうです」
サーと青ざめるマベトレ
そして皆の方に向かって大声で叫んだ
「めーわくかけてごめんなさいいいいいいいいいいい」
113二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 23:08:32
- メスガキマーベラス
数週間後退院してトレセン学園に復帰したマベトレは購買部にて何やら興じていた
「またやってますわね」
「またやってるな」
「全く騒がしいな」
「今度はドべトレが負けたの?」
「くそおおおおおお」
「負けちゃったよわよわドベトレには、マーベラスはあげられないよーだ★☆」
巨大なプリンを美味しそうに頬張るマベトレ。そこにドベトレは一言言った
「ところでマベトレ、気のせいじゃなかったら少し背小さくなったか?」
「そんなこといってこっそり食べるんでしょー。その手には乗んないんだからー☆」
「そう言われるとそうだな」
「そうですわね」
ドベトレ以外からも指摘されマベトレのプリンを食べる手が止まる
「え…………?」
そこにちょっと小さくメスガキっぽさが増えたマべトレがいた。
――――――――――――明星のマーベラスエピローグFIN
114二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 23:08:45
TIPS2
因子を受け入れたことで色々変わりました
【身長】
5 c m 減 っ た
143→138
【口調】
今までのマーベラスに加えメスガキ要素が増えました
比率はマーベラスメスガキ常識人で4:3:3とか考えてますが可変です
お好きにいつもどおりマーベラスしたりメスガキしたりして構いません
わからせてあげてくだい
【走行能力について】
少し適性が上がりました。
メイクデビュー組には敵いません当然です。
あれは所謂ラスボス性能です
デビューする予定はありません。そこはBADIFがあるので
並走トレーニングをするので、そこそこのレベルで走れます。
芝 C→B
中距離C→B
長距離C→A
差し C→B
追い E→C
115二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 23:08:57
【明星のマーベラスルート分岐】
夢の中て受容ではなく敵対を取る
→敵対の結果乗っ取られBADEND行
練習中これ以上の侵食を防ぐため併走をやめる
→再凍結しかし、じわじわと侵食されマベサンが卒業後付近で再解凍され解決法がなくBADEND行
レース中マベサンが先仕掛けを取らない
→そのまま日食が完成し敗北BADEND行
レース中マベサンが先仕掛けを取り、最後の根性勝負でマベトレが勝つ
→マベトレの中の気持ちは晴れるがレースの思いが忘れられずポジティブな関係でデビューするこれはこれでグッドエンド
116二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 23:09:09
あとがき
ここまで見てくださってありがとうございます
マベトレにあった地雷要素解体しました
二層三層張った伏線回収って気持ちいいよね
夢でメスガキエクリプスにうなされながら
一度作ったからにはメスガキ要素出したいなあと思い
でもそれには長編作らないとってなってここまで来ました
長かった全部で1万6000文字らしい
曇らして晴らしてシリアス作ってレース作ってギャグ作って全部つめました
ぴょい?そんなものないでもこれを気にあるのか?これには三女神もにっこり
≫171二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 08:27:52
雪合戦、それは冬でしか出来ない子供だけではなく大人も楽しむ遊び。そしてある雪の日には…
「うおっ!」ヒュッ!
