十六聖天 @ ウィキ内検索 / 「朝のご挨拶」で検索した結果

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  • 朝のご挨拶
    ...だったとか 朝のご挨拶 fin
  • 昼のご挨拶
    廃墟と化した街並みの中、爆音を切り裂いて一陣の疾風が駆け抜ける 風は水蒸気の雲を牽き、だがそれすら確認出来ぬ間に行く手を塞ぐ中年男性へと到達する 「ぐあぁぁぁぁぁッッ!!」 「田中ッ!?」 「田中さん、大丈夫か!?」 鎖鎌を構えていた中年が紙屑の如く宙を舞う様に、共に戦列を組んでいた青年と少年は戦慄する 「斎藤さん、今のは……」 「ああ……恐らくは超音速による衝撃波 ……少なく見積もって、奴の攻撃はマッハ3以上」 『然りだ、常命者(モータル) 我が触手は大気を割断し、鋼鉄すら軽々と打ち破る』 鎖を携えた青年の言葉に、先ほどの一撃を放ったものが答える その言葉は人のものに在らず、その姿もまた人とはかけ離れている 風船の如く風に乗る、歪に膨れ上がった半透明の胴体 無数に垂れ下がる触手に、時折走る七色の燐光 その身体は不自然なまでに脱力し、しかしそれが尚の事、不気味...
  • SS
    ...場人物 : 朝のご挨拶  登場人物 : 昼のご挨拶  登場人物 : とある日常の某高校でよくある授業中の光景  登場人物 : とある駄目人間の聖夜  登場人物 : とある駄目人間の初詣  登場人物 : 聖櫃探索編 第一話 「アルスラー・ナッシュとキルリアン家」  登場人物 : 聖櫃探索編 第二話 「聖櫃」  登場人物 : 聖櫃探索編 第三話 「グリゴリー・アレグ」  登場人物 : 聖櫃探索編 第四話 「キルリアンズ・グローリー」  登場人物 : 服部半蔵伝外伝ほのかの巻  登場人物 : スコットランド壊滅編 序章  登場人物 : スコットランド壊滅編 一章 新たなる騎士  登場人物 : スコットランド壊滅編 二章 生まれ堕ちる影  登場人物 : 犠...
  • 明楽いっけいの憂鬱外伝その27
    「どうしたいっけい?最近お疲れみたいだな」 「なんだアルゲマイネか。いや、別にたいしたことじゃないんだ」 「ふん、ずいぶんとご挨拶だな。人がせっかくお悩み相談してやろうと思ったのに……ははあ、さては女絡みだな。まあお前童貞っぽいしな苦労するだろうよ。で、相手は誰だ?俺の知ってるやつか?」 「まだ女絡みとは一言も言ってないんだが……」 「ああわかった、あの最近居ついた居候か。我が儘そうだもんな。じゃあ一ついいことを教えてやるよ。女ってのはムリヤリされるのがイイんだ。一発かまして黙らせてやれよ」 「無茶いうな!!だいたい小学生に手出したら犯罪だろ!!」 「大丈夫だ。まだ少年法で保護されるから存分にやれ」 「絶対やらねえ!!て言うかお前もストレスの一つなんだがな」 「ん?何か気に障ったか?まさか僕に惚れたなんて言うんじゃないだろうな。ホモはいかんぞ。非生産的だ。まあ僕ほどの美貌な...
  • キルリアン家
    代々ロシアの王朝を支える騎士団の長を輩出してきた一族で、ロマノフ王朝の 宝物庫の番を経て、世界中の神具、魔方器を管理し、正しき使い手に 与える組織となる。 十大聖天に奪われた十二神具の一部を取り戻すべく、十六聖天とは 協力関係にある。 また第二次世界大戦中、オカルトによって世界を征服すべく十二神具を 狙うナチス・ドイツ第三帝国とは古くから敵対関係にある。 現在、キルリアン家が認める十二神具の使い手は、 『スワンチカ』を持つグリゴリー・アレグ、『天羽々弓・天羽々矢』を持つ三条霧彦、 『倚天之剣』を持つ劉紫焔、そして『イージス』を持つアルスラー・ナッシュだけである。
  • 四堂春風
    四堂家四姉妹長女にして四堂家家長。 無能力者、生活無能力者、社会不適合者であり本気でどうしようもない人だが根は凄く良い人。 唯一できる仕事は朝の玄関掃除のみで近所からは綺麗好きなお姉さんとして通っている。 たまに猫とか犬とか一度逃げ出したライオン拾ってきて妹に叱らている。 そんな次女以下はそんな可愛そうな姉を支えるために家を出ることも出来ずに世話を焼く毎日。 九位の位は本人の知らないところで、妹たちが戦っていることを知らずよく妹たちが帰ってくると腹を出して寝ている。 趣味は現実逃避と自殺縄を持っての散歩。 因みに家は既に取り潰しにあっており唯一残った使用人屋敷(四畳二間風呂トイレ無し)で生活している。 最近、家が燃えて忘れ去られていた使用人屋敷其の弐に引っ越したようである。 四堂禍風 関連項目 四堂家 ケルヴィム・ケルベロス 完全自殺マニュ...
  • 淫獣vs屍姫3
    「見るな! へんたい!! クズ!! スケベジジィ!!」 罵倒とは裏腹に、襤褸と化したローブに必死で身を隠そうと身を縮めるデスメタル (イヤだ、こんなヤツに裸なんか見られたくない……っ) 「ヒヒッ、そうジタクタと動くと、余計に布地が落ちはせんかのう?」 哀れな身震いを嗤いながら、老人は両手を少女の上腹に浮いた肋骨へと重ねた そして、そのまま生白い段差をゆっくりと撫で上げていく 「ひ……ッ!! ヤだダメっ、さわったら駄目!!」 「何をおぼこい事を言うておる。嬢ちゃんも今時の娘じゃ、お乳を揉まれる程度は挨拶代わりじゃろう」 「――ッッ!! そんな訳な…ひぁっ……ん……っ」 怒りと屈辱で真っ赤になった顔が、次には淡い膨らみに触れられた嫌悪感と恐怖で青褪める 「やめっ、さわ……んっ……さわるなぁ。気持ち悪…うぅ……っ」 「ホヒヒッ、そう嫌がらんでも良かろう。せっかく爺が嬢ちゃん...
