かなり真面目にFFをノベライズしてみる@ まとめウィキ内検索 / 「「Prelude8」」で検索した結果

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  • 「Prelude8」
    「ガルテアの加護を、そなたに」  厳かな言葉と共に差し出された剣を、ラスラは受け取った。 ずしりと、重みが腕に伝わる。美しい剣。人殺しの道具であるというのに――それはどこまでも美しく、気高く見えた。 「ありがたき、幸せ」  人の命を奪うもの。けれど、それは同時に――守ることの出来る、唯一の武器でもある。 (――――……)   ラスラは視線を正面の国王からわずかに右に移した。王の斜め後ろには――  守るべき人が、そこにいた。  彼女は不安げな顔で――傍目にはいつものきりっとした顔にしか見えないだろうが、ラスラには彼女がその胸を不安でいっぱいに満たしているのがすぐにわかってしまっていた――こちらを見つめていた。  亜麻色の美しい、肩までの髪。儚げながらも、強い意志をその双眸に宿した気高き皇女。――生涯の妻。守るべき、者。  ラスラは彼女を見つめた後、体を...
  • 「Prelude18」
     ほんの数日前の出来事だった。あの幸せに包まれた瞬間。初めて触れた唇の感触も、ぎこちなく自分の手をとって指輪を嵌めてくれたあ の手つきも、昨日のことのように思い出せるというのに。  あの時純白の花嫁衣裳に身を包んでいたアーシェだったが、今は――彼の死を悼み、喪に服す為に漆黒のベールを纏っている。 「汝の肉体は大いなる父の祝福を受け、大地へと帰らん――」  厳かに祈りが捧げられる。祭壇の上には、棺があった。その棺の中には、――ラスラが、いる。  アーシェは棺のそばに立ち尽くしていた。誰よりも、ラスラの近くに立っていた。彼女の視界には入っていなかったが、礼拝堂には人が 溢れていた――誰もが涙を流し、若き王子の死を悼んでいる。 (どうして――)  ナルビナに発つ前――戴剣式のときに、彼が見せた表情。  もう二度と会えなくなるなどと、誰が想像できただ...
  • 「Prelude」
    未だパレードが始まるまで時間があるというのに、ダルマスカの大通りは人々で溢れ返っていた。 近隣諸国からの観光客も多く、パレードで使用しない通りの両端はキャラバンや市民の即席の市で賑わっていた。 「どう?御成婚記念の今日だけだよ!」 美しいミスリル細工や織物、珍味などが屋台の売り子に捕まえられた人々の財布を途端に涼しくさせて行く。 長い耳を持つヴィエラの二人組みが談笑を止めて顔を上げた。その瞬間、視線の先で花火が上がった。 「いよいよ始まるのね!」 誰かがそう叫んだ。観光客が眺めていた金細工を放り出した。 大通りへ続く道へ、各々の速度で人々が進み始める。 打楽器の奏でる音が微かに聞こえ始めた。 門が開き、パレードの先頭が現れた。 ナブラディア地方に住む民族らしい男を先頭に、ビュエルバのモーグリ族の鼓笛隊、草原のコッカトリスの群が続く。 モーグ...
  • 「Prelude9」
     ナルビナ城塞はその歴史上類を見ないほどに苛烈な戦場となっていた。  上空を飛び交うのは無数の飛空挺。一人乗りの射撃用機関銃のみを搭載した飛空挺が、まるで蜜の多い花の取り合いをしている蜂のように、触れるか触れないかの位置を猛スピードで飛び交っていた。  そのはるか上空には、空母――アルケィディア帝国軍の誇る艦隊が、まるで戦争を観察しているかのように悠然と構えている。おそらくそこにはアルケィディア軍の将軍首がいるのだろう。  苛烈な、そして明らかに押されているダルマスカ王国の必死の抗戦を――あざ笑っているのかもしれない。  それを思うと唾を吐きかけてやりたい気分になった。だが――そんな暇など、ない。  大混戦となったナルビナ城塞の頂上近くから、バッシュは城塞入り口付近を見下ろした。眼下には――まさしく地獄絵図が広がっている。  ダルマスカ王国軍とアルケィディア帝国軍。...
  • 「Prelude3」
    冷たい石の回廊を、大で歩く軍服の男――  すれ違う何人もの王宮仕えのメイドや警衛兵が、その男の纏うただならぬ雰囲気に、不安げな視線を寄せていた。  それらの視線をものともせずに、彼はひたすらに歩を進める。駆け出しそうになる体を押さえ、出来るだけ早くその広間へとたどり着けるように―― - - - - 「このあと、アルケィディアが陸、空、双方からの同時攻撃を開始すれば――」  机上に広がる地図の上を囲むようにして、男たちが顔をつき合わせていた。椅子に座る余裕もなく、全員が立ったままだった。  上座にダルマスカ王国国王、その次座には先日国王の末娘、アーシェ・ダルマスカと正式に結婚した隣国ナブラディアの王子、ラスラ。そして軍師、参謀などダルマスカ王国軍の中心人物たちが、難しい顔をして現場から帰還した兵士の状況説明を受けていたが――  張り詰めたような足音とともに...
