かなり真面目にFFをノベライズしてみる@ まとめウィキ内検索 / 「去りゆくもの 残されるもの9」で検索した結果

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  • FF4 七章
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  • 去りゆくもの 残されるもの20
    「ええいっ! 皆、落ち着かんかい!!」 脱出するという結論に達したものの、いきなりの襲撃という状況に、この大人数が遭遇したのだ。誰もが冷静になる事など 到底無理な話であった。 ましてや今、この集合場所に待機しているのは飛空艇を動かす為に搭乗員や運送部隊、シドの連れてきた技師達もいるのだ。 普段戦場などの前線に赴かない者達が突然と敵の攻撃の真っただ中に放り込まれたのだ。さぞかし恐ろしい事であろう。 先程までの穏やかな雰囲気とは一転し混乱と悲鳴が交わる場所と化していた。 「お前も落ち着くのじゃ!!!」 シドが近くで震える若者を捕まえて、怒鳴り声を鳴らす。 「ですが……」 その若者は先ほどリディアを泣かせて謝っていた若者であった。良く見ると二つ角のついたドワーフの兜をしているが 目深に見えるその顔はセシルと同じ地上人のものであった。 「それでも儂の弟子を名乗る者か!!」 ...
  • 去りゆくもの 残されるもの14
    「だったら今すぐにでも!!」 「セシル殿……」 意気込むセシルに対してヤンは冷静であった。 「お待ちください!」 今すぐにも制御機械へと剣を振りおろそうとするセシルの前にヤンの巨大な体躯が立ちふさがる。 「ヤン……急がないといけない。君も協力するんだろ?」 「勿論そのつもりです」 「だったら!」 もしかして怖気づいたのか? だが、すぐにもそれが的外れであることを自覚する。 「ここは危険です!」 「だからとっとと終わらせて、二人で脱出しないと」 もう少しでカイン達もやってくるだろう。もしかするとすぐそこまで来ているのかもしれない。 いずれにせよカイン達を危険に巻き込みたくはなかった。あんなことがあって気を落としているローザもいるし 覚悟を決めたばかりのリディアにも無理強いはさせたくない。 ヤンと協力して巨大砲を破壊してカイン達と合流する。それがセシルの頭が描いた展...
  • 一節 闇と霧の邂逅20
    「だいっ嫌いっ!!!」 「…ッ!!!!」 「――セシルッ!」 巨人の振り下ろした足に大地が引き裂かれる音に、三者の叫びは呑み込まれた。 セシルは無我夢中に少女に覆い被さっていた。 地面が激しく傾くのを感じる。兜や鎧の上に止め処なく火の粉や砕けた石が落ちてくる。 少女は泣き喚きながら必死にセシルから逃れようと鎧を拳で殴りつける。 最早少女を連れてこの場を離れるだけの猶予も残されていない。 セシルは、例え自分の身が岩に潰されたとしてもこの少女を犠牲にするわけにはいかないと思っていた。 「……!…!……」 大地の発する轟音にかき消されたのは誰の叫び声だったのだろう。 守ってくれるものを失った少女か、信じてくれた友か。 この手で命を奪った者か、それとも自分自身か。 セシルはまるで自身が奈落に落とされるように感じた。 それはセシル自...
  • 変わる世界 交錯する言葉26
    額からだらりと汗が流れる。視界がぼんやりと滲み、足がふらつく。 最近何度も見舞われている症状だ。 口ではいくらでも強気な言動は出来るが、体は正直だ。 自分の体なのだ。自覚しないわけはない。 もはやこの体は―― だが…ここで倒れる事など、決してあってはならぬ。自分にはどうしても為さねば ならぬ事がある。 残された時間はもはや僅かなのだ、残り僅かなこの灯火の一欠けらでも多くを奴にぶつけて やらねばならない。 塔の中枢部へと進むにつれ、その感情はますます高ぶりを見せ、自然と歩幅も大きくなっていく。 「!」 瞬時に体へと激痛が走り、テラは声にならない呻きを漏らした。 「テラ殿! 大丈夫ですか?」 気の利くモンク僧はすぐにでもテラを気遣った。 「心配するなヤン――ご老体の我儘じゃよ。無視してくれ」 とてもでないが歳だけのせいにするには...