  • 悲しみの瞳の少女③
    「・・・あ、よく考えたら俺ジェット使わなくてもドバイに行けたんじゃん」 ドバイ行きのキルリアン家所有ジェット機の中でバックトゥザフューチャーのDVDを見ながら 粉末ソーダを飲んでいたギデオンが思い出したように声を出した 「全員連れてドバイに行くくらい俺できたよ!何で誰も言ってくれなかったわけ!?」 「今更何言ってんスかギデオンさん」 そんなギデオンに隣の席から映画を覗き見していた花子が画面から目を離さずに突っ込みを入れる 「ここまで来てそんな事言われたって仕方ないしー」 同様に後ろの席から頭越しに覗き見していたムーも突っ込みを入れる 「そんなに早く行ってもまだ何も来ていませんよ。それに発掘作業もまだ終っていません」 そんな仲良し集団のような所と通路を隔てて反対に座っていたリーナが冷静にコメントを返す 「そ、それにほら!こー言うのって何だか修学旅行みたいで楽しいじゃないで...
  • 須上紀花(すがみのりか)
    A高校の保険医 ビアンでサド 可愛い女生徒(主に花子)の傷口を消毒するのが大好き グラマラスだが独身 主な理由はやはりその性格にある 可愛い女の子は平等に愛するのが当然と思っている(愛し方は如何ともしがたいが 紺に近い豊かな黒髪を背の中ほどまで伸ばしている ふちなしの眼鏡を着用し、紅いルージュがセクシーさを増長させている 白衣も当然のごとく着用 下はタイトスカートであることが多い 春日みのりとは大学時代からの付き合い(性的な意味でなく)
  • ウォーターウォーカーウォーリアーと聖剣 エクスカリバー2
    「はい、エクスカリバーさん、あ~ん」 「あ~ん」 「ふふ、どうですか?新作のスイーツは?この前月間十六聖天にも紹介された隠れ家的スタバコーヒーのみで出してるんですよ」 「うーん、美味しいけれど私はデパ地下の知る人ぞ知るコージー角のチーズケーキの方が安くていいかなー」 「そうですか。では帰りに買って行きましょう」 「あ、みみちゃん。ついでに紅茶も買っていこうよ。週末だし、頑張った自分へのご褒美があってもいいよね」 「そうですね。たまにはナナエルさんも呼んでお茶会と行きましょうか?」 「おっけおっけ」
  • 春日みのり
    A高校の教師 大学で民事学を専攻していた 本名はみのりであるが、民事ともじってみそじちゃんと呼ばれて慕われている ちなみにみそじちゃんと呼ぶと烈火のごとく怒り狂う 「まだ28だ~!!」 ちなみに今年で29 無論彼氏なし処女 テニス部の顧問をしているが威厳はまったくない フラグを立てることによりテニスウェアでのHシーンが(ない 身長は150センチとクラスで1、2を争うほど低い(争うのはショタ系男子 まったく性的ではないが、極一部の男子(と多くの女子)に人気がある かなりの幼児体型 でもイカっ腹なのはアルコールのせいだったり…… 夏のファンディスクではスク水でのHが(ない
  • クリュサオル
    ネプチューン副司令官にしてネプチューン七海聖の一人 その正体は、かつて愛媛のみかん農家だった田辺謙五郎、その人である アトランティスとして太平洋を漂う中、気候の激減によりみかんは壊滅。これにより愛媛県民の心は折れた だが彼はそんな中、一人あきらめず、核戦争の中でも咲き誇るほどのみかんを作り上げることに成功した 今、愛媛のみかんは世界のみかんへと生まれ変わったのだ その時に得た科学者としての知識と、あらゆる状況に対応できるみかんを能力として戦う また、上記の事情から非常にアトランティス人に人気がある人物でもある クリムゾンブロウ曰く「今日のごはん何?」 ブラックパイソン曰く「ふわふわオムライス」 ムー・アトランティス
  • 十六聖天外伝 金柑の章
    明智光秀は自分の使えるべき男 織田信長の事を考えると、背筋が寒くなった 武力を持って、武家による天下統一…天下布武を唱え 圧倒的軍事力を背景に日本を手に入れようとする織田信長 紙を千切るかのごとく鎧武者を引き千切り、怪しげな力で空を割る 僧を平気で手にかける、これまでに無かった取り組みを数多く成す 危うい。光秀の内にある不安と不満は日に日に増すばかり とある城を落とすために策を練りに練り、開戦の時をまっていた時である 「光秀様!信長様が…!」 家臣の溝尾庄兵衛が血相を変えて飛んできたので 現場に向かうとそこには 「天下布武~!天下布武~!おれは天才だファハハハハ!」 と、単身敵の軍勢と戦う信長の姿があった (これでは策を練った私の立場がないではないか!) (やる、か…?) こうして彼は謀反を決意した。その結果は歴史が示...
  • いつかのおもいで
    「四堂家物語―かぞくのおもいで―」 月は昇りきり、世界を月光が照らす頃、一人の少年が屋敷の屋根に登り空を見上げていた。 「あなたですよね?」 少年は振り向かず誰もいない背後に問う。しかし、応えはない。 「……一週間位前かな、ずっとこの家を……と言うよりも遊季ちゃんを見ていましたよね?」 そこに至り始めて背後に居たナニカ――影が蠢き言葉を発す。 「幼い容姿の割りに中々目敏いな少年」 実際のところ、見た目よりかは少年と言う年齢ではない他称・少年は普段どおり評価を受け苦笑する。 「僕はあなたが何者かは知らないし、知ろうとも思いません」 「……」 「でも、もし、そう、もしもです。あなたが遊季ちゃんや遊夜くん達に何かしようとするのなら……」 「……するのなら?」 影は嘲笑を持って応え、そして僅かに身構える。しかしそれはあくまでも弱者を前にした狩りの為のたたずまい。 「...