  • 「Prelude6」
     祖国ダルマスカ。救う方法があるとすれば、ナルビナ城塞で敵を止めることだけだろう。それが出来なければ、ダルマスカ本土はアルケィディア帝国軍に蹂躙される。それだけは――故郷を失うことだけは、避けたかった。  バッシュはそれだけ告げると、背を向ける。一刻の猶予もない――飛空挺を多く所持するアルケィディア軍が、矛先をナブディスからナルビナへと向けたのはもう数時間も前だ。急ぎ向かい、そして対策を練らなければならない。  と―― 「ご一緒させてください!」  思わぬ声に、バッシュは足を止めた。体半分だけ振り返ると、ラスラがこちらを見据えている。  驚いたような国王の顔。そしてラスラの顔を見つめ―― (…………)  彼の目に強い決意の光が灯っていることを認めると、バッシュは頷いて歩き出す。その背中に、駆け寄ってくるラスラの足音が聞こえてきた。
  • 「Prelude4」
    その一言に、場の空気が一気に張り詰める。彼――バッシュも、それを言葉にした途端に胸に焦燥が走るのを感じていた。ナブディス。アルケィディア帝国とダルマスカ王国の狭間にある小国。アルケィディア帝国のダルマスカ侵攻を防ぐ、たった一つの堰だった。  そのナブディスが、落ちた―― 「なに!?」  王が目を見開き、鋭く囁くように呟いた。そして、その声を遮るように、 「父は!?」  ラスラがバッシュを見上げ、どこか縋るような声を上げた。当然だろう――彼の故郷であるナブラディアの首都、ナブディスが落ちたのだ。家族や民、なによりも国を思う気持ちからか、ラスラの目に悲壮なものが宿る。  バッシュは一瞬言葉を詰まらせた。だが――事実を伝えなければならない。目を伏せる。真摯な彼の視線に耐えられなかった。 「わかりません、ラスラ様……」 「っ……」  バッシュの答えをある程度は予...
  • 「Prelude7」
    ダルマスカ王国の王都ラバナスタ。ほんの数日前には、豪華な成婚パレードが行われていたメインストリート――花びらが舞い、華やかな音楽と共に壮麗な馬車が走り――そして隣には、彼女がいた――幸せがそこにあったというのに。  轟音と共に空から舞い降りた無骨な飛空挺から、吐き出されるようにチョコボに乗った騎士がストリートへと降り立つ。チョコボ上の騎士たちが行進に加わり、そしてその周りには歩兵がおのおの武器を携えてまっすぐに進んでいく。  騎士や歩兵の進む先――ダルマスカ王家の住まう宮殿。祭事用の広いバルコニーの真ん中に設えられた王座に腰を下ろしていた国王が立ち上がるのを確認して、ラスラはその眼前に進む。  背下には数万人の兵士がいる。戦地へと赴く彼らの目までは見えないが、彼らが不安や恐怖に少なからず心を支配されているのはすぐにわかった。張り詰めたような空気を、背負うような気持ちだった。 ...
  • 「Prelude5」
    ラスラを一瞥してから、王の傍らに佇んでいた参謀が声を上げた。 「ナブディスが落ちたとなると、アルケィディア軍のダルマスカ侵攻を妨げるものは何もありません」  参謀が指し示したのは、机上の地図。そこにはバッシュの発言を受けて、地図上の仮想アルケィディア軍の戦力――陸からの勢力は青、空からの勢力は赤に色づけされている――が、ダルマスカの国境・ナルビナ城塞へと殺到する様子が表されている。 「奴らが国境に達するのも時間の問題です」  ダルマスカ王国軍とアルケィディア帝国軍は、ナルビナ城塞でのぎりぎりのせめぎ合いをしていた。強大な軍事力を持つアルケィディア帝国軍の猛攻撃を、ぎりぎりとはいえ抑えることができているのは僥倖だ。 ただでさえそんな深刻な状況だというのに、この上ダルマスカへの直接攻撃への堰の役目を果たしていたナブディスが落ちたとすれば――そして、ナブディスへ向かっていたア...
  • 「Prelude2」
    綺麗……、と誰かが呟いた。 その馬車の上に、優雅な微笑を湛えた女性と、同じように微笑む青年が立っていた。 アーシェ・ダルマスカとラスラ・ナブラディア。 白銀のドレスと鎧を纏い、幸せそうな笑みを湛えた王子と王女。 彼らを祝福する花びらが、両端に建っている民家の窓から少女達によって通りに舞い落ちている。 目の前にゆっくりと落ちてきたそれをアーシェは薬指に指輪のはまった手で受け止めて、 視線を花びらに落とし、そっと微笑んだ。 「大いなる父の名において汝らふたりを夫婦であるとみなす」 キルティア教の神官が厳かな声を、貴族の集まった教会に響かせた。 「恵み深き神の祝福が、汝らの行く道にとこしえにあらんことを――ファーラム」 人々の座る椅子よりも高い位置にいる神官の目の前でアーシェと向き合っていたラスラが半歩踏み出した。 ぎこちない動きでアーシェが顔を...
  • 「Prelude16」
    どれくらい走ったのだろうか。悪夢のような一夜は明け、もうすぐ陽が昇る。  すっかりナルビナ城塞は遠くなった。バッシュたちが場外へと脱出する姿を見て、追いかけてきたいくらかのダルマスカ王国軍兵士たちは皆一様に傷を負っていた。おそらく――これが残存兵力のすべてだろう。  砂漠の真ん中――ラバナスタへとあと少し、という位置で岩場に影を潜めるようにしてチョコボを止めると、他の兵士たちも同様にチョコボから降り立つ。 動けるものはその背に乗せてきた重傷者の介抱を始め、また――途中で力尽きたのか、もう動かない仲間の体を抱きしめてむせび泣く者もいる。  完全な敗戦だった。ナルビナ城塞は――落ちた。  バッシュはチョコボを降り、ラスラの体を下ろした。もうぴくりとも動かない体を、砂の上に敷いた自分のマントの上に横たえた。まだ幼さの残るその顔は、まるでただ眠っているようだった――その胸に突き...