  • 変わる世界 交錯する言葉25
    日々、監禁生活が長くなる内に彼女も色々考えた。 残されたのは三組の二人。自分とセシル。自分とカイン。そしてセシルとカイン。 TWO OF US――残酷な時間により崩れ去ってしまった過去――結末なんて全て知っていたのかもしれない自分のアイデンティティー。 しかし決して消えはしない。 過去という事実は否定は出来ても、完全に消滅させる事はできない。そして誰もが持つその過去の「事実」は 「経験」として個人に刻まれる。 その道筋を常に振り返り、自分の軌道を常に忘れなければ、人は完全に変わってしまうことなどない。 いつかきっと、何度でも、どんな絶望が訪れても、立ち直れる。 本当の「強さ」とは、ただ今すぐにでも自分の力を誇示する事ではない。 己の実力をいかに客観視できるか、そして、常に今の場所を向上できるか、また、その力や才能を維持する事が出来るかだ。 今の...
  • 四節 これから1
    一瞬の空白を挟んで、歪んでいた視界に秩序が戻る。石造りの古びた壁と、閉ざされた質素な扉。厚く積もった埃、黴臭い澱んだ空気も含め、周りの様子に大きな違いはない。 だが扉を押し開けると同時に、懐かしい風がセシルの頬を打った。 ミシディアの潮風とは明らかに違う、ほどよい水気をはらんだ空気。 カインとローザと3人で町を歩いた時も、飛空挺の甲板で間近に雲を見上げた時も。常に彼の隣で舞っていたバロンの風が、パラディンとして戻ったセシルを迎え入れた。 「……大丈夫。誰もいない」 ミシディアのそれと同様、バロン側のデビルロードも人々から忘れられて久しい。質素な小屋から現れた4人の姿を見咎める者はいなかった。 いま騒ぎをおこして得る物はない。ゴルベーザを討つまで、なるべく目立たないよう行動すると昨夜のうちに決めてあった。 が、それはセシルとテラ、二人の間のことである。 「すげ...
  • FF6オープニング:ナルシェ行軍8
                        *** 「ナルシェは、俺達ガードが守る!!」  ガード達が言い放った声が遠くに聞こえた。魔導アーマーが通りの中央で立ち止まり、 横合いから飛び出してきた獣との戦闘に入る。  魔導アーマーに立ち向かった生物は、死以外の道を選べない。  しかし魔導アーマーの搭乗者には、与える死の方法を選ぶ事ができた。  いつかファイアビームを好んで使う相棒に、その理由を尋ねたところ「操作がいちばん 簡単だから」と返事が返ってきたのを思い出した。現に今も、彼はそれを使って敵を撃退 していた。  実際のところ操作に特別な違いはない。ただ、パネルの並び順が違うだけだ。手元の レバーに一番近いのがファイアビームというだけで、彼はそれを好んで使うのだ。相棒の 横着ぶりにはさすがに呆れて物も言えない。  そんなことを考えていた彼...
  • FF7AC Rufus ShinRa5
    レノのこの余計な一言で、クラウドは全ての興味を失ったようだった。 彼は「興味ないね」と冷たく言い残すと、ドアを蹴り開けてさっさと行ってしまった。 「「レノ!」」 ルーファウスとルードが、同時に鋭く声を上げるが、ドアは重い音を立てて閉まってしまった。 その後部屋に残された二人が聞いたのは、 レノがクラウドを引きとめようとする声、彼が派手に殴り飛ばされる音、遠ざかって行くバイクのエンジン音だった。 暫くして、左頬をしたたかに殴られたレノが、顔を押さえながら入ってきた。 「…この、馬鹿が」 痛そうな表情をしているレノを、ルーファウスは冷たくなじった。 「すまねえ、社長」 「…まあいい、どの道、真実を教えないまま奴を味方にするのは難しかった」 車椅子を回転させ、窓辺に移動させながら、ルーファウス。 「しかし少しまずいな…これでは奴が来た時にどう...