「…」スッ
「おおう…」
…慌てて雪玉を避けるドベトレ、すぐさま補充して隠れるファイトレ、遮蔽板に隠れながら見ている黒カフェトレ。
三人は雪合戦───但し割と本気で───していたのだった。それを見守るのは三人の担当ウマ娘。
「凄いなトレーナー♪」
「その、少し怖いくらいね…」
「加減はしてると思います…多分…」
そんな三人をよそにドベトレはファイトレに声を掛ける、黒カフェトレも雪玉を片手に半身を覗かせた。
「…流石に怖いわファイトレ!」
「…む、本気で投げてもいいと言ったのはドベトレだろう?生憎、何かを投げる経験は過去に散々してきてるんでね」
「…貴方はコントロールが怖いんですよ。ウマ娘のパワーを活かして超高速の雪玉を正確に投げてくる人は…っ!」
気づいたカフェトレが慌てて引っ込んだ直後、隣の空間を豪速球が飛んでくる。もはや球というよりは砲弾であった。
「失礼、隙が見えたからつい投げてしまった。…当たると思ったんだがな。」
「…的当てかなんかみたいに楽しんでるだろファイトレ!…あだっ!」
冷たい、しかし何処か楽しそうな表情で機械の如く投げてくるファイトレの雪玉に当たりつつも、カフェトレの元にドベトレは隠れる。
「…くそっ、内心ほくそ笑んでるだろアイツ…なあ、協力しないかカフェトレ、ファイトレに一泡吹かせてえんだ」
「…いいですよ、協力しましょう。私もやられっぱなしは嫌ですし。」
…少しでも出た瞬間にファイトレという名の砲台から狙撃される以上、取れる手段は一つ、すなわち二人同時にアタックすること。
「1…2…3!」
飛び出しながら投げた瞬間、飛んできた雪玉はカフェトレの胸に当たり、投げた雪玉の一つはファイトレの胸に当たった。
結果、カフェトレの絶壁は特に何も起きず、一方でファイトレの厚着の上からでも分かる膨らみは当たったことで揺れ…
「…」
それを見たカフェトレは───何かがキレた。ついでにドベトレは二人から顔をそむけた。
「…やるな!」
ファイトレは当たった場所を拭いながら笑う。そして三人はそれぞれ別の事を思いながら雪玉を持って投げ出したのだった。
───走りながら高速の雪玉を投げ合う戦場とかした雪合戦になった。担当の三人も、三者三様な反応をしていたらしい。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part575【TSトレ】
≫15二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 09:11:03
「シービー、アレやるよ」
「はーい」
そう言ってソファに座らせ、足の爪を出してもらう。
「うーん…割れたりとかは無し。ヒビも傷もない…前やった親指も…」
足の爪を見るトレーナーとくすぐったそうにするシービー。週一回ほど行われるこれは、爪の弱い彼女のためのルーチンだった。
「親指の経過は順調…他も…」
「くすぐったいなぁ…早く終わらないかい?」
「ダーメ。それで爪が割れて炎症になったら元も子もないでしょ?…うーん…微妙に歪み…蹄鉄…」
「はーい、って聞いてないか」
「聞いてるよ」
「さっすがー」
一通り爪のチェックを終えたら保護ネイルを塗る。
しかしシービーは暇を持て余していた。そこで彼女の耳が目に入った。
つまんでみる。
「こーらシービー。大人しくしなさい」
「ありゃ…って、くすぐったいとかは無いのかい?」
「ない。耳はそこまで敏感じゃないしね」
「ほほう…」
彼女は何かに火をつけられたようで、どこが敏感かを探っていく。
「だーかーらー…ネイル塗ってるから大人しく…ッッ!!!」
「みーつけた♪」
耳の裏の付け根。そのこりこりした軟骨。そこが弱かった。
「ふふふ…ここが弱いんだね…」
「だっ…ちょシービー…アッ…やめ…」
楽しそうにコリコリを続けるシービーと耐えるトレーナー。
「はい、おしまい。よく耐えたね〜」
「ハァ…シー…ビー…ハァ…恨むから…」
そんな反論どこ吹く風と靴下を履くシービー。
「じゃ、またね〜」
そう言ってドアを開け、部屋から出るのだった。
