律「12番手もだけど、今回は短編が光ってたな」

澪「色んなツッコミどころを吹っ飛ばす勢いがあったしな」

梓「やっぱりコメディには勢いが必要ですよね」

律「ただ……さ、しょ、処女って、なあ?」

澪「ま、まあな……コメントが……その難しいな」

梓「で、ですよねー」

唯「?? えーっと、結局、みんな彼氏いないんだよね?
  よかった、私あせってウソついちゃったよ」ぺかー

ムギ「そうね。私もびっくりしちゃったわ」にこにこ

律「うっ、まぶしい……」

澪「なんだか二人を直視できない」

梓「唯先輩はいつまでも清らかでいてください」はぁはぁ

唯「そういえば、『寿吹家の超技術』で納得して悩んじゃったけど、実際に何かウソがばれた、なんてことはなかったよね?」

梓「ああ、よく考えたらそうですね」

澪「まず最初に何か簡単なウソを暴いてみる、とかだったら、その後の流れがより自然だったかもしれないな」

ムギ「たとえば……そうね。
   唯ちゃんはキスしたことある?」

唯「キス? したことないけど……」

ブーブーブー

唯「ええっ!?なんの音?」

ムギ「私の家がとある機関に依頼して開発した嘘発見器よ!」

梓「ゆ、唯先輩!誰と、誰とキスしたんですか?!」

唯「ちょ、ちょっと、あずにゃん!めが、目が怖いよ!?
  し、したことないってば!」

ブーブーブー

ムギ「いいえ、キスしたことあるはずよ?」

梓「ほら!ムギ先輩もああ言ってます!!さあ、きりきり吐いてください!!」

唯「けっぱく、けっぱくだってばぁ!」

律「あーわかった」

澪「何がわかったんだ、律?」

律「憂ちゃんだよ。
  たぶん、憂ちゃんが赤ちゃんのころに頬っぺたとかにしたんじゃないか?」

唯「あ」

ムギ「はい、大正解」

梓「……で、ですよね!そうだと最初から思ってましたよ!」

澪「そういえば、聡が本当に小さいときに律もよくやってたな」

律「ぶっ?!
  な、な、何言ってるんだよ?!」

澪「いや、本当のことだろ?」

律「澪だって、赤ちゃんのころの聡にキスしてただろ!知ってるんだからな!!」

ぎゃあぎゃあ

梓「つまり、こんな感じですか」

梓(聡くん……うらやまけしからんです)

唯「そういえば、憂とはよくちゅーしてたなぁ」

 作品の雰囲気   … 5点
 作品の冒頭    … 5点
 作品の展開    … 5点
 作品の読後感   … 4点
 作品の読みやすさ … 4点

 ひとこと感想:12番手もだけど、今回は短編が光ってたと思う。
        このアイデア。色んなツッコミどころを吹っ飛ばす勢い!実にいいなぁ!


澪「一番手と七番手を書いた◆IxdIiBIF62さんに引き続き、紬「かくれんぼ」を書いた◆XksB4AwhxUさんの二作目だ」

梓「うぅ、ド遅筆な中の人からすれば、多作な方の生産力は羨ましくて仕方ないみたいです」

律「何かの素敵な物語の始まりを感じさせる冒頭って感じだな」

唯「10番手の方の作品もだけど、面白そうな状況が設定されて、続き!続き!って気になるなぁ」

澪「そうだな。たとえば、ムギが私たちの家に1軒ずつ泊ってまわるとか」

律「おー、んで最後にムギの家にみんなで泊るとか?」

ムギ「そ、それすごくいいわね!」

梓「執事の斉藤さんを、菫に変えて、わかばガールズオチを天丼に持ってくるとかもいいかもしれませんね」

わいわい きゃっきゃっ


唯「あっ、そうだ!ふと思ったんだけど、今回の企画の短編みたいなSSって四コマ漫画みたいだね」

梓「あぁ、特にこの作品みたいに起承転結がはっきりしてると、特にそれっぽいですね」

澪「前に、別の所で小説とSSの違いを比較することで、SSの演劇性について語ったことがあって、
  『演劇的発想』がSSを書く上で重要になる、みたいなこと言ってたけど、それはどちらかというとやや長めな作品だろうしな」