  • 五節 忠誠と野心38
    王――良く知り、一番知らないその人物がすわっているであろう玉座の間には近づくに連れ、 魔物の警備が強くなっていった。 そしてセシルの目的地が魔物達の守るべき場所であり、其処に向かうには激突は必須である。 ベイガンの手並みは想像以上であった。 もしかすると自分と同じ、否それ以上かもしれない。 そう思わせるほど完全な太刀筋であった。 勿論セシルとて、負けてはいなかった。続く攻防に的確に対処した二人にとって戦局は極めて 有利に働いていた…… 少し前まで、王の間へと続く、扉が魔物達の影から除いた時までは。 その扉が見てた瞬間、急遽セシルの頭にはあるものが思い出された。 今朝方、見た夢。 内容は自分でも驚くほどすぐに記憶から消え去り、さらには、此処に来て、ベイガンとの再会した 事もあり、夢を見たという事実すら失念してたのであった。 しかし、思い出すどころか、その内容までもが...
  • FF7AC Violators1
    魔晄都市ミッドガル。  かつて人類が手にした栄華のシンボルにして、いまの人類の惨状を象徴する瓦礫の山。  その瓦礫の山に寄りそうようにして、復興都市エッジは建設されていた。  2年前にミッドガルが崩壊したとき、しぶとくも生き延びた人間たちの一部はどこかへ移住していった。  だがその他の大多数は、この地に新たな都市を築くことを選んだ。  瓦礫の中から使えそうな廃材をわざわざ選び出し、粗末な鉄骨を痩せた地面に突き立てて。  新しい街を作り上げるならもっと別な新天地があっただろうに、彼らはこの花一輪咲きそうにない荒野を選んだのだ。  なぜって?  決まっている。そこに居たかったからだ。  この土地で、ミッドガルの傍らで生き続けたかったからだ。  いまは廃墟でしかないその成れの果てに、かつての繁栄の名残を見続けたかったからだ。  …くだらない。  ど...
  • 竜の騎士団 14
     騎士達はうち震えていた。  ある者は胸に手を当て、ある者は槍を掲げ、またある者は感服の涙を流していた。  彼らは同じ竜と生きるものとして、幼いカインに対する畏敬の念を隠せなかった。  そしてこの日、副長の提案と共に、バロン竜騎士団全員の賛をもってある決定が下された。 『バロン竜騎士団団長は不在とする!  カイン=ハイウィンドが竜騎士となるその時まで!』  当然ながら前例のないのことであったが、騎士団全員のたっての願いともあり、王もこれを 認めた。彼もまた王である前にひとりの騎士だった。  また、もちろんこの決定はカインに知らされることはなかった。慢心かあるいは重圧か、その どちらにしてもカインに与える理由はなかったし、カインならば必ず自ずから相応しい騎士に なるだろうと誰もが確信していた。  そのカインだが、このことがあってから彼...
  • 二節 試練31
     思わず詰め寄るジェシーに、長老はついに怒鳴りつけた。 「まだ分からぬか! お前をあの場に置き、わしがあの男に試練と告げた意味が!!  あの子らだけではない! これはわしを含め、この国の全ての民に課せられた試練なのじゃ!!  ジェシーよ! お前とて、変わらねばならぬのだ!」  先ほどの憤慨の比では無い。  その猛然たる勢いは、少女の熱情を縮み上がらせるに十分すぎるものであった。 「………」 「わしは間違っていると思うか、ジェシー?」 「………………いいえ、……でも」  長老は、暇を許さず問いかける。  彼女にそれに耐える力は残されていなかった。だが、どれほど長老の言葉を理解したところで、 やはり彼女の心はそれを受け入れることは出来なかった。  「わたしは……あなたのように強くはなれません」  それだけ、精一杯に絞り...
  • 終わりの始まり8
    アガルトの町。バロン国の真南に位置するやや大きめな島に存在する町。 島の面積の過半数が山岳で構成されるその場所は、ミシディア近くにあるミスリルの町のように特殊鉱石の貿易で栄えている わけでもない。ましてやバロンのように国家としての形態を作っている訳でもない。 水の都トロイアのような美しさもなく、観光目的で此処を訪れるものも皆無である。島中で一番栄えている小さな町に建てられた 武器屋、防具屋に並ぶ商品も平凡な品揃えだ。 一見して何の特色も無い平凡なこの島を訪れる人は段々と少なくなり、いつの間にか人々から忘れ去られる場所となった。 ある程度の面積を有している事から地図上から消されることは無かったし、「アガルト」という名前も存在し続けた。 しかし、学問においても政治的な思想においても、この島は誰にも触れることはしなかった。 学校の教育でも教えなかったし外交でも気に留めるものはいな...