  • 「Prelude11」
    「ここは落ちます。撤退しますぞ!」  混戦状態の戦場で、バッシュは叫んだ。  そのすぐそばで、チョコボ上から剣を振り下ろすラスラ――その手には当然、王から下賜された聖剣が握られている――は、チョコボ上の自分たちを引き落とそうとするアルケィディア帝国軍の歩兵を敵を一人、その剣で薙いだ。 「まだだ! まだ、魔法障壁がある!」  魔法障壁――そう叫んだラスラが天を仰いだ。その動作につられるようにしてバッシュも天を仰ぐ。  魔法障壁。ナルビナ城塞の最奥部では、四人の白魔導士たちがクリスタルを囲んで今も呪文の詠唱を続けているはずだ。魔法障壁はナルビナ城塞上空を囲むようにして展開されている。ガラス球の内部にいるようにその障壁は普段は目に見えないが、障害物――上空でいまだ 激しくぶつかり合っては墜落する飛空挺を受け止め、城内への侵入を防いでいた。  これほどま...
  • 「Prelude17」
    「ラスラ様は戦死された」 「ああ……」 「最後まで勇敢だった」 「……わかっている。――自分をあまり責めるなよ、バッシュ」  ウォースラは立ち上がると、片手を上げた。バッシュがそちらを見ると――比較的元気なチョコボに一人の兵士が飛び乗り、ダルマスカ方面へと駆け出していった。王に状況を――ナルビナの陥落、そしてラスラの戦死を伝えにいくのだろう。  この場所へ、時間をそう置かずに飛空挺が到着するだろう。ラスラは、その飛空挺でダルマスカへと帰還する。  と――  轟音に顔を上げると、頭上をいくつかの飛空挺が飛んでいくところだった。ナルビナ城塞方面から、ダルマスカへと向かっている。  おそらく――アルケィディア帝国軍の指揮者が乗艦している艦だろう。その空母を護衛するようにいくつかの飛空挺も飛んでいたが、その数は少ない。当然だろう――ダルマスカはもう、ほとんどの兵力を...
  • 「Prelude10」
     その規模は数千、いや数万にもおよぶかもしれない。両国軍の上層部は同じ事を考えているのだろう――ここが正念場だ。ダルマスカ侵攻は、ナルビナ城塞戦の結果ですべてが決まる。アルケィディア帝国軍はそれだけに軍のほぼすべてをこのナルビナ城塞に向けている。  ほとんど絶望的な戦いだった。押されているのは目に見えている。かといって諦めることなど出来ない――押し切られればそれで終わりだ。ダルマスカ王国は帝国に侵略される。  だが――  バッシュは弓を引き、チョコボ上から落とそうとこちらを弓で狙っているアルケィディア帝国軍兵士に向けて放つ。まっすぐな軌跡を描いて矢が戦場を引き裂き、弓を構えていた兵士の咽喉元に突き立つ。  くず折れる兵士を一瞥すらせずに、バッシュはそのそばを駆け抜ける。そして――冷静に判断をした。  この場所はもう持たない――せめて友軍の多く残る、ナルビナ城塞内部へと撤...
  • 「Prelude15」
     と―― 轟音に思わずバッシュは顔を上げた。 上空――魔法障壁の無くなった夜空から、ダルマスカ王国軍の大型飛空挺が一機――こちらへと墜落してくるのが見えた。 バッシュは思わず身構えたが、その飛空挺はバッシュたちのいる位置からずれた場所へと落下していく。轟音と共に落ちていく飛空挺は、ナルビナ城塞の堅牢なる外壁を抉るようにして落ちていく。 その破片の一つが、バッシュたちのすぐそばに落ちた。崩れた外壁の下敷きになった者の悲鳴に驚いたアルケィディア帝国軍の兵士たちの注意がそちらに向かう。同時に、地面に落下した飛空挺の爆発音。 これ以上の好機はないだろう。これが――最後のチャンスだ。 「はぁっ!」 バッシュが気合を入れて叫び、綱を強く引いた。すると、待っていました、と言わんばかりに――二人分の重量など気にならないかのように、チョコボが軽々と跳躍した。 チョコボをひづめ...
  • 「Prelude14」
    叫びながら、弓を引き絞る。照準もじっくり合わせる間などなく――そして、失敗など許されない条件下で――バッシュは弓を放った。 ひゅん――と風を切る音と共に、その弓は吸い込まれるように兵士へと突き立った。が――  バッシュの矢が到達する寸前にその兵士の放った矢が――そこに突き立つのを、バッシュは確かに見た。 「ぐっ――!」  叫び出したいような衝動が全身を突き抜ける。目の前の光景。絶望的な、その光景―― ぐらり、とチョコボ上のラスラの身が揺れる。その手が自分の胸に突き立った矢に触れた。抜こうとしたのだろう。だが――そこまで、だった。  がくりと力なくチョコボの首にもたれかかったラスラへ、兵士が殺到する。その一瞬前に、バッシュはラスラへと駆け寄ると、その襟元を掴んでラスラの体を自分のチョコボ上へと引き寄せた。 (くっ――) 二人分の重量を支えつつ、健気に進もうとす...
  • 「Prelude12」
     額から汗が流れ落ちる。無理もない――もう数時間もずっと詠唱を続けているのだから。  魔法障壁――シェルとプロテスの応用魔法であるその障壁を維持するのには、通常の白魔導士の精神力では耐えることは出来ないであろう。  苛烈な任務だったが――逃げるわけにはいかなかった。最奥に敵が侵入しないように命を賭して門前を守る友軍の兵士を、とてつもない殺傷力を持つアルケィディア帝国軍の小型飛空挺の砲火に曝すことなど出来ない。 「ひっ――!」  息を飲み込んだような悲鳴を聞いて、彼は顔を上げた。そして――絶望的な光景を目の当たりにした。  眼前――クリスタルの間の入り口から現れたのは――紛れもない、アルケィディア帝国軍の兵士の姿だった。 「うわあああああっ!」  悲鳴。そして――  一番扉に近い位置にいた白魔導士の一人が、駆け寄ってきたアルケィディア帝国軍の兵士によって斬り下...
