「クラウド…こなかったな」 「無事だよね…?クラウド…」 列車の貨物室では重い空気が流れている。みなクラウドの安否を気にしているのだろう。 「あんな金にしか興味ねぇような奴が報酬も貰わないで消えるわけないだろ!!」 大声で誤魔化してはいるものの、やはりクラウドが気になっているであろうバレット。 「お前らがもう少し頼りになればよ、あんな奴雇わないでもいいんだがな…」 …はぁ、と溜息をつく二人。車内にはますます重い空気が張り詰めた。 ……バタン!それは突然だった。一同は驚きドアの方に目を向けた。 何とクラウドがドアを蹴破って入ってきたのだ。 「「「クラウド!!」」」 あまりにも突然の出来事で誰もが声を張り上げた。 「すまない、遅刻のようだ」 あくまで冷静を装う。ほっと胸を撫で下ろす他の面々。 「遅ぇじゃねえか!心配させんじゃねえ!」 「ほう…心配してくれたのか」 揚足をとるクラウド。思わずクスっと笑うビッグスとジェシー。 「う、うるせえ!よし、おめぇら!場所を変えるぞ!ついてこい!」 バレットが一喝し動くと、ビッグスがそれに続いた。 「やだ、クラウド!顔真っ黒じゃない!」 ジェシーがポケットから濡らしたハンカチを取り出しクラウドの頬の汚れを拭き取った。 恥ずかしかったのかクラウドは頬をぽりぽりとかいた。 「私達も移動しましょ!」 二人も隣の車両へと移ったのだった。