  • 地底世界1
    カインが何故自分をこの島に連れてきたのかは先程のコリオとの会話では分からなかった。 しかし翌朝コリオ達の住んでいた集落を去り、飛空挺で上空へと飛ぶと、ものの数秒でその疑問は立ち消えることとなった。 むしろ着陸の際に何故気付かなかったのかと、少し前の自分に問いかけたくなる程であった。 飛空挺が離陸し、視界を地面が支配すると共に真っ先ににそれは目に入ってきた。 アガルトの町が位置するやや大きめな島の過半数を占める山岳地帯。その中でも一際目立った大きさの一山の頂上部分が 大きく穿たれていた。 否、穿たれる……という表現では少々物足りないかもしれない程であり、まるで其処には初めからそのような大穴が開いていた のではないかと思わせるほどである。 しかし、周囲に規則正しく並ぶ丘稜や山岳地帯が否が応にも以前の風景を証明するかのようであり、その大穴は周りから 浮足だっており、不気味さすら...
  • 三節 光を求めて6
    「光……それは何なんですか?」 セシルは訪ねる。 「高熱病を治すと言われてるものじゃ砂漠の光とも言われておる、だがそれがどんな物かも分からんし本当に存在するのかも定かではない」 「砂漠の光……それがあればローザは」 「まさか探しにいくというのか、無理じゃやめておけ!」 「だが、このまま何もしないよりは!」 そう言ってセシルは立ち上がりローザの手を握り小さな声で囁いた。 「待っていてくれローザ、すぐに助けてあげるからね」 セシルは老人に一礼した後急いで部屋を出て行った。 「ちょっと待ってよセシル!」 部屋に残されそうになったリディアは慌てて部屋を出ようとする。 「ありがとう、おじいさん」 振り返って老人に礼を言う、その時一瞬だけローザの方に眼をやる。 「…………」 とても綺麗な人──そして一途な人──それがリディアの第一印象であった。
  • 一節 航海4
    セシル殿! あなたは我々を侮蔑されるのか!」  突然ウェッジが声を荒げた。 「我らファブールの民が、そのような度量の狭い者の集まりとでもお思いか!?」 「・・・」 「その鎧の内側にある本質も見抜けぬような目くらとお思いなのか!?」  熱が入ってしまったことを恥じるようにウェッジは息をついた。だが、その目にはまだ 彼の情熱がらんと光っていた。 「・・セシル殿、確かに我ら民衆は国に属するもの、国を守り、国を尊び、そして 国を愛するものです。だが、だからといって我々は国そのものではない。そこに固執する あまり、祖国への愛情をはき違えてしまっておいでではないか?」 (・・・ウェッジ)  目が覚めるような思いで、セシルは目の前のモンク僧の言葉をかみしめていた。  その通りだ。王を憎み、祖国に絶望して剣を向けたのに。その実、自分の心は結局のところ 国...
  • 六節 双肩の意志22
    気付いた時には…… もはや以前の半分以下になった控え室に、セシルは立ち尽くしていた。 テラもシドもヤンも呆然としながらそこに立っている。 そして……部屋の両脇の壁には……満面の笑みを浮かべた二人の子供達の姿。 決して動く事無く、決して表情を――喜怒哀楽の激しかった二人の――変化させぬ子供達の姿。 全身は固く冷たい。だけどそこに内包されるものは誰よりも温かい。 黒魔法ブレイク。 対象者の体を内部から硬化させ、最後には全身を石塊にしてしまう魔法。 一度術が成功すると、その対象者は治療魔法。例えばエスナなどの魔法をかけられぬ限り、 元に戻る事はない。 ある種、治療手段を持たぬ者には最も恐ろしい魔法だといってもいい。 その魔法を、通常は攻撃として用いるはずを、パロムとポロムは自分にかけたのだ…… 実際は、黒魔法を使えるパロムの手によるものだろう...