≫23二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 09:23:37
クリスマスが今年もやってくる ルドグルリウ
「これだ!」
シンボリルドルフ担当トレーナー、ルドトレは生徒会室のソファーにかけ、スマホ片手に閃いた。思い立ったが吉日、善は急げ。ルドトレは行動に移した。
―――コンコン。
「どうぞ~」
ドア越しに緩い声が聞こえ、ゆっくりとドアを開ける。部屋の主は担当ウマ娘が同じ生徒会であるエアグルーヴ担当トレーナー、グルトレである。
「おはよう、グルトレちゃん」
「おはようございます。どうしたんですか?」
「相談があって……」
「相談、ですか?どぞ、ソファーに座ってください」
「ありがとう」
グルトレに促され、ルドトレはソファーに座るとグルトレが隣りに座る。
「で、相談とは?」
「これ見て!」
「これ、リウトレのウマスタですよね?」
ルドトレがグルトレにスマホで見せたものはシリウスシンボリ担当トレーナー、リウトレがウマスタグラムというSNSで投稿した写真である。日常写真から芸術品のような料理やケーキの写真が並んでいる。
「そうなの、これを教わろうかなって思ったんだけど…」
「オグトレから料理教えて貰ってませんでしたっけ?」
ルドトレはオグトレ、オグリキャップ担当トレーナーに料理を教わることがある。ルドトレ自身も料理ができるクチだ。
「そうなんだけど、こういうのはリウトレちゃんかなって」
「まぁ、それは確かですが…それでなぜ、リウトレ本人のところに行かず、私のところに……」
「私ひとりだと、多分リウトレちゃん怯えちゃうというか……」
「あ~そうでしたね。でもあれルドトレさんの自業自得のようなものじゃないですか」
ルドトレとリウトレは交友があったものの、リウトレの特徴的なウマ娘と思えないうさぎのような長い耳を触ったことがある。それ以来、リウトレはルドトレに対して少し身構えてしまっていた。特徴的な長い耳は彼女の多い弱点のひとつである。そこでルドトレは共通の交友関係のあるグルトレの元へ訪れていた。
「それを言われると耳が痛いなぁ…」
「すみません…」
「でね!一緒について来てもらえないかなって」
「リウトレのこれは確かにすごいし、クリスマスも近いですしアリっちゃアリですけど」
もうすぐクリスマスだ。ルドトレだけではなく、グルトレも担当の為に何かしようと思考を凝らしたいところだろう。手料理を振舞うなら、見た目も凝らしたものにしたいと。
24二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 09:24:10
「それじゃあ、一緒に来てくれるの!」
「良いですよ、私もクリスマス悩んでいたところなので」
「よかったーありがとう、グルトレちゃん」
ルドトレとグルトレの両名はリウトレの元へと向かった。
―――コンコン。
「リウトレいる~?」
「あ、おはようござい、ます…」
リウトレはトレーナー室のデスクに向かって座っていた。グルトレを見るなり挨拶をするが、隣りのルドトレを確認すると少しぎこちなくなる。
「おはよ~」
「おはよう、リウトレちゃん」
「えと…どうしたんですか?」
椅子から降り、ゆっくりとふたりの元へ歩くリウトレにふたりも歩み寄る。
「リウトレちゃんのウマスタ見たの、それでクリスマスにこういうの作ってみたいなぁって思って」
「リウトレ、やりかた教えて貰えないかな?」
「良いですけど、ウマスタにあげてるものは簡単なものではないので…クリスマスまで日時もあまりない。簡単なものからやった方がいいわ…きゃぁ」
そう言うとルドトレとグルトレがリウトレに抱き着いた。
「ありがと~」
「ほんとうにありがとう、リウトレちゃん」
「く、くるし……本当にあれみたいなのは無理ですからね!」
「うん、あー髪もふわふわー可愛いー」
「ルドトレさんストップです」
ルドトレがリウトレから離れ、またグルトレも離れた。
「ふぁ……とりあえず、ソファーに座って話しましょうか」
ルドトレとグルトレの向かいにリウトレが座る。
25二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 09:25:04
