FF8-2

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ガンブレードを得物としたのは、サイファーの方が先だった。 幼少の頃に見た映画の影響だという。 愛しの姫君を守るために竜と闘う騎士を描いた、ありきたりな物語。 相手を射抜くかの様に、切っ先を真っ直ぐ水平にする独特の構えも、 その映画の主人公を真似たものらしい。 重いガンブレードを水平に、しかも片手持ちで構えるなど、およそ実際的ではない。 が、それを実現たらしめているサイファーの膂力には、侮りがたいものがある。 俺がガンブレードを使う様になったのは、サイファーに対抗するためだと、 多くの人は思っている。勿論サイファーもその一人だ。 今までの俺とサイファーの確執を思えば、それも止むを得ないが、 実際のところそれは無関係だ。 訓練生時代に色々な武器を試してみたが、一番しっくり来たのが このガンブレードだったというだけの事だ。 が、それは誰も知らない。誰にも言ってないからだ。 別に秘密にしているわけじゃない。ただ単に面倒くさいからだ。 自分の事を知ってもらう、これは面倒なだけではなく、さして意味のない事。 俺は人の事に興味を持たないのと同様、自分の事に興味を持たれたくはない。

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