  • 服部半蔵伝外伝ほのかの巻
    闇が秋葉原を覆った 太陽の恵みを遮り、人の営みを否定する闇が アバドン それは雲霞のごとき蟋蟀の群 千ではきかぬ、万ではきかぬ、群 そしてその中心にそれはいた アバドン それはひときわ巨大な体躯とひときわ巨大な顎を持った蟋蟀―――リオック 「喰らい尽くせ!喰らい尽くせ!」 アバドンが吼える 「喰らい尽くせ!喰らい尽くせ!」 アバドンが響く そして―――焼滅 「な……何がおこった!?我が群体が……我が軍隊がぁ!!」 「やれやれ、あの子たちが愛した街を壊されるのを見るには忍びないんでね。ちょっとだけ、手出ししちゃおうかね」 アバドンの前に現れたのは、たった1人の老婆だった 「今のを……貴様がやっただと……?舐めるなよ!俺を舐めるなよ人間風情が!!俺を誰だと思ってやがる!!ビーストハザードのアバドンを!!舐めるなあぁぁぁっ!!」 「もう少しおしゃべりは控えた方が...
  • 十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド 最終章 第二話~
    <次郎!次郎!> 「次郎様…!次郎様…!」 「へ…何てこたァねェよ…」 「あら強がり。けど凄いわァ…。よくあの体勢から二人も庇えたわね。死角なんてないはずなのだけれども」 豪奢なドレスに、くるりと髪の毛をロールさせた少女―リーザロッテは笑う 二人の少女をかばい、自身の能力、クイーンオブハートの槍で射抜かれた次郎 もし次郎が万全なら、誰一人傷つかず、この目の前の少女を当て身で倒していただろう だが、二人の少女を庇った時、一ヶ月前アリスに刺された傷が呻いたのだ 高速の攻撃一瞬の隙は致命的である。その隙が次郎を 標本の虫ように、地面に串刺しにさせていた 次郎は体を貫く熱いモノと、血液の流出から来る寒さ、真逆の感覚に耐えながら思考を巡らす 何故、もっと早く気付かなかったのか、と。もっと早く気付けなかったのか、と 「うふふ…まぁいいわ。あなたイイ男だしトドメ...
  • 十六聖天外伝 雪月華の章 第二幕
    「おやすみなさい、華子さん?」 横たわる花子の体を抱きよせる 「だぁい好きなお姉さまに抱かれて死ねる事を、光栄に思いなさい?」 うつむく花子の顔をあげ、口づけしようとする雪子。唇と唇が触れんとする、その瞬間 一本のかんざしが、地面に突き刺さった 「姉さん。それ以上はやりすぎですよ」 「あら。月子…。来ていたのね」 「…月子…お姉さま…?」 雪子以上に花子に似た…、少し表情に影のある少女がが、電柱の上に立っていた 「月子、私はあなたには同情しているのよ?こんな子に家督を奪われて… だからあなたを殺したくはないの  だから、大人しく見ていてくれないかしら」 「私は家督なんかに興味はない。私は華の影。華を傷つけるというのなら、姉さんでも容赦しません」 月子の手の中で数本のかんざしがチリンと音を立てる 「あら怖い…。そうね。ならいいわ。どの道挨拶のつもりだったし。今日はこ...
  • ヴェノムタイガーの後悔・中編
    キメラの中に舞い降りたプリティは攻撃を避けながら中指の長い爪で敵を刺していった その姿はまるでダンスを踊っているかのようだ たった一刺し、あるのは小さな傷のみ、普通に考えれば何の影響も無いはずである しかしキメラたちは次々と無数の赤い結晶と化し消えていった 赤い雪が世界を覆っていく・・・END・・・ってことは無かったが 全ての敵が消えるころには中庭は真紅に染まっていた 『4時だよ、もう寝なさい』 プリティが囁くとヴェノムタイガーが戻ってきた 『こっちは終わったよ』 「俺の方も無力化は終わった」 毒をもって毒を制す、ヴェノムタイガーに対処できない毒など存在しない その時敷地に近づく気配を感じた 裏の世界の住人である彼の感覚は十六聖天のなかでもトップクラスである 生きる上で自然と身についた能力だ 「三つか…」 しかし敷地内に入るか否かのところでその気配が急に消えた...
  • 教えて天才先生 第十話
    先生1号「あのー…あかうで先生~?くろへび先生~…?先生達宛てに質問っすよ~」 先生2号『こっち向け』 あかうで先生「うるせぇ。今話かけるんじゃねぇ」 くろへび先生「俺達は今儀式の真っ最中だ」 先生1号「…何してるんッスか…?」 あかうで先生「クドリャフカを作ってる」 くろへび先生「ハルヒとかいう投げ捨てられてたfigmaをベースにな」 先生2号「次郎の好きなゲームのキャラ?」 先生1号「なんで西園さんじゃないんッスか?」 あかうで先生「顔は造形できよう。だが」 くろへび先生「目を上手く塗れない。だから頭部の流用の効くクドを作ってる。わかったら回収されろ。ゴミ袋」 先生1号「鬼気迫る何かを感じるッス…」 先生2号『どうでもいいから ふらんを読んだ後にヘレンを読むと裏があるように感じられてしょうがないぜ     これについて答えて』 あかうで先...
  • 『沙羅と姉様』
    「ただいまぁー……」 鉄錆びた玄関ドアから漏れ出した乾いた空気に、寂しげな少女の声が溶けて消える 「お帰りなさい沙羅 意外と早かったですわね」 「わひゃあっ!? ……も、もう姉様ったら ビックリさせないで下さいな」 背後から掛けられた声に沙羅は小さく跳ね、大げさに驚きを表す くすくす、と品の良い笑いと共に現れたのは、彼女の双子の姉 否、性格には双子の姉を模した、沙羅自身の術式だ 「ふふっ、毎日独りで挨拶も寂しいと思って どうかしら、偶には返事があるのも良いものでしょう?」 するりと沙羅の横をすり抜けると、一足先に暗い廊下に電灯を点ける姉 誰かに触れられる肉体を持たない姉にとって、玄関の沙羅など居ないも同然 胸を刺す痛みを堪えて、沙羅は微笑みの表情を作る 「はい、とっても素敵ですっ ……やっぱり、家族って良いものですねー」 「あぁん沙羅ったら、今頃わたくしの素晴ら...