「クリスマスに間に合わせるなら、早いに越したことはないですよね…」
「そうだね」
「今日あたしの家で、はあまりにも急ですし」
「私はいいよ~」
「私も大丈夫だよ」
「良いんですか?」
ふたりはこくりと頷いた。それでもリウトレは悩ませていた。リウトレはウマ娘化した女性トレーナーだ。彼女は普通に歩くことが出来ず、家から学園まで担当であるシリウスの送迎で出勤している。
「ご存知だと思うけど…」
「シリウスちゃんのことなら、むしろ私たちが許可もらう立場だよ?」
「そうそう」
3人でそのまま話し合い、急遽本日の夜リウトレの家で講習会が開かれることが決まった。リウトレは嬉しそうにするふたりを見て少し頬を緩ませた。
「こんな夜に来客だ?」
「そうよ、あたしによる講習会のようなものよ」
夜、リウトレ宅。いつものようにリウトレを横抱きにし、送迎。夕食を済ませた担当ウマ娘シリウスシンボリは疑問を抱いた。
「なにを教えんだ?」
「あたしの料理、時々野菜とかを派手な切り方するでしょ」
「あーあれか」
「クリスマスも控えてるし、手料理に取り入れたいってお願いされたのよ」
「へぇ…誰に教えるんだ?」
「ルドトレさんとグルトレ先輩……その顔なによ」
「ああ、そこのトレーナー達かと思ってな」
シリウスは生徒会とひと悶着あったウマ娘である。詳細は割愛するが、トレーナー達ほど友好的な関係ではない。
「不安?」
「今はああでも男だしな」
ルドトレとグルトレは現状はほぼ女性のそれだが、このウマ娘化現象前は男性である。
「なら…その、泊っていく?別に不安なら居ても構わないし。あたしの方から学園に連絡するけど」
「そうだな、終わるまで見てて制服のまま夜遅くに歩くのもアレだしな。今日は泊ってくか」
「そろそろふたりが来るから、先に連絡してくるわね」
そう言ってリウトレはスマホ片手にリビングから出た。
26二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 09:25:40
「たまには良いよな」
シニカルな笑みを浮かべ、シリウスはそう呟いた。少しすると、スマホ片手にリウトレがリビングに戻ってきた。無事連絡が取れたのか、一安心したような顔をしている。
―――ピンポン。
リウトレ宅のインターホンの音が響く。確認するとふたりが来たようだ。リウトレは玄関口へとシリウスと共にいく。ドアをゆっくりと開くとスーパーの袋を持ったふたりが立っていた。
「こんばんは、リウトレ~」
「今日はよろしくね、リウトレちゃん」
「はい、寒いので早く入ってください」
そうリウトレが促すとお邪魔しますとふたりが入る。
「ごめん、シリウス。今日ちょっとだけリウトレ借りるね~」
「ごめんね、シリウスちゃん」
「変なことしなければ、それでいい」
とは言いつつも怖い顔をするシリウスをリウトレがなだめ、ふたりをリビングへ案内する。スーパーの袋の中は人参はじめそう言った飾り切りに使うような野菜や果物がたくさん入っていた。手と野菜や果物を洗い、女?3人姦しい講習会が始まった。リビングのテーブルの上に並べられた野菜や果物、まな板に包丁。それを囲うようにリウトレたち3人とそれをソファーにかけ、遠目に見るシリウス。
「それでは、まずは簡単なものから」
リウトレは包丁で人参の皮を剥き、更に二分の一に切る。切ったものをひとつ取り、かつらむきの要領で器用に薄く何枚か切った。それを重ね、くるくると丸めてから形を整える。
「わぁ…これ薔薇だよね」
「これなら私でもできそう」
「クリスマスなので和風っぽいものよりはいいかなって、やってみてください」
ふたりも料理はできるクチだが、リウトレの作ったもの程綺麗には仕上がらなかった。
「えっと…最初は少しきつめにして段々緩くすると綺麗に…そうですね、そんな感じで」
「ソテーとかに添えたりするのに良いね」
「薔薇だから洋食と相性が良いのすごくいいですよね、花だからグルーヴも喜びそう~」
笑みを浮かべながら、ふたりに簡単で綺麗な飾り切りを教えるリウトレをシリウスは自慢気に見ていた。しばらくすると、薔薇から蝶や蹄鉄、様々な形に切られた野菜や果物が並ぶ。
