第1章 SeeD-25

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第1章 SeeD-25 - (2007/12/13 (木) 01:00:58) のソース

俺たちを乗せた車は、間もなくバラムシティに到着した。 
バラムシティ。バラム島南岸にある港町。 
優美な曲線で構成された家々、青と白で統一された街並み、眼前に広がる海。 
全てが見事に調和した美しい風景に憧れ、近隣から訪れる観光客は後を絶たない。 
しかしそんな景観を楽しむ余裕もなく、俺たちは港への道を急いだ。 

「あっ、ゼル兄ちゃん!」 
「よう、ゼルじゃねぇか、おめかししてどこいくんだ?」 
「また何かやらかしたのかい、ゼル」 
ゼルの姿を目にした町の人々が、次々に話しかけてきた。 
彼等とすれ違うたびに、ゼルは手を挙げて応じている。 
「そういえば、ゼルはこの街の生まれだったわね」 
「おう、そうだぜ」 
「いい街だ。チキン野郎にゃもったいねぇ」 
「うるせぇよ!」 

やがて俺たちは港にたどり着いた。すでに高速上陸艇はスタンバイしている。 
「おそいぞB班、駆け足!」 
俺たちの到着に気づいた試験官が、大声を張り上げた。 
叱声背中を押されるようにして、俺たちは急いで上陸艇に乗り込んだ
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