  • 『四堂家物語~しごとをするものしちゃいけないもの~』
    『四堂家物語~しごとをするものしちゃいけないもの~』 「いってらっしゃ~い」 「いってらっしゃいです」 妹達を見送った春と朔が二人家に残される。 「それじゃー」 「うん」 「寝よっか」 「え?」 春の言葉に目を点にする。 「だってすることないし」 「……ママってお仕事とかしてないの?」 思えば朔の記憶には母が働いていた記憶はなかった。 しかしそれは朔が生まれた為に仕事をやめ家事に入ったのだとでも思っていたからだった。 「お仕事してるよ」 「じゃあお仕事しないと」 「うん。だから寝よ」 「……」 「みんながね、私のお仕事は寝ることとご飯を食べることとお風呂に入ることなんだって。 だから私は一生懸命その仕事をがんばるの」 「……」 余りの言葉に一瞬、脳の機能が停止する。 夏たちの言葉を真に受けて本当に実行し笑顔で答える母がいささかの疑問すら抱いていない...
  • 『四堂家物語~夏の恋~』
    『四堂家物語~夏の恋~』 「むー……昨日力使い過ぎちゃったかな……」 独白しながら夏は腕を振り回す。突如後ろから背中を叩かれる。 「おっはよー」 元気よく話あいさつをしてきたのは同級生で同じく陸上部員の東 辰子だ。 「おはよ」 そしてそれに続く姿。 「おはようございます。お体どうかなさったのですか?」 名家のお嬢様で夏と同じく次女である茶道部部長の二条 雅である。 余談ではあるが彼女の姉は春を永遠のライバルとして目も敵にしているが今回の話には関係はない。 「んーちょっと運動のし過ぎ」 「あんだけ運動してるのに筋肉痛?」 「普段使わない筋肉使ったからねー」 何気なく応える言葉に雅が頬を染める。 「あら、どこの筋肉をお使いになったのかしら?」 「え? いや、変な想像しないでよ!? ていうかしてるでしょ!?」 「いえいえ、そんなことは……うふふふふふふ」 ...
  • AnotherWorldstories「幻灯機械1&2」
    冷たい冬の雨に打たれ、真新しい白の石碑が濡れ光る 墓前を飾る手向け花は、彼女たちが昔から好きだった紅白の薔薇 捧げられる鎮魂の言葉と啜り泣く声の中 彼は独り、未だ現実を受け入れられずに立ち尽くしていた ――― ―― ― 「……て ……きてよ…郎」 「うぅん……も、もう出ないぜ婆さん……ムニャ」 「……? ……きろ、起き…って言ってるでしょ次……!」 「……花子にデス子、なんでお前達まで……ぐぅ……」 「……ら、さっきから何……けて……!? いいから起き……郎!!」 「泣くなよアリスぅ……この次郎さんは四人までなら同時に……」 「――っっ!! よ、よよよ四人同時なんて何するつもりよっ!? この変態っ、スケベっ、性犯罪者ー!!」 膨れ上がる殺気……にも似た気がする小さな気配 何故か身体の真横から迫る軽やかな足音 不条...
  • 暁木姉妹の一日(朝)
    朝目が覚めるといつもと違う天井が見えた。 一瞬ここがどこだが分からなかったが、実家の母の部屋だと思い出した。 私の部屋は暁と留なっているので母の部屋を使うことになったのだ。 実家に帰って初めての朝。懐かしい畳の匂い。 服を着替えて台所に行くとすでに冴と優が朝食の用意をしていた。 お味噌汁の香りが漂う。実家独得の味噌汁の匂いだ。 「・・・・おはよう」 一息ついて、声をかけてみる。 「あっ、忍姉さんおはよう」 優が気づいた。 「姉さんおはよう、早起きやね」 冴も鍋をかき回しながら答える。 「帰ってきたばかりで疲れてるやろ?まだ寝ててもええよ?」 「ううん、もう目が覚めた。何か手伝うことある?」 妹達に任せっきりで寝てるわけにはいかない、姉として。 冴は少し考えてこう答えた。 「じゃあお茶碗並べてくれる?」 「・・・うん、わか...
  • 「四堂家物語―たまにあるこうけい―」
    「四堂家物語―たまにあるこうけい―」 部活の終わった夏は足早に帰路についていた。 そこで思いがけない姿――普段はもう帰宅しているはずの秋を見つけ足を止める。 「あれ? 今帰り?」 「ええ、少し生徒会が長引いちゃって」 「そっかそろそろ交代の時期だっけ」 「私は続投が決まっているようなものだから他の人の手伝いだったんだけどね」 一年生の頃から何かしら生徒会と縁がありそこに巻き込まれ続けている秋は苦笑を交えつつ応える。 そこに更に思いがけないもう一人の姿――学校が終われば即座に帰宅している冬の姿を見つける。 「冬、何やってるの?」 「ひゃぅっ?!」 背後から声を掛けられ思わず飛び上がる冬。 そして逃げ出す猫。 「あーごめん、猫と遊んでたんだ」 「……うん」 冬は悲しそうに俯く。 「ごめんごめん、ってあれ?」 更に思いがけ……ないわけでもなくとりあえずよく...
  • 四堂家の朝
    今日は気持ちの良い朝。 まだ冬の余韻が残るこんな日だけどそれはそれで心地良い。 私は朝ごはんとみんなのお弁当の支度をしながらよく外を見る。 雀が囀するそんな朝、私はこんな朝が大好きだ。 後ろではまだ眠っている私の可愛い妹たちが三人。 元気いっぱいの夏夜。 ちょっと意地悪だけど素直な秋奈。 おとなしいけど優しい冬音。 みんな私の可愛い妹たちだ。 「起きなさい、夏夜、秋奈、冬音」 「……ん、そこはいやぁ……」 「もう食べれないよ……」 「後、世界が一巡するまで……」 「ほら、起きなさい、みんな遅刻するわよ」 いつものように私はみんなを揺さぶる。 でも誰も起きない。 これもいつものこと。 少しだけ待ってあげて今度は大きな声で呼びかける。 「朝よ!! おきなさい!!!!」 「「「!?」」」 そしてやっとみんな目を覚ます。 これが私の日常。 これが私の過ご...