27二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 09:26:05
「すごい、簡単なのにすごくかわいい!」
「ありがと~リウトレ」
「いえ…簡単だけど、少しでもあるとちょっと違うと思います…フルーツはデザートとかに添えてあげたり。お弁当に添えてあってもいいですね」
「アンタ、別に私に弁当作ってねぇだろ」
「うっさい、シリウスは黙ってて」
「ふふっ、勉強させて頂きました!ありがとう、リウトレちゃん」
「花の飾り切り使った料理、グルーヴが喜んでくれそう。ありがとう、リウトレ」
あまり夜が遅くなる前に講習会は幕を閉じた。使った野菜や果物はリウトレの冷凍庫にいき、後日料理やスムージーに使われた。このあとルドトレはルドルフにリウトレはじめ他数人といたことが知られ、お察しである。グルトレは講習会中に撮った写真を見つつ、クリスマスのメニューをどうするか考えていた。そして、リウトレは泊りになったシリウスに耐え、シリウスもまた耐えた。
28二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 09:28:14
おは160-90-55-92/142-92-57-85/158-75-55-89/175-83-58-88
久々にホームグラウンドでまったりと
よく概念としてお出ししているリウの飾り切りを入れつつルドグルトレならこう考えるだろうと書きだしたものになります。
月曜日のたわけ枠というよりは本筋リウSSではあるのですが、いろいろ立て込んでいるのでこの枠に
『たわけ』というよりは『たわわ』
≫98二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 13:04:31
「んしょ……よっ、と!」
ある日のこと。ルドトレは雪掻きをしていた。
「やあルドトレ」
「あ、ムントレさん!おはよう!それにしても……積もったね雪……」
「全くだね。これじゃあ大根おろしを思い出してしまう」
「普通の人は大根おろしから雪を連想すると思うけど……」
そんな雑談をしてるとゴルトレがやってくる。
「よう、二人とも……」
「あ、ゴルトレちゃん。大丈夫……?」
「ああゴルトレ。やけに元気がないようだが……」
「そりゃあこの雪でゴルトレ号が立ち往生しちまうんだから仕方ねえよ……折角この雪の中ユキノビジンにでも会おうと思ったのによぉ……」
「今回の思考は安直かな?でも、災難だったね……」
「ああ。お気に入りの乗り物が動かなくなる、その哀しみは……」
「わかってくれるか二人とも!」
「わかるよ!だって私の愛車もちゃんとタイヤ交換したりチェーン巻いたりして動くようにしてるもん!」
「ああ。わかる、わかるとも」
「「「だから、この怒りをぶつけるため雪合戦しよう!」」」
こうして始まった雪合戦。
ルールは各々の良心に任せ三回先に被弾したら敗北のバトル・ロワイアル。
そうして、各々最初の玉を用意して……
「絶対勝つよ!」
「うおおおお!!!」
「この勝負、勝たせて貰うよ」
各々は頷き、最初の一発を中央に向かって投げる。
因みに全員足元に二発目を用意済みである。こういうところで抜け目ないからこそ一流トレーナーなのだ。
99二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 13:05:12
そうして、ガオン、と雪玉ではまずしない轟音と共に三人の玉が飛ぶ。
恐ろしい速度のそれがぶつかり合い爆音が響き……
「……!!??」
「ギャア!!!???」
シントレがビックリする。それにビックリしたマルトレが騒ぐ。
勝負開始だ。
(ゴルトレちゃんには悪いけど、先に仕留めるね!)
(まず一番怖いのはスタミナもパワーもあるゴルトレ、ルドトレはスタミナだけだから短期決戦。故にゴルトレを……)
二人は真っ先にゴルトレを狙う。
だが……
「フッ、その単純な作戦、ゴルトレ様に通るわけないだろ!な!ムントレ!」
「……え?」