ムギ「数レスみたいな短い作品は『4コマ漫画的発想』が重要となる、ってことね」

澪「この作品のように1レスに起承転結が書かれていて、1本の4コマ漫画みたいになっていると、
  『けいおん!』のような1つの4コマ漫画が連続して1作品をつくりあげているものとの親和性についても注目しても面白いかも、なんて思ったな」

梓「ちょっと作品の感想からはずれちゃったけど、そんなことをこの作品を読んで考えました」

 作品の雰囲気   … 3点
 作品の冒頭    … 3点
 作品の展開    … 4点
 作品の読後感   … 3点
 作品の読みやすさ … 3点

 ひとこと感想:1レスの中でこの起承転結をまとめあげたのがすごい。


澪「今回投稿されたSSの中で、私が1番、2番を争うくらい好きなのがこれだ。

  >大きな門に捕まり空を見上げていた。

  これを見た瞬間、ヤバイ!!って叫び出しそうになったよ」

律「ん?これって『掴まり』の誤字なんじゃないか?」

澪「その可能性もある
  でも、これは『1人称の作品』なんだ」

唯「1人称がどうかしたの?」

澪「釈迦に説法かもしれないけれど、1人称の特徴はなんだか分かるか?梓」

梓「えっと……簡単に言うと、主観人物の視点、つまりその人物の主観に従って書かれる、ですか?」

澪「そうだ、つまりこの文章は、主観人物である聡の見たままが記されているんだ」

梓「あっ、だから『掴まり』でも、ダブルミーニングを表現できる『つかまり』でもなく、『捕まり』なんですね!!」

僕の胸は大きく高鳴り、彼女とお話をしてみたい。

彼女がどんな声をしてどんな声をしていて、どんな性格をしているのか知りたい。

澪「これも、『僕の胸は大きく高鳴った。彼女とお話をしてみたい。』の方がわかりやすいかもしれないけれど、
  聡の意識からすれば、『高鳴り、』から『彼女とお話をしてみたい』という風に『思考の飛躍』があっても自然だし、
  むしろ1人称の文章としては誠実なんじゃないかな」

梓「じゃあ、同じように『もっと彼女の瞳に僕を写していたかった』の『写していたかった』も、
  『映していたかった』の誤字ではなく、聡くんの願望がまじっていたってことでしょうか?」

律「……そりゃ深読みのしすぎだって」

澪「(無視して)こんな風に、この作品は主観を大切にしているんだ。
  だから、

  >「あ、あの・・・いつも外を見てましたよね?」

  >「えぇ、見てたわ。そしてあなたは私を見てたわね」

  >「(前略)ねぇ、私がいつも空を見ているって言ったよね?何でだか分かる?」

  >「あ、空が好き・・・だから?」

 この『外を見てましたよね?』と『私がいつも空を見ているって言ったよね?』の一見矛盾に見えるやりとりも、ムギの主観を考えれば理解できる」

ムギ「この私にとって、『外』というのは『空』なのね」

澪「ああ。作品にちゃんと書いてあることを口に出すのは無粋だけど、その直後に自分を籠の中の鳥に喩えて『私は空は上手く飛べない』って言ってるからな」

唯「この辺りの文章は、ムギちゃんの曲『Humming Bird』から取っているのかな?」

ムギ「唯ちゃん、覚えていてくれたの?」

唯「えへへ、もちろん!」

ムギ「ありがとう。 ……すごく……すごくうれしい!」

梓(わ、私だっておぼえてたのに……ぐぬぬ)

梓「あっ、私、この後の『遠い道』と『近い道』の部分が好きです!
  作品の最後で、聡くんは『遠い道が音を立てて消えた』って言ってますが、
  先ほど唯先輩が挙げたムギ先輩の『Humming Bird』には、後半に

  本当に大事なもの 見えなくて触れないけど
  だから壊さないで 永遠にもできる

  きらり眩しい笑顔には 自分からあゆみ寄って
  その一歩が未来 出逢いはかけがえない宝石

  ひかり輝く奇跡なら ドキドキの向こうに 果敢に挑戦 

  という歌詞もありますし、『初恋』だからといって——いいえ、『初恋』だからこそ、大切にしてほしいですね」

澪「梓……良い!すごく良いよ!! あ、なんか次の曲の歌詞が浮かんできた!!!」

唯「『遠い道が音を立てて消えた』って部分、私も好き!
  『消えた』ってどちらかと言うと、静かなイメージあるけど、『音を立てて』がついていて、それにこの時のショックを考えると結構大きな衝撃なのかなぁって。