  • 十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド~ 番外編 北の勇者
    徳間の正確な射撃は、周囲を囲んでいた敵兵士を正確に射抜き 敵の包囲網に穴をあけていた 「アキタロー!」 「お嬢、お怪我は?」 「んーん。アリスは平気」 「そいつは良かった。話は後にして今はここから抜け出しましょう」 「うん!」 アリスの元気な返事を受け、徳間達は敵包囲網を突破する 逃走中に簡単なトラップをいくつか仕掛けておくのを忘れない 「けどアキタロー。どうやってアリス達の場所がわかったの?」 「…と、言われますと?」 「アリス達、たぶん空間ごと何かの干渉を受けてたはずなんだけど…ってアレ?」 そういえば、さっきまで感じていた違和感が今は一切ない。他の生物の気配もする。何だったんだろう 「私は普通に、お嬢の持ってらっしゃる発信器を便りに来ただけですよ」 「なんと、それでは機械的なものが今は使えるということですな」 ペンギン...
  • 十六聖天外伝 残光~三章・後篇~
    黒い何かは、ゆっくりと自分たちに近づいてくる どうやら、それは黒いローブを着た酷く小さな人影であるらしい 「我らとて好きで来たわけではない」 「左様。上からの命令。勘違いするな」 ≪余計な…世話…だ≫ 合成音なのだろうか。酷く人間離れした、聞いた者の背筋を寒くするような声 死者が喋るとしたらこんな声なのだろう、そう思わせるような声を発しながら、“それ”は次郎を見て言った ≪彼は誰だ…≫ 「彼は佐藤次郎」 「あの田中茂の代わりにこの度十六聖天に入った兵よ」 ≪あの…茂を…≫ “それ”の声に俄かに驚きの色が含まれていた。無理もない 田中茂…。かつて十六位だったその男は、天才的な鎖鎌の使い手として恐れられた男 代わりに入った、という事はそれを上回る才の持ち主という事だ 「…あぁ、俺は次郎ってんだ。佐藤次郎、よろしくな」 ≪…デスメタル…...
  • ケルヴィム・ケルベロスの歎き
    「何や早よう帰らんとまた怒られるで~。聞いとんのか春風…って、おらへんがな」 春風の散歩のお目付け役として出かけてきたケルベロスであったが一緒にいたはずの彼女の 姿は どこにも無かった 「またやってもうたか、これで何度目や。春風にはホンマまいるで。 まあええか、そのうち見つかるやろ。ちょうどええ機会やし次郎でも探そか」 「…次郎のにおいがする…あれやな」 しばらく飛んでいると遠くのスイーツショップに次郎らしき姿が見え、 その隣には二つの小さな人影があった。どうやら三人で食事に来ているようだ 急いで近づこうとしたとき異変に気づいた 「?何やこのドス黒い殺気は…」 周囲を警戒してみてみると常人では分からない僅かな空間の歪みが見て取れた どうやら殺気はそこから次郎に向けられているが、彼はまだ気づいていないようだ 「あの次郎のことやし心配せえへんでもかまへんけど、一...
  • 十六聖天のクリスマス1
    今日は十六聖天が一堂に集う忘年会の日 クリスマスも終了し、残りは年越しを待つのみとなった アリスは落ち着かなくきょろきょろと辺りを見回した 彼女を解き放った恩人であり、淡い思いを抱いた相手……佐藤次郎を探しているのだ。 会場内は未だに熱気と興奮の中にあった。 十六聖天は裏の存在であるものの、表向きにも大会社の要人だったりするものも居る。 その為、会場内にはそこそこの警備が敷かれていた。 クリムゾンブロウ 「あんな奴ら邪魔なだけなんだがなぁ」 ブラックパイソン 「俺らに敵う奴らが来るんだったらむしろウェルカムだぜ」 などと陽気な会話がなされている中、アリスは自分の護衛である徳間秋太郎を見つけた。 彼は2メートルほどの長身なので、遠くからでもすぐに分かる。 しかし護衛とは名ばかりで、戦闘の実力だけならばアリスのほうが上であった。 ...
  • ~大和大は落日に消ゆ~
    暗黒繰魔17人衆の1人である須藤蓮治に占拠された大和大(ダイトヤマ)はすでに2回の戦火をくぐり抜けている そして今3度目の戦火が大和大を襲った [オペ子A] 「正面より急速接近反応!放射魔力パターン照合……『聖騎士』ですっ!!」 [指揮官] 「馬鹿が!前面にはディアボロスビーストの群れを配置済みだ。跡形もなく喰われてしまえ!」 [オペ子A] 「ディアボロスビーストエリア突破されました!」 [指揮官] 「なんだとお!?」 『聖騎士』の突撃(チャージ)はあらゆる敵を打ち砕く 魔力を翼として高速機動を可能とした聖騎士の鎧 白銀の槍は立ちふさがる全てを貫き、白銀の盾は打ちすえる全てを防ぐ 聖なる哉聖なる哉 鎧が唱う 聖なる哉聖なる哉 盾が唱う 聖なる哉聖なる哉 彼女が唱う 聖別された白銀の槍の螺旋に刻まれた祝詞 唱い上げるは神の詩 祈り以て騎士...
  • 十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド六章中編~
    「あっれー おかしいなぁ。ここ来た時こんな場所だったっけ…」 余り外に出ない上に、この国の人間ではないアリスは、正直地理に疎い 迷子になること等は日常茶飯事なのだが、何となくいつもと様子が違う 何が違うというと変なのだが、何となく周りの景色が違う気がするのだ そういえば、まわりに人はおろか生物の気配が一切ない なんだろうコレは。その事実に気づいた時、アリスの顔は緊張で強張る 「ん?あれ。アナタどうしたの?大丈夫?」 「わぁ!」 「キャア!」 生物の気配がないと思った矢先、いきなり声をかけられたアリスは、思わず大きな声で叫ん でしまう それに釣られ、自分に声をかけてきた女性も大きく尻持ちをついている 年は二十代半ばを過ぎた辺りだろうか、とんでもなく巨乳である というか、アリスはこの女性の事を知っていた。本屋の巨乳お姉さん「まこと」である 「...