「……待って、ムントレさん手を組んで……?」
「違う、そんな狡い手を使うわけないだろ……」
「隙ありぃ!」
「きゃあっ!?」
「うわっ!」
ゴルトレの簡単なブラフに惑わされ被弾する二人。
「……だが!」
「うおっ!?」
ムントレの反撃によりゴルトレも被弾。因みにルドトレは被弾した際に雪玉を落としたため作り直しである。二発目は驚いた時に踏み潰したのでない。
「ふっ、なかなかやるなムントレ!」
「そちらこそ……!」
「んしょ、んしょ……」
因みに紳士ルールで雪玉を作ってる最中は攻撃禁止である。
100二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 13:06:12
「どおりゃっ!」
「むんっ!」
ゴルトレの投げた雪玉をムントレが的確に迎撃、膠着。
因みにルドトレは雪玉を予め沢山作っている。決して漁夫の利狙いではない。
そうして、割と長い時間ゴルトレとムントレが膠着した後……
「とぉりゃっ!」
「うわっ!」
「ムントレー!」
「大丈夫だ、だが……あれは……」
「ふっふっふっ……これが雪玉ウォール!」
「なんだとぉ!?」
そう、ルドトレの必殺、雪玉で壁を作ることで遮蔽、被弾率を減らしつつこちらはノータイムで反撃可能の要塞、雪玉ウォールである。
「くっ……どうするゴルトレ!」
「どうするって……こうよ!」
「くっ!させないよ!」
ゴルトレが雪玉ウォールに突っ込む。それを見たルドトレは当然ゴルトレに雪玉を投げるが……
101二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 13:06:28
「当てさせないとも!」
「なっ……!」
ムントレがルドトレの雪玉を打ち落としていく。
そうして……
「ゴルトレ☆ドロップキッーク!」
「わぁ!私の必殺技、雪玉ウォールが!」
ゴルトレが雪玉ウォールをドロップキックし破壊。その破片が飛んできたルドトレは規定上複数被弾となるためリタイアとなる。
そうして……
「隙あり!」
「うおっ!?ムントレ、お前……!」
「ふっ、これでどちらも残り一回!これで、決めるぞゴルトレ!」
「おう!ムントレ、俺が勝つ!」
「それはこっちの台詞さゴルトレ!」
ゴルトレとムントレは雪玉を投げる。それは、互いに向かっていき────
次回へ続く。(続かない)
≫149二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:00:19
のんびりランチの白毛と白毛。よもやま話はいかがです
ドベトレ「なあなあ姉貴ー」
ネイトレ「ん?どうしたのー侘助さん」
「……普通靴って裏見るとさ、かかと側とつま先側の両方にソールがあるよな」
「うん。ヒールはともかくスニーカーだとそうかな」
「でもウマ娘達の蹄鉄って前にしかつけねーじゃん?」
「そうだね」
「なんで?」
「…………なんで?」
『◆なんで蹄鉄は前にしかないの?』
「……えーっと」
(例の犬夜叉BGM)
「……叱られちゃう」
「ボーッと?生きてんじゃ?」
「分かっててやってるでしょ侘助さん」
「へへ。実は最近初めて見た。で、何でか知ってる?」
「んー、考えながら答えてもいい?」
「もちろんいいぜ!」
150二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:01:03
「……単純に考えるなら、かかと側に必要ないから。なんで必要ないかといえば、レースの際は『距離に関係なく強い前傾姿勢を取るから』」
「ふんふん」
「姿勢に合わせてほぼかかとをつけないフォアフットの接地をとるウマ娘が多いからで……あぁでもなぁ。ネイチャもだけど、着地は皆けっこうミッドフット寄りなんだよね」
「おお……」
「んーっと……あ、じゃあこれだ!『前にしか指がないから』!!」
「……ちゃんとトレセンのトレーナーなんだな。すげーそれっぽい」
「私をなんだと……それでどう? 合ってる!?」
「いや。オレも答えは知らねぇ」
「……悪ぃ。そこまでへなへなに萎れるなんて」
「だ、だ、だつりょくぅぅ……」シオシオシオ...