  それとも、消えることはもうある程度分かっていたんだろうから、自然に崩れたって感じなのかな。
  でも、『音を立てて』なんだよね。

  なんだか静かなんだけど、静かじゃないというか。すごく不思議な感じ。
  その音って、どんな音なんだろうなぁ」

ムギ「消えたものが、2年から3年、ひょっとすると4年も前の『遠い道』っていうのがいいよね。

   『消えた』と『音を立てて』で、イメージの矛盾というか齟齬というかズレのようなものを演出するとともに、
   『遠い道』が消えるときに立てる『音』が聞こえる、しかもそれは『今、ここで』聞こえる。

   『遠い道』と言いつつ、それは果てしなく遠い距離ではなくて、今でも『音が聞こえる距離』なのね。

  このイメージの距離のやっぱり矛盾というか齟齬というかズレのようなとしか言えないものを書けているのはすごいと思うわ」

梓「中の人が読後感に5点をつけたのは3作ですが、その中でも1番の読後感だと言っていましたが、そこの辺りも大きく影響しているんでしょうね」

律「偶然……というか、深読みのしすぎな気もするけどなぁ……
  だいたい、自分の弟の初恋話なんて、どう反応すりゃいいんだ!」

 作品の雰囲気   … 5点
 作品の冒頭    … 5点
 作品の展開    … 5点
 作品の読後感   … 5点
 作品の読みやすさ … 3点

 ひとこと感想:今回で一番、二番を争うくらい好きな作品。
         惜しむらくは、本当に惜しむらくは、投下の部分と推敲不足(「見て『だ』わね」とか)かなぁ。
         ううう……完璧なver.をみたかったなぁ。


澪「今回の作品の中で、一番笑ったのがこれだな。
  『隠し味の唾液混入も忘れない。』で思わず噴き出しちゃったよ」

律「『笑い』って評価項目があればかなり上位にいったかもしれない作品だったな。
  雰囲気が高かったのもその辺りが影響しているんじゃないか?」

梓「そういえば、これ確か元ネタがありますよね」

澪「あぁ、偶然最近見たんだ。元ネタも面白かったな」

律「まあそんな訳で、ちょっと他のオリジナルな作品とはちょっと差をつけた形になっちゃったな」

ムギ「でも、どこをどう改変してあるのか、とかそういう楽しみ方もできたよね?」

唯「うん、最後にこれが来てくれたおかげで、笑顔で企画を終えることができた気がする!」

澪「肩の力抜いて、菫ちゃんのムギへの愛?にツッコミ入れながら読めたしな」

律(……愛、だよな。いや、うん!あれは愛、愛だよ。愛ってことにしとこう)