  • 黄金の瞳の少女 ④
    「うぅ…」 ワンダーワールドによって穴に突き落とされたナナエルは森の中で目を覚ました 「ここは…」 まだハッキリとしない意識と傷の痛みの中 今、自分が居る所はどこなのか知る手がかりを探そうと周囲をみわたそうとしたところ 「お目覚めになられましたか?」 「っ!?」 突然背後から見ず知らずの少女に声を掛けられ咄嗟に飛びのく 「あ、あなたは誰?ここで何をしているの?」 全くの混乱する状況の中、冷静かつ迷わず自らの安全を図ろうとする所は流石十六聖天と言った所か 警戒するナナエルに、突如現れた謎の少女は柔和な笑みで自己紹介をした 「私めの名前はイナバ、イナバ・キャロルと申します」 (キャロル!?) キャロルと言う名を聞いてナナエルは一層身を硬くする しかしメイド服のような衣装に赤い瞳の少女―イナバは尚も優しげに説明していた 「イナバめの役割はワンダーワールド様のご希望に...
  • しのぶれど ~ロボ魂キュリオスの出来は田中茂の秘め事修行~しのぶ悪霊の神々に挑む立ち位置に似てる~
    晩夏の風に深林がさざめき、下生えの緑の上に木漏れ日の碧が揺蕩う 生温い風と進まぬ足取りに海の底を歩む白昼夢を重ねつつ、暁木忍は道無き奥山を登り行く (……この先に、果たして私の求めるものはあるのだろうか?) 大人びたショートカットから伝う汗をTシャツの肩口で拭い、遙か山頂の木々の間から僅かに顔を覗かせた東屋を見上げる (百年無敗を誇る伝説の武術家、か…… その話が真実なら、あるいは――) 切れ長の鋭い目に決意の熱を滲ませ、忍は迷いを振り切るよう強く一歩を踏み出した 『その山には、天下無双の達人が住んでおる……』 暁木忍がその話を聞いたのは、彼女が訪れた九十九人目の武術家からであった 十六聖天の表六位という名誉に与った時より、彼女は常に自問し続けていた 『私は、本当に表六位たる資格があるのだろうか……?』 忍の仲間たちは皆、幾人かの例外を除き人を超越した力を持っている ...
  • 科学者の逝く先は・前編
    その部屋は漆黒に包まれていた 一寸の光も存在しないので部屋の大きさを測ることができない 足音の響きから察するに相当の広さがあることは間違いない (空気が重い…それに何この感じ?どこかおかしい) 魂や霊子の密度が異常に高いのにそれら全てがはっきりとしていない 輪郭がぼやけている、存在がずれている 中を進むと突然、上から光が差す テーブルと椅子が二つのみ、照らし出されている (座れということか…) 手前の椅子に腰掛けると声が聞こえてきた 「お越しくださいまして、まずは感謝の弁を述べさせて頂きます。 そして、本当に来て頂けるとは予測しておりませんでしたので正直驚いているところです」 暗闇の向うから一人の人物が現れ、向かいの椅子に腰掛ける 白のローブを纏い、顔はフードで覆われ見えない 「…力をくれるって本当?」 手紙が届いていた ~新たな力が欲しく...
  • ゴーメイの作戦「奪 此」
    コンコン 「おーいジジイ、ちょっと付き合ってくれー」 ムーは珍しく他人に他人に頼みごとをしに来ていた 「ゴーメイが何か作戦指示書渡してきたんだけどさー あったし中国の方ってあんま行った事無くってさー」 ここは中国香港、怪しい薬店の地下入り口前 特に治安が悪くケンカやスリなど日常茶飯事なロスみたいな所である 「あんた詳しいでしょ?ここまで案内してくれー」 珍しく尋ねた相手は付き合いの悪い事で有名な蓮鳳だった 「いないのかー?おーーーい」 ゴンゴンゴンゴン 電気メーターは明らかに待機電力じゃない回り方をしている (珍しく訪ねたってのにこれだもんなー) 「あと5秒で出なかったらドアぶっ壊して入るかんねー い~ちに~いさ~」 ガチャ 「…なんだ」 「なんか取り込み中だったの?でも悪いけど協力してよねー」 「強い相手が居ないのなら行く価値が無い」 ホントに自分の事...
  • 闇伝 外道対外道10
    「・・・それにしても、居心地がいいとは言えんな」 「そうですね・・・なんと言うか、町なのに学校に居るみたいな、そんな感じです」 苓と杷羽は、タクラマカン砂漠のど真ん中で出会った、天子教騎士団の少女フレアリンに連れられて (というか迷ったところをフォローして)、空を巡ってやってきたのはヴァチカン市国。 ヴァチカン市国。 世界最大規模の大聖堂そのものが国土という、世界で最も小さいながら、世界でも最大級の影響力を持つ国。 静謐にして荘厳なる地上部分の大聖堂こそがその国土の全てであるこの国は、天子教の、天子教による、 天子教のためだけの管理運営がなされている。 ある意味で、最も効率的に管理運営されている国家といえる。極端すぎて他国にノウハウを流用できないのだが。 基本的に天子教の信徒にしか門戸は開かれないこの国を抱える、イタリアの首都ローマに苓と杷羽は来ていた。 ...
  • 刀幻郷の神剣4
    「ほう・・・これがあの駄剣どもの村か。つか刃むき出しで飛び跳ねてるとか、どこのしびれだんびらだ。  迷惑極まりない土地だなここは」 「むらのひとたちは、と~げん、きょ~?、ってよんでるの」 「桃源郷、ねぇ・・・ま、屑どもの掃き溜めにゃ丁度いい名前だな。そこに行けば幸せになれる、ってか」 「むずかしくてよくわかんないね、タケ」 アォン! ワウワウ 「はっはっは、おまいみたなちびっこやわんこにゃ分からんだろうさ。とりあえず努力もしないで  手に入るもの何ざ、怠惰と慢心と驕りくらいなもんだ。まさにその塊だな、ここは」 「むぅ。なまけものはよくないの」 「全くだな。でだ、せめてここの屑鉄どもに生き甲斐でも与えて、折られに来て欲しいと思うのだが」 「あるじさま、あのひとたちにおしごとあげるの?」 「馬鹿言え。今のご時勢、あんな資格も職歴も根気もネタもないようなヤツラに出来る仕事...