「でもなんでか『あれ?』って思っちまったんだから。な?許してくれ。な?」
「……ティスティー1」
「は?」
「テイスティー1。あとつぶつぶイチゴ1と極細2」
「……優しすぎて涙が出るぜ。リョーカイリョーカイ」
「……うん、元気出た。じゃああとでイクトレさんに正解聞きにいこっか」
「うぇ、あの3歳児相当に教えを乞うことになるかぁ」
「見た目だけならチ○ちゃんもビックリだよね……でも真摯な人だよ」
(終)
以上。ネタ元は「○コちゃんに叱られる」。ネイトレさん23歳と侘助さん5歳(+17歳)
着地に関してはレース動画0.25倍速を何度も見返したけど何が何やら……とにかくそれっぽく伝わったなら幸い
≫161割と独自解釈ですが……21/12/20(月) 14:24:42
イクトレの蹄鉄講座
『より正確には、爪、及び足趾(そくし。足の指のこと)の骨を保護する為です。
ウマ娘がレースで走る際の衝撃は、人体としてはかなり強い負荷がかかります。
この中でも爪・足趾の骨に対してかかる負荷はより大きく、通常のブーツではその負荷を吸収しきれません。
その為、金属による負荷吸収材、即ち蹄鉄の製造・装着が求められています』
『踵側に蹄鉄がない理由としては、足底の柔軟性の欠如が生む筋肉の引き攣れなどを防ぐ意図もありますが
多くの理由としては「着地はシューズ部分でカバー可能だから」です。
ウマ娘に限らず、人体は踏み出す際に1番筋肉・骨・爪への負荷がかかります。
走行における着地の際は踵⇒全体⇒指先へ衝撃を流すことができるので、踵は鋼材よりもクッション材の方が重要ですね。
ともあれこれは軽量化を目的として取られている措置なので、絶対に安全だからとは考えないでください。
自分に合った靴と蹄鉄を、常に計測・更新するようにお勧めします』
≫170二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:38:11
「第一回!チキチキ白毛女性トレーナー女子会〜!」
「どこにチキチキ要素あるんですか…あ、気にしないでくつろいでて」
「………???」
今、シビトレはトレセン学園のトレーナー室の一つにいた。
シービーに担がれてこの部屋まで連れてこられたかと思えば中に放り出された。そうして2人のトレーナーにソファに座らされ、机に様々なお菓子と飲み物を置かれて今ここに至るという訳だ。
「と、いうわけで!普段あんまり接点のない同じような元女性トレーナーのシビトレさんを招いての女子会で〜す!」
「どこに話してるんです?」
「ふっふっふ…どこでも良いのじゃよ」
「いや良くないです。この拉致られたのもびびってるじゃないですか」
「あの〜…」
「お、どうした?ポッキーいる?」
「いや…その…どちらさまです……?」
「あ〜…説明してなかったですね、申し訳ないです」
「何してるんですかバカなんですか?」
「後輩ちゃんが辛辣!」
どうやら結構仲がいいようだ。…私邪魔じゃない?
「私はね、ナイスネイチャのトレーナーです。よろしくね」
「あたしはシリウスシンボリのトレーナーです。あんたは?」
「こーら、そんな怖い言葉使わないの。萎縮しちゃうじゃない」
「あ…えっと…ミスターシービーの…トレーナー…で……」
「ほら見なさい」
「あ…えっと…すいません…」
「あんたじゃないよ。気にしないで」
「あ…はい……すい…ませ…」
最後の方はもはや聞こえなかった。彼女はもはや初めて人と出会った警戒心マシマシの野良猫である。
171二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:38:52
「あ…あの……」
「ん〜?」
「なんで…その…私なんか…が…」
「あ〜それか。それ先輩が言い出した事ですよね」
「はいはいまかせんしゃい。まずね、この前シビトレさんが生徒会の人たちと鬼ごっこをしているのを見て。あっ、そういえば話した事ないな〜と思っていたところにシービーさんから相談があったんですよ。ここまではいい?」
「は…はい…」
話の筋がわからない。とりあえず返事をしてしまった。
「それでね、シービーさんと話し合った結果『シービーさんが拉致って、私たちでなんとかして』ってなってね」
「はあ…」
そうはならんやろ…いや真面目に。
「そんで部屋にいた私達の目の前のトレーナーを誘った訳です。迷惑でした?」
はっきりいえば迷惑だった。部屋でサボテンの手入れをしていたのに。
「い…いえ…別に…」
「そっか!なら一緒に色々喋りましょ!」
「ほら、さっきは悪かった。キットカット食うか?」
「うむ、良き心がけだよ後輩ちゃん?」
「ちょっと黙ってて下さい」
「辛辣!?」
そんな掛け合いを私の隣で繰り広げる。本当に私いる?