 作品の雰囲気   … 4点
 作品の冒頭    … 3点
 作品の展開    … 3点
 作品の読後感   … 3点
 作品の読みやすさ … 3点

 ひとこと感想:一番笑ったのがこれ。思わず噴き出してしまった。
        既存の作品の改変じゃなくて、これがオリジナルだったらもっとすごかったんだけどなぁ。


ムギ「はーい!到着です!」

律「おっ、そんなこんなしているうちに着いたか」

梓「ムギ先輩の家って、結構学校から近いんですね」

唯「なんか思ったより普通だね……ってあれ?
  この台詞、前も言ったような」

律「いや、ここって……」

澪「あぁ、確か……」

梓「え?え?
  皆さん前に来たことあるんですか?」

ムギ「ふふふ♪」

律「待て待て待て、いやまだ判断を下すには早い!」

澪「そ、そうだな……まだ本当にそうと決まったわけじゃ……」

梓「?」

律「階段上がって……」

唯「4階で……」

澪「403って……」

入口に着くと、ムギは目を閉じた。それはまるで、何かを確認するかのように見えた。
少しの間だけそうした後、ポーチから合鍵を取り出す。

律「合鍵?!」

がちゃり

ムギ「ただいまー」

澪「ただいま?!」

?「今日は早かったのね……って……ええええええ?!
  どうしてあなたたちが?!?!」

律・澪・唯・梓「「「「えーーー?!?!」」」」

律「さ、さわちゃん?!」

唯「ど、ど、どういうことなの?!」

澪「ど、ど、ど、同棲?!同棲なのか?!」

ムギ「えへへ」

梓「ほ、本当に同棲しているんですか?」

さわ子「そんな訳ないでしょ?!
    今回のお話は撮影期間が長かったし、撮影も飛び飛びだったから、いつ呼び出されてもいいように、
    学校に近い私の家に荷物とか置いていただけよ!」

ムギ「撮影の間だけ、ちょっとお邪魔させてもらったの」

唯「びっくりした〜」

律「確かに、学校が舞台だし、実際相当長い時間かけて撮ってたものな」

澪「アイデア段階からだと3年くらいかかったんだっけ?」

梓「いや、なんだか色々とおかしなところがありますよね?
  ここまでの会話でも聞き流せない部分が多々あるんですが……」

律「こりゃ、ちょっと詳しく話を聞かないとだな!」

唯「そうそう!お茶とお菓子とお話をしょもーします!」

さわ子「……はぁ、しょうがないわね。
    いいわ、みんなあがってちょうだい」

澪「あ、はい……お邪魔します」

唯・律「おっじゃましまーす!」

梓「し、失礼します。
  あぁ、もう、唯先輩、律先輩、しっかり靴を揃えてください!!」

律「うわっ、さわちゃんの下着干してある!」

唯「黒!黒だよりっちゃん!!」

澪「こ、こら!いきなり何してるんだバカ律!」

梓「ゆ、唯先輩、そんなことしちゃダメですよ!」

さわ子「ちょっと、勝手に色々といじらないでね!」

ムギ「……あの」

さわ子「ん? どうかした?」

ムギ「突然みんなを連れてきてしまって……ごめんなさい」

さわ子「……身体の調子はどう?」

ムギ「えっ? あ……今は、まだ大丈夫です」

さわ子「……そ、ならいいわ。
    友達を連れてくるぐらい、別に平気よ。
    ただ次からは、事前に連絡ぐらい入れてね。
    軽く掃除くらいはしないと、でしょ?」

ムギ「はい……すみませんでした」

さわ子「いいのよ。
    それに、謝るようなことじゃないわ。
    ね?」

ムギ「……はい。ありがとうございます」

さわ子「そうそう。忘れてたわ」

ムギ「?」

さわ子「おかえりなさい」

ムギ「あ……えへへ、ただいま」

律「おーい、ムギ何してるんだー?」

唯「ムギちゃん早くおいでよー!」

さわ子「ほら、みんなが呼んでるわよ?
    早く行ってあげなさい」


ムギ「はい! じゃあさわちゃ……先生も一緒に!」

さわ子「いつも通り、『さわちゃん』でいいのに」にやっ

ムギ「いえ、あの、それは……その……」かあっ

梓「ムギ先輩?」

澪「さわ子先生も早く来てくれないと、律たちが……」

唯「うわあ!冷蔵庫の中に美味しそうなケーキ!!」

律「こっちには、紅茶の葉っぱがいっぱい!!」

さわ子「ちょ、ちょっと、本当に色々触っちゃだめなんだからね!!
     ムギちゃんも、早く行ってあの子たち止めて!」

ムギ「ふふっ、はーい!」

たったったった

おしまい


ムギサワーもっとふえろ!


長々とお待たせしてすみませんでした。
これで企画の感想語りはお終いです。

頭の悪いことに、自作の4倍近い2万5千字もダラダラと書いてしまい、自分のダメさとアホさで頭を抱えています。
しかも、自作語りもあまりに長くなってしまい、蛇足の長さがキリン並になってしまいそうなのでカットさせていただきました。

最後になりましたが、企画者の方には投稿の時からご迷惑のかけっぱなしで本当にすみませんでした。
また機会があれば企画等に参加したいと思っています。

それでは、ムギサワーな作品が増えることをお祈りして筆を置かせていただきます。



最終更新:2014年04月08日 07:53