  • 「Prelude13」
    まるで何かの冗談のように――魔法障壁が、崩壊した。その輪郭が歪み、融けるように――障壁が音もなく消えた。 「魔法障壁が……!」 愕然と、ラスラが呻く。 「これまでか……」  思わず呟いてしまってから、バッシュはかぶりを振る。まだだ。諦めてはいけない。可能性がある限り――希望がここにある限りは、まだ決して終わらないのだから。  ラスラはバッシュを抜かすと、殺到する兵士をその剣で薙ぎつつ進んでいく。どうやら、先ほどのバッシュの意見――撤退、ということばに賛同しているようだった。魔法障壁のない今では、空からの勢力が一番無防備なこの最上部へと殺到するのも時間の問題だろう。 「父の仇を! 父の仇を――!!」  ラスラは自らを鼓舞するかのようにそう叫ぶと、前進を始めた。チョコボ上から群がるアルケィディア帝国軍兵士を薙ぎ倒して進んでいく。その勇ましい背中に、バッシュも続こうと...
  • FF7AC
    FF7AC プロローグ1209-212 FF7AC プロローグ2209-212 FF7AC プロローグ3209-212 FF7AC プロローグ4209-212 FF7AC The black brothers1235-236 FF7AC The black brothers2235-236 FF7AC The black brothers3235-236 FF7AC The black brothers4235-236 FF7AC The black brothers5235-236 FF7AC The black brothers6235-236 FF7AC Rufus ShinRa1235-236 FF7AC Rufus ShinRa2235-236 FF7AC Rufus ShinRa3235-236 FF7AC Rufus ShinRa4235-236 FF7AC Rufus ...
  • FF4 五章
    五章 一節 刻む足跡1 299 一節 刻む足跡2 299 一節 刻む足跡3 299 一節 刻む足跡4 299 一節 刻む足跡5 299 一節 刻む足跡6 299 一節 刻む足跡7 299 一節 刻む足跡8 299 一節 刻む足跡9 299 一節 刻む足跡10 299 一節 刻む足跡11 299 一節 刻む足跡12 299 一節 刻む足跡13 299 一節 刻む足跡14 299 一節 刻む足跡15 299 一節 刻む足跡16 299 一節 刻む足跡17 299 一節 刻む足跡18 299 一節 刻む足跡19 ◆HHOM0Pr/qI 一節 刻む足跡20 ◆HHOM0Pr/qI 一節 刻む足跡21 ◆HHOM0Pr/qI 一節 刻む足跡22 ◆HHOM0Pr/qI 一節 刻む足跡23 299 一節 刻む足跡24 299 一節 刻む足跡25 299 一節 刻む足跡26 299 一節 刻む足...
  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ツムツム攻略Wiki|ゲームエイト - Game8[ゲームエイト] 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) アイプラ攻略Wiki|アイドリー...
  • 一節 新たなる旅立ち12
    「へいきへいき。ほら、呼んでるよ。  はやくギルバートの歌聞かせてよ」 気がつくと、やけに大勢の人がギルバートの方を見ていた。他の隊の人まで集まってきたらしい。手近な青年にリディアを見ているように頼んで、ギルバートは輪の中央へと進んだ。 主役の登場を受けて歓声が湧き上がり、弦の調子を整えて前奏を始めると、潮のように引いていく。 そして歌い始めると、他の全ての音が消えた。 高く、低く。流れるように、踊るように。人が出しているとは思えないような豊かな声が、いつも大人しいギルバートの喉から生まれ、複雑な旋律を危なげもなく歌いこなす。 爪弾かれた竪琴は、ときには朝の雫のように艶やかな光を宿し、ときには真冬の星のようにキラキラと輝いて、出せない音などないかのように様々な音色を紡ぎ出す。 人と楽器が織りなす鮮やかな夢をリディアは見た。 戦乱に巻き込まれた4人の若者が抱く...
  • FF7AC Vincent Valentaine8
     クラウドはその視線を受け止め、俯いた。頭の中には、いつも通りの言い訳が浮かんでいる。  『だって…見殺しにしたんだぞ?』  だが、クラウドは、その言い訳を振り払い、ヴィンセントの目を正面から受け止め、口を開いた。  「…すまない」  ただ謝るだけという、無責任な答え方だった。答えになっていなかった。  それでも、ヴィンセントの視線を和らげてくれた。  「別に謝ることではない。ただお前の場合、、独りで背負い込むのは愚かだというだけのことだ」  今度は、クラウドにも余裕が出来ていた。  「…それ、あんたが言えたことなのか?」  こういってやると、ヴィンセントは「フン」と鼻を鳴らして顔をマントの大きい襟にうずめた…笑ったのだろうか?  そんなヴィンセントに、クラウドはなおも訊いた。  「ヴィンセント…罪って、許されるのか?」  「…試したこ...
  • ff6 - 05 dreams
     夢を見た。  色あざやかな宝玉、高い飾り天井。物物しい武具の並ぶ、絢爛豪華な装飾が施された一室。 「魔導の力を持つ娘か…」  道化のような姿の男が真紅の口許を裂くように笑ませている。 「操りの輪で、私の思うが侭…、ひいては、世界すら手中だ」  含み笑いは嵩じて、やがて高笑いが辺りに響き渡る。  瞳孔は虚空の星を映し、鋭角的な白い顎は仰け反る。  風景が変わる。 「すべて焼き尽くしてやる」  そこは赤い光で滲んでいる。  滲んでいるのは、熱のせいだ。  陽炎に、世界は滲んでいるように見えるのだ。  この腕から生まれる炎。炎。炎。 「すべて焼き尽くしてやる!あっはっは…」  世界は赤い。  風景が変わる。 「我がガストラ帝国は魔導の力を復活させた」  重鎮といった風情の軍人が会する場で、最も豪奢な衣装で身を...