172二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:39:34
「で、何話すんです?」
「まあとりあえずは…普段何してるか?」
「いきなりですね。もっと何かないんですか?」
「え〜良いチョイスだと思ったのに〜…そんで!普段は何を?」
「えっと…本を…読んだり…」
「ふむふむ」
「車とか…いじったり…」
「ほうほう」
「…………」
「…………」
「いや先輩が降った話題でしょ。何で無言なんすか」
「こら!それ言わない!ライン越えだよ!」
「何のラインなんですか…」
胃が擦り切れそう。この空間の異分子だよ私。
「それよりこのムードどうにかしましょうよ。その子震えてる」
「あっ、ごめんね?えっと〜…はい!このチョコあげる!」
そう言ってチョコの包みを剥がして渡してくる。こうやって渡された手前受け取らないわけにはいかない。
「あ…ありがとうござい…ます…」
カリッとそれを口に入れて噛む。なかからトロトロしたソースが出てくる。
なんか不思議な匂いがする。
173二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:40:42
「どうどう?それね、私がすごい好きなやつで」
「あの、先輩」
「どした?」
「それ、ウイスキーボンボンです。チョコソースのやつじゃないです」
「…まじ?」
「まじです何で確認しないんすか」
「しゃーないじゃん!だってだって…」
何か向こうで声がしている。顔が妙に熱い。頭がポヤポヤする。
「なんか顔赤いっすよその子!」
「え…うわほんとだ!水!水…」
そのネイトレの言葉は途中で遮られた。胸にぽすんと何かが当たる。
「………ねえ…今どんな状況?」
「わかんないですよ。先輩が悪いんですから」
ウイスキーボンボンで酔っ払ったシビトレは、顔を赤くしてネイトレの胸に顔をすりすりしていた。横からしなだれかかる形で抱きついている。先程の距離感はどこかへ行っていた。
「あの〜シビトレさん?」
耳がぴこぴこして顔にちょくちょく当たってくるのがくすぐったい。
「どうしよう…」
「あたしは知らないですからね。処理は任せます」
「いや処理て!私はなんなんだ!」
「え、ほぼ初対面のトレーナーを拉致した挙句酔っ払わせて抱きつかれているダメ先輩」
「うっ…後輩の正論で苦しい…」
しばしの沈黙が落ちる。
174二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:41:35
「シービーさん呼ぼうか…」
「そうですね」
下に目線を落とすと腰に抱きついて寝息をたてている。あの一瞬で寝たみたいだ。
「寝ちゃったね…」
「そうですね」
何故か自分までぽかぽかする。超あったかい。湯たんぽとして貸し出してくれないかな…
穏やかに眠る彼女を見ていると、ふと思いつく。
「ねえ…頭撫でて、いいかな?」
「そうですね」
「もう先輩のこと眼中になくない?ひどくない?」
ふわふわしたその猫っ毛が目に映る。ソファの上で流れるそれはあまりに長くて太い大河のようだ。
そ〜っと、手を伸ばす。手櫛にその髪を通すと柔らかいそれが通り抜ける。綿みたいに軽くて、見惚れるほどに真っ白なそれは純白の初雪を思わせた。
「なでても…いいかな?」
「そうですね」
「……もう何も言わないよ…」
優しく、起こさないように頭を撫でる。耳に触れるとくすぐったそうにそれを動かす。
「かわいいなぁ…シービーさんには悪いけど、もう少しこのままで…」
尻尾も心なしか嬉しそうにゆさゆさとしている。撫でてもバチは当たらないだろう。
そうこうしながら1時間が経った。途中部屋にネイチャが入ってきたが、察したようで寝顔をしげしげと見つめたあと部屋を出て、シービーさんを呼んでくれた。
「おやおやこれは…申し訳ないね」
「いえいえ、こっちも眼福だったから」
「ところで…今度、湯たんぽ代わりとして貸し出してもらうことって…」
「ああ、それは構わないよ。彼女にとっても良い経験だろうし」
そうして彼女をかかえて元来たであろう方へ帰っていくのを2人で見送るのだった。
175二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 14:42:02
「ねえ先輩」
「何?」
「なんでお姫様抱っこじゃなくてレンジャーロールなんですか」
「……わかんない……」
「詫びの菓子折り持っていかないとですね」
「……そうだね……」
後日譚
「ねえシービー」
「どうしたんだい?」
「私さ、この前ネイトレさんたちのところに拐かされたじゃん?何日か前に」
「そうだね」
「あのあと何してたかわかる?妙に何にも思い出せなくて。あと起きたら日跨いでたのも頭めちゃくちゃ痛かったのも」
「さあ?彼女たちに聞いたら良いんじゃないかな?」
「うへぇ…また話すのかぁ……でも…ちょっとくらいなら…良いかな…」
おしまい。