  • FF9 OP1
    十六歳の誕生日、王女はいつもの夢で目覚めた。 嵐の夜、荒れる海原、いつ転覆してもおかしくないような小舟。 そんな状況で少女と女性が必死に生き延びようともがく夢だ。 王女はそれが自分であるかどうかもわからないし、その日に 何があったかもわからない。ただ、その夢に秘められた 忌まわしい記憶だけが王女の心の片隅に残されていた。 窓を開けてみる。滅多に出ることのないこの城で、唯一 自由に外の世界を見渡せる場所。 もう夕闇迫るアレクサンドリアの空を真っ白な鳥が 群れを成して飛び立っていった。 王女はその鳥の名前も知らないし、アレクサンドリアでは 別段珍しくもない鳥だ。しかし、その鳥を見るたび王女は 思うのであった。 「あの鳥のように、私も自由になれたら…」       「君の小鳥になりたい」 「最高に切ないラブストーリーを今…  ...
  • 地底世界6
    「!」 現れた人影は一人ではなく複数であった。そしてその集団の姿形はセシル達を驚かせる事になった。 どの者達も小柄で浅黒いを通り越した真っ黒な肌をしていた。集団の中には男と思われるものと女と思われるものの両者 がいたが、すぐには判別はつかなかった。そして男と判別されるであろう者達の頭には二本の角が生えた兜をかぶっていた。 これがこの大地に住む者達――地底人達だというのか。 「地上から来たのですね歓迎します」 驚きと戸惑いで困惑しているセシル達に向こう側から話しかけてくる。彼らの口から出たのは意外にも友好的な言葉であった。 「何故俺達を知っている?」 カインが警戒したかのような声を上げる。未知との遭遇ともいえるこの状況に対して、そう簡単に警戒心は解けないのだろう。 セシルも未だに信じてよいものか半信半疑であった。 「そう怖い顔をなさらないでください、カインさん――」 地...
  • 六節 双肩の意志23
    「馬鹿者がっ! はやまりおって!」 口を開いたのはテラだった。それは此処にいるもの達すべての意志を代弁する言葉であった。 それに相応しく、怒りと悲しみを一気に込めた言葉であった。 「おいっ……お前さんも魔法使いなのだろ! ならばっ、こやつらを速く、元に戻してやれ!」 急かすようにシドが言う。 「じゃ……」 「何?」 「無理じゃ……」 「何だと!」 以外なテラの返答に怒ったように返す。 「この子達は……望んで自らの身を犠牲にした……だから治療魔法も効果がない!」 「では! ずっと……一生このままだというのか?」 「それは……私にもわからん。だが、すぐにという訳にはいかんのだろう……」 悲痛なシドの叫びに対し、随分と淡泊な受け返しであった。だが…… 「死ぬのはっ! 死ぬのは、この老いぼれだけで充分であっただろうに!」 床を叩き、テラが...
  • 三節 山間13
    メテオ…… テラの口から発せられたその名には言い表せれぬ様な重みがあった。 まるで、強大な何かがのしかかってくるような感じだ。 「テラ様……まさかメテオを……」 メテオの名を聞いた途端、ポロムの顔は青ざめていた。おまけに体は微弱ながら恐怖に震えている。 「あれだけはおやめ下さい! 下手をすると命まで失いかねません! それにテラ様はもうお年を召されております……」 話を続けるポロムの口調は腫れ物にでも触るかの様に慎重だ。 「命!」 その会話にただならぬ雰囲気を感じて思わず疑問を口に出す。 「メテオは封印された古代魔法の中でも最高の威力を有すると言われておる 幾多の魔法の謎が解き明かされた現在でもその詳細は全くの謎に包まれておる」 「ですけどメテオの行使には常人離れした知力と体力をかね揃えた 者でないといけません。万が一半端な者が行使しようと...
  • 地底世界7
    またたく間に城へと案内されたのは、真っ先に目に入ってくる大広間を通り抜けた先にある大きな扉であった。 ここまでの道のりには複雑な順路を通ってきた。そこから察するに今招待されたこの場所は、普段王との謁見を果たすために 存在する王の間ではないであろう。そのような場所であれば大抵入口を道なりに行けば辿り着くからである。 ここまでの道案内をしてくれた地底人の男が、扉を開けて内部へと踏み込む。セシル達もそれに続く。 部屋の中には大きな円卓の机が一つ並べられていた。机を取り囲むように数えきれない程の人が着席している。 更には祭りや宴の類にしても大きすぎる円卓からすらもあぶれた人々があちこちに立ち尽くしていた。 「おお――あなたがバロンの!」 とてもではないが一目で何人いるのか到底判断がつかないその円卓の中心、そこにいる人物がセシルを見るなり声を上げた。 外見からして地底人の男である。そ...