  • プラグイン/編集履歴
    更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。
  • FF7AC ”Help me”3
     メテオによる決定的な破滅は防がれたとしても、それでも被害は甚大なものだ。  2年前の大災害以来、森林が激減するとともに土地は干からび、それによって目に見えるほどの勢いで海水が干上がり、海面の高さがどんどん下がっているという。もとは海底だったところが地面となって地上に露呈している所も少なくない。  クラウドがバイクを走らせているのも、そうして出来た陸地の一つだった。  両手に海が広がるこの細い荒野は、ミッドガルのある東大陸と、忘らるる都のある北大陸を結ぶ橋の役割を果たしていた。そのため、バイクやトラックでも二つの大陸を往復することが可能となり、それは物資の円滑な流通、そして復興活動の活性化に直結している。  皮肉にも。自然崩壊の連鎖反応が、人類の復興を助けているのだ。  そろそろ夜が明けようかという時間だった。満月が見えた星空は消え、どんよりとした曇り空に支配され始めて...
  • FF7AC ”Help me”7
     シドは黙り込んだ。  実際はほんの数秒間だったが、クラウドにはその沈黙が異様に長く感じられた。  風が氷のように冷たかった。電話をかけた時に最初に感じた緊張と緊張がまた首をもたげる。いまさら何を言うんだと拒絶されるかも知れない。そんな懸念がクラウドの頭の中を支配する。  だがそんな懸念は、シドの強風であっけなく吹き飛ばされた。  「変わんねえな、おめえは。ウジウジしてて、鈍臭くてよ」  クラウドは目を見開いた。  文面だけを見れば、その一言はひどく冷たく、乱暴だ。が、言うシドの声は、どこか嬉しそうで、笑い混じりだった。  「ったく、クラウドさんよぉ、もっと早く言えってんだよ。あ?どんだけ待ったと思ってんだ」  クラウドは胸に懐かしい暖かさを感じた。もう寒さなど微塵も感じない。それは思えば、2年前は当然のように感じていた暖かさだった。  そう。当然...
  • FF7AC ”Help me”5
    「奴らが社長をエッジに連れて行って何をしでかすつもりかは知らないが…まあ、だいたいの察しはつく」  だいたいの察しはつく。クラウドも完全に同意見だった。もちろん、マリンもだ。  クラウドに抱きついている少女の腕には異様なほどの力が入り、震え始めているほどだった。クラウドは片手をハンドルから離し、その腕を努めてやさしくさすった。  「…俺にどうしろと?」  なんとかマリンを落ち着かせようとするクラウドに、ツォンはあくまでも冷静に答える。もう真顔に戻っていた。  「どうしろとは言わない。ただ…」  「先輩、そろそろ行かないと」  女の声が会話にとつぜん乱入してきた。クラウドが声の元を見やると、ヘリの操縦席からイリーナが顔を出していた。2年前と比べて初々しさが抜けている。秀でた額から血を流した跡があった。  ツォンはヘリの中に体をすべりこませながら、言いかけた言葉...
  • FF7AC ”Help me”6
     プルルルルルルル。プルルルルルルル。  機械的な呼出音が連続して耳に流れ込んでくるとき、風が肌寒いと思った。  正直に言って、怖かった。いまさら連絡をよこして、どんな反応をされるかと思うと怖かった。  だが、もう逃げるわけにはいかない。何を今更、などという言い訳で逃げることは、もうできないのだ。  クラウドはそう自分に言い聞かせ、相手が電話に出るのをただ待った。   だが、相手はなかなか応じなかった。  1分以上もコールしているのに、電話に出る気配がまるでない。  2分がたち、諦めかけたそのとき、クラウドの耳に雷のような怒声が突進してきた。  「っせーっつってんだろ!!誰だテメエこんな夜中に!!!」  「…悪いな。そっちはまだ夜だったのか」  クラウドは自分のその一言に度肝を抜かれた。ごく自然に、本当に自然に言葉が出てきたのだ。さっきまでの緊...
  • FF7AC ”Help me”2
     カダージュたちと戦ったところへ戻ると、そこにはもう誰もいなかった。  カダージュたちはもちろん、子供たちも、だれもいない。残されているのは、数十人分の小さい足跡と、折れた木や抉れた地面といった戦闘の痕跡だけだった。足跡を目で追ってみたが、途中で地面に大穴が開いており、そこから先は途絶えていた。  「………」  クラウドは無言で辺りを見回す。探していたものはすぐに見つかった。  黒塗りの大型バイク、フェンリルが、道の端で無様にひっくり返っていた。クラウドは灰色の砂で汚れたバイクへ歩み寄り、少々苦労しながら立ち上げると、破損した箇所はないかとバイクの具合を見始めた。  「…どう?」  マリンが横から心配そうに声をかけてきた。  …ヤズーとロッズの銃撃で前面のいたるところに弾痕ができ、派手に地面を転がったせいでカウルから伸びた角のような装飾は片方が折れている。ずいぶ...
  • FF7AC ”Help me”4
    独特な雰囲気を醸し出す東洋系の顔立ちをしたツォンは、切れ長の鋭い目でクラウドの睨みを受け止めている。彼はかつて――今も、か?――タークスのリーダーを務め、神羅の頭脳とまで呼ばれた猛者だ。  後ろに座っているマリンが、不安げにクラウドの背を見上げるのを感じた。  「…ヴィンセントに助けられたそうだな」  「ああ。危ないところだった」  ツォンはヘリの機体にもたれてクラウドの牽制を軽く受け流す。目はクラウドに向けたままだ。  「俺に何の用だ?」  慎重に探りを入れた時、クラウドはツォンの左腕の袖から包帯の端が漂っているのに気づいた。  見れば制服である紺色のスーツのところどころに、擦り切れたような痕がある。  「…お前に知らせなければならないことがある」  窶れた頬についた土埃をぬぐい、ツォンは思わせぶりに切り出す。  「ならさっさと言ってくれないか?こ...
