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&bold(){(複素数とその四則、共役複素数、絶対値、偏角)}
$$ \mathbb{C}=\{ x+iy | x, y \in \mathbb{R}, i^2=-1 \} $$ を&bold(){複素数}という。
C には四則が定められる。
$$\begin{align} (a+ib) \pm (c+id) &= (a \pm c)+i(b \pm d) \\ (a+ib) (c+id) &= (ac-bd)+i(ad+bc) \\ \frac{a+ib}{c+id} &= \frac{ (a+ib) (c-id) }{ c^2 + d^2 } \end{align}$$
z=x+iy の&bold(){絶対値} |z| を、
$$|z|=\sqrt{x^2+y^2}=\sqrt{(x+iy)(x-iy)}=\sqrt{z \cdot \bar z}$$ とする。
($$\bar z=x-iy$$ を z の&bold(){共役複素数}という。)
z の&bold(){偏角} θ を、
$$ \cos \theta =\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}, \ \ \sin \theta =\frac{y}{\sqrt{x^2+y^2}} $$ で定める。
>z=0 のときの θ はすべての実数とする。ここでは深く考えない。
C を平面状の点と同一視した場合、この平面を&bold(){複素平面}とか&bold(){ガウス平面}と呼ぶことがある。
絶対値は、原点からの距離に相当する。
任意の複素数は、絶対値と偏角によって $$ z=r(\cos \theta + i \sin \theta) $$ と表せる。
>z=0 のときも成り立つ。
特に、絶対値1の複素数は cosθ+isinθ と書けて、単位円に相当する。
#blockquote(){{{命題 1.11
絶対値 r, 偏角 α の複素数 r(cosα+isinα) に、
絶対値 s, 偏角 β の複素数 s(cosβ+isinβ) をかけると、
絶対値が s 倍され、偏角が β だけ増加し、
積は、rs(cos(α+β)+isin(α+β)) となる。}}}
'''Proof.'''
三角関数の加法定理よりすぐに示せる。 ∥
これにより、f(θ)=cosθ+isinθ が
df(θ)/dθ=if(θ), f(α)f(β)=f(α+β), f(0)=1 を満たすことが確かめられる。
これは、f(θ)=e&sup(){iθ} としたときと同じ性質であり、次の定理を予感させる。
#blockquote(){{{定理 1.12 (オイラーの公式)
$$e^{i\theta} = \cos \theta + i \sin \theta$$}}}
本来は 定義 1.14 (指数関数、三角関数の定義) の直後で登場する定理。
証明は 定義 1.14 に代入するだけなので、各自で。(やって見せても意味が無い)
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*次:[[§7 級数]]