  • 闇伝 外道対外道18
    太陽の戦神が暁光の中に姿を消す。 それを見送る者の中には、当然彼らも居た。 「・・・素晴らしいまでに、おいしいところは全部持ってかれたな。まさにやりたい放題ってやつか」 「まぁ、我々としても助かったわけだし、良しとしよう」 黒雲が払われ、まるで新世界の訪れを告げるような朝焼け空の下。 彼らの戦いもまた、終わったのだ。 「さて、そろそろ帰るとするか」 「・・・ところで、どうやって帰るのよ? 帰りの便の用意なんてされてなかった気がするんだけど」 「あるいてかえるの!」 「ユーラシア大陸を横断する気か?」 「うれないげいにんふぜいにもできることだから、たまちゃんにだってできるの!」 「まぁアレは若干の飛行機迂回も混じったがな・・・仕方がない。とりあえずは足の確保、だな」 そう言って移動する一団から、翠はひとり抜け出す。 「どうした?」 「あー、なんだ、ちょっと、...
  • 闇伝 外道対外道17
    弾ける光球から現れたその姿は、人々からすれば、白き鋼の鎧に太陽の如く光り輝く雄雄しき翼を携えた、 まさしく混迷の大地に神が遣わした太陽の戦神そのものであった。 「・・・すげぇ、なんだ、ありゃ・・・? つかあれランスロットじゃね?」 「お前の言うことは偶によく分からん」 「あれって・・・ロボット? でも、他のに比べると随分小さい・・・」 「でっかけりゃいいってもんじゃない! っておねーちゃんがいってるの」 「ええ・・・それは、まごう事なき真理真実ね」 「何の話をしている? ともかく、もう少し逃げたほうがいいだろう。幸い敵の注意はあれに向いている」 「だな、後はアレに任せるとするか」 天より舞い降りた戦神の中では軽い痴話喧嘩が発生していたが、それもひとまず沈静化。 「でだ麟音、大丈夫か?」 「ええ、もう大丈夫。それよりも、この状況は」 「どう見ても、やったの...
  • とある馬鹿と彼女の部屋で
    「よう、お疲れ」 「・・・とりあえず死んで? このド変態。マジ最低」 「といいつつちゃっかり用意してくれる辺り、さすがと言わざるを得ないわけだが」 「言っておくけど、次はないからね? 土下座しようと五体倒地しようと絶対にないから」 「といいつつ実は内心頼まれたら拒めない性分を隠せないリカちゃんであttぶべら!?」 「変なナレーション入れるな馬鹿ァ!! 変態!!」 先ほどまでの熱気もすっかり冷めた某武道館の裏手、関係者通用門。 グーパンチを顔面に受ける翠とグーパンチをぶちこむ摩璃華が恋人同士なのはご存知の通り。 恋人同士の二人、待ち合わせて帰宅するなど極当たり前の光景である。 二人が向ったのは、勝手知ったる何とやら、というやつである。 「というわけで付いたな」 「・・・うう、今すぐ追い返したいんだけど」 「いやー、ここ来るのも、もう何度目かねぇ。なんつー...
  • 十六聖天のクリスマス3
    天鏡宮に暖かくも穏やかな時間が流れていた。 アリス 「それでね、次郎さんったらそのまま逃げてしまって」 バーバラ 「あらあら、そうなの? 困ったわね……」 時間はとうに夕刻を過ぎ辺りは暗くなっていた。 だというのに、アリスの部屋を訪れるものがあった。 楽 「邪魔をする」 アリス 「あら?えっと、楽さん…?」 楽 「うむ、夜間に失礼だな。ところでなんだその……?は?影が薄すぎて私を忘れたか?」 アリス 「い、いえ、そんなことは!」 楽 「はっはっは、何、気にしておらんよ。ところでちょうどいいカッフェが手に入ったんだが、どうだね?」 アリス 「カッフェ…?」 楽 「ム…かのエクスカリバーが今時の女子はみなそう言うと聞いていたが…違ったか?」 アリス 「え、えと、うーん……ま、まあとりあ...
  • 闇伝 外道対外道11
    爽やかな朝を迎えた、イタリアはローマ。 陽気なイタリアンどもが闊歩するその町並みの一角で、フレアリンと杷羽は苓を待っていた。 「少し早く着すぎちゃったカナ? カナ?」 「遅いよりはマシじゃないですか? まだ時間はありますし、ゆっくり待ちましょう」 とは言うものの、家の外では良家のお嬢様そのものにしか見えない外見容姿の杷羽と、 見る人が見れば魅力的なフレアリンの二人が街頭で人待ちをしているその姿は、野郎から見れば 「声をかけないことのほうがむしろ無礼。万死に値する」と言われても反論のしようがないほど。 見れば、誰が最初に声をかけるか、互いに牽制し合い、のっぴきならない状況になりつつあった。 「・・・なんか空気が重い。というか檻に入れられたパンダさんの気分」 「ほへ? 体の調子が悪いのかな? 水道のお水は飲んじゃいけないよって言ったのに飲んじゃったりした?」 ...
  • 闇伝 外道対外道15
    放水が止む。 周囲全体に張り巡らされた鋼糸に、水が絡み付く。 (至る所に張り巡らされた鋼糸全体に、これだけの分量の放水・・・鋼糸が視認困難という脅威を失い、 さらにこの量の放水を受け止めているとなれば・・・その重量も相当な物のはずだが) (なるほど・・・考えましたね。放水の重量で操者へ心身双方のプレッシャーを与えよう、と言うわけですか。 ですが、それだけではまだ足りない・・・) 親父殿との盟約。 回答に社長の資格ありと判断するならば、「ダンタリオン」の全てを才覚を目覚めさせる捨て駒としてでも、 一流の暗殺者の魂を宿らせよ。さもなくば滅せよ。 息子にすら妥協を許さなかった親父殿の、結局は遺言となったその言葉。 遺言を引き継ぎ、ニシキとウエクサと共に計画を練り、忌むべき鬼畜とすらも手を組み仕掛けた、 一世一代の大芝居。幕引きの時が迫っていることを、ヒガシは感じていた...