  • FF7AC ”Help me”1
    砂の地面を細く浅い川が流れ、月光に照らされて白銀に輝いている。  まるで筋のようなその川は、他の幾筋もの川と合流し、しだいに太さを増しながら下へ下へと流れていく。  そしてその終着点、小さな水溜りのほとりに、狼がいた。  狼は一匹だけだった。  刺々しい体毛は曇った空のような鉛色をしており、吠えることを忘れてしまったかのように沈んでいる。  狼は水溜りのふちに座り込み、沈んだ眼で小さな池の底を見ていた。  そこにあったのは機械仕掛けの耳だった。  ただ声を受け止め、伝えるだけで、最後までそれ以外の用途に使われることのなかった耳。  他人の耳に呼びかけ、その声に応えることができるということを、最期まで知らなかった耳だった。  壊れかけているその耳は、中に水が浸入したせいで回線がショートし、記憶にとどめられていた声を周囲にまき散らしていた。 ...
  • FF7AC ”Help me”8
     クラウドはPHSを耳から離し、深くため息をついた。  結局、彼が恐れていたようなことは何もなかった。それどころか、みんなは、少なくともシドは待っていてくれたのだ。2年ものあいだ、ずっと。ずっとクラウドの答えを待っていてくれたのだった。今も2年前と変わらず、クラウドを支え続けていてくれたのだ。  にもかかわらず、ありもしないことを恐れてずっと彼らから逃げてきた自分。  なんだか、バカみたいだ。  いや、「みたいだ」は要らないか。クラウドは思った。俺は正真正銘のバカだ。  クラウドは笑い出した。思えばさっきから笑いっぱなしだったが、今度のは一際大きい、会心の笑い声だった。  ひとしきり笑った後、マリンが怪訝そうな目で見ているのに気づいて、なんとか息をつく。  そして、手元のPHSを見た。  これがあるのをすっかり忘れていた。使うのをやめて2年になるが、その機能...
  • FF4 一章
    一章 一節 闇と霧の邂逅◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅2◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅316 一節 闇と霧の邂逅416 一節 闇と霧の邂逅5198-202 一節 闇と霧の邂逅6198-202 一節 闇と霧の邂逅7198-202 一節 闇と霧の邂逅8198-202 一節 闇と霧の邂逅9198-202 一節 闇と霧の邂逅10◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅11◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅12◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅13◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅14◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅15◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅16◆HHOM0Pr/qI 一節 闇と霧の邂逅17267 一節 闇と霧の邂逅18267 一節 闇と霧の邂逅19267 一節 闇と霧の邂逅20267 二節 砂塵1 ◆HHO...
  • FF4 二章
    二章 一節 新たなる旅立ち1 299 一節 新たなる旅立ち2 299 一節 新たなる旅立ち3 299 一節 新たなる旅立ち4 299 一節 新たなる旅立ち5 299 一節 新たなる旅立ち6 299 一節 新たなる旅立ち7 ◆HHOM0Pr/qI 一節 新たなる旅立ち8 ◆HHOM0Pr/qI 一節 新たなる旅立ち9 ◆HHOM0Pr/qI 一節 新たなる旅立ち10 ◆HHOM0Pr/qI 一節 新たなる旅立ち11 ◆HHOM0Pr/qI 一節 新たなる旅立ち12 ◆HHOM0Pr/qI 一節 新たなる旅立ち13 ◆HHOM0Pr/qI 一節 新たなる旅立ち14 299 一節 新たなる旅立ち15 299 一節 新たなる旅立ち16 299 一節 新たなる旅立ち17 299 一節 新たなる旅立ち18 299
  • FF4 四章
    四章 一節 航海1 297 一節 航海2 297 一節 航海3 297 一節 航海4 297 一節 航海5 297 一節 航海6 297 一節 航海7 297 一節 航海8 297 一節 航海9 297 一節 航海10 297 一節 航海11 297 一節 航海12 297 一節 航海13 297 一節 航海14 297 一節 航海15 297 一節 航海16 297 一節 航海17 297 二節 試練1 299 二節 試練2 299 二節 試練3 299 二節 試練4 297 二節 試練5 297 二節 試練6 297 二節 試練7 297 二節 試練8 297 二節 試練9 297 二節 試練10 297 二節 試練11 297 二節 試練12 297 二節 試練13 297 二節 試練14 297 二節 試練15 297 二節 試練16 297 二節 試練17 297 二節 試練...
  • FF4
    プロローグ FINAL FANTASY IV プロローグ ◆HHOM0Pr/qI FINAL FANTASY IV プロローグ2 96-97 FINAL FANTASY IV プロローグ3 96-97 FINAL FANTASY IV プロローグ4 ◆YFo8HFqYEU FINAL FANTASY IV プロローグ5 ◆YFo8HFqYEU FINAL FANTASY IV プロローグ6 ◆HHOM0Pr/qI FINAL FANTASY IV プロローグ7 ◆HHOM0Pr/qI FINAL FANTASY IV プロローグ8 ◆HHOM0Pr/qI FINAL FANTASY IV プロローグ9 ◆HHOM0Pr/qI FINAL FANTASY IV プロローグ10 ◆HHOM0Pr/qI FINAL FANTASY IV プロローグ11 145-147 FINAL FANTA...
  • 四節 Eternal Melody6
    進むにつれて気温はさらに下がり、氷室さながらの鋭い冷気が、吐く息を白く染める。 磁力の洞窟と呼ばれる場所が、かつて、何者かの暮らす都市であったことは間違いない。先へ進めば進むほど、痕跡は増えていった。 平らな床。鹿角を模した石造りの蜀台。木製の櫃に入った古い貨幣。つる草のレリーフを施した扉。 魔物を寄せ付けない結界が張られた部屋も、いくつか残されている。 そのうちのひとつで、セシルたちは休息を取っていた。 魔法陣の上にテントを張り、楽な姿勢で干し肉や木の実を齧る。くつろいだ輪の中心に、ヒソヒ草が置かれていた。 「さっきは驚いたよ。幽霊かと思った」 『すまないね、説明しそびれてしまって。  でも勝手に殺さないでくれよ』 ヒソヒ草の向こうで、苦笑している気配がする。 ギルバートの体調が、確実に良いほうへと向かっていることは、その声の調子からも窺えた。 ...