  • 二節 砂塵8
    バロンからの刺客を退けた後部屋にはセシルと少女の2人だけが部屋に残された。 宿の主人は処分すると言って部屋から男の死体を持って出て行った。先程の出来事の一部始終を見ていた彼は他に何も言わなかった。 しばらくの沈黙の後、口を開いたのは少女の方だった。 「ごめんなさいあたしのせいで……」 少女は今にも泣きそうな声で呟いた。 「あやまるのは僕のほうだ。それもあやまって済むような事じゃない……」 利用されていたとはいえ確かにミストを滅ぼしたのは自分だ、それは変えようのない事実でありどんな事をしても償えるものではない。 それはセシル自体も重々承知していることである。 「でも守ってくれた……」 少女は再び呟いた、その眼からは涙があふれていた。 「……」 そうだ……自分はバロンからこの少女を守った。 そしてそれはもう此処が少女のとって安全な場所でない事を意...
  • FF6オープニング:ナルシェ懸軍7
    「な、何だ?! ウェッジ、おい!! どこへ消えた!?」  ――よせ。なんの冗談だ!?  彼にとってそれは初めて味わう恐怖だった。戦場に転がっている死の恐怖、そんな ものには慣れていたはずだった。しかし、今感じているのはそれとは別のものだ。  ――もしかすると我々は、とんでもない過ちを……。 「あっ、か、かっからだが……」  なにも知らなぬまま、思考もろとも光に飲み込まれていった。この世界を去る前、 ビックスの思った真実を誰も知ることはない。  残された少女は誘われるようにして氷づけの幻獣へ向けて歩を進める。拒むように 何度も光を放つが、この少女には通じなかった。  通じないどころか、同調するように力が増幅される。行き場を失った魔導エネルギーは 洞窟の岩肌を這うように拡散し、やがて両者の間に戻る。それを繰り返しながら蓄積された ...
  • 一節 刻む足跡9
    中には、エンタープライズを発進させる時に通った際に感じた、無人感はすっかりと 無く、今は人が居住していると分かる雰囲気になっていた。 だが、もはや日が西へと傾き、夜へと移行しようとする時期である。 部屋はがらんどうとしており、男とセシルが残されるだけであった。 「それで……」 セシルが勧められた椅子に着席すると、間もなく男が訪ねてくる。 「ああ、カインの事なんだ……」 「カイン」 その名を聞いた男はさして驚く様子も無く。 「ああ、やっぱりそうでしたか」 と言った。 「あなたが此処に来るのはそれくらいしかありませんからね」 そう言って、男――竜騎士団現副長はくすりと微笑した。 隊長として任命されたまだ若いカインを影ながら支えた彼にとって、セシルとカインの 関係も承知の上であったのだ。 「仲良き事で……羨ましいものですな」 最後に...
  • 地上を救う者達5
    巨人破壊の突破口は内部への潜入へと決まった。 しかし、フースーヤ言うとおり、言葉で表すことと作戦を実行する事には大きな差異が存在した。 なにせ相手は一つの星を滅ぼすほどの兵器なのだ。並はずれた巨体はただ足を使って歩いたり、拳を突き動かす だけが脳の相手であるわけがない。 「奴にはいくつもの武装が用意されている」 言い終わらぬうちに操縦機器に備え付けられたキーボードを操作するフースーヤ。 すぐさま外を映しこんでいたディスプレイの画面が切り替わる。 「外部カメラOFF――内部データ呼び出し……バブイルの巨人」 そこにいる誰とでもない声。おそらくはこの船に録音された自動音声と共に巨人の立体映像が映し出される。 「奴の武装――両腕に備え付けられた拡散レーザ、手甲の実弾型巨大砲。頭部につけられた大型ビームレーザ。 そして近づく者を追い払う小型機銃が体中に備え付けられている」 次...
  • 月へ1
    地底に閉ざされた世界には地上と違い昼夜の概念は存在しない。 しかし、生活の規則は存在し、そこに住む人々――主にドワーフと呼ばれるものは地上で言う朝がくれば 活動を開始し、夜がくれば帰路につきゆっくりと休む。 地上から来たものにとって朝と夜をすぐに見分けるのは困難ではあるが、皆が寝静まると家や通路の 明りは最低限なものとなる。そうなってくると自然と人影は少なくなり人通りからも活気は薄れる。 空に太陽や月が存在しなくとも、雰囲気という面において朝と夜の概念は存在するのだ。 月へ2
  • FF8-3
    あまり知られていない事だが、ひと口にガンブレードと言っても、 実は用途に応じて、様々なバリエーションがある。 俺が扱うガンブレードは「斬撃タイプ」と呼ばれるもの。 相手に切り掛る直前にトリガーを引くと、薬室内の炸薬が爆発し、 剣の峰にある噴出孔から大量のガスが噴出する様になっている。 それが斬撃の威力を後押しするのだ。 一方、サイファーが好んで用いるのは「刺突タイプ」と呼ばれるもの。 これはガスの噴出孔が、剣の峰ではなく剣先にある。 相手を突き刺したと同時にトリガーを引き、相手の体内にガスを送り込んで、 体内から破壊する事を目的としている。 とはいえ今は訓練中であり、ましてや俺とサイファーは確執こそあれ 同じガーデンの訓練生という事もあって、当然ながら安全装置が掛かっている。 だから結局のところ、単なる長剣での斬り結びに過ぎないのだが・...
  • 穿つ流星28
    「行くぞ、セシル!} そして、その終わりを見届けぬうちにセシルへと言い放ち、駈け出そうとしていた。 「ゾットの崩壊は始まっている。早くシド達の元へ行かねば間に合わんぞ!」 「ああ!」 セシルも慌てて呼応する。 だが、既に崩壊を始めてからかなりの時を経ているゾットの塔を脱出するのはかなりの困難を要する事 は想像に容易かった。 「くそッ!」 「二人共! 私に掴まって!」 カインとセシルが分の悪い駆けに出ようとした瞬間、二人を呼びとめる声がした。 ローザである 「ローザ?」 「早く!」 考えている時間は無さそうである。二人はすぐさまローザの手を取った。 瞬間、セシルの視界は少しだけ歪んだ。 「これは……」 極一部の空間に捻じれを生じさせ、その限られた場所にいる対象――人や物――を別の場所へと移動させる。 転移魔法――その詠唱には強力な攻撃魔法程の時間がかからない...
  • 二節 再開の調べ9
    「ふ~む……解ったような解らぬような……」 自らの問いの肯定と解答に、テラは肯定と否定ともとれるような声を発した。 既にテラは前述の問題――女性のみの統治についてのはっきりと理解したようだ。 そう……女性による統治。それは今まで何処の国もが実践したこと等ないもの。 現にその話を聞いたテラもやはり、それには納得しかねる反応を示しているのだ。 「なかなか人は新しい姿勢をうけいれないからね……自然とこの国も強い 姿勢を貫かざるをえなかったんだよ。それにこの国は戦争に巻き込まれた事が 未だ一度もない……」 森と水の都トロイア。美しきその名を守ってきたのにはそんな事実が存在してきた。 血で血を洗うと評される事のあるバロンとはまさしく対象的といえる国家であろう。 だが、現状という名の現実は、近年、この国にも着実に足を進めて来ている。 その一環がゴルベーザの各...
  • 二節 剛の王国5
    セシルが城から出、城壁に上って辺りを見渡すと、 既に城塞の正面の平野は、バロンの軍勢によって埋め尽くされていた。 どう少なく見積もっても一万はいるだろうか。 そしてその大軍を凝視した時、セシルは息を呑んだ。 何故って、彼らの軍勢の三分の二以上はモンスターで占められていたからだ。 それに、鎧を着た兵士達も良く見れば人間ではない。 眼には光が宿っていない代わりに赤く血走り、鎧の隙間から覗く肌はどす黒い。 その軍勢の姿は、昨今のバロンの変貌ぶりを体現しているかのようだ。 人としての誇りや心は失われ、ただ浅ましい欲望のみが残されている。 見るもおぞましい軍勢は、城塞へと歩を進め、攻撃の布陣を整え終えた。 「怯むな!魔物相手に尻込みしてはならない!」 城壁に配置されたモンクの隊列の後ろを歩きながら、セシルが声を限りに叫ぶ。 彼らもまた、異形...
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