  • 闇伝 外道対外道14
    放水が止む。 周囲全体に張り巡らされた鋼糸に、水が絡み付く。 (至る所に張り巡らされた鋼糸全体に、これだけの分量の放水・・・鋼糸が視認困難という脅威を失い、 さらにこの量の放水を受け止めているとなれば・・・その重量も相当な物のはずだが) (なるほど・・・考えましたね。放水の重量で操者へ心身双方のプレッシャーを与えよう、と言うわけですか。 ですが、それだけではまだ足りない・・・) 親父殿との盟約。 回答に社長の資格ありと判断するならば、「ダンタリオン」の全てを才覚を目覚めさせる捨て駒としてでも、 一流の暗殺者の魂を宿らせよ。さもなくば滅せよ。 息子にすら妥協を許さなかった親父殿の、結局は遺言となったその言葉。 遺言を引き継ぎ、ニシキとウエクサと共に計画を練り、忌むべき鬼畜とすらも手を組み仕掛けた、 一世一代の大芝居。幕引きの時が迫っていることを、ヒガシは感じていた...
  • 十六聖天のクリスマス4-2
    カチ、カチ、カチ デスメタル 「………」 時計の音が聞こえる。 この部屋の中には誰も居ない。 今、上の階からは騒々しい談笑と暖かな空間が存在している。 だと言うのに、私はここで皆が帰るのをただ待ち続ける。 仕方ない。私は十六聖天の中でも嫌われ者。 死者を弄び魂を冒涜する外法使い……それが私。 デスメタル 「…………」 少しだけうらやましいと思い、すぐにその考えをかき消す。 私にはあの輪の中に入る資格は無い。 けれど…… デスメタル 「ん……」 先ほどのホテルでの件を思い出して、私の顔は熱くなる。 アリスはどうして私にあんなことをしたのだろう…… アルハザード 「考え事かい?マスター?」 私の臣下の一人が話しかける。 彼は以前は吸血皇とも呼ばれていたらしいが興味が無いので深くは聞いてい...
  • 十六聖天のクリスマス5
    [アリス] 「う……うーん……?」  見慣れた部屋、見慣れた景色。  いつの間に移動したのか、自分のベッドの上でアリスは目を覚ました。 [アリス] 「……寒っ」  凍てつく真冬の寒さにアリスは身を震わせる。  紛れも無い現実の感覚がアリスを支配した。 [アリス] 「……夢……か。」  次郎の肌、甘い匂い。  しっかりと抱き合った感覚が残っている。  その感覚を思い出して、一人体温が上昇していくのを感じた。 [アリス] 「や、やだ……なんて夢を見てしまったの?」  どこからが夢だったのだろう?  それとも最初から全て夢だったのだろうか?  そういえば、とアリスは振り返る。  懐かしい友人の姿があったことをふと思い出した。 [アリス] 「ブロウ……パイソン……」  死んでしまったはずの友...
  • 闇伝 外道対外道9
    「のぉうぉわああああぁあああぁぁぁぁぁぁあああああ!?」 「くそっ! 早すぎる!」 襲撃は、轟音と共に訪れた。 弾丸、否、弾丸のような「何か」が雨霰と降り注ぐ! 「ちぃっ! この嫌な感じしかしないこの飛礫・・・あの人か!」 「そうよぉ! 久しいなぁ御曹司ぃ!」 当代派4名を出迎えたのは、周囲を取り囲む腕の立つ暗殺者と、異様な長さと造形の妖刀を携えた、一人の男。 三本槍が一人、錦織誠実、通称ニシキ。 先代派の中でも特に殺人狂からの支持が高い、狂気の果てを見てきたとされる漢である。 「どうしたよ御曹司? そんなところで何してるんで?」 完全に出足を挫かれた。 意図したことか偶然かは分からないが、まさにこれからというタイミングだった。 「・・・こうなった以上は、仕方がない」 「ですが社長! 相手は大旦那様と互角、それに周りはこの状況、圧倒的に不利...
  • ~ケルヴィム・ケルベロスの挑戦~
    時は十六聖天と十大聖天の決戦の数日前 十大聖天の基地の一番端にある一際寂れた薄暗い部屋の部署、聖天の掃き溜めと呼ばれる総務部庶務二課で、 バン・チャーは意気消沈していた 「十六聖天との戦いが迫っているのに、今だ何の命令も下りてこない。私みたいな無能な落ちこぼれは どうでもいいってことなのかな…」 聖天正社員ではあったが様々な作戦で失敗ばかりをしでかし、聖天候補生にもなれず、無能の烙印を押され、 この部署に送られたのである そんなバン・チャーに声を掛ける人物が二人いた 「元気出してくださいバン・チャー様」 「そうですよ、なにか出来ないか、みんなで考えましょうよ」 聖天契約社員のド・ビンとデ・ガラシーである 二人もバン・チャーと同じで無能の落ちこぼれな為でここに配属されたのである 「そうだね、頑張って良い作戦を立てて役に立ちたいね」 二人に励まされバン・チャーは少し元...
  • 闇伝 外道対外道10-幕間-
    天子教の総本山ヴァチカンの地下、禁忌区画の先にある広大なる地下渓谷。 誰一人としていないはずのその場所の片隅に、男と女が一組。 女、暴食“グラ”ことヴェアトリーチェは、両手首を拘束され宙吊り。 相対する男、森東苓は、その身を悪鬼へと真化させ、人ならざる身と術によりヴェアトリーチェの 全身の自由を完全に奪い去っていた。 「くぅ・・・! どうして、どうして動かないの! 私の体、私の魂なのにぃ!」 「ま、その辺を弄る手管については人間風情に比べれば長けていてね。特にお前みたいな霊素体は特に  手の加え甲斐があるというものでね。さて、それでは、楽しませてもらうとするか・・・」 苓の手が改めて、大きくはないものの女性らしらは主張する、小振りの乳房を揉みしだく。 「くぅ! ん! ・・・ふん、こんな行為の、何が楽しいのか、理解しかね、ますわね・・・!」 「そう言うな。揉ま...
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