  • 四節 Eternal Melody3
    エリスが城に仕えて、もう二年になる。 主な仕事は場内の清掃と食材の仕入れ、最近は庭園で飼われている鳥の世話も言いつけられることがある。 今日任されたのは、南西のテラスの掃除だった。 飛んでくる木の葉や埃を一所に掃き集め、ある程度溜まったところで籠にすくい上げる。 何度か繰り返すうちに、汗が噴き出して来た。一休みして柵に寄りかかる。折りよく吹き付けた湖からの風が、エリスの労をねぎらった。 『……応えてくれ……』 その風の合間を縫って、声が聞こえることにしばらくしてエリスは気づいた。 『聞こえるかい……セシル……  テラ……ヤン……  返事をしてくれ……』 驚いてあたりを見渡し、南からの日を浴びて白く輝く壁の一角に目を留める。 閉め忘れたのか、外の空気を入れたいのか。いつもなら、磨き上げられた樫の扉が嵌っているはずの場所に、今日は薄い緞帳が風に揺らめ...
  • 四節 Eternal Melody8
    「オマエタチ ヨクココマデ コレタ!  ダガ タドリツクコトハ デキテモ  ツチノ クリスタルハ オマエタチノ テニハ モドラナイ」 片言でダークエルフは宣告し、いやに大きな右手を振りあげる。 「タチサレ!」 突然足元から吹き上がった炎が、セシルたちを飲み込んだ。 不意を突かれたが、魔法によって生み出された火は、長くは続かない。 「でぇぇぇぇい!」 炎を振り切ってシドが突撃する。体重の乗った一撃が、まさに振り下ろされようとした瞬間、ダークエルフの姿が歪んだ。 火が燃え移った木槌は標的を外れ、床に打ちつけられて砕け散った。 「おのれ、生意気な!」 お返しとばかりに、テラがファイラの呪文を放つ。だが鈎爪の伸びた手が振られると、賢者が喚んだ炎は一瞬で掻き消えてしまった。 ヤンは静かに気を高めている。 セシルは彼らの治療のために、ケアルラの詠唱を...
  • 四節 Eternal Melody2
    鍛え抜かれたモンク僧の感覚が、音もなく忍び寄る敵の気配を捉える。 「くっ!」 身をひねりざま腕を上げ、ヤンは喉元をかばった。そこへ巨大な影が躍りかかり、赤い血が散る。 無意識のうちに、セシルの手が腰に伸びる。しかし、抜き放とうとした刃はそこにない。 背後から飛び掛った獣は、そのままセシルたちの前方に着地し、豹に似た全身をあらわした。小柄な馬ほどのもある身を低くかがめ、唸り声を上げている。 トパーズ色の地に斑点をちりばめた毛皮には、ヤンの爪による三本の掻き傷があった。あの一瞬で、急所をかばうと同時に反撃までしていたのだ。 「ワシにまかせい!」 出遅れたセシルに代わり、シドが木槌を振り上げた。もとは純粋な工具だが、その強度や重量を熟知したシドの手にかかれば、心強い武器にもなる。 雄叫びをあげてケット・シーに突進する技師を横目に、セシルはケアルの詠唱を開始した。 ...
  • 四節 Eternal Melody5
    初めて目にする異国の男は、エリスには、狂っているとしか思えなかった。 寝台の上に上体を起こし、手にした骨細工のようなものに向かって、一人でつぶやいている。 俯いた横顔を髪が隠しているので、顔はよくわからない。ただ、大きな傷跡のようなものは見えた。 今にも命が危ういような、差し迫った気配はない。 「セシル……ヤン……  返事を……」 声をかけるべきか、誰かに報告すべきか、素知らぬ顔で立ち去るか。迷いながら物陰で中を窺ううち、男の様子に変化が現れた。 「セシル……聞こえるか!?  気づいてくれ、僕だ、ギルバートだ!」 呼びかける言葉に確信が宿る。耳を澄まして返事を待つ。応答はない。人の声では。 代わりに聞こえてきたのは、恐ろしげな唸り声。硬い物が打ち合う響き。柔らかく重たい何かが、どさり、と地面に落ちる音。 それらは全て、客人──ギルバートが手にした...
  • 四節 Eternal Melody7
    「しかし、テラ殿の魔力も、まだ完全では……」 「ふん!  だらだらと無駄話をしているよりはよほど良いわ!」 とは言うものの、テラの顔色は良くない。 ただでさえ、魔力の回復は体力のそれよりも時間がかかる。一行の中で最も休養を必要としているのは、間違いなくこの老いた賢者だ。 「ここからが本番なんだ。ちゃんと休んだほうがいい」 やはり休息を勧めたセシルに向かって、テラは盛大に鼻を鳴らした。 「なにを呑気なことを!  そもそも、捕らわれているのはおぬしの恋人ではないのか。  ここでモタモタしている間に、何かあったらどうする!?」 「それは……」 「私はもう御免じゃ。オクトマンモスの時の様なことはの」 虚空を睨み付けたテラの言葉が、セシルの気持ちを動かした。 「分かった。行こう」 「良いのですか?」 「言い出したら聞かないよ」 尋ねるヤ...
  • 四節 Eternal Melody4
    洞窟を下るにつれて、あたりの空気は急激に冷えていった。 闇の底からかすかに水音がする。次第に濃くなる、水棲のモンスター特有の生臭さ。 「上だ!」 警告と同時に闇が剥がれ落ち、天井から逆さ吊りにこちらを見下ろす、女性型モンスターの存在をあらわにする。 赤紫の髪、薄暮の色の翼、縊死体の紫に染まった肌。赤く輝く目と唇から除く牙が、彼女の持つ吸血の習性をセシルたちに教えた。 しなやかな指がセシルたちを示す。虚空から四匹の蝙蝠が湧き出し、主の命令に従って獲物めがけて飛び掛った。 「サンダラ!」 「どりゃぁっ!」 テラが杖を振りれかざし、魔法を放つ。数条の雷が敵を打ち据え、横ざまに振り抜かれたシドの木槌が、体勢を崩した獣を豪快に吹き飛ばした。 「はっ!」 同時にヤンが床を蹴り、目にも留まらぬ速さで足技を繰り出す。残る蝙蝠も塵となって四散し、伸び上がる爪先は、高み...
  • 四節 Eternal Melody1
    地底から巨大な城が生えている。磁力の洞窟に踏み込んだセシルは、そんな印象を受けた。 入り口こそ狭いものの、その先に続く空間は恐ろしく広く、そして深い。 生ぬるく湿った空気をたたえた底知れぬ深遠から、無数の岩の柱が突き出して、平らな柱頭を足場として提供している。 そしてそれらは、何本もの橋によって結ばれていた。 「変わった組み方じゃの。  しかし頑丈なのは間違いないな」 目の前の橋を拳骨で叩き、シドは感心したように顎を撫でる。 彼の言うとおり、しっかりと組まれた木材は表面こそ朽ちているが、技師の荒っぽい試験にも立派に耐えていた。 せいぜいが数人規模の探索者が、ありあわせの材料で作ったものには見えない。 きちんと測量し、正確な図面を引き、しかるべき処置を施した建材で造られたものだ。 そのつもりで周囲を観察すると、青みがかった灰色の岩肌に細い窪みが並んでい...
  • 四節 Eternal Melody9
    傷ついた体を引きずり、セシルたちは魔法陣の部屋まで退却した。 幸いにして、テラもシドも息はあった。またダークエルフの追撃もなかった。ヤンによれば、ただ傲然と敗走する一行を見下ろしていたという。 「とにかく、今は体力を回復させることだ」 頑強なモンク僧も今は精根尽き果てたか、寝袋に身を横たえ、憔悴した顔を天井へ向けている。 ありったけのポーションと魔法で、傷は何とか塞がった。必要なのは、疲労を追い出す時間だ。 そしてその間に、ダークエルフの魔力を打ち破る手段を見つけなければならない。 あまり猶予はなかった。ここで時間をとりすぎると、黒チョコボのところに残してきた、魔除けの効果が切れてしまう。 地上まで戻る道のりも考えて、テラの魔力の回復が、ぎりぎり間に合うかどうかだった。 「忌々しいが、魔法は効果が薄いようじゃ」 「近づくことさえ出来れば、この爪で喉を掻き...
  • 四節 Eternal Melody17
    右手奥、特別室への扉越しに、いやに景気の良さそうな声が聞こえる。すぐ横のテーブルで頬杖をつく少年は、父親が出てくるのを待ってでもいるのだろうか。 今度は黒チョコボを捕まえる、などと突拍子もないことを言い出した外国人の手伝いを終え、戻ってきたいつもの店のいつものテーブル。 だらしなく椅子の上でひざを組み。ロドニーはため息を吐き出した。 「どうした大将、やけに萎れてるじゃないか」 肩を叩いた顔馴染みの青年に、くたびれた中年は返事をせず、淀んだ視線をむけた。 「生簀が壊されちまったんだってさ!  まったく、それぐらいで食い詰めるような稼ぎじゃないだろうに」 代わって事情を明かしたのは、この店を取り仕切る女主人だ。 最近は倉庫を改造し、『特別室』と称した施設をでっちあげ、戦火を逃れてやってきた外国人からたんまりと巻き上げているらしい。 そうしたやり手の一面とまる...
  • 四節 Eternal Melody16
    ジョグは酒場を追い出され、河岸で石を投げて時間をつぶしていた。 彼はトロイアの住人ではない。かつては両親と共に、バロンの城下町で暮らしていた。 しかしジョグの父は、いち早く不穏な空気を嗅ぎ取り、店を畳み国を出た。赤い翼の、ミシディアへの出兵が発表されたころの話である。 やや遅れて、同じように国を捨ててきた者が何人か流れてきた。 彼らが語るバロンの情勢は、酷くなる一方だった。聞くたびに父は、真っ先に逃げ出した自分の勘の鋭さと、避難先にこの国を選んだ判断力を自慢した. ──まあそれはいい。ジョグが許せないのは、叔母のお産の手伝いに里帰りしていた母親を、父が待とうとしなかったことだ。 店を売った金を酒場女にばら撒いて、妻を置き去りにしてきたと得意げに話すあの男は、たぶん自棄を起こしている。 最近ジョグは、父親の顔を見るのも嫌になっていた。相手もそれは同じらしく、ここ数...
  • 四節 Eternal Melody24
    あまりにもあっけないダークエルフの最期に、どこか腑に落ちないものを感じ、セシルは周囲を見渡した。 透き通った壁や床がクリスタルの輝きを反射して、あたりはさながら光の海だ。 ずっと昔、夕映えの中を飛んだときのことをセシルは思い出した。 山吹色の雲の塊が空いっぱいに広がり、それが次第に茜色へと微妙に色合いを変えていく。乗組員総出で見とれたものだ。 けれど、まだどこかにあるはずだ。この光で、消し去ってしまわなければならない闇が。 それはじきに見つかった。腹から血を流し、祭壇の手前でうずくまっている。 誰よりも良く見知った姿。血塗られた闇。 暗黒騎士セシル。 『あなたはこれからも、僕と一緒に常に歩き続ける』 かつて、セシルは確かにそう言った。 試練の山の山頂で。己の過去であり半身たる暗黒騎士に向かって。 けれど今ならば。このクリスタルの力があれば、完全な...
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