7-083 その虚ろを満たすものは

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7-083 その虚ろを満たすものは - (2007/11/18 (日) 11:22:43) のソース

194 名前:その虚ろを満たすものは 1/2 投稿日:2006/07/16(日) 09:17:02 
「公達にも困ったものですね」 
もう少しもの分かりが良いと思っていたのですが。 
まあ、良いでしょう。 
もし直接私に手を下せる機会があっても、あの様子ではきっと躊躇うでしょう。 
その時に殺してしまっても良いし、可能ならばこちらから狙撃してもいい。 

やはり、文官は危険です。 

武官を血に狂わせるのは簡単だ。 
だがそれなりに頭の良い連中は単純にゲームに乗ったりはしないし 
ゲームの裏であるとか真意だとか、余計なことを気にし過ぎる。 
仮に乗ったとしても、直接的な戦闘力はあまりない。 
せめて、派手に踊ってもらわなければ。 
ただでさえ、今回は乗り気でない者が多すぎるようであるのに。 
何かシステムに狂いがあったのか? 


危機感のない、暢気な的を二つ見つけたので狙撃の練習台にすることにした。 
とくにそのうちの一人は皇帝を名乗った逆臣の血族だ。 
粛正せねばなるまい。 

突然の灼熱に孫策は何をする暇もなかった。 
弾丸は右目を貫き、脳に達している。致命傷だった。 
弾が命中した箇所も、その弾の射手も 
弟のそれと同じであったがそれを知る術は彼にはない。 
鉛玉が孫策の脳をかき乱し、 
丁度かつての死にざまと同じように狂乱の中を彼は堕ちる。 

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195 名前:その虚ろを満たすものは 2/2 投稿日:2006/07/16(日) 09:21:41 
「うおあぁああぅうぁああ!!!」 
痛みと狂気に暴れる孫策。文醜がようやく現状を把握したのは、その頃だった。 
「こんばんわ。よい月夜ですね」 
暗がりの中から、荀イクは涼やかな声でそう挨拶した。 
孫策の狂乱と荀イクの不気味な冷静さが奏でる不協和音。 
「だ、ど、だっ…誰だ!!」 
上擦った声で叫ぶ文醜。BGMは孫策の叫び。 
「お、俺の武器は火を噴くんだぞ!!」 
ふふ、と唇だけで荀イクは微笑む。 
「どうぞ」 
まるで客人に茶でも勧めるような口調だった。 
「殺さなければ」 
構える。 
「あなたが死にますよ」 
文醜が初めて知った冷たい、絶対の恐怖。 
文醜は何事かを喚きながら背を向けて駆け出した。 
荀イクの唇からこぼれたのは、憂いのため息。 
「…使えませんね」 
引き金を引く。 
一発目で体勢を崩し、二発目で弾み、三発目で動かなくなった。 
出来の悪い玩具のように痙攣を繰り返しながら孫策が逝ったのも、その時だった。 
こんなところも気の合う二人だったようだ。 

荀イクは空っぽなのだ。 
あの時からずっと。 
私を満たしてくれるのは、ただ陛下の御言葉だけなのだ。 


【孫策、文醜 死亡確認】 

@荀イク[洗脳されている?]【ガリルAR(ワイヤーカッターと栓抜きつきのアサルトライフル)】 
※アイテムは放置。